耳鳴りに効果のある蜂の子

蜂の子とは、蜂の巣の中で育っている幼虫を指します。
この蜂の子は古くから、中国や日本で食用とされており、動物性たんぱく質や滋養強壮の食品として大切にされてきました。
この豊富な栄養を含む蜂の子には耳鳴りをはじめとした様々な効果があります。

蜂の子の持つ効果

蜂の子の栄養成分

蜂の子の主要成分はアミノ酸で、特に必須アミノ酸*が豊富です。
そのため、蜂の子を摂取することは、必須アミノ酸を効率よく吸収することにつながります。

また、蜂の子にはアミノ酸以外にも、ビタミンA・B1・B2・C・D・パントテン酸を含むほか、カルシウムや鉄、亜鉛やセレンなどのミネラルも含まれています。
ビタミン類は全身の若さを維持するために必要ですし、カルシウムは骨、鉄は血液において必要なものです。
さらに、亜鉛やセレンには精力増強の効果もあります。

*体内で合成されず、食物から摂取する必要のあるアミノ酸

蜂の子の耳鳴りへの効果

蜂の子は耳鳴りに効果があるという研究がなされています。
耳鳴りの原因は多岐にわたりますが、蜂の子はその中でも、加齢に伴う難聴により併発した耳鳴りに効果があると考えられています。
成人の四人に一人が耳鳴りに悩むという現代において、蜂の子は症状改善の選択肢のうちの一つです。

日本抗加齢学会は蜂の子の有用性を探るため、耳鳴りに悩まされている方を2つのグループに分類し、それぞれ偽薬と蜂の子を摂取し、どのような効果がもたらされるかという実験を行いました。
その結果、蜂の子を摂取したグループには耳鳴りの改善がみられたため、蜂の子は耳鳴りに効果があるという科学的な報告もありました。

しかし、すべての耳鳴りにたいして蜂の子が有用であるのではなく、聴神経に問題がある場合にのみ有用であると考えられています。
したがって、医療機関において疾患が判明し、耳鳴りの原因を特定できた場合には、その病気を解決しなければ耳鳴りは解決しませんが、神経の働きが原因と考えられる場合には、蜂の子による効果が期待できると考えられています。

蜂の子のその他の効果

蜂の子は耳鳴りの他にも、発毛や育毛の効果があります。
髪の主な栄養成分はタンパク質であり、タンパク質はアミノ酸から作られます。
髪を作っている毛母細胞にこのタンパク質が行き届くことによって発毛や育毛が促進されます。
ゆえにアミノ酸を含む蜂の子は発毛や育毛にとって効果的な栄養を含んでいるといえます。

さらに、蜂の子は不眠にも効果があります。
なぜなら蜂の子には自律神経を安定させる作用*があるからです。
蜂の子によって不眠が改善されれば、不眠からくる疲れがとれやすくなる効果も見込めます。

*内臓や血管をコントロールする、神経の働き

蜂の子の摂取方法

伝統的な摂取方法

蜂の子は日本だと長野県や岐阜県などで古くから食用されており、クロスズメバチやオオスズメバチ、ミツバチ、アシナガバチなどの蜂の子が食べられていました。
蜂の子は炊き込みご飯や、甘辛く煮た佃煮にして食べることが多く、山間部においては貴重なタンパク源でした。
また、日本だけでなく中国においても漢方の主原料として用いられるなど、古くから滋養強壮に効果がある食物として珍重されてきました。

現在の摂取方法

現在でも蜂の子は栄養豊富な食物として、伝統的な調理方法で食されています。
特に日本の山間部では、現在でも成虫とともに蜂の子は好まれています。
現在では蜂の子の栄養価を抽出した健康食品なども存在し、蜂の子の有用性は幅広い世代に受け入れられています。