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Oct 15
“第二次世界大戦のさなか、ジョン・メイナード・ケインズとフリードリヒ・ハイエクは、ケンブリッジ大学のキングス・カレッジ・チャペルの屋根の上で、一晩中二人だけですごしたのだ。彼らの任務はじっと空をにらんで、英国の風光明媚な小都市に焼夷弾の雨を降らそうとする、ドイツの爆撃機を警戒することだった。
(中略)
夜が来るたびに、キングス・カレッジの教師や学生らは、シャベルを持って華麗なゴシック様式の礼拝堂の屋根に交代でのぼった。この礼拝堂の礎石は一四四六年にヘンリー六世によって据えられたものである。ロンドンのセント・ポール大聖堂の空襲火災警備員は、爆撃機に対抗する手段はないものの、落とされた焼夷弾を屋根に火がつく前に屋根の端から落としてしまえば、被害を最小限にとどめられることを学んでいた。そんなわけで、当時六十歳に近づいていたケインズと四十三歳だったハイエクは、石灰岩の手すりにシャベルを立てかけ座り込み、迫りつつあるドイツ機の空襲に備えた。”
『ケインズかハイエクか』ニコラス・ワスプショット(新潮文庫)久保恵美子訳、p11-12

Oct 14
“一九一七年、ケインズは母親にあてて、戦争の継続は「わたしたちがこれまで知っていた社会秩序の消滅を意味するでしょう。多少は残念な気もしないではありませんが、しかしそれほど悲しむべきことだとも思いません。金持ちがいなくなるのはむしろ快いことだし、そのほうが彼らにとってもいいでしょう。それよりも怖いのは、国全体の貧困化が予想されることです……わが国の支配者が狂っていて邪悪であると同時に無能であるがゆえに、ある特定の時代、ある種の文明が非常に近い将来に終焉するであろうことを考えると、わたしはかなりの満足を覚えるのです」と書いた。” 『世界恐慌(上)』ライアカット・アハメド(筑摩選書)吉田利子訳、p140

Feb 5

『史記』周本紀によれば、周の厲王が国人の暴動により出奔を余儀なくされて王が不在となったとき、周定公(中国語版)、召穆公(中国語版)の二人が政務を執り、共和と称したという。また、共伯和(共を封地或いは諡号とし伯の爵位を持つ和(か)という名前の人物)が政務を執ったともいう。共伯和については、時期から推測して衛の武公であるとする説もある。

この時期には、王がおらず、諸侯の合議で国政が運営されたため、近世に入り、日本人はこの語『共和』を、同様に王がおらず、貴族・議員等の有力者の合議で国政を運営する欧州の「res publica」を指す語としても使用した。こうして意味が拡張された『共和』という語は、漢字文化圏全体に広まり一般化し、現在では更に意味が拡張・普遍化され、地域や時代を問わず、世襲権力者がいない政体を指して共和制と呼ぶ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/共和_(周)

「共」の地の「和」さん。


“以上に挙げた武術組織は、極めて強い宗教的性格を有し、内部ではシャーマニズム的な儀式も持っていた。そうした組織の崇拝する神は、齊天大聖(孫悟空の神格化)や諸葛亮、趙雲など(庶民の娯楽の『西遊記』、『三国志演義』から神格化されたもの)であった。義和団では、神が乗り移った者は、刀はおろか銃弾すら跳ね返すような不死身になると信じられていた。” https://ja.wikipedia.org/wiki/義和団の乱

May 25

 河出書房新社という「すごい出版社」から、『すごい物理学講義』という本が出た。
 邦題の見識を疑う。
 それはもちろん世の中には、『ハーバード白熱教室』とか、『マサチューセッツ工科大学「感動」講義』とかいうタイトルの本がある。しかしこの邦題のひどさは、そうしたものとは違う。

 「すごい物理学講義」ときくと多くの人は、現代物理学の色々すごいところを楽しく解説した本だと考えるのではないか。しかし実際の内容は、ループ量子重力理論について一般向けに解説したものである。著者のカルロ・ロヴェッリは、長年この理論を追求してきた第一人者だ。

 ループ量子重力理論は、相対性理論と量子力学の融合を目指す理論の一つである。この二つの理論はとてもよく利用され、その正しさも十分に認められているのだが、互いにとても相性が悪いことが知られている。相対性理論と量子力学を融合する理論は、量子重力理論と呼ばれる。今のところ優勢なのは超弦理論で、ループ量子重力理論はやや遅れた二番手につけている。

 ループ量子重力理論についての解説本を書くことが難しい理由は、まず、相対性理論と量子力学を解説しなければならないところにあって、それぞれが数冊の本を必要とするような代物である。ループ量子重力が問題になるのはその先なのだ。本書でも、前半は相対性理論と量子力学の概観に費やされる。

 問題は、ループ量子重力理論は、物理学の中の一つの理論(それもまだ検証中の、というよりも検証の仕方もわかっていない)であるという点である。相対性理論と量子力学について解説したからといって、物理学の歴史を概観したことにはならないし、ロヴェッリもそんなことは書いていない。
 ロヴェッリが書いたのは、自分が愛し、人生をかけて育てた理論についての解説書であり、その土台をなす世界観についてである。
 だから邦題が、『ロヴェッリの感動講義』とかであったなら、それはそれでひどいものだが、ここまで何かをいう必要はない。

 『すごい物理学』という邦題は、一個の理論としてのループ量子重力理論のことも、理論の体系としての物理学のことも、それに関わる人々のことも、同時に馬鹿にしているようにわたしには見える。


Feb 22
“世界のデザイナーの九五%は、世界の十%を占めるにすぎない、最も豊かな顧客向けの製品とサービスの開発に全力を注いでいる。残りの九十%に届くには、まさにデザインの革命ともいうべきものが必要だ。” 『世界を変えるデザイン』シンシア・スミス(英治出版)北村陽子訳、p40。

Jan 27
“乳児に授けられた言語に由来する、新種の器官こそ過去である。” 『いにしえの光』パスカル・キニャール、小川美登里訳(水声社)p18。

Nov 20

google 翻訳風に

 Sでは、ラッシュアワー。二十から六中の男、テープを交換するコードと柔らかい帽子、誰かが彼を撃ったかのように、あまりにも長い首。人々が下ります。問題の男は隣人に対してイライラです。誰かが通過するたびに彼は喧騒を非難しました。あなたのその邪悪な風を泣き言。彼は欠員を見たように、駆け寄りました。
 2時間後、私はサン・ラザール駅の目の前で、ローマの裁判所に会いました。それは彼に言った友人と一緒です: “あなたはあなたのコートに余分なボタンを配置するべき>それは彼(ノッチ)とその理由を示しています。


Sep 22
“Third, the Romantic Movement came along at the end of the eighteenth century. The Romantics liked to believe that you could learn everything worth learning by gazing at a babbling mountain brook, or running barefoot through the fields, or contemplating a Grecian urn. They wanted to be natural, and the figures of rhetoric are not natural. They are formulas, formulas that you can learn from a book.” “The Elements od Eloquence”, Mark Forsyth.

Sep 9
“In biology and psychology, the Coolidge effect is a phenomenon seen in mammalian species whereby males (and to a lesser extent females) exhibit renewed sexual interest if introduced to new receptive sexual partners,” https://en.wikipedia.org/wiki/Coolidge_effect

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