おひさしぶりです!

2ヵ月ぶりの更新です!

元気にやっています!

スカイツリー


今日はこのブログをご覧の皆さまにご安心していただくために、

緊急特番で更新しようと思い、今キーボードを叩いています。
10分くらいで急いで書いています。

まずはこのニュースです。




「結婚したい男性芸能人」1位、2位の相次ぐ結婚に悲鳴

第2位の西島秀俊(43)が一般女性と結婚を発表。

相次いで第1位の向井理(32)が国仲涼子と結婚を発表。

第3位の福山雅治(45)もこの正月にもしかして・・・と予想されます(ナウシカ談)。

クリスマスどころじゃなくなった日本の女性たちの落ち込む顔が至る所で見られております。

ふん!所詮芸能人は手が届かないんだよ!

でもご安心ください。

ハローナウシカはまだまだ独身です!

そこでひとつ、今ご紹介したい本があります。

ほぉ…、ここが ちきゅうの ほいくえんか/ベストセラーズ
¥1,080
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保育士の方が園児との会話をツイッターで紹介したものをまとめたこの本。

オレなんかが読むと、同感し、感動し、こどもが大好きになりました。

全部紹介することはできませんが、先生(独身男性)の「結婚」に突っ込む園児がたくさん出てきます。

これを読むと、オレはまだマシ!と勇気が出てきます。


散歩に行くときのやり取りでこういうのがありました。

  
先生「ごめんね、先生忘れ物を取ってくるから待っててくれる?」

  園児(女の子)「結婚するの忘れてるし、彼女つくるの忘れてるし、先生って忘れんぼうだね!」


また、お医者さんごっこしているとき、女の子がお医者さんの役で、

  園児(女の子)「(先生は)結婚できないびょうきです」

  先生「(心で泣きながら)治りますか?」

  園児「私が大きくなったら、(先生と)結婚するから治ります」



ほんと、微笑ましいね!

こどもってどうしてこんなにも純粋で素直で、言葉に出来るんだろう。

大人もこんなに素直に言葉にできたら、もっと幸せなのに。

「言葉にできない」とかって大人ぶってても愛は伝わらないんだぜ(笑)

小田和正にはあとで謝っておきます。

でもホントにそう思った。

最後に男の子が放つかっこいいセリフを紹介して、緊急特番を終わります。

園庭で転んじゃった園児に対して先生こう言った。
  

  先生「泣かなかったね!かっこいい!」


  園児(男の子)
 「泣き方なんて、忘れちまったよ…」

それ激しく同意!
以上!








もうさすがに。

さすがに、岡山ネタは腹いっぱいだなと思ってたんだが、

平成26年9月16日。

西大阪スチールの東田社長が、

こんなことを。

こんなことを言っちゃうもんだから。


もんげー

「もんげー岡山!」公式サイト

「もんげー」というのは岡山弁で「ものすげー」ということだが、

どうやらあの「妖怪ウォッチ」で使われているらしい。

人気の妖怪が「もんげー」「もんげー」と使うから、

全国のチルドレンに爆発的に広まっているらしい。

(あと語尾に『ずら』をつけるらしい。それは山梨・・・「花子とアン」的な)


なぜあの妖怪ウォッチが岡山弁を選択したのか。

とある「あまちゃん」で、驚いた時の表現で「じぇじぇじぇ!」というものがあったが、

「妖怪」担当者がそういうキーワード的なものを他の方言で探していたという。

子どもに流行りそうなものを。



嗚呼!

担当の人、マジでありがとう!!

これで流行語大賞とか獲っちゃったらヤベエ!




ただ、オレの場合、岡山弁で 「超」 とか 「ファッキン」 とかを表現するときには、

「でーれー」を使う。



だから、

正直ピンとこない。


使ったことねえもん。

「もんげ―!」とか。








まあいいよ!

乗っかっとけ!乗っかっとけ!

それが岡山流じゃで!!


流れていこうぜ!!

「国連UNITED NATIONS」の紹介文も、近い将来こう変わるんだぜ。


Welcome to the Metropolis Okayama!
It's your fuckin' world!

国連へようこそ。
それは「もんげー世界」だ。




岡山の我が実家は、シシ神の森の中にある。

生き物たちは太古のままに生きている。

戻って家族での食卓。

小さな虫が飛んで来た。

オレが手で払った。

母君は血相を変えて言った。

母君「なにしよん!」

オレ「え?いや、虫が来たから…」

虫も生き物だから、ダメだったか。
でもご飯中じゃし。

母君「パチンて手で殺さんといけんが!」

え?今なんて…

母君「殺さんとまた来るが!」

オレ「いや、え?あの、え?すいません…」

て、おい!

蚊じゃねえから!

けっこうな羽虫じゃったから!



すると父上は、滔々と語りはじめた。


「おまえには実は2つ下の弟がおってな…」

いや、知ってるし。

虫の話と関係ねえし。

それ話長くなる?

長くて岡山弁だったので、要約するとこうだ。



オレの弟はニートで、家族とは口をきかない。

難しいお年頃だ。

そんなある日、数年ぶりに弟がオヤジに話しかけたそうだ。




「ハチがおる…」




一堂ポカーンだ。

数年ぶりのセリフがそれだ。無理もない。


オヤジは正気を取り戻して、弟の部屋へ行く。

そこで目にした光景。

それは。



なんと黄色のスズメバチが5~6匹ところ狭しと飛び回っているではないか!




「ハチって、おいコレ!」


もはや言葉にできない。

そしてオヤジはバカなので、ホウキで退治しはじめやがったそうだ。

生粋の、バカやろうだ。

ハチは報復する生き物なんだぞ!

しかもスズメバチなんだぞ!!


ただ、オヤジは、数年ぶりに弟がしゃべってくれた嬉しさのあまり、

アドレナリン爆発だったようだ。

親の愛はスズメバチをすべて撃退し、

弟はその夜、静かに眠ることができたそうだ。


オヤジはと言えば、スズメバチなんかよりも弟の「ハチがおる…」の言葉に、

一人仏壇に手を合わせ泣いたそうだ。

バカやろう…。



翌日、ちゃんと業者呼んで、屋根裏のデカイ巣を発見・駆除してもらったようだが、


山の恐ろしさと親の愛を知った、

夏の「怪談」だった。

ちなみに弟は、

この夏から少しずつ働きはじめたようで、

年のせいか涙もろくなった親はさらに目から汗が。

泣くなよ、バカやろう…(涙)。





すると母君も怪談を。


「こないだ、家にひとりでおったらなー、なんか泣き声が聞こえてきてな。」

人の泣き声?

いやいや。

「怖かったんじゃけど、聞こえるほうの襖をサッと開けたらな。」

いや、やめて!



「ノラ猫が2匹。」

は?

「見つけたら、むこうもびっくりしたんじゃろうなー、家中猫が走り回って大変じゃった。」


……。




岡山でも、トンボが飛びはじめた。

秋は少しずつ近づいている。

幸せのトンボよ。

おまえはどこにいるのだろう。


そして岡山のトンボは、またことさらにでかく、

太古のままに生きている。




早く戻ろう!
花の都大東京に!




Facebook連動
「Hello, NAUSICAA」岡山編。
完結!
また会う日まで。













「007記念館」行ったら、

外国人カップル一組しかいなくて、

ラッキー、ゆっくり見れるな。


いろいろな展示が「あの本の通りだ!」と、

ちょっと興奮したんだけど、

ふと、そのカップルの方振り返ってみたら、

ボンドがびっくりするくらい、

めちゃくちゃイチャついてて、

オレはそそくさと出るしかなかった。


見渡せば、フェリーでも島のどこでも、

カップルばっかで、

男一人なのはオレだけだった。



男一人で来るとこじゃない。

直島というところは。

もしも来てしまったら、

彼もきっと恥じて、赤面してしまうに違いない。


だから、


ジェームズ・ボンドは来ない。



ジェームズ・ボンドは来ない (単行本)/KADOKAWA/角川書店
¥1,512
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ONE PIECE Log Collection “EAST BLUE” [DVD]


「 受け継がれる意志、時代のうねり、人の夢。
 人が『自由』を求める限り、それらは決して
 ―止まらない。」                   
                    ―「海賊王」ゴールド・ロジャー    
      



時は1946年。

太平洋戦争終戦直後の、とある島国―。


富、名声、力。

この世のすべてを手に入れた、

「網元王」、鬼頭.D.千万太(ちまた)。

彼は不治の病に冒されていた。

彼の死に際に放った一言は、ある男を海へと駆り立てた。



「 死にたくない・・・。オレは死にたくない・・・。

 オレが帰ってやらないと、3人の妹が殺される・・・。

 今まで黙っていたが、オレは君が誰だか知っている。

 君はある事件を解決した、凄腕の・・・。

 ゴホッ・・・。

 頼む・・・。

 オレの代わりに、オレの、故郷へ行ってくれ・・・。」


千万太の言う故郷とは、

グランドライン後半の海、「瀬戸内海」に数多点在する島のひとつ。

他との交流が極端に少ない、静寂な孤島。

空白の100年に隠されていたという海賊伝説は、

今もこの島でひっそりと生きていると言われている。



千万太に遺書を託されたひとりの男は、

ログを辿って、船でその島へ向かうなか、

千万太の最後の言葉を思い出していた。


「 オレが帰ってやらないと、3人の妹が殺される・・・。

 頼む・・・。


























 金田一君。」




穏やかな海に包まれた、おとなしい島。

しかし、

古来より恐れと忌みを込めて、

人々はその島をこう呼ぶ―。








「獄門島」
横溝正史著(角川文庫)1971.3.10刊





岡山県笠岡市から約40キロメートル。

笠岡市笠岡諸島、六島(むしま)と呼ばれる島がモデルだそうだ。


岡山が多く舞台となっているから、ということもあって、

「金田一耕助」シリーズは中学生の時に読み漁った。

オレの読書人生におけるミステリーの扉を開いたのは、

横溝正史であることは間違いない。

やっぱり暑い夏にはミステリーを。

横溝正史を読んで、暑さを忘れて岡山へ、てのも悪くない。



ちなみに「獄門島」(横溝正史著)は、

過去2回行われた週刊文春「東西ミステリーベスト100」(1985年、2012年)にて、

その2回とも国内編の第1位である。

















ルパン3世も、麦わらのルフィも、麻生太郎も、

みんな「祖父がすごい」という設定だが、

本屋としてはやっぱり金田一耕助。



そして最後にもうひとつ。

絶賛放送中のドラマ「金田一少年の事件簿N」(日テレ系列土曜よる9:00)、

その公式HPによれば、

ドラマのマスコットキャラ「金田一ネオ」君が好きなものは、






































「おっぱい」だ。


サンボマスタ







今度のオレの担当、また頭取命令かよ。

航空会社、融資額が既に500億円かー。

パねえよ、北大路欣也頭取。

「モミアゲ」がパねえよ。



つーか、スケールがヤベエ。

ちょっと前まで、

「5億円ぜってー回収してこいコラァ!」

って言われて、ドラマ5話分もかけて、あんなに大変だったのに。



今度は、500億円超の債権で、

金融庁の黒崎愛之助どころか、「閣僚」と対決とかマジ勘弁。

んでその権力どもがグルになって、

「500億の債権チャラにしろやコラァ!」

って言ってきて、

「はぁー!?」ですよ。



あらためて問いたい。

「お金」って、なんですか・・・。



金額100倍、「回収」の逆の「債権放棄」、

もちろん新しい常務やら何やら、中ボスたちは一新されて登場。

そしてラスボスが大臣。国家の中枢。

これ、

ドラマ10000話分くらいになるよ。

「相棒」の比じゃないよ。シーズンいくつまでいくのよ。

もはや長寿番組だよ。

タモさん抜くよ。

最終話の頃には、オレBIG3って呼ばれてるよ。

誰もオレに歯向かわないよ。

みんなすぐ土下座だよ。




「倍返し」、できないよ。




「銀翼のイカロス」
池井戸潤著(ダイヤモンド社)2014.8.1刊









「責任取れ半沢。」

なんの責任だ。

タモさん抜く責任かこの野郎。

言ってみろこの野郎。





まあしょうがねえ。

清濁併せ呑む一流のバンカーとして、

今年も


岡山へ出向します!


岡山へ







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瀬戸内海にぽつりと浮かぶ小さな島。

波音だけが瀬戸の静寂を包む海岸。

その男は、白い砂浜には似合わないダークスーツ姿で歩きながら、


夏の陽射しを浴びる海を見つめていた。


「こんなに美しい島があったなんて知らなかった。」

ポツリと、しかしちゃんと届くように、こぼした。

歩く先に佇む、ひとりの女性に向けて。



「今は人の手がかなり加わってるけどね。」

赤いワンピースを着た、その女は少しだけ大きな声で答えた。



男はその言葉には応えず続ける。

「美しい島には、必ず美しい女性が育つ。世界の法則だ。」



女は前髪を直しながら、男に目線をやる。

「観光で来たにしては格好が些か暑そうね。何かのビジネスかしら?」



男は答えない。

ただ、女に向かって歩を進める。


「でもこんな小さな島に、何のご用かしら。」

男は答えない。

彼はスーツの内側に手をやり、そっとワルサーPPKを抜く。

構えはしない。右手は下げたまま歩き、そして立ち止まった。


男と女は少しの間、見つめあう。

女は表情を変えずに小さな声で言った。

「あなた、誰?」


男はようやく口を開いた。


「ボンド。

  ジェームズ・ボンド。」














「いや思いっきり日本人だし。」

「いやこれはあの、違っ」



「ジェームズ・ボンドは来ない」
松岡圭祐著(角川書店)2014.4.2刊 




さて、上記に書いたものはオレのフィクションであり、

これからご紹介する小説とは一切関係ありません(笑)。

本日は、プロが描くステキな1冊をみなさんへおすすめしたい。

みなさんは、「直島(なおしま)」という島はもちろんご存じだろう。

去年もこのブログに書いた、「瀬戸内国際芸術祭」のメイン舞台である。

岡山県玉野市の先、ベネッセがアートの島に仕立て上げた、あの島である。




直島が「007」の舞台!?

「映画化や!ロケ誘致や!」

思いつきも甚だしいこの一言が、ベネッセどころか、北海道、大阪、

やがてハリウッド、世界的企業も巻き込む大騒動になっていく。

直島生まれの峰尾遥香(17)は、

その非現実的ともいえる「夢」に想いを馳せた。


果たして、ジェームズ・ボンドは来るのか―。



この話は、実際に直島で起こった「実話」である。

2001年に「007」の小説作家が直島を訪れることから物語は動き出す。

ひとりの女子高生の目線で描かれた、青春と汗と笑いと涙。

小説化したのは、「万能鑑定士Q」でおなじみの松岡圭祐氏。

多少フィクションを織り交ぜつつ、でも、我が玉野市宇野と香川県直島の関係や、

方言なども実にリアルだ。

しかーし!

いくらアート化したとしても、直島と絶対つながらない「007」。

直島の半分以上は、アートされてない素朴な島。

オレの親父はまだ毎日直島で働いているが、007とか笑止。

「ダブルオーセブン」じゃなく、「ゼロゼロセブン」って呼んどる時点で、終わっとる。

でも!

夢みたっていいじゃない!

じいちゃんもばあちゃんも、少女も青年も!

夢みたっていいじゃない!

やってみんと分からんこともあるんじゃで!




そして!

やっぱりオレは、こういう女の子(峰尾遥香)が好きだなあ!

瀬戸内海はええなあ!



瀬戸内ネバーダイ。




そうだ、直島行こう。


 


                             
Facebook連動
「ハローナウシカ」岡山編。
再開!








空いっぱいに撒いてよ。

思い出の写真を、マーニー。

あの暑い、青い空を思い出すよ。

オレ、あのころはたくさん写真を撮ってたね、マーニー。

kanransya

未来


東京タワー

summer,nausicaa.









いま、ようやく夏がはじまる。



オレの夏、ラブソングはとまらないよ。


覚悟しとけ。




暑い日は読書に限る。

グループリーグ敗退決定後は、読書に限る。




若者よ。


コロンビア戦の悔しさは、

本に誘(いざな)われるがままに解き放て。

ウダウダ言ってもはじまらない。

頭は「たら・れば」を考えだすし、

口はあることないこと批判ばかり。

でも心は前を向きたがってるよ。

だから、


読め。

心を解き放て。


嫁。

早く来い。







さあ!!

最近のすばらしき相棒たちの登場だ。

積ん読から新刊まで、その一部をオンパレード。



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紙つなげ!  彼らが本の紙を造っている/早川書房
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「ONE PIECE 74巻」も良かったな。

(もうリンク貼るのめんどくさい(笑))

74巻の最後のあの大逆転はすべてを解き放ってくれた。

コロンビア戦すら解き放ってくれた。



個人的には「紙つなげ!」(早川書房)がオススメ。

職業的にも胸に迫るものがある。

飲水思源だ、本当に。


だから、


紙の本を読め。

感謝の心を追いかけろ。


未来の俺の嫁。

音速越えて現れろ。



国立競技場が、一度終わるようだ。

次なる転生まで、一度さよならだ。

そのいっときの安らぎの境地へ旅立つ国立競技場にお別れをするため、

日本の名だたるアーティストが、その夜、集結した。

「JAPAN NIGHT」は、はじまった。


「あとひとつ」ファンキー加藤

信濃町駅駅員の田中鉄郎(39)は、その日憂鬱だった。

田中はこう思っていた。

分かりますか?駅はライブの客で大混乱、誰も言うことを聞かないし、

声が枯れるまで叫び続けねばならない。

「立ち止まらないでくださーい!」

しかも今日はプロ野球もある。ヤクルト・日ハム戦。先発は注目の大谷投手だ。

「ざけんなよ」と言いたかった。同じ日にやるなよ。

そして駅員が思うのもおかしいかもだが、

なんで改札がひとつしかないんだ。

ほら、ファンキー加藤が今「あとひとつ」って歌ってるじゃないか。

まあとにかく、

千駄ヶ谷駅チームでなるべく多く捌いてくれ。マジで頼む。




「栄光の架け橋」ゆず

信濃町駅前で屋台のラーメンを売っている富樫圭太(23)は、今夜にすべてを賭けていた。

屋台の親方に、今月の売上が目標に行かなかったらクビと宣告されていた。

もう今夜のライブと野球ファンにすべてを捧げるしかない。

オレの全魂を込めた一杯。

「やっぱり屋台は屋台だな(笑)」と言われ、

何度愛想笑いを返してきたことか。

ライブの音はガンガン聞こえてくる。今は「ゆず」の2人の出番のようだ。

オレの湯切りと、「栄光の架け橋」のあの大サビのところがちょうどリンクして、

なんだか感動で泣きそうだ。

がんばるよ、オレ。オレだって今、アスリートなんだ。




「Diamonds」岸谷香

山田みつ(75)は都営バスのバス停「信濃町駅前」のベンチに腰かけていた。

なかなかバスが来ない。いつになったら来るのかしら。

それにしても今夜はうるさいわね、国立競技場。いつもより音漏れがひどいわ。

プロ野球も開催してるから、余計音を大きくしてるんでしょうね。

そのへんは分かるのよ、私推理は得意なの。

ほら、「ダイヤモンドだね」って今歌っているじゃない。

新宿のアガサ・クリスティーと呼ばれた「安楽椅子探偵おみつ」とは私のこと。

え?そんなのは推理とは言わないですって?

あら、そう。残念だわ。

そういえば、バスはまだ来ないのかしら。




「やさしくなりたい」斉藤和義

信濃町駅前にあるビルで働く岡坂陽一郎(32)は、とにかく早く帰ることを考えていた。

だって、ライブ終わったら電車混むじゃん。イヤじゃん。

満員電車だと人間のやさしさのスペースがなくなって困るから。

ギュウギュウのイライラだから。

バファリンの1%でいいからやさしさが欲しい。

さてさて、ビルの前に立つと、ライブの音は丸聞こえだ。

道行く人々も何人かは足を止めて、オレに聞いてくる。

「誰かのライブですか?」

いちいち説明するオレは滑稽だ。スタッフでもなければ熱狂的なファンでもない。

知ったかぶりする自分もイヤだし。

でもまあ、有名な曲ばかりでテンションが上がっているのは間違いない。

今夜の出演アーティストは分かっているが、演奏順は分からない。

でもオレの予想では、大トリを飾るのはきっとあのアーティストだろう。

最後はあの歌だな。国立、オリンピックときたら…。うん、間違いない。

おっといけない、仕事仕事。





様々な人々が、様々な思惑を抱き「JAPAN NIGHT」は進んでいく。

そして当然、はじまりがあれば終わりがある。

最後の曲が流れ始める。

ひとつの時代の終わりとしてのテーマソング。

でも人々は終わらない。これからも続いていく。

そんな歌だった。

曲の終わりの最後の最後、

渾身の歌声が響き、

人々は一斉に夜空を見上げた。


東京の夜空を彩る、大花火。


驚く顔、横目で見る顔、振り向き顔。

もちろん歓声をあげる観客の顔。

時代はこれで終わるのかもしれないが、どうしてだろう。




どの顔も笑顔だ。






「エピローグ」

そんな花火で全員が空を見上げた瞬間であったが、ひとりだけ目線が違っていた。

やさしくなりたい岡坂は、夜空が輝き世界がきらめくその刹那、

目の前を歩くミニスカートの奥にピンク色を見つけていた。

彼はつぶやいた。

「だから言ったろ。

  『風が吹いている』。」