異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

MLB順位予想

 いろいろ事情があって、ちょっとバタバタしている。
 現状できることが限られている状況。
 なので気晴らしで、初めてMLB順位予想でもやってみることにした。
 まあ30球団もあるし、情報はあまり追えているわけでもないので、プロ野球順位予想よりもさらに適当。
 それでも近年はyoutubeなどでチェックするようにはなっていてるので(もちろん日本語のものくらいで)。
 では(ちなみにひいきはNYメッツ、SFジャイアンツ、KCロイヤルズ)。
アメリカンリーグ (Wはワイルドカード
・東地区
1.BAL
2.TB W
3.NYY W
4.TOR 
5.BOS
 若手が伸びて補強も成功したBALが連覇と予想。ラッチマンにはバスター・ポージーを超えるくらいのスターになってほしい。TBは主力が抜けてもまたなんとかして、NYYやTORを破ってワイルドカードに入ると予想。NYYはソト加入とコールの故障のプラスマイナスでちょい改善くらいか。TORは黄金時代を微妙に逃しつつある気もして少し後退。BOSは再建期。
・中地区
1.MIN
2.CLE
3.KC
4.DET
5.CWS
 低勝率で揶揄の対象になっている悲しい地区。KCが好きなので辛い(涙)。結局今年も相対的にMINが優勝しそう。
どうやら打力面で劣るらしいCLEだが、それでも投手が良さそうなのよね。とにかく補強はしたという感じのKCは大きな期待を込めて3位。ただ同じく補強を頑張ったDETを上回るのは実際は難しそう。CWSは再建期真っ只中という感じで、OAKとMLB全チームの中で敗戦数ワーストを争うくらいになると予想している(CWSこそ数年前に黄金期を逃したチームだなあ)。
・西地区
1.HOU
2.SEA W
3.TEX
4.LAA
5.OAK
 悪役だが割と好きなHOU。黄金期が終わるのはそろそろで、そうなると一気に落ちそうな気もするのだが、まだ今年ではないような。TEXがチャンピオン疲れもあって、今年は落ちると予想。SEAは投手力でなんとかポストシーズンに進んで欲しいね。大谷の抜けたLAAと移転を控えたOAKはお休みだけど、順番はやはりこうでしょう。
ナショナルリーグ
・東地区
1.ATL
2.PHI W
3.MIA
4.NYM
5.WSH
 NYMびいきには悲しいが、上位2チームに対抗するのはほぼ不可能。資金力豊富なズンドコ(死語なのかそうなのか?)チームとしてすっかりネタになっているNYMだがいつか未来はあると信じているぞ!(もちろん今年ではなかろうが)。とにかくATLがどう考えても戦力的に図抜けていて、投打レギュラーでは個人能力で唯一対抗可能なPHIが続くのは大方のMLBファンがそう思うだろう。MIAもアルカンタラがいないとか打力が落ちているとかあるらしいので、さらに下位になる可能性も。WSHは若手が有望という情報くらいしか知らないので、もしかしたらMIAやNYMを凌げるのかも。
・中地区
1.CHC
2.CIN 
3.STL
4.MIL
5.PIT
 今永頑張れ。ということで、CHC優勝で。昨年優勝のMILが戦力ダウンしているようで、混戦必至。若手が伸びているCINがそろそろ低迷から脱出か。個人的にはPITも同じイメージがあって、この2チームは逆もありうるかな。ただどっちかは2位あたりに進出して、従来の流れを変えてほしい気はしている。STLはさすがに去年が特殊で、ある程度は持ち直すのではと考え3位に。
・西地区
1.LAD
2.ARI W
3.SF W
4.SD
5.COL
 LADは隙きがないようでいて、詰めが甘いような、個人的にはどうも手放しで王者といい難いチームなのだが、まあ優勝は堅いでしょう。躍動するスモールベースボールのロブロ率いるARIは今年も暴れまくって、ポストシーズン進出するとみた。お気に入りのキャロルの活躍に今年も期待したい。もちろん願望丸出しで大補強が実る(はずの)SFはポストシーズン進出で。今季はナ・リーグ西地区が高勝率地区になる(はず)。SDは戦力ダウン気味のようで、この位置。COLは現状で大きな話題があまりないのが少々寂しいが、プロスペクトは多いらしい。

<シミルボン>再投稿 グラビンスキを読んでみた

 2015年から3冊の短編集が刊行されたポーランドの作家グラビンスキ。
 1887年オーストリア=ハンガリー帝国ガリツィア生まれで20世紀前半に活躍したこの作家「ポーランドのポー」「ポーランドラヴクラフト」の異名をもち<ポーランド文学史上ほぼ唯一の恐怖小説ジャンルの古典的作家>ということだ。
スタニスワフ・レム推薦の選書にも作品が収録されたということで、そのつながりも気になり手にとってみた。(いずれも『動きの悪魔』による)
 読んでみると非常に面白くまた現代的な視点を持ち合わせた作家だということがわかる。
 2015年に初短編集として紹介されたのが『動きの悪魔』である。初短編集にして作品のバラエティを重視したものではなく、鉄道によるテーマ短編集だというのがユニーク。巻頭の「音無しの空間」がしんみりといい味わいだ。やがて解体される放置された迂回路をその日まで見守ろうとする引退した鉄道員の思いが切ないファンタジー。しかし一方でこの主人公はなにかにとりつかれた人物でもある。同様の人物は数多く登場する。たとえば暴力的で異様なポルノグラフィーのような「車室にて」、駅構内で妄想旅行の一人遊びを楽しむ人物がどことなく不気味でどことなくユーモラスな「永遠の乗客」、鉄道運転に固執する機関士を描いた「機関士グリット」、思い出の王国に自ら囚われていこうとする人物が描かれる「シャテラの記憶装置」。そのニューロティックな感性は現代的で、執筆された時代を考えると非常に先んじていたものと思われる。
また、大事故の前に発生する偽の警報をめぐる「偽りの警報」、幽霊列車をテーマにしたグラビンスキ版「X電車で行こう」(山野浩一作『鳥は今どこを飛ぶか』収録)とでも呼びたくなる「放浪列車」には読者を引き込むサスペンスがありその技巧も洗練されている。未来を舞台にした「奇妙な駅」、マシスンを思わせるようなSF風味のホラー「待避線」などにはSF的なセンスや疑似科学・疑似理論への強い関心がうかがえる。そういったセンスも大変現代的と感じられる。
 タイトル作にはラヴクラフトのような宇宙的恐怖の感覚がみえ、この辺が<ポーランドラヴクラフト>なのだろう。
一方で「トンネルのもぐらの寓話」にはなんとも奇妙でとぼけたユーモアがあり、多彩な顔がみえる作品集である。

 次に2016年に刊行された『狂気の巡礼』。
 <薔薇の丘にて>と<狂気の巡礼>の2つパートに分かれるが、これは元々本国ではそれぞれのタイトルの名の短編集2つを1冊に合わせて翻訳されたということだ。前半のパート<薔薇の丘にて>、そのタイトル作は壁の向こう側のハーブと薔薇の庭園に誘われる白昼夢のような官能的かつ非常に視覚的な傑作。擬似科学要素が入りこむのも作者らしい。感染症の恐ろしさをイメージした植物の病死が不気味な「狂気の農園」、奇怪な論理にとらわれた男を描く「接線に沿って」、久しぶりの再会から旧交を温めるようになった友人とのつきあいからとうの昔に亡くなった人物の記憶が甦る「海辺の別荘にて」など全体により怪奇色の濃い作品が並ぶ。また、人里離れた田舎で思索にふける人物が語り手の「影」や筆を折った作家が語り手の(後半パートにあたる)「領域」には芸術や創作に対する作者自身の考え方があらわれているように思われる。
 後半の<狂気の巡礼>は、精神エネルギーが場所や物に残り他の人間に影響をおよぼすという「灰色の部屋」、斬新なアイディアの奇想ミステリ「チェラヴァの問題」、時間SF風味の「サトゥルニン・セクトル」、ポーの影響が見える「大鴉」、ネイティヴ・アメリカンを題材にとった「煙の集落」など物語性とバラエティに富んだ内容で、個人的にはこちらの方に好きな作品が多かった。

 昨2017年に出た『火の書』は再びテーマのある短編集で今度は「火」である。煙突を舞台にした怪異譚「白いメガネザル」、呪われた場所に固執する男「火事場」、カルト化する精神病院を扱った「ゲブルたち」(レムの「主の変容病院」を連想させる)、特殊な嗜好性が背景にある「炎の結婚式」などなにかに取りつかれ人物がやはり目立つ。
他に火災統計から隠れた論理を見出そうといういかにもオカルト趣味の「四大精霊の復讐」、花火の描写が美しい残酷童話風味の「花火師」、火のイメージがキリスト教的なモチーフと結びついた「煉獄の魂の博物館」、民話風の妖しさが漂いセクシャルな内容で物議を醸したという「有毒ガス」も忘れ難い。『動きの悪魔』同様テーマが作品集にも関わらず単調に陥ることなく変化に富んでいて、作家としての技量の高さが感じられる。作品の端々には現代的な視点がのぞき、当時としての感覚的な新しさも感じられる。また疑似科学的な題材を好む一方で、インタビューでは理知的でかなりの論客であることがわかり、オカルト的なものに興味を持ちながら一定の距離を置いて創作をしていた人物のように思われる。

 全体として怪奇趣味の間に、現代人にも通じる強迫的な人物像や原初的なSFにも近接する疑似科学的論理、官能性に満ちた描写にこの作家らしさがある印象だ。ちなみにこの3冊どれも装丁が素晴らしく作家の資質にも相応う嗜好品としての美しさがある。
 さてもう一つ言及しておこう。
 この3冊に先立つ1994年の『東欧怪談集』(沼野光義編)で「シャモタ氏の恋人」(沼野光義訳)が収録されている。
憧れた麗人への思いが届き逢瀬を重ねるが、決まった日に訪問しなくてはいけないなど、奇妙な関係であった。
やがて渇望を抑えられない主人公は・・・。あらすじとしてはストレートないわゆるファムファタールものといえるが、立ち込める濃密な描写が印象的な傑作である。こちらの方も一読をおすすめしたい。

2024年1-2月に観た映画

 最近観た映画。諸般の事情で時間がなく映画もなかなかなあ。
「コンクリートユートピア

klockworx-asia.com

 奇しくも年明けの震災早々だったが、そのこととはあまり関係なく、J・G・バラードの『ハイ・ライズ』を思わせる作品だったことで観に行った。ディザスターで崩壊した団地で唯一残ったマンションの住民がサバイバルを繰り広げる。大分ホットな韓国版「ハイ・ライズ」で、似た様な題材でもこちらは、激しさの中に小さな幸せに裏切られる人間たちの侘しさが漂う。混乱状況の中いつの間にか周囲に祭り上げられていく得体の知れない人物をイ・ビョンホンが好演。面白かった。
「哀れなるものたち」

www.searchlightpictures.jp

 アラスター・グレイの原作があることくらいが予備知識という状態(つまりほとんど予備知識なし)で観たが、ごくごく単純化してしまうと女性版<フランケンシュタインの怪物>なのだな。時代設定はヴィクトリア朝時代だが、舞台や衣装はデフォルメされ、各地ともどこにもない幻想世界として描出。ジェンダー・個人の意思など現代的な視点でブラッシュアップされたセクシャルかつグロテスクな寓話。キャサリン・ダン『異形の愛』も連想させたかな。こちらも面白かった。原作と違うところもあるらしいので、原作も読まないとなあ。エマ・ストーンは肉体的にきつい役柄でアカデミー主演女優賞はその辺のところがあったのだろうという感じはした(授賞式でいろいろあったみたいだが)。

 で、話題の「ゴジラー1.0」観ていたのだが......。上映中に電話がかかり(もちろんマナーモードですよ!)、挫折。その昔どれだったかのゴジラシリーズでまた小さかった息子が怖がり断念して以来の途中退場。どうもゴジラは劇場で観られない運命らしい(苦笑)。

<シミルボン>再投稿 『地下鉄道』コルソン・ホワイトヘッド

~奴隷を解放する<地下鉄道>の走るもう一つの合衆国を描くずしりと読み応えのある作品~

 タイトルの<地下鉄道>Underground Railroadは19世紀半ばの合衆国での奴隷解放組織を示す隠語である。
当然まだ一般的ではなかった地下鉄をその時代に本当に走らせてしまったのが本作だ。
 主人公コーラは奴隷少女。苛酷な日々の中で母親の逃亡により身寄りを失いさらに窮地に立たされた彼女は、同じ奴隷仲間であるシーザーから<地下鉄道>での逃亡の誘いを受ける。当初は拒絶したが受け入れ、ある夜計画を実行に移す。
 なぜか<地下鉄道>が表の世界とは別の「地下世界」に広がり、黒人の自由が保障されている地域へとつながっているという合衆国が舞台だが、そのアイディアがさらに奇想へと発展していくようなタイプの小説ではない。描かれるのはあまりにも罪深い奴隷制度と出口の見えない差別の歴史だ。物としてまとめて安価に売りさばかれる奴隷たち、連帯による反乱を防ぐために冷徹に完成された管理体制、その一方で横暴な奴隷主の気まぐれで理不尽に奪われる人間性そして生命。逃亡に協力する白人たちも例外ではない。身内といえでも安心は無用、密告され奴隷たちと同様の運命が待ち受ける。それも当然なのだ。密告しなければ今度は自らが協力者として告発されるからである。
 これは架空のしかも過去の歴史を描いた作品である。
 もう21世紀現在、こんなことはないのだろう?こんなことがあったかもしれないという小説なんだろう?
 といった問いかけにはこう答えざるをえない。これは今も起こっていることなのだ、と。
 コーラを匿う白人夫婦、不本意ながら協力させられる妻エセルが子ども時代に黒人差別意識を叩き込まれる場面が象徴的だ。差別の構造は社会にシステム化され狡猾に組み込まれている。そして巧妙に仕組まれたシステムにより、人々が分断され随意不随意を問わず差別の構造を補強してしまう状況が描き出される。
 一見自由の保障された世界でも裏側に潜むからくりがあるなどディストピア小説としても考え抜かれている。さらに悲しむべきことに黒人の中でもその分断が生じる様子が容赦なく抉り出されている。さまざまな人物に焦点があてられつづられる本作を読み進むうちに、奴隷制度こそ基本的には解消されたようにみえる現代も差別構造の解消は本当になされているのだろうかという疑問が生じる。容易くスケープゴートを探して人を断罪するような愚かしさが日々露呈する人類が、他人を抑圧し蹂躙する危険から真に解放されたといえるのだろうか。はなはだ心もとないのが現実だ。
 腹にずしりと重いものが残る小説だ。果たしてコーラは逃げ延びることができるのだろうか?
 情念を内に熱く湛えたような抑制された文体が素晴らしい。翻訳者にも感謝したい。(2018年2月25日)

2024年1、2月の#musicdogg選曲


 またまたまとめて更新になってしまった。
 X(Twitter)の選曲。
 新年1月は、ベタにOneのついた曲。
1."One Love/People Get Ready" Bob Marley & The Wailers
2."Another One Bites The Dust" Queen
3."One" Metallica
4."One Fine Day" The Chiffons
5."One Thing Leads To Another" The Fixx
6."One" Mary J Blige
7."One More Time" Daft Punk
8."ひとり" クレイジーケンバンド
9.”One Way Or Another” Blondie
10."One In A Million" Larry Graham
11."The One I Love" R.E.M.
12."Just One Kiss" The Cure
13."One" Aimee Mann
14."Just One Look" Linda Ronstadt、Doris Troy(原曲)
15.”The Beautiful Ones” Prince
16."One On One" Cheap Trick
17."One Of These Nights" Eagles
18."Time Waits For No One" Mavis Staples
19."One More Time" The Clash
20."The One" Elton John
21."One More Night" Phil Collins
22."One World (Not Three) " Sting & Ziggy Marley
23."Lost Ones" Lauryn Hill
24."One Minute Man" Misse Elliot (feat. Ludacris)
25."One Of A Kind" Spinners
26."One In A Million" Guns N' Roses
27"Once In A Lifetime" Talking Heads
28."One Hit" Rolling Stones
29."One Day In Avenue" Suchmos
30."One Piece At A Time" Johnny Cash
31."One More Weekend" Bob Dylan

 2月は祝!!ジョージ・クリントン師匠Hollywood Walk Of Fameということで、主にソロや後の時代のP-Funk作品や競演作から(ジョージ単独名義のものだけ名前を省略)。
www.youtube.com
1."Atomic Dog"
2."Man's Best Friend / Loopzilla"
3."Nubian Nut"
4."We Do This (feat. G. Clinton)" Prince & The New Power Generation
5."Medicaid Fraud Dogg" Parliament
6."One Nation Under A Groove - Mothership Connection (feat. G. Clinton)" Sheila E.
7."Ain't That Peculiar"
8."Funky Jam" Primal Scream, Denise Johnson & G. Clinton
9."Can't C Me" 2Pac & G. Clinton
10."Let’s Get Satisfied / Dope Dog" G. Clinton & The P-Funk All Stars
11.”May The Cube Be With You” Dolby's Cube
12."I'm Gon Make U Sick O'Me (feat. Scarface)" Parliament
13."Do Fries Go With That Shake"
14."R & B Skeletons In The Closet"
15."Flash Light" G. Clinton & The P-Funk All Stars
16."Get Dressed"
17."Ain't Nuthin' But A Jam Y'all"
18."The Movie (feat. G. Clinton & Belita Woods)" Too $hort
19.”If The Funk Don’t Fit" Octavepussy Feat. G. Clinton, Parliament, Funkadelic
20."Bullet Proof"
21.""Garry Shider Tribute (feat. G. Clinton & Linda Shider)" Bootsy Collins
22."Paint The Whitehouse Black"
23."Baby Like Fonkin' It Up" Funkadelic
24."Funk Aspirin" Cimafunk & G. Clinton
25."Grid (feat. Cypress Hill & G. Clinton)" Public Enemy
26."If Anybody Gets Funked Up"
27."Dog Talkin'"
28."Funky People (feat. G. Clinton)" Slight Return
29."Tweakin'"