子どもが来年、小学校入学というイベントを前に、様々な準備を検討し始めているのだけれど、結局わたしは、自分の親がわたしにしてくれたことの模倣をして親をやっているのだなと思うことがある。
タスクは「ウッ…」と思うことからやる
2024年ということで、所属している組織のキックオフ司会をやったりしていました。
100名ほどが集まる会なので、セミナールーム的な広い場所でリハをしていたのですが、そこで自分のPC画面を共有した際に、思いっきり自分のメモが画面共有されてしまいまして……
こんな感じで、Google Chromeの「Papier」というプラグインを入れてあり、ブラウザを開くとまずこれが出るようにしているんですよね。それがスクリーンに投射されてしまい、気づいた人から「ウッと思うタスクから先にやるようにしてるんですね!笑」と指摘されて、大変恥ずかしかったです。
でも、これは本当にそうだよなと思っており、「経費精算」とか「契約書の申請」とか、「ウッ…めんどくせえ……」と思うことからやっつけておくと、かなり効率がよいんですよね。PCを開いたりブラウザを開いた瞬間って、新しくなにかタスクを処理しようとしているときなので、自分のHP(体力ゲージ)もまだ残っていたりしてけっこう相性も良かったりします。
ということでなんとなく思ったことのメモでした。では、また。
☆「Papier」は以下のURLからダウンロードできます。
絵に描いた餅でも描かないよりマシ
年末なので、様々な会社の様々なアドベントカレンダーの記事を読んだ。どれも面白く、どの会社も素晴らしい制度設計があり、素晴らしい運用体制があり、素晴らしい思想のもとそれが実現しているように見えた。
ただ、それが実際のところどうかなんてわからなくて、もしかしたら理想は記事の通りかもしれないけれど、実態はもっとぐちゃぐちゃで、混沌としているかもしれない。中の人からしたら、「あんなの、絵に描いた餅だよ」と嫌味のひとつも言いたくなるかもしれない。
でも、最近のわたしは「絵に描いた餅でも、まず餅を描いてみることが大事」と思っていて、ああ、あなたがほしい餅はそれなんだね、まずはそれが分かってよかった、と割り切って捉えられるようになった。
どんな餅が欲しいのかさえわかれば、実際にそれにはどんなものが必要か、イメージすることができる。この「とりあえず描いてみる」というのがとても面倒でダルいんだけど、だからこそ人間がやるべき仕事のようにも思えるのだ。
必要な要件を浮かび上がらせるために、不必要かもしれない情報を集めること。その中から理想やイメージを浮き彫りにすること。なんかこう、わかんないけど、そこにいい感じの脳みその使いどころがある気がしている。そして誰かの「ほしい餅」に実現具体性を与えることが、いまのわたしの主な仕事なのだろうなと思っている。もちろん自分で餅を描くときもあるけれどね!
また明日も頑張って働くぞ〜!
今日はそんな感じです。チャオ!
時には昔の話をしようか
この記事はインターネット老人会AdventCalendar2023、25日目の記事です。
俺とお前とインターネット。お前とインターネットとのなれそめを聞かせてくれ!!
と題して始まったインターネット老人会のAdventCalendarでしたが、様々な記事が集まって、わたしが一番楽しんでいた読者だったのではないだろうかと思います。みなさん、ご参加ありがとうございます。
わたし自身は、最初に購入した(正確には祖父母に買ってもらった)パソコンはPC-9821 Canbe。わけもわからず、ワープロソフトで同人誌に参加するための小説を書いたり、好きな文章を写経したりしていました。その後、一世を風靡する「iMac」のボンダイブルー(初代)をゲットし、ハチャメチャにインターネットにハマりました。
当時、もっともハマっていたのは「チャット」。映画好きが集まる「シネマちゃっと」(だったかな)というサイトがあり、そこに夜な夜な通って好きな映画やおすすめの映画の話を語り合う、ということをしており、そこから派生し、HTMLタグを手打ちして自分の日記サイトを作ってみたり、ポストペットで長文メールを送り合うなどしてネットの人たちとの交流を楽しむことになります。
思えば、当時から「ふだんの生活で出会わない人と知り合うことで、新しい人生や視野が広がるんだな」というのを実感しており、今の価値観の礎になっているような気がします。
初めてのオフ会もこの頃で、まだ実家にいたと思うのですが、恵比寿の焼肉屋にお呼ばれして参加し、「まだ若いんだから、ここは俺が出すよ!」とオフ会の主催者に奢ってもらった覚えがあります。
いま思うと本当に軽率にネットで知らない人と会っていて、まだ出会い系なんかも盛んではなかったこともあり、牧歌的な時代だったんだな〜と思ったりもしますね。とにかく自分の書いたものを読んでもらいたくてウェブリングや日記コミュニティに登録して、「知らない人の日記を読む面白さ」に目覚めたのもこの頃でした。
そこからmixiでの日記や、ブログとの出会いなどがあり、こうしていまもインターネットに日記を書き続けているので、本当に人生何が起こるかわからないですね。
さて、そんな感慨の中で開催された12/22(金)のインターネット老人会の忘年会。いわゆるオフ会でしたが、お集まりいただいたみなさま、本当にありがとうございました。
約20名、Z世代からアラフィフまで、幅広い年代の方にご参加いただき、「老人じゃないんですけど、来てよかったんでしょうか……」という若い世代の戸惑いにも「老人の死に水を取る人は、いずれ必要になるから!」とおおらかに対応してくださる方ばかりで、話も思いのほか盛り上がり、大盛況のうちに無事終了できたのではないでしょうか。
普段、仕事をする上では、昔の話をするのをなんとなく避けていたり、また、日々発展と変化の激しいIT業界で長く働いていることもあり、過去の話をする機会は多くありません。さらに、子どもを育てていると、目の前のことや未来のことに常に意識が行っているので、「あんなことがあったね」と会話することもなかなかなく、こういう生活が、少なくともあと10〜15年?くらい、わたしの身体が元気なうちは続くんじゃないかなと思っています。
でも、インターネット老人会の飲み会では、みんなが「初めて買ったパソコン、何だった?」であったり、「当時お気に入りだったツールって何?」みたいな「はじまりの話」がたくさん出ていて、人それぞれの歴史があり、その人の価値観のもとになったきっかけなんかを聞くことができて、本当に楽しかった。
みんながガヤガヤと交流している様子を見て、ああ、わたしが当時好きだったインターネットの、経歴も肩書も年齢も関係なく、好きなことの話を好きなだけできる場所って、こういう感じだったな〜と思ったりして、とても感慨深かったです。
繰り返しになりますが、「人との出会いは新しい人生の可能性を連れてくる」というのはずっと変わらない価値観で、インターネットの力を通じてきっかけを掴んだ人との出会いのおかげで、アラフィフに差し掛かったいまもゴリゴリ働いて家族を養えているわけで、なんというか、本当にインターネットってすごい。
個人的にはチャット文化を通じて人と知り合ったこと、そして、インターネットに携わりたいという思いで飛び込んだウェブ業界で死ぬほど働いたこと、そしてインターネットに文章を書き続けていることで出会えた(夫を含む)素敵な人たちのこと、すべてが繋がっていて、すべてがかけがえのない時間だなと思います。
もちろん、働きすぎて心身の調子を崩したり、嫌な気持ちになることもあったのですが、なんというか、それすらもいまの自分をかたちづくってくれる因子だよなあと思うと、どんなにつらいことでも、あれはあれでよかったんだな、としみじみ思える日が来るのかもしれませんね。
どこにいるのか今ではわからない
友達もいく人かいるけど
あの日のすべてが虚しいものだと
それは誰にも言えない
ということで、たまには昔の話をして懐かしみ、解散したあとにまた前向きな気持ちになれるような、そういう場としてインターネット老人会が続けられると嬉しいなと思っておりますので、あらためてどうぞよろしくお願いいたします。
今日はそんな感じです。
チャオ!
ビジネスチームにスクラムを導入しようとしたら自分の内観が深まった話
これはなに
こんにちは。株式会社SmartHRコミュニケーションデザイングループ、Opsユニットチーフのmikityです。またの名をhase0831と申します。これはSmartHR AdventCalendar 2023、23日目の記事です。
この記事では、ビジネスサイドに所属するわたしのチームで、プロダクト開発の手法である「スクラム」を取り入れるまでの経緯ついて書いてみたいと思っています。
主にビジネスサイド、スクラムについてまったく分からない人向けのお話です。
そもそものきっかけ
わたしがチーフを担当しているコミュニケーションデザインOpsユニットでは、デザイナーとノンデザイナーの間をつなぎ、クリエイティブ制作の業務スピードの改善や効率化を推進することをミッションとしています。
2023年の5月に立ち上がったユニットで、まだ混沌としているのですが、わたしたちはいくつかの課題を抱えています。
例をあげてみると、
- 雑多なリクエストが日々絶え間なく入ってくる
- ユニットメンバーの得意分野がそれぞれバラバラ
- 人数が少なく、使えるリソースの総量がめっちゃ限られている
- リクエストも短期的・長期的なものが混在している
- タスク管理はそれぞれの裁量に任されており、統一されたルールはまだない
つまり、チームを運営する上で効率的なタスク管理をしないと、早晩崩壊することが予測され、立ち上げ当初からかなり焦りを感じていました。
「ゆるふわスクラム」に出会う
どうやら社内では様々なチームで「スクラム」というのにチャレンジしており、ビジネスサイドにも効くらしい……ということがだんだん分かってきました。
「アジャイル」「スクラム」というと、プロダクト開発で使用されている手法のイメージがあり、なんとなく敬遠していたのですが、「設定された課題に対して」「最大のアウトプットを目指し」「最適な優先度をつけてタスクを管理するもの」ということがだんだん理解できてくると、これは、取り入れる価値があるのでは?!と感じられてきたので、「とりあえず見よう見まねでやってみよう!と試行錯誤することにしました。
そこで組んだのが以下のスケジュールです。
- まず月曜に「タスク確認タイム」を設定し、その週のタスク優先度を議論しながら決定します
- そして水曜に「スプリント」としてタスクの進捗やリソースの状況などをすり合わせます
- 最後は金曜に「振り返り」として今週やったことや感じたことの会話をする場を設けました
やってみて感じた課題
まず月〜金のサイクルを何回かまわしてみながら、メンバーそれぞれが感じている課題を洗い出してみました。出てきた課題感としてはこんな感じ。
- 本当にこれでいいのか……?
- 「やるべきこと」はわかったが、「今週やるべきこと」の切り分けが難しい
- 中長期のタスクが終わらず、マインドシェアを奪われ続ける
つまり、手探りすぎて怖い!
……震えながらも「とにかく現状がベターではないことがわかったので、素早く改善を回していこう!」ということになり、以下のどうなりたいか像を立てました。
- 全員にとって納得感・腹落ち感のあるタスク管理がしたい
- タスクの分類を適切に切り分けられるようにしたい
- 「終わった!」という実感を得られる管理をしたい
そしてこの「どうなりたいか像」をもとに、社内の相談相手を探ってみたところ、なんと「アジャイル推進室」の存在を知り、toyotaさんにお知恵を借りることを思い立ちました。
toyotaさんについては以下の記事をご参照ください
そこで学んだのは、スプリントやバックログ、スプリントプランニングなどについての基本的なこと。そして、「現状の課題に関しては、ちゃんとしたスクラムに寄せていくと解決するかもしれない」というアドバイスでした。
確かに見よう見まねでやり始めたスクラム、誰も正しいやり方を把握できておらず、相談できる相手もいません。とにかくアドバイスをもとに、社内に上がっているスクラムについてのドキュメントを片っ端から読み漁り、参考文書を購入する日々でしたが、ここである出会いがありました。
社内ハッカソンという光明
2023年夏、LLM(Large Language Model)と呼ばれるOpenAIの大規模言語モデルを活用した「LLMハッカソン」が社内で開催されたのですが、そこに参加した際、同じチームになったのがエンジニアの@sushi__melodyさん。「SmartHRがアジャイルになることを支援する」アジャイル推進室のメンバーでした。
社内ハッカソンでわたしたちのチームは惜しくも2位だったのですが、そこでの交流をきっかけに、スクラムなチーム運営のコーチを買って出てくれたのです。
そこで1on1をスタートし、「まずは信頼関係の構築から」といろいろ壁打ちをしていただいて、様々なことを学んでいくのですが、もっとも大きい手応えを感じたのは「不確実性」を怖がらなくなった、ということ。
よく使われるフレームワークで、「空」「雨」「傘」というものがありますよね。「空(事実)」を見て曇っていたら「雨(解釈)」かな、と予測し、「傘(対策)」を持っていこう、というものですが、ここでいう「不確実性」というのは、「雨が降るかどうかわからない」ということかな、とわたしは解釈しています。
それまでのわたしは「雨が降るかわからない」という「不確実性」のある判断を選択することを恐れるあまり、性急に結論を出したがってしまい、必要以上の対策を取ってしまって無駄なリソースを消費したり、思考停止してしまったりする傾向がありました。
「不確実性」を恐れない
チーフであるわたしがそんな状態なので、チーム自体も結論を急いでしまったり、じっくり仮説を深めることなく短期的な対策を取ろうとしてしまうことにより、手探りでやり方を探ることを避け、インスタントな回答を出そうとしていまったのかなと感じています。
なのですが、sushi__melodyさんとの壁打ちや、アジャイル推進室の活動に触れることで、「不確実性」は恐れる対象ではなく「ただそこにあるもの」という認識に変わりました。
そして「不確実性」を恐れなくなったことにより、事実の解釈には様々なものがあり、どれが正解かは誰にもわからないし、わからないということは「悪」ではない、正解をストイックに求めるあまり、不正解を恐れて思考停止してしまうことのほうが怖い、と腹落ちしたのです。
このきっかけにより、さらにスクラムへの解像度が上がり、「分からないなりに見通しを立てることの重要性」「それを検分し、調整していくことの大切さ」を念頭におきながら再びチームの運営スタイルを見直していくのですが、長くなってしまったので今日はこのへんで。
挑戦はこれからも続く……
そんな感じで取り入れてみたらいきなり自分自身への内観が深まってしまった「スクラム」でしたが、本来は「分からないものに分からないなりに向き合い、攻略していくためのワクワクする手法」だと感じています。
そういう手法について考えている先輩方がたくさんいて、困っても検索すればたくさんのドキュメントがヒントを与えてくれます。営業や企画、チーム運営についてはたくさん経験してきたつもりでしたが、まだまだ知らない手法があると思うと、こんな最高なことはないよな〜と思っています。
そしてアジャイル推進室にお誘いしてくださった@sushi__melodyさんから、ありがたいコメントをいただきました!
こんにちは! sushi__melodyです。
アジャイル推進室はSmartHRがよりアジャイルになることを支援する社内コミュニティです。
スクラム開発に関する講座を行ったり、アジャイルに関することなら誰でも何でも話せるわいわい会を開催したりしています。
(より詳しくはアジャイル推進室メンバーへのインタビュー記事をお読みいただけると🙏)
ただ、どうしてもコミュニケーションがプロダクトサイドのメンバーで閉じてしまいがちというモヤモヤがありました。
なので、今回のmikityさんの取り組みに関われて大変うれしかったです。
mikityさんとの1on1がプロダクトサイドとビジネスサイドの違いを考えるキッカケになったり、逆に、不確実性と向き合いつつ顧客価値を最大化するというアジャイルであることそのものの考え方を学ぶキッカケになりました。
今後もプロダクトサイド/ビジネスサイド関係なくSmartHRがよりアジャイルになれるよう貢献していきたいと思っています💪
うれしい!やっていくぞ〜〜〜!!!
アジャイル推進室についての記事もどうぞ!
SmartHRにアジャイル推進室(仮)を立ち上げました - SmartHR Tech Blog
ユーザー価値最大化のためにいかに動けるか、変われるか 〜アジャイル推進室連載企画第1弾〜 - SmartHR Tech Blog
組織全体がアジャイルになっていくには 〜アジャイル推進室連載企画第2弾〜 - SmartHR Tech Blog
最後に宣伝!
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Photo by Paul Pastourmatzis on Unslpash.