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●『ボルトロン』の歴史のまとめ。その2

2016.06.22 Wed

▼『ボルトロン』30年ちょいの歴史・その2:

 続き。


▼「その2」の時代背景:

・オリジナルの『ボルトロン:ディフェンダー・オブ・ユニバース』が完結してから10年ちょい、当時『ボルトロン』を見ていた子供が大人になって、送り手に回るようにもなった、1990年代後半頃の話。

・WEPは細々と『ボルトロン:ディフェンダーズ・オブ・ユニバース』全52話(つまりオリジナルの「ライオン・フォース」のみ)を、カートゥーン専門のケーブルテレビ局(ニコロデオンとか)で再放送しておりました。

(なお、前回述べたように、『ビークル・ボルトロン』は、本放送以来、全く再放送されませんでした。すなわち『ボルトロン』再放送以降の世代にとっては『ボルトロン』=「ライオン・ボルトロン」という認識が浸透していきます)

・で、ケーブルTV局大手のカートゥーン・ネットワークでの、『ボルトロン』の再放送の視聴率が良かったので、WEPは「いっちょ『ボルトロン』で、また一儲けしてやろうか」と思ったのでした。

・と、いった具合。


▼『ザ・ニュー・アドベンチャーズ・オブ・ボルトロン』:

・1997年秋から1998年秋にかけ、各シンジケーション局で放映された番組。

・「ニュー・アドベンチャー」と銘打たれたものの、実際にはオリジナルの『ボルトロン』のシーズン3のフィルムに、CGエフェクトを追加した程度のもの。

・一応、建前上は「新作」ということで、シンジケーション局の中でも、新作を放映する「ファースト・ラン・シンジケーション」系の局で放映されていたという。

・ちなみに『ボルトロン』と並ぶ1980年代を代表するTVアニメであるところの『トランスフォーマーズ』も、1990年代初頭にオリジナルの『トランスフォーマーズ』のTVアニメにCGエフェクトを追加して「新作」ということにした『トランスフォーマーズ:ジェネレーション2』を放映している。


▼番外:「スプライト」TVCM:

・おなじみのコカ・コーラ社の清涼飲料水「スプライト」とタイアップした、『ボルトロン』のTVCM。1998年8月から11月にかけ、全米で放映された。

・このCMは、部分的に(キング・ザーコンの登場するカットのみ)、オリジナルの『ボルトロン』の映像を流用してはいるが、本編自体は新作である。アニメーションの製作を担当したのは、広告用のアニメーションを多数手がけるワイルドブレイン社。

・細かいことはいいから、このYouTubeにアップされてる動画を見なさい。


・なお「のどの渇きを感じろ」「イメージではない」「直感を信じろ」「スプライトを飲むのじゃー」といった、諸々の謎日本語字幕がついているが、普通にこの字幕付きで放映されてた模様。

・このCMの製作を担当したのは、シカゴの広告代理店バーレル・コミュニケーションズ。同社はアフリカ系アメリカ人を対象とした広告代理店で(アメリカではそういう会社が普通にあるのですね)、その分野に置いては当時最大手であった。また、クリエイティブ・ディレクターを担当したのは、アフリカ系アメリカ人の“レジー・ノウ”ことレジナルド・ジョリーと、トッド・N・トリプレットの2人。

・で、なんでヒップホップ・ミュージシャンがボルトロンに乗り込む、なんていうCMが作られたかというと、だ。

・そもそもこの当時(1990年代後半)のヒップホップ界は、西海岸・東海岸のラッパーたちが互いに罵倒しあい、「ラップの東西戦争」と呼ばれる程の殺伐とした状態にあった。1997年に、人気アーティストのトゥパックと、ノートリアスB.I.G.が連続して銃殺されるに至り、シーンはいよいよ凄惨な様相を呈していた。

・こうした状況を憂慮したトリプレットは、“都会に住む若者にアピールする広告を”との依頼で持ち込まれた、このスプライトのCMを通じ、東西のヒップホップ・アーティストを団結させようと考えた。

・そしてヒップホップと日本製アニメ、それにカンフー映画で育った世代のレジー・ノウは、“ヒップホップの団結の象徴”として、5体のメカライオンが合体する『ボルトロン』を用いることを提案。トリプレットもそれに同意し、企画が動き出す。

・こうして、ファット・ジョー(東海岸代表)、コモン(中西部代表)、グッディ・モブ(南部代表)、マックス・テン(西部)、アフリカ・バンバータとジャジーJ(オールド・スクール代表)といった、各地域の人気ラッパーが集った空前絶後のCMが製作された。

・これだけの面子を集めたことで、CMの製作費は実に1500万ドル(アーティストへのギャランティ含む)にもなったという。

・このCMは、全5話の構成で、第1~4話までは、メカライオンに乗ったラッパーたちが悪の軍団にバラバラに攻撃をしかけ敗北。しかし最終回で、団結した5組のラッパーは、ボルトロンに合体し、パワーを1つにして悪の軍団を倒す、という流れになっている。実に明確なメッセージだ。

・で、このCMは好評を博し、当時は清涼飲料水の市場で7位だったスプライトを3位にまで押し上げた。

・当時のコミック誌にも、この様なカラー広告が掲載された。「カッコいいからあちこちに日本語を配置するぜ。どうせアメリカ人には解りっこないさ」という、ミもフタもなさが素晴らしい。誰だこれ作ったデザイナー。



▼『ボルトロン:ザ・サードディメンション』:

・WEPが満を持して送り出した新作TVアニメ。通称『ボルトロン3D』。

・当時は『リブート』(1994年)や、『ビースト・ウォーズ』(1996年)といった、フルCGアニメ作品がヒットしていたのを受け、本作もフルCGアニメとして製作された。

・本放映は1998年9月12日~2000年2月19日。全26話、2シーズン。なお第1~17話までがシーズン1で、第18~26話がシーズン2という配分。

・アニメの製作担当は、当時の人気実写SFTVドラマ『バビロン5』で、スペースコロニー等の3DCGを手掛けたネッター・デジタル社が担当した。

・WEPいわく、「初の北米単独製作の3D CGIのTVアニメーション作品です」(※先行作品である『リブート』、『ビーストウォーズ』はカナダ製作なので)。

・内容は、『ボルトロン:ディフェンダーズ・オブ・ジ・ユニバース』の直系の続編。主要キャストは、オリジナルの『ボルトロン』の声優が続投し、参加できなかったキャストには、似た声質の人間を起用と、オリジナルのライオン・ボルトロンを見ていた世代&再放送で『ボルトロン』を見た世代に向けた内容となっている。

・ただその、本作は「ライオン・ボルトロン」の直系の続編であり、ビークル・ボルトロンは一切登場しない。しないのだ。


・物語の基本設定はこんな感じ:今から5年前、我らがライオン・フォース・ボルトロンは、仇敵のプリンス・ローター率いる艦隊との最終決戦に勝利し、銀河に平和が訪れる。

・一方、ローターの父親で、ドゥーム星の独裁者だったキング・ザーコンは、突然慈愛に目覚め、ギャラクシー・アライアンスに加入。平和公使として名を馳せていく。

・平和な時代の訪れを受け、ボルトロン・フォースは解散。メンバーは思い思いの人生を歩みだす。

・やがて5年後、ローター(最終決戦で重症を負い、サイボーグになっていた)は、投獄されていた監獄惑星からの脱獄に成功し、ハガー・ザ・ウィッチと共に破滅の艦隊を復活させる。

・これを受け、再集結したボルトロン・フォースの面々は、ボルトロンを駆り、ローターの軍勢に立ち向かっていく。

・しかし、ボルトロン・フォースの敵はローターだけではなかった。改心したはずのキング・ザーコンは、実際にはローターと通じていた。その上ザーコンはギャラクシー・アライアンスの指導者であるアンドロイド、アマルガムスを篭絡し、彼がボルトロン・フォースに不都合な命令を発するよう仕向けるのだった。

・激しさを増す戦いの中、ボルトロンは秘められた超パワーを解放していく! ……とかなんとか。


・まあ、ボルトロン公式がYouTubeにアップロードしている『ボルトロン:3D』第1話で、その辺の基本設定は語られてますので、見ると良いのではないでしょうか。


・まあ、この第1話をご覧いただければわかる通り、本編のCGは、先行作の『ビーストウォーズ』などに比べて、一段レベルが劣っている感がある。

・ネッター・デジタルは本作でフルCGのTVアニメを初めて手がけるので、発展途上なのはしょうがない、ともいえるが。

・とはいえ、あまり新キャラクター、新メカ、新たな舞台を用意できない、といった、当時のフルCGTVアニメの制約の中で、割かしネッターデジタルは頑張っていたと思う(2シーズンで2回くらい総集編をしてるあたり、結構逼迫した製作事情が伺えるが)。

・まあ、そんな感じで、諸々文句はいわれつつも、『ボルトロン:3D』はシーズン2まで好調に放映が続き、シーズン3の製作も進められていた。

・が、そのさなかにネッター・デジタルが経営に破たんを来たす、という不測の事態が生じる。

・当時のネッター・デジタルは、レギュラーだった『バビロン5』のCG作成を他社に取られ、代わりに担当することとなった『クルセード』(『バビロン5』のスピンオフ)が、諸事情により放送開始前に打ち切り決定(全13話)という、不幸のコンボを食らっており、結果、経営破たんした。

・そんな訳で、『ボルトロン:3D』は、2000年2月19日に放映された第26話を事実上の最終話に、シリーズは終了した。

・物語自体は、第25話で、仇敵キング・ザーコンの本性を暴いた上で打倒していたので、まあ、一応の決着はついていたものの、シーズン2で提示された諸々の伏線は、若干、放置されたままとなった。


・ちなみに、この『ボルトロン:3D』のシーズン2では、オリジナルの新型ボルトロン、「ステルス・ボルトロン」が登場している。


(本編のいい画像が見つからなかったので、このブログで過去に紹介したステルス・ボルトロンの画像を引用)

・このステルス・ボルトロンは、第19話にて初登場しており、謎の世界「ステルス・ディメンジョン」にボルトロン・フォースが突入したら、何故かメカライオンが変異した姿。……なので、日本の戦隊ものでいうところの「2号ロボ」ではなく、仮面ライダーでいう「別フォーム」的な位置づけになる(ステルス・ディメンジョンから元の世界に戻ると、元のメカライオンに戻る)。ちなみに合体方法はボルトロンと一緒。

・なお、「何故ステルス・ディメンジョン」に突入するとステルス・ボルトロンになるのか」という謎に関する説明は、本編では一切なされていない(あるいは、シーズン3で明かされる予定だったのかもしれないが)。

・ちなみに『ボルトロン:3D』第23話は、「プリンス・ローターがボルトロンを奪い、銀河を征服した」平行世界に紛れ込んだボルトロン・フォースが、その世界のボルトロン・フォースと共闘し、最終的に平行世界のボルトロンと、ステルス・ボルトロンが共闘するという、なかなかに燃える話となっている。

・ちなみに当時、『ボルトロン』の玩具を精力的にリリースしていたトレンドマスターズ社からは、更なる新型ボルトロン、「ボルトレックス」も発売されていた。ちなみにこいつは5体のメカ恐竜が、いつもの5体合体をした上で、背中にメカ・プテラノドンが合体するという、シリーズ初の6体合体ロボ。もしもシーズン3が製作されていたら、こいつが登場していたのかもしれない。


・ちなみに筆者は昔ヤフオクで、このボルトレックスの玩具を落札したのだが、本体のメッキが劣化していて、触るとメッキが剥げるため、合体すらできずに閉口した(どうでもいい)。

・また、『ボルトロン:3D』本編には、ボルトロンの仇敵として、意思を持ったメカドラゴン5体が合体する「ドラコトロン」が登場していたのだが(やはり合体方式はボルトロンと同じ)、こいつは玩具の試作品まで作られておきながら、発売はされなかった。

(なお、この試作玩具の写真だとボルトロン同様カラフルな塗り分けだが、本編では銀一色)

・そんなわけで、『ボルトロン:3D』は2000年初頭に終了し、『ボルトロン』は再びの休眠期に入ることとなる。

<ツヅク>
  
  
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●『ボルトロン』の歴史のまとめ。その1

2016.06.16 Thu

▼『ボルトロン』30年ちょいの歴史・その1:

 うぃす。俺です。

 こう、ここ最近、映画『デッドプール』の小ネタや、ネットフリックスでの新作の放送で、微妙に注目を集めている『ボルトロン』について、大雑把にまとめたテキストを、書きたくなったので、書く、そんなエントリ。

 ……が、「大雑把」と言いつつも、「俺が納得できる最低水準の情報量」を盛り込んだ結果、スゲェ長くなったので、ひとまず「その1」として、いわゆる「クラシック・ボルトロン」までの紹介とする。

 予定としては「その2」は1990年代の例の「スプライト」のCMの話と『ボルトロン サード・ディメンジョン』、「その3」は21世紀入ってからの『ボルトロン・フォース』と『ボルトロン:レジェンダリー・ディフェンダー』について語る感じで。


▼本テキストの用法:

 その、お仕事で『ボルトロン』のことを書く必要が生じたけど、『ボルトロン』について何にも知らないライターとかは、このエントリで公開してる情報を好きにコピペして良しとします。間違った情報を書かれるくらいなら、おパクリください。あとwikiとかに転載も自由とします。

 ただ、「コピペした上で、語尾とか単語を変えて誤魔化す」とかいう、無駄な努力はやめてね。

 その、昔、俺の書いたテキストを丸々コピペしつつ、細部の単語を変えてた人がいたのだけど、その人、オレのテキストの「通過」って単語を「透過」って置き換えててさ。「通過」と「透過」じゃ意味が変わるじゃない。

 語尾とか単語変えた「小手先の改変」でも、あなたがコピペしたことは、読めば解ります。そんなことに一生懸命になった結果、誤った情報を拡散してしまうとか、最悪ですので。お願いだから、丸々コピペしといてください。


▼余談:

 ああ、ところで、「うわぁ、このテキスト、すごい役に立つので、筆者の人にお礼がしたいけど、僕に何ができるだろう」とか思ったそこのキミ。

 話は全く変わるけど、この文章のちょうど右の方に表示されてるバナーをクリックしたり、このエントリ内に貼ってるAmazonアフィリエイト・リンク経由でAmazonで買い物すると、俺に何円かお金が支払われるんだ。知ってたかな(真顔)。


 なお、面倒臭いので箇条書き。


▼『ボルトロン』誕生まで:

・『ボルトロン』は、北米地域にて(後にはカナダ、スペイン、イタリア、オーストラリア等で)放映された、TVアニメーション・シリーズである。オリジナル版は1984~1986年にかけて放映され、その後いくつかの続編が製作された。

・この『ボルトロン』は、元々は日本産のTVアニメ、『百獣王ゴライオン』(1981年)、『機甲艦隊ダイラガーXV』(1982年)をアメリカ向けに翻訳・再編集したものである。両作は日本の映像会社、東映(テレビ部)が製作を担当した作品である。

(今回は『ゴライオン』、『ダイラガー』他については特に掘り下げないので、各自、別の場所で情報を得ること)

・『ボルトロン』の製作元は、北米地域にてTV番組製作・流通を手がけるワールド・イベント・プロダクションズ社(World Events Productions、略称WEP。公式サイト)。

・WEPは1984年に東映から『ゴライオン』、『ダイラガー』、『光速電神アルベガス』の3本の東映作品の放映権を取得し、これらを元に北米向けのアニメーションシリーズを製作しようと試みた。

・ただしこのうち『アルベガス』は、「何かあった時のための保険」的な作品として権利を取得しただけであり、結果的に放映は見送られた。

・ただし、放送当時にマッチボックス社から発売された『ボルトロン』の玩具シリーズには、ゴライオン、ダイラガーと共にアルベガスの玩具もラインナップされていた(これらは主に日本の「超合金」のライセンス品で、武器やミサイル発射機構がオミットされる等、北米の安全基準に合わせたものとなっていた)。

・当時のマッチボックスの広告。


・なお、WEPは元々は東映から『未来ロボ ダルタニアス』と『ダイラガー』、『アルベガス』の放映権を取得するつもりだったが、色々あって、『ダルタニアス』は『ゴライオン』にとって代わられた。

・このゴタゴタのお陰で、北米では「WEPは『ダルタニアス』の権利も取得していた」「ハワイでのみ『ダルタニアス』版が放映された」等といった都市伝説も生まれている。

・なぜ『ダルタニアス』が『ゴライオン』になったかは、前にも紹介したこの『ボルトロン』30周年記念本に詳細が書かれている。
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▼『ボルトロン』誕生まで・その2:

・『ボルトロン』が日本で紹介されるときは、大概、「『ゴライオン』と『ダイラガー』という2本のロボットアニメを再編集して製作された作品」と言われる。まあ、これはその通りである。

・ではなぜこの2作品は、合体されたのか。それは当時の北米地域のシンジケーション市場(地方局や独立局などに対し、TV番組を売る流通システム)における「子供番組」のレギュレーションの問題であった。

・要するに、当時のシンジケーション市場では、子供向け番組は「月~金まで放映する帯番組として、1クール(13週間)放映できるだけの話数」、つまり5×13=65話分の話数を用意しておくことが最低条件であった(なお、「65話用意すること」が条件でも、局側の都合もあるので、必ずしも65話放映されるわけではない)。

・そして『ゴライオン』にせよ『ダイラガー』にしても(あるいは『アルベガス』にしても)、その話数は「全52話」であり、それ単体ではシンジケーションの要求を満たせなかった。そのため、別の作品から何話か話数を足すことで、「65話」にする必要があったのだ。

・ちなみに「『ゴライオン』と『ダイラガー』を再編集した番組」という語感から、『ボルトロン』がこの2作品のフィルムを切り張りして、文字通り物語を合体させたような番組である……と思われた方もいるかもしれないが、そんなことはない(というか、そんな手間ひまかけて番組を作ってられない)。1話1話は普通に、オリジナルの『ゴライオン』や『ダイラガー』の話を踏襲している。

・『ボルトロン』における「再編集」というのは、基本的に、オリジナルの『ゴライオン』、『ダイラガー』の物語の「残虐なシーン」など、北米地域のTV番組のレーティングに引っかかる部分をカットする感じである。──特に、オリジナルの『ゴライオン』は、敵のガルラ帝国が、奴隷を残酷に殺す、突飛な作戦で一般人を虐殺するなど、不必要に残虐なシーンが多かったので、再編集の手間がかかったという(時にはカットしすぎで尺が足りなくなったので、他の話から「みんなが揃って、“これからも頑張ろうぜ”的なことを言うシーン」を持って来てラストに足し、尺を稼いだりもした)。


▼『ボルトロン:デェイフェンダー・オブ・ジ・ユニバース』:

・オリジナルの『ボルトロン』。現在でいうところの「クラシック・ボルトロン」。1984年から1986年にかけて全3シーズン(124話)+TVスペシャル1本が放送された。

・以下、各シーズンについて紹介する。


▼『ボルトロン:デェイフェンダー・オブ・ジ・ユニバース』シーズン1:

 本放送は1984年9月10日~1984年11月27日にかけて帯番組で放送。全61話(『ゴライオン』全52話+『ダイラガー』9話分)。物語は『ゴライオン』がメイン。本作の主人公チームは、主役メカに因み「ライオン・フォース・ボルトロン」(あるいは単に「ライオン・フォース」、「ライオン・ボルトロン」)とも呼ばれる。

・当初WEPは、『ゴライオン』と『ダイラガー』を同じペースで再編集を行いつつ、『ゴライオン』を7話ほど放映した後に、『ダイラガー』を3話ほど放映して、視聴者の様子をみた。結果、「『ゴライオン』が非常に評判がいい」というデータが得られたため、以降は『ゴライオン』の再編集に注力することとした。それでも、シンジケーション局から要求された話数を満たす必要があったため、「ライオン・フォース」の放送の合間合間に『ダイラガー』の再編集版を放映し、全61話を送り出した。

・ちなみにオリジナルの『ゴライオン』では、第6話「勇者銀の死」で、ゴライオンのパイロットの1人、銀 貴(しろがねたかし/『ボルトロン』ではスヴェン)が死亡するという展開があるのだが、『ボルトロン』においては、レーティングの問題からスヴェンは死亡したのではなく「重症を負って別の星に送られた」ということにされた。このため『ゴライオン』6話ラストの銀の葬式のシーンは、丸々差し替えられ(何故か「みんなで楽しくパーティをしているシーン」に差し替わった)、主人公キース(『ゴライオン』の黄金 旭)が「スヴェンは重症を負って離脱したけど、ボルトロンはこれからも悪に立ち向かうぞ」的なセリフを言って話を締めた。

・これに関しては、今現在、YouTubeのボルトロン公式チャンネルで、「クラシック・ボルトロン」と『ゴライオン』の初期の話を公開しているので、実際に見比べてもうらうのがいいだろう。

・こちらが『ゴライオン』第6話「勇者銀の死」


・21:41位から、銀の葬式のシーン。

・こちらが『ボルトロン』第6話「The Right Arm of Voltron」


・22:09あたりから、差し替えられたパーティーのシーン。

・また、『ゴライオン』のラスト付近には、悪のガルラ帝国に抵抗するゲリラ勢力のリーダーとして、銀 貴の弟の銀 亮が登場するのだが(ちなみにキャラクター・デザインや声優は銀 貴そのまま)、『ボルトロン』では、これは「敵に囚われていたスヴェン本人」ということにされた。

・更に、『ゴライオン』のラスト付近では、敵のガルラ帝国(『ボルトロン』のドゥーム星)の独裁者であるダイ・バザール大帝王(キング・ザーコン)と、その息子のシンクライン皇子(プリンス・ローター)、側近の妖婆ホネルバ(ウィッチ・ハガー)の3人はいずれも死亡するのだが、『ボルトロン』においては再編集によって3人とも生き延びていることになった。


▼『ボルトロン:デェイフェンダー・オブ・ジ・ユニバース』シーズン2:

・大好評を博したシーズン1に引き続き放映されたシーズン2。

・オリジナルはシーズン1の終了から2週間程後の1984年12月14日に放送開始。翌1985年3月5日に完結。全43話(要するに『ダイラガー』の未放映分全部)。こちらは乗り物が合体する主役メカに因み、「ビークル・フォース・ボルトロン」(あるいは「ビークル・フォース」、「ビークル・ボルトロン」)とも呼ばれる。

・なお、大元の『ダイラガーXV』は、割と「スーパーロボットもの」としては異色の作品というか、敵側のガルベストン帝国の将官テレス司令が地球と和平を結ぶために尽力する、という政治ドラマの部分にも結構な尺を割いている大河ドラマだった。

・で、シーズン1がヒットした理由には、大元の『ゴライオン』が「5人の勇士が亡国の姫君を助け、伝説の巨大ロボットに乗り込み、悪の大帝王に立ち向かう」という、まあ、解りやすい物語を、シンプルな1話完結の形式でやったことが、まあ、少なからず理由にあったと思うのだが。

・一方、このシーズン2は、「三惑星連合(『ボルトロン』ではギャラクシー・アライアンス)とガルベストン帝国(『ボルトロン』ではドルール帝国)が移住可能な惑星を巡って小競り合いを続け、やがて全面戦争に発展する」という、「なんか小難しい話」で、しかも物語は割合に連続性が重んじられていたので……まあ、要するに、ちょいと敷居が高い話で、アメリカの子供には受けが悪かった。

・WEP側も、視聴者の反応から、「これ、ちょっと、駄目だね」ってのを感じていたようで、結果的に、このシーズン2は「本放送以来、再放送されない」という憂き目に会う。

・また後にWEPが『ボルトロン』シーズン1を再放送する際には、オリジナルの全61話分から『ダイラガー』から持って来た9話分をなかったことにして、「全52話」をシレッと放映した。

・当然、ソフト化なんかもされず、『ボルトロン』ファンは、たまたま本放送を録画していたファンからビデオテープを借りるという手段で、ようやくシーズン2を見ることができた。

・そんな具合に、ビークル・ボルトロンは、本放送から20数年を経た2008年、メディアブラスター社から『ビークル・ボルトロン』DVDボックスが出るまで、マジで幻の作品だった。

・この様に、ビークル・ボルトロンは、四半世紀近く「封印作品」的な位置に置かれ、また、後年の『ボルトロン3D』や『ボルトロン・フォース』、『ボルトロン:レジェンダリー・ディフェンダー』といった続編は、全て「ライオン・ボルトロン」のみをモチーフとし、関連商品もまずライオン・ボルトロンが商品化される……といった具合の扱いを受けていたために、現在のアメリカ人は『ボルトロン』といえば、ライオン・ボルトロンの方だけを思い浮かべる、といっても過言ではない(映画『デッドプール』でも、ライオン・ボルトロンにしか言及していない)。

(デビルズ・デューから出ていたコミック版『ボルトロン』にビークル・フォースが登場してた? 1ストーリーアークのゲスト程度の扱いでしたよね? ソフビや合金玩具化されてる? マニアックな会社からしか製品化されてないです。アパレルとかも精力的に展開しているライオン・ボルトロンとは比べ物にならないです)

・こう、個人的には、日本で『ボルトロン』が紹介される際の例の一文、「『ボルトロン』は『ゴライオン』と『ダイラガー』を再編集・合体させた作品」という文言に対して、割と「まあ、ほぼ『ゴライオン』だけどね……」とか、脳内ツッコミをしております(どうでもいい)。

・こちらはYouTubeにアップされているビークル・ボルトロン第6話。DVDボックスをリリースする際に作ったリマスター版がソースらしく、恐ろしく画質がいい。



▼『ボルトロン:デェイフェンダー・オブ・ジ・ユニバース』シーズン3:

・「ビークル・フォースの次のシーズンどうする? 『アルベガス』にする?」「いや、ライオン・フォース・ボルトロンが大人気だから、こいつを推してこうよ」……的な経緯で作られたんじゃないかと思われる(信じないように)、第3シーズン。

・人気の高い「ライオン・フォース」をメインに据えた新規エピソード。全20話。「ビークル・ボルトロン」最終回の約半年後の、1985年10月21日~同年11月18日まで放映。

・ちなみに作中にはビークル・ボルトロンは一切登場せず。辛うじて、ビークル・フォースのサブキャラクターであるスペース・マーシャル・グラハム(『ダイラガー』の若狭長官)が数話登場する程度。

・製作体制は、脚本をワールド・イベント側が担当し、アニメ本編の製作を東映側が担当するという体制になる。

・なお作画は、東映から葦プロダクションに発注された(当時、葦プロにいた羽原信義も参加したらしい)。初期の話数はそれなりに見れたが、シーズン後半はかなりヒドい。

・物語自体は、「ライオン・フォース」の最終回から続いており、シーズン1後半の準レギュラー、ロメル姫(『ゴライオン』のアミュー姫)や、スヴェン(元になった銀 亮は、『ゴライオン』では最終回で死ぬのだが、『ボルトロン』では再編集により健在)らが、引き続き登場。アルーラ姫が敵に捕らわれてしまい、スヴェンが再びブルーライオンに乗り込む回なんかもある。

・悪役には、シーズン1の最終回を(再編集により)生き延びたキング・ザーコン、プリンス・ローター、ハガー・ザ・ウィッチに加え、新たな悪役コサック・ザ・テリブルと、ローターの婚約者でドゥーム星の玉座を狙うクイーン・メーラが登場。

・ただ、シナリオ的には「シリーズ構成いないだろ、おい」という感じで、前半では典型的な悪役だった新キャラクターのクイーン・メーラが、ラスト数話で何の説明もなく改心し、プリンス・ローターを改心させようと尽力する、とかいう展開になったりする。

・最終回は、プリンス・ローターが改心しました! ウソでした! 敵の本拠地ドゥーム星に乗り込みました! 実は偽のドゥーム星でした! とかいう感じで不完全燃焼気味。まあ、アメリカのアニメらしい、「次に続けられそうな感じ」のオチではあるが。


▼『ボルトロン:フリート・オブ・ドゥーム』:

・シーズン3の終了後、1986年に放映されたTVスペシャル。全1話、約50分。

・ストーリー的には、「ライオン・フォース」の仇敵キング・ザーコン&プリンス・ローターと、「ビークル・ボルトロン」の仇敵ヴァイスロイ・スロック(『ダイラガー』のアル・カポネーロ総司令)が手を組み、「破滅の艦隊」を結成。これに対し、ライオン・フォースとビークル・フォースの2大ボルトロンが立ち向かう、という具合。

・ただし、「共演」といっても、ストーリーのメインはライオン・フォースで、ハガー・ザ・ウィッチの魔術の眠りに囚われたアルーラ姫を救うため、キースが夢の世界に乗り込んでいくくだりが、物語のメインを占める。

・ビークル・ボルトロンは最後の最後に戦場に駆けつけ、ライオン・ボルトロンと共にラスボス(ドルール・ボルトロン)と戦うという程度の役割。



・本作の東映側のプロデューサー、田口勝彦(元々『ゴライオン』のプロデューサーであり、『ボルトロン』シーズン3のプロデューサーも担当)は、「2ヵ月半でTVスペシャルを納品せよ」という無茶振りに対し、自分で脚本、絵コンテを書き上げ(合わせて1週間で上げたらしい)、旧知のタツノコプロダクションを通じて韓国、台湾、タツノコ、龍プロダクション(元タツノコの永井昌嗣が立ちあげたスタジオ)に発注しまくってどうにか体裁を整えた。上がって来た動画の撮影も、田口が手伝ったというが、それでも納期までには7割しか完成しておらず、更に1ヶ月かけて修正を加えて完成。直後に田口は肝臓の病気で入院した。

・……というような経緯は、二見書房から出ていた『不滅のスーパーロボット大全―マジンガーZからトランスフォーマー、ガンダムWまで徹底大研究』の、田口勝彦インタビューに詳しい。
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・ともあれ、本作をもって、オリジナルの『ボルトロン:ディフェンダー・オブ・ジ・ユニバース』は完結する。

・シーズン4が作られなかった理由は、当時(1980年代中頃)、急速な円高が進んでいたために製作費が高騰し、日本のアニメ会社に新作を発注するという体勢が無理になっていたのが大きな理由である模様。

・WEPの副社長兼、経理担当のフラス・カノーディアは、『ボルトロン』の製作にあたり、円高によって会社に損失を出した責任を取り、この時期に辞職したという話も伝わっている。

・なお、『ボルトロン』と同時期に人気を博していた『ロボテック』(こちらは『超時空要塞マクロス』、『超時空兵団サザンクロス』、『機甲創世記モスピーダ』の3作品を再編集した作品)を擁するハーモニー・ゴールド社も、同時期に日本のタツノコ・プロダクションに発注して、オリジナルの新作TVシリーズ『ロボテックII:センチネルズ』を製作しようと試みていたが、円高によって製作費が高騰し、約3話分のフィルムを作ったところで企画は頓挫した。

・なお、翌1987年、WEPは、スタジオぴえろ製作の『星銃士ビスマルク』を翻訳・再編集したシンジケーション番組、『セイバー・ライダー&ザ・スター・シェリフス』を送り出し、それなりにヒットさせた(北米地域ではそこそこな人気だっが、まだロボットアニメがさほど放映されていなかった西ドイツに輸出され、望外のヒットとなった)。
  
  
 以上。今日はこれまで。
  
  
<ツヅク>
  
  
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●戻ってきた、の巻。

2016.06.13 Mon

▼戻ってきました:

 ういす。わたくしです。

 この数ヶ月バカシ、Twitterというメディアの方を放浪してましたが、戻ってきました。

 この数ヶ月、Twitterで遊んでてね、フト気付いたのですよ。あのメディア、書き留めた情報があっというまに流れちゃうって。

 Twitterもいいけど、ブログという、それなりな分量のテキストを、書き留められるメディアも、必要だなぁ、と、いうのが、ここ数ヶ月の結論ですね。


 っつーか、こないだ出た、『アメコミ映画完全ガイド2016 バトルガールU.S.A.』の原稿の依頼があったときね、

「そういや、この原稿ですが、Twitter上に詳しい人がいるので、その人に依頼したら面白いんじゃないですかね」

「Twitterの投稿では、面白いことを書いているようですが、長文が書けるのかが不明瞭なので、依頼するのはちょっと……ブログかなにかお持ちじゃないでしょうか(※かなり意訳してます)」

「(その人のブログとか知らなかったので)なるほど、ごもっともです。変な申し出をしました(以下、普通に仕事続ける)」

 ……的なやり取りをしまして。

 まあこの件で、ライターと言う職種にとっては、ネット上で、ある程度自分の原稿のサンプル的なモンを、まあ、それなりな頻度で更新する感じの場があると、仕事の依頼がしやすいのだなぁ、と、今更ながら気付いた次第。

 なので、戻ってきました。

 まあ、戻ってきたとはいえ、次に更新するのが何時かは解らぬのですが。

<オワル>

 ……久々に書いたけど、「このブログのノリ」的なものは、手を動かせば思い出すものですね(まあ、10年続けてきたしな)。
  
  
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●どうでもよき「紙」のハナシ。

2016.01.13 Wed

▼前書き:

 突発的に更新である。

 こう、ツイッターのタイムラインで、コミックブックの「紙質」の話をしてて、それに対して、自分が見聞きした範囲での大雑把なタイムラインを連続ツイートしようと思ったけど、無駄に長くなった上に、書いてるうちにツイッターでの話題の賞味期限が切れたので、こっちにまとめて載せちゃえ、という適当なエントリ。

 連続ツイートしようとしてたのをそのまま持ってきたので、1文が140字以下になってます(どうでもいい)。

 割と自分の体験と印象によるところが多いので、間違っているところもあるかも知れぬので、まあ、そんなに信用しないこと。


▼そんな訳で:

 コミック業界が従来の酸性紙(経年で酸化して臭くなる)から上質紙(あるいは中性紙。経年で劣化しにくい)への切り替えを始めたのは、おおよそ1980年代中頃、ダイレクト・マーケット(大雑把に言えば、出版社が専門の卸業者を介してコミックを流通させるシステム)の体制が整った時期だと思う。

 この時期、大手出版社はダイレクト・マーケット専売のコミックとして、ちょい厚めの上質紙を使ったコミックブックを出し、一方でインディーズ出版社(ダイレクト・マーケットの影響で次々創業した)も上質紙でコミックブックを刊行し……と、業界が印刷の品質に自覚的になりだした感じ。

 ていうか、コミックス業界が印刷に目を向けだしたのは、1970年代末(諸説あり)から台頭した「グラフィック・ノベル」(高級な装丁・上質紙・オフセット印刷の高級単行本)の影響も大いにあると思う。この辺キチンと調べてないけど。

 その後1990年代初頭に創立したイメージ・コミックスは、創立当初から「うちはクオリティ高いコミックブックしか出しませんから」的に、レギュラーのコミックブックに上質紙を使っててな。

 イメージの初期は、従来の「少し厚い上質紙」だったけど、その後、「薄い上質紙」に切り替えて、更にはデジタル彩色も導入して、ますます「ウチは余所とはクオリティが違います」面をしていったのよ、これが。

 んーで、イメージが薄い上質紙を使い出したあたりで、大手のマーベル、DCも「ウチだってそれくらいできらぁ!」的に、イメージと同じ「薄い上質紙・デジタル彩色」に徐々に切り替えてった感じ。

(平行して、各社デジタル・レタリングに切り替えてくが、これは前にこのブログで書いたな

 確かマーベルは、1995年頃から中性紙への切り替えを模索しだしてて、当時の看板だったX-MEN関連誌では、従来の酸性紙を使ったスタンダード・エディションと、上質紙を使ったデラックス・エディション(ちょい高い)の2種のコミックブックを出す、という面倒くさいことをしてた。

 でー、ね、デラックス・エディションとスタンダードエディションって、ウッカリしてると買い間違えちゃうのよ。ビニール袋に入ってると、紙質とかパッと見解らないんで。

 だからうちには当時出た『ガンビット&エクスターナルズ』の第1号が3冊ある。最初にスタンダード・エディション買っちゃって、その後渋谷でデラックス・エディション買ったけど、良く見たら「2刷」で、その後、下北沢でデラックス・エディションの初版を買い直した(どうでもいい)。

 んで、最終的にはX-MEN関連誌では『エイジ・オブ・アポカリプス』完結後の新展開に合わせて、スタンダード・エディションが廃止され、他のタイトルも随時上質紙に切り替えてった、と。

 ちなみにこの時期のマーベルは、人気タイトルを上質紙に切り替えつつ、従来の酸性紙を使い、価格を99セントに抑えた『アントールド・テールズ・オブ・スパイダーマン』みたいなタイトルを出したりもしてましたな。過渡期の試行錯誤という奴です。

 詳細は憶えてないけど、DCも同時期に上質紙に切り替えてったはず。1994年の『ゼロ・アワー』が従来の酸性紙だったのが、1995年の『アンダーワールド・アンリーシュド』では上質紙使ってたから。

 以上。大体こんな感じ。

 穴のある部分は、このエントリのテキストをコピペするなりして、ツイッターでツッコむとかしていただければ幸い。
  
  
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●11月からのわたくし。

2015.12.17 Thu

 こう、この1月くらいのわたくしの日常に起きた出来事をダラリと書くという、長くなるだろうに、あんま面白くならなさげなので、どうにも手が動かなかったソレを、まあ、とりあえずここはオイラの日記帳であるからして、つまらぬ話でも書くは書く、とかいう感じでシブシブお送りするエントリ(読む人に失敬ですよ)。

▼海外マンガフェスタに行った:

 行っていたのです。実は。

 当日は会場時間の11時くらいに会場に着く位の時間帯に出発。初めて大井町線経由で二子玉川の辺から国際展示場へ行ってみたけど、早くて楽チンでよかったです。

 こう、公式HPの注意事項とかは一応チェックした上で(会場ではマナー良く振舞いたいものですね)、会場がどこホールとかはあえて細かく調べない(理由:ブログのネタになるので)というスタイルで赴いた所、見事にビッグサイトで同日開催の別の同人誌即売会の列に並びそうになる。いえーい(地獄に落ちろ)。

 その後、待機列を見つけてコミティアに入場。海外マンガフェスタの会場へ向かう。


 Sparklight Comicsの卓に行って、ヤマネマキさんとCaptain Yさんに途中のコンビニで買ったスポーツドリンク等を差し入れしつつ、『アクアパンク』1巻を購入。

 でー、ヤマネさんに連絡先を聞かれて、まあ会社の名刺を渡すものの、「そうか、オイラのブログには個人的な連絡とかをする手段がないのか」という事実に今更気付き、「Twitterのアカウントを取る時が来たか……」などと、思ってみたりする(伏線)。

 その後、yokkunやロヒキアさんのいるだろう辺りに行こうかと思うも、人が多いのでアッサリ断念。ふと眼前に、『トランスフォーマーズ』のいまや重鎮アーティストであるところのグイド・グイディ先生の卓があったので、並ぶ。

 数メートル先で、ねこの人さんが、確かグリヒルさんの列の最後尾で列整理に当たってるのを見るともなく見つつ、待機。あと、幾度かアメコマー菅野産とすれ違ったり。

 待機列の脇を頻繁に行き来する身長2メートルの痩身の男性がいて、「ああ、あれが噂に聞くハイドラーさんだな」と思う。

※ハイドラー(アンドリュー・ホールさん):『トランスフォーマーズ』の大物ファン。今回、来日した『トランスフォーマーズ』関連の作家さんの通訳とかガイドとか担当していた1人……という説明で良いかしら。


 んでもって、卓の方に目をやると、スケッチブック、プリントの販売の他に、「来週受け取りに来れる方に限り3,000円でコミッションを受け付けてます」とか書いてあって、「……遂に、俺もコミッションを購入する時が着たか」とか思う。

 でー、俺の番が来まして。スケッチブック2種と、ホットロッドのプリントを購入。それぞれにサインを書いているグイディ先生(イタリア人)に、日本語で「コミッションを申し込みたいのですが」と、言う。

 したらグイディ先生、「Commission?」と返してきたので「いえーす、いえーす、こみっしょーん」と、阿呆極まる発音の英語で返す。……通じればいいねん、通じれば。

 でー、先生がメモ帳を取り出して「何描く?」って英語で聞いてきたので、今購入したプリントを指差しつつ「ほっとろっど!」と、言う。……通じればいいねん、通じれば。

 さらに「どのホットロッドだい? ロディマスコンボイ?」とか(英語で)聞いてくるグイディ先生に、「ほっとろっど! G1すたいる!」と、無駄に気合のこもった返答を返したところで、通訳のハイドラーさん登場。

 ……ええ、上記のような感じでグイディ先生と気合で会話してれば、そのただならぬ雰囲気を察知して、日本語のできるスタッフが来るだろうと計算した上で、コミュニケーションしてました(本当です)。

 でー、ハイドラーさんからコミッションは、来週日曜に行われる『トランスフォーマーズ』の同人誌即売会「オール・ヘイル・セイバートロン」の会場で受け取れる、という説明を受けて、了承して、任務完了。

 ていうか、コミッションの引き取りは、依頼者がメモ帳に記入した名前を名乗る程度のユルさで、依頼者側の善意によって成立してる方法でな。メモ帳にオイラの名前を記入しながら、「このメモ帳に記載されてる名前を覚えれば……いやいや」とか、ちょっとだけ思う。


 その後、その辺をうろついて、更にアメコマー菅野さんとすれ違ったり、とおるさんに会ったり、人混みの彼方にロヒキアどんを見つけて「うむ」と思ったりした。

 でー、グイディ先生の卓で買った荷物を適切に仕舞える様な収納具とかを持ってきてなかったんで、「どうすべぇ」と思ってたら、京都精華学園のマンガ学部の卓でクリアファイルとトートバックを無料配布してたので、もらって適切に収納した。


 そんな感じで、もう少々うろついて、満足したので、帰った。


▼その後(ダイジェスト):

・1週間後:「オール・ヘイル・セイバートロン」の会場にコミッションを引き取りに行った。

・ハイドラーさんいわく、「まだペン入れが終わってない」と言われ、こちらも用事があって、会場に長く留まれなかったので、ハイドラーさんに名刺を渡して、仕事場宛てに送ってもらうことに。というか、3,000円のコミッションでペン入れまでしてもらえることがありがたいなぁ、と。


・更に1週間後:コミッションが届かないので、ハイドラーさんに連絡しようと思ったが、Twitterぐらいしか連絡先がわからない。

・Twitterアカウントを取得して、DMを送ろうとする(そんな訳で、唐突にTwitterを始めたのよ)。

・が、相手とプライベートなやり取りをするには、相手にフォローしてもらわねばならぬことを知る。

・ハイドラーさんが取締役をしている会社のHPの「お問い合わせ」のページから、どうやら連絡取れそうなのでトライしてみる。

・「実は、グイディ先生はまだコミッションを描き上げてなくて、完成し次第イタリアから送る手はずとなっています」という連絡を頂く。ていうか、3,000円のコミッションのやり取りに国際郵便使うとか、明らかに赤字だろうにと、申し訳なく思う。


・その後:発送連絡はありましたが、船便なので到着はまだ先です。<今ここ。


 その様な具合です。

<完>
  
  
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