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2024年 03月 19日
博物館は社殿の裏山のてっぺんにあるので、車やバスでなく歩いていく人のために長い長いエスカレーターが設置されている。親切。 到着。デカい。 ちょうど長沢芦雪展をやっていて、若冲の白い象の大きな作品もいっしょに展示されていた。常設展がまたすごく充実している。なにしろ吉野ヶ里遺跡やら何やらこのあたりには遺跡や古墳がたくさんあるので埴輪などの出土品は山のようにあり、また秀吉の朝鮮出兵関連の品々、大陸や南の島々との交流・交易・交戦の資料や遺物も膨大にあるので、とても一日では見切れない。 九州国立博物館の宣伝ポスター。「もし、動けたら私も行く」と、クラーク博士や考える人や二宮金次郎も言っている。 門を出たところ、太宰府駅のすぐ前に「九州ラーメン総選挙第一位」と書かれた店があった。どこでそういう選挙があるのかわからないが、それを聞いたら入ってみないわけにはいかないでしょう。幸い食事時をはずれた半端な時間だったので、一組待っただけで入れる。 おいしくて面白い旅だった。 おわり。 #
by Kcouscous
| 2024-03-19 22:24
| 旅
2024年 03月 15日
二日目は唐津に行った。天神駅から福岡地下鉄空港線に乗ると、県境でJR筑肥線に接続されて佐賀県唐津市まで一直線で行けるようになっているので驚いた。大むかしの学生時代にリュックを背負って周遊券と大型の鉄道時刻表を持って九州を気ままに歩いたときは、もっと不便だったように思う。 唐津城の天守閣から虹の松原を眺める。むかしはここの浜辺を貝を拾いながら歩いた記憶があるが、いまはエレベーターで唐津城に登って遠くから一望する(笑)。松枯れ病で大きな被害があったと聞いたことがあるが、遠くから眺めた限りでは唐津湾に沿って5キロ近く伸びる松の大防風林は健在だった。 静かな町だ。人が写り込まないように気をつけて写真を撮っているわけではなくて、写り込む人がいないのだ。たまに町の人に出会うと、赤ちゃん連れの若いお母さんでもジョギング中のおじさんでも「こんにちは」と声をかけてくれるのがうれしい。 現在の中里家の登り窯。 こっそりそのへんを歩き回ってのぞいてみたが、なぜか職人さんがひとりもおらず、作業場にも誰もいないのだった。 記念にショップで買ってきた湯呑み一個。 (つづく)
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by Kcouscous
| 2024-03-15 21:06
| 旅
2024年 03月 12日
三月末が期限切れのマイルがあるのでどこか暖かいところに行きたいと妹が言う。私もマイルがあるし、妹には最近つらいことがあったので元気づけに付き合うことにした。本当は沖縄に寒緋桜を見に行きたかったのだが、タダのチケットには限りがあって沖縄便は2月から3月末までびっしり満席、暖かいところで空席があるのは福岡しかなかったのだ。 というわけで福岡到着。福岡空港からJR博多駅まで地下鉄でなんと5分しかかからず、香港みたいに飛行機は街のすぐ上を飛び交っているのだった。こわ〜〜。 福岡市は大都会だった。博多座の隣のビルの中に広い福岡アジア美術館があり、大陸や東南アジア諸国と歴史的に近い関係を持っていただけに視点が広く外に向けられている感じがある。土地があるのか全体的に街や建物のスペースが広くとられている印象があって、高級ブランド店から何から何まである都会なのに、人々はなんとなくゆったりしているのだった。 アジア美術館では蔡國強の火薬を使った作品制作のビデオとドローイングも展示されていた。いまは亡きミヤケ・イッセイが白いプリーツの服の列に火薬でドローイングする様子を面白がって見ている、ちょっとじんとくるシーンもあった。 さて、夕ごはん。町のカウンターだけの小さな寿司店は人気があるようで外の椅子に座って気長に待っている人も多く、こりゃいつになるかわからないなと思ったら、持ち帰りでいいなら15分くらい待ってくれれば握りますよと言うので、あたりをぶらぶらしながら待つ。 コンビニでビールを買ってホテルで夕食。このお寿司、めっちゃ旨かった。刺身醤油は九州特有のとろりとした甘い醤油でちょっと馴染みがないが、ウニは明礬を使っていない本物のウニだし、どれも新鮮で最高でした。これで1980円。 #
by Kcouscous
| 2024-03-12 11:19
| 旅
2024年 03月 01日
「春わかめ、ボイル済・生食用350円」というラベルの付いた小さなパックを買って、開けたら1メートル近くもある大きな茎一本がまるまる折り畳まれていたのでびっくりした。ワイルドだなぁ。 * 前回の"Perfect Days”について書いた文章に、北米在住のブロガーokanouegurasiさんがたいへん共感してくださり、いいねボタンを2回押そうとしたが押せなかったと書いておられた。ありがとうございます^^ そしてこの映画を見たいと思ってNetflixを探したが見つけられなかったと書かれていた。この映画はいま劇場公開中なので、まだNetflixやAmazonプライムで見ることはできません。最近Netflixに登場した『PLAN 75』は、かの「天声人語」氏が「われらがさくらさん倍賞千恵子がまったく飾らずに平気でしわをさらけ出した」と感動して書いていた映画だが、これが劇場公開されたのは2022年6月なので、劇場公開からNetflixに現れるまでには一年半くらいかかるもよう。以上、業務連絡。 ちなみに、この映画で78歳の役を演じていたさくらさんの実年齢は82歳だそうだが、60周年記念コンサートの動画を見るとまだまだ伸びやかな声が出ていてすばらしい。 #
by Kcouscous
| 2024-03-01 19:53
2024年 02月 22日
月イチの更新だす^^ はや二月も終わりに近いが、年明けからこれまでにいろいろなことがあった。good newsもbad newsもあり、私は帯状疱疹にもなった。いろいろなものを観たり聴いたり読んだりもしたが、ここではそのなかのひとつ"Perfect Days"について書いておこう。 この映画を見たとき、私はなんとなく桐島聡を思い出した。大企業の爆破事件に関わった過激派の学生で、その後50年間も逃亡生活を続け、先日初めて本名を明かして死んだあの彼だ。土建会社の六畳一間の寮に何十年も住み込みで働いていて、月一度ほど近所のバーで飲み、60年代と70年代のブルースやロックを好んで聴き、穏やかな人がらで顔見知りの人たちに「うーやん」と呼ばれて親しまれていたという。家族や昔の友人との交渉はいっさいなく、保険証がないから具合が悪くても病院にかかれず、21歳のときにかぶれた過激思想のためにそうやってひっそり50年間も生きてきたって、なんという人生だろうか。 もちろん映画の役所広司演じる平山さんの暮らしは、似てはいるがそういう悲惨さはない。おそらく家族の期待に沿う生きかたができずに絶縁しただろうことが察せられ、その悲しみを秘めているようすは感じられるのだが、きちんと片付けられた古いアパートの一室で規則的な日々をおくり、東京都内の公共トイレの清掃員という仕事を丁寧にこなし、育てている植物に水をやり、美しい空と木漏れ日を愛し、好きな本と音楽だけを身の回りに置く彼の暮らしは充実していて、本人は何不足なく満たされている。自分の生活のスタイルと価値観をはっきり持っていて揺るぎない。 これをドイツ人のヴィム・ヴェンダース監督が撮ったということが驚きだった。こういう静かで地味な映画がいまの日本で作られることはもう滅多にない。何も事件が起きるわけではないから、つまらない人にはつまらない映画でしかなく、おそらくカンヌ映画祭で主演男優賞を取った映画という話題性で見にきたのであろう一つ隣の席のご夫婦は、半分から最後まで熟睡していた。しかしよく見ているとこの映画は細部が実に楽しいのだ。週一の休みに平山さんはいつも自転車でコインランドリーに行き、洗濯が終わるまでの間に古本屋に行って一冊100円の文庫棚から一冊だけ買う。映画の始まりに読んでいたのはウィリアム・フォークナーだったが、その次に買ったのは幸田文の『木』だった。翌週選んだ本をレジに持っていくと店主の女性は「パトリシア・ハイスミスって、もっと評価されていい作家だと思うんですよねぇ」と力説するのだ。 平山さんは毎日お昼休みにコンビニで買ったサンドイッチを食べながら公園の木々の梢と木漏れ日を写真に撮っていて、古本屋のあとそのフィルムを現像と焼付けの店に持っていって、前回の出来上がった分を受け取る。顔も上げずに本を読みながら応対するその店主が柴田元幸だったので驚いた。柴田元幸は自身が主宰する雑誌『MONKEY』でアメリカの現代文学を翻訳紹介している人気翻訳家で、村上春樹の翻訳の指南役でもある。セリフはないが二度出てきてけっこう印象が強い。ヴィム・ヴェンダーズの友だちででもあるのか? それからやはりセリフもなくバーの小さなカウンターの隅でギターを弾いている客はあがた森魚だった。平山さんが仕事場に行くときにヴァンの中でいつもかけるカセットテープの音楽はアニマルズやヴェルヴェット・アンダーグラウンドやパティ・スミスやルー・リードやらで渋いのである。そういう時代や自分の世界に固執していて現代や他人に対しては閉じているのかと言えばそうではない。たまたま乗り込んできた金髪に染めたアヴァンギャルドな女の子はかかっている音楽とカセットテープの音にひどく興味を持つし、家出して訪ねてきた高校生の姪っ子は叔父さんについて歩いてトイレを掃除するようすをじっと観察しているが、翌日は自分も手伝うと言う。世代や住んでいる世界に関わりなく、通じる人には通じるものがあるのであり、平山さんは日々そのことを静かに経験している。そういう日々の生活が平山さんにとってのPerfect Daysなのだ。 その後、たまたま日本記者クラブでの主演男優賞受賞記念記者会見の中継を見ることがあった。「役所さんにとってのPerfecft Dayはどんな日ですか?」と聞かれた役所広司は、うーんとしばらく考えた後、「たまの休日に朝起きて今日は何しようかなあと考えて、考えているうちにお昼になって、今日は何しようかなあと考えているうちに夜になって一日が終わってしまう、というような日ですね」と答えたのですごく感心した。深いじゃないですか。こういう人だからこそあの主人公の人物像がリアルに立ち上がってきたのかとも思うが、「いままで演じてきた役のなかでいちばん自分に似ていると思う役は何ですか?」と聞かれて、「ないですね。ひとつもありません」と即答したのには演じる俳優としての自負を感じた。総じて、一時間におよぶ会見の受け答えが知的で、浮わついたところや気取ったところがまったくないことにいたく感心した。 うーむ、映画の話になるとキリがないな。 #
by Kcouscous
| 2024-02-22 17:10
| あれやこれや
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