不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

ウェルカムノンアル

 スマドリですか、飲み方の多様性だそうですが、要するに酒飲まんでもええやん、好きなもん飲もうやという提唱であって、そんな事は二十年近く前の学生時代から考え動いていた私に時代がようやく追いついたわけですが、しかしその時代はまだ一気飲みコールをする連中がそこかしこにいたし、酒飲めないやつはノリが悪いという空気もあった。だからそれなりに背が高く、顔つきも悪く、とても一年生には見えなかった私が「俺、ジンジャエール」と一人ででも頼み、二次会には行かず「コーヒー飲んでから帰る」とスターバックスにふらふらと行っていた事は、後から聞いた話では他の飲めない人の手助けになっていた(ノンアル注文や帰る事に便乗できた)らしい。人知れず功徳を積んでいたのだ。スマドリとやらが学生の間でどのように受け止められているのかは知る由もないが、現在ノンアルコール飲料が増えているのは嬉しい限り。いくつか飲んだ中ではアサヒスタイルバランスが一番おいしかった。どこかのバーにノンアルコールカクテルを飲みにも行きたい。

一番読んでいる本

 実際のところこの数ヶ月で一番読んでいるのは『別冊音楽と人 チバユウスケ』である。頭から最後までじっくりと一読した後は、自室の椅子から届く場所に常に置いておいて、ふと手にしては、時に写真を眺め、時に適当に開いた箇所を読んではまた置いて、違う機会にまた開いて、を繰り返している。別段意外な素顔が見えてくる事はない。私の知っているチバユウスケがそこにいる、やっぱり好きだなといつも思い、もういないんだなといつも寂しくなる。性格も生き方も(当たり前だが)違うのにこの人みたいになりたいと思っていたし、いまも少なからずその思いを抱えているけれど、私が好きなチバは自分をそっくり模倣するような事をよしとはしないだろうから、自分なりにアレンジして近づきたい、少しでも近づいているだろうか。なぁパンクス、グチってばっかいねえで、愛でぬりつぶせ。

診察室の会話

「(この日の日記に書いたような事を話す)」
「なるほど。今も疲れているけど咳は出ない?」
「そうですね、少ないです」
「じゃあ、薬を減らしてみようか。減らせるならそれがいいからね」
「そうしてみましょう」
「……だけどさ」
「はい」
「また通常業務Aのみに戻るんだよね?」
「そうですね」
「大丈夫なの?」
「さあ」
「そう」
「ええ」
「「……」」
「まぁ仕事については僕からはね、うん、とりあえず様子見よう」

 いまだに身体は怠いままで診察終わって帰ったら寝てしまった。

最近読んだ本を並べただけ

 一度読み出したらぐいぐいと読めるのが本というもので、何冊か立て続けに読み終えた。昔はいちいち読んだ本をメモし、感想も書いていたのだが、いまはその気力がわかない。書いた方がいいんだけどなと思いつつ何を読んだかだけ並べておきます。あえて言えば前田隆弘『死なれちゃったあとで』(中央公論新社)がよかったです、死なれちゃった人を思い出しながら。次は小説を読もう。

噛みごたえ

 雛鳥に比べて親鳥は熟成が進んでいるぶん旨みがあって噛みごたえもあると知ったのは『辺境酒場ぶらり飲み』という漫画でだった。酒も飲めんのに(いや飲めないからか)こういう漫画をよく読んでいるが、これで知って一度親鳥を食べてみたいと思っていたら、近所の鶏肉料理店がランチで親鳥の鉄板焼きを出していたので早速食べてみると個人的にはこっちの方が好きだった。噛みごたえがあるのがいい。その店は平日しかランチをやっていないのでたまにしか食べられないが、会社近所に新しくできたラーメン屋が親鳥からダシをとり、チャーシューも親鳥肉というので早速行ってみたが、やはりうまい。醤油ラーメンに合う。ラーメン自体は普通だが親鳥食べたさでまた行こうと思う。食べ物には噛みごたえが欲しい、「口の中に入れたら蕩ける」なんてものは、まぁあったっていいけれど、だからおいしいわけではない。我が家は嚙みごたえ重視なので、砂肝や豚のカシラがメインのおかずで出る時がある。顎が疲れるがうまい。食べるのが早めの私は、よく噛まねばならないから必然的に食べるのも遅くなる。いい事づくめだ。硬いものを喰おう、人生も噛み砕け、勢いで書いたが自分でも意味はよくわからん。

五月二六日、本を読む

 キリッとした蕎麦つゆを舌が欲したので最近カミさんがよく行く図書館の近くにあるという蕎麦屋へ行く。我々が入って満席になり、その後どんどん客が来るのでラッキーだった。カミさんは鴨南蛮、私は鴨せいろ、満足。タリーズコーヒーで駄弁ったり、ちょっと仕事の事を考えたりしていたらすぐさま疲れてしまったので、コーヒー豆と食材を買って帰る。昼寝、窓を開けておくと心地よい。起きたら読書、だらだらと本を読めるくらいまでは回復したがそれ以上にはならず。ならずだが読めるだけマシで、ここ数日で三冊くらい読めた。しかし本は読めても自分の内部が枯渇したままなのがわかる。振り返ればこの四年近く、と書き出すと愚痴っぽくなるので今日はやめておく。『光る君へ』を見て、夜の散歩。明日は会社に行けるだろうか、やっていけるだろうか、これからどう生きていこうか、なんて事を毎日考えている。暗いようだが、言うほど暗闇気分ではない、結局は選択・決断だ。

五月二五日、パーク

 どこか行きたいが体力的に遠くへは行けない、でも行きたい、開けたところがいいなと思っていたらネットで見かけたMUFG PARKがよさそうで、吉祥寺からバスで二十分なので早速行ってみた。武蔵野大学のすぐそばで、もともと三菱UFJの従業員向けの施設だったのを一般開放したという。こんな施設がある上に一般開放するのだから、大企業だなぁと感心する。園内には蔵書は全て寄付によるものだという「まちライブラリー」があり、一般的な図書館とは蔵書の種類や並びが違うのでおもしろい。家族連れが多いが観光名所というわけではないので、近所の知っている人達がぶらっと来たかのようなゆるい雰囲気。図書館の軒下にある椅子に座っていたら、日陰が心地よくうっかり寝てしまった。園内をぶらりと散歩したら、またバスで駅まで戻る。長い滞在ではなかったがいいリフレッシュになった、また行くかはわからんが。ルノワールで一休みしてから帰宅。夕飯後、Netflixで『三体』を見始める、E1は事が起こる前兆でしかないので何とも言えない。