この広告、メッセージは90日以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事でこのメッセージが消せます。
  

Posted by あしたさぬき.JP at

2018年02月11日

異動のおしらせ

移転でも移住でもええんやけど、ちゃんと勤め人したことなくて、
いっぺん異動してみたかったきん異動ということにしたの。
新しいとこ。↓

http://hyakusyo.hatenablog.jp/
  

Posted by kazuzo at 12:39Comments(0)

2017年02月13日

カメムシ年報2016

忘れないうちに去年のカメムシの記録をしとくで。

去年は1月下旬の大寒波を除けばエルニーニョ現象で暖冬傾向が続いてカメムシの越冬世代が動き出すのも早かったな。越冬世代の活動は目立たんのやけど、スタートが早いぶん第一世代の出現も早くなる。例年、ミナミアオカメムシ第一世代が成虫になる寸前に終わるようにスイートコーンの作付けをするんやけど、カメムシの前進、そんで運の悪いことにスイートコーンのほうが梅雨前半の長雨で遅れてしもうて成虫が多数飛来。最後のミルキースイーツ88STは久しぶりに悲惨なことになった。



 今年は一番遅いぶんのスイートコーンにおとりのゴマかクレオメを並べておこうと考えとる。


 タバコカスミカメの第一世代出現も早かった。7月5日頃にはクレオメに飛来してた。
 


 どっかの資料にも書いてたけど、タバコカスミカメはクレオメが好きすぎて露地だとアザミウマやコナジラミなんかの動物性の餌があるところへ積極的に移動しようとしないんね。まあいいや。今は個体数を増やすのを優先しながら眺めてニヤニヤしとる。


 タバコカスミカメと並ぶわりと露地でもホイホイと集まるとされる土着天敵カメムシ、ヒメハナカメムシ。今年もチラホラとしか見なんだなあ。バジルとかオクラとかご用意してお待ちしておりますのやけど。オクラの水晶体が大好物なんな。わし本職のオクラ屋さんやきん、アーリーファイブとかグリーンソードとかを早うからトンネル巻いて元肥窒素なしで、収穫開始してもあんまし栄養成長に傾かんようにヒョロヒョロに作るやん。そのほうがようけ取れるし収穫作業も楽やし。んでもそういう管理の仕方やと水晶体がつくのって蕾がでけてから実が取れ出すくらいまでなんな。まだ5月。カメムシあんまり動かん時期やな。丸いオクラが水晶体ようつくって言うけど、五角オクラも品種によって水晶体のようけつくつかんもある。中々一石二鳥とはいかんもんやな。まあいいや。一石二鳥は諦めて別の策を。


 他の天敵カメムシでは、ヒマワリ種を乾燥させてる妻面開放ベトコンハウスにイヌビユを生やしとったらハスモンヨトウやシロオビノメイガががいにわいて、それを食いにシロヘリクチブトカメムシが大勢やってきてわーい、たーのしー!おもしろーい!ハスモンヨトウを捕食するシロヘリクチブトカメムシのフレンズ↓



 ミナミアオカメムシの話に戻すと、オクラの吸汁被害をおとりのゴマクレオメによって無視できる程度に留める技術はほぼ確立したと言ってもええな。西日本某県農試もダイズの吸汁被害を軽減するためのおとり作物を検討しとるらしい。スイートコーンもそうやけど、大面積の作物に対するおとり作物はなかなか難しいんとちゃうやろうか。

 今年も水稲が終わったあと、ブロッコリー圃場へ集団で移動するミナミアオカメムシの姿が見られたよ。



 ゼロ年代ほど残暑が厳しくなくなったのと秋の天候不順、あるいは水稲経営面積の増大で遅くまで稲が田んぼにおるようになった。あとここ2年くらい晩秋がヌルいんな。そしたらどうなるかというと、大好きなお米の脂分をたっぷり吸ったカメムシが元気いっぱいでナイスショットナイスイン。葉や花蕾も吸ってる。困ったねえ。
 
 こちらにミナミアオカメムシによるブロッコリー花蕾の吸汁被害の様子が(東京都のPDF)

 そうそう、とうとう東京でもミナミアオカメムシが確認されたなあ。房総半島のぬくいところにはおったそうなんやけど、一昨年神奈川県で確認されてさらに東進。タバ作戦が失敗に終わったわけやな。


 長くなったので続きはまた今度。
 
 




  

Posted by kazuzo at 00:42Comments(0)草や虫や小動物

2017年01月28日

ポスト新年

 新年あけました。だいぶ前に。

 書かなきゃいけないと思いながらなかなか書けずにはや8ヶ月。お知らせもありますが、その前にこの間のことを少し振り返ってみることにするが。
 
 夏、ヒマワリを20aやった。まんのう町が特産にしようっていうやつな。これについてはまた日を改めて書こうかな。

 夏の終わり、徳島市で開催された天敵利用研究会に参加した。これはがいにおもっしょかったなー。主に普及センターや公的研究機関、メーカーの人たちの研究会やけど、そういう人たちの本音が聞けるのがええよね。農民のあんまりおらんとこで。農民もこういう研究会にもっと参加するといいよ。楽しいよ。
 
 せっかく近くでやってるのに香川県からの参加者は少なかったなあ。香川の農民は働き者やきん、わしみたいに天敵昆虫に働かせてその間に競輪しようなんていうのはおらんのやろう。とにかく隣の高知県が天敵利用の大先進地なもんで高知無双。群馬県職の人がゆってたの「みんながうらやむ高知県」って。そりゃそうや、害虫以外の虫なんて知らねっていう農民が大多数のなかで、天敵技術を普及させるなんて並大抵のこととちゃう。そんな中、小豆島いちご部会担当のJAの若い子が、前の発表者である高知県の方の酒割れダミ声報告に軽くジャブを放ちながら実に堂々と口頭発表してたのが印象に残った。小豆島の女峰、美味しいよ。厳寒期の今が大粒で酸味も甘みも濃厚で最高やな。マルヨシ満濃店のインショップ産直のすぐよこによく置いてあるのでときどき買ってる。

 虫といえばカメムシやけど、これも後日まとめて。こう書いてたら書くやろ、後日。いつか知らんけど。

 9月のクソ雨。植えた苗が完全水没したの初めてやったな。畑が乾かずに9月半ばから1ヶ月間定植でけず。おかげで来月収穫のお仕事がなさそう。よしブログ書くぞ。プロブロガー目指して山ん中のセミナーでも参加するか。うそ。わしブロガーやなしにブロ屋やがーやし。あ、11月から1月にかけては水害からなんとか立て直したブロでこの世の春を謳歌しておった。ごめん。

 ブロ屋やがーとしてのお仕事のお知らせです。



生涯農民一年生、ウサギさんチームの中戦車定植機KP-201Lです。


 現在発売中の『現代農業』2月号の「鈍感品種で端境期を埋める」に、11月植えグランドームについて寄稿しました。これ、元々徳島県が開発した技術の応用で特に新規性はないし、去年は冬の天気がごじゃで思うような時期に取れなんだのでお恥ずかしいのやけど、よその地域の技術の話を読んで、それをどのように考えながら自らの栽培に取り入れて、検証し、自らの技術としていくかということを意識して書きました。雑誌記事だけじゃなくてネットの口コミなんかもね。

 そして今年の11月植えグランドームのその後。


1/19撮影

 記事に臨機応変と書いたけど、結局べたがけまだしてないの。今年も1月初旬までぬくかったきんなあ。この草勢なら2月下旬くらいからガンガン行くんちゃうかと読んどる。ほんま気候に合わせて臨機応変なんよ、これ。徳島県の試験でも去年の作は前進したり2つめの花蕾の発生が少なかったと業務年報に書いてる(PDF)。楽しいね、端境期ばくち。気温や土壌水分に対して鈍感な品種も必要やけど、失敗を恐れない、失敗してもへこたれず検証して学んで成長する鈍感力も必要ではなかろうかね。そう、練習試合の聖グロリアーナ女学院戦での敵前逃亡から、なんども撃破されながら徐々に成長し、戦車道全国高校生大会決勝戦で黒森峰女学園の重戦車を2輌撃破するに至ったウサギさんチームのように。

 





  


Posted by kazuzo at 16:29Comments(0)野菜

2016年05月22日

ガッタガッタ作型(2)




 春ブロッコリーのお片付けをしよった。畝上に残った茎葉あるいは後から伸びてきた脇芽をハンマーナイフモアで粉砕して、粉砕したもんが乾いて軽くなったらマルチをのける。これ暑い時期に土煙にまみれながらやらないかんきん、よいよえらい。次の年はのける必要のない生分解性マルチにしようそうしようと思うんやけど、年が変わると、わしの頭の中の小人が言うわけよ。グリーンマルチ張って地温上げたら早よ採れるで。銭やでって。そんで毎年5月にえらい目する。来年は生分解性マルチにしよう。まじで。

 そんなこんなで前回の続きなんやけど、4月中下旬にどうやってブロッコリーをとるか。しかもえらい目せんと。そういうことを秋くらいからずっと考えよんな。

 夏播き秋植えブロッコリーの定植が終わった去年の10月、某農業誌を読んでたら後ろの方の記事にびっくりするのがあった。11月半ばにブロッコリーを植えて4月にとるという。そんで同じ株からもう一本5月にとるんやって。しかも被覆資材の追加投資はしても不織布かけるくらいとか。なんとか。5月の2本目とかどうでもええ。そのために多肥栽培せないかんそうやし。4月や。わしが欲しいのは。秋冬ブロッコリーと春ブロッコリーの間に空いた時空の裂け目にねじこむギガドリル。あるいは、ポッカリあいた端境の穴を無理矢理埋めていくんだ~あーあーあ~。

 早速わしも試してみることにする。11月に植えようと思ったらすぐに種を播かないかん。記事には「グランドーム」が適するとある。普通は8月に播いて9月上旬までに植えてクリスマスを狙う品種。種苗店に小袋が1つだけ残ってた。レジに持って行くと、これ今頃播けたっけ?とおばちゃん。最近、大手メーカーとかしっかりした種苗店は播種の適期にシビアやな。そらそうや、向かない時期に播かれて出来んかったがーとか美味しくないがーって言われても困るきんな。

「ああ、これな、現代農業に乗ってt…」

 しまった!おばちゃんの顔がいっそう怪訝そうになってしもた!あの雑誌はほんま玉石混交やきんな。そんで農家は往々にして石のほうを真似たがる。慌ててこれは徳島県の公的研究機関が開発した新しい作型であることを付け加えて、売ってもろた。

 暖地の秋冬ブロッコリーは一番遅いやつでも10月中には植えないかんっていうのが常識。その次に植えるのは1月。年明けてから植えるのは春ブロッコリーと呼ばれる。そしたらこの11月半ば定植っていうんはどっちなん。秋冬ブロはぬくいうちに株を作って、その葉っぱで花蕾を作る。春ブロッコリーは厳寒期を被覆資材の中で耐え、春先から一気に株を大きくして収穫まで持っていく。

 エルニーニョで暖冬って言われてたきん、年内に中途半端に株を作ってしもて2月3月にショボいのができてもおもっしょないなあ。ブロッコリーはある程度株がでけてから低温に一定期間当たると花芽がでけるきんな。ベストのタイミングで花芽分化のストップウォッチを押さないかん、このグランドームっていう品種は低温に鈍感でよいよこんまいうちに花蕾がでけてしまうボトニングという生理障害のリスクは低い。4月半を狙うなら初期生育抑えてじっくり株作ったらええんちがうんと思って、11月に定植する春キャベツにならって少なめの肥料でスタートした。春ブロッコリーに近い作型とにらんだわけやな。試験やきん、グランドームと一緒におはようと恵麟も定植した。どちらも春秋兼用の早生品種な。

 さあ勝負。しかし去年の11月はよいよ雨が多くて定植が11月18日にずれ込んだ上に、水はけの悪い水稲の跡しか用意できずに過湿でいじけさせてしもうた。まあええか。春までに株を作ったらええんやし。

 そんなこんなしてるうちに現代農業誌に載った記事の元論文がネットで見られるようになった(参照)。グランドーム以外に選ばれた品種は本来9月の終わりから10月に植えて3月末から4月にとるやつやな。あと施肥設計からも、この著者は秋冬作の延長として考えていると推定でける。んん、グランドームと、現行最晩生品種の晩緑105以外は減収しとるな。遅植えで年内に株がでけんかったんやろな。晩緑105は元々株がそんなに大きくならん上に3月になってぬくくなるとまたようけ葉を出す性質があるきん(もっともそのために肥料を一気に吸ってしまうと場合によっては困ることもある)遅植えの影響が軽微やったんやろ。
  
 さて、わしが選んだ早生品種やけど、1月植えで真価を発揮する恵麟はものの見事に全部ボトニングしてしもうた。おはようも半分ボトニング、でけたのは3月にでけたけどボリュームイマイチ。グランドームは初期生育悪かったけど、そもそも湿害に強い品種やしで、3月くらいからジワジワ生育して5月にずれ込んだものの取れた。ボトニングは全くなし。なるほどなあ。徳島とアプローチは正反対やけど、わしの結果からも11月植えで面白いのはグランドームであった。

 実はグランドームは半ばオワコン扱いされてた品種なんや。2000年代中頃に登場して高品質な花蕾をクリスマスにドンと出せるということで人気になった。ところが2010年代に入ると暖冬傾向から厳しい冬になった。そうなるとこの品種は低温で花蕾が大きくならん、なっても赤く着色するという弱点を露呈してしもうたんや。代わりに台頭したのが低温伸長性が高く、花蕾の着色もないおはようやったんな。それがこの2年間また暖秋暖冬に戻った。そうなると今度はおはようでうまくいかん例も多くなってきた。

 面白いなあ。まだまだブロッコリーの品種と作型は発展途上。11月定植もまだまだ検証が必要やけど、これからも思いもよらない作型が出てくるかもしれん。そんでそのうちキャベツみたいに、被覆資材を使わなくても年中どっかで作れる野菜になるんかなあ。そんなキャベツも日本に入ってきた当初は北海道でしかできんかったんやって。そこから今の地位を築いた。わしもブロッコリーの発展史の中におると思うとわくわくするでないか。





 いろんな野菜の作型を網羅しとるんやけど、特にアブラナ科よろず屋には必携やと思う。基礎を学ぶのが新しい方法を考える近道や。そもそも基礎が分かってないとそれが新しいかどうかも分からんでないかのう。  

Posted by kazuzo at 23:16Comments(0)野菜

2016年05月05日

ガッタガッタ作型(1)

 半年続いたブロッコリー収穫シーズンもそろそろ終わるので、ひとつ反省とか総括をしてみようと思うんやが。

 今年は波乱万丈やったなあ。まず10月ほとんど雨が降らない&暑い大旱魃。すでに花蕾をつけていた極早生品種は水分要求量多い時期で苦しかった。水やろうと思っても用水路に水ないし、仕方ないから家から500Lタンクにアミノ酸とか有機酸カルシウムの葉面散布剤を薄く溶いて畦畔噴口で頭上潅水してやったりしたものの焼け石に水であった。アントシアン(葉とか花蕾が赤くなるやつやが)の出やすい2番手品種は下葉にアントシアンが出た。こんなぬくい時期にアントシアン出たの初めて見たけど、強日射&水分肥料分吸えないんやから出るわな。決して寒さだけで赤くなるわけじゃないのはブロ屋は覚えておくといいよ。

 11月。ぬくいのはそのままに雨がようけ降った。2番手品種、3番手品種は旺盛に肥料を吸い、夜温が特にぬくいこともあって大前進。収穫見込みよりどれも2週間前進して、温すぎるゆえの生理障害や病害も多発。生育ちょっとでも止めてやろうとホウ素カルシウム亜リン酸など投入するもこれまた焼け石に水であった。12月もぬくくてクリスマス前の最大需要期でも品物が溢れてちょう安い。ブロレタス屋にはクリスマス中止のお知らせが高らかに鳴り響いたのであった。

 1月。暇。なんでか。4番手以降の品種を植えるんを大幅に遅らせたきん。定植時期の9月半ば頃になるとどうも今年のエルニーニョはエグいらしいということがはっきりしはじめた。そんなら急いで植える必要ないわ~と考えて畑のコンディションが揃った9月末にえいやあで4~6番手まで一気に定植した。おかげで2月3月我が世の春を謳歌した。

 4月、秋冬ブロッコリー最終盤にまた菜種梅雨で病害多発。去年ほどではないにせよ。このラストの品種は年内に株作った上に、3月半ば以降新しい葉をすごい勢いでどんどん展開しながら花蕾を大きくする特徴があるんよな。ということは水と肥料そこでいっぱい吸っちゃう。なもんでそのときの根回りの養分がどんなんなっとるか。冬に雨がようけ降ってミネラルが流れてしもうてたら地温上昇で有機物分解して窒素優先になって病気になるかもしらんな。葉面散布にもやっぱり限界がある。

 
 いやあジェットコースターやったなあ。昔はもっと価格安定しとったんやけど、気候の極端化、需要増に対応した作付の増加、あと結球野菜と違ってブロッコリーはそんなに長いこと畑に置いておけんのな。その辺りよう考えんと結球野菜と同じノリで外国人実習生の安い収穫労力(法令守っとる?)でゴリゴリ作ってモリモリとる経営体の増加。関東の大産地では昔からそうやったみたいなんやけど、大産地でもないこちらでも増えてきた。

 えー、外国人技能実習生を安い収穫労働力として一日中働かせるために真っ昼間暑くてもブロッコリー採るとしますわな。結球野菜はそれでもOKなんかもしれんけど、花蕾ものは劣化が著しいのでありますよ。なるべく涼しいときにとってなるはやで予冷せないかん。作型がかぶってあほほどの品物の量が出た11月12月あたり、予冷もせんととっては投げ、とっては投げの産地の品物はアメリカ産の輸入物よりやすかったとか。アメブロやってメキシコからの不法移民こき使ってやってるんやけど、どでかい農地にどでかい機械入れて収穫から氷詰め箱詰めまで流れ作業で一気にやる。選果場のラインにエンジンとタイヤつけて畑に走らせるんやもん。収穫からの時間は経ってても棚持ちが違うわな。戦車に竹槍やが。

 わしらんとこみたいな家族経営中心の小規模産地は丁寧に朝取り予冷氷詰めでいかな話にならんわな。ほんで、全体の物量ないならないで、でもどこも持ってないときにちゃんとあるでって言えるようにせないかん。やっぱり欲しいんは4月中下旬。トンネル栽培ならでけるんやけど、労力ががいに要る。最近は大規模な法人さんなんかはレタスのトンネル跡にブロッコリー植えて4月にとるっていうんをやっりょるんやけど、支柱やビニールをセットしたままレタスの植え穴のあいだあいだに植えるんやきん、人海戦術やな。それ以上は言わんけど。

 そんなわけでわしは新しい品種を試したりしよんやけど、ねむいきん続きはまた今度にするわな。

  

Posted by kazuzo at 22:56Comments(0)野菜

2016年04月21日

『明後日農業』6月号品種特集より「端境期を狙うブロッコリー品種は趣味で選べ」

 需要増とそれにともなう産地の増加、天候の極端化によって近年価格の変動が大きい品目になってきたブロッコリー。特に供給が難しいとされる端境期の4月中旬にブロッコリーを出荷するのにも品種の力が欠かせない。ブロッコリー産地香川県の生産者に話を聞いた---------------------

 「端境期を狙う品種?そやなあ、ネタとして美味しいかどうかかな」

 はあ。意味が分からないのですが。

 「虚心坦懐にネタとして面白い名前の品種を選んだら端境期に当たるんよこれが不思議と」

 まんのう町のとよしまかず人さん(40)はネタでブロッコリー品種を選んでいるそうです。

  「去年、菜種梅雨の長雨とその前の大霜で西日本中の秋播き最後のブロッコリーが腐ったやろ。うちも植えた1割しか取れなんだ。ほんまひどい長雨やったな。ワルプルギスの夜とはこのことやな。品がないきんひどい相場になった」

 「その直後、うちのブロッコリーがぱああああっと出て、天気もいっぺんによくなったんな。なんていう品種か。「まどか」っていう品種や。円環の理って分かるか。まあええわ。」

まどか(ブロリード)
 


 「今年?今年は暖冬の前進で端境期が早うに来るっていう見込みやったな。春作もダッシュを効かせないかん。まどかより早い品種が要る。ところでわし競輪が大好きなんよ。もう20年くらいやっりょってやな、で、メーカーのカタログ見よってビビッと来たわけよこれ、「恵麟」。早うなかったら嘘やな。実際ちょっと荒削りやけど、とにかくダッシュが効く。香川の大西祐選手みたいな感じやな。今日の平塚は先行やと思ったけど捲りかえ。6番泣きながら千切れとったな」

恵麟(トキタ種苗)



 「カマシが決まると気持ちがええな。トンネル作も作ったけど、べたがけでも1月末に定植して4月20日に採れる」

 「昔は観音寺に競輪場があってな、レタス農家のじいさんたちが札握りしめて遊びょったんよ。それが高齢化で、レタスは作業がしんどいきんな、安い外国人実習生をこき使う大きな農園ばっかりになってしもうた。競輪場も長い不況で潰れてしもうた。わしは悔しくて悔しくて」

 その話はまた今度でいいです。ところでとよしまさんの最近の口癖は「ガルパンはいいぞ」とのこと。では来年端境期を狙う品種は…




 「タキイの「チャレンジャー」がええと思うな」


--------------------------------------------------------
『明後日農業』6月号品種特集より「端境期を狙うブロッコリー品種は趣味で選べ」


 今更チャレンジャーはないわ。というわけで、ブロッコリーあんましない時期やけど、夢ハウスとか讃さん広場とかマルヨシにちょこちょこ出しとるきんよかったら見といてつかな。
  

Posted by kazuzo at 22:16Comments(0)野菜

2015年12月05日

土壌医検定受験ガイド

 12月5日は世界土壌デーてなわけで、なにやら世界で起きてる土壌の問題についてのシンポジウムが行わたりするわけなんやけど、あんまり盛り上がることなく2015年国際土壌年は終わろうとしているなあ。

 世界中で土壌が劣化しとる!とゆって挙げられる例は日本であんまし馴染みのないもんばっかりやしなあ。砂漠や大平原で地下水がっつり汲み上げて塩類集積起こすとか、風による侵食を受けるとか、焼き畑のサイクルが短くなって農地が疲弊するとか言われてもイメージわかんと思う。わしもわかん。

 ほんだら日本の土壌ではなにが問題かと言われると、そらもう地域、いや畑によって違う。養分の過不足、作土層が薄い、連作で病原性の微生物がようけおるなどなど。そんでその問題点を洗い出して対策を講じるための資格というのがあるんやが。「土壌医」っていう。わし2級持ってるんで「土づくりマスター」を名乗れるんやけど、そんなえらもんではなくて日々精進です押忍。

 土壌医検定、みんなも基礎知識の確認や習熟度のテストに受けてみるといいと思うんな。試しにどんな問題が出るかというとこんなん。スマホ版では選択肢が見れないかもしらん。






 答え割れてるけど、正解は3のマンガン過剰症な。これ3級ではわりと難しい問題やと思うんやけど、すぐ分かったという人は2級を受けるといいよ。農業者や指導者はどんどん上を目指して精進すべきやけど、家庭菜園を熱心にする人や、生産者と消費者をつなぐ系の人も3級くらいの知識があるとなにかと楽しかったり捗ったりするんとちゃうかな。

 つなぐ系の人が生産者から話聞いて、記事やナントカ通信にするやん。ところがよく見るのが生産者の技術を噛み砕いて説明しようとするんやけど、土壌肥料に関する考え方の作法や基礎知識がないから意味が通らないあるいは意味のないことを書いてしまう。例えば「微生物を活かした農法です」みたいなフレーズ。土耕やってる限り微生物なしの農業なんかありえんきんな。なんにもゆってないよな。あとまれにやけど、生産者の明らかにおかしな話を聞いたまま載せちゃうとか。せめて制度くらいは裏取って書けばいいのにと思うけど。土壌医検定は肥料や土壌改良に関する法律も試験範囲でありまあす。


 受け方。土壌医検定のサイトを見てつかな。12/18までな、申込み。


 参考書は必要か。既出問題集はどの級受けるにしても持ってたほうがええな。出題範囲で問題にしやすいとこしにくいとこがはっきりしとるきん、解いてみたら傾向は読みやすいと思う。

 テキストは1級2級は必要。3級は手元にわりと新しいめの土壌肥料学の入門書があればそれと既出問題集で足りると思う。持ってなかったらもちろん3級テキストを入手のこと。割りと新しいめの土壌肥料学の入門書の例。









 1級はむずい。わし今年落ちた。学科もさることながら業績レポート。うううううううう。今思い出しても文系の作文やったなあ。とりあえずわしの業績ライフはゼロになったので業績を貯めるのれす…。

 生産者はできれば部会とか生産者仲間とかでみんなで受けるとええんちゃうかな。お互いの土壌肥料学的課題が見えるようになってそれこそ仕事が捗る。土壌医の研修会行くとそういう事例ゼミもあるよ。そんで、そういう共通の教養って大事やと思うんよ。農業やとついローカルナレッジかマニュアルかって感じになるけど、それらをうまく使うためにも必要な教養があるわけや。学べば学ぶほど銭になる。農学は実学、実学はすなわち銭。勉強したことがわりとすぐ銭になるんは農業の面白いところやと思うんな。レッツビギンやで。


  

Posted by kazuzo at 00:41Comments(0)雑記

2015年11月15日

連休のおでかけのご案内



 土庄町総合福祉会館の地図こちら(GoogleMap)


 11月22日、福島県は郡山市の農業者藤田浩志さんのお話を聞く会を小豆島で開催します。


 福島県の農産物は主に首都圏に出荷されることが多いきん、こちらでは原発事故前でもあまり見ることはなかったかもしれん。だからって関係ないかといえば大ありなんやな。豊島の農産物や魚が産業廃棄物の不法投棄によって売れなくなったり豊島の名前を引っ込めないといけなくなったのはわりと最近のことやん。そりゃあひどい不法投棄だったことに違いない。業者もヌルい審査した県もあかんやろ。そうなんやけど、その島の一部の話がセンセーショナルに報道されたこともあって、大きな風評被害を受けた。スケールは違ってもよく似た話で、今後どこにでも起こりうる話や。そんな豊島の農業者と藤田さんのトークセッションもあります。


 4年前、福島の農家を人殺しとまで呼ぶ者がおった。割りと影響力の大きな大学の先生やが。当然大きな批判を受けた。そうしたらその先生を支持する人たちがこんなことを言い出した。農家は出荷する野菜には農薬をかけるけど、自家消費の野菜には農薬をかけない。農家は補助金のおかげで左うちわ。農家は自分の田んぼに道路が通るのを待っててうんぬん…。それを逐一紹介する大学の先生。


 たまたまリアルタイムで見てたんやけど、このときのぞわっとした気持ちをわしは忘れないやろう。そりゃまあそういう農家がいないとは言わないんだけど、それで農家を人殺し扱いするのが正当化されてええかというとさてどうやろな。溜飲を下がるための雑な話はこういうときに牙を剥く。べつに農家に限った話ではないわな。みんなのやってるお仕事でもしょうもないレッテルを貼られたりあほみたいな都市伝説をまことしやかに語られたりすることあるやろ。


 ここでー、この国のー、相互不信に満ちたー、ムラ社会性とかー、語ってもー、ええんやけどー、最近雨が多いきん、これ書き終わったらニンニクの防除に行かないかん。また今度にするわな。あーそういえば、わしがニンニクに使いよる肥料はIB1号っていう、大粒でゆっくり溶けて長く効く肥料なんやけど、これが福島県のいわき市小名浜で作られよるんな。そんで高松かどっかの運動家のようななにかが言いよった。「香川県にも福島産の肥料を使う意識の低い農家がいる」って。別に意識低くてもかまんし実際低いんやけど、思い出して腹立ってきたわ。
 

 なんとて(わしのも含む)雑な話なんかどうでもええから、当事者の話を実際に聞きにきまいよ。なんでも質問しまいよ。そこからやで。藤田さんのグループがやってる郡山ブランド野菜(参照)の話もすごい楽しみや。品種選びを気にする直売所農家なら一度は手に取ったことがあるやろこの本。この本の著者の鈴木光一さんも中心メンバーやきんな。とにかく品種へのこだわりがすごい。



 
 野菜品種にしても育種方法に関して雑な話がされることがあるけど、実際はもっと豊かで多様な世界が広がってるんよ。それをぜひプロから直接聞いてほしいんな。わしも勉強させてもらお~。
   

Posted by kazuzo at 15:12Comments(0)雑記

2015年10月08日

オクラダンジョン飯

 オクラの採り始めの記事からずいぶん間が空いてしもうたけど、このたびオクラの収穫を終了したので今期のオクラを振り返っておこうかな。波乱万丈で面白かった。早取りで夢ハウス&33広場において25日間独走は気持ちよかったけど、その後の梅雨の日照不足はつらかった。4月の長雨で根張りイマイチやったきんなおさらやが。亜リン酸&アミノ酸を必死に葉面散布。そしたら強力な脇芽がワサワサ出てきた。これが頂芽とともに熱い夏に大活躍。脇芽を1,2本に整理してやると、切り戻しをしなくても取りやすいとこまで伸びてきた。同時に頂芽は寸が詰まって最後まで4四十肩に優しい収穫位置。実に美味しかった。糞暑い夏はオオタバコガががいにわくんやけど、オクラは成長点が1つとか2つでそれが猛烈な速さで伸びるきん、殺虫剤の効果がすぐ切れる。今年はプレバソンフロアブル5がオクラにも登録されたけど、浸透移行性のおかげで従来の剤より少しは長く効いた。いうても虫が抵抗性つけやすい剤やきん、連用はでけん。難儀やけどしゃあないな。


 反省点としては乾燥嫌って低い畝にしたら長雨で裏目食ったでござるの巻やな。あと乾燥時の畝間潅水もしにくい。今年いろんな巡り合わせで3品種やったけど、メイン品種を来年は変更の予定。トンネルは絶対飛ばさないこと。ツルツルのズルムケはあかん。

 さて片付け。今年はハンマーナイフモアを買ったので、これで一気に粉砕する。今までは刈払機で刈り飛ばして、えっさえっさと運んで積んで焼いてたんやけど、これだけのバイオマスもったいないでないか。粉砕して鶏糞と混ぜ込んでCN比調節してやれば後作に好影響なんちゃうん。

 二条植えの片方ずつ粉砕して帰ってきたとこ。


 仕上げに真ん中をざーっとかける。



 どんどん重くなるモアー。ロータリーカバー開けてみたらオクラの葉茎、これも粉砕したらネバネバなんやけど、それがかたまりになってへばついとるでないか。高圧洗浄機でも流れない。ねっちょりとしたそれを取ってみるとまるでスライムであった。




 これ食うのどうやったらええかな。そういえば『ダンジョン飯』でスライム食ってたなあ。




 久々にわしの内なるSF魂を刺激される『ダンジョン飯』。面白いなあ。え、ファンタジーちゃうのって?まあどっちでもええんやけど、この場合は食やけど、架空の社会や科学の体系をいかに大きく面白く緻密に展開できるかがSFの醍醐味やんか。わしにとってはそうなんやって。食はまさに科学と社会がカジュアルに交差するところで、そこに今までなかった体系を組み上げたのが面白いんな。



 ところでこいつな。今年はこいつをオクラやピーマンの周囲に植えたクレオメやゴマに誘引して野菜の被害を要防除水準に至らせない方法をなんとなく確立した。




 クレオメやゴマは去年から植えてて、本来の目的は土着天敵のタバコカスミカメを誘引することやったんやけど、食用カメムシを誘引できたのは怪我の功名。功名?

 あ、今年はタバコカスミカメもちゃんと来てくれた。見えるかな。細いの。真ん中らへん。




 ほんで、昆虫食ってゆってもいろいろあって、こういう↓今でも文化として土地に根付いてるもんはええとしても




 カメムシなんかはほぼゼロから作り上げていかないかん。料理法、栄養素やリスクの評価、他の産業や生活や環境に負担をかけない採集法、マーケティング、加えてこれを病害虫防除(Pest Management)に位置づける、EPM(Eat & Pest Management)というレイチェル・カーソン以来の新概念。これSFやったらわくわくするんやけど、ほんまにやろうと思えば片手間ではなかなか難しいなあ。とりあえず囮作物に誘引して他の作物から切り離したり、農薬の暴露の影響を減らしたりするまでには至った。そこまでは割りと得意なんやけど、料理とか苦手やしなあ。

 素材としてミナミアオカメムシよりブチヒゲカメムシほうが好みなことに気づいてしまった今年の夏。ようけ採れるのはミナミアオなんやけど。パクチーが好きで好きでたまらんっていう人にはミナミアオかな。




 うちの秋パクチーはこの週末から夢ハウスに出すよ。  

Posted by kazuzo at 23:16Comments(0)野菜

2015年05月26日

微妙なる畑に立ちて

 オクラはじめたが。

 あ、種まきでなしに出荷な。初日の今日はまだ15袋しかなかったけど。



 
 え、早い?そう!満濃国際学園(略称略)3年、灼熱のオクラスプリンターとはこのわしのこと!!

 …今年で40になるんやけど、もうそろそろこういう芸風考えなおしたらほうがええんでなかろうか。まあええか。『弱虫ペダル』、波はあるけどおもろいしな。

 今年は3月17日に種播いた。

 「この種を播けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば苗はなし 種播けばその一粒が銭となりその一粒が銭となる 迷わず播けよ播けばわかるさ」

 てなもんや。うそ。周到に準備した。発芽温度というのがあってやな、寒いと出るもんも出んし、発芽がモタモタしよると立ち枯れる。今年1月の終わりに高知の義妹の実家に遊びに行ったんや。雨の多かった今年の1月やけど、その日はほんまにええ天気で畑もうまく乾いとって、そこかしこでオクラのマルチ張っりょるんな。高知の沿岸部はそんな時期から準備を始めてその1ヶ月後に播いてしまう。そらこっちよりぬくいんやけど、トンネルに水封マルチにべたがけと、地温を確保するいろんな手段を駆使する。義妹のおばあさんに、こっちはGWに播くんですよって言うたら笑われたが。

 「それでは(銭を)取るとこないろう」

 ほんまその通りで、なんも被覆せずにGWにそのまま植えたんでは収穫始めから一ヶ月も経たんうちに毎年底値が来てしまうんよ(去年は台風の影響で例外的によかった)。わしはべたがけだけして4月の半ばに播いてたけど、今年はさらに早くしたろうと思ってたとこやった。高知の人たちに気合を入れてもろた(回想シーンおわり)。




 播種の1ヶ月前からトンネルして、畝の真ん中に水封マルチして、種播いたらべたがけ被せる。これで最低気温が0度になる時期にも播ける。トンネル飛んだらサヨウナラやけど。いやいやいやいや、やばいときあったんよ。もう4月やったきんまだマシやったけど、ビニールの選択間違えて、ツルッツルのよくすべるん使うたら、風の強い晩にズルっとズル剥けしてしもうた。そんで風で葉が擦れてせんでもええ病気してしもうたんや。他にも涼しい時期ならではの今まで出たことなかった病害が少し出たりしたなあ。そんなこんなでハイリスクには違いない。でもやるんだよ。オムツ替えた5分後に何食わぬ顔でうんこする息子のために。


 

 これはわりと最近の様子。オクラの両側に麦の壁。いやこれな、この畑を秋に片付けた後ライ麦播いとって、それを2月にトラクターで鋤きこんだときにな、ちょっと土の水分多いところにすり減った刃で耕耘したもんやきん、麦が畝肩に残ってしもうたんや。だめなわし。ところがその麦をわしの座右の銘である「まあええかは魔法の合言葉」を唱えながら置いといたら、オクラにアブラムシがつく前にムギクビレアブラムシとアブラムシの天敵を呼んできてくれた。一応通路に麦播いてたんやけど、4月上旬の長雨でうまいことでけんかったんよな。助かった。






 この麦は収穫前に刈ってそのまま通路に敷いた。なんと便利なワンストップdeソリューション。わしこれを「半耕起農法」と名づけて地域とか日本とか地球とか救おうと思うんやけど、どうやろか。とりあえずはアブラムシの防除代だけわしの財布を救ったんやけど。


   

Posted by kazuzo at 22:44Comments(0)野菜