見た目のド派手さは、ある程度は必要だと思います。紙芝居より、テレビですよね。紙芝居も時々見るならいいですよ。でも時々見て「いいな」と思うようなものは、やはり売れないんです。時々たしなむ程度になりますよね。でも、ド派手なものばかりに走ってしまうと、「本当に面白いというものからは、かけ離れていくのではないか」と私は思います。ヒットしたゲームはそのベールを全部外していくと、絶対コアの部分で面白い部分が残るんです。ラインフレームであっても、丸と四角だけでも面白いはずなんですよ。「丸と四角がマネキンにならないと面白くない」というのは、「ゲームとしては中途半端だからではないか」と思っています。






オランダは1950年代、60年代にイスラム教の国から移民を受け入れた。労働力を補うための「ゲストワーカー」だった。例えば、オランダ企業の経営者がモロッコ、アルジェリア、トルコなどに行って、人を探してきた。オランダ人がやりたがらないような単純作業をやってくれる人が欲しかった。例えば清掃作業や工場で働くことだ。あくまでも一時的な滞在を想定していた。働く期間が終わったら帰るだろう、と。

ところが、こうしたゲストワーカーたちはオランダにい続けた。一時的な滞在ではなく、永住となった。永住権を得たので、今度は本国から家族を呼び寄せるようになった。

移民の第1世代は母語をそのまま維持していた。第2,第3世代になると、学校でオランダ語を学ぶ。家では家族と母語で話し、外ではオランダ語だ。第2,第3世代はここで生まれ育っているのでオランダ文化を吸収するわけだが、必ずしも社会から受け入れられているわけではない体験をしている。犯罪事件に巻き込まれる人も多くなった。

トルコやモロッコからの移民家庭の出身者のほとんどがオランダ社会によく融合しているものの、一部の人は、親あるいは祖父母の出身国の文化にも、オランダの文化にも属さないと感じる存在となった。

(中略)

その大部分が都市部出身ではなかった。都市部から遠く離れた土地に住み、ほとんど教育らしい教育を受けてこなかった人々だった。モロッコだったらカサブランカのような大都市から来た人々ではなく、地方からやってきた人々だった。トルコも同様だ。

イスラム教という異なる宗教の国からやってきたばかりか、オランダの近代的な都市文化に慣れていない人たちが来てしまった。様々な対立が発生することになる。

移民の第2、第3世代は宗教を自分の隠れ場所として捉えた。オランダ社会の主要部分に受け入れられてもらえないと感じた人の一部が過激化し、「イスラム(IS)国」のメッセージに魅了されている。

社会の中での居場所を見つけられなかった人はISのイデオロギーに染まってしまう。すべてを西欧的、資本主義的=悪、と見なすようになる。