2024年4月27日

20世紀のイタリアで最も重要な写真家ジャンニ・ベレンゴ・ガルディン

Railway Station, Mila
Railway Station, Milan, Italy, 1995
Gianni Berengo Gardin

ジャンニ・ベレンゴ・ガルディン(1930年生まれ)は、ルポルタージュと編集の仕事を中心に活動してきたイタリアの写真家だが、そのキャリアは書籍の挿絵や広告にも及んだ。20世紀のイタリアで最も重要な写真家で、50年以上にわたり、職人としての謙虚さと情熱を持って写真を撮り続けてきた。ガルディンは1930年10月10日にグーリア州ジェノヴァのサンタ・マルゲリータ・リグレで生まれた。1954年にアマチュア写真家としての活動を始めるまで、スイス、ローマ、パリ、ヴェネツィアに住んだ。写真は独学で、パリで他の写真家たちと2年間働きながら写真を学んだ。写真家として活動を始めた最初の年である1954年、彼の最初の写真がイル・モンド誌に掲載された。マリオ・パンヌンツィオが編集したこの雑誌は、アマチュアもプロも好んで作品を投稿した雑誌だったが、1959年まで写真は特定の写真家の作品とは明記されていなかった。この雑誌は街頭の風景や、街と田舎の両方での奇妙で皮肉な、あるいは奇怪な出会いを重視する写真美学を追求していた。イル・モンド誌に掲載された写真の3分の1以上はガルディンによるものだった。同じフレーム内に同時に行動と物体を捉える稀有な能力により、彼はパンヌンツィオが追い求めていたストリートライフに最適な候補者となった。ベレンゴ・ガルディンは後に『ドムス』『エポカ』『エスプレッソ』『シュテルン』『タイム』『ヴォーグ・イタリア』『レアリテ』『ル・フィガロ』『ラ・レプッブリカ』などにフォトエッセイを掲載した。

Nursery for Olivetti
Nursery for Olivetti Factory Workers, 1968

1962年にプロに転向し、2年後にミラノに移り住んだ。1966年から1983年まで、イタリアのツーリング・クラブで働き、イタリアや他のヨーロッパ諸国やその都市に関する書籍の写真のほとんど、またはすべてを提供した。彼はかつて、自分のキャリアの頂点を「1978年にイギリスでツーリング・クラブのために行った仕事」と表現した。「車が大好でオースチンとMGを持っていた」とも付け加えている。彼は "Istituto Geografico De Agostini"(デ・アゴスティーニ地理研究所)でも同様の仕事をした。1979年レンゾ・ピアノと働き始め、彼の建物の設計プロセスを撮影した。ガルディンは、アルファロメオ、フィアット、イタルシダー(後のイルヴァ)、オリベッティなどのイタリアの大手企業とも協力し、製品ではなく従業員の労働生活を紹介した。1990年代初頭、イタリアのロマ(ジプシー)と生活を共にし、彼らの生活を内側から表現しようとした。その結果、高く評価されている2冊の本 "La disperata allegria"(絶望的なまでの明るさ)と "Zingari a Palermo"(パレルモのジプシー)が出版された。1990年以来、写真プロジェクト「コントラスト」の代表を務めている。

Vaporett
Vaporetto, Venezia, Italy, 1960

ガルディンは80代になっても活動を続けている。イタリア最大の部数を発行する『ラ・レプッブリカ』紙からの最近の依頼は、ヴェネツィアの生態系を脅かす巨大クルーズ船の写真を撮ることだった。 ガルディンは150万枚以上のネガを収蔵する大規模なアーカイブを所有している。ミラノの FORMA 財団がネガ、プリント、文書、カメラを含むこのアーカイブを管理、その他の資料はニューヨーク近代美術館に所蔵されている。影響を受けた人物としてフランスの写真家アンリ・カルティエ=ブレッソン、ウィリー・ロニス、エドゥアール・ブバ、ロベール・ドアノー、アメリカのユージン・スミスを挙げている。ジャンニ・ベレンゴ・ガルディンは、アイデアを念頭に置いて作曲することを好む詩的ドキュメンタリー作家の偉大な世代の一人である。彼は労働者、医師、司祭、さらには放浪する音楽家など、日々の活動で社会の構造を支える人々に常に共感を抱いてきた。代表作とも言える "Vaporetto, Venezia"(ヴェネツィアのヴァポレット)は1960年に撮影されたもので、鏡張りのドアが付いたヴァポレット(水上バス)に乗っていたため、乗客は反射モザイクの中に閉じ込められている。

Arles, France
Shadow, Arles, France, 1987

日常的であると同時に乗客は普通の通勤者、エキゾチックでもあり、過剰な表現に囚われた都市のパラドックスを捉えている。「私は30歳で、ヴェネツィアのリド島に住んでいて、毎朝ヴァポレットに乗ってサンマルコにある職場まで通っていました。本当に運が良かったんです。建築写真をたくさん撮っていましたが、これは思いつきで撮った写真で、たった1枚の写真です。中央にはヴァポレットのガラス扉に映った自分の姿があり、その後ろには全身黒ずくめの男性が立っています。もし彼が白を着ていたら、この写真はうまく撮れなかったでしょう」と説明している。この写真はベレンゴ・ガルダンの写真集『季節のヴェネツィア』に掲載された。アンリ・カルティエ=ブレッソンは「この写真はこれまでに撮影された写真の中で最も重要な80枚にランクされている。フレーム内に視線とフレームが同居するこの写真は、ベラスケスのイリュージョンを彷彿とさせる。

Pilgrimage
Pilgrimage to El Rocìo, Andalusia, Spain, 1992

異空間と人物の卓越したカメラ内モンタージュであり、フランスのルポルタージュ派(ドアノー、ブバ、ロニス)、ラ・ゴンドラと呼ばれるヴェネツィアの写真家グループ、ユージン・スミスの白黒の力強い描写など、この写真家が複数の芸術的影響を受けたことを示唆している。1950年代末、この新しいタイプのルポルタージュは、社会的ドキュメンタリーと写真家の主観的な世界の探求を調和させるように見え、戦後多くのイメージ・メーカーを分裂させていた形式と内容に関する論争に終止符を打った」と称賛している。1994年、イタリアのジプシー・コミュニティのルポルタージュ"Disperata Allegria - vivere da Zingari a Firenze"(絶望的なまでの明るさ--フィレンツェでジプシーとして暮らす)でオスカー・バルナック賞を受賞。2008年10月、ニューヨークで写真家としての功績が認められ、"Lucie Award for Lifetime Achievement"(ルーシー生涯功労賞)を受賞した。2009年5月、ミラノ国立大学で歴史と芸術批評の名誉学位を授与された。

Still Film  Gianni Berengo Gardin (born 1930) | Art Works | Biography | Peter Fetterman Gallery

二十世紀の偉大なる写真の巨匠たち

New Mothers
Sally Mann (born 1951) The New Mothers, Lexington, Virginia, 1989

2021年の夏以来、思いつくまま、世界の写真界の「二十世紀の巨匠」の紹介記事を拙ブログに綴ってきましたが、これは2024年3月21日現在のリストです。右端の()内はそれぞれ写真家の生年・没年です。今世紀に至るまで作品を作り続けたエリオット・アーウィットやセバスチャン・サルガドなどは例外で、大多数がすでに他界しています。左端の年月日をクリックするとそれぞれの掲載ページが開きます。

21/08/12写真家ピーター・ヒュージャーの眼差し(1934–1987)
21/08/23ロマン派写真家エドゥアール・ブーバの平和への眼差し(1923–1999)
21/09/18女性初の戦場写真家マーガレット・バーク=ホワイト(1904–1971)
21/09/21自由のために写真を手段にしたエヴァ・ペスニョ(1910–2003)
21/10/04熱帯雨林アマゾン川流域へのセバスチャン・サルガドの視座(born 1944)
21/10/06アフリカ系アメリカ人写真家ゴードン・パークスの足跡(1912–2006)
21/10/08写真家イモージン・カニンガムは化学者だった(1883–1976)
21/10/10現代アメリカの芸術写真を牽引したポール・ストランド(1890–1976)
21/10/11虚ろなアメリカを旅した写真家ロバート・フランク(1924–2019)
21/10/13キャンディッド写真の達人ロベール・ドアノー(1912–1994)
21/10/16大恐慌時代をドキュメントした写真家ラッセル・リー(1903–1986)
21/10/17自死した写真家ダイアン・アーバスの黙示録(1923–1971)
21/10/19報道写真を芸術の域に高めたユージン・スミス(1918–1978)
21/10/24プラハの詩人ヨゼフ・スデックの光と影(1896-1976)
21/10/27西欧美術を米国に紹介した写真家スティーグリッツの功績(1864–1946)
21/11/01ウジェーヌ・アジェを「発見」したベレニス・アボット(1898–1991)
21/11/08近代ストレート写真を先導したエドワード・ウェストン(1886–1958)
21/11/10社会に影響を与えることを目指した写真家アンセル・アダムス(1902–1984)
21/11/13ウォーカー・エヴァンスの被写体はその土地固有の様式だった(1903–1975)
21/11/16写真少年ジャック=アンリ・ラルティーグ異聞(1894–1986)
21/11/20世界で最も偉大な戦争写真家ロバート・キャパの軌跡(1913–1954)
21/11/25児童労働の惨状を訴えた写真家ルイス・ハインの偉業(1874–1940)
21/12/01写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンの決定的瞬間(1908–2004)
21/12/06犬を愛撮したエリオット・アーウィット(1928-2023)
21/12/08リチャード・アヴェドンの洗練されたポートレート写真(1923–2004)
21/12/12バウハウスの写真家ラースロー・モホリ=ナジの世界(1923–1928)
21/12/17前衛芸術の一翼を担ったマン・レイは写真の革新者だった(1890–1976)
21/12/29アラ・ギュレルの失われたイスタンブルの写真素描(1928–2018)
22/01/10自然光に拘ったアーヴィング・ペンの鮮明な写真(1917-2009)
22/02/01華麗なるファッション写真家セシル・ビートン(1904–1980)
22/02/25抽象的な遠近感を生み出した写真家ビル・ブラント(1904–1983)
22/03/09異端の写真家ロバート・メイプルソープへの賛歌(1946–1989)
22/03/18写真展「人間家族」を企画開催したエドワード・スタイケン(1879–1973)
22/03/24キュメンタリー写真家ブルース・デヴッドソンの慧眼(born 1933)
22/04/21社会的弱者に寄り添った写真家メアリー・エレン・マーク(1940-2015)
22/05/20写真家リンダ・マッカートニーはビートルズのポールの伴侶だった(1941–1998)
22/06/01大都市に変貌する香港を活写したファン・ホーの視線(1931–2016)
22/06/12肖像写真で社会の断面を浮き彫りにしたアウグスト・ザンダー(1876–1964)
22/08/01スペイン内戦に散った女性場争写真家ゲルダ・タローの生涯(1910–1937)
22/09/16カラー写真を芸術として追及したジョエル・マイヤーウィッツの手腕(born 1938)
22/09/25死と衰退を意味する作品を手がけた女性写真家サリー・マンの感性(born 1951)
22/10/17北海道の風景に恋したイギリス人写真家マイケル・ケンナのモノクロ写真(born 1951)
22/11/06アメリカ先住民を「失われる前に」記録したエドワード・カーティス(1868–1952)
22/11/16大恐慌の写真 9,000 点以上を制作したマリオン・ポスト・ウォルコット(1910–1990)
22/11/18人間の精神の深さを写真に写しとったペドロ・ルイス・ラオタ(1934-1986)
22/12/10アメリカの生活と社会的問題を描写した写真家ゲイリー・ウィノグランド(1928–1984)
22/12/16没後に脚光を浴びたヴィヴィアン・マイヤーのストリート写真(1926–2009)
22/12/23写真家集団マグナムに参画した初めての女性イヴ・アーノルド(1912-2012)
23/03/25フランク・ラインハートのアメリカ先住民の肖像写真(1861-1928)
23/04/13複雑なタブローを構築するシュールレアリスム写真家サンディ・スコグランド(born 1946)
23/04/21キャラクターから自らを切り離したシンディー・シャーマンの自画像(born 1954)
23/05/01震災前のサンフランシスコを記録した写真家アーノルド・ジェンス(1869–1942)
23/05/03メキシコにおけるフォトジャーナリズムの先駆者マヌエル・ラモス(1874-1945)
23/05/05超現実主義絵画に着想を得た台湾を代表する写真家張照堂(born 1943)
23/05/07家族の緊密なポートレイトで注目を集めた写真家エメット・ゴウィン(born 1941)
23/05/22欲望やジェンダーの境界を無視したクロード・カアンの感性(1894–1954)
23/05/2520世紀初頭のアメリカの都市改革に大きく貢献したジェイコブ・リース(1849-1914)
23/06/05都市の社会風景という視覚的言語を発展させた写真家リー・フリードランダー(born 1934)
23/06/13写真芸術の境界を広げた暗室の錬金術師ジェリー・ユルズマンの神技(1934–2022)
23/06/15強制的に収容所に入れられた日系アメリカ人を撮影したドロシア・ラング(1895–1965)
23/06/18女性として初の戦場写真家マーガレット・バーク=ホワイト(1904–1971)
23/06/20劇的な国際的シンボルとなった「プラハの春」を撮影したヨゼフ・コウデルカ(born 1958)
23/06/24警察無線を傍受できる唯一のニューヨークの写真家だったウィージー(1899–1968)
23/07/03フォトジャーナリズムの父アルフレッド・アイゼンシュタットの視線(1898–1995)
23/07/06ハンガリーの芸術家たちとの交流が反映されたアンドレ・ケルテスの作品(1894-1985)
23/07/08家族が所有する島で野鳥の写真を撮り始めたエリオット・ポーター(1901–1990)
23/07/08戦争と苦しみを衝撃的な力でとらえた報道写真家ドン・マッカラン(born 1935)
23/07/17夜のパリに漂うムードに魅了されていたハンガリー出身の写真家ブラッサイ(1899–1984)
23/07/2020世紀の著名人を撮影した肖像写真家の巨星ユーサフ・カーシュ(1908–2002)
23/07/22メキシコの革命運動に身を捧げた写真家ティナ・モドッティのマルチな才能(1896–1942)
23/07/24ロングアイランド出身のマルクス主義者を自称する写真家ラリー・フィンク(born 1941)
23/08/01アフリカ系アメリカ人の芸術的な肖像写真を制作したコンスエロ・カナガ(1894–1978)
23/08/04ヒトラーの地下壕の写真を世界に初めて公開したウィリアム・ヴァンディバート(1912-1990)
23/08/06タイプライターとカメラを同じように扱った写真家カール・マイダンス(1907–2004)
23/08/08ファッションモデルから戦場フォトャーナリストに転じたリー・ミラーの生涯(1907-1977)
23/08/14ニコンのレンズを世界に知らしめたデイヴィッド・ダグラス・ダンカンの功績(1907-2007)
23/08/18超現実的なインスタレーションアートを創り上げたサンディ・スコグランド(born 1946)
23/08/20シカゴの街角やアメリカ史における重要な瞬間を再現した写真家アート・シェイ(1922–2018)
23/08/22大恐慌時代の FSA プロジェクト 最初の写真家アーサー・ロススタイン(1915-1986)
23/08/25カメラの焦点を自分たちの生活に向けるべきと主張したハリー・キャラハン(1912-1999)
23/09/08イギリスにおけるフォトジャーナリズムの先駆者クルト・ハットン(1893–1960)
23/10/06ロシアにおけるデザインと構成主義創設者だったアレクサンドル・ロトチェンコ(1891–1956)
23/10/18物事の本質に近づくための絶え間ない努力を続けた写真家ウィン・バロック(1902–1975)
23/10/27先見かつ斬新な作品により写真史に大きな影響を与えたウィリアム・クライン(1926–2022)
23/11/09アパートの窓から四季の移り変わりの美しさなどを撮影したルース・オーキン(1921-1985)
23/11/15死や死体の陰翳が纏わりついた写真家ジョエル=ピーター・ウィトキンの作品(born 1939)
23/12/01近代化により消滅する前のパリの建築物や街並みを記録したウジェーヌ・アジェ(1857-1927)
23/12/15同時代で最も有名で最も知られていないストリート写真家のヘレン・レヴィット(1913–2009)
23/12/20哲学者であることも写真家であることも認めなかったジャン・ボードリヤール(1929-2007)
24/01/08音楽や映画など多岐にわたる分野で能力を発揮した写真家ジャック・デラーノ(1914–1997)
24/02/25シチリア出身のイタリア人マグナム写真家フェルディナンド・スキアンナの視座(born 1943)
24/03/21パリで花開いたロシア人ファッション写真家ジョージ・ホイニンゲン=ヒューン(1900–1968)
24/04/04報道写真家として自活することに成功した最初の女性の一人エスター・バブリー(1921-1998)
24/04/20長時間露光により時間の多層性を浮かび上がらせたアレクセイ・ティタレンコ(born 1962)
24/04/2720世紀後半のイタリアで最も重要な写真家ジャンニ・ベレンゴ・ガルディン(born 1930)

子どものころ「明治は遠くなりにけり」という言葉をよく耳にした記憶がありますが、まさに「20世紀は遠くなりにけり」の感があります。いわば時の流れに私たちは逆らえません。掲載した作品のほとんどがモノクロ写真で、カラーがごくわずかのなのは偶然ではないような気がします。二十世紀のアートの世界ではモノクロ写真が主流だったからです。しかしカラーの写真も重要で、これまでにジョエル・マイヤーウィッツとシンディー・シャーマン、サンディ・スコグランド、ジャン・ボードリヤールの作品を取り上げました。

aperture  World's most famous photographers and an insight on their personal and professional life

2024年4月25日

タンポポの花が咲いて日差しは黄色

タンポポの綿毛
タンポポの綿毛(京都市左京区下鴨半木町)

1980年代半ば、京都を離れた私は東京で独り暮らしをしていた。雑誌のフォトエディターなどをしていたが、仕事上では、ある意味で充実していたのかもしれない。ただやはり独り暮らしには小さな隙間があったように記憶している。そのころ発表するアテもなく作った歌のひとつがこの「タンポポの花が咲いて」だった。

タンポポの花が咲いて
日差しは黄色
あの娘はおかしく
やさしいね

バベルの塔は
目に虚ろ
線と点を
散歩する

花びらひとひら
酒に浮く
言葉の裏に
耳傾け

ランボーは不良かい
詩人は不良なのよ
墓場のダンス
月明り

白い帽子の
手鞠歌
風が吹いて
飛んでゆく

逃げる歌を
追い求め
絵の具がひび割れ
あせてゆく

1988年秋、天皇の病状が悪化した。テレビは連日「本日のご容体は…」と報じ、日本中すべてが重い自粛ムードに包まれてしまった。年の瀬の12月末、私は皇居内の宮内庁に駐車していた報道用小型バスの中で、無線電話によって大阪への転勤を命ぜられた。私の東京生活が終り、そして昭和も終わったのだった。なお上に掲げた拙作の歌詞は、下記リンク先のミズーリ州立大学のウェブサイトにコレクションされている1969年収録のフォークソング Ramblin' Round のメロディで歌うことができる。

university  Ramblin' Round | As sung by Tom Aley, Ozark, Missouri on February 8, 1969 (2:03) MSU

2024年4月23日

少年老い易くペイント学成り難し

Screen Shot
Microsoft Paint for Windows 11

前エントリー「自前のショートカットアイコンを作ろう」でペイントでオリジナルのアイコンを作成する方法はやや面倒だと書いた。私は Photoshop を常用しているが、写真修正や加工を目的としたいわば「画像編集ソフト」である。ペイントも「画像編集ソフト」であるが、コンピュータ上で画像を描く2次元コンピュータグラフィックス用のソフトウェアである。ラスターグラフィックスエディタとも呼ばれ、ラスター画像の編集用ソフトウェアである。私自身が見落とししてきたソフトウェアといえるが、少年老い易く学成り難し、ペイントについて勉強しようと思った次第である。以下は「よくある質問」に対するマイクロソフトの回答である。

ペイントとは?
ペイントは、画像や描画を作成、編集、操作できる、多彩でユーザーフレンドリーな Windows のグラフィックス編集アプリです。ペイントは、画像を簡単にトリミング、サイズ変更、描画したり、基本図形やテキストを画像に追加するのにとても便利です。AI を活用した幅広いツール 1 や、基本的なグラフィックス編集作業を行うための機能を搭載したシンプルなインターフェイスを備えています。シンプルで使いやすいペイントは、画像を素早く簡単に編集できる便利なツールです。
Windows 11 でペイントを開くには、どうすればいいですか?
Windows のスタート ボタンをクリックします。
検索バーで「ペイント」と入力し、[Enter] を押します。
これで、ペイント アプリが開きます。
フォトアプリとペイントの違いは何ですか?
フォトアプリは、主に写真と画像を表示、整理、編集するために設計されています。画像ライブラリの管理とシンプルな調整により焦点を当てています。フォトアプリでは、写真コレクションの表示と整理、画像のトリミングと回転、フィルターと基本的なエンハンスメントの適用、シンプルな動画スライドショーの作成、写真の共有を簡単に行うことができます。ペイントは、簡単な描画や基本的な画像編集作業により適しています。ペイントには、フリーハンドの描画、図形の挿入、色の塗りつぶし、画像のトリミング、テキストの追加を行うためのツールが用意されています。オリジナルのアート作品を作成したり、画像に基本的な編集を行うための、より多彩なツールです。
ペイントの新機能はどのようなものですか?
ペイントの新機能は、最新の Windows 11 アップデートに含まれています。AI を搭載したペイント コクリエーター 1 、背景除去、そしてリクエストの多かった機能、レイヤーです。ペイントのこれらの新機能は、プロのようにデジタル画像を作成したり、AI が提供するインスピレーションで創造力を輝かせることを後押しします。初心者からプロまで、ほとんどのファイル形式で、誰もがファイルを操作、管理、保存、共有できます。
ペイントを使って写真や画像を編集できますか?
はい。ペイントを使って写真や画像を編集できます。ペイントには、トリミング、サイズ変更、描画、テキストの追加、シンプルな画像調整を行うための基本的なツールが用意されています。

引用はここまでにしよう。私は撮影した写真を Photoshop で加工することには慣れているつもりである。ペイントにも背景を透明化するなどの画像編集機能があるが、主な目的は描画、すなわち絵を描くこと、画像を創造することである。これは私にとっていわばアキレス腱であり、その技量は極めて貧弱である。したがってこのソフトウェアを使いこなす自信はない。まさに少年老い易くペイント学成り難しなのである。

paint  最新バージョンの Windows 11 に搭載されたペイントで創作をもっとシンプルに | マイクロソフト