損害保険ジャパン(損保ジャパン)ではグループで合計5000人以上の社員が16の業務について、セールスフォース・ドットコムのSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)アプリケーションを利用している。日本郵政グループでも、4万人以上がセールスフォースを使い始めた。
これら2社だけではない。システムを自社で持たず、インターネット経由のサービスとして利用するSaaSは確実に広まりつつある。
SaaSの最大の魅力は「開発のスピードが革新的に向上すること。決して大げさではない」(損保ジャパンの柱本裕IT企画部課長)。しかもSaaSは「すぐに導入でき、ダメならすぐにやめられる」(郵便局会社の松波栄治システム企画部企画役)。
特に導入が進んでいるのはCRM(顧客情報管理)をはじめとしたフロント業務にかかわるシステムだ。SaaS先進国ともいえる米国では、人事管理のサクセスファクターズやワークデイ、調達業務のリアーデン・コマースなどが利用企業を増やしつつある。日本でも活動しているネットスイートのように、ERP(統合基幹業務システム)パッケージを提供するベンダーも現れた。
07年末にもSaaSビジネスを本格化させる方針である富士通の五十嵐司マーケティング本部企画部部長は「米国の状況は来年度以降、確実に日本にもやってくる」と断言する。普及し始めたSaaSの実力を探った。
<目次>
事例が続々(前) 損保ジャパンの挑戦事例が続々(後) 日本郵政はかく使う
米国現地報告(前) 次のアマゾン・ドットコム
米国現地報告(後) 新発想のERPも
見えてきた導入の留意点
■過去に掲載した好評特集企画
・ERPパッケージがなくなる日(全5回)
・マッシュアップがもたらすシステムの破壊と創造(全5回)
・変わる!エンタープライズ(全5回)
・新潮流 エンタープライズ2.0(全4回)
・SaaSの衝撃(全4回)
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