滅茶苦茶忙しい日々を過ごしていますが、暇な時間ができれば、盆栽作業はなんとか続けています
ここのところは、実生黒松の手入れをしたり、真柏の手入れをしたりしていました
そして、ちょっと気になったのが石に付けた真柏達で、とりあえず石に根を咬ますために、今まで手入れもせずに放置栽培していましたが、ちょっと樹勢が良くなってきましたので、少し形を整えておかないとと思い、手入れをしてみました
普通の真柏を作るのにも創造力が必要なのですが、これが石付きとなりますと、さらに高い創造力が求められてしまい、根を石に咬ませてからいつも四苦八苦してます(笑)
石付きを作る場合、一番大切なのは、石芸を上手に魅せながら付けた盆栽と調和をさせることにあります。文章で書けば簡単なのですが、実際にこれを実行しようとしますとこれくらい難しいものはありません
石付きを作る場合、一番最初の関門が『石の正面の見極め』になります。そこそこ水石をやっている人ならば、石の正面についてはほぼ間違いなく見極めることができるのですが、石に造詣が浅い人ですと、ここでつまずいてしまうことになります
そして、その次の段階になりますと、その石に対して、どのような樹形の盆栽を付ければ良く合うのか・・・・・ということを考えるのですが、この石はこの部分が一番の見所(石芸)になるので、その部分を強調する、あるいは良く魅せるためには、根をどの部分に咬ませて、このような樹形のものをつけると両者が一番引き立てあい調和するだろうということを想像していきます
この段階でも、まだまだ想像だけですので、ちょっと経験があれば誰でも簡単にできるのです。しかし、その次のステップでは、いよいよ具体的に素材を付ける段階になりますが、ここで困るのが、想像していた素材が無いという壁に当たるのです。当たり前のことで、その石に付けるためだけに素材を作っている人はほぼいませんので、いくら良い石があっても、良い素材があっても、良い石付きを作れないのは、そこに原因があるのです
石に付けるための目的で、数百とか数千単位でそれ専門の素材を作っていればだいぶ違うとは思いますが、普通の人はそのようなことをしていませんし、どちらかというと単独で見られないような素材だから石にでも付けてみるか・・・・・という感じで石付きを作っているはずですから、こればかりは仕方がありません
そのため、石付きを作る場合、石と樹の兼ね合いを上手く図りながら作っていくことにならざるをえず、頭の中で想像していたようなものはほとんど作ることはほぼできないのです
石と樹の一期一会ではありませんが、石に合いそうな樹を探したりするようなことになるのですが、そんな悠長なことする人はまずいないでしょう
ましてや、石に樹を合わせなければなりませんので、幹操作が簡単に行うことができることも必要になりますので、ちょっと太めの雑木ではほぼ不可能であることがわかります
自由度ということを考えますと、若く細めの松柏類がベストであることは誰しも想像がつきます。そのようなことがあり、真柏をはじめとする松柏が石付きにはベスト樹種であると思っています
そして、松柏であれば石に合わせた幹操作も簡単にできますから、自分の思っている樹形を作っていくこともそれほど難しいものではないと考えています。そのようなことがありますから、僕は真柏をメインに石に付けているのです
しかし、このように思うのと、実際に実践していくのは結構別物でして、幹の長さや枝の位置、根の太さや量など、実際は思うようにいかないことばかりなのです。そこで、ほとんどの場合、石に合わせた樹形作りをしなければならず、特に幹操作は石付けの命ともいえますので、普通の樹形を作るよりもはるかに創造力が必要となってくるのです
石付けは想像力ではなく創造力が必要なのです