不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

ベランダが抜ける

 自宅から駅まで歩いていたら、前方から「ドンガラガッシャーン!!!!!」と激しくデカい音が聞こえてきたので、工事現場か何かで転落事故でもあったのかと思ったがそれ以外の悲鳴や「大丈夫か」といった声は聞こえてこない。はてなと音がした方に近づいていくと腰を抑えながらよろよろと歩くオッサンが一人いて、見たら古いアパートの二階のベランダの底が抜けていた。穴が開いたのではなく、ベランダの床部分が部屋との繋がりだけを残しベロンッと下がってしまっていた(伝わりますか、この表現で)。洗濯機と共にオッサンも落下したらしく、苦笑いをしながら階段を上がっていったが結構なダメージのはずで大丈夫だろうか。一階が無人だったのが不幸中の幸いか。古い木造アパートで老朽化が原因なのだろう。

 これが十日くらい前の話で、その後そこを通るたびについ見てしまうのだが、ベランダはそのままの状態で放置されている上に、二階の隣室の住民は何事もなかったかのようにベランダをフルに活用しているようで(びっしりと洗濯物が干されている)、いくら部屋ごとに差があるとはいえ他の部屋だって同じくらい老朽化しているはずで、同様の事が起きる可能性は極めて高いはず。怖くないのだろうか。それともなったらなったらだ、死ぬわけではないという覚悟だろうか。そもそも大家は対応しないのか。それとも「もう老朽化しているから住民に早く出て行ってもらい建て直したい大家 vs 家賃が安いからこのまま住み続けたい住民」という戦いが裏側で静かに激しく展開されているのかもしれない。今後の動向を注視したい。

四月一四日、「疲れている」しか書いていない日記

 昨日は疲れすぎていたためかよく眠れず。スローに動きながら会社へ行き、仕事しごと。無事にノルマを終えると追加の仕事が降ってくる、ノルマをクリアしない方がいいのではないかといつも思う、思うがクリアしてしまう。鏡で見たら自分の髭に白いものがずいぶん増えていた。休みが欲しいが、休みが遠い。

四月一三日、PC購入

 カミさんの付き添いで某家電量販店に行く、仕事用のPCを買い替えるそうだ。ちょうど新生活キャンペーンなのでこの機を狙っての事。もう目星はついていたので少し係員から追加説明などを聞いて即購入。自分の私用PCを買ったのはいつだったか、iPadを使うようになってからめっきり立ち上げる機会が減ってしまい、それでもCDを買ったらインポートするために使っていたがSpotifyを始めたらそれも減ってしまった。時折り立ち上げると起動がずいぶん遅くなったが(いまの私のようだ)、一応動き出したらスムーズで、バッテリーがいかれたけれど家でしか使わないので何とかなり、まだ買い替える気はない。ないのだけれど、新しいPCを見ているとちょっとだけ購入欲がわいてくる。まぁ買うとしたら新しいiPadになりそうだ。購入後はさっと飯を喰って分かれて、私は会社へ。会う人会う人に「大丈夫ですか」と聞かれ、そのたびに「あまり大丈夫ではないですね」と答えている。

思え、曙光の時を

 曙はK-1ではなく最初からプロレス、あるいはPRIDEなど総合格闘技に行っていたらよかったのかもしれないなと思うけれど、あれは谷川氏のオファーがあってのものだからifを言っても仕方ない。格闘家としてはともかくプロレスラーとしては結構いいレスラーだったと思うし(ベルトだって巻いている)、そもそも力士としては偉大な横綱だった。私もよく見ていたあの時代の最も大きな存在だったと思う。近いところにステーキ屋を出していて、そのうち行ってみようかと思っていたが、そもそもステーキを食べたい時がないので行かずにいたら閉店してしまった、あれは病気療養が理由だったのかもしれない。曙も五十四歳、訃報が続くなぁ。


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真っ黒なベーシスト

 元ゆらゆら帝国ベーシスト亀川千代が死去 - 音楽ナタリー

 雑誌などの高い評判を知って聞いた『空洞です』が初めてのゆらゆら帝国だった。一聴してさっぱりわからん、なんだこの音楽はと戸惑い、とりあえず「わからない音楽」棚に置いておいたら、ほどなく解散してしまった(解散後の三人の活動は坂本慎太郎氏のソロはよく聞いていて、柴田一郎氏は申し訳ないが知らず、そして亀山千代氏は不失者など少し聞いた程度)。その後、何がキッカケだったかは思い出せないがメジャーデビューアルバム『3×3×3』をレンタルして聞いたら、あまりの独特な格好よさにぶっ飛んでハマってしまい、中古でインディーズ盤を探して買うくらいになった。三人が三人ともこの人でしかなしえない姿形と音だった。おもしろい事にディスコグラフィーの順に作品を聞いていくと、あれほどわからなかった『空洞です』がメチャクチャいいなと思うようになったのだから、文脈ならぬ音脈を辿るのは大事だなとわかる。解散理由が「完全にできあがってしまった」となれば再結成はまずないだろうと思ったが、どうしてもライブの音を聞きたいとDVDも買った。付属ブックレットに掲載された楽屋での写真で、柴田氏と談笑する亀山氏の姿があった、ベースを膝に置き少し微笑んでいて、当たり前だがこの人も笑うんだなと何故かちょっとドキッとしたのを覚えている、机の上にはマルボロが置かれていた。五十四歳、チバユウスケと同い年、やっぱりあまりにも早いよ。


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空洞です

空洞です

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3×3×3

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甘いもの

 仕事で楽しいものとうんざりするものが両方同時進行していて、そこまで感情が振れているわけではないが気持ちの行ったり来たりは結構疲れるものがある。そうでなくとも疲れやすいのに。こういう時は甘いものだなと帰り道途中にあって、味も値段も手頃なちょいちょい買っているケーキ屋(チョコと焼き菓子の店)に行く。だいぶ顔馴染みになり、適当な会話もするようになって今回も桜がもう散っちゃってねえなどと話していたら、「もうお店締めますから、余ってるやつでよければ一つどうぞ」と言われた。いいんですか本当にと言いながらちゃんとレアチーズケーキを頼み、お返しといってはなんだがクッキーを二枚ばかし追加購入した。これだけで気分はずいぶん良くなった。やはり疲れた時には甘いものだな。

友達だった人

booth.pm

 Twitterで試し読みが流れてきて気になったので電子版を購入して読んだ。年数は忘れたがそれなりに長くSNSTwitter)をやっている私にも顔を知らない本名を知らない、しかし長い付き合いの相手がいて、中にはそれなりにお互いの事を認知していてやり取りもよくしていて親しいと言っていいかもしれない人もいる。だからこの漫画からそういう人たちの事を思ったのだが、本書を読んだ少し後、相互フォローの方の訃報を聞いた。カルチャー系の編集者で、ごくごくたまにTwitterやインスタグラムで話しかけたりコメントを残したりする間柄だった、わりと趣味嗜好が似ていた、おそらく住んでいるところも近かったようだ。三人の編集者と合同誌を一年に一回出していて、私はそれを欠かさず買っていた。一度だけ店頭でお目にかかり、挨拶をしたがろくな会話はしなかった。いつかまた、そのうちきっと、そう思っていたけれど果たせずに終わってしまった、私は何度同じ過ちを繰り返すのだろう。私はその人の事を友達とはとても言えないのだけれど、知人というには他人行儀すぎて、何と呼べばいいのだろう、やっぱり友達と言っていいのかな。