日本ヒューレット・パッカードは2008年6月2日に,テスト・ツールの新版「HP QuickTest Professional 9.5」を出荷する。同ツールは,Windowsアプリケーションが正しく動作するかどうかを調べる機能テスト向けに,テスト・シナリオを記述したスクリプト(VBScript)を自動実行する機能を備えるのが特徴。今回の新版ではスクリプトの作成とメンテナンスを容易にしたほか,テスト対象の開発ツールとして「PowerBuilder」と「Delphi」をサポートするようになった。

 QTPが自動実行するテスト・シナリオを記述したスクリプトは,ユーザーの操作を記録して生成できるほか,開発者自身が記述したり編集することができる。新版では,スクリプトの構造が理解しやすくなったほか,関数やオブジェクトなどスクリプトから利用できるリソースの管理を容易にした。さらに,正しく動作したかどうかを調べるチェック・ポイントを複数のスクリプトから共有できるようにしたり,Ajax使用のWebアプリケーションなど独自開発のコントロールを含むアプリケーションもテストできるようにした。また,QTPの使い方を学習しやすいようにガイダンス機能を持たせた。

 税込み価格は134万4000円から。開発会社は米Hewlett-Packardで,元々は同社が2006年11月に買収した米Mercury Interactiveの製品群の1つである。なお,旧Mercury Interactiveは,QuickTest Professional(QTP)と並行して,QTPより以前から独自スクリプトを使う機能テスト・ツール「WinRunner」を販売していた。QTPはWinRunnerの後継ソフトという位置付けであり,QTPにWinRunnerをバンドルする形で提供してきたが,2008年2月にWinRunnerの提供を終了した。今回のQTP新版が新たにサポートする開発ツール「PowerBuilder」と「Delphi」は,WinRunnerがサポートしていた開発ツールである。