先日のヴィクトリアマイルでは東京マイルGIの難しさを改めて思い知った。芝コースとしてはJRAで最も施行回数が多くて、下級条件から3つGI含む重賞8つが行われる、日本競馬の中心と言ってよいコース。トラック形状にトリッキーな特徴も見受けられず、力のある馬が勝てそうに見える。しかし下級条件や少頭数GIIIレースではスローのキレ味勝負が繰り返されるのに対して、多頭数GIのハイペース高速決着ではまるで別コースのように求められる適性が違う。馬場が違えばさらに複雑になる。
今週の安田記念はもっとがっつり道悪競馬になるのかと思っていたけど、土曜は相変わらずの良馬場で時計も速かった。夜中の雨もそれほどでもなく、後は日曜午後から小雨が降り続ける感じだろうか。馬場はそれほど悪化せず、速い時計が求められそう。ただレース中も雨が降っているときの東京競馬は外差しが有利。安田記念も例外ではなくて、泥んこ不良馬場のタイキシャトルの年を除いて、雨中開催の過去4回はすべて極端なほどの追い込み決着だった。高速決着に適性もあってかつ最後の直線で弾けるような馬を買いたい。
香港馬ロマンチックウォリアーや大阪杯で期待したステラヴェローチェあたりは重馬場ならと思っていたけど、時計がある程度速くなるなら適性で見劣りそう。
ナミュールも昨秋の富士S快勝から本格化したかと思ったけど、東京マイルGIでは3戦して全て着外に終わっていることを思うと、やはり東京マイルのGIでは足りないのかなと思った。阪神マイルGIでも2度人気を裏切って馬券圏内を外している一方でオークスや秋華賞では好走したわけで、本来はもっと中距離向きなんだろう。最近のマイルCSの勝ち馬、しかも追い込みで弾けた馬という点でも、ペルシアンナイト、モーリス、トーセンラー、サダムパテックみたいに中距離寄りの馬が多い。5月の良馬場で行われるヴィクトリアマイルが明らかに短距離寄りの馬が強いのとは対照的ではある。安田記念はヴィクトリアマイルとはまた傾向が違うのでナミュールも今度は届くかもしれないけど、相変わらず人気してるし、雨や武豊が合わない可能性もある。
ソウルラッシュは道悪4戦4勝。時計勝負もイケるクチで、前走を快勝し、鞍上にはモレイラを配置。戦績を改めて見返しても、中距離を走っていた若い頃と安田記念の2年連続着外を除けばほぼ崩れていない。ただ安定して走るタイプだからこそ、安田記念だけ特に見せ場なく2年連続で負けているのが不安で強く推しにくい。富士Sでは好時計で好走しているけど、ここで競り落としたダノンスコーピオンやそれ以下のメンバーを見ても、やはりあくまでGIIIだったということなんだろう。
それよりはセリフォスか。東京マイルGIの好走歴も十分。2回負けている海外遠征を除くと、国内で大きく負けたのは去年のマイルCS8着だけ。と言っても0.4秒差だし、かなり極端な外差し競馬になったので、先行勢として唯一好走したのはむしろ負けて強しの内容だった。前走はソウルラッシュに負けたけど、斤量も馬体増もあった。順当なら巻き返す可能性の方が高いのでは。
でも本命はより馬券的に面白そうなレッドモンレーヴ。末脚の一瞬のキレはGI級。東京マイルの実績も持ち時計も十分で、去年の安田記念でも6着に検討している。前走京王杯SCも他馬の上りを丸々1秒上回る豪快な末脚でごぼう抜きにしたかと思ったけど、最後はギリギリ差し返されてしまった。1800も明らかに長いし東京1600に耐えられるのかという気はするけど、こういう馬が止まらずに走り抜けるのが東京マイルのGIという気がする。
あとは東京GIで3度好走したガイアフォース。GII, GIIIで人気するとあっさり取りこぼすのでよくわからないけど、厳しいラップの時計勝負に対して適性があるのは明らか。
◎レッドモンレーヴ
○セリフォス
▲ガイアフォース
△ソウルラッシュ
ナミュールまでヒモに拾おうかどうしようか。