アイドル×日常が織りなす永遠について。【ツキウタ。 THE ANIMATION2】
なんてことない毎日が、キラキラの宝物。
ツキノ芸能プロダクションに所属する2組のアイドルユニット、Six GravityとProcellarumはライバルにして兄弟ユニット。ツキプロの看板ユニットとして充実した日々を過ごしつつも、デビュー当時と変わらない賑やかな共同生活を送っている。キラキラしたアイドルとしてのオンの姿、のんびりしたプライベートのオフの姿。どちらもあるのが、彼らの『今』!グラビ、プロセラのアイドルな日常をお届けします!(公式サイト「ツキウタ。とは」より)
2020年10月、ツキウタ。の第2期が2016年の夏クールから丸4年の月日を経て、ついに幕を開けた。
ーー第1期から4年後を舞台にして。
いや、知ってた。ツキウタ。の公式サイトのキャラクター紹介ページで年齢が定期的に更新されていることは。それは知っていた。知ってたけれど、
だからといって本当にアニメ第2期が第1期から4年後を舞台にして始まるとは思わないだろ。
いや、それもまだいい。第1期と第2期の間で時間が経過しているアニメは、たくさんある。なにも別段珍しいことでもおかしいことでもない。
おかしいのは、演出等が時間が経過していることをまったく主張してこないことだ。
まるで、「4年間カメラを回すのを忘れていました(笑)」とでも言うような第2期第1話がそこにあった。さも当然のことをしているような顔つきで、4年後を舞台に物語が再び動き出した。いや、再び動き出したわけじゃない。なぜならツキウタ。は日常アニメだから。ただ4年ぶりに、昨日の延長線上にある今日を切り取った30分が放送されたのだ。
度肝を抜かれた。けれど、実はこれは本来は驚くことではなかった。なぜって、ツキウタ。が自然体すぎるアニメなことは、第1期の頃からだからだ。
ツキウタ。は第1期の頃も、普通のことをしている顔で、ありえないことをやっていた。特にその謎を解き明かすわけでもないのに月の住人なんていうSF設定を持ち出してきて、しかもそれを物語の結構大事なワンシーンに使ってきて、そしてそのまま放り投げて第1期は終わった。「あれは何だったんだ……」という気持ちだけを残して、次の日がやってきていた。
そんなツキウタ。だから、今日の第2期第1話も、なんてことない毎日のひとつに過ぎなかった。特になにも特別なことはしていなくて、ツキウタ。にとっての通常運転というものだった。
そのことがオレはすごく嬉しかった。こんなに距離の近い二次元が存在しちゃってもいいんだ……って思った。そこにある彼らの日常を切り取ることに終始したツキウタ。のアニメが大好きだと実感した。
けれども、同時に、オレはとあるひとつのことに気付いてしまった。
ツキウタ。は永遠ではない。ということだ。
リアルタイムで時間が経過するということは、彼らもいつかはアイドルじゃなくなるということだ。彼らと共に生きている事実に喜んだその瞬間に、オレは同時に彼らの有限性を認識してしまった。
これからツキウタ。がどんな未来を歩んで、どんな結末を迎えるのか。いや、そもそも結末なんてあるのか。それがとてもとても楽しみで、そしてゾッとしている。
とにかく、オレはツキウタ。と共に生きていきたいと強く思った。ツキウタ。と共に生きる未来を、見てみたいと思った。