3年間住んだ街を離れる。

夜散歩した海が見える公園も、
いつも美しい葉を茂らせていた並木道も、
赤いネオンが並ぶ異国のような商店街も、
今日でお別れ。

広くて静かな部屋にいるとき、汽笛が聞こえた。
ここは夜でも明るかった。
真夜中に窓を開け放して月の光だけで過ごした。

初めてこの部屋に入ったとき、
私はどんな気分でここを出て行くのだろうと想像した。
今、そのときの事を思い出している。
一つの円環が静かに閉じた気分。
想像どおりだ。

3年間の日記を読み返す。
まるで他人が書いたようだ。
それでも3年前に選んだのと同じ気分を今感じている。

次の部屋は、どんな出て行くときの気分を選ぼう。

いつもの喫茶店でひとりでコーヒーを飲みながらお別れ会をした。

さようなら。

この世に変わらない物なんて何もない。
全てが一時的で全てがこの手から零れ落ちていく。

それでも私は欲しいものを手に入れたい。
いつだって、自分で選んだ気分だけを感じたい。

さようなら。
今までどうもありがとう。

思い出話をしよう。
私は過去を懐かしむほうじゃないけど、
それでも今日は思い出話をしよう。

あなたにまた会えて、私はほんとうに嬉しい。
あなたと見た風景の話をしよう。
あなたと聞いた音の話をしよう。
あなたとあの時過ごした時間の話をしよう。

あなたがいなかった空白の時間に何があったかなんてどうでもいい。
時間はずっと前に捨てたおもちゃだ。

思い出話をしよう。
今日はあなたと思い出話をしよう。

明日は雑踏の中で誰にも会わない朝を迎える。
今日はあなたと思い出話をしよう。
誰もが自分の欲望を抱えて、その欲望を満たす事だけ考えて通り過ぎている。
利害関係が一致したときだけお互い分かり合えたとひとは思う。

私は欲望を持つ人間を操る事ができる。
最近その方法をみつけた。

さみしい。
さみしい。
さみしい。
さみしい。
これから先。
バカはキライ
ほんとダイキライ
この人はこういう価値観なんだって素通りするだけ。
10年は長い。
私はこの10年なにをして来たのかな。。。

こんな所にいたくない。こんな物欲しくない。こんな人に会いたくない。
自分の居場所を早くみつけたい。
なにかいるみたい。明日の朝までに消えて欲しい。
吸血鬼がウロウロしてる。鬱陶しくて仕方ない。
眼鏡をはじめてかけたときのこと。

葉脈が見えた。靴ひもを形成する無数の糸が見えた。
マンホールの蓋の塗料がところどころはがれているのが見えた。
ありとあらゆるものに明瞭な輪郭があり、強烈な色彩があった。
自分がどれほどうすらぼんやりの世界の生きていたのか、
眼鏡をかけてはじめて分かった。




最近、わたしはまた眼鏡を手に入れた。
わたしはそれまで影絵の世界にいきていた。
・時間は不連続である。
・思考の臨界点は存在しない。
・N次元の法則をN-1次元の法則から知る事は出来ない。
・N次元とN-1次元の間の法則をつなぐものがN-1次元に
 ただ一つだけ存在する。

ネットワーク

点が線に線が面に面が立体に立体が現れたその瞬間。

すべてが一瞬で変ったように見える。

その瞬間をこの手で表す事ができる。

すべてが変る。
むすうの点を私は配置する。むすうの線が延び始める。

順番を決めること。完全な立体は順番通りに現れる。

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