大丈夫日記


  フィリピン映画のガイドブック第2弾『まだまだ熱中!フィリピン映画』が完成しました。
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   懐かしの香港映画をネタに妄想を炸裂させた『懐旧的香港電影妄想譚 新・君の夢で逢おう』が完成しました。
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2024年4月22日(月)

▼メルカリで買った『蟹の目』徳間ノベルス西村寿行選集が届く。
 このところ、メルカリで本が売れると、その売り上げで西村寿行選集を買うというパターンが続いている。いまのところ、金額の上限を送料込みで350円程度にしているので、微々たるペースではあるのだけれど、持ち出しゼロで着実に増えているなあ。

楊双子『台湾漫遊鉄道のふたり』中央公論新社を読了。


 昭和13年。講演のために台湾に招かれた作家の青山千鶴子は、通訳につけられた王千鶴とともに、台湾の各地を旅行し、その土地その土地ならではのさまざまな料理を食べて食べて食べまくる。青山千鶴子は食べることが好きで好きでどうしようもない大食漢だったのだ。その青山千鶴子の欲望を満たすべく、同行の王千鶴は通訳としての職分を大きく超えて、さまざまな手配をこなしていく。やがてふたりは作家と通訳という関係を超えて友情を育んでいくかに思われたのだが……。
 読み終えたとき、長い長い旅を終えたような、なんともいえない感慨を覚えてしまった。
 実に実にさまざまな要素を含んだ小説だった。舞台は日本統治下の台湾である。主人公は日本人小説家の青山千鶴子と、台湾人通訳の王千鶴。それだけで、なんとも微妙なニュアンスが生まれてくる。ひたすら食べることに執着する青山千鶴子は、いわゆる高級料理店で出るような料理ではなく、ごく普通の台湾人が食べているような料理を食べたがり、そこにグルメ小説的な要素も生まれてくる。しかも、その大食らいぶりが半端なく、また裏表のない性格から発せられる発言などから、ユーモア小説的なおかしさも生まれてくる。もちろん、台湾各地を鉄道で旅してまわることから、紀行文、旅行記としての楽しさも味わうことができる。しかも、舞台は昭和13年なので、そこで描かれるのはすでに現在の台湾では見ることの出来ない、過去の台湾の姿なのだ。そして、お互いを理解しようとするふたりの友情を超えた想いを描く百合小説としての要素すら持ち合わせているのだ。
 さらにはこの小説、冒頭には昭和29年に日本で刊行された際の「初版まえがき」が再録され、巻末には青山千鶴子の養女による「母の思い出」、台湾版刊行のために書かれた王千鶴による「訳者あとがき」、台湾版刊行までのいきさつを説明する王千鶴の娘・呉正美による「旧友との約束」という文章が収録されている。つまり、日本人の作家・青山千鶴子が書いて日本で出版され、それを王千鶴が中国語に翻訳して、王千鶴の娘が台湾での出版にこぎつけたという設定がほどこされているのである。なんという凝りよう。
 それにしても驚くべきは、著者・楊双子の力量である。なにしろ、本当に日本人が書いたとしか思えない作品なのだ。しかも、日本統治下の昭和13年が舞台なので、その風俗を再現するにあたっての苦労は並大抵ではなかろうと思うのだが。
 そして、とてもとても楽しい小説なのだけれど、最終的には、統治する国の人間と、統治される国の人間の友情という、とても重いテーマが表面に浮き上がってくる。単に楽しいだけの小説ではないのだ。すごいな、楊双子。
 なお、文章はむちゃくちゃ読みやすい。とても翻訳小説とは思えない読みやすさだ。ところによっては、非常にくだけた表現も用いられたりしていて、どこまで文章を軟らかくするか、翻訳の三浦裕子氏も苦労されたのではないだろうか。きっと、翻訳の文体によっては、ここまで楽しい小説にはならなかっただろう。

▼ジョニー・トー監督の『ドラッグ・ウォー 毒戦』を観る。


 中国公安警察の麻薬捜査官・ジャン警部は、爆発があったコカイン製造工場から逃亡する途中に事故を起こして病院に担ぎ込まれていた香港出身のテンミンをとらえ、死刑と引き替えに捜査に協力することを約束させる。テンミンの協力を得たジャンは、黒社会の大物を相手の大規模な麻薬取り引きを仕掛けていくのだが……。
 2013年の作品で、ジョニー・トーの50本目の監督作品となる。そして、香港を拠点に創作活動を続けてきたジョニー・トーだが、本格的に中国との合作に取り組んだ作品でもある。中国が舞台で、香港マフィアをルイス・クー、ラム・シュ、ラム・カートンなどの香港の俳優が演じ、それを追う中国公安警察の人間をスン・ホンレイ、クリスタル・ホアンなどの中国の俳優が演じている。
 作品は相変わらずのジョニー・トーで、華やかさのない抑制されたリアルな演出で、緊張した場面が続く。しかも、容赦のない展開で、なんともやりきれない気分になる。ケチのつけようのない展開なのだけれど、どこかにもう少し救いを入れてくれてもいいじゃないか、などと思ってしまう。
 ジョニー・トーは、『ヒーロー・ネバー・ダイ』『ザ・ミッション 非情の掟』あたりからみるみる評価の高い監督となったのだけれど、実は自分はそれ以前の作品も大好きなのだ。ここぞという場面であざといまでにエモーショナルな映像をぶちこんでくるジョニー・トー作品が大好きだったのだ。いまとなっては、そういう作品を撮ることはないのだろうけれど、たまにはもっとエンターテインメントしてくれてもいいのではないかと思ってしまう。

2024年4月21日(日)

▼先日作り直したレンズが届いたと連絡があったので、ちょうど娘と浦和伊勢丹に行くという嫁さんの車に同乗させてもらう。いまは左膝に信用がおけないので、運転は嫁さん任せなのだ。
 30分ほどでレンズの交換が終了。ただし、これで問題ないかどうかは、夜間に運転してみないとわからない。分からないけれど、これでダメだった場合、どうすればいいのかもわからない。

 杖をついてコルソ4階にある書店「須原屋」に行くが、買いたかった『両京十五日』は置いてなかった。上下巻5000円を支払う覚悟をして行ったのになあ。
 書店のすぐ横にある喫茶店で『台湾漫遊鉄道のふたり』を読みながら、嫁さんたちの買い物が終わるのを待つ。久しぶりにおいしいコーヒーが飲めた。

▼観た映画の感想とか、日記の更新とかをのんびりとおこなう。

▼インド映画『美に魅せられて』を観る。


 ガス爆発の事故で夫リシュが亡くなる。だが、焼け残った頭骨には殴打の痕があり、殺人事件としての取り調べが開始される。警察は妻ラーニーこそが犯人であると決めつけて過酷な取り調べをおこなうのだが、その過程で徐々に夫婦の過去が明らかになっていく。
 夫婦は見合い結婚だった。田舎町ジュワーラープルに住むエンジニアのリシュはラーニーに一目惚れであったが、デリーで美容師をしていた都会的で先進的な性格のラーニーはなにごとにも消極的でおとなしい性格のリシュを受け入れることができないでいた。しかも、ある失敗を契機にリシュはラーニーに背を向けるようになり、夫婦仲は冷え切ってしまう。罪の意識を感じたラーニーはリシュに近づこうとするのだけれど、今度はリシュがラーニーを受け入れようとはしなかった。
 そんなところに現れたのが、リシュとは正反対の性格をした従兄弟のニールだった。男としての魅力を発散するニールにラーニーは惹かれていき、ついには過ちを犯してしまう。だが、ニールにとってそれは遊びに過ぎず、ラーニーから駆け落ちをもちかけられると、さっさと逃げ出してしまう。
 心からラーニーのことを愛していたリシュは、妻が浮気をしていたという事実に衝撃を受け、妻を憎むようになる。一方のラーニーは、初めて夫の愛がいかに大切なものであったのかに気がつき、ひたすら許しを乞う。だが、どうしても妻を許すことのできないリシュは、ラーニーを殺したいとまで思い詰めるようになるのだった……。
 というわけで、はたして事件の真相は……となるのだが、正直、この設定で普通に予想される真相ではある。が、警察がずっとこだわっていた凶器の正体にはびっくりさせられたし、それよりもこっちの予想を大きく上回る“ある真相”には驚愕させられた。さすがにこの展開は予想しなかった。まさにドギモを抜かれた。でも、どう考えても無理だからね、あれ。
 そして、そういうミステリーとしての謎解きはともかくとして、夫が一方的に惚れこんでいた関係が、次第に拒絶、憎悪へと変貌していき、逆に妻の拒絶が懇願、愛情へと変貌していくという人間ドラマが重厚でたっぷりと見せてくれる。
 夫リシュを演じているのはヴィクラーント・マッシー。おとなしくて臆病だった人物が、やがて偏執的で冷酷な人物に変貌していく過程をリアルに演じている。表情がぜんぜん別人になっていく。
 妻ラーニーを演じているのはタープシー・パンヌー。ちょっと崩れた色気のある女優で、この女性だったら家庭が崩壊しても不思議はないという妙な説得力がある。一方で、芯の強さを感じさせる目力もあり、彼女なら警察の過酷な取り調べも乗り切れて当然という印象も持ってしまう。『ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画』にも主要なキャラクターで出演している。
 ちなみに邦題の『美に魅せられて』というのは、まるっきり内容とリンクしていないので、なんだかなあという感じ。もう少し内容に寄り添った邦題をつけてほしいものだ。

2024年4月20日(土)

▼このところ、毎日のようにメルカリで買った本、ヤフオクで落札した本が届いているので、いつ嫁さんに叱られるかとビクビクしている(笑)
 今月に限って言えば、届くよりも処分している本の方が多いんだけれど。

▼昨日届いた『台湾漫遊鉄道のふたり』を読んでいたら、話の舞台が嘉義になり、そういえば「嘉義農林学校」の野球部を描いた『KANO 1931海の向こうの甲子園』のDVDを買ったまま観ていなかったなと思いだし、読書を中断してビデオ鑑賞を始めてしまう。


 1931年、日本統治下の台湾。嘉義にあった「嘉義農林学校」の野球部は、それまで一度も勝ったことがなかった。だが、かつて甲子園出場の経験を持つ近藤(永瀬正敏)が乞われて野球部の監督となり、すべてをなげうって生徒たちの練習にのめりこむ彼の影響で選手たちの意識も変わっていく。そして、厳しい練習を乗り越えて台湾の大会で優勝し、甲子園に出場することになるのだった……。
 実際に甲子園進出をはたし、決勝まで勝ち進んだという実話の映画化である。台湾映画であるのだけれど、ほとんどのセリフは日本語でかわされ、永瀬正敏、大沢たかお、坂井真紀といった日本人の俳優も多く出演している。
 実話の映画化なので、結果がどうなるのかはあらかじめ分かっている。しかし、分かっていても、決勝戦では興奮させられ、感動させられ、泣かされてしまう。最後に、登場人物のその後の人生がクレジットで出てくるのだけれど、そこでも心を揺さぶられてしまう。選手の中には「出征し、南方で戦死」とある者も複数いて、暗澹たる気分にもさせられてしまう。映画の中では日本に対する批判的な描写はほとんどないのでうっかり忘れそうになってしまうのだけれど、台湾が日本によって統治されていたというきわめて特殊な時代の物語なのだ。
 感動的な映画ではあったのだけれど、野球部とは直接にかかわりのないエピソードがところどころに入り込んでいることにはいささかの違和感も覚えた。特に大沢たかおが演じた八田與一による大規模な水利工事のエピソードは必要なのだろうか? このエピソードが野球部の躍進にからむことはないので、単に実話だから脚本から切り捨て損ねたというだけのことに思えてしまったのだけれど。
 また、甲子園大会よりずっとあとの1944年、大日本帝国陸軍の軍人たちが台湾南部に向かう列車の中で、ひとりの将校が「嘉義に着いたら起こしてくれ」と言う場面で映画が始まるので、この将校が甲子園の決勝戦で大きな役割をはたす人物なのだなと思っていたら、ぜんぜん違うじゃん! 最後の方で、この人物が嘉義農林学校のグラウンドを訪れるエピソードが挿入されたりもするのだけれど、ぜんぜん重要な人物でもないのに、なぜこの人物をとりあげてこういう描き方をしたのか、そこにもいささか違和感を覚えてしまった。
 あと、予想以上に日本人を好意的に描いてくれているなという印象も持った。「蕃人(台湾原住民)、漢人(漢族系住民)がいるようなチームが勝てるわけがない」というようなセリフが出てきたりはするものの、それほどひどい差別的な描写は出てこない。実際には、そんなものではなかっただろうと思うのだけれど。
 時代背景を考えると、いろいろなことを考えさせられてしまう。
 製作・脚本は『海角七号/君想う、国境の南』『セデック・バレ』の監督、ウェイ・ダーション(魏徳聖)。監督は『セデック・パレ』に出演した俳優のマー・ジーシアン(馬志翔)。
 こうなると、『セデック・パレ』も観なければと思うのだけれど、『セデック・パレ』を観るには体力を必要としそうなので(劇場公開時に観なかったのも、それが理由だった)、まずは手元に録画のある『海角七号』を観ることにしよう。

2024年4月19日(金)

コレステロール値を下げるための薬が切れてしまったので、処方箋を出してもらうために近所の病院に行く。足を引きずりつつ、杖をつきながら、なんとか歩いて行けた。やばいな、左膝。
 以前は週3回だった薬を毎日服用するように変えたので、前回の血液検査の結果は満点とのこと。週3回だって、別にコレステロール値は高めではあっても安定していたのだけどね。
 今回も検査のために採血すると、月曜日に採血したあとが黒くアザになっていたので、看護師さんに「最近採血しました?」ってばれてしまう。「5月に膝の治療を予定しているので、その検査のために月曜日に採血しました」って答えると「手術するんですか?」と聞いてくる。
「再生医療を受ける予定にしています」
「だったら、●●病院?」
「はい」
「再生医療と言ったら、●●病院が有名ですもんね」
 とのことで、やはり医療関係者にも認められている病院であるらしい。

▼ネット配信で英語字幕がついているフィリピン映画は、いったん動画キャプチャーソフトで録画しておいて、パソコン上で再生して観ることにしている。動画再生に使用しているソフトが、画面のどこでもいいからクリックをするだけで一時停止することができるので、英語字幕を読むのにとても便利だからだ。場合によっては、分からない単語をその場で検索したり、あるいは映画の内容のメモをとったり、すべてパソコン上でできるので、とても助かっている。
 その録画したファイルがだいぶ溜まってきてしまったので、DVDに焼いて、ハードディスクから削除する作業を始める。DVD1枚にだいたい映画3本を入れることができる。かつては、DVDプレイヤーでも再生できるようにDVDフォーマットに変換して焼いていたのだけれど、最近はmp4フォーマットのまま保管することにしている。
 問題は、似たようなタイプの映画3本を揃えてDVDに焼こうとすると、なかなかいい組み合わせにならないということで、なにもそんなところに凝らなくてもいいだろうにと思いながらも、ついついそういうところにこだわってしまうのだった。

▼フィリピン映画『Pornstar 2: Pangalawang putok』を観る。


 ダリル・ヤップ監督の作品で、『Paglaki ko, gusto kong maging pornstar』の続篇。かつての人気セクシー女優たちが、新人女優を育ててセクシー映画の復活をもくろむという設定で、パート1はAJ・ラヴァルという女優の魅力もあってなかなか楽しかったのだけれど、パート2の方はというと明らかに失速していて、現実と創作とをクロスオーバーさせた監督の意図もからまわり気味。
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▼インド映画『ムンナー・マイケル』を観る。


 子どもの頃からダンスに夢中で、クラブでのダンスバトルで稼いでいたムンナーは、ギャングのボス、マヘンドラから自分のダンスの教師になってくれと懇願される。マヘンドラは、ダンサーのドリーに心から惚れ込んでいて、彼女の前でダンスを披露して求愛しようと計画していたのだ。レッスンを重ねるうちにマヘンドラとの友情を深めていくムンナーだったが、マヘンドラの恋のキューピッド役を務めるうちに、自分もドリーに心を奪われていく。だが、マヘンドラへの友情のために自分の恋心を押さえ込んで、ドリーをマヘンドラのもとに連れて行く。マヘンドラは、ドリーに豪華な部屋、豪華な車をプレゼントして彼女の気を引こうとするのだが、ダンスコンテスト番組「ダンス・インディア・ダンス(DID)」で優勝してダンサーとして世に出るという夢を持ったドリーはマヘンドラのもとを逃げ出すのだった。
 マヘンドラからドリーを連れ戻すように依頼されたムンナーは、友情と恋愛の板挟みになりながらも、ドリーの夢を叶えるために動き出す。だが……。
 主人公のムンナーを演じているのは、『タイガー・バレット』『WAR ウォー!!』といったアクション映画で華麗なアクションを披露しているタイガー・シュロフ。さすがにダンスもキレッキレで、その身のこなしの素晴らしさは半端ない。また、格闘シーンもたっぷりと用意されているのだけれど、もちろんそこでのアクションも素晴らしいのひとこと。跳び蹴りの美しさでいったら、ドニー・イェンと双璧をなすといっていいだろう。
 ドリーを演じているニディ・アグルワールは、本作がデビュー作であるらしい。美人だし、ダンスもうまいし、これではギャングのボスが高校生のようにのぼせあがってしまうのも無理はない。
 マヘンドラを演じているのはナワーズッディーン・シッディーキーという俳優とのこと。本来は、冷酷なギャングの役とかを演じている役者さんなのでしょうけれど、本作では冷酷になりきれない、ちょっと憎めないキャラクターを演じている。エンドクレジットについているNGシーンには、慣れないダンスを頑張っているシーンなども入っていて、思わず好感度がアップしてしまった。
 先日観た『マイネーム・イズ・ハーン』は、歌と踊りのシーンを封印していたけれど、本作は歌と踊りのシーンがこれでもかこれでもかと詰め込まれている。なにせ、題材がダンスなのだから、これっぽちも遠慮することなくダンスシーンを盛り込めることができるのだ。これが実に楽しい。優れた脚本でじっくり感動させるのもインド映画なら、こうして豪華絢爛なダンスシーンで魅了してくれるのもインド映画なのだ。
 それにしても、1回のダンスシーンの撮影のためにヨルダンのペトラ遺跡でのロケとか、ローマのコロッセウムでのロケとかをやってしまうのだから、インド映画のダンスシーンにかける予算のかけかたは半端ないよね。

2024年4月18日(木)

左膝が怖くて、とにかく膝に負荷をかけないようにして1日を過ごしている。そのため、負荷をかけても大丈夫なのかどうか、まったく分からない状態。

▼ジュン・ロブレス・ラナ監督のフィリピン映画『Ten Little Mistresses』を観る。


 ユージン・ドミンゴ主演の本格ミステリー映画で、このような本格的なミステリー作品をフィリピン映画で観たのは初めてなのでビックリさせられた。犯人がわかったと思ったあとで、さらに二転三転が繰り返されるという、まさに本格ミステリー。それでいて、個性豊かな女優たちが10人の愛人を演じるというコメディ作品でもあった。
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▼1990年制作の懐かしき香港映画『俺たちの旅路 さらば愛しき日々よ(龍鳳茶楼)』を観る。


 主演はマックス・モク&チャウ・シンチー。いまでは香港を代表する映画監督となったチャウ・シンチーが、まだコメディ俳優としてブレイクする前の作品で、ここで演じているのは単なるケンカっぱやいチンピラだ。エレン・チャンとマックス・モクの恋愛模様をメインに据え、対立する組織との抗争が繰り返し2人の仲に陰を落とすという、当時の香港映画に山のようにあったタイプの作品だ。当時はこういう映画をひたすら観ていたような気がする。
 なんとも懐かしい作品なのだけれど、よくよく考えてみたら、自分はこの作品を日本語字幕付きで観たのは今回が初めてだった。前に観たのはおそらく、新大久保にあった在日中国人を相手にしたレンタルビデオショップで、1本のVHSテープに3本の映画が3倍速で入っているという、壮絶に画質の悪いビデオを借りてきて観たのだと思う。調べてみると、1992年の12月に観ている。その前日に観ているのは、やはりチャウ・シンチー主演の『望夫成龍』だ。「電影風雲」という香港映画同人誌で、チャウ・シンチー全作レビューをするために、ひたすら画質の悪いビデオを観続けていた頃だ。
 すっかり名前も忘れていたのだけれど、マックス・モクの出ている映画もあの頃は山のように観たものだった。いまはどうしているのだろう? チャウ・シンチーたちチンピラを率いる組織のボスを演じているのは、いまは亡きン・マンタだ。チャウ・シンチーと組んではいても、ここではシリアスな演技に徹している。後に2人で組んで、バカバカしいコメディを量産することになるとは思いもしなかったのだろうな。主題歌を歌っているのはアンディ・ラウ。主題歌が流れると必ず回想シーンに突入するという「サリー・イップの法則」もここでは健在だ。とにかく、なにもかもが懐かしい。
 監督は『上海グランド(新上海灘)』のプーン・マンキッ。

2024年4月17日(水)

▼今日も膝にサポーターを装着して朝の散歩
 散歩しながら膝のことをいろいろ考えてしまう。再生医療を受けても、効果の出る割合が6割ということは、無駄に終わる可能性も高い。でも、そうなったらどうするか。このままだとテニスに戻れないどころか、膝の痛みをかかえたまま日々を過ごすことになってしまう。それだったら、いずれ再発してさらに膝関節の変形が進む可能性があるとしても、内視鏡手術をお願いするしかないのではないだろうか。自分はいま66歳で、膝に問題がないとしても競技テニスを続けられる期限はそれなりに限られている。それだったら、いずれ再発することを懸念して手術をしないよりも、とりあえず手術をしてテニス復帰をめざす方が納得のいく人生になるのではないだろうか。
 歩きながら、そんなことをつらつら考えてしまう。
 最後に少しだけ走ってみようかと思ったが、そう思ったタイミングで左膝の裏側に痛みが出てきて、走ることは断念。

▼枕元に置いている蛍光スタンドがつかなくなってしまう。電源コードをいじるとつくこともあるので、電源コードが断線しているのだろう。それならACアダプターを買い替えるだけで済むなと思ったのだけれど、調べてみるとACアダプターを買う金額にちょっとプラスするだけで蛍光スタンドが新しく買えてしまうらしいことが判明。なんか納得いかないなあ。

▼うちの父親は新型コロナウイルスのワクチンを打った直後に体調を崩して、結局はそれが原因で亡くなっている。
 このとき、病院から教えられて新型コロナワクチン健康被害救済制度の申し込みをした。ワクチン被害が認められれば病院の入院費用が出るというものだ。ただし、申請数が多いわりに審査が進まず、おそらく結果が出るまで1年ぐらいかかるだろうと言われた。
で、申し込んだのが2022年10月ですでに1年半が過ぎたのだけれど、いまだになんの連絡もない。
 厚労省のホームページをみると、現時点で8,438件の審査が終了しているらしい。(認定:6,914件、否認:1,488件、保留:36件)
 2022年9月の時点では審査の終了した件数はたったの989件だったので、それに比べればだいぶ審査は進んでいるのだけれど、いったい我が家の審査の結果が出るのはいつになるのだろう?

今野敏『任侠学園』中公文庫を読了。


 潰れそうな出版社を立て直した阿岐本組の組長阿岐本雄造がこんど手を出したのは、荒れ果てた高校だった。窓硝子は割られ、正門にはスプレーで落書きがされ、校庭の手入れさえされていない学校の経営を組長が引き受けてしまったために、またしても代貸の日村は胃が痛くなるような日々を送るはめになってしまう。校長も教頭もやる気なし、生徒は理解不能、生徒の親はクレーマー。しかも、問題のある生徒の背後には別の暴力団の姿までがちらつく。ヤクザですらあきれる荒廃した学園を、はたしてたて直すことは可能なのだろうか?
 前作の『任侠書房』も抜群の面白さだったけれど、第2弾の本作も負けずに面白い。かつて仲間由紀恵主演で、ヤクザの娘が学校の教師となる「ごくせん」というテレビドラマがあったけれど、基本路線はあれと同じだ。ただし、こっちはよりヤクザの生き方が徹底している。教師ではなく経営者としてヤクザが乗り込んでくるという話なのだから。とはいえ、ここで描かれているヤクザは、かつての任侠映画にあったような現実にはありえない一種のファンタジーと呼んでもいい組織だったりもするのだけれど。
 やがて、彼らを慕う生徒が現れ、教師もやる気を見せるようになるというお約束の展開ではあるのだけれど、お約束が悪いなんてことはぜんぜんない。お約束の展開ならではこそ、最後にはホロリとさせられてしまうのだから。
 これをテレビドラマにしたら面白いだろうなあと思ったら、映画になっているのか。それは観てみないと。原作同様に面白いといいなあ。
 しかし、今野敏、なんであれだけ量産していて、こんなに面白いんだ。

▼夕方に散歩に出たら、その途中で左膝がめちゃくちゃ痛くなって、ほとんど歩けなくなってしまう。しばらく、なんとか歩こうと頑張ったのだけれど、どう考えても家まで辿り着くのは無理で、家に電話をかけて嫁さんに杖を持ってきてもらう。杖にすがりついて家まで歩く途中でスーッと痛みがひいていったのだけれど、それでも杖なしで歩けるわけじゃなく、だいぶやばいな。
 それでもその直前まではスタスタ歩けていたので、どのタイミングでこの痛みがくるのか、実にこわい。
 次に病院に行くのは5月13日なのだけれど、それまでどんな状況が続くのだろう?

▼シャー・ルク・カーン主演のインド映画『マイネーム・イズ・ハーン』を観る。


 アスペルガー症候群を患うイスラム教徒のハーン。母の死後、弟が暮らすアメリカへと移住し、そこで出会ったヒンドゥ教徒のシングルマザー、マンディラと出会い恋に落ちる。病気のために、うまく自己表現のできないハーンだが、彼の一途な性格を見抜いたマンディラは彼と結婚し、幸せな家庭を築く。だが、9.11事件が発生し、アメリカにおけるイスラム教徒の立場は非常に苦しいものとなってしまう。そして、ついにはとりかえしのつかない悲劇が発生してしまう。結婚して「ハーン」という名前に変わらなければ、このような悲劇は起きなかったのに! 激情にかられたマンディラはハーンに別れを告げ、もし戻りたかったら「アメリカ大統領に向かって、私の名前はハーン。だけど、テロリストじゃないって言ってきてよ!」と叫んでしまう。
 家を出たハーンは、アメリカ大統領に会うために、愛する者を取り戻すために、アメリカを横断する旅に出るのだった。
 主演のハーンを演じるのはシャー・ルク・カーン、相手役のマンディラを演じるのはカージョル。『シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦』『家族の四季 -愛すれど遠く離れて-』といった名作でも共演している黄金のコンビだ。しかも、監督は『家族の四季 -愛すれど遠く離れて-』『スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!!』のカラン・ジョーハル。これで期待しなければ嘘というもの。
 そして、期待は十分以上に満たされた。とても素晴らしい作品だったのだ。
 シャー・ルク・カーンはアスペルガー症候群という非常に難しい設定なので、最初のうちは感情移入がとても難しい。正直、身の回りにいたらイライラさせられるだろうなと思ってしまう。カージョルにしても、よくあんな相手と結婚したなと最初は思ってしまう。だけれど、奇矯な行動の底にある彼の真実の姿をしっかり認めて結婚したのだなと、最後には納得させられてしまう。最初のうちはぜんぜんかっこいいと思わなかったシャー・ルクなのに、次第にかっこいいと思えてくる。
 脚本もお見事。母親は幼い彼に生きていく上でとても大切なことを辛抱強く教えていく。これが、後半で生きてくるのだ。インド映画は、こういった伏線の張り方がとても上手で、感心させられてしまう。アメリカを旅していく途中のさまざまなエピソードも、あとでしっかり活きてくる。
 そして、実に意外なことに、シャー・ルク・カーン&カージョル主演でありながら、豪華絢爛に歌い踊るシーンはなし。アスペルガー症候群の主人公という設定でどうやって歌い踊るのだろうか、このキャラクターで歌い踊ったりしたらキャラクター設定が台無しになってしまうぞと不安になったりしたのだが、ジョーハル監督、豪華絢爛なダンスシーンはしっかり封印しているのである。ふたりが結婚するシーンでインド映画らしい楽しい歌と踊りのシーンはあるものの、そこはしっかりと主人公の設定に寄り添ったダンスとなっている。そして、黒人の集う教会でのゴスペルが響き渡るシーンがあるのだけれど、これが実に感動的に使われていて、きらびやかなダンスシーンばかりがインド映画ではないという底力の素晴らしさを見せつけてくれている。ここぞというところで、がっつりと観る者の魂を揺さぶり、泣かせてくれるのだ。
 このところ、『RRR』のようなやたらと派手なインド映画ばかりを観ているような気がするのだけれど、こういう脚本のしっかりした人間ドラマももっともっと観ていきたいと思ってしまった。162分という長尺をまったく感じさせない作品でした。

▼テレビドラマ「不適切にもほどがある」を最終話まで観てしまう。
 昭和と令和をタイムマシンで行き来して、結局は昭和も令和もあれこれと生きづらい時代でがあったけれど、それなりに素晴らしいじゃん。そして、生きづらい原因は実のところはとってもくだらないことなのだから、みんな「寛大になろうよ」って結論に落とし込んでいく。やはり宮藤官九郎脚本のドラマは面白いなあ。そして、しみじみと仲里依紗がいいよねえって、思ってしまった。
 久しぶりにテレビドラマを通しで観てしまったよ。

2024年4月16日(火)

▼今日も朝の散歩。このところ膝の具合がよくないので、サポーターをつけて散歩に出る。

ダフネ・デュ・モーリア『レイチェル』創元推理文庫を読了。


 亡き父に代わりわたしを育ててくれた、兄とも父とも慕っていた従兄のアンブローズが、旅先のイタリアでわたしの遠縁にあたるレイチェルという女性と結婚したと連絡が入る。すぐにアンブローズが帰国するものと思っていたのだが、イタリアでの滞在は長引き、やがて体調が優れないという手紙が届いたかと思うと、「すぐ来てくれ。ついに彼女にやられた。私をさいなむあの女、レイチェルに。」という手紙が届く。わたしはすぐにイタリアに旅立ったが、ときすでに遅く、アンブローズは亡くなっていた。
 わたしはレイチェルという見ず知らずの女性に対する憎しみの念を募らせるのだが、やがてわたしの目の前に現れたレイチェルに心を奪われていくのだった。
 このレイチェルという女性が非常に魅力的に描かれている。主人公のフィリップが相続したコーンウォールの広大な領地に現れたレイチェルは、あっという間にフィリップを魅了し、領地で働く領民たちをも味方につけてしまう。その過程がじっくりと描かれていき、読みながら「いや、この女はいろいろとたくらんでいる悪女なのだ」と思う一方で「いやいや、本当は見かけ通りの魅力的な女性なのではないか」と、心は揺れ続ける。
 フィリップは広大な領地、莫大な財産を相続しているが、遺言書の定めにより25歳になるまで財産を自由にはできないことになっている。もうすぐその誕生日がくるフィリップは、正式に財産を相続したらレイチェルと結婚して、その財産をすべてレイチェルに贈与しようと計画しはじめるのだが……。
 フィリップのことを慕うルイーズという女性から「アシュリー夫人(レイチェル)ほどの女性ともなれば、あなたのような若造くらい難なく手玉に取れるんだってことよ」と言うセリフが飛び出し、まさにこれが真相であると思えてくる。あるいは、フィリップの財産を管理し、フィリップの相談役ともなっている名付け親のケンダルから「世の中にはな、フィリップ、本人にはなんの咎もないのに、災厄をもたらす女というのもいるんだよ。そういう女たちは、触れたものをことごとく不幸にしてしまうんだ」と忠告される。あるいは、こちらが真相なのか。だが、恋で盲目となった若者に、そういう言葉が届くはずもない。
 中盤を過ぎ、レイチェルを告発するアンブローズの手紙が出てきたあたりから、はたしてどうなってしまうのか、本当にレイチェルは悪女なのか、真相が知りたくてページをめくる手がとまらなくなってしまう。派手な展開があるわけでもないのに、ぐいぐいと読まされてしまうのだ。すごいな、デュ・モーリア。
 実は、デュ・モーリアの代表作である『レベッカ』をいまだ読んでいない。これは、読まないわけにはいくまい。

2024年4月15日(月)

▼膝を診てもらうのに、新しい病院に行く。ここは膝関節治療においては定評のある病院で、しかも再生医療にも取り組んでいる病院なので、前の病院で不信感しか感じられなかった身としては、ここに期待するしかないのである。
 整形外科の主任部長がとにかく多忙ということで、最初の診察のみ別の先生となり、いままでの経過を伝え、レントゲン撮影にまわされる。それから延々とまたされて、ようやく担当の先生の診察を受けられた。
 レントゲンを見るかぎりでは、やはり膝関節の内側がやや狭くなっていて、半月板が損傷している可能性があるとのこと。が、そのあとの治療方針だけれど、内視鏡手術には反対とのこと。関節内ですり切れた半月板や軟骨のささくれなどを取り除く手術は、一時的には痛みがおさまるのだけれど、将来的に膝関節がより変形することにつながるので、もっと重症でなければおこなわないのだと言う。前の病院の先生は、そんな説明はいっさいないまま、速効で内視鏡手術をしようとしていたけどなあ。
 再生医療についても消極的で、再生医療は保険がきかないので高価なわりに効果の出る割合は6割程度で、しかも治るのではなくある程度痛みがおさまる程度でしかないのだという。
 そのため、ヒアルロン酸の注射をしながら様子を見たいと言われてしまうのだけれど、ヒアルロン酸の注射はさんざん打ってまったく効果が感じられなかったこと、とにかくテニスができるようになりたいことを伝える。このままだと、どうやってもテニスができるようにはなりそうにない。
 なんだか、嫌々ながらという感じだけれど、なんとか再生医療専門の先生の診察を受けさせてもらえることになる。効果が出る人は6割程度というのはかなりショッキングな数字で、場合によってはかなり高額な費用をどぶに捨てることにもなりかねないのだけれど、こっちは藁をもすがるしかないのだから。
 次回の予約がとれたのは5月の中旬。再生医療のためのMRI撮影をおこなった上で、専門の先生の診察を受け、その上で受けるかどうか判断してくれと言われる。まだ、しばらく先になってしまうなあ。

▼このところ、Netflixで「不適切にもほどがある!」という宮藤官九郎脚本のテレビドラマを観ているのだけれど、これがなかなか面白い。
 1986年(昭和61年)の学校教師小川市郎(阿部サダヲ)が、どういうわけかタイムトラベルして令和の世界にやってきてしまうのだが、令和の世界はやたらとコンプライアンスだのセクハラだのパワハラだの、納得のいかないことばかり。そこで出会ったテレビ局で働く犬島渚(仲里依紗)と親しくなり、いつの間にかテレビ局でカウンセラーとして働くことになってしまう。昭和的な発想が、令和の疲れ果てた人間のメンタルを元気づけてしまうのだ。
 一方、昭和の世界では小川の娘純子のところに令和の人間である社会学者のサカエ(吉田羊)とその息子のキヨシが現れ、キヨシは純子に惚れてチョメチョメしようとするし、サカエはジェンダー的にありえない社会に驚愕し続けることに。
 というわけで、昭和と令和のギャップを笑いのめしてしまう宮藤官九郎の脚本が絶好調のドラマなのだ。しかも、タイムトラベルを繰り返すうちに、驚愕すぎる人間関係に笑いがヒートアップ。まったくもって、とまらなくなってしまうカッパエビセンのような面白ドラマなのだ。

2024年4月14日(日)

▼今日も郵便局行ったついでに、ぐるりといつものコースをお散歩。やたらと暖かくてTシャツ1枚で充分。
 捕虫網を持った子どもを連れたお父さんの姿がたくさんいる。まだ虫取りにはちょっと季節的に早いのだけれど。
 小学校に入るか入らないかぐらいの子どもに「なにか捕まった?」と声をかけると、テントウムシが何匹も入ったケースを見せてくれた。お父さんの持っている虫かごにはイトトンボも入っていた。
 汗をたっぷりかいて帰宅。

▼午後は玄関脇のグレープフルーツの樹をばっさり刈り込む。やたらと元気に枝を伸ばしてくるので、定期的に枝を切らないとならないのだ。
 しかし、このグレープフルーツの樹、葉っぱ一枚一枚の根元から鋭いトゲが伸びてきているので、油断すると手に刺さるし、そのままゴミ袋に突っ込むと袋をズタズタに引き裂いてしまうので、いちいちトゲをカットしなければならず、とっても手間がかかるのだ。
 ちなみに、暖かくなると、このグレープフルーツの樹にはアゲハチョウが続々と卵を産みにきて、アオムシがたくさん誕生することとなる。なので、枝をカットするのはアゲハチョウが飛び回る前にしないといけないのだ。

▼中国映画『流転の地球』を観る。


 太陽の寿命が尽きようとしており、300年以内に赤色巨星となるものと予想された。そのため、地球そのものをロケットとして、2500年かけて4.2光年彼方の別の太陽系に移動するという計画が立てられる。だが、その途中で地球は木星の重力圏につかまってしまい、徐々に木星に引き寄せられていくのだった。
 なかなかスケールの大きなSF映画である。地球そのものをロケットにして移動させるという基本的な発想は『妖星ゴラス』と一緒ではあるのだけれど、なにしろこちらは地球ごと別の太陽系まで移動しようというのだ。
 舞台はウー・ジンのいる宇宙ステーションと、地球ロケットを再起動して地球を救おうとするウー・ジンの息子たちの奮闘を描く地上とにわかれる。両方とも、次から次へとスケールの大きな危機が襲いかかり、ひたすらクライマックスが続くような展開となる。ただ正直、地上の方はなにをやろうとしているのかが、いまいちよく分からない。主人公たちが必死になってやっている行動がうまくいかなければ、地球は救えないのだなということだけは伝わってくるのだけれど、なんかせっかく盛り上がっていても、いまいちやっていることの意味が伝わらないのではもったいない。
 ウー・ジン&アンディ・ラウ主演の『流転の地球 -太陽系脱出計画-』は、本作の前日譚とのこと。こちらもなかなかスケールの大きな作品とのことで劇場で観たかったのだけれど、上映館が少なすぎて配信待ちとなってしまったのは残念。

孫2号の入学式の動画が息子から送られてきたのだけれど、後ろ姿しか写っていない場面が延々とあって頭を抱えてしまう。これは、編集してどうなるものでもないなあ。というか、編集したらほとんどの場面がカットされて、なにも残らなくなってしまうぞ。

2024年4月13日(土)

▼郵便局に行ったついでに、ぐるりと散歩してくる。今日はやたらと暖かくて、途中でTシャツ一枚になってしまう。
 途中で、ザリガニやらカメやらを見かけて、もうすっかり春なのを痛感する。

ホレス・マッコイ『屍衣にポケットはない』新潮文庫を読了。


 ホレス・マッコイを読むのは、角川文庫の『彼らは廃馬を撃つ』、ハヤカワ文庫の『明日に別れの接吻を』に次ぐ3冊目。3冊すべてが異なる出版社から出たわけだけれど、まさか新潮文庫から出ようとは思わなかった。
 地方紙「タイムズ・ガゼット」の新聞記者ドーランは、社会悪を摘発する記事を、ことごとく上層部によって握りつぶされたことに嫌気をさし、独立して真実を報道するための週刊誌を発行する。権力者の腐敗を報道する彼の週刊誌は、市民の支持を得て順調にいくかに見えたが、彼のターゲットとなった権力者たちが、彼の活動を妨害すべく立ちふさがるのであった……。
 きわめてシンプルな構図の小説で、非常に読みやすい。込み入った要素は微塵もない。だが、それだけの小説と断じることのできないなにかがこの小説にはあるように思えてしまう。ホレス・マッコイの小説、表面的なストーリーを楽しむだけではない、なにかが潜んでいて、それが妙に魅力的なのだけれど、それがなんなのかがいまいちはっきりしないので、単純に「面白かった」と言えないのがなんともはがゆい。
 また、本書にかぎって言えば、主人公と女性たちとのやりとりがあれこれと出てくるのだけれど、そのあたりの登場人物たちの心理の動きがいまいちわかりにくい。主人公がなにを考えているのか、相手の女性のことをどう思っているのか、そのあたりがどうもストレートに伝わって来ないのだ。
 あるいは、重大な事態に陥りつつあるのに、主人公がそれに無頓着なのも、いまいちピンとこない。主人公が自信過剰ということなのだろうか。
 つまりは、主人公の性格がどうもつかみにくいのだ。あるときは社会悪を許すことができずに怒りを燃やす熱血漢という一面を見せるのだけれど、別の場面では結婚相手の父親から金をむしり取ったり、あるいは非常に計画的な一面があるように見えながら、けっこう刹那的な行動をとってみたりと、どうにもすっきりしないキャラクターなのだ。
 そういうわけで、面白く読んだわりには、なにかしっくりこない違和感が残ってしまって、なにやらモヤモヤしてしまっているのである。

古本屋さんに本を売りに行く。ヤフオクにもメルカリにも出していない本なので、正直、あまりいい本は入っていない。古本屋さんに申し訳ないような本ばかりだ。
 最初に「買取をお願いします」と声をかけると、「いま、買取制限をしているので、買い取れない本も出てくるかもしれません」と言われ、「うわっ、だったらほとんど買い取ってもらえないんじゃないの」と怯えてしまう。
 でも、結果として43冊持って行って、買い取ってもらえなかったのは5冊だけ。だけど、その5冊の基準がわからない。状態のいい普通に売れる本だと思うのだけれどなあ。均一台に100円で並べていい本だと思うのだけどなあ。
 買取金額は38冊で1763円。充分満足のいく買取金額です。というか、38冊も引き取ってくれてありがとう。
 で、さっそくそのお金で1冊買ってしまう。
 『扉のない家』ピーター・ストラウブ/扶桑社/880円
 ピーター・ストラウブはあと超難関の『ジュリアの館』でコンプリートだ。

▼午後遅めの時間に花見がてら嫁さんとお散歩に出る。家のすぐ横の桜並木をずっと抜けて、鶴ヶ丸八幡神社の桜を観に行く。
 けっこうたっぷりと歩いて、本日の歩数は13,026歩。

2024年4月12日(金)

▼ちょっと膝が痛くて、今日はテニスは無理。

▼韓国映画『パイレーツ』を観る。


 明の皇帝から授かった「国璽」を国に運ぶ途中、使節船は巨大なクジラに襲われて大破し、国璽はクジラに飲み込まれてしまう(映像では飲み込まれたようには見えないのだけれど、あちこちにあるストーリー紹介では「飲み込まれた」とあるので、とりあえずそれに従っておきます)。かくして、国璽を取り戻すため、あるいは一攫千金を狙って、国王の使節、海賊、山賊が入り乱れての大騒動が勃発し、壮絶な死闘が繰り広げられることとなるのだった。
 予告編を観て「これは面白そう」と思ったのだけれど、実際になかなか面白かった。海賊はというと、もともとの頭目が部下をないがしろにする非道な人物で、それに反乱をおこしたヨウォル(ソン・イェジン)が部下たちを率いている。美貌の海賊というだけでなかなかそそる設定なのだけれど、アクションも頑張っていてかっこいいのだ。
 山賊はというと、もともと官軍に所属していたチャン・サジョン(キム・ナムギル)が率いているのだけれど、なにをやっても不運に襲われて、部下たちも「そろそろ俺たちも解散だよな」とか思っている。ところが、海にいるクジラとかいう魚を捕まえれば一生食べていける一発逆転が狙えるということで、クジラがどんなに巨大かも知らずに小舟で海に乗り出していく。この山賊たちがコミカルなパートを担当していて、官軍と海賊の争いに割って入るところがなかなか楽しい。
 海賊を率いるヨウォルを演じているのは、『私の頭の中の消しゴム』『愛の不時着』などのソン・イェジン。それほどアクションの得意そうな女優には見えないのだけれど、なかなか頑張っていた。コミカルな山賊の頭目を演じているのは、『非常宣言』『ザ・ガーディアン/守護者』などのキム・ナムギル。
 先日観たベトナムのアクション映画『ソード・ウォリアーズ 皇帝の剣闘士』も予告編につられて観たのだけれど、こうして予告編がきっかけとなって面白い映画に出会えたりもするので、予告編を信じるのって大事だな。もっとも、裏切られることも多いのだけれど。

2024年4月11日(木)

▼昼過ぎにテニスクラブに行き、軽くゲームをやったのだけれど、今日はいつもに増して左膝が痛くて、まったく左膝に負荷をかけられない。おかげでボールを追うのも歩く程度だし、サービスも左足に踏み込むような打ち方ができない。それでもなんとか2セットこなして2連敗で引きあげる。2日連続では無理なのか。

▼夕食後、母親の韓国ドラマのDVDを借りに、離れたビデオ屋までのんびり歩いていく。やはり左膝が痛くて、スタスタ歩くことができない。いやはや。

▼チョウ・ユンファ主演の香港映画『ゴッド・ギャンブラー レジェンド』を観る。


 負けたことのない伝説のギャンブラー、ケン(チョウ・ユンファ)のもとに、大がかりなマネーロンダリングを行なっている国際的企業を摘発するための協力が依頼される。負けず嫌いなその企業の社長コー(ガオ・フー)を、ギャンブルで叩きのめして欲しいというのだ。そこで、マカオのカジノを舞台に、大勝負が繰り広げられることに。
 一方、その企業に潜入していた捜査官が手に入れた証拠の品は、ひょんなことからケンの娘レインボー(キミー・トン)のもとに転がり込んでくる。それを奪うべく、ケンの邸宅に襲いかかる一団。留守を頼まれていたケンの旧友の息子クール(ニコラス・ツェー)の奮闘にもかかわらず、レインボーが大怪我を負ってしまうのだが……。
 2014年の作品なのでもう10年前の作品になってしまうのだけれど、相変わらずバリー・ウォンはバリー・ウォンなのだなと嬉しくなってしまう。実にもってバカバカしくも楽しい映画なのだ。
 そもそも、最初の『ゴッド・ギャンブラー(賭神)』はというと1989年の作品である。チョウ・ユンファ主演、バリー・ウォン監督によって世に送り出されて、香港で大ヒットした。すると、今度はチャウ・シンチー主演で『賭聖』が作られ、アンディ・ラウ主演で『賭侠』が作られ、あれやこれやが作られて、どれもこれもみんなくっだらないのだけれど、とっても楽しい映画たちだった。そして、1作目から25年がたって、そのテイストそのままに本作が作られているのである。いやあ、バリー・ウォン、相変わらずすぎて嬉しくなってしまうぞ。
 主演はチョウ・ユンファだけれど、年齢的にアクションがきつくなっているので、アクション担当としてニコラス・ツェーが出て、さらにお笑い担当でチャップマン・トウが出ている。香港警察の刑事役でマイケル・ウォンが出ているのも嬉しい。
 女優はキミー・トン、ミシェル・フー、ジン・ティエンと美人を揃えているのだけれど、いまいち個性が感じられなくて、次に観てもたぶんわからない。実際、ジン・ティエンは『スペシャルID 特殊身分』『ポリス・ストーリー/レジェンド』『キングコング:髑髏島の巨神』といった映画で観ているはずなんだけど、ぜんぜんわからなかったもんなあ。

2024年4月10日(水)

▼郵便局に投函しにいったついでに、軽くお散歩。今日はちょっと膝がしんどい。
 久しぶりに、前のテニススクールの社長がワンチャンの散歩をしているところに遭遇。親が骨折して、こんど施設に入れることになっているなどの話を延々と聞かされる。ほぼ同世代なので、どうしても親の介護の話になってしまう。

▼昼食を食べたところで、テニスクラブに行き、のんびり2セット。
 やはり、足をかばってフットワークがうまく使えないので、そこで思うようなボールが打てていない。それでも、なんとか1勝1敗でひとつは勝つことができた。
 市民大会のドロー表が出てきて、それが話題になっているのだけれど、今回は参加していないのでちょっと寂しい。

2024年4月9日(火)

▼朝から激しい雨と風で、散歩もできず。おとなしく家で仕事をする。

▼フィリピン映画『セリーナズ・ゴールド(Selina's Gold)』を観る。


 DVDリリースなどはなく、アマゾンプライムビデオのみで観ることのできるフィリピン映画だ。このところ、ビバフィルム製作のエロティックな映画のビデオリリースや配信が続いているが、これもそうした作品の1本。中にはブリランテ・メンドーサ監督の『ヴァージンフォレスト 愛欲の奴隷(Virgin Forest)』、ローレンス・ファハルド監督の『濡れた人魚妻(Nerisa)』、ボビー・ボニファシオ・ジュニア監督の『売られた女 セックスの代償(TAHAN)』のようなちょっと面白い作品もあるのだけれど、本作はいまいち。最後に衝撃のどんでん返しはあるものの、全体を通してみるといささかうんざりさせられる作品ではあった。
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▼ベトナム発のアクション映画『ソード・ウォリアーズ 皇帝の剣闘士』を観る。英題は「Once Upon a Time in Vietnam」。なんとも不思議な映画だ。


 舞台となるのは、最終戦争後の荒廃した世界。かつて戦争で国が滅びかけたとき、戦士として国を守った僧侶たちがいた。彼らは戦争終結後も聖職には戻らず、皇帝の戦士として存続し続けた。彼らは鉄の掟によって縛られ、組織を裏切ったり、脱走した者には死が宣告された。
 ダオは、その皇帝軍にあって、脱走した者を探しだし、処刑する役目をになっていた。だが、今回彼が見つけ出したのは、かつての恋人のアンだった。9年前に組織を抜け出したアンは、いまでは小さな村でパン屋を営む夫とひとり息子とともに暮らしていた。ダオはアンを連れ戻そうとするが、この9年間が自分の人生でいちばん幸せな時間だったと言うアンに対して強く出られない。だがそこに、アンを処刑すべく皇帝軍の殺し屋が送り込まれてくるのだった。
 世界設定はちょっと『マッドマックス』っぽい。だが、それでいて中世風でもある。なにやら異世界ファンタジーのような雰囲気も漂っている。激しいアクション描写は香港映画っぽいが、『マトリックス』ぽくもある。敵対するふたりが道で距離をおいて対峙する場面などはまるで西部劇である。ラストシーンなどは、もろに『シェーン』だ。
 アクションは意外と見ごたえがあった。不思議な形をした剣でのバトルが中心となるが、ワイヤーワークもたっぷりとあり、しかもCGも多用している。なにより、俳優の身のこなしがきれいで、観ていて惚れ惚れとしてしまう。
 登場人物の内心を過剰に語らず、最小限の描写にとどめるどころか、必要な説明すら削りかねない演出も魅力的だ。なんども主人公にからむ村娘がいるのだけれど、彼女が何を考えているのか、まったく説明がない。なかなか魅力的な表情を見せる女優が演じていたのだけれど、彼女はいったいなんだったのだろう。
 監督・脚本・主演はハリウッドでも活躍しているベトナム系アメリカ人のダスティン・グエン。
 アンを演じているのは、『CLASH クラッシュ』『ハイ・フォン: ママは元ギャング』『ザ・クリエイター/創造者』などのゴー・タイン・ヴァン。きりっとした気の強そうな美人で、しかもアクションがめちゃくちゃかっこいい。
 皇帝軍のロン将軍を演じているロジャー・ユアンは、『シャンハイ・ヌーン』『バレットモンク』『チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ』といった作品に出ている。
 というわけで、ベトナム映画といいながら、なかなか国際的に活躍しているメンバーがからんでいる作品で、国籍不明のなかなかに面白いアクション映画となっていた。

2024年4月8日(月)

▼朝いちで膝を診てもらうために病院へ。
 実は昨日のテニスのせいで、膝のあたりが固まった感じになっていて、そこそこ痛いのだけれど、それは口には出さず「以前のようなちょっとした拍子に激痛が走ることはなくなったし、軽い運動ならできるようになりました」とだけ伝える。
 2週間前にたっぷり膝に溜まった水を抜いているのだけれど、診てもらうとまた少し溜まってきてはいるとのこと。
「またしばらく様子をみましょう」と言うので、「今後の治療はどういうことになります?」と確認する。
「あなた次第だけれど、手術をすることもできるし、こうして様子を診ていくこともできる」と言うので、「膝に溜まった水を抜くのは、前に通っていた近所の病院でもできますよね」といちおう確認をとった上で、いったんこちらの病院での治療は終了ということにして、膝に水が溜まったら近所の病院で抜いてもらい、痛みがひどくなったら再び手術を検討しましょうということにする。
 この医者に対する信頼感を失って、手術を担当してもらいたくないという気持ちになっていたので、ホッとする。

 帰宅して、別の病院の整形外科の予約を入れるために電話を入れる。膝関節症の治療には定評のある病院で、できればここでおこなっている再生医療を受けたいと思っていたのだ。しかし、前回電話を入れたときには再生医療の方は非常に混み合っていて3~4ヶ月待ちと言われて諦めたのだけれど、すぐにでもコートに戻りたくて焦っていた前回とは違い、いまは軽いテニスならなんとかなってなっているので、のんびり待てる気分になってきていた。
 予約電話で再生医療を受けたいと伝えると、向こうの担当者が「うーん」と唸ってしまって、「再生医療は混み合っていていまだと8月……か、9月になってしまうのだけれど……、とりあえず再生医療を選択肢に入れて●●先生の診断を受けてみましょうか」と提案してくれて、来週月曜日に診察を受けることになった。場合によっては、その方が早く再生医療を受けることができるかもしれないとのこと。前に問い合わせた時には、診察を受けるだけでも2~3ヶ月待ちみたいな話だったのでそのつもりでいたのだけれど、まさかこんなに早く診察が受けられるとは思ってもみなかった。

▼ジュン・ロブレス・ラナ監督、ユージン・ドミンゴ&ポクワン主演のフィリピン映画『Becky & Badette』を観る。昨年のメトロマニラ・フィルム・フェスティバルにエントリーした作品で、なかなか快調なコメディ映画だった。
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2024年4月7日(日)

▼午前中にテニスクラブに行き、最初に壁打ちに行って様子をみたのだけれど、壁打ちが下手すぎて話にならない。壁打ちよりも実際にコートに入ってゲームをした方が簡単じゃんと思い、相変わらず膝にじゃっかんの不安を抱えながらも、コートに入れさせてもらう。
 会う人ごとに「ずいぶん見なかったじゃない」「久しぶりじゃない」と声をかけられ、実は膝を痛めていてと説明をすると、年配のメンバーが多いので四方八方から共感を得てしまう(笑)
 1試合目はとっても上手な人とペアを組ませてもらい、なんなく1勝。無理に走ることはいっさいしないので、膝の方も大丈夫。
 しばらく休んで、ちょっとレベルの落ちるメンバーに入れてもらうと、あれよあれよという間にゲームを奪われて0-6のストレート負け。
 この時に組んだ人が「雪辱戦をしたい」と言うので、コートが空くまで待ってもう1試合。こんどは接戦となり、5-5の40-40まで競り合ってかろうじて6-5で勝ち。
 これで今年の戦績は3勝1敗。とはいえ、ムキになって勝つことを目的にやっている人たちではないので、楽しめればOKなんだけどね。

 クラブハウスに寄って、4~6月分の会費を払い込む。1~3月は1度もできないまま会費だけ払ったことになるのだけれど、こればっかりは仕方がない。

▼午後は浦和に出てメガネの作り直し。新しいメガネ、夜間に運転をしていると信号のライトなどが二重にぶれて見えるので、すごく運転がしにくいのだ。1月に一度同じ症状で店に行っているのだけれど、対応した女性は「原因がわからない。もう少し慣れるまで使ってみて」と言っていたのだけれど、慣れたところでものが二重に見えるのは治らない。今回は、同じ女性店員につかまらないように、さっさと男性店員をつかまえて相談する。
 かなりガッツリ検眼をしてレンズを作り直してもらうことになったのだけれど、その新しいレンズで夜間運転をしてみないことには解決しているかどうかわからないので、いまいち不安だなあ。

▼夕方に母親の韓国ドラマのビデオの返却と貸し出しのために、離れたビデオ屋まで歩いてみる。午前中にテニスをした影響で、けっこう膝が痛い。まだまだ無理はできない。

2024年4月6日(土)

▼今日は菩提寺のお誘いで、増上寺で行われている浄土宗開宗850年を祝う令和6年度の御忌大会(ぎょきたいえ)の団体参拝に参加させていただく。正直、なんのことだか分かっていなかったのだけれど、増上寺の見学ができるというので、嫁さんとふたりで申し込んだのだ。信仰心はほとんどないのだけれど、好奇心だけはたっぷり持ち合わせているもので、なにやら面白そうと思ってしまったのだ。
 昼食を終えて12時半に増上寺三門に来るようにと言われていたので、少し早めに浜松町に出て、適当に歩き回って「東京海老酒場 案のジョー」という奇妙な名前のお店で昼食をとる。嫁さんは海鮮丼、自分はつけ麺。つけ麺は量が選べるというので並を選んだのだけれど、並でもけっこうな量があってお腹がいっぱいになってしまう。
 まだ時間があったのでブラブラしていたら、鳴門鯛焼本舗なる店があって、嫁さんが少し甘いものも食べたいというので、ひとつ買ってふたりでわけて食べる。いや、自分はもうお腹がいっぱいだったのだけれど。

 増上寺につくと、三門のところで菩提寺の名前の入ったカードを掲げている若い僧侶がいたのだけれど、まだちょっと早かったので先に境内を少し散歩してみようとすると、そこでばったり菩提寺のご住職に遭遇してしまう。さっそく挨拶をしたのだけれど、よくまああの人混みの中でバッタリ会ったりするもんだな。
 境内に入ると、今度は副住職に遭遇。なんで、この人混みの中でこうもあっさり出会ってしまうんだ。
 境内をウロウロしていると、出店の中に「浄土宗」の文字の入った最中を見つけてしまう。百貨店などにもお店を出している有名な銘柄だったので、ついついお土産に買ってしまう。嫁さんはさらにアフリカの子どもたちの支援になるというハンカチを2枚購入。子どもたちの支援というフレーズに弱い嫁さんなのであります。
 境内は外国からの観光客もたくさん来ていて、自分は中国人の家族から写真撮影を頼まれてしまう。本殿を背景に東京タワーも入れて欲しいというリクエストなのだけれど、しゃがんで低い姿勢から写真を撮ろうとすると膝が痛いんですけど(涙)
 そうこうするうちに手ごろな時間になったので、三門に戻り、お寺さんの名前の入ったカードを掲げた青年僧に声をかける。今日はこのイベントのお手伝いで、あちこちのお寺からこうして若い僧侶もかけつけてきているようだった。自分のお寺からの団体参拝の参加者は12名で、ほとんどの方は過去にも参加したことがあるとのこと。
 まずは増上寺会館に案内されてお茶をいただき、それから若い僧の解説付きで中の施設を案内していただく。増上寺のホームページを拝見すると、通常はこうした団体参拝の解説付きの案内は1000円だそうだけれど、本日僕たちはすべて無料だ。まずは経蔵の説明を聞いて、中に入る。たまたま通りかかった年配の僧侶が涅槃図の入った箱にぶつかってひっくり返りそうになったのを助けたら、お騒がせしたのでお礼にとさらに詳しい説明を聞かせていただく。箱に入った涅槃図の大きさは9メートルもあるのだそうだ。
 さらに三門安国殿徳川将軍家墓所などを案内していただく。徳川将軍家墓所は本来なら入場料が必要なのだけれど、そこもフリーパスだ。本当はさらに宝物展示室の案内もしていただくはずだったのだけれど、そこでタイムアップとなって大殿の二階にある本堂へあがる。本堂では真ん中に広い舞台があり、その手前にパイプ椅子が並べられている。そこは指定席とのことだったのだけれど、自分たちの席はなんと前から2列目。最前列は関係者の席なので、自分たちの席はまさに特等席。ちょうど法話の最中だったので、椅子に座ったら身動きができなくなってしまったのだけれど、その法話が終わって住職が退場されたところで外に出て、本堂の前からお練りがやってくるのを見学する。車を止めて、大門からずっと練り歩いてくるとのこと。この練行列については、ホームページに説明があるので、そのまま書き写してしまいましょう。
「御忌大会期間中、5~7日の唱導師による日中法要(14:00)に先立ち、法要開始30分前、江戸三大名鐘の一つに数えられる大梵鐘が鳴り響きます。
 これを合図に、荘厳服に身を包んだ唱導師を中心として、木遣・寺侍・吉水講・講中・稚児・式衆・法類随喜寺院・総代などの僧俗200〜300名が練行列を行い、古式ゆかしく大門から三門、大殿へと進みます。このお練行列には、可愛いお稚児さんが参列します。お稚児さんは、諸天善神が姿を変えて唱導師をお護りするさまを現わしています。このお役を勤めたお子さんは、丈夫に育つとされています。
 唱導師が三門をくぐり境内に足を踏み入れる瞬間、二番鐘の音と共に三門楼上から無数の散華が舞い降り、参集の人々は、まさに極楽浄土と思える光景を目の当たりにします。そして大殿入堂に先立ち、庭儀台に登り、偈文を呪して十方諸仏世尊の降臨を請い、法要の無事円成を祈念する庭儀式を行います。」
 まずは先頭に立つ木遣の皆さんがかっこいい。まるでむかしの映画を観ているかのような光景だ。そして、黄金色の法衣に身を包んだ200~300人もの僧侶がゆっくりゆっくりと歩いてくるのである。その後ろの方からは、可愛らしい衣裳を身につけたお稚児さんたちが親御さんと手を繋いで歩いてくる。2階からではなく、もっと近くから観たかったけれど、いちど本堂に入ってしまうと下に降りることはできないのが残念。


 お練りを終えた僧侶の方々が本殿に入られたところで、自分たちもさきほどの席へと戻る。そして、200~300人の僧侶がズラリと並んだ中で荘厳に法要が執り行われるのだけれど、さすがにこれだけの人数の僧侶が唱える読経は迫力がある。自分たちも「南無阿弥陀仏」を一緒に唱え、まわり焼香にてお焼香をさせていただく。何も考えずに参加して、見学程度のつもりでいたので、「南無阿弥陀仏」を唱えたり、お焼香をしたりするとは思ってもいなかった。
 およそ1時間で法要は終了。いやあ、貴重な体験をさせていただきました。


※たいそう荘厳な雰囲気なので、おおっぴらに写真を撮る雰囲気ではなかったので、本堂内の写真はこの2枚だけ。


※法要が終わったあとは、住職が揃っての写真撮影。うちの住職はどこ? 気分はすっかりウォーリーを探せの世界。

▼ご住職が「お茶とケーキを御馳走します」とおっしゃるので、皆さんで隣の東京プリンスホテルのティーサロンへ移動する。まとまって座ることができなかったので、自分たち夫婦は男性1名、女性1名と4人でテーブルを囲む。
 残念ながらケーキはすべて売り切れとのことで、自分はアップルパイとコーヒーのセットをいただく。けっこうなお値段で、これをご住職に払っていただくのも気が引けるのだけれど、他に頼めるものがないんだものなあ。ケーキが売り切れと知ったご住職は、ずいぶんとガッカリした表情をしていたけれど、甘党なのだろうか?
 一緒のテーブルになった男性の方は、むかしからいろいろとお寺のお手伝いをされているとのことで、いろいろな話を聞かせていただく。また、女性の方はご主人が檀家総代をされていたとのことだが、そのご主人が2年前に亡くなられ、いまは1人暮らしをしているとのこと。お二人ともこうしたお寺のイベントにはよく参加されているようだ。うちの嫁さんは、年寄りから話を聞き出す達人なので、どんどん話を聞き出してしまう。おふたりは今年開催される五重相伝(浄土宗における5日間にわたる法要)に参加されるとのことで、ご住職から「まだいまからでも申し込みは間に合います」とお誘いいただくが、「まだ仕事を続けているものですから」と言い訳をして逃げる。ごめんなさい。そこまで信心深い人間ではないんです。今日も、単なる好奇心で参加しただけなんです。さすがに、正直にそう言うわけにもいかないけれどね。

 というような1日で、なかなかこういう機会でもないことには体験のできない面白い1日だったのでした。

2024年4月5日(金)

▼午後遅い時間になってテニスクラブに行き、壁打ちをする。すると、多少フットワークを使ってもぜんぜん膝が痛くないので、これってもしかして、無理をしなければゲームもできるんじゃないのと思い、コートに入れてもらう。
 結果、ゲームができました。
 そりゃ、ボールを思いっきり追いかけるなんてのは論外なんだけど、それでもなんとかゲームにはなるじゃん。3ヶ月半ぶりのテニスだあ! しかも、ペアのおかげできっちり勝ったので、今年の勝率は現時点で100%!
 時間があったので「もう1ゲームやりますか?」と誘われたけれど、ここは自重して1セットだけでやめておきました。
 月曜日に整形外科に行くのだけれど、なんて言えばいいかな。

▼さて、こうなると当然の流れで今夜はエディ・マーフィ主演の『ビバリーヒルズ・コップ3』を観たわけだが、シリーズ3作目となって、だいぶ迷走している感は否めない。


 デトロイト警察の刑事アクセル・フォーリーは、自動車盗難組織を摘発するはずが、なぜかそこには武装した一団が先に来ていて、上司が撃たれて殉職してしまう。かすかな手がかりからまたしてもビバリーヒズルに乗り込むアクセルは、またしてもローズウッドを引っ張り出して犯人を追う。なんとこの犯人一味は、ワンダーワールドというディズニーランドのような巨大テーマパークの地下で、偽札を刷っていたのだった。おいおい、カリオストロ公国かよ! 上司の仇を追っていたら、大変なものを見つけてしまった。どーしよー。
 なんで偽札を刷るのに、遊園地の地下を使わなければいけないのかがまったく分からない。しかも、遊園地の警備を担当している人間は全員、犯人の一味なのだけれど、けっこう衆人環視の中で平然とアクセルを追いかけて発砲したりして、まったく自分たちの正体を隠そうとしていない。いいのか、それで。
 ラストに意外でもなんでもない犯人が、どうだ意外だろう!と言わんばかりに登場するのだけれど、こいつが怪しいのはとっくにバレてるしなあ。
 なんだろう。とにかく脚本が稚拙。遊園地を舞台に、お子様ランチのようにあれこれとアクションを展開すれば面白いだろうと言わんばかりの脚本で、観客を舐めているとしか思えない。
 なにを考えたのか、監督に起用されたのはジョン・ランディス! いやいや、それは違うだろう。このシリーズはコメディを売りにしてはいるけれど、基本は切れ味の鋭いアクション映画のはず。基本の刑事ドラマをないがしろにして、コメディ専門のジョン・ランディスを監督に起用してどうするのさ。結果、いかにもジョン・ランディスらしいお祭り騒ぎの展開されるコメディ映画ができあがってはいるのだけれど、このシリーズに求めているのはこういうテイストの映画じゃないからね。
 こうしてみると、1作目は本当に傑作だったんだよなあ。もし、監督を変えなかったら、1作目のテイストで続けることができたのだろうか? 考えても仕方のないことではあるのだけれど、なんとももったいないシリーズだ。

2024年4月4日(木)

▼回収した記入済み調査票がPDFファイルで納品されたので、今日は出社してそれを片端からプリントアウトする。データ入力して集計するには、やはりプリントアウトした紙がないと効率が非常に悪いのだ。かくして、ぜんぜんペーパーレスにはならないのである。

▼このところ、が痛むことはほとんどないのだけれど、今日のように出社して駅の階段の登り降りを繰り返すと、やはり多少は痛くなってくる。まあ、一時期は手すりにつかまらなければ階段の登り降りなんてできなかったので、それに比べればだいぶ良くなっているのだけれど。

▼エディ・マーフィ主演の『ビバリーヒルズ・コップ2』を観る。


 前作で世話になったビバリーヒルズ警察のボゴミル警部が何者かに撃たれて重傷と知ったデトロイト警察の刑事、アクセル・フォーリーは、再び事件を解決するためにビバリーヒルズに乗り込んでいく。そこで彼を待ち受けていたのは、アルファベット強盗と呼ばれる謎の一団だった。またしても、ローズウッドとタガートを巻き込んで、強引な捜査に乗り出すフォーリーだったが……。
 さすがに前作に比べると脚本が雑になっている。そもそも、身長2メートルと言われるほどの長身の金髪美女(ブリジット・ニールセン)が毎回強盗の現場に出張ってきたら、簡単に正体がばれるだろうに(本当は185センチだけれど)。フォーリーの捜査が順調すぎるのもいまいち。改造された銃弾から射撃クラブに取材に行くと、そこが犯人の本拠地とか、さすがに安易すぎる。
 そこをカバーしているのが、主人公たち3人組のキャラで、エディ・マーフィが相変わらず絶好調。また、前作では優柔不断な真面目人間ぶりが笑いをとっていたローズウッド(ジャッジ・ラインホルド)が、ダーティ・ハリーやランボーにかぶれたキャラに変貌して笑いをとっている。とはいえ、この3人組のおかしさも、前作の方が上だった。なかなか、シリーズ物の第2作は1作目を超えられないのだね。
 監督は前作でめちゃくちゃいい仕事をしていたマーティン・ブレストから、トニー・スコットに交代している。トニー・スコットは本作の前年に『トップガン』で大ヒットを飛ばしていて、明らかにマーティン・ブレストより格が上なのだけれど、この2作を比べた限りではマーティン・ブレストの方がエディ・マーフィの魅力をうまく引き出している。
 ちなみに、この時点ではブリジット・ニールセンはシルヴェスター・スタローンと結婚していたのだけれど、トニー・スコットを相手に浮気をしていたとのこと。なんともゴージャスな夫と浮気相手だけれど、それだけ魅力のある女性だったのだろう。でも、本作ではその魅力もそれほど発揮できていなかったのではないかな。

今野敏『任侠書房』中公文庫を読了。


 昔気質の任侠団体・阿岐本組が、なぜかつぶれかけている出版社の経営に乗り出してくる。なぜかといえば、組長・阿岐本雄蔵には思いつきで行動を起こすというクセがあったからだ。かくして、代貸の日村は、組長の気まぐれに巻き込まれて相次ぐトラブルに立ち向かわざるをえなくなるのだった。
 今野敏は、実在の武術家に題材をとった一連のシリーズがあって、それを大喜びで読んでいるのだけれど、それが出てくるのは数年に一度。あとは、ひたすら警察小説を書いているという印象なのだけれど、そちらはほんの数冊しか読んだことがない。とにかく、どうすればこんなにたくさん書けるのだと呆れるほど、あとからあとから新作が出てくるので、さすがに作品の質が落ちてくるんじゃないのと思っていたのだけれど、本書を読むと、それがとんでもない勘違いであったと言わざるを得ない。面白いのだ。めっちゃ面白いのだ。しかも、中身が濃密なのだ。出版社のおかれた状況、雑誌編集者、単行本編集者の苦悩など、人気作家として身近に見ているせいもあるのだろうけれど、それらがしっかりと描かれている。
 さらには、自分の縄張り以外の場所にある出版社の経営に手を出すと、フロント企業と見なされてマル暴の刑事に目をつけられるは、そこを縄張りとする組織との軋轢も生じかねないは、本来の出版には関係のないトラブルまでがゾクゾクと押し寄せてくる。
 いやあ、面白かった。シリーズはこのあと『任侠学園』『任侠病院』『任侠浴場』『任侠シネマ』『任侠楽団』と続いていて、いやいや、ずっと1作目のテンションが続くわけないでしょと思ってしまうのだけれど、もしかすると今野敏なら続いているのかもしれない。

2024年4月3日(水)

▼今日も朝の散歩。かなり早足で歩いて、最後は700メートルほどを走ってみる。おおっ、けっこう走れるじゃん。
 しかし、こうして走れるとなると、手術ってことにはならなくなるのかも。このまま、テニスができるところまで回復するのだったら、もちろん手術は必要ないんだけれど。
 42分39秒で4.43キロ。キロあたりの平均ペースは9分37秒。昨日よりもペースがあがっている。

▼今日も壁打ちに行きたかったのだけれど、雨が降り出してきたので諦める。

リチャード・マシスン『激突!』ハヤカワNV文庫を読了。


 おそらく本書を読むのは、今回で3回目ぐらいだろう。なにげなく表題作を読み出したら、またしても止まらなくなってしまった。やはり、この表題作は面白い。スピルバーグの映画も傑作だと思うけれど、それもこれもこの原作があればこそだろう。
 表題作の他に「狂った部屋」「屠殺者の家」「蒸発」「不吉な結婚式」を収録。「屠殺者の家」は『地獄の家』の原型ともいうべき面白さがあるし、「狂った部屋」「蒸発」「不吉な結婚式」のこれでもかこれでもかというちょっと偏執狂的な描写もなかなかの迫力だ。しかし、自分にとってのマシスンのベストは『地獄の家』なので、あれをまた読みたくなってしまった。

▼エディ・マーフィ主演の『ビバリーヒルズ・コップ』を観る。


 刑事として優秀ではあっても、上司の命令なんのそののデトロイト警察の問題児、アクセル・フォーリー。幼なじみが殺された事件を追ってビバリーヒルズに乗り込み、上品なビバリーヒルズの刑事たちを巻き込んで大騒動を繰り広げる。
 いやあ、いま観てもこれはめちゃくちゃ楽しい。エディ・マーフィが実にイキイキと動き回っているのもあるけれど、映画としてのテンポがすごくよくて、まるっきりだれる場面がない。また、彼に巻き込まれるビバリーヒルズの刑事たちが個性ゆたかで、とりわけちょいと天然の入ったローズウッドがひたすらおかしい。彼らの個性を引き出す脚本もよくできている。
 あらためて見直してみて、音楽の使い方のうまさに心底感心してしまった。しょっぱなにグレン・フライの「ヒート・イズ・オン」でいっきに引きずり込まれ、そのあとは要所要所でかかるテーマ曲で気分は高揚したままとなる。ポインター・シスターズの「ニュートロン・ダンス」もノリノリで、実に楽しい。
 1984年の作品なので、なんとまあ、もう40年も前の作品なのだ。それでいて、まるっきり古びていないってのは実に素晴らしい。劇場公開時に観ていて、面白かったという記憶だけはしっかりとあったのだけれど、ここまでできのいい映画だとは思っていなかった。見直してみるものだなあ。

 この『ビバリーヒルズ・コップ』、今年新作が公開されるので予告編を観たら、なんとジャッジ・ラインホルドやジョン・アシュトンが出てるではありませんか。40年たって、このメンバーがまた顔を揃えるなんて! それだけで楽しみになってきたぞ。

2024年4月2日(火)

▼天気もいいので気持ち良く朝の散歩。歩き出しは多少左膝の内側が痛いが、歩いているうちにおさまってくる。
 早足で歩いて、最後に500メートルほどをゆっくり走ってみる。なんとかこの程度なら走れる。
 44分16秒で、4.44キロ。キロあたりの平均ペースは9分57秒で、最近の中ではかなり速いペースで歩いたことになる。

ゾラン・ジヴコヴィチ『本を読む女』盛林堂ミステリアス文庫を読了。


 ゾラン・ジヴコヴィチ・ファンタスチカと銘打たれたシリーズの第2弾で、今回は本を読むことを生きがいにしているタマラさんという女性が遭遇する、本をめぐる8編の奇妙な物語が収録されている。
 本をめぐる奇妙な物語というだけで、本好きとしてはたいそう嬉しい作品集なのだけれど、その奇妙な体験というのが本当に奇妙で、しかもその奇妙さ加減がなんとも絶妙なのだ。
 さらには、どの物語も果物が絡む物語となっており、それぞれのタイトルも「リンゴ」「レモン」「ブラックベリー」などとなっている。どれだけ凝った設定なんだ。そして、最終話のタイトルが「フルーツサラダ」となっていて、それまでに出てきた果物が全部出てくるという凝りようなのである。
 どの作品も心地よく読めるテイストの作品ばかりで、肩の力を抜いて気軽に楽しめる1冊となっている。

▼足の具合もいいし、いささかストレスも溜まってきているので、壁打ちをするためにテニスクラブに行ってみる。壁打ちだったら、足が痛くなって途中でやめても誰にも迷惑をかけないし。
 今年になって初めてラケットを手にしたわけだが、さすがにボールの打ち方がわからない。体に叩き込んだ動きができない。それでも、しばらく打っているうちに、体が動き方を思い出し始める。
 膝は大丈夫だ。それよりも、ラケットを握る手のひらの方がしんどくなってしまう。握力がすっかりなくなってしまっている。
 しばらく壁打ちをしただけで、けっこう汗をかいてしまった。

2024年4月1日(月)

▼今日からNHKの朝ドラが新しくなった。前回は朝からやたらとにぎやかなのがしんどくてパスしたのだけれど、今度は関東の製作だし、伊藤沙莉主演でもあるので観ることにする。いやあ、伊藤沙莉がいいなあ。これは楽しみだ。

▼今日は久しぶりに朝の散歩。朝ドラを見終えたら、すぐに着替えて外に出る。
 48分17秒で4.46キロ。キロあたりの平均ペースは10分49秒。ま、こんなものかな。

▼秘かに計画の進行していた宮崎駿と庵野秀明がタッグマッチを組んだアニメ映画『シン・ルパン三世 カリオストロの逆襲』だが、ふたりの意見があわずに製作が中止となったらしい。個性の強いふたりなだけに、共同作業は難しいとは思っていたのだけれど。
 庵野秀明は、自分だけでも計画を進めると息巻いているらしいが、実写映画にすると言い出したりして、まだまだ紆余曲折がありそう。

 エイプリルフールなので、こういうネタを考えてSNSにアップしてみた。まあ、どう考えても宮崎駿と庵野秀明が手を組むということはないだろうし、宮崎駿が『カリオストロの城』がらみの企画に手を出すはずもないのだけれど。

▼昨年末のメトロマニラフィルムフェスティバルに出品されたディンドン・ダンテス&マリアン・リヴェラ主演の『Rwind』を観る。


 ちょっとレトロな雰囲気のポスターと、ビデオテープの巻き戻しを意味するタイトルから、そういう時代にタイムトリップする話かと勝手に思い込んでいたのだけれど、ぜんぜん違っていた。
 かんしゃくを抑えきれずに、家族や職場で傲慢にふるまっていた男が、事故で妻を失ってはじめてそれまでの自分を後悔するのだが、そこに過去に戻ってやりもどせるチャンスが与えられるというファンタジーロマンス。ディンドン・ダンテスの力演ゆえに、観ているこちらの感情も思いっきりゆさぶられる。これはなかなかの佳作。
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