2023年 01月 20日
少し前から噂だった京商の新型が正式に発表された。 「今のハイエンドは高すぎるし、DTより丈夫でちゃんとしてるのが欲しい人向けにRB5とかTRF201とか普通に売ればいいのに」って 常々言ってたのが、ジェノバにケツを蹴り上げられた格好でついに京商も動いた。待望のRB5ベースのミドルクラスバギーだ。 未知数だったジェノバと違って、元がRB5だから出来がいいのは確約されてる。 ざっと見た感じ、コストダウンの変更点で明らかなのは樹脂ダンパーくらい?あと書いてないからたぶんユニバも。 ボールデフからギヤデフになってるけど、密閉式だからたぶんコストはそんなに下がってないと思う。 スリッパーもちゃんとそのままのが装備されてるように見える。ねじがタッピングになってるけど、六角穴のタッピングなんて そんな一般的に使われてないと思うから下手すると割高もあり得る。少なくとも安くはなってないと思う。 シンプルな車だし、あとは樹脂の質を下げるくらいしか安くするとこ無いんじゃないかな? でもそこはこの車がちゃんとしてることの肝みたいな部分だからそんな酷いのは使ってこない、はず。 それで税込定価3万。ジェノバよりちょい安い。頑張った。 装備はまったく互角…ではないけど概ね同じくらいだと思う。ユニバを買い足してどっこいくらい? タイヤはたぶん新設計、ホイールは前はRB5と同じ、後はRB5で新型になる前の旧型(オプミッド用オプション2.2インチ)に見える。 確かにオフセットだいたい同じだけどなんで変えたんだろ?ちょっとでも安く? ボディもジェノバと同じ方向のクラシカルな線を狙ってきた。トマホークやオプティマに通じるすっきりした癖のない造形で 個人的に好印象。RB5用のボディがそのまま乗るはずだから(あれば)なんでも乗せ放題だ! ウイングはビンテージシリーズでお馴染みのジャベリン用ナイロン製…によく似てるけどポリカだなこりゃ。 なんでこんなよく似た形状のをわざわざポリカで作り直したんだろ?ウイングステー作り直すより楽だった? かっこよくて丈夫でよく走るのはもちろん、とても組みやすくて整備しやすい。 ジェノバもゼロから作ったとは思えない完成度だったけど、細部まで無理なく合理的で作り込みが凄い。匠の技。 それがこの時代にこの値段で手に入る。未経験の人、特にDTをしゃぶり尽くしたような人に是非味わってほしい。 これが京商の「ザ・バギー」だ! #
by harusame_kingdom
| 2023-01-20 21:36
| らぢこん
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2022年 11月 03日
ここ数年(もっとか?)毎年ホビーショー行くたびにやべーやべー言ってる気がするけど、 実際どうなってしまうのか、なんとなくラジコンカー業界の30年後を想像してみた。 特に明確な根拠は無い。あっても大してあてにならないし、単なる肌感覚。 たぶん、別売りのプロポが必要なキットの形態はがっつり衰退してると思う。 無くなりはしないだろうけど、今のボートとかUコンくらいの規模まで縮小してそう。 車体もプロポも新品では売ってなくて、ビンテージか手作り。 野良ラジの類はトイラジに、競技はEスポーツにそれぞれ吸収される。 最後まで残るのはタミヤだけど、ある線を下回ったら案外あっさり諦める気がする。 それまではキットはTTかDT、プロポはファインスペックしか売ってない、って状況が 10年くらい続いて、長年ありがとうございました、とかも無くひっそり消える。 ミニ四駆はなんだかんだでまだ続いてそう。 実際どうなるかは、たぶん見届けられないだろうな。 #
by harusame_kingdom
| 2022-11-03 21:12
| らぢこん
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2022年 08月 03日
ジェノバを買って組んで、ザ・バギーと呼ぶに相応しい内容に走らせる前からすでに満足してる。 が、最近始めたような人にはこのザ・バギーがどうザ・バギーなのかピンと来ないのでは? ということで、ラジコンバギーがどう進化して現在に至ったか、をたらたら書いてみたいと思う。 (たぶん)世界初の電動バギーはタミヤのXR311コンバットバギー。一回り小さい1/12で 前後ダブルウィッシュボーンの足回りはむしろ今のMシャーシのご先祖?にも見える。 造りはかなりプラモ寄り、というか操縦できるプラモ、くらいの感覚。 現代の常識では考えられない(単純にチープなだけじゃなく、むしろ凝ってる部分もある)造りなので 機会があったら手に取って見てみてほしい。 軍用でもレジャー用でもないレース用バギーの元祖が(たぶん)タミヤのバギーチャンプ。 この屋根の付いたフォーミュラのようなすらっとしたシングルシーターのスタイルが、 その後に出たあらゆるレース用バギーの源流になってる、と思ってる。かっこいい。 アルミダイキャスト主体の車体はいかにも本格的だけど、やはりまだサスペンションの機能以前の 「ほら、こんなとこも可動するよ?すごいでしょ?」っていうスケールモデルの域を出てない。 「動く模型」から「小さな本物のレースマシン」になったのが(たぶん)京商スコーピオン。 ぱっと見はすっきりしたバギーチャンプ?くらいに見えるけど、サスがちゃんと機能する上にすごい軽い。 つまり全然速い。ザクとガンダムくらいの性能差がある。このあたりからレースも盛んになり、 この後のブームもあって「知る人ぞ知る」だったのが「どんなものかくらいは誰でも知ってる」ホビーになる。 タミヤを中心に業界全体が過熱して「もっと凄いのを!」が進んでいった結果、当然のように4駆が登場する。 最初の頃こそ2駆と混走していたものの、どう考えても(特に特設コース等条件が悪ければ悪いほど) 4駆の方が当然有利な事が解ってくる。これは電動バギーに限らず、電動でもエンジンでも、 オンロードでもオフロードでも、4駆が出てきたらもう4駆しか勝てないから2駆は淘汰されるのが常識だった。 (唯一の例外が1/12。ドリフトもか?) が、電動バギーだけが4駆と2駆を別のクラスにしてそれぞれ存続された。 速いだけなら4駆がいいに決まってるんだけど2駆にも捨てがたい魅力が認められたって事だ。 パワーとトラクションにまかせてガンガン攻める4駆に対して、常にタイヤや路面と「行けそうか?」って 対話しながらスムーズに操作する2駆は、それがうまいこと決まると独特の気持ちよさがある。 タイヤの数は同じで同じコースを走ってるのに車とバイクくらい感覚が違う。 速さを求めて新しいカタチを追求していくのは4駆を中心にその後も続いたけど、2駆は比較的早いうちに 「おそらくこれが正解」というスタイルが確立してた。アソシRC10だ。 当時は1ドル300円くらいでまず「外車」って時点で法外な値段だったから「いくら凄くても (しかも2駆に)5万も6万もは出せん」って思ったけど、今見ても「設計者は30年後から タイムスリップしてきたのでは?」ってくらい別次元の完成度だった。 ダンパーなんて(ビッグボアになる前の)現行ダンパーとほぼ変わらないレベルで、 当時の国産の「オイル入ってるんだぞ!すごいだろ!」みたいなおもちゃとは比べ物にならない。 こんなのがマイティフロッグあたりと同期だって言うんだからもうインチキだよなあ。 で、業界全部がRC10に追いつけ追い越せ、アソシ自身もさらなる進化を続けた結果、 「現状のコース、タイヤ、パワーソースで使う限り、これより明らかに優れたカタチは恐らくもう無い」 ってところまで煮詰まった決定版と言えるものが完成した。アソシRC10B4だ。 削り出しアルミやカーボンで完全武装した究極の高級車、ではなく、ぱっと見ダンパー以外全部樹脂? くらいに見える。樹脂もオプションでさらに硬いカーボン混入のが用意されては居るけど、 このキット標準の状態で世界戦勝ってる。この状態がむしろ世界最強なのだ。 拍子抜けするくらいすっきりしてるのに最強という、まさにフリーザの第4段階みたいな車。 究極とはこういうことだ、っていうすごい説得力がある。 B4はその後もB5が出るまで10年以上最強であり続けた。B5からだんだん今のカタチ (ミッドシップ/アルミシャーシ)になってきたのはハイグリップのカーペットコースを いかにハイサイドせずスピードを出せるか、という進化なので、それはもう4駆より遅いのが解ってて なお愛された2駆の走りとは違うんじゃないの?と自分は思ってる。 だから、B4を頂点として、そこまで脈々と連なる伝統的な2駆バギーこそが「ザ・バギー」だと思う。 #
by harusame_kingdom
| 2022-08-03 00:03
| らぢこん
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2022年 06月 13日
伝説の中の伝説の名車の中の名車。 ラジコン上手い人や何度もチャンピオンになったような人は大勢居るけど、コロコロやボンボンのラジコン漫画で 主役を張れるくらい鮮烈かつ強力な人、となると自分は一人しか知らない。それがレジェンド・広坂正美だ。 その広坂正美が風見ハヤトだとするならその絶対の相棒と呼べるアスラーダのような存在、それがアルフだ。 いちおう少数販売もされてたみたいだけど、ほぼハンドメイドのワンオフみたいな車だからもちろん普通の店には売ってないし、 ビッグレースで新鋭の若手ドライバーが駆る謎の車として雑誌で紹介されたことくらいしか一般人は知る由も無い。 まさに自分がラジコンをはじめて雑誌を読むようになってはじめて見た全日本のリザルトがそうだった。 「自分の1こ上の中学生が優勝したのか。同い年の中学生も3位に入ってるぞ、すごいな」 このリザルトも当時(恐らく唯一)プロと呼ばれたトップドライバーと気鋭の中学生二人、 四駆、四独、3Pサスというまったく違う形態の車、巻き線スピコン、5段変速スピコン、アンプ、等々 「漫画かよ!」ってくらい面白いトップ3だったからいまだに強烈に印象に残ってる。 そこで、素人目には(40年も経った今でも)一番不利そうに見える四独サスに5段スピコンで3位入賞の 同い年の中学生が後に全日本どころか世界戦でも勝ちまくってレジェンドと呼ばれるのは当時想像できなかった。 車も一見して「こりゃ速いぞ!」というより「うわあ…」みたいな、とにかく異様な車だった。 ありとあらゆる構成要素が速く走るためのトレンドを完全否定してるようにしか見えなかった。 それだけならただの変態なんだけど、ただの変態なら全日本3位入賞なんてできない。 そもそも、中学生じゃなくても変態じゃなくても、四独で全日本入賞なんてたぶん他に居ない。 実際この83年全日本3位入賞のアルフ7までが四独で、アルフ8以降は3Pサスになってる。 今回作られるのは初期のアルフ1をリファインしたモノらしいけど、フロントの板バネとか2以降にも見えるし、 特に雑誌くらいでしか知らなかった一般人は「アルフ=7」のイメージが強いな。 この試作品?は随分大人しく見えるけど、実際レースで走ってた車は肉抜きとかめちゃくちゃアグレッシブだった。 ホイールは復刻ファントムのかな、って思ったけどこの写真見るとナイロン無垢の削り出しっぽいな。重そう! GFORCE的には是非自社サーボ使いたい!ってのは解るけど、スタンダードサーボ縦置きはぎょっとするな。 モーターも性能はともかく、この値段ならもうちょっとかっこいいのをベースにした方が良かった気がする。 ブラシレスの時点で何やっても違和感なんだけど、見た目チープなのはちょっと… 今ツーリングで当たり前になってるウレタンバンパーを最初にやったのもたぶんこの車なんじゃないかな。 1/12のバンパーなんてレギュレーション上外す訳にいかないただの飾り、みたいな風潮でここまで機能を追求してたのは 他に無かったし、ずいぶん長い事他に真似されることも無かったと思う。 世界一のメカニック・広坂パパの完全ハンドメイドで限定33台、定価30万(税込み33万)だそうな。 オリジナルの完全レプリカではないけど、パパが手掛ける以上、これもレプリカではない「本物のアルフ」の1台なのは間違いない。 今では工作環境も昔よりは身近になったし、アルミやカーボン、あるいは3Dプリンタで市販車みたいな自作車作る人も居る。 でもこんな車作る人、恐らく世界でもこの人しか居ない。 細部の形状も載ってるメカも有名なアルフ7とは違うけど、知ってる人が見れば明らかに「アルフだ!」って濃密なオーラがある。 これぞ夢のスーパーマシーンじゃないのか。まさにアスラーダだ。 #
by harusame_kingdom
| 2022-06-13 04:05
| らぢこん
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2022年 06月 13日
GFORCEから発表された新型2駆バギー。 DTと殴り合うエントリーモデルでも最前線で戦うハイエンドでもないミドルクラス。 たぶん今一番求められてるクラスなんじゃないのか。 本当なら新参が絶対勝てないレベルのをタミヤが出してなきゃいかんクラスなんじゃないのか。 清々しいまでに最新のトレンドを踏襲しない造り。 ミッドシップなんてちゃんとしたサーキット走ってなんぼだと思うから大正解だと思う。 アソシB4で完成に至ったリヤモーター2駆の基本に忠実な構造。 フロントも六角ハブの2.2インチタイヤ。ハブは同じでもオフセットは統一されてない業界だけどどうだろう? たぶんメジャーな所に合わせて来てるんじゃないかと思うけどいまのところ不明。 少なくともタイヤで困る事はあんまり無さそう。 樹脂製のビッグボアダンパーって珍しいなって思ったけど、よく考えたらサンドマスターもそうだったな。 「ギヤボックス内部はフルメタル」って聞いてベアリング入ってないのかよ!って一瞬思ったけどギヤの話だった。 もちろんフルベアリング。個人的にはギヤが樹脂だから特に壊れやすかった、って経験はほとんど無い (むしろTA01とか標準アルミカウンターギヤがやたら削れるから樹脂の方が良かった)けど、コストより 強度を優先したチョイスみたいなので信じたいと思う。見た感じ復刻スコーピオンの焼結金属っぽい。 デフは明言してなかったけど見た感じ密閉ギヤデフっぽい。個人的にはボールデフが好きだけど、ボールデフとスリッパーの組み合わせは 不慣れな人はドツボにはまりやすい(どっちが滑ってるか判断しにくい)から妥当だとは思う。 スリッパーは複数のパッドをスパーもろとも挟み込む一般的なタイプではない、スパーと完全に分離した懐かしの単板タイプ。 性能では劣るかもしれないけど、一度セットを出せば維持したままスパー交換もできるし専用じゃないスパーが使えるから使い勝手がいい。 操縦性では明らかにあったほうがいい要素だけど、調整が難しいから入門向けには悩ましいパーツではあるけど、 最悪締め込んで殺してしまえば無いのと一緒だから無いよりはあったほうがいいよなやっぱり。 ギヤカバーを標準装備、ってわざわざ謳ってるのにすごい違和感を覚えた。 そりゃ無い方がおかしいでしょ、って思ったけどいまどきのハイエンドだと付いてないんだなそういえば。 モーターマウント部分までDT式に樹脂一体になってるのはちょっと気になった。 重いモーターを面だけで支える剛性感もだけど、わざわざ溝切らなくてもでかい金属板が付いてるだけでも けっこうな放熱効果あったんじゃないかな。ほんの少しだけど(恐らく剛性確保のため)モーターを覆うような形状なのも 熱籠りそうで心配、ってのは考えすぎだろうか。ミッドシップよりは全然ましなんだろうけど。 エンドベル周りがノーガードなのもちょっと怖いな。オプションでガードとか出るんかな? サスアームは前後ガルアーム形状。正直機能的にどう優れてるのかは知らないけど、RB5がプロトタイプで使ってたのに 結局オミットされて発売されたから無条件に優れてる訳でもなさそう? アライメント的な良し悪しはともかく、左右共用ができなくなるのは中級以下向けとしてはマイナス要素かな? 樹脂バスタブはオーソドックスな構造だけどサイドポンツーン部分の前後長が短めなのがちょっと珍しい。 メカ積みに困る程じゃないけど、ジャイロとかポンダーとかキャパシタとか余計なもの置くとき狭そう? フロントダンパーステーはアソシB4によく似たダンパーよりステーが前にあるタイプ。 個人的にはどんな高級素材でかっこいいデザインだったとしてもステーがダンパーよりかっこいいなんてありえんだろ? って思ってるから、ダンパーをばーんと前面に出すのがかっこいいと思ってる。 でもこけた時にステーがダンパーを守る合理性はこのクラスでこそ妥当なのかもしれない。 ボディはサイドポンツーンが短い事以外は2駆バギーの古典的文法に忠実なロングノーズショートデッキ。 特にマサミカラーで塗ってあると初期RC10のプロテックみたいにも見える。シンプルな形状のウイングも良く似合う。 正直「うおおかっこええ!!!」とまでは思わないけど、近年のフォワードキャビンに辟易してるとまるで天使に見える。 カラーリング次第でレーシングファイターでもバハチャンプでも何にでもなりそう。ジェノバフォックス作る人も絶対居そう。 ”まさに「THE BUGGY」です” もうこの一言に全て集約されるんじゃないだろうか。 これがバギーだ! 俺がガンダムだ! 発売は8月で29800円らしい。多少は引くだろうからRB5が出た当時の実売くらいになるのかな? 変に安いとかえって心配になるけど、この内容でこの値段ならちゃんとしてるんじゃないかな、たぶん。 #
by harusame_kingdom
| 2022-06-13 01:31
| らぢこん
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