絶海: 英国船ウェイジャー号の地獄作者:デイヴィッド・グラン,David Grann早川書房Amazonこの『絶海』は、1740年代に起こった英国船ウェイジャー号の漂流。そしてそこからの数年がかりの帰還までを描き出した、冒険・歴史ノンフィクションである。もともとウ…
まじめにエイリアンの姿を想像してみた作者:アリク カーシェンバウム柏書房Amazonこの『まじめにエイリアンの姿を想像してみた』は、書名だけみると小学生ぐらいの夏休みの自由研究みたいだが、実際は動物学者の著者が、生物学、物理学など科学の知識を総動…
ソクラテスからSNS 「言論の自由」全史作者:ヤコブ ムシャンガマ早川書房Amazonこの『ソクラテスからSNS』は、紀元前の古代アテナイの時代からはじまって、インターネット時代である21世紀の現代に至るまで、世界中の「言論の自由」をめぐる事件や動きを…
ゲノム裁判――ヒト遺伝子は誰のものか作者:ジョージ・L・コントレラスみすず書房Amazonこの『ゲノム裁判』は、ヒトの遺伝子に特許が認められるのが当たりまえだった時代のアメリカで「誰かが発明したわけでもない、自然に存在するヒト遺伝子に特許が認められ…
www.netflix.com 世界累計2900万部、日本で中国SFブームを引き起こすきっかけになった劉慈欣による壮大なSF長篇《三体》三部作。そのNetflixドラマ版が先日公開された。エピソード数は全部で8話で、原作(第二部、第三部は上下巻)の分量のことを思えば8話でそ…
未来経過観測員 (角川書店単行本)作者:田中 空KADOKAWAAmazonこの『未来経過観測員』は、縦読みならではの物語を構築し次々と明らかになる世界の真の姿、無限構造の物語を描きだしてみせた漫画『タテの国』や宇宙をさまよい、偶然出会った無人の宇宙船同士で…
闇の中をどこまで高く (海外文学セレクション)作者:セコイア・ナガマツ東京創元社Amazonこの『闇の中をどこまで高く』は、アーシュラ・K・ル=グイン賞特別賞受賞作にして1982年生まれのアメリカ作家セコイア・ナガマツによる第一長篇だ。北極病と呼ばれる感…
クック・トゥ・ザ・フューチャー 3Dフードプリンターが予測する24 の未来食作者:石川 伸一,石川 繭子グラフィック社Amazon仮想世界やAIなど未来により発展していくとみられる技術はいくつもあるが、そのうちのひとつに「3Dプリンタ」がある。これは3DCGなど…
ここはすべての夜明けまえ作者:間宮 改衣早川書房Amazonこの『ここはすべての夜明けまえ』は、第11回ハヤカワSFコンテストの特別賞を受賞したSF中篇(もしくは短めの長篇といえるかぐらい)だ。特別賞は長さが短めだったり一点突破の魅力があったりで受賞する…
温暖化に負けない生き物たち:気候変動を生き抜くしたたかな戦略作者:ソーア・ハンソン白揚社Amazon気候変動で地球がヤバいとは近年しきりに言われるところである。温暖化で人類の生活が苦しくなるだけならまだしも、それ意外の動植物たちは環境に翻弄されな…
生と死を分ける翻訳: 聖書から機械翻訳まで作者:アンナ・アスラニアン草思社Amazon日夜世界の様々なニュースやコンテンツが翻訳されてくる昨今。翻訳に触れる機会が増えているからこそ、翻訳の限界や難しさを感じることも多い。僕が最近翻訳の難しさを感じた…
帝国の疫病――植民地主義、奴隷制度、戦争は医学をどう変えたかみすず書房Amazon「疫病(えきびょう)」とは、集団発生する伝染病などのことを指す。少し前ではコレラや赤痢。最近ではコロナウイルスなどのような病のことである。同様の病は昔からあったが大…