2009年1月3日土曜日

大逆転将棋

 今年2009年の放送は明日1月4日。
 で、予告を見る限り、ハチワンダイバーの「マムシ」の手下がハチワンと勝負した「1分切れ負け将棋」が行われる模様(あくまで予告からの私の推測だが)。
 プロが1分切れ負け将棋をどうこなすのか?これは必見!!

100年早い

 新年から風邪をひいてしまいました。3日から仕事なので ほとんど寝て2日過ごしたのですが、佐藤棋王と笠井女流アマ名人との飛車落ち戦は結果が衝撃でした。
 中盤までほぼ完璧。終盤で寄せ損ねて負け……。
 笠井さんの棋力は分かりませんが、どんなに少なく見積もってもアマ4段はあるでしょう。それで飛車落ちで負けるとは。
 プロ棋士が本気になれば、ひげめがねが飛車落ちで勝とうなんざ100年早いことが分かりました。

2008年12月18日木曜日

明日死んでもいい

 山ほどある仕事を放り投げて、定時帰宅。ようやく自宅に辿り着いたのは6時25分頃。



 まず見た局面がこの局面。

 これ、角交換になったら後手の勝ちじゃないの?というのがアマ6級の一目見の感想。
 衛星放送見ていた親父が「逆転したかも」 私はそれまでの流れを知らなかったので、何がどうだったのかわからないが、羽生先生がずっと良かったのね?
 で、結局どっちが勝ちかわからないような(きっと放送の間も二転くらいはしていたような)局面が続いたが、放送最後の▲1一角成を指した時の羽生名人の手は明らかに震えていた。

 羽生フル(羽生震えの略)が出たから、きっと羽生が勝ちだね。と親父と納得し、慌ててインターネット観戦へ。 しかし…… 予想していたとおり全然つながらない!!天下の読売新聞様だから、きっとサーバを猛烈に増強して何とかしてくれると思ったのだが(泣)。





 ようやくつながったのは7時35分くらい。







 並べた。




…………









 すごい!本当にすごい!!!

 天才2人が全知全能+執念をかけて戦うとこういうすごい棋譜ができるのだなあ。




 もし世の中のすべてが将棋なら、第4局と第7局見ただけで、もう明日死んでも思い残すことはない!!!
 まあ、実際は将棋以外もあるので、もう少し生きていたいが(笑)。


 ちなみに2人ともかなりミスをしていると思うのだが、だからこそ「人生を賭けた勝負」的な迫力が伝わってくるのだ。名局とはきれいな棋譜ではないのだと改めて実感した。
 それにしても

こんな手や

こんな手で勝つんですね。
特にこの△1四歩は感動を超えて空恐ろしいものを感じる。


 渡辺竜王は歴史に残る天才だと証明した今回の竜王戦だった。



【教訓】天才はわれわれ凡人の想像のはるか上をゆく。そんな瞬間を目撃できた私は幸せだ。
 なんだか、明日からがんばって生きていこうという気になりました。

2008年12月17日水曜日

至福のとき

 ひげめがねは現在大変忙しく、初代永世竜王のかかったこんな大勝負をじっくり見ている暇がない(涙)。
 とりあえず今棋譜だけ並べてみた。
 前局に続き後手急戦矢倉とは……いい意味で驚愕。まあ、勢い重視の渡辺竜王としては当然の作戦なのかもしれないが。
 これはもうどちらかが良くなっているのですか?せっかく衛星の解説が藤井九段なのに、しっかり解説を聞けないのが残念だ。
 なんとなくの感想だけど、羽生名人がムキになって押さえ込みにいっているような気がする。自然体の羽生名人が必要以上の力を出すとどうなるのか…普通は力みはマイナス要因だが、ひょっとしたらスーパーハブヨシハルになるかもしれない。
 天才が、われわれ凡人の想像を超えた何かをしてくれるのではないか、と考える瞬間が本当に至福のときです。
 あとは食べるときが至福のとき。 もぐもぐ。
http://kifulog.shogi.or.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2008/12/17/20081217gogooyatsu.jpg

2008年12月12日金曜日

衝撃の度合いがわからないという屈辱

 先日行われたA級順位戦、谷川九段-三浦八段戦。
 図から△4二金と、と金を払えば後手勝利だった……のだが、三浦八段も谷川九段も、記録の牧野三段も全く気づかず。 あとでこの手を指摘された瞬間、3人が3人とも
 シ─('ェ')─ン…
 後、
 ポヵ──(*゚ρ゚)──ン...
 となったそうである。この辺のレポートは、名人戦棋譜速報屈指の名観戦記と言えよう。
 それにしても、この手がなぜ読めなかったのかよく分からない。キモは馬筋をずらすと言うことだから、そんなに難しい手ではない。
 詰み筋も
 金と銀の打ち方の順番を間違えなければ、何とかなりそうな気がする。 この詰み筋がなぜトップ棋士でもわからないほど難しいのか、それを理解することの方が、弱小ひげめがねにはよほど難しそうだ。
【今日の教訓】同じ空間にいると、波長が合うことがあって、他の考えが浮かばないことがあるのかも。気分転換にローソンに行って缶コーヒー買うのも大切なことだ(自分のサボタージュ擁護?)。

2008年12月11日木曜日

99%の確率がついに50%に

 竜王戦第6局は第5局につづき渡辺竜王の完勝。 後手急戦矢倉も、△3一玉という手も、正確にとがめられたらあっさり負けてもおかしくないような指し方だ。まして相手は羽生名人だし。しかし、第4局以降、渡辺竜王のこういった積極性がしっかり勝ちに結びついているところに注目したい。
 このブログを始めたときは、羽生永世七冠誕生の確率99%、と書いたが、それがいよいよ第七局のガチンコ1番勝負となった。本来ならば追いついてきた利があるのだが、なんと言っても羽生名人である。どちらが勝つかは五分五分としか言えないが、ついに99%の確率が50%にまでなった。
 まあ、それにしても本当の意味で歴史的な竜王戦となった。第7局は1週間後なので、いろいろ書かずに1週間楽しみにゆっくり待とう。
 渡辺ー羽生戦がしっかり七局見られる幸せを、感じながら。

2008年12月9日火曜日

荒唐無稽な推論を展開してみる。

 わたくし、ひげめがねが将棋観戦にはまったきっかけは、河口俊彦七段の『大山康晴の晩節』であった。その中で大山-中原の名人戦(中原名人誕生となった期である)が詳細に書かれている。その名人戦第2局が大変印象的、感動的であった。 ここで大山名人一世一代の妙手が出る。△8一玉!
 普通はハナから捨ててしまう手であるが、これが絶妙の手で後手玉に寄りがないというのだから驚く。私程度の棋力では、これでなぜ後手勝ちなのか分からないくらいだ。そのことより重要なのは、大山名人は10手以上前から、この△8一玉が決め手になると読んでいたということだ。

 この局面から、 玉引きが決め手になると読んでいたと、河口先生は考察している。 私はプロの読みの深さ、膨大さにいたく感動し、ほぼ20年近く指しも見もしなかった将棋に、はまっていくことになるのである。


さて、この名人戦から40年近い時が過ぎて今期の竜王戦第5局。

 ▲3五歩がすばらしい中合いで 竜王が勝ちを決めた。 竜王は自身のブログで「▲3五歩があったのは幸運でした。」と書いている。つまり上述の大山名人とは異なり、たまたまここで妙手が落ちていた、ということになる。


  しかしですね、私はこの言葉に非常に疑問を感じているのですよ。

 渡辺竜王の将棋にはあまりにこういう「すごい手が落ちている」ということが多すぎるのだ。今期の竜王戦第4局は、本ブログにも再三書いているが、絶体絶命の局面を打ち歩詰めで逃れるという曲芸的なことをやってのけた。2期前の第2局の△7九角なんて、天から降ってきたとしか思えない寄せであった。ひげめがねなんぞは7九角に対し、「コンピュータ将棋のまねか?(コンピュータは負けとわかると何でも王手ラッシュをしてくることがある)」と思ったほどである。本当に渡辺竜王が脳みそ振り絞って考えたと思えるのは前期の第6局、残り時間30分を全部使い切って指した▲9八飛で、これには心の底から感動した。しかし、この手にしても、竜王は「偶然指した手が良かった」的なニュアンスでブログに書いている。
 これはいくらなんでもおかしい。
 そこで、あえてこういう推論を提示してみる。
「渡辺竜王は偶然を装って、実は本気勝負のときはすべて読みきっているのではないか」と!
 そう考えれば、竜王戦の戦いぶりにも説明がつく。渡辺竜王が雄弁なのも、大して読んでいないように見せかけておいて実は勝負の駆け引きに使っていると考えれば、竜王戦での驚異的な強さにも納得がいく。

 実はこう考えるのにはわけがある。羽生名人が大山十五世名人についてこのように語っているのだ。「読んでいるというより眺めているようにしか見えなかった。でも指は急所にきた」(要約ですが)。 ということは、実は大山名人は読みよりも大局観がずば抜けて優れていただけかも知れない、とも思えるのだ。ひげめがねがあんなに感動した△8一玉は、実はその場で見つけた手だったかもしれない! 大山十五世名人は自分の読みに関しては寡黙だったようである。ただ、あまりに強かったから、「そんなところまで読んでいるんだ!」と棋士たちに思わせることができたのではないか?
 逆に考えれば「渡辺竜王=実は勝負どころで羽生先生よりずっと深い読み=それをカモフラージュするためのブログ」という構図も成り立つのではないか?
 何にせよ、明日から竜王戦第6局。理性的に考えれば羽生のりだが、感情的には……。果たしてどうなるか?

【今日の結論】 荒唐無稽なことを考えながら一人心の中でほくそ笑んでいる瞬間が、実は最も快い時間だったりする。