# 一首評004「秋の夜はねむるものにも冴えているものにも掛かる手品師の布」(山階基)

秋の夜はねむるものにも冴えているものにも掛かる手品師の布

 山階基『風にあたる拾遺 2010-2019』(私家版、2019)p.44*1

*1:引用は2019/11/24発行の初版より。章題「2015-2016」

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# 一首評002「知らない場所に痣がいくつもできてゐる夢より覚めて目覚めてもなほ」(睦月都)

知らない場所に痣がいくつもできてゐる夢より覚めて目覚めてもなほ

 睦月都『Dance with the invisibles』(KADOKAWA、2023)p.79

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# 一首評001「夏のよるの長い家路のなかにあるほそい銅線みたいな覚悟」(川村有史)

夏のよるの長い家路のなかにあるほそい銅線みたいな覚悟

 川村有史『ブンバップ』(書肆侃侃房、2024)p.73

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# 歌033

「ねえ、パパ、みんな生きていないといけないのかしら。そうでないと、あんなにメチャメチャにはならないわよね。」(「精神の生態学へ」(上))*1

生きていないと生きていけないわたしたちはひかりの夜の部屋の断片

*1:グレゴリー・ベイトソン著、佐藤良明訳、岩波文庫、2023、p.95