棋士はカワイイ!

将棋と棋士の魅力を伝えたい!そんなブログです。 なんか難しそう、古くてださそう、そんな印象を吹っ飛ばす!
指すのではなく観戦ならば簡単で面白い!

困ったときの羽生マジック!羽生棋聖が豊島七段の挑戦を退ける

羽生善治棋聖に豊島将之七段が挑戦する第86期棋聖戦五番勝負第4局は、
先手番の羽生棋聖が勝利して見事タイトルを防衛しました。

ニコニコ生放送では9時から、解説に鈴木大介八段、
聞き手に長沢千和子女流四段で大盤解説会が始まりました。

朝、機材の調子が悪く音が消えたり映像が止まったりしている模様。
コメントによると映っている人もいる?らしい。
低画質だと映っていたようで少し見逃してしまいました。

kisei4-1
羽生棋聖の先手で▲2六歩に、豊島七段も飛車先を突く△8四歩。

鈴木八段「私矢倉を予想してたんですけど、外れてほっとしてます。
相掛かりになると思います。
相掛かり私も勉強中なので楽しみです」

羽生棋聖は▲2五歩として相掛かりになりました。

鈴木八段「ここまで3局連続後手番が勝つという、珍しい展開です」
長沢女流「それは理由があったんですか?」
鈴木八段「矢倉後手番3連続できてるから、外したということなんですかね。
後手番が勝っている矢倉を先手番になった羽生さんが外したということですね」
相掛かりは飛車先を交換した後に、
▲2六飛車と引いて後で▲2八飛車と引くと手損になるので、
▲2六飛車なら行くしかない将棋になる、なので▲2八飛車が今は主流とのこと。

kisei4-2
おはようございます。
鈴木八段「朝ばたばたしたみたいですけど、復旧したようでよかったです」
※普通画質モードの方にも低画質映像を流して一時的に切れないようになっています。

長沢女流「今日はばっちり当てに行くと」
鈴木八段「大介いつも予想が当たらないと書かれているんで、
今日は当てていこうと思います。次は▲3八銀です。
三浦先生の結婚の話も後でしましょうか。びっくりしましたね。腰が抜けました」
羽生棋聖「▲3八銀!」
鈴木八段「ほら!序盤で当てるしかないですね。正解率を上げるために。
次は△8六歩だと思うんですけど、他もあるので辞めておきましょう。
今日は矢倉になると思ってお勉強してきたんですけど、
でも矢倉じゃなくてよかったです。
豊島さんは角番に追い込まれてますから、振り飛車はやりづらかったんでしょうね」
豊島七段「△7二銀!」
鈴木八段「あーよかたよかった」

相掛かりの序盤は悪手がそんなになくて自由な将棋、工夫のし甲斐があるとのこと。

鈴木八段「自分のイメージだと棋士全体だと先手が5割2分くらいの勝率で、
タイトル戦だと6割5分くらい先手が勝つイメージだったんですけど」
羽生棋聖「▲2七銀!」
鈴木八段「あ、言っておけばよかった」

鈴木八段は相掛かりは公式戦では人生で唯一指した事が無い戦型らしい。

鈴木八段「ネット将棋やられます?」
長沢女流「たまにやります」
鈴木八段「私ウォーズ専門なんですけど、ウォーズじゃ居飛車しか指さないんです。
残念なことに3分切れ負けとかどんどん弱くなってるんですよ。
今朝もやってきたんですけど全然勝てません」
長沢女流「それは勉強のためなんですか?」
鈴木八段「遊びです。ちなみに棋神を使ってくれると私くらいのレベルだと助かります。
多分棋神は弱くしてくれてると思います。ただし詰みの瞬間に使われると強いです。
高段まで行くと使わない方がいいと思います。優勢になったら使ってもいいのかな?
10分切れ負け3分切れ負け10秒の3つで八段になろうとしたんですけど、
携帯を変えたらデータが飛んでしまって、そのうち全体のレベルも上がってしまいました。
(コメントを見て)引き角君バッチ?
あ、これ。みんなが宣伝したくないって言う奴でしょ?原価78円。
私この先生とやるときはノーマル四間飛車やるんですよ。
引き角戦法受けて立ちたいから。でも相振り飛車やってくるんです。
相振り飛車が上手いんですよこの先生。
いくらで売ってるんですかねえこれは。買わないであげてください。
200円?ああ原価78円で200円ならまあいいかな」

といったところで解説に。唯一指した事が無い戦型といいつつ丁寧な解説。
羽生棋聖は豊島七段が△7三銀型でいくか△7三桂型でくるかを選びたい、
銀なら▲6七歩型、桂なら▲6六歩型でいきたいとのこと。
今の局面は後手から角を交換して1手損しているので、
私だったら▲1六歩の端歩が間に合うと見たいとのこと。

鈴木八段「2分の1なんだけどかけといたほうがいいかなあ。何だと思います?」
長沢女流「じゃあ▲6八玉で」
鈴木八段「えー…。私は▲1六歩で」
羽生棋聖「▲1六歩!」
長沢女流「当たりました。流石」
鈴木八段「序盤のうちはね。今2つ当たりましたから、これで率を上げる作戦で」
序盤の細かな駆け引きを解説して、
鈴木八段「この辺が分かってくると面白いですけどねー。
でも勝率には一切関係無いですけどね」
長沢女流「鈴木先生はどちらかというと終盤型ですよね」
鈴木八段「今は序盤型です。今期だけで詰み逃し2回やってますからね。
それに頓死1回に打ち歩詰めだったのが1回です。
でも昔から若いうちは歩が足りるって言うじゃないですか。
昔森下先生と対局したときに先生が6歩持ってて、
垂れ歩じゃなくて直接叩いてきたんです。
私は叩かれるまま取っていったんですけど、
最後に1歩足りなくなって私が勝った時に森下さんが、
いやー鈴木君、僕も若いときは絶対歩が足りたんだけどねって。
私も今痛感しています。
若いときは細かい歩のテクニックをあまり知らないのと、
だんだん歳を取ってくると将棋が攻撃的になって、
若いときは根気があるんだけど、それが影響してるんじゃないかなと思います。
意外と若い棋士の方がおじいちゃんのような将棋を指して、
年配の棋士は若々しいんですよね。
超新人の青嶋君とかも見てると楽しいですね。前向きな将棋で。
斉藤さんは大人びた将棋ですね。
梶浦君はまだまだ棋力が足りないんですけど」

リレー質問
飯島七段から鈴木八段へ
鈴木先生の弟子の梶浦四段が昇段されました。
私にも弟子がいます。
何とか四段に育ててあげたいので、心得を教えてください。
鈴木八段「私また弟子をとったんですけど、真逆の事をしようと思ってます。
梶浦のときは結構教えたんですね。
二段までは棋譜を赤ペンでチェックして三段になったら指して。
でも教えちゃうと私が昭和の将棋でど演歌なんですよ。
それを教えちゃうのがいいかどうかは分からないじゃないですか。
今度の弟子は10歳か11歳ですごいかわいい子なんですけど、
あんまり手の内容はあまり教えないようにして」
長沢女流「自分の個性を引き出してあげるということでしょうか」
鈴木八段「同じように育てて同じような棋士になってもつまらないし、
なのでその弟子に合った教え方というのもあるんじゃないかなと思います。
今度の弟子は将棋は弱いんだけど、どちらかというと天才派。
梶浦君は勉強して強くなるタイプ。
今の弟子はよく言えば1を教えて10を覚えるタイプ、
梶浦君は10を教えて8を覚えるタイプで、
確実に強くなってくれるっていうのもいいじゃないですか。
教えた分強くなるから楽しいですね」

竹部女流から長沢女流へ
長沢女流はムードメーカーでございます。
最近したドジを教えてください。
長沢女流「こないだも対局の時にお茶をばーってこぼしてしまって、
前後に男性棋士の対局があったんですけど、座布団の辺りをばーって。
対局前に動揺して、記録の野田澤さんに迷惑かけちゃったなと」
鈴木八段「私もデビュー戦で深浦さんだったんですけど、
緊張しすぎて、足しびれていたのに気がつかなくて立ち上がっちゃって、
盤も駒もぐちゃぐちゃになって、私記憶力悪いんで戻らないんですよ。
危うく反則負けになるところでした。
深浦さんが手伝ってくれなかったら戻せずに反則負けだったので助かりました。
他は何かありますか」
長沢女流「メガネかけててメガネ探すとかね」
鈴木八段「携帯を忘れたと思って連盟まで取りに行くから待っててね、
って言ったらポケットに入ってたとかね。でも形だけ連盟まで探しに戻るとか。
なので携帯忘れたと思ったら10秒くらい落ち着くことにしています」

kisei4-3
△2四歩△2三銀の組み合わせか、△5二金△4四歩の組み合わせか、
△6四銀で7四の歩を交換して持ち駒にする組み合わせか、三択とのこと。
△2四歩△2三銀から銀冠に組むのは、先手が端歩を詰めているので、
下段飛車から金で詰まされる筋や、▲1六桂馬から2四の地点を狙われる傷がある、
△5二金△4四歩から△4三金と囲うのは、6筋7筋にいつでも角を打たれる隙がある、
△6四銀からの歩の交換は、
そのまま△8六歩から棒銀にいくのは受けられてしまうので、
どこまで得なのかは分からない、とのこと。

一旦休憩になり、豊島七段は△6四銀を選択。

休憩明けてアンケートどちらが勝つか。
羽生棋聖59.9%、豊島七段40.1%。
鈴木八段「噂に寄よるとフルセットになれば最も将棋界で旬な三浦九段と聞いてます。
私もそういった意味では豊島さんを応援してるんですけど。
最近だと橋本八段が女装とか、週刊誌帰りに買わないといけないんです」
長沢女流「男性の方は女装とかしたいんですか?鈴木先生は似合いそうですけど」
鈴木八段「三浦さんはお若い人と結婚されたと」
長沢女流「17歳年下でしたっけ」
鈴木八段「どうですか?17歳年下とか」
長沢女流「男性の場合はありでしょうけど、女性じゃないですね。
寝起きの顔とか見せるわけでしょう?」
鈴木八段「でも相手の人は見る目がありますね。三浦九段は人格もありますし。
なので見てる方で狙ってる方は急いで。
(コメントを見て)中田先生?
功先生と章道先生といますけど、どちらも仙人化してる…」

アンケートあなたは?
結婚してます17.6%、未婚です32.8%、バツです…4.9%、生涯孤独が生きる道44.7%。
鈴木八段「若い人が多いのかなー。だって今3番の人が多いでしょ。
そうですかー。三浦先生の惚気話聞きたいでしょ。
自分のときは婚約したときはめちゃくちゃ勝率が下がりましたね。
だって早く投げて帰りたくなるでしょ?結婚してからは安定しましたけど。
だって食事に行こうとか考えたら投げたいじゃないですか。
結婚して時間が経つと特にいい事が無いって分かるから時間使ってみたりね。
奥さんが見てない事を祈ってますけどね。
今日は用事があるはずなんで見てない事を折り込んでるんですけど。
長沢さんはどうですか。だんなさんと将棋とか指されますか」
長沢女流「平手で指しますね」
鈴木八段「どっちが強いですか?」
長沢女流「最近ちょっと分が悪いですね」
鈴木八段「だんなさん立派じゃないですか。
こちらだと6枚落ちですから。しかも私が負けないし。
結婚したときは平手で勝てると思ってたんですよ向こう。
でも結婚してからは1回も負けてないです。お小遣いかけて指すんで。
もうお試し期間終わりでお小遣いかけて。
プロで指導対局だと、相手にいい手が出るように指すじゃないですか。
なので本気で相手にいい手が出ないように出ないように指すのは楽しいです。
詰め将棋もね、1手詰め3手詰めでヒント出しても解けないといらいらするんですよ。
3手詰めで飛車と金持っていて、最初に飛車を打つんだよって言ってもね、
金を持ってうろうろして」

質問メール
鈴木先生の弟弟子の田村先生が先日ニコ生で話していましたが、
田村先生や師匠の大内先生のエピソードを教えてください。
鈴木八段「ライバルなんでね、誰に聞かれても私が先輩ですって言います。
私が1年先輩で昇級レースでも負けてたことが無いんですけど、
康介は知らない人に聞かれると私の事を弟弟子って言うんですよ。
競争だといって回転寿司に行くと2人とも50皿は超えましたよ。
彼は奨励会のときから一切家で将棋の勉強をしたことがないんですよ。
でもお父さんお母さんが、うちの康介が1回だけ家で勉強した事があるって言って、
鈴木さんと三段リーグで当たる時に、前日に1回だけ盤を出して並べたって。
奨励会では彼が1級のとき自分が初段で5連勝中だったんですよ。
彼が2勝7敗で負けると降級で、私は昇級に近づくから気合を入れてたんですけど、
終盤こっちがにっこにこで、
7一に彼の玉がいて、私は飛車角金銀桂香を持っていて、
何で王手しても勝ちだと思って、歩を7二に打ったんですよ
そしたら彼が証拠なんで盤面を崩さないでくださいっていったんですよ。
何かなと思ってよく見たら二歩を打っていたんです。
そこから彼は連勝して昇級して、私は12連敗。
それが無ければもうちょっと早く上がっていたと思います。
三段リーグで彼が14勝4敗って好成績で、頭跳ねでプロになれなかったんですけど、
彼は上がってれば16歳で四段だったんです。人生のターニングポイントだったですね。
当時みんな15、16ですから、
上がれないの知ってこうちゃんおめでとうって言って、
そしたら彼が顔真っ赤にして相当怖かったです」
長沢女流「田村先生から褒められたらどう思いますかとありますが」
鈴木八段「どうせ。負けると嬉しそうに今日どうなったのって言うんですよ。
今期私が2勝6敗か7敗なんですよ。彼も3勝6敗くらいで。
彼の今期の目標は私より勝率がいいことだって言ってました」

僕は将棋を初めて2年半ですがまだ3級です。
3年で初段になりたいのですが、どうすればいいでしょうか。
詰め将棋が苦手なのですが、他の方法は何かありますか。
長沢女流「ライバルを作る事ですかね。その人に絶対負けたくないと思えば。
詰め将棋は最初なかなか解けなくてつまらないと思うんですけど、
1手や3手から初めて解ける楽しみが分かれば」
鈴木八段「詰め将棋はつまらないですよね。強くなってもつまらないもん。
自分の場合は1日5、6時間毎日やってたので。初段二段ですごい壁が来ましたけどね。
実戦が一番楽しいしいいと思います。詰め将棋は1手詰め3手詰めで」

私は楽観派です。対して羽生先生はあれだけ勝っているのに、
感想戦ではつまらない将棋にしてしまったとか言います。
羽生先生は極度の悲観はなのでしょうか。解説の両先生はどうですか。
鈴木八段「私は超楽観派ですね。1手負けくらいならなんとかなると思ってました。
家でコンピュータ相手に指していても、
1000点くらい負けてても自分がいいと思う局面もあるし。
でも羽生先生は手が見えるから、私はそこまで本気にさせたことが無いのかな?」
長沢女流「私も楽観派で早く喜びすぎてしまうので」
鈴木八段「勝ちで楽観ならまだいいじゃないですか。
私負けてても楽観してるときがあります」

対局者が遅刻した場合に、駒は並べておくのでしょうか。
基本相手の駒は触らないので、並べないです。
自分が乱してしまったときは直しますけど、竜王戦でもありましたよね。
相手がトイレに立ったときがチャンスですね。
ただ指導対局で多面指しのときに並べてもらうと、あれ助かりますね。
今インターネットでボタン一つで初型に戻りますけど、
あんな感じで麻雀みたいにボタンを押したらじゃらじゃらって戻ってくれるといいのに。

私は将棋世界のイメージと読みの将棋観が好きです。
何か裏話があれば教えてください。
大体トップ棋士が、ひとつの局面を見て棋士がどう思うかを答えるんですけど、
私なんかネタ要員でね。
私だけいつの何戦だと思いますかとか聞かれて、だいたい外れるんですけど。
並べた事があるっていうのは分かるんですけどね。
郷田さんとか森内さんとかと指し手が同じだと嬉しいです。
でもみなさん何日間か考えてるんですよ。自分はぱっと見だけでやらされてるんです。
自分だけ詰みが分からないで、他の人がこうやれば詰みとか言われるんですけど、
読みが深い人は前もって局面を渡されてると思いますよ。

kisei4-4
豊島七段の△8二角に、
鈴木八段「クリックミスじゃないですよね?」
その後いろいろな手を解説しましたが、攻めになっているとのこと。
後手の攻めがいろいろな手があって、先手にとって不確定要素が多すぎる、
指導対局だったら上手く指されましたと言うとのこと。

kisei4-5
変化図の一例。
鈴木八段「▲1八角!こういう手が見えるといいですね。
天野宗歩の遠見の角!私あこがれてプロになりましたから。
でも△5五金とかやられると私は何も見えなくなります」

昼食アンケート
けんぽ15.4%、うなぎ41.8%、ほそ島や(蕎麦)22.9%、チャコ(ステーキ)19.8%。
長沢女流「私昨日負けてからみんなにうなぎ食べたらいいって言われるんですよ」
鈴木八段「勝てそうな将棋でしたからねえ。
私は千駄ヶ谷は棋界でトップレベルに詳しいですよ。
佐々木慎君と二人で争ってるんですけど、二人で食べマップを作ろうとか話してます。
私は大通りなんですけど、慎君は千駄ヶ谷の細道を全て知ってるんですよ。
あと階段。これはいい階段なんですよとか言います。
意外と中華もお蕎麦屋さんも喫茶店もいいところがあって、
私が良く行く喫茶店のランチにオムライスがあるんですよ。
昔ながらのいい意味でおいしくないオムライスなんですけど私好きなんです。
弟弟子の藤森君が岩手でわんこそば102杯食べたらしいんですよ。
それなら藤森君より食べられると思うじゃないですか。
そしたら康介が調べてくれて、浅草に見つけてくれて今度行くんですけど、
彼勝負事が好きでかけてくるんで、カモを募集中です。高見君は逃がさないよ?
それが夏の楽しみですね。蕎麦は飲み物です。
お寿司の大食いの時はしょうゆをかけちゃだめなんです。
康介と行くとかけてばっかりだからそんなことばっかり覚えるんです」

昼食休憩を明けて、豊島七段は△4六銀と攻める手を見送って△6二金と溜めました。
豊島七段としては角銀を捌いて△7三桂の形を作りたいとのこと。

昼食アンケートの答えはうなぎ

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長沢女流のうな丼

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鈴木八段のうな玉丼
鈴木八段「次はうな丼にしよう。
最初に出た時は自腹だったと思うんですけど、
今は自腹じゃないのでみんな豪華なものを食べてるんじゃないですかね」

kisei4-8
羽生棋聖の天ざる蕎麦

kisei4-9
豊島七段はかけそば
鈴木八段「対局者は蕎麦人気ですよね」
長沢女流「あんまり食欲もたくさん食べたいって感じじゃないですからね」
鈴木八段「私は面倒くさいので昼は冷やし中華、夜は散らしの中って決めてます。
隣で天彦君が寿司の特上とか頼んでるんですよ。
なので寿司の中とか頼めないから散らしにしてるんです」

kisei4-10
鈴木八段「クールビズですね田中先生。
飯塚先生はこないだ順位戦でお世話になりました。もちろん負けたんですけど」

ヒフミンアイの最中に羽生棋聖の桂得が確定。ただし歩切れ。
鈴木八段「逆さにすると何が変わるんだろう?
後手が歩を突いて来いってやって、本当に突かれちゃったという事は分かりますけど。
これは早いですね展開が。お母さん夕飯に間に合いますよ。
へーこれで後手が指せるんだー。これで後手がよければすごい構想ですよ」
と言ったところで、豊島七段が銀打ちからの突撃ではなく、△3一玉と固めました。
鈴木八段「ちょっとどうなっちゃってんの?」
長沢女流「まったく分からなくなってきました」
桂損の後手が攻めていく展開を予想していたので驚きましたが、
解説を進めると先手の指し手も難しくて、
鈴木八段「実戦的なんですねえ後手がねえ。先手が悪くないと思うんですけどねえ」
最近鈴木八段は、盤上にある駒を数えて勢力を考えるということをしているらしい。
でもそれをやると時間がなくなるから真似しない方がいいですとのこと。

詰め将棋のプレゼントは鈴木八段の「鈴木大介の振り飛車のススメ」

kisei4-11
「粋清」

アンケートどちらを持って指してみたいか。
先手:羽生棋聖50.4%、後手:豊島七段21.3%、ニャンとも言えニャイ28.3%。
鈴木八段「圧倒的に先手を持ちたい。
これ解説者のこと信用してるというのもありますよね。
そんなに信用できないんですけどね」

指し手が難しいと言う解説で、羽生棋聖は居玉を避ける▲6九玉。

鈴木八段「さて問題です。私は羽生さんに居玉で負かされたことがあるでしょうか」
長沢女流「質問されるっていうことはあったんじゃないですか」
鈴木八段「さすがですね。私が筋違い角を打ったんですよ。
それで力任せにしたら、居玉でこてんぱんにやられました」

kisei4-12
鈴木八段「私なら▲1六桂から▲7九玉と指したいです。
実戦じゃ指せないでしょうけど。
今までやった手順の中で一番羽生さんらしいんじゃないですか。
でも結構考えると思います」

将棋検定の話になり、
長沢女流「私落ちましたよあれ」
鈴木八段「ええ!?プロで落ちる人いたんですか。私あれノー勉で受かりましたよ。
確か藤井さんが1級とか一番上のクラスで一番得点したんです。
あ、藤井君じゃないですよ。
今奨励会三段リーグって20歳とかの子が多いんですけど、
そんな中に12、3歳の子が来たんだから夢がありますよね。
やってる方はたまったもんじゃないと思いますけど」

などと話していたら、
鈴木八段「▲1六桂はやっぱり弱い手なのかなあ。
羽生さんらしい前向きな手じゃないのかなあ」
羽生棋聖「いやあああああ(ため息」
鈴木八段「羽生さんでも困る事があるんですねえ。
本当に困っているのかは分からないですけど。
やっぱり▲1六桂打ちたくないんじゃないですかね?」
安定のぶれぶれ解説。

羽生棋聖は▲1六桂。
鈴木八段「あ!打ちましたね。つまらなさそうに打ちました」

kisei4-13
相おやつ。

kisei4-14
鈴木八段「おさんじコーナーですか」
長沢女流「ちょっと読み方を変えるとおじさんコーナーですね」
豊川先生のフォロワーがこんなところにまで。

kisei4-15
鈴木八段「将棋は指されますか」
担当の方「いやちょっと」
鈴木八段「これを機会に是非」
緊張気味の担当の方をほぐそうとする気配り鈴木八段。

kisei4-16
右が羽生棋聖のキャラメルショコラポワール、
左が豊島七段のルレクチェのメイプルロール。

kisei4-17
鈴木八段「食べ方はあるんですか?」
担当の方「もうざくっといってください」
鈴木八段「康介のも見てたんだけど二口ぐらいで食べてましたね」
長沢女流「お酒は使ってるんですか?」
担当の方「お酒は使ってないです」
鈴木八段「何でもお酒に見えるんですね」

kisei4-18
鈴木八段「これも食べていいんですか?」
担当の方「どうぞどうぞ」
長沢女流「ウイスキーとかブランデーとかも合うと思います」
鈴木八段「食べてるのでちょっと話繋いでてください」
ガチ食いに走る鈴木八段。

kisei4-19
鈴木八段「一番最初紅茶とか紙コップだったと思うんですけど、
スポンサーがつくとやっぱり豪華になるんですね。
まさか将棋にお菓子のスポンサーがつくとは思わなかったんですけど、
ありがとうございます」

盤上が映って、
鈴木八段「あ、解説通りに進んでる!次の手は分からないんですけど」
羽生棋聖は▲6三歩。
鈴木八段「手つきは自信ありそうでしたね」
しかし先手が攻める手が分からないなあといったところで休憩に。

休憩明けて金取りを手抜きで攻める順は流石に後手が負けかと解説しているところで、
豊島七段も攻めずに△6一金と引きました。
鈴木八段「全然自信が無いですね先手。いい勝負にする手も見えないです」
その後▲5五銀と断言してましたが、
おかしいなあ後手が良くなるなあと困っていました。

kisei4-20
長考する羽生棋聖。鈴木八段は豊島七段が優勢との解説ですがさてはて。

形勢アンケート
鈴木八段「分からないは不戦敗だから(キリッ」
長沢女流「やっぱり鈴木先生を信じて豊島先生が有利なんじゃないですか」
鈴木八段「でもさっきから指した方をいいって言ってるから(笑」
先手:羽生棋聖有利46.3%、後手:豊島七段有利53.7%。

アンケート第5局を見たいですか?
今日決めて欲しい23.6%、第5局を見たい23.0%、結婚について聞きたい53.3%。

羽生棋聖は▲6二歩成り。
長沢女流「あれこれ打った直後に成ったんですよね?」
鈴木八段「え?嘘でしょ?そういえばこの局面で打ってましたっけ?
私ね、竜王戦で1回だけ勝った事があるんですけど、
その時▲1二歩って打ったのが悪手で、
残り5分まで歩を生かして勝つ順を考えたんですけど、
結局無くて成り捨てて勝ったことがあります。
有名な話だと高島先生が挑戦者決定戦で、
打った歩が悪手で成り捨てれば勝ちだったんだけど、
そんな手が指せるかって違う手を指して負けたことがあります。
羽生さんがやったらクレバーになるのかな?」
しかし豊島七段はと金を取らずに△7七桂成りから攻めて行きました。
鈴木八段「漢ですねー。でも確かにさっき手抜くより得してます。
でも羽生さんここから鬼と化すんじゃないですかね?」
※高島先生とは高島弘光九段のこと。
棋聖戦本戦トーナメントで高島九段は、有吉道夫九段や大山康晴十五世名人を破り、
中原誠十六世名人との挑戦者決定戦で、
▲2四歩と指した時に▲2五香で勝ちだったと気がつきました。
そこで▲2三歩成△同金(王手なので手抜きができない)▲2五香で勝ちなのですが、
▲2八香と指し、後に中原名人に△8五角と攻防へ利かす妙手を指されて敗れました。
理由を聞かれた高島九段は、
打ったばかりの歩を捨てるなんて死んでも指せないと言ったそうです。
棋譜でーたべーすにありました。121手目が▲2四歩。

コメントを見て、
長沢女流「ソフトは▲6七金左って流れましたけど」
鈴木八段「私最近ソフトに慣れましたんで、そんな言葉には惑わされないですよ」
しかしその後多分こんな順なのかなと言いながら進めると、
後手がどう決めればいいのか分からない局面になり、
鈴木八段「羽生さんは怖いですね。
さっきの▲6二歩成は明らかにミスなのに、
じゃあそれに突っ込んじゃったあなたはどうなの?と投げかけてるんです」
※羽生棋聖はサッカーの岡田監督との共著「勝負哲学」で、
ミスは相手のミスを引き出す呼び水になることもあると言っています。

kisei4-21
鈴木八段「ご覧ください。ミスしたのは誰なのかと言うくらい盤上没我です」
その後も長考する豊島七段に、
いろいろな手を並べるも後手の攻めが成功する順が見つからない鈴木八段。
鈴木八段「これは時間をかけて答えが出ないパターンですね。
これだけ盤上の駒を動かして答えが出ないのに、
頭の中で動かして出すのは難しいです」
豊島七段は解説通りの△6七歩。
羽生棋聖は豊島七段が退席した直後にすごく怖い顔をしてました。

質問メール
鈴木先生叡王戦の勝利おめでとうございます。
叡王戦の意気込みを聞かせてください。
次は北浜君とはっしーの勝者なんですけど、
うーん北浜君とは習ってる道場が子供の頃一緒だったんで、
はっしーは彼が二段くらいのころから何年かVS指してたんですよね。
5年くらいは後輩と指すのはすごく嫌だったんですけど、
意気込みは…、早指し棋戦なのでいい将棋指したいですね。
放送されると緊張しますね。あれ持ち時間1時間でずーっと録られるじゃないですか。
私ぼやいたり席外したりが多いんで。はっしーにぼこられたら嫌だなあ。

長沢さんは4段目に歩が成ってまけたことがあると聞きました。
当時の様子をお聞かせください。
鈴木八段「すっごい手指してますね」
長沢女流「その将棋も飛車角全部取るような優勢な将棋だったんですけど、
やった直後は頭の中真っ白でした」
鈴木八段「反則勝ちはあるんですか?」
長沢女流「反則は2回あります」
鈴木八段「2回勝ったんですか?」
長沢女流「いえ、2回負けて勝った事はないです」
鈴木八段「淡路先生の記録に追いつかないようにしないとね(笑。
反則って年間2、3局じゃないですか。
反則で勝ってみたいんですけど、普段の行いが悪いんですかね?
全然負けで投了しようと思ったら、歩が4段目に成ってきたらどうしますか?
私はまあまあって投了するかもしれません」

三浦九段の結婚について聞かせてください。
鈴木八段「どうですか?」
長沢女流「とりあえずおめでとうございます」
鈴木八段「隠してたんですかね?
藤井九段が竜王戦で対局してるタイミングでばれてましたよね。
それ聞いたせいで藤井さん逆転負けくらったのかな?」

私は昨年から始めて、将棋倶楽部24では1級で指しています
振り飛車党なのですが、相手が居飛車穴熊だと1勝9敗のペースです。
先生もやっぱり嫌ですか?
なるほど。私昨日対局で居飛車穴熊に勝ったんですよ。
まあ先手四間飛車は無敵だと思いますね。
とりあえず穴熊に組むと言う人は相当カモられてるような。
実はここだけの話対急戦ものすごく嫌なんです。
私は持久戦だと6割くらい勝ってて、急戦だと4割くらいなんです。
指してて楽しい戦法は、玉頭位取りや左美濃なら私はかなり勝率高いです。
玉頭戦は気合で押しつぶすように、穴熊低いから玉頭戦にならないじゃないですか。

鈴木先生は最近居飛車の将棋も指していますが、
居飛車を指そうと思ったきっかけを教えてください。
今半々くらいなんですけど、理由は5個くらいまとまってなんですけど、
最大の理由は煮詰まって、1000仮に振り飛車の形があるとしたら、
600や700くらい指してるんですよね。
残りのちょっとを知るために10時間くらいかけるのが効率的でないと思って、、
居飛車なら何も知らないから吸収できるんじゃないか、というのがメインですね。
後は振り飛車だけずーっとやってるのも長い棋士人生でどうかなと思ったのと、
それと永瀬君が居飛車の本をすごく楽しそうに読んでるんですよ。
楽しそうに将棋を指してるなと思って。
私も居飛車の本なら知らないことばかりなので。

電王戦が始まった頃は昼休みの詰め将棋が解けませんでしたが、
少し勉強したら5割くらい解けるようになりました。
前回の放送で感動した詰め将棋の話をされていましたが、
今日も感動した詰め将棋を教えてくれればと思います。
私は米長先生に出された詰め将棋ですね。
谷川先生の名人の就任式で、相撲の若貴兄弟とかもいる中で、
米長先生が詰め将棋を出したんですよ。
私その時2、3級だったんですけど、時間内に解けなくて、

kisei4-22
鈴木少年は米長先生に▲3一銀から並べたんですね。

kisei4-23
▲1二金△同香▲1一銀△同玉▲3一飛成までの5手詰め。
左から行かずに何も無い右から行くというのが感動しましたね。
後解けて褒められたものがありまして、

kisei4-24
これはすぐ解けたんですね。これ小学生じゃないと詰まないんですよ。

kisei4-25
長沢女流「あ(笑」
鈴木八段「これまともにやったら一目で詰まないって分かるじゃないですか。
あ、局面がすごい進んでる」
詰め将棋の間に豊島七段は突撃しに行ったのを反省して、
△6二金とと金を払ったもよう。

解説に戻ると鈴木八段の手順通りに進みました。
しかし▲4二歩の一手と解説している局面で羽生棋聖が長考し、
そのまま席を立ちました。
鈴木八段「▲4二歩はプロならみんな大好きな手で、
違う手を指したらこんな手も見えないの?とか言われちゃうと思うんですけど、
羽生さんが違う手を指したら、ああ溜めたんだねとか言われるんですよ。
▲4五飛だったら受けきりと見ていますね。
あ、▲4八飛とか自陣飛車だったりして。でも無いよね?
▲4二歩△同玉▲4八飛はあるかもしれないですね」

といったところで休憩に。
羽生棋聖は受けきり路線の▲4五飛。

休憩明けて
鈴木八段「これは羽生さんがかなり優勢です」
長沢女流「まだ勝勢ではないですか」
鈴木八段「うーん、そう思いたい」
羽生棋聖は残り9分になったところで▲4四歩。
△同歩▲同銀からほどなく豊島七段の投了となりました。

kisei4-26
鈴木八段「羽生さんは1日制の鬼に見えますね。自分が、と思ったとき怖いです。
言い方が難しいですけど、悪く言えば恥も外聞も無く粘りに行った、
将棋の第一人者で相手を角番に追い込んで、負けてももう1局あるのに、
打ったばかりの歩を成り捨てた、精神力の強さというのが、
勝因と言えば勝因かなあと思います」

ということで棋聖戦は羽生棋聖が豊島七段の挑戦を退けて3勝1敗で防衛、
という結果になりました。
今日の将棋は打った歩を悪手と認めてすぐに成り捨てる、
という凄い土下座から急に優勢になる、という展開でしたが、
行方八段との名人戦でも棒銀失敗から銀が自陣まで引き上げる、
という謝り方から逆転勝利ということもありました。
どんな精神状態だと冷静に損切りができるんですかね?
相手の謝罪には付け込まずに大人の対応で受け入れる、
というのが将棋でも大切なんだろうか。
でも相手が躓いたら斬りに行きたくなるのが人情だと思うんですけどねー。
豊島七段は隙が無く老獪なイメージでしたが、
羽生棋聖の71手目▲6二歩成の直後に、桂不成りの王手から歩の叩き3連打、
という血気盛んな意外な一面を見せてくれました。
感想戦ではこれが敗着ではなく、90手目の△4七銀が敗着とのことですが、
決めに行ったのに決まってなかった、
という精神状態からミス無くまとめるのは難しいです。

第3局の聞き手だった竹部女流が、
次鈴木大介先生なんですよねえ、多分結構当たらないんですよ、
と爆弾を投下していましたが、今日の鈴木八段は冴え渡っていました。
雑談もおしゃべり三羽烏の一人という実力を存分に発揮されて、
とても楽しく見る事が出来ました。 

現在羽生棋聖は広瀬八段との王位戦の真っ最中です。
また、王座戦の防衛戦も控えており、
挑戦者は佐藤天彦八段と豊島七段の勝者となります。
棋聖戦も挑戦者決定戦が佐藤天彦八段と豊島七段でしたが、
王座戦は佐藤天彦八段の初タイトル戦と豊島七段のリベンジマッチと、
どちらも見たいから応援に困りますね。
でも羽生王座は通算22期。通算14期の羽生棋聖よりも強そうなのがなんとも。

棋聖戦第3局は羽生棋聖が勝利し、タイトル防衛に王手!

羽生善治棋聖に豊島将之七段が挑戦する第86期棋聖戦五番勝負第3局は、
後手番の羽生棋聖が勝利してタイトル防衛に王手をかけました。

ニコニコ生放送では9時から、解説に飯島栄治七段、
聞き手に竹部さゆり女流三段で大盤解説会が始まりました。

kisei3-1
竹部女流「先生戦型予想などいかがでしょうか」
飯島七段「難しいんですけど羽生棋聖後手番ですから、
横歩取りもあるのかなと思ってますね、最近後手が盛り返している戦型なので。
1勝1敗ですからね、この1局が大きいんですけど、
決着局ではないのでそれは安心ですけど、しかも後手番で勝ってるんですよねどっちも」

豊島七段の注目の初手は▲7六歩。
飯島七段「▲7六歩は予想の手で、豊島七段は相掛かりは少ないですよね。
羽生棋聖の2手目に注目ですね」

羽生棋聖△8四歩。
飯島七段「あ、横歩取りじゃないわ、いきなり外れました、角換わりですねこれ」

kisei3-2
おはようございます。
飯島七段「竹部さん気合入ってますね。声も違うし。
僕2日酔いなんで竹部さんが映るように」

豊島七段は矢倉を目指す▲6八銀。
竹部女流「あ、先生来ましたよこれ」
飯島七段「一番最悪のを引いちゃったっていう。
まあ矢倉は僕矢倉の方が良かったですね解説なら。
矢倉じゃなかったら私何しに来たんだって感じですよね」

リレー質問
松尾七段(※現八段)から飯島七段へ
引き角君グッズの売り上げはどうですか。
印税率など具体的な数字を教えてください。
竹部女流「朝からですか」
飯島七段「朝からお金の話でいいんですか、あれ?
見たときは売り上げの話だけだったような。まあ答える前に」

kisei3-3
早速持ってきた引き角君を貼ってみる。
飯島七段「引き角君マグネット200円」
竹部女流「はいはい分かりました局面が動いたので」
大盤を動かして
竹部女流「印税率?とのことですが」
飯島七段「作ったのは70円80円くらいかな、やめましょうこれ」
竹部女流「対局料が50だとしたら引き角君の収入は?」
飯島七段「それ僕の年収が分かっちゃうじゃないですか。
作ったきっかけは、いろんな角度で将棋を楽しんでもらえるかなっていう。
将棋って見た目が難しいじゃないですか。なのでゆるい感じで…。
竹部さんもあるじゃないですかあれ」
竹部女流「メカ女子バッチありますけど、
メカ女子将棋部をみんなに知ってもらおうと言う。
コンピュータ将棋は男性が多いので、
女性の方にもコンピュータ将棋面白いなと思って欲しいな、
と言うようなことを聞いています」
飯島七段「今多いじゃないですか棋士のグッズ。豊川先生もTシャツありますから。
だから全然珍しい事じゃないです。作って2年くらいかな?
売れ行きはそこそこです」

藤田女流から竹部女流へ
よくニコニコ動画を見られているそうですが、お勧めの動画はありますか。
竹部女流「いろいろな動画準備したんですけど、
朝運営さんに言われて、いろいろ言えません」
運営コメントで「お察し願います」
飯島七段「何かタイトル戦の動画も見てるんでしょ?」
竹部女流「それもグレーゾーンで。綾ちゃんからもね、すごい先制パンチをもらって」
飯島七段「松尾さんもパンチをね。
松尾さん結構ね、こんな感じで毒づくことがあるんですよ。
結構ああいう感じで毒を吐くんです。固まっちゃうこと多いんですけど」
竹部女流「朝ですからねえもうちょっとさわやかなね」
飯島七段「夜ならねえ。朝起きて動画つけてお金の話してるとねえ」

前局の話になり、
飯島七段「2局目はね、羽生棋聖が勝ちやすい局面になってるんですよね。
そこからねじ伏せたって言うのがでかいんですよねやっぱり。
1勝1敗と0勝2敗で負けたら終わりというのは違いますから」
竹部女流「決着局の時は符号以外は言うなと指令がありましたからね私。
今日はせいぜいオレンジくらいの危険度で」
飯島七段「かなり危険なんじゃないですかオレンジは。黄色くらいでお願いします」
竹部女流「いいですよアンケートで符号以外言わないでくださいってなったらそれで」
飯島七段「竹部さん今日衣装すごいですね。今日のコンセプトは」
竹部女流「家にあったのを着て、赤のリボンじゃないリボンだったんですけど、
出掛けに赤いリボンにしようかなと」
コメントで乃木坂みたいとか流れて
竹部女流「ありがとうございます。駒桜バッチもつけてます」
コメントでいくらするのと流れて
竹部女流「ユーザーの中に松尾先生いるんじゃないですか?
最近女流棋士で対局に相応しい洋服でって流れてきたんですけど、
これ私に言われてるのかな?とか。謎です」
飯島七段「対局に相応しくない洋服って何ですかね?」
竹部女流「一説ではジーパンとか。あれはいいんですかねカツラは」
飯島七段「僕の相方だってひどいじゃないですか。あれはいいと思います。
あんまり変なカツラだとね、相手は多分怒り心頭で、桂馬で攻めてやるみたいな」

豊島七段は飛車先不突きではなく早めに突く趣向になりました。
後手からの急戦を牽制している意味があると飯島七段。

飯島七段「豊島七段はじっくり組み合う矢倉にしましょうと問いかけてるんですね。
それに羽生棋聖はどう返答するかという」
その後竹部女流がどんどん変化を並べて飯島七段が暴走を抑える展開に。
豊島七段は早囲いの順を見せて、
すんなり組まれると後手が損だから羽生棋聖が動いていくんだろう、
と飯島七段が言ったところで羽生棋聖はじっと△5二金。
飯島七段「あれ?矢倉も結構情勢が変わってきたんだなあ。
最近の将棋界の情勢は矢倉が減って角換わりが増えてるんです。
矢倉は後手の対策が進んで角換わりに流れているんですけど、
棋聖戦は矢倉でしたっけ?第1局は角換わり?
そっかお二人の車将棋も矢倉でしたよね。お二人の将棋は矢倉になりやすいんだ。
(コメントを見て)あれ?棋聖戦の1局目は矢倉?車将棋は角換わり?あれ?」

質問メール
最近のプロの将棋は先手から見ると角換わりがかなり勝率がよくて、
矢倉が苦戦していると思います。
そんな中であえて矢倉を選ぶのはどういう意図があるのでしょうか。
メールの方相当強い方だと思います。
本当その通りで、3連続矢倉だとお互いの気があってるのかな、かなり珍しいと思います。
角換わりは2、3年前からかなり増えてきたのかな。
矢倉が増えると言う状況じゃないですね。謎です。

木村八段の好きなところを教えてください。
飯島七段「木村先生も結構お酒飲むんですよ。
木村先生の方がお酒強いんじゃないですか?」
竹部女流「尊敬するところは酒が強い?」
飯島七段「いやそういうわけじゃないですけど、やっぱり人柄とか、
僕は将棋を教わった奨励会からの弟子みたいなものですからね」
竹部女流「お酒が強い意外の人柄が伝わってこない…」
飯島七段「竹部さんは木村先生とお仕事された時どうですか」
竹部女流「ニコニコでもありますけど、その時もお酒をくださいって。
何でもいいんで何でもくださいとか。
まあそれはいいんです木村先生の好きなところですから飯島先生が」
飯島七段「やわらかい人柄の中で、
将棋盤に向かうとすごい視線でギャップがすごいじゃないですか。
木村さんは解説と盤上ですごいギャップがあると思います。
対局のときは鬼の形相でね、素晴らしい先生だと思います」
竹部女流「木村先生のこういうところを見て欲しい」
飯島七段「うーん…受けが真似できないですね。
それだけはやっちゃいけないような受けをするんですけど、
3、4手進むと攻めが寂しくなってるんですよ相手の。
僕はびびっちゃって安全を取るんですけど、王様で受けるとか怖いじゃないですか。
竹部さんはどうなんですか?将棋は攻め将棋ですよね?」
竹部女流「どちらかというと攻めですね」
飯島七段「尊敬されてる方は?攻めだと塚田先生とか?」
竹部女流「塚田先生は最近の将棋だとそんなに攻めじゃないような印象があります。
野月先生なんかは攻めっていう印象がありますけど。
戸辺先生は大破してるような、
大振りに行くんですけどすっころんでさくっと刺されるとか。
あれ、褒めてないですねこれ」
飯島七段「まあダイナミックな将棋で飛車角が飛び交うと面白いですよね」

飯島先生の横歩取り超急戦のすべてを購入して研究しています。
早速ネット将棋で△4五角を試したところ、相手の方は結構定跡を覚えていて、
(ここから符号がずらずら並ぶ)
本の宣伝もかねて後手優勢になる変化を教えてください。
飯島七段「これ分かってるの僕だけですよ多分」
竹部女流「私もちょっと分かりません。囲碁将棋チャンネルでやってるんですよね」
飯島七段「やってます。後言っちゃっていいのかな。
今書いてるんですよ本。横歩取り2冊目秋に出る予定です」
竹部女流「原稿落としたら秋に出ないんですよね」
飯島七段「将棋世界で連載していたやつを本にしてるんですよ。
1冊目は半分だけなので、2冊目がもう半分になります。
これ質問した人強い方ですよ。四段五段あるんじゃないですか?」
竹部女流「四段腹って書いてあります」
飯島七段「四段でしょ僕結構認定するの得意なんです。
竹部さんへの質問はありますか?僕読みますよ」

私は最近風邪を引いてしまいずるずる長引いていますが、
先生方は体調管理をばっちりされていると思います。
対局前に気をつけていること、健康法などを教えてください。
新しい棋戦も始まり、初心者将棋ファンもとても嬉しいです。
竹部女流「まずは飯島先生から、二日酔いしてこちらにくるという」
飯島七段「普通に見えます?大丈夫ですか?」
竹部女流「大丈夫です」
飯島七段「手は見えますから(キリッ。
体調管理はまったくやってないですよ。一応マッサージしてるかな?
足が悪くなるじゃないですか正座でずっとしてると。竹部さんは?」
竹部女流「今日仕込んできたんで、
沖縄物産展のノニジュースというのを持ってきました。
先日仙台に仕事で行ってお土産をと思ったんですけど、
東京で買えばいいかーということで」

kisei3-4
竹部女流「どなたか飲んでみませんか?」
ということで連盟のスタッフが犠牲に。匂いだけで咳き込んでました。
スタッフ「げほ!ごほ!すーはーすーはー。味噌とチーズを混ぜて腐ったような味です」
竹部女流「おいしそうですね↑じゃあ私も飲みますよ」

kisei3-5
ぐいっ!
竹部女流「うわお。それじゃ野菜ジュースもあるので飯島先生に」
飯島七段「あ、そうか。あ、混ぜたらうまくなりました。なるほど。
これノニジュースだけ飲んだら大変な事になりますよ。
連盟スタッフさんが演技してるのかと思ったら、全然演技じゃないんですね」
竹部女流「泣きそうな顔されてましたよね」
飯島七段「飲んだ瞬間にデットボール当たったような顔になってましたよね。
さっきの腐ったという表現?食レポうまいなと思いました。
午前中この調子だと1日大丈夫なんですかね?まだ1時間たってないですよ?
僕目覚めましたよ。全然大丈夫です」

kisei3-6
飯島七段「解説も調子でてきました」
竹部女流「いいことしたんですね私」
飯島七段「結果オーライってありますよね」
竹部女流「背中に殺気を感じませんか?」
飯島七段「感じます」

羽生棋聖も△7三銀とかだと急戦策が確定してしまい先手に対応されるが、
△4四歩でも持久戦になるので早囲いをされてしまいそうなので、
後手の指し手が難しいとのこと。
といったところで一旦休憩に。
休憩中に豊島七段は▲6八玉~▲7八玉と早囲いに組みましたが、
そこから脇システムに進んで手得がなくなりました。

kisei3-7
ヒフミンアイ。先後同型である。
しかし羽生棋聖と豊島七段は駒の置き方が一緒だった事が判明。
竹部女流「棋士の方は瞬時に急所のところが見えると思うんですけど、
何で見えるんですか?」
飯島七段「無意識で出てくるんですけどねえ。でも竹部さんも出てきますよね」
竹部女流「私は急所というよりは指したい手がでてくるという感じです」
飯島七段「僕もですよ。指してみたい手が瞬時に出てという感じですよ」

飯島先生は小学生で準名人をとられていますが、
決勝の棋譜などは今でも覚えていられますか。
また、全国放送などで反響も大きかったと思いますが、
同級生の女子からキャーキャー言われたりしましたか。
飯島七段「64手で負けましたよ。清水上徹さんと、何年前かな、24年前。
今でも覚えてますよ。いじめでしたよ64手。
記録用紙半分も埋まってないですから。
あれで奮起して勉強したんでよかったんですけどね、
勉強しなくても僕天才だからとか思っちゃうとだめだから。
僕竹部さんと小学生とかで当たった棋譜とかも、流れだけなら覚えてますよ。
あれもひどかったですね。
大山先生は勝った将棋しか覚えてないとか聞きますけど、
だから僕はダメな方なのかな。負けた将棋はあまり覚えてない方がいいんですよきっと。
勝った将棋のイメージを残して次を勝つみたいな」
竹部女流「同級生の女子からキャーキャーとか」
飯島七段「何もなかったです。でも放映日あるじゃないですか。
放映日の次の月曜日に朝礼で、
校長先生が『この中に成し遂げた人がいます。それは6年何組の飯島栄治君です』
とか言われて、お前何やったんだよとか言われたんですけど。
それで給食の時に僕が負けた将棋放送されちゃったんですよ。
当時結構ね、山崎八段がでていて勝ったんですよね。6年生と4年生だったのかな。
結構レベルが高かったんですね。まあ運がよかったんです。
それでとんとん拍子にうちの師匠に弟子入りになって。
それから奨励会8年半かかりましたけど」
竹部女流「女子からキャーキャーはなかったけど、
校長先生がキャーキャーしてたということで」

竹部先生の辛口のやり取りを心待ちにしていました。
某ツイッターにて女流棋士総会の際にどなたか後ろの席を…
というツイートを見たのですが、ずばり遅刻されたのでしょうか。
その時の総会の様子なども踏まえて辛口なコメントをお願いします。
飯島七段「遅刻したんですか?」
竹部女流「しました。
彩乃ちゃんが席をとってくださって、こっそり入っていったんですけど、
でも後ろの人は気がついたと思います。
でも、言い訳がましいんですけど、
その日左の親指の足を怪我してまして、思ったより走れなかったんですよ。
普段の道のりが30分以上かかっちゃいまして。
永田町の乗換えとかもばばっといくので、走れないと結構ロスしますからね。
太ったら走れないので」
飯島七段「竹部さんが気にされたら僕なんかどうなるんですか。
僕実は四段の時に今から10キロやせてたんです。
昨日とかの要因もあるんでしょうけど、ビフォーアフターみたいになってますよ、
昔の写真とか全然違いますよ。」
竹部女流「コメントで木村先生も飲んでるけど細いじゃんって」
飯島七段「木村先生は走ってるんですよ。
将棋をうちで指すんですけど、走って帰るんですよ。
距離も近いとはいっても6キロくらいあるんです。そこが木村先生の凄さですかね。
僕もやってるんですよツイッター。本名でやってるんで。
竹部さん結構危険な質問ばかりだから、遅刻とか。もうちょっとないんですか?」

盤上では脇システムから後手が角を引き上げて角交換を避ける形になりました。
脇システムの新しいヴァージョンと飯島七段。
角を引いたので先手からどのように攻めるのか、
お互いが理想形を作ってから駒がぶつかる事になるとのこと。

アンケートどちらを持ってみたいか
先手:豊島七段24.5%、後手:羽生棋聖31.5%、何とも(ニャンとも)言えない43.9%。
飯島七段「羽生棋聖というのと角を引いたインパクトが強いんですかね?
これ確かに後手は攻め合いが持てますよね。
今日メールもそうなんですけど強い人が多いんじゃないですか?」

アンケートみなさんの棋力は?
プロ・奨励会員5.8%、プロ級1.8%、高段者1.9%、有段者13.8%、
上級者8.5%、級位者25.9%、入門・初心者38.8%、ルールを知らない3.4%。
竹部女流「今日奨励会は例会なので奨励会員はいないはずなんです」
飯島七段「僕ゴルフやってるんですけど、プロの方と回ったときにすごい惨めでした。
普段僕がやってたのはゴルフじゃないみたいな。
プロのスイングって速くて見えないんですよ。
それなのに飯島さんこうスイングしてくださいとか言われて見えないじゃないかと。
その時に僕は将棋は優しく教えようと思いました」

ここで飯島七段の扇子や駒のコレクションの写真に。
積極的に値段を聞きにいく竹部女流。

kisei3-8
佐藤康光九段の字らしい。

kisei3-9
これが箱。

kisei3-10
カラスの声が聞こえてくる対局室。まったり風味。

アンケート持っている駒
盛り上げ駒5.6%、彫り埋め駒5.2%、彫り駒26.7%、プラ駒30.7%、持ってない31.8%。
竹部女流「先生は1ですか?」
飯島七段「僕全部持ってます」
竹部女流「あ、書き駒ってのもありましたね」
持っている人が多すぎるような。
盛り上げ駒の美しさを感じて欲しいと飯島七段。安くて10万らしい。

質問メール
矢倉は入玉含みになりやすいので苦手です。
そこで入玉になりにくい戦型を教えてください。
振り飛車党になるのがいいと思いますね。
それで相手が振ってきたら居飛車で対抗形にすると。

羽生棋聖は長い歴史を誇る将棋連盟でも、最強レベルの大棋士だと思いますが、
盤を挟んでオーラみたいなものを感じることがありますか。
飯島七段「僕は1勝4敗かな?1勝3敗か?
びっくりしません?50センチ前に羽生さんが座ってるんですよ?
誰でもちょっとすくみますよね。
ネット対局ならいいですけど盤を挟みますから。竹部さんはどうなんですか?
自分の尊敬している先生が盤を挟んでいたら勝つ気します?」
竹部女流「もううきうきしちゃう感じですかね」
飯島七段「記念対局みたいなパターンですね」
竹部女流「米長先生とか中原先生に教えてもらったときに、
中原流を盗むぞくらいの気持ちで練習させていただいて、
米長先生だったら米長玉見れるかなとか」
飯島七段「僕だったら写メ撮ってツイートしますよ。
それと相手尊敬したら勝てませんよ。それは羽生さんと4戦して思いました。
尊敬だと対決心が無いじゃないですか、融和じゃないですか。
僕は羽生七冠とかの残像が残ってるから、全然消し去って、
ただ盤の向こうに石が座ってるんだと思って」
竹部女流「あまり気にしてはいけないということですね。
オーラをあってもオーラを見ないと」
飯島七段「でもオーラすごいっすよやっぱり」

飯島さんは引き角君の宣伝はよくしてるけど、引き角は全然指されないよねと、
多くの棋士が言ってます。反論をお願いします。
飯島七段「戦法はあまりよくないと思いますよ。
でも対振り飛車で美野囲いやってくる人には面白いと思います。
僕がやらないのは振り飛車党と当たらないんですよ」
竹部女流「確かに飯島栄治で棋譜検索かけてもね」
飯島七段「将棋って最初に角道を開けないといけない、
みたいな先入観ってあるじゃないですか。うちの子供も5歳で教えてるんですけど」
竹部女流「あ、ちょうどいい質問ありました」

先日飯島先生のツイッターで、
先生のお子様がどうぶつ将棋大会で連勝したとありましたが、
どうぶつ将棋だけではなく将棋も教えているのでしょうか。
飯島七段「あの、将棋も教えてます。今日朝起きて3手詰め解かせました。
ちょっといいですか?これ感動的な話かもしれないんで」

kisei3-11
江戸時代の有名な詰め将棋
飯島七段「うちの子供に盤面置いて僕トイレ行ってたんですよ。
戻ってきたら解けたよーって示したんですよ。
それで▲5二角成だったんですよ。感動しません?」
竹部女流は初めて解いた時は、
角じゃなくて歩が持ち駒だったとかならすぐに分かるのに意地悪な人がいるんだな、
という感想だったらしい。無理やり詰め将棋解かされてたんだろうか。
飯島七段「最初僕解いたのが小学1年とかなのかな?
▲4二銀打とか▲5二銀打とか考えてたんですよ。
攻めイコールどんどん打ってくみたいな。
これを発見した瞬間に押したり引いたりを発見したみたいな。
うちの子供も最初そんな感じでうるっと来たんですけど、
これをやったら駒を捨てる問題もできるようになって、次のエリアに行ったかなと。
竹部さんはこれいつぐらいに解きました?」
竹部女流「私はこれはでも早かったですね。
もっと難解な詰め将棋があって大内先生の詰め将棋だったんですけど」

kisei3-12
竹部女流「私詰め将棋初めて解いたのがこれだったんですよ」
飯島七段「やべえちょっと解けないんですけど、あー分かった分かった」
竹部女流「私初めて出された問題がこれだったんですよ」
飯島七段「超エリートじゃないですか。何歳で解いたんですかこれ?」
竹部女流「3年生4年生くらいですかね。30分とかかかって。
これで詰め将棋嫌になりました。」
▲1四馬△同玉▲2四銀成が答え。
竹部女流「次に原田先生の問題を解いたらすごい優しくて、
原田先生とか二上先生とか大好きです。
浦野先生は震災があってから毎年50冊ほど東北の方に寄付しているそうです」
飯島七段は子供には角道を初手で突かせてるらしい。引き角君どこ行った。

プロ棋士の先生は振り飛車党なのに相居飛車の将棋を解説されたりしますが、
担当外の戦型も勉強されているのでしょうか。
飯島七段「昔は指してましたよ。10年くらい前まではずっと矢倉しか指してなくて。
角換わりも指してましたけど、そんなに指し方が新しくなってないから。
矢倉は局数が多くて革命的な部分は出尽くした部分もあるので」
竹部女流「金山がないみたいな」
飯島七段「相掛かりとかは金山が多いと思いますよ」
竹部女流「矢倉の将棋も並べているので大丈夫ということですね」
飯島七段「手が見えるかというと、感覚とかが横歩とは全然違うじゃないですか」

最近禁煙とダイエットを始めました。
お二人は健康のためにしていることはありますか。
竹部女流「あ、これはノニジュース」
飯島七段「いやいやいや。竹部さんはノニだけですか?」
竹部女流「ストレッチですかね。専門の方にもやってもらって」
飯島七段「僕も年男なんで気をつけないとね」

そして視聴者から絵が届きました。

kisei3-13
竹部女流「これですよ雑味の無い飯島先生。
あ!パトレイバーですねこれ!ありがとうございます。
実は女流棋士コラムを書いたんですけど、パトレイバーをばーっと書いて、
最後の3行だけこれからも頑張りますみたいな事書いたんですよ」
飯島七段「竹部さんそういうの多いですよね。
だから他のコラムより特徴があって面白いという。
今日決定局じゃなくてよかったです。今日決まるとなるとね、今の話できないし」

飯島先生昨年発売された横歩取り超急戦の本を購入しました。
しかし勉強していくうちに、先手を持って倒してみたいという気持ちが出てきて、
今では先手でも横歩取りを指せるようになりました。
竹部女流「このステマすごいですね。
あ、ステマとか言っちゃいけない、飯島先生のファンすごいですね」
飯島七段「かなり一発勝負に向いてるんですよ。
いきなり横歩で△4五角戦法とか困るじゃないですか。
竹部さんもやりますよね横歩取り」
竹部女流「相手が受けてくれないです」
飯島七段「ダイナミックさは一番でそこが魅力だと思います。
本は9月くらいになりますけど、相横歩取りも書いてあります。是非」

先日某プロ七段に指導対局を受けましたが、
アマ初段あるかないかと言われました。
私は将棋倶楽部24で五段くらい(最高で六段)で指していますが、
プロでもかけ離れていると判断しにくいのでしょうか。
飯島七段「某七段って私の事じゃないですよね?
将棋の段位ってインターネットとかだと棋力が微妙に変わりますよね。
例えば将棋ウォーズだと下から昇っていかないといけないですから、
僕がやると二段の僕と当たると運が悪いんですよ。
ただ道場とかだとそういうことが無いんですよ」
竹部女流「私は五段の方を初段と言うのはにわかには信じがたいんですけど」
飯島七段「ちょっとポカをやったとかだとそうなりますよね。
1局で認定とかは難しいです」

昼食アンケート
みろく庵11.0%、藤本9.9%、ほそじまや5.8%、
陳記7.9%、モスバーガー65.3%。
前回モスバーガーを飯島先生に断られた、
千駄ヶ谷のモスバーガーは緑モスで普通のモスと違う、
と熱弁を振るう竹部女流に押されてアンケートがこの結果に。

kisei3-14
昼食休憩明け。見学する子供たち。
 
kisei3-15
解説が再開されて、派手な順を解説する飯島七段。
羽生棋聖が△3四歩と大人しく打たずに端から攻めかかった順の例。
水面下ではこんな順も考慮に入っているとのこと。
現局面は後手で自分から攻めかかれそうなので、
飯島七段は後手の方を持ちたいとのこと。

kisei3-16
昼食アンケートの答えはモスバーガー

kisei3-17
こっちが竹部女流
竹部女流「どーモスバーガーって感じでした。
モスバーガーはトラウマがありまして、
説教されながら食べてポテトが砂のように感じたことがありまして、
今日は飯島先生と楽しく食べられました」

kisei3-18
竹部女流「カメラマンの悪意を感じる」

詰め将棋の答え合わせの後正解者の中から抽選で飯島七段の色紙をプレゼント。
筆記用具と紙の質が違う色紙を持参してきた飯島七段。
飯島七段「2枚書いていいほうをプレゼントでいいですか?
一発勝負って何か嫌じゃないですか」
飯島七段が書いている途中に
竹部女流「俺の方が上手いという方はいますか?」

kisei3-19
TAKE1

kisei3-20
TAKE2
1枚くださいという竹部女流の声は届かず、2枚ともプレゼントになりました。

kisei3-21
右上にも落款を押すのが飯島流。引き角って書いてある。

ティロフォン木村八段から
木村八段「あーあーあー」
竹部女流「木村先生」
飯島七段「聞こえてますよー」
木村八段「あーあーあー。誰かと思ったら栄ちゃんだよー」
飯島七段「先生どうでしょうか現地の雰囲気とか」
木村八段「どーもこーもってこれからだからねえ。9二の飛車がどうなるかですね」
飯島七段「△3四歩を打ったからおだやかな進行になるのでしょうか」
木村八段「打ちたくない歩を打ったとも言えるしねえ」
飯島七段「現地では検討はされてますか」
木村八段「検討はしてますよ仕事だもん。あんた解説してるの?」
竹部女流「引き角君の宣伝ばかりです」
木村八段「そうなんですよ竹部さん怒ってやってよ。
右上のあれは何?さりげなく宣伝してるんでしょ?」
飯島七段「いえいえ朝松尾さんから引き角君の話を振られまして」
木村八段「松尾君に何か渡して質問してって言ったんでしょ?」
竹部女流「まさかのステマ?」
飯島七段「現地はプロの先生はどんなかたが」
木村八段「副立会いが勝又さんで、中尾さんと佐々木勇気君がきて、
井道さんが聞き手で、香川さんがきて青野先生がきて、私はこれから出るところです。
何か引き角のはんこまで作ってるの?」
飯島七段「いやーそれでもうちょっと戦法をやらないといけないな、
と思っていたところです」
木村八段「戦法やって成績が上がるかが問題だからね。
あ、出た出た話題にすると出ちゃうからやめようやめよう。
竹部さんどうですか栄ちゃんは」
竹部女流「さっき漫画の雑誌を買ってもらいました」
飯島七段「財布持って無いから出してくださいとたかられました」
木村八段「財布持ってかないのは手筋ですからね。
私も今度飯島さんの家に行く時は財布持たないで行こうかな」
飯島七段「先生先ほどマラソンをしてるって話をしたんですけど」
木村八段「どうせ走っているときに死んでしまえとか言ってたんでしょ」
飯島七段「いやいやそうじゃないんですけど、どのくらい走ってるんですか?」
木村八段「6、7キロくらいかな。でも私の話してもしょうがないじゃない。
大丈夫?大盤を見てるとまだ初形だよ?やる気あるの?」
竹部女流「先生これから解説なんですよね」
木村八段「これで温まったからね。竹部さん栄ちゃんを操ってね」
飯島七段「もう終わりですか?対局者の昨日の様子とか教えてください」
木村八段「普通でしたよ。角番とかでもないし普通な状態です。
栄ちゃんはどうだったの?」
竹部女流「二日酔いだったみたいですよ」
木村八段「やる気あるのかな?」
飯島七段「喋る時はその方が」
木村八段「飯島さんはこれから3倍喋るんですね?」
飯島七段「もう3倍喋りました」
木村八段「これどっちかが勝ったらまたバッチ増えるってことですか?
僕今度解説立候補して全部外しちゃおうかな?」
飯島七段「それ外れてたら先生がやったってばればれじゃないですか」
木村八段「それじゃ次解説する人に頼んで外してもらおうかな」
飯島七段「先生もよければ引き角戦法やってください」
木村八段「あれいい戦法ですよ、あれで私も何局か勝たせてもらいました」
飯島七段「そうなんですよ木村先生の名局がありまして」
木村八段「もう褒めないこの話やめよう解説行かないといけないから。
竹部さんもうまく栄ちゃんを操ってください」

飯島七段「不意打ちに会ったような」
竹部女流「でもずいぶん長い時間喋ってましたよね」

といったところで初手から解説に。
解説中に羽生棋聖が端から△9五歩と攻めかかりました。

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▲同歩△同銀▲同香と普通に進めると後手がよくなりそうとのこと。
しかしヒフミンアイで見てみると、
飯島七段「こっちから見ると後手の攻めが細く見えるな…」

アンケートどちらを持って指してみたいか。
先手:豊島七段21.7%、後手:羽生棋聖36.6%、何とも(ニャンとも)言えない41.7%。

何故か竹部女流も色紙を書くことに。
竹部女流「私もちょっと我流でお恥ずかしいです」

kisei3-23
左馬
飯島七段「いつも書いてるんですか?」
竹部女流「最近はあまり書いてないんですけど。
あ、じゃあこれ(飯島七段の色紙)くださいよ。だめ?」

kisei3-24
羽生棋聖の昼食
飯島七段「あげがでかいじゃないですか」

kisei3-25
豊島七段の昼食
竹部女流「うわおー」

kisei3-26
対局場の沼津倶楽部

盤上では後手番の羽生棋聖が積極的に攻めていきました。

そして…おやつだ!

kisei3-27
対局者と同じおやつ。羽生棋聖が左、豊島七段が右。

kisei3-28
机も広くなってティータイムの装い。
豊島七段の方のほうじ茶のプリンはブールミッシュ銀座本店で限定発売中とのこと。
明日から12日までは本店、池袋で販売されるそうです。
竹部女流「また器もおしゃれで備前の」
担当の方「いえそれはプラスチック…」
流石の爆弾っぷりである。

kisei3-29
食べ方に戸惑う飯島七段
飯島七段「お茶入ってますね。甘さが程よくてこれは食べやすいです」
竹部女流「タルトがやわらかいですね。ほうじ茶の香ばしさが凄いです」
飯島七段「口の中にお茶が残って、今まで食べたプリン全然違いますよ」
問われる食レポ力。

kisei3-30
各地のフルーツが入ったゼリー。

kisei3-31
食レポ対決
竹部女流「さくさくとした食感の中に、
でもぱさぱさとした口の中が乾くというのがありませんね」
飯島七段「甘さ控えてるんで食べやすいです。いっぱい食べられます確かに。
すごく感触が、もちもち感もあって」
竹部女流「私は甘さ控えなくていいと思ってるんでこちらの方がいいです。
あとバターがすごくふわーっと」

kisei3-32
テーブルの上がお菓子だらけになったところで一旦休憩に。

休憩明けの解説では先手の入玉も視野に入ってきたと飯島七段。
竹部女流「豊島先生は入玉得意なんですかね」
飯島七段「まあ豊島七段は不得意な分野が少ないですからね。
序盤中盤終盤隙が無いと私の相方が言いましたけど、
うまく言い表せてるんじゃないですか。
でも僕の感じだと羽生棋聖の攻めが繋がってるんじゃないですか。
でも形勢判断は羽生棋聖の52:48とかそんな感じですけど」

どちらを持って指してみたいですか
先手:豊島七段20.0%、後手:羽生棋聖54.9%、何とも(ニャンとも)言えない25.1%。
飯島七段「増えてるなあ」
竹部女流「やっぱり攻めてるからですか」
飯島七段「攻めてるし飛車と銀2枚の2枚換えじゃないですか。
やっぱり2枚の方が得だと考えるんじゃないですか。
何かねえ攻め合いにならないんですよこれ。棒銀が残ってるのが心配です。
ちょっと2六の銀を使うタイミングが心配なんですよね」

kisei3-33
前傾姿勢の豊島七段。
飯島七段「豊島七段の強さって表情に出ないんですよ、不利になっても。
僕なんかすぐ出ちゃうんですよ頭かかえて」
竹部女流「何かはぁーってため息をついて」
飯島七段「良く見てますね竹部さん。
相手からもばれちゃうんですよねそういうことやってると」
竹部女流「トイレに行くとかもありますよね」
飯島七段「僕も結構勝ちになるとトイレに顔を洗いに行きます。
幻想じゃないだろうなって、勝手読みしてる可能性があるから冷たい水で」

豊島七段は▲7六金。
飯島七段「木村先生が得意そうな局面ですよね」
竹部女流「木村先生風にやれば見えるんじゃないですか?
成るでしょー?はい取る。全然寄りませんよ先手持ちですよ僕」
棋士は棋士の物まねが上手い。

kisei3-34
飯島七段「将棋の格言で4枚の攻めは切れないというのがあるんですけど、
この局面は常識外の局面なのかもしれないですね。
この一手目が私見えないんですよ」
攻め合いにはならないので羽生棋聖はゆっくり攻めればいい。
しかし入玉ならば攻め合いじゃないから2六の銀は残っていても関係ない、
攻めが切れてる可能性もあるなあとのこと。

そして▲同金の次の一手をアンケート行きますかということで選択肢を用意していたら、
豊島七段は▲同金と取らずに▲6六金と避けました。
飯島七段「仕方の無いところですよねこのレベルはね…」
※感想戦では▲6六金でも▲同金でもなく、▲8五金なら難しかったとのこと。

ということで次の一手アンケート
飯島七段「当たらないと大変だから言いまくりますかいろいろ」
竹部女流「9個までできるので9個あればいけますよ」
飯島七段「これで当たらなかったらどうしようかな」
竹部女流「ノニジュース一気飲みで」
△8五銀12.1%、△8一香17.4%、△6五香20.2%、△6四角7.4%、△7六銀21.1%、
△6五銀8.2%、△8三香2.7%、△8二香4.4%、△9七香6.4%。
飯島七段「△5五歩来たらどうしよう」
竹部女流「来たらノニジュースで」
羽生棋聖「△6四香!」
飯島七段「あれ!?△6四香言って無い!これは飲まないとだめですね。
これは愕然としたなあ僕も」

kisei3-35
運営の方も含めて3人で罰ゲーム。
飯島七段「口の中にまったく余韻が残るというか」
竹部女流「先生9択で当たらなかったらねえ」
飯島七段「えー何でだろ…。
これ感想戦で△6五香でも同じですとか言われたら噴きますよ」
といったところで一旦休憩に。
※感想戦では△6四香に▲6五歩と打つ変化が調べられ、
単に△6五香と打つよりも1歩取れていることが大きいとのこと。同じではなかった。

局面が進んでまた次の一手アンケート
飯島七段「流石にこれは当たりますよ。4つも言えば」
竹部女流「さすがに当たるでしょう」
と言いつつたくさん保険をかける飯島七段。
△5七銀成23.3%、△5七銀不成31.3%、△7五銀10.4%、△2四銀1.2%、
△8三桂1.7%、△9七香成0.9%、△9四桂1.5%、その他29.6%。
羽生棋聖「△5七銀成!」
飯島七段「当たった!ほらしかも1個目ですよ!」

盤上の解説に戻るとここ数手は羽生棋聖が得をしたとのこと。

飯島七段「豊島さんが飛車を打ったとして、羽生棋聖の手を。
それじゃ△1四歩か△6七香成か…」
竹部女流「2択?」
飯島七段「2択は勘弁してください」
飯島七段は後手持ちとのこと。

アンケートどちらを持って指してみたいですか。
先手:豊島七段14.0%、後手:羽生棋聖71.0%、何とも(ニャンとも)言えない15.0%。
竹部女流「すごいですね71%ですか」
飯島七段「うーん、そういう方多いんじゃないですか」

豊島七段が▲8一飛と打ったので急いで次の一手アンケート。
竹部女流「△1四歩でなかったらハブアタック飲んでくださいよ」
4択になかったらとなりましたが、
飯島七段「△2四銀入れとけばよかったとかあるかなあ。無いだろ…」
△1四歩37.7%、△6七香成15.2%、△9七香成2.4%、△4九角6.4%、その他38.2%。
竹部女流「△1四歩は飯島ファンですね」
飯島七段「棋士人生が一番かかってる…。
▲8一飛のタイミングで出しておけばよかった…そしたら当たってたのに…」

kisei3-36
飯島七段「確認してますよね何かをね。そういう雰囲気に感じます私は」
竹部女流「△4九角打ったらハブアタック飲んでくださいよ」
飯島七段「竹部さんそれはね…将棋っていろいろな手があるからね…。
僕は駒の損得を重視するので△1四歩を突いて銀を取りに行きたいですけど」

といったところで休憩に。
羽生棋聖「△1四歩!」盛り上がるコメント。

竹部女流「次の一手…」
飯島七段「いやーやっと、今日の仕事終わったって感じです」

kisei3-37
でもハブアタックは飲む。
飯島七段「手が見えてくる気がしてきました。全部当たるかもしれません。
外れて飲むよりは当たって飲んで嬉しさ2倍みたいな」
竹部女流「へー↓」
まずいのを期待していたのに外れてテンションが下がる竹部女流。

飯島七段「▲2三歩成で勝負するしかないと思います」
豊島七段「▲2三歩成」
飯島七段「あ、当たった。ハブアタック効果出てるんじゃないですか?」

豊島七段はと金をじっと▲6三とと寄って、
自玉の入玉ではなく羽生棋聖の王様に働きかける順を選びました。
しかし羽生棋聖が先手玉に迫り、入玉を目指さないと勝負にならないか、
といった展開に。
飯島七段「でもまあ将棋はいろいろな手がありますからね」
竹部女流「あれだけ当たりませんでしたからねえ(しみじみ」
しかしハブアタックを飲んだ飯島七段の解説通りの展開に。終局が近いか。
しかし△4九角からの手順を解説中に羽生棋聖は△2七歩。
飯島七段「ああそっちもあるかなと思ってたんですけど」
竹部女流「はい(笑」
ハブアタック効果5分くらいだったか。
豊島七段が▲同飛とすぐに取ったのを見て、これはすぐに終わると飯島七段。
ということで映像も対局室に。
▲同飛は粘るのではなく勝負に行った手なのでとのこと。
竹部女流「皆さん飯島先生を信じて」
飯島七段「え?僕もう信頼が篤いんじゃないですか?」
竹部女流「さっきの△2七歩くらいですよね外したの(笑」
飯島七段「いやーさっきの△6四香の局面は多分正解が一つしかないので、
当てられないのはきついんですけど、今は形勢が離れてるので、棋風ですよ棋風」
しかしハブアタック効果が切れたのかさらに外していく飯島七段。
竹部女流「棋風ですよね↑、棋風」楽しそう。
豊島七段は残り2分に。

飯島七段「これ今日罰ゲームありましたけど、今後も続く流れなんですか?
僕苦情来ても困るんですけど、次誰でしたっけ」
竹部女流「次鈴木大介先生なんですよねえ。多分結構当たらないんですよ」
飯島七段「そんなこと言っちゃっていいんですか!?」
流れ弾が鈴木八段にヒット。

といったところで豊島七段が投了し、羽生棋聖の勝ちになりました。

飯島七段
早囲いに序盤豊島七段がチャレンジしたんですけれど脇システムになって、
△4二角引いて端を狙った羽生棋聖の構想がよかったと思います。
印象に残るのは桂馬を捨てて十字飛車ですよね。
飛車銀交換で攻めが心細くなったんですけど、△6四香が名手でしたね。

ということで棋聖戦第3局は、
羽生棋聖が端から細い攻めを繋いで最後は圧勝という形になりました。
今日は竹部女流がいいところで暴走してくれてとても楽しかったです。
飯島七段に対局料を50としたら引き角君は?と聞いたところがなかなかよかったです。
答えは濁されましたが実は飯島七段は不動産の財テクが有名なので、
不動産が50オーバーになるんじゃないかと揶揄してみたり。
対局では飯島七段が△6四香が名手と感想を述べていましたが、
1手前の▲6六金に変えて▲8五金なら難しかったとのことで、
羽生棋聖が機敏に咎めた手ということになります。
プロ棋士はみんな勝負どころと思う局面が一致するんですねえ。
また、これで棋聖戦は後手が3連勝、名人戦は後手が4勝1敗と、
後手がだいぶ勝っているのも印象的です。
次は羽生棋聖が先手ですが、名人戦、棋聖戦と後手が押している展開なので、
先手でのまさかの振り飛車とかありますかね?

棋聖戦第4局は7月15日、ニコニコ生放送では9時から、
解説に鈴木大介八段、聞き手に長沢千和子女流四段で大盤解説会が放送されます。
羽生棋聖が防衛するのか、豊島七段が逆王手をかけるのか、
さらに羽生棋聖は7日、8日に広瀬八段との王位戦第1局もあります。
ニコニコ生放送では王位戦は放送されませんが、こちらも注目ですね。

棋聖戦第2局は豊島七段が大激戦を制す

羽生善治棋聖に豊島将之七段が挑戦する第86期棋聖戦五番勝負第2局は、
後手番の豊島七段が勝利して1勝1敗としました。

kisei2-1
朝の様子。瞑想中?

ニコニコ生放送では9時から、解説に松尾歩七段、
聞き手に藤田綾女流初段で大盤解説会が始まりました。

藤田女流「注目の戦型予想はいかがでしょうか」
松尾七段「そうですねえまあうーんと、
なんとなく矢倉になるんじゃないかなと思うんですけど、どうなんですかねえ」

羽生棋聖の初手は▲7六歩でした。
松尾七段「多分△8四歩なんじゃないかと思うんですけど」
豊島七段は即座に△8四歩。
松尾七段「以前は初手を指した後に撮影用で何回か指したこともあったんですけど、
今はそういうことはないですね。朝から結構緊迫した空気ですね」
藤田女流「今回は記録がタブレットになっています」
松尾七段「最近導入されて、ネットで見るにあたって、
1手指すごとに消費時間も分かって便利ですね」

kisei2-2
おはようございます
藤田女流「松尾先生はニコニコ生放送は将棋界の一番長い日以来ですかね」
松尾七段「かなり久しぶりに出させていただくことになりました」
藤田女流「こちらのスタジオはどのくらいぶりですか」
松尾七段「3年くらいですかね。
生放送ってこと自体にあまり慣れてないので緊張気味です」

羽生名人は▲6八銀と矢倉を選択しました。

藤田女流「1局目はいかがでしたか」
松尾七段「結構激しい将棋になりましたよね。
序盤から豊島さんが工夫をして最近ではやや珍しい将棋になって、
そこからすぐに戦いが起こって目が離せない面白い将棋になりました。
この2人だと終盤までくっついていって、
競り合いになる面白い終盤戦になることが多い気がしますね。
最近のプロ将棋の傾向として、
序盤を早く飛ばして中終盤に時間を残すスタイルが増えてきてるかなと思います。
私が奨励会の頃、20年前ですかね、結構序盤でもかなりゆっくり、
タイトル戦の時ですと定跡型でも改めて1から考えてると言うか」
藤田女流「今回持ち時間が4時間ですが」
松尾七段「対局してる立場だとそう多い時間でもないかなと思います」
藤田女流「この両者のタイトル戦ですと前回は王座戦で持ち時間が5時間でした」
松尾七段「早指し棋戦を除くと3時間が一番短いんですけど、
それだと1時間で序盤は乗り切ってというペース配分なんです。
4時間ですと序盤で1時間半から2時間くらいで中終盤に残すんですかねえ」
藤田女流「先生はどのくらいの時間がいいですか」
松尾七段「一応どの時間でも対応できたらいいなと思っていますけど、
得意不得意作りたくないかなという意識はありますね」

kisei2-3
松尾七段「午前中なのに緊迫してますねえ。
僕が将棋覚えたとかそれよりさらに前のことかもしれないですけど、
午前中は雑談していて、本腰を入れて考えるのは午後に入ってからと聞きました。
今は序盤から勝負というか、これ多分矢倉になると思うんですけど、
いくつかの形をイメージして、
定跡形だったりした場合ですと先まで突き詰められている場合があるので、
午前中にも終盤の変化を思い出すというか、普段研究していることを整理している、
ということがあると思います」

プレミアム会員は感想戦も見れるという話で、
藤田女流「ちなみに私プレミアム会員なので感想戦見れるんですよ」
松尾七段「僕もそうですよ」
藤田女流「先生プレミアム会員ということは普段番組を見られるんですか」
松尾七段「一度ポーカーを見て面白いと思いました。基本将棋ばかりなんですけど。
藤田さんはどんな番組を見るんですか」
藤田女流「私はゲームのアプリにはまってて、動画とか生放送とかを見ています。
黒猫のウィズというゲームなんですけど、生放送もやってたりするんですよ。
クイズのアプリですね」

盤上の解説に戻り
松尾七段「まだ急戦矢倉の可能性もありますけど」
豊島七段「△5二金」
松尾七段「あ、なくなりました」
藤田女流「いいタイミングでしたね」

リレー質問
田村七段から松尾七段へ
新宿でいいお店を教えてください。
松尾七段「これ飲み屋ってことですよね。
田村さんの方が多分知ってるんじゃないかと思うんですけど。
まあ一時期新宿でよく飲んでるときはありましたけどねえ」
藤田女流「料理は何系ですか」
松尾七段「嫌いなもの無いんですよ」
藤田女流「オールラウンダーなんですね」
松尾七段「将棋もそうなりたいんですけどねえ。
ぱっと思い浮かんだのはワインバーでいいところがあるんですけど、
田村さんと1回行ったような記憶があります。
新宿3丁目ですね、2丁目ではないですね名前出しちゃっていいんですか?
マルゴーっていう新宿に何店舗かあるんですけど」
藤田女流「特定班急げとかコメントが」
松尾七段「あの変で飲んでる人は知ってると思うんですけどね。
日本酒はきついというか自分の体だと残っちゃうので、ワインの方が飲みますね。
田村さんと藤森君と3人で、2軒目くらいに行ったと思いますね」
藤田女流「松尾先生はお酒が強いというイメージがあります」
松尾七段「強いかどうかは分からないですけど好きではありますね。
まあ弱くは無いと思いますけど」
藤田女流「どれくらい飲んだら足に来るというか、ふらふらしますか」
松尾七段「店出る時に気づくというときはありますね」
藤田女流「飲んでるときは全然大丈夫なんですか」
松尾七段「結構大丈夫ですね。
まあ酒なんか強くならなくていいっす。将棋強くなりたいです。
えっとこれ朝からお酒の話ばかりしてて大丈夫なんですか?」

山口女流から藤田女流へ
飛車対角の将棋で必勝法を教えてください。
松尾七段「これは片方が飛車飛車で片方が角角なんですよね。必勝法があるんですか」
藤田女流「もう忘れちゃいました。
あのちょっと前に山口さんがニコ生で野月先生と出演した時に、
大盤で勝負をしてました。
元の動画はニコ生の動画再生数で1位とったらしいんですけど、
野月先生と山口さんと会った時にそんな話になって、1ヶ月前なんで忘れちゃいました。
飛車飛車で先手だったら必勝じゃないかという結論だったんですけど」
松尾七段「飛車が先手だったら後手相当辛そうだと思いますけどねえ」

ということでちょっとだけやることに

kisei2-4
藤田女流「あ、左右はんた…一緒だ」
天才とはどこか抜けているものか。

kisei2-5
藤田女流「ここまでしか覚えてないです」

kisei2-6
藤田女流「銀出るんだったかな、1歩取っていくんだったかな。
並べたら思い出すと思ってたんですけど。
一応私も対局したんですよ。阿久津先生に教えてもらって」
他にも中飛車から▲5六飛、▲5八飛と並べる作戦も有力とのことでした。

解説に戻って、コメントを読んで
松尾七段「矢倉って今後手有利なんでしょって質問がありますけど、
最近後手が押してるというか、
今までの矢倉の歴史の中では結構後手が頑張っているというか」

羽生名人は早々と▲3五歩。13年ぶりらしい。

松尾七段「これは最近は珍しいですね。
突かないで囲っていくのが圧倒的に多いんですけど、
欲張ったというか、少し得をして駒組みをしていこうという手なんですけど、
軽い手でもあるんですね、銀もまだ下で。
矢倉の中での予想の手としては無いですね」
藤田女流「先生は予想通りになるというのはどのくらいの割合ですか」
松尾七段「最近横歩になるかなとか大まかな戦法は、
だいたい事前に思った通りになるというか、そういうことが増えてきました。
最近は得意形を持っている人が多いので。
でもいきなり思ってもいない、
例えば最近振り飛車指してないのに指してきたなとかありますけど、
でもそれはそれで驚くとかはないですねえ。
でもこの▲3五歩は予想はしにくいですね。
ただこれは歩がぶつかりましたけど、ジャブを放ったくらいですね。
これから駒組みが続くと思います。
矢倉の中では少ない方なので、力戦とまでは言えないですけど、
そういう要素がありますね」

豊島七段は△6四角▲1八飛に△4三金右と指して席を外しました。
△4三金右は珍しい手とのことで、既に前例が無いらしい。

10時のおやつが届いて、
松尾七段「おやつはいいですね。
将棋を指しているとしんどい時があるのでいい気分転換になるというか。
豊島さんは食べるんですかね?細いからあまり食べない印象があるんですけど」
藤田女流「先生対局のときは何か食べますか」
松尾七段「食べないですねおやつの類は。あんまり必要としないというか。
一時期3時くらいになったらおやつ食べてたんですけど、
効果として実感できないので、特におなか空くわけでもないので」
藤田女流「ブドウ糖の塊みたいなの売ってますよね」
松尾七段「それを置いてる人もいますけどね。
お菓子の類は食べないんですけど、コーヒー僕ブラックで飲むのが好きなんですけど、
そこを砂糖を入れるというのはありますね。喉は渇きますね。何か飲みたくなるんです。
500ミリリットルのやつをずらっと並べてる人もいますよね。
何で1リットルのやつとかにしないんだろう?」

kisei2-7
松尾七段「羽生さんはゆったり構えている感じですね」

kisei2-8
10時のおやつはバウムクーヘン

矢倉囲いを完成させた羽生名人の手に対して、
松尾七段は3筋から軽く動いた反動に備えたいところなので、
金は5八に置いておきたいというのが第一感なので、
どういう構想なのか分からないとの解説。
豊島七段は△4五歩、△4四銀の2手で十分の体勢になるので、
その間先手がどんな2手を指すのか注目とのこと。
といったところで一旦休憩に。

休憩中に羽生名人は▲6五歩から▲6六銀と、左辺を盛り上げていきました。

アンケートどちらを持って指してみたいか。
羽生棋聖68.3%、豊島七段31.7%。
松尾七段「うーんどっちかなあ。
本当に突き詰めて考えた場合どちらかがいいかもしれないんですけど、
藤田さんどっち持ってみたいですか」
藤田女流「後手番から見たときに気がかりな事が2つあったので、
先手を持ってみたいです。先生はどちら持ちですか」
松尾七段「僕はなんとなく後手を持ってみたいんですよね。
左の銀で角を狙っていくのは僕はあまり好きじゃないんですよ。
まとめるのが難しいというか。
後手の方がわりと自然に指しているかなというか、
玉形がしっかりしているというか、
後手を持って考えてみたい局面かなと思いますね私は」

kisei2-9
先手は▲3七銀から後手の3五にいる歩を狙う指し方と、
▲7五歩から角頭を狙いつつ左辺を制圧しにいく指し方があり、
後手がどう対応するのかといったところ。

羽生名人との研究会の話になり、
松尾七段「あのー将棋挟んでる時は将棋の話なんですけど、
食事の時は将棋そのものの話じゃなくて将棋界についてとか、
そういう感じが多いですね。
話題が豊富というか、引き出しが多いイメージがあります」
藤田女流「タイトル戦でも関係者の方と談笑されているイメージがあります」
松尾七段「誰とでもその人に対応して話してるんですかね。
話題がどういう話題でも対応できると言うか、将棋と通じるものがあるのかな」
藤田女流「研究会は月に何回くらいですか」
松尾七段「月に1回できればいいかなというくらいですね」

珍しく前傾姿勢で考え込む豊島七段に、
松尾七段「傍から見てるとあの姿勢結構疲れそうだなあ」

kisei2-10
羽生名人はおなじみのポーズ。
松尾七段「あのポーズたまに見るんですけど、
ずっとメガネかけてると疲れるんですかねえ。寝てるわけじゃないと思うんですけど。
自分も変な体勢で考えている時がありますけど、
何でそうしているのかはよくわからないです。無意識なんじゃないかな。
知らない方が見てると寝てるんじゃないかなと思うかもしれないですけど、
流石に寝てるわけじゃないです」

羽生名人は構想通り▲7五歩と左辺を盛り上げていきました。

昼食アンケート
うなぎ35.0%、そば28.6%、カレー14.1%、パスタ22.3%。
藤田女流「普段の対局は外に行かれる事が多いですか?」
松尾七段「対局のときは出前ばかりで、外に行くのが面倒くさいんで」
コメントを読んで
松尾七段「フォアグラいいなあ。でもどこで食べればいいのかなあ」

昼食休憩に。

昼食休憩中の詰め将棋

kisei2-11
▲1四金△同金▲2三金△同玉▲3三竜までの5手詰め。

正解者の中から抽選でこの場で書く色紙をプレゼント。
藤田女流「どうですか見られながら書くのは」
松尾七段「すごいやりにくい」

kisei2-12
松尾七段「一歩(いっぽ)ですね。(コメントで二歩と流れて)二歩じゃないです」
藤田女流「(コメントで画伯と流れて)コメントが来てますが全部スルーして」
松尾七段「見てると動揺しますね」

昼食アンケートの答えは

kisei2-13
松尾七段「ここだけ見て分かったらすごいですね」
松永と流れて
松尾七段「え?何で分かるんですか?」

kisei2-14
藤田女流のとろろそば

kisei2-15
松尾七段のおろしそば

kisei2-16
いい笑顔
松尾七段「これ恥ずかしいなあ」

解説に戻って、羽生名人がぶつけた▲5五歩を取ってしまうと、
先手の大駒の働きがよくなる展開になるとのこと。
松尾七段「先ほどは後手持ちたいと思ってたんですけどねえ。
休憩中に△3三桂を見たときはなるほどなと思ったんですけど、
ちょっとこの▲5五歩の動きに対するいい対応が今のところ浮かばないので、
先手を持ちたくなってきたという気持ちがあるんですけど、
ここでうまく対応できるかどうかで勝敗に影響してもおかしくないです。
先のことを見てうまく後手の駒が働いてくるならいいんですけど、
私には見えないですね」

kisei2-17
豊島七段はこの表情。この後すぐに△4二角。

質問メール
ドワンゴ主催新棋戦の名前がユーザー投票中です。
お気に入りの棋戦名はありますか。また松尾先生はエントリーされましたか。
藤田女流「エントリーはちょっとまだということで。
いろいろな情報は18日に発表されますのでそちらで。
新棋戦の名前は先生何がいいですか」
松尾七段「ああなるほど。結構ありますね。
(メールを見ながら)覇王戦とかかっこいいかな」
藤田女流「私も実は投票したんですけど、どれもよくて迷いました。
まだ投票していない方は是非投票してみてください」

松尾先生は羽生棋聖や、木村一基八段、村山慈明七段と研究会をされていますが、
どのような雰囲気なんですか。
また面白いエピソードなどあれば教えてください。
松尾七段「頻度は月一できればいいかなというくらいです。
でもやっぱり羽生さんですとか木村さんですとか、忙しい時がありますので」
藤田女流「これはどれくらい続いているんですか」
松尾七段「最初村山さんの変わりに森下さんが入っていて、
理事になられて忙しいので村山さんに変わりました。
村山さんの前のときからあわせると、
僕が四段になってからすぐのことなので、10年以上になりますね」
藤田女流「どのような雰囲気なのでしょうか」
松尾七段「実戦形式で将棋を指して、感想戦で意見交換という形なんですけど、
羽生さんはタイトル戦だと厳しい雰囲気で感想戦されてますけど、
一瞬ちょっとやわらかい雰囲気になるというか、
冗談が飛び出たり公式戦と違ってやわらかい雰囲気です」
藤田女流「終わったあとは食事には行かれますか」
松尾七段「基本的には行かないですね。お昼だけです」

私は愛知県に住んでいるのですが、
松尾先生も豊島先生も愛知出身という事で応援しています。
松尾先生は愛知県にはいつごろまでお住まいだったのでしょうか。
松尾七段「愛知県は16歳のころまでですね。
当時奨励会1級で、
高校に行っていたんですけど中退して将棋一本でということで東京に来ました」
藤田女流「名古屋などにある将棋道場には通われていたのでしょうか」
松尾七段「通っていましたねアマチュアの時に。
名古屋で一番有名な将棋教室がありまして、
そこに日曜日2、3週間に1回くらい通っていました。
私の出身は日進市ってとこなんですけど、中心地まで1時間くらいかかるので」
藤田女流「私も道場に興味があるのですが、なかなかふみこめないので、
と書かれています。初めて行かれた時の様子なども教えてください」
松尾七段「有段者の強い方がいれば、
将棋を始められたばかりの方でも教えてもらえます。
手合いを付けてくれる方がいますから、ちょうどいい相手と対局させてもらえます。
行けば自然と将棋が指せますので」
藤田女流「一番初めに行った時というのはどういう感じでしたか」
松尾七段「もうあんまり前なんで、小学校4年生くらいのときで、
親に連れてってもらったような気がしますね。
子供だったんでおじさんがかわいがってくれたというか、
将棋教えてやるよという感じで周りの人が良くしてくれたと今となっては思います。
当時は一生懸命将棋を指していただけですけど」
藤田女流「私は小学校2、3年くらいなんですけど、
周りの人が温かく迎え入れてくれたので、
最初は勇気が要りますけど1回行けば大丈夫だと思います」

将棋では駒の動きを把握するのに空間認識能力が必要になる、
というのを聞いた事があります。
ということは棋士の方には方向音痴がいないのでしょうか。
松尾七段「すごく難しい質問が飛んでくるのかと思ったら」
藤田女流「空間認識能力というのはどのような能力なんですか」
松尾七段「分からないですけど、ひとつ言える事は私は方向音痴です」
藤田女流「私も方向音痴です。でも方向音痴が多い気がします。
女流棋士は地図が読める人いないんじゃないですか?
地図を見ていてもまず現在地が把握できなくて、どんどん迷っていきます」
松尾七段「相当たどり着けないやつですね」
藤田女流「今はグーグルマップがあるんで助かってます。現在地教えてくれるんで。
地図をくるくる回すのが悪いと聞きました。
とは言っても方向音痴治ってないんで説得力ないんですけど」

お二人は何か懸賞などで当てた事はありますか。
僕は巨人戦のチケットが当たりました。
藤田女流「先生は懸賞とか応募されたことありますか」
松尾七段「1回も無いくらいのレベルなんですけど」
藤田女流「懸賞だと何だろう、クロスワードとか?
くじとかも懸賞ですね。先生はありますか」
松尾七段「宝くじを子供の頃に親が1回買った事があって、
印象に残っているくらい無いですね」
藤田女流「私は花火大会でゴルフバッグが当たったことがあります。
何で花火大会でなんだろう。ゴルフやらないので物置に入ってます」

私は将棋ウォーズで毎日対局していますが、
先手の時に矢倉を避けて角換わりか横歩に誘導したいのですが、
△4四歩と角道を止めて無理やり矢倉にされてしまいます。
どのように咎めればいいのでしょうか。
何かいきなり難しい質問になりましたね。さっきは懸賞の話だったんですけど。
全然プロ間でも時々出てくるんで、咎めるにはと言われると難しいですね。
でもいろいろ自由にお指しになる方がいいと思います。
仮に僕がこう指した方がいいですよと言っても、出だしも出だしじゃないですか。
咎めようとかっていう感じよりは、自分が好きな形に持って行こうとか、
そういう感じにするといいと思います

松尾先生が師匠と出会ったきっかけを教えてください。
また、松尾一門は今後何人になる予定ですか。
松尾七段「松尾一門は今のところ0ですね。
師匠とは小6か中1くらいに研修会に通っていたんですけど、
奨励会を受験するという話になったときに、
研修会の幹事の方に師匠を紹介してもらえるということがありまして、
先に所司門下に入っていた先輩にどうかと言われて入りました」
藤田女流「所司門下多いですよね」
松尾七段「もう多すぎて何人いるのか。
師匠には奨励会に入る前から教えてもらっていました。
駒落ちではなくて平手で教わってたんですけど
どういう考えがあったのか分からないんですけど、
たくさん指すのではなくて行った時には1局教わるという感じでした」
藤田女流「お弟子さんは取られる予定はありますか」
松尾七段「今のところ考えてないですね。
ゆくゆくは考えなきゃなとは思うんですけど、人の人生を預かるという面もあるので。
自分としてはトーナメントプロとしてやっていきたいと思っているので、
そこまでは考えられないという段階ですね」

将棋の解説を見ると、時々この形は水面下で研究されていますという解説を聞きます。
水面下の研究手を指すのは発見した人が最初に指すのでしょうか。
何か暗黙のルールがあるのでしょうか。それとも誰でもいいのでしょうか。
一言で言ってしまうと無いですね。
研究会で指された新しい手というのが公式戦でどう現れるか、
ということだと思うんですけど、それを見ていいなあと思った人が、
言ってしまえば早い者勝ちで公式戦で指されます。
どういった形で現れるのかは運とかもあるので、
誰が最初にやるのかはわからないですね。
僕も横歩取りで5五飛車とか指す松尾流というのがあったんですけど、
練習将棋で橋本さんに指されて面白い手だなと思って指しました。
先に僕が指したんで松尾流になったということなんですけど、
橋本さんも当時三段だったのかな、東京に移籍してきたばかりで、
関西の浦野西川戦の感想戦で出た手らしいんですけど、
それを練習将棋で僕相手に指して、それを僕が公式戦で指したという、
関西からやってきたみたいな手なんです。
元をたどると全然違う人の名前が出てくると言うのは時々あるんじゃないですかねえ。

kisei2-18
羽生棋聖は天もりそばとリンゴジュース

kisei2-19
豊島七段はうなぎ丼ぶりとフルーツ
松尾七段「豊島さんこれ食べきれるんですかねえ。
私こういうので出てくると困るんですよ残したくないので」

昼食は豊島七段が優勢か。

kisei2-20
羽生名人は▲7四銀。
松尾七段「予想が当たらなくて申し訳ないんですが…」
銀が単騎で突っ込んでいく手は流石に当たらない。
その後解説を進めて
松尾七段「羽生棋聖も自信を持って銀を出たわけでもないのかなあ」

kisei2-21
羽生棋聖はおやつタイム
藤田女流「対局室に大内先生も来られましたね」
松尾七段「おやつ?」
藤田女流「おやつじゃないです」

kisei2-22
羽生棋聖は左のおやつ。
中にチーズムースとブルーベリーのゼリーが入っているらしい。
石川県が和菓子で有名なので和菓子風になっているとのこと。

豊島七段は右の蜂蜜ババロアとシャルロット。
シャルロットが女性の帽子をイメージ。
山形県産のさくらんぼ使用。
蜂蜜は通常のものより20%ほどカロリー控えめらしい。

kisei2-23
もちもちした表面に苦戦する松尾七段。
松尾七段「いやおいしいっす」

豊島七段のおやつの方はやわらかいらしい。

kisei2-24
松尾七段「お菓子自体食べなれてないのにすごい撮られてて、
今まで生きてきて多分一番緊張してる」
藤田女流「そんなに甘すぎなくてしっとりしていておいしいです」
松尾七段「いやほんとおいしいです。
誰も居ないところで一人でじっくり味わいたい」

kisei2-25
棋聖戦限定パッケージのお菓子。ガトー・ボワイヤージュ
銀座本店とネットのみの販売らしい。
パッケージの詰め将棋は正解者の中から抽選で新棋聖の色紙プレゼント。
その他3000円分のお菓子も当たるよとのこと。

kisei2-26
ブールミッシュ ガトー・スフレに目を輝かせる藤田女流。

kisei2-27
おやつを食べてる間に急に戦いが激しくなり、おやつキープで解説に。
▲6四角からの角交換は後手玉がしっかりしていて、
先手は玉飛接近している形なので先手は選びにくく、
▲2八角は普通だが△4六歩で角道が止まってしまう、
▲7七角も玉と接近していて攻められやすく、
先手はどの手も怖いので、どの怖いを選択するか、
なんだかどの手もありそうな気がしてきましたとのこと。

次の一手アンケート
▲2八角23.9%、▲6四角40.5%、▲7七角18.9%、その他16.6%。
松尾七段「強気な方が多い」
羽生棋聖は▲2八角。豊島七段は即座に△4六歩。
そして解説通りに羽生棋聖が銀損ながらと金を作る展開になり一旦休憩に。

休憩明け、松尾七段は先手としてはあんまり自信がなく、
後手は角が使いにくいので、
変な手だが△2五桂と桂馬をどかす手はあるかなとのこと。
また、△4五銀左から▲同銀△同桂とどかす順もあり、
豊島七段もここは良くできる手があるはずと思って長考しているのではないか、
先手としては不安で後手は角を使う事を含みに指したいらしい。

kisei2-28
松尾七段「羽生棋聖すごい体勢で考えてますね」

アンケートどちらを持って指してみたいですか
松尾七段「僕は2番ですけどね豊島さんが、ええ」
先手:羽生棋聖43.2%、後手:豊島七段22.9%、ニャンとも言えない33.9%。
松尾七段「私が2番と何回も言ってるのにあまり聞いてくれない(笑。
なんかちょっと羽生さんの人気というか信用というか。銀得ですけどねえ」
藤田女流「2、30%のブランド力があるらしいです」
残り32分まで考えて豊島七段は△4五銀左。
やっぱり後手がいいと思うんだけどなあと松尾七段。

豊島七段の△4五桂に、
松尾七段「ずいぶん強気な手できましたね。
いろいろ選択肢がありそうな局面の中では一番玉が薄い形なので」
羽生棋聖はううーんと唸ってました。

kisei2-29
豊島七段は△6六歩の垂れ歩。松尾七段は盤上この一手と太鼓判。
羽生棋聖は持ち駒の銀を使って▲6八銀と受けました。
受けているようじゃ辛い気がしますが、と言って受けない順も検討しましたが、
やっぱり受けた方がいいんですねとの結論になりました。
そして羽生棋聖は残り1時間に。
羽生棋聖は直線的な斬り合いの展開になる、
と解説していた▲5三とを選択したところで一旦休憩になりました。

休憩を明けると一手を争う叩きあい。
豊島七段が飛車金両取りをかけましたが、羽生棋聖はかまわず▲3三歩と放り込みます。
詰むや詰まざるやまで変化手順を進めて
松尾七段「うーん…微妙ですね」
その後様々な変化を並べて
松尾七段「羽生棋聖が苦し目な感じですけど、どの変化もはっきりしないですね」

kisei2-30
ここから羽生棋聖は▲9八玉。どちらが勝っているか。
△7六桂に▲2六桂の攻め合いは先手玉に必死がかかって後手の勝ち、
▲7七銀とかわしても後手の勝ち、
という解説で、羽生棋聖は▲4四歩と角道を止めました。
豊島七段は残り12分に。

kisei2-31
松尾七段「大内先生結構いますね。
きわどい終盤戦であそこで見てると面白いんだなと思いますね」
羽生棋聖は残り30分。手番の豊島七段は残り3分に。
松尾七段「自分が勝つんじゃないかってところで、
よさそうな手が3通りあったら時間使いますよね」
豊島七段は残り3分まで考えて、解説の3通りの手ではなく△6六歩。
松尾七段「これは羽生棋聖も状況を把握するのに時間を必要とするかなと思います」
▲7七金△7九成銀としたところで羽生棋聖は席を外しました。

羽生棋聖は後手の攻撃の根元の角取りに▲2五桂。
角取りを放置して迫る手になるんですが、一番厳しい手は△8九成銀かなあ、
と言っている間に豊島七段は△8九成銀。
松尾七段「相当きわどいですねえ。きわどすぎて見入っちゃいますねえ」

kisei2-32
残り時間がなくなるまで考える羽生棋聖。そして解説になかった▲5一角。
松尾七段「見えにくい手が来ましたね。多分詰めろなんでしょうね。
受けるか一旦王手をして、でも▲7八歩でいいのかな…うーん…。
現状だと詰みなんですけど、1枚使った状態で詰むかどうか」
豊島七段は一旦王手。羽生棋聖は急に前後に揺れ始めました。
持ち駒を使わない▲7八歩に豊島七段は△4四銀と受けました。
松尾七段「今の手つきは読みきっている雰囲気ではないですね」
しかし豊島七段が羽生棋聖の追撃を振り切り、大激戦を勝利で飾りました。

kisei2-33
投了直後の様子。
最後に豊島七段が羽生棋聖の王様を詰ましに行く時には、
立会人の大内九段の体まで左右に揺れていました。興奮しすぎである。

松尾七段「羽生棋聖がずっと苦し目の流れできてたと思うんですけど、
△4四銀と受けたところはもしかしたら先手にいい手があるのかなと思いましたが、
▲4二とに△同飛ととったところで見切っていたのかなと。
捻り合いで珍しい形から、銀得対と金の戦いで、
判断のつきにくい将棋だったと思いますけど、
豊島さんの方が強気に戦って、難しいところを一歩出たのかなと。
終盤羽生棋聖の追い上げがすごくて、元々どの程度離れていたのか。
ぎりぎりの展開でずっと着いていったのが流石羽生棋聖で、
最後ぎりぎりの終盤戦になりました。
多分▲4二とに△同飛で大丈夫と豊島さんが見切っていたと思います」
藤田女流「次の対局はどんなところが見所でしょうか」
松尾七段「これを見ているとどんな将棋になっても面白い展開になるのかなと思います。
豊島さんが先手番で、なんとなくですけど第1局2局と矢倉でしたので、
そろそろ角換わりが出るのかなと思います」

ということで、棋聖戦第2局は豊島七段が大激戦を制しました。
松尾七段というと升田幸三賞を受賞した横歩取り△5二玉型や、
松尾流穴熊、横歩から▲5五飛と活用する松尾流など、
序盤の研究が深い理論派のイメージでしたが、
解説では案外感覚重視だったのが印象的でした。
とはいえ感触が悪いと言いつつ先の変化を並べてくれるので楽しく見れました。
また、得意不得意作りたくないという考え方や、
自身の事をトーナメントプロと表現するところは同じ所司門下の渡辺棋王みたいで、
渡辺棋王の合理的な考え方は案外所司門下の周辺の価値観なのかなーとか思いました。
対局は終盤まで白熱していて、豊島七段は102手目の△6六歩を、
分からなくて相手に下駄を預けるような指し方、もっといい寄せがあれば、
と語っていましたので、プロレベルでも最後まで難解な大熱戦だった事が伺えます。

これで棋聖戦は1勝1敗の五分、五番勝負ですのであと2勝した方が棋聖となります。
第3局は7月4日、ニコニコ生放送では解説に飯島栄治七段、
聞き手に竹部さゆり女流三段で大盤解説会が放送されます。
どちらがタイトルにリーチをかけるのか、
竹部女流の暴走を飯島七段がどういなすのか、注目です。

第86期棋聖戦五番勝負第1局は羽生棋聖が豊島七段を下す

羽生善治棋聖に豊島将之七段が挑戦する第86期棋聖戦五番勝負第1局は、
後手番の羽生棋聖が勝利して1勝としました。

振り駒の結果豊島七段の先手で対局が開始されました。

注目の初手は▲7六歩。
羽生名人は何でもやってこいの△8四歩。

kisei1-1
関係者が退室する様子。足がしびれて立てない人も。

豊島七段は▲6八銀と矢倉を選択しました。

山口女流「あ、矢倉ですか」
田村七段「矢倉ですね。意表の、全然イメージにないんですけどね。
豊島さん先手だと角換わり、後手だと横歩取りのイメージなんですけど、
何か用意の作戦があるのでしょうね」

kisei1-2
山口女流「どうじょ、どうぞよろしくおねがいします」
田村七段「フフフ」

山口女流「角換わりではないかという予想でしたが」
田村七段「豊島さん角換わり勝率は高いはずなので、
タイトル戦の第1局は得意戦法を持ってくると思っていたのですけど」
山口女流「先生は力戦のイメージですが、矢倉はどのような戦型が得意ですか」
田村七段「私矢倉ねーほんと嫌いなんですよ」

朝の雑談タイム
山口女流「先生は朝早いんですか」
田村七段「こう見えて朝強いんですよ」
山口女流「朝ぱっと目が覚めるんですか?」
田村七段「ぱっと覚めるんですけど、最近犬飼ったんですよ。
顔なめにきて起こされます」
山口女流「何を飼っていらっしゃるんですか」
田村七段「ラブラドールですね」
山口女流「名前は何ていうんですか?」
田村七段「メイですね」
山口女流「トトロから?」
田村七段「5月から飼い始めたんでそれで」
50キロもあるらしい。犬は生まれた時からずっと飼っているらしい。
山口女流「羽生さんも犬飼ってたような」
田村七段「羽生さん散歩できないんじゃないですか。有名人すぎて」
山口女流「先日お仕事でご一緒させていただいた時に、
道端で話していたら外国人の方が羽生さんに話しかけてきて、
英語で話されててさすが羽生さんだなーと思ってたんですけど、
よく聞いたら道案内を頼まれてました」
田村七段「後から知ったら驚くんじゃないですか?」
山口女流「普通に走って案内されてました」

山口女流「藤森先生のTwitter見てたら二人でマカオに行かれたそうですね」
田村七段「二人とも日本語しか出来ないので、話が大変でした。
私はジェスチャーですね、哲は何も出来ません」
山口女流「前小笠原諸島に瀬川先生と行かれたり」
田村七段「旅行基本的に好きなんでね」
※藤森哲也四段は師匠が塚田泰明九段で、
田村七段と塚田九段が兄弟弟子の関係になります。
瀬川五段とは奨励会時代からの友人です。

今回の棋聖戦は去年に続きブールミッシュがおやつスポンサーとのこと。

先手が▲2六歩だと力将棋になると話していたら、豊島七段は勢いよく▲2六歩。
定跡型を避けて力比べを豊島七段が選びました。
早めに▲2五歩とすると後手からの急戦を封じる意味合いがあるが、
作戦を早く決めすぎる嫌いもあるとのこと。

名人戦の話題になり、
山口女流「先生入玉の将棋はどうですか」
田村七段「一手も読めなくなります。
普段の将棋も追いかけてだめだったら負けましたって」

▲6七金右は後手からの急戦対策だが、
後手の角道が△3三銀で止まったので急いで指す必要は無いとのこと。
矢倉は分からないので手の意味を解説してくれると勉強になります。

kisei1-3
田村七段「また変わった手が(▲1六歩)」
山口女流「これは何でしょう。加藤流?」
田村七段「もう前例無いんじゃないですか?」

kisei1-4
そして退室する豊島七段と前傾姿勢で考える羽生棋聖。
田村七段「何が正しいのか分かんないです、意味が分かんないですからね。
端を受けると棒銀でだいたいやばいというのは私も分かるんですけど。
30年くらい前なら▲1六歩もあったかもしれませんけど、最近じゃ無いですね」

kisei1-5
さっそく殴りあいの変化。
午前中からこんな変化を解説することになるということは、
豊島七段が積極的に指しているということか。
30手目、羽生棋聖の△4二角で前例が無くなったらしい。
山口女流「先生はどちらを持ってみたいですか?」
田村七段「後手の方ですね。後手の方が指す手が簡単なので」
豊島七段がどんな構想を見せるのか。

kisei1-6
田村七段「噂のおやつですか。豊島さんはないのかな?」
焼きシブーストとのこと。

質問メール
私は28歳の女性です。
将棋を見る事が好きなのですが、
実際に将棋を始めるには何から始めればいいでしょうか。
田村七段「周りに指せる人がいれば教わるのが一番ですね。
定跡の本とか読んでも最初はまったく分からないでしょうから、
1手3手詰めくらいの詰め将棋がいいと思うんですけど、
最初のルールは周りの人がいればいいんですけどね。
ちょっとやれば6級くらいはすぐだと思うんですけど」
山口女流「ちょっとで6級は結構早いですよ。田村先生は何歳から将棋を」
田村七段「私は9歳からですね」
山口女流「親から教わったんですか?」
田村七段「親父と兄貴が指しているのを見て、何やってるのと聞いてからです」
山口女流「プロを目指すきっかけは」
田村七段「なんとなくですね。4年生くらいでそう思いました」
山口女流「師匠の大内先生とは?」
田村七段「基本振り飛車党だったんで、
大内先生か森安先生か大山先生がいいということで、
うちの親父の大学の同級生の奥さんと師匠の奥さんが親戚関係ということで」

田村七段の兄弟子の鈴木八段は、少年時代かなりワイルドだったという噂ですが、
今だから話せる兄弟子の逸話を教えてください。
田村七段「兄弟子ですか、えー、ワイルドだったのかなあ。
昔から遊んでてトランプとか、超小柄だったんですよあれ。ああ見えて。
本当に華奢で。今でかいですよね。
棋士になって3年くらいしてでっかくなりました」
山口女流「田村先生は昔から?」
田村七段「私も細かったんですよこう見えて。
16くらいまでは今の身長で30キロくらい痩せてました。」
山口女流「奨励会時代ですか。何かきっかけがあったんですかね」
田村七段「やっぱ先輩と付き合ってると太りますね」
山口女流「梶浦新四段が鈴木先生の弟子で」
田村七段「あれも今細いですけど分かんないですよ。梶浦飲まないんですよねぇお酒」
山口女流「もう20歳でしたっけ」
田村七段「ぎりぎりだっけ?まあいいんじゃないですか?」
山口女流「大内先生の話もうかがっていいですか
田村七段「師匠はすごい厳しいんですけどやさしいですね。
食事は今は一門会が第3土曜日がありましてその後で大勢で食べる事はあります。
二人で食事は2、3回ですね」
山口女流「弟子になってからは何年くらい」
田村七段「小学校6年生からなので26、7年ですね。
1回研修会行ったんですけど、連盟に泊まることになっちゃったんですね。
遊んでて私の10円玉1個なくなっちゃったんですよ。
取りそうな奴が鈴木大介しかいないと思って、
まだ私も悪かったんでいきなりなぐりかかって。そしたら犯人が違って」
山口女流「鈴木先生泣いてました?」
田村七段「鼻血出して。でも4年生のパンチなんであんまり痛くなかったはず。
でもその人が大内門下だと聞いて驚きました」
山口女流「その話は大内先生とかと」
田村七段「それはしたことない。
その時は本当にただいるうるさそうな少年だったんで」
山口女流「いつくらいから弟子になられたんですか」
田村七段「5年生の終わりくらいに弟弟子になりました田村ですって挨拶したら、
びびってました。
大内先生はもう時効ですけど嘘ついてまして、連盟行ってたんですよ学校嫌いで。
お前平日のこの時間に何でいるんだって言われて開校記念日ですって。
1週間後くらいにまた言われて、突然言われてもいいわけが思いつかなくて、
しょうがないから開校記念日ですって。
そしたら胸元掴まれてお前本当だろうなとか言われて、
しょうがないから間違いありません本当ですって。
嘘ですと言えるような雰囲気ではなかったんです」
山口女流「先生弟子取ったりは」
田村七段「弟子いますよ。
一人採って1年ちょっとで退会しちゃって、今は5級に一人います。藤原です。
富山の子で富山のお世話になってる方の紹介です」
山口女流「将棋指したりはしますか」
田村七段「弟子にとってからはします」
山口女流「大内一門はファミリーとして熱い感じがするんですけど、
実際に公式戦で当たるのが楽しみですね」
田村七段「今はやりたくないですけど、あと10年したときは思うんですかね?」
山口女流「師匠とは?」
田村七段「2、3局あたりました。
全部負かしちゃったんで、勝ってたら喜んでたと思うんですけど」

kisei1-7
10時のおやつの焼きシブースト。
おやつの画像を映していたら豊島七段がさっと▲1三桂成。
午前中から早くも戦いになりました。
山口女流「どちら持ちでしょうか」
田村七段「攻めれるので、一応先手持った方が今は楽そうですね。
自分が指すなら△7三桂くらいで、攻め潰されたらごめんなさいみたいな。
でもタイトル戦だと流石に受ける手を考えないといけないので、
後手だとめんどくさいです。
これが優秀な作戦だと真似しやすいですね。
あんまり後手が変化するところが少なかったと思います。
豊島さんがこの将棋を勝ちきるようだと流行るかもしれませんね」
山口女流「これが流行ったら田村先生は指されますか」
田村七段「年一くらい?」
これが力戦派精神。

山口女流「アンケートいきましょうか。どちらを持ちたいか。豊島先生、羽生先生」
田村七段「いい勝負ってのは無いんですね?」
選択肢が出て
田村七段「これ羽生さんが強いんですよね。
予想だと豊島さん30%羽生さん40%いい勝負30%くらいですけど」

アンケートどちらを持ちたいか。
先手:豊島七段31.9%、後手:羽生棋聖28.1%、いい勝負だ40.1%。
山口女流「あ、意外と」
田村七段「羽生さんが人気ない」

質問メール
先日高尾山に行った時に、お寺の手前に奉納者の木札があるのですが、
八王子観光大使羽生善治の名前がありました。
田村七段「知らなかったです」
山口女流「室田さんとか春日井市の大使で、
加藤桃子さんが静岡の大使で、
上田初美小平市の観光大使で、
矢内さんが地元の埼玉の行田市の観光大使です」
田村七段「中座さんが稚内なんですよねきっとね」
山口女流「石田先生が北海道の名寄市の大使で、
井上先生と稲葉先生が加古川の親善大使でしたかね」
田村七段「結構いっぱいいるんですね。
(コメントを見て)屋敷先生平和島大使(笑」
山口女流「鈴木環那さんは東北のあったか親善大使みたいなのでしたっけ。
先生も何か大使をされればいいんじゃないですか」
田村七段「そんなものもらっちゃうと悪い事できないじゃないですか」
山口女流「新宿の人どうか田村先生に」

名人戦第5局で本田女流が、山口恵梨子女流と山口絵美菜女流は、
山口「え」まで名前が似ているから間違えられるのではと言ってました。
お二人も名前や顔とかが似てるって言われたことはありますか。
田村七段「いやーあんま、えー名前忘れちゃったなあ。
相撲取りで何かに似てるって」
山口女流「スポーツ選手じゃないですか?井上康生選手とか?」
田村七段「言われた事ないですけど」
山口女流「私は西山朋佳さんに似てるって言われたことがあります」

羽生棋聖が戻ってきてすぐに△4五歩。
田村七段「これは休憩まであと17分なので指すでしょうね」
即座に▲6八角。

お二人がテンションの上がる将棋用語は何ですか。
私は「羽生さん残り1分です」です。
田村七段「将棋用語でテンション上げるんですか。
僕は全然テンション上がんないです。何かあります?
将棋用語じゃなくてもあります?」
山口女流「北京ダックでテンションがあがります」
田村七段「食事系ですか」
山口女流「先崎先生の本に、
田村先生が1キロのステーキを食べられたと書いてあるのを読んだことがあります」
田村七段「最近はハンバーグの方がいいですね。
柔らかい肉より固い肉の方が好きになってきたかなあ。
いい肉って脂が多いじゃないですか」
山口女流「他はなんだろうなあ、3連単的中とか?」
田村七段「麻雀も最近やってないしテンション上がらないですねえ」
山口女流「旅行行こうよとか?」
田村七段「それはテンション上がるかもしれないですね」
山口女流「(コメントでブールミッシュ行こうよと流れて)
そうか北京ダックじゃなくてそう言わないといけなかったんですね。
何か言われて嬉しい言葉とかありますか?今日も素敵ですねとか」
田村七段「全然むかつきますね。
同じ言葉でも言われて嬉しい人とそうでもない人といますよね」
山口女流「じゃあ鈴木先生に言われて嬉しい言葉とか」
田村七段「無いですね。あいつ本心で褒めてくれるわけ無いから」
山口女流「大内先生とか」
田村七段「師匠は私には褒めなかったかもしれないですね。
どちらかというと厳しい派だったような」

田村七段の解説では桂馬を7三か9三に跳ねるのではないか、
というところでしたが、羽生棋聖は△8五歩。
一通り解説の後
田村七段「指されてみればなるほどの手ですね」
先日の名人戦第5局初日の解説だった飯塚七段が、
羽生名人は指されてみればなるほどという手が多いと言ってましたね。

田村七段「昼食アンケートって無くなっちゃったんですか?」
山口女流「ありますあります」

先ほどの会話で出た北京ダックやハンバーグが流れて
田村七段「ハンバーグ1キロたいした事無いですよ。ちょろいもんです」
山口女流「それじゃ1番チャコ2番ハンバーグ」
田村七段「それだとかぶってないですか?
私チャコでハンバーグにしようと思ってたんですけど」

チャコで食べるとばれてしまったので
山口女流「それじゃあ今日は趣向を変えて、
羽生先生か豊島先生の昼食を当てましょうか」
羽生棋聖は淡路だとうどんを食べるというコメントが流れて
田村七段「それじゃ豊島さんのにしましょう」

アンケート解説は置いておいて豊島七段の昼食を予想してください
うなぎ16.1%、寿司17.5%、麺類42.4%、カレー8.3%、その他15.6%。
田村七段「私だと3と4両方とかもあるかな。
これ夕食休憩無いんですよね。しっかり食べたいところだなあ」
といったところで昼食休憩に。

kisei1-8
昼食休憩あけて解説が始まってもまだ考える豊島七段。

kisei1-9
昼食はチャコ

kisei1-10
山口女流「私が頼んだハンバーグです。多かったので先生に食べてもらいました」

kisei1-11
山口女流「リブステーキとハンバーグですね」
田村七段「ご飯が山盛りで2.5杯ですね」

kisei1-12
山口女流「その場で焼いてくださるんですよね。
皆さんも是非千駄ヶ谷にいらした際は是非」
田村七段「月曜日定休日ですからね」

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羽生棋聖のうどん
田村七段「予想通りでしたね」

kisei1-14
豊島七段はそば
田村七段「あったかいんですかねスープ。冷たそうにも見えますけど」

kisei1-15
記録はタブレット

ヒフミンアイで後手から見た後、
田村七段「優勢なときの長考は決め手を考える楽しい長考ですけど、
これは豊島さん苦しい長考かもしれませんね」
山口女流「先生は長考されるときはどちらが多いんですか」
田村七段「優勢なときに20分くらい考えて、詰みまで考えるのが楽しいですね。
でも何でもいいやって指しちゃうんですよね」
山口女流「豊島先生は昼食休憩も入れると2時間くらい考えてますけど、
終盤ってどれくらい残してるといいんですかね」
田村七段「1時間くらい残っていれば全然、このレベルならね。
でもギリギリの詰む詰まないの難しい局面になっちゃったら、
2時間でも全然読めないです」

アンケートどちらを持って指してみたいか
田村七段「40対40で引き分けが少なくなってるんじゃないかなあ」
先手:豊島七段19.4%、後手:羽生棋聖44.5%、むむむ36.0%。
山口女流「後手の評判上がってますね。むむむより上です」
田村七段「ずいぶん豊島さん考えられてるからそれでまずいと思った人が多いんですね」
山口女流「△8五歩で後手からの攻め筋がずいぶん増えるんですね」
田村七段「△8五歩は難しい手じゃないんですけど、
実戦じゃなかなかさせない手ですね。抜群の手渡しですね。
勝ったらこれが勝着というくらい。豊島さんの研究に無かったということですからね」

詰め将棋の解答の後田村七段の色紙プレゼント
田村七段「字何書くか忘れちゃったなあ」
山口女流「先生手形でもいいってコメントありますよ」
田村七段「手形でいいんですか?やりますよ?」
運営からNGがでました。

kisei1-16
而今
山口女流「なんていう意味ですか?」
田村七段「意味ねー、今を生きるみたいな感じなんですけど
あ、日本酒ってありますけど知ってますねー。
何か仏教用語かなんかって言われましたね」

そして解説に。ちょっと先手がまずい変化の方が多くなってきたか。

14時25分、まだ長考する豊島七段。

kisei1-17
田村七段「まったく予想しない手を指すのかなあ」
それなら△6五歩も候補かなあとのこと。
さらに10分経って
田村七段「指さないじゃないですか」
山口女流「おさんじコーナーまで行きそうですかね」
田村七段「あと10分くらいで指しますよ。だって考えすぎじゃないですか」

質問メール
親方と言えばマッハ指しで有名ですが、女流で早指しの方はいますか。
また、以前出演されたときに新しく本を出版されると話してました。
楽しみに待っています。
田村七段「女流で早指しの人は竹部さん、昔は似てるなと思ったこともあります。
とにかく適当ですもんね」
山口女流「私9分でふっとばされたことがあるので。
竹部さんは早指し棋戦で一番早く終わったかどうかチェックしてるみたいですよ。
あと本は出されるんですか?」
田村七段「かれこれ1年半くらい経つんですかね。まだまだです。
相振り飛車とか陽動振り飛車とかの実戦集にしようと思ってるんですけど」
山口女流「いつくらいの予定ですか」
田村七段「あと3年くらい」
書くのは遅い田村七段。

田村先生は早見えで有名ですが、
頭の中の将棋盤は一つで考えているのでしょうか。
それともいくつかの盤面を動かしてるのでしょうか。
また、切れ負けなどの早指しは序盤中盤終盤どこに時間を使えばよいでしょうか。
田村七段「頭の中に盤はありますけど、対局中は目の前の盤を見て考えてます。
だいたい勘で指しているんで、終盤の詰む詰まないだけ考えてるんですけど、
切れ負けの将棋は序盤は考えてもまったく意味無いですね。
中盤も思いついた手を指せばいいんです」
山口女流「先生それは大分強いからできるんじゃないですかね」
田村七段「でもこの局面で10分切れ負けで3分使ったら勝てないですよね。
負けたら次同じ局面になったときに違う手を指せばいいんで」

熊本に将棋倶楽部があるのを知り、行って見たいのですが勇気がありません。
囲いや戦法を少し知ってるくらいでも行っていいのでしょうか。
田村七段「その道場の事を知らないんでなんとも言えないんですけど、
大きい道場だと1番したが10級とかもいますので、相手はいると思います。
行ってみて自分に合えば、最初は見学だけでもさせてもらえれば」
山口女流「熊本って確か女性だけの支部があるので、
検索してみたらいかがでしょうか。
田村先生道場初めて行かれたときはどんな感じでしたか」
田村七段「連盟の道場ですね。普通にいっぱい指しました」
山口女流「お仲間とかは」
田村七段「いないですね。堀口一史座君が知ってたかなくらいで。
今はネット将棋があるのでそこまで通わなくていいと思いますけど」
山口女流「1日何局くらい指されてましたか?」
田村七段「男の子だったら20以上。1局5分もあれば終わるじゃないですか」
山口女流「女の子だったら?」
田村七段「倍かかってもいいですかね。1局10分から20分くらいで。
やっぱり女の子の方がね、負けず嫌いが多いんですよ私の体験では。
男の子の方がすぐ指して、負けてももう1回もう1回ってくるんです」

冒頭に犬の話が出ましたが、将棋界の犬派猫派を教えてください。
田村七段「猫派って誰がいるんですかね。」
山口女流「加藤先生とかですかね。後糸谷先生が飼ってるって聞いたことがあります。
あと浦野先生が捨てられてしまった猫を飼って、あと神谷先生も」
田村七段「うちも猫を飼ってたこともあったんですけどね。
飼う時は猫の方がかわいい顔してるんですけど、犬の方が性格的にいいですね」
山口女流「鳥派の人もいますけどね。森先生とか」
田村七段「鳥楽しいんですかね?」
山口女流「話すって言ってましたよ」

14時46分、豊島七段はとうとう▲2六銀。
田村七段「ちょうど10分くらいだったでしょ?
羽生さんのほうから受ける手は無くなったので攻め合いですね」

アンケートどれ?
犬派41.1%、猫派39.5%、その他19.4%。
田村七段「その他20%しかいないのか。そうかー」
山口女流「ハムスター派が多いですね女流棋士は」

kisei1-18
プリントを裏返しにして適当に選択。

最近の電王戦から見始めた将棋ファンです。
タイトル戦の環境について質問があります。
タイトル戦ではよく退席するシーンがありますが、
控え室のようなものがあるのでしょうか。ロビーじゃ変かなと思ったので。
それと、対局中は外部との交信ツールは制限されているのですか。
田村七段「控え室はタイトル戦の場合個々にあります」
山口女流「ご飯食べる時も和服を脱いで、また着てということができます」
田村七段「一応携帯はつけちゃいけないことになってるんですけど、
これで反則になるとかは聞いたことないですけどね」
山口女流「竜王戦では携帯を預かってるって聞きました。
もしかしたら全部なってる可能性もあるかもしれませんけどね」
田村七段「私携帯持ってても調べ方わかんないし、
コンピュータ信用しないから見ようとも思わないですけど」

田村先生に質問です。最近二歩の対局がありました。
指してしまった棋士の感想はよく聞くのですが、
なかなか指されてしまった方の感想は聞きません。
豊川先生の二歩の相手の田村先生に、その時の気持ちを聞きたいです。
田村七段「うーんあんまり嬉しいとかは無かったです。
将棋が優勢だったんですよ私がね。
別に二歩じゃなくても勝ってたので、
形勢不利の時に打ってくれたらちょー嬉しいラッキーラッキーって感じですけど、
むしろお世話になってる先輩の豊川さんだったので、
カットしてくれて投了みたいな形にしてくれた方がいいなと思ってたのですが、
豊川さんもあれで有名になったし分からないものですね」
山口女流「橋本先生もあれでモデル事務所に入られたって聞きました」
田村七段「橋本君にあれわざとやったのって聞いたら、
流石に違いますって言ってました」
山口女流「勝たれたときの気持ちってどうなんですか」
田村七段「そんなに嫌な気持ちはしないですね。勝ちが決まったわけですから」

えりりん先生は鳥取出身ですが、鳥取では最近スタバが出店されました。
先生はスタバ派ですか?それともすなば珈琲派ですか?
僕はタリーズ派です。
山口女流「スタバ派です」
田村七段「すなばって何ですか?」
山口女流「すなばって鳥取にあるんです。鳥取砂丘ですなばってことなんですけど」
田村七段「コーヒー大好きなんですけど私タバコ吸うんですよね。
ノースモーキングなのであまり行けないんです」
山口女流「ドトールとかタリーズとか行かれますか」
田村七段「ドトールはたまに。
好き嫌いほとんど無いんで、あ、トマトジュースは飲まないですよ」

私は最近仕事の関係で都内に引っ越してきましたが、
道場で棋士の方をみかけることが多くなりました。
勇気を出して話しかけてみようと思っているのですが、
プライベートの時に声をかけるのをやめて欲しい時とかはありますか。
田村七段「全然いいんじゃないですか?
やめて欲しいのは競馬場で声をかけるのはやめて欲しいです。
集中して競馬してるので」
山口女流「勝負してる時は声をかけて欲しくないとかで、
研究会に行く途中とかは大丈夫だけどということで」

おやつだ!

kisei1-19
がっつく羽生棋聖と考える豊島七段(羽生棋聖の手番)。

kisei1-20
田村七段「私これなんかもう食べたくて食べたくて」
ブールミッシュの方も1年ぶりに登場。
6月12日から14日銀座本店と池袋のお店で限定販売とのこと。

羽生名人がパウンドケーキで豊島七段がオレンジゼリー。
田村七段「豊島羽生両方食べちゃうわけですね」

担当の方「季節ごとにフルーツを使ったケーキが多いですね。
普通のお砂糖よりカロリーが低い希少糖含有シロップを仕様していて、
血糖値の上昇も穏やかです」
田村七段「気にしてるんでね。昼食で2000キロカロリーくらい行っちゃったから」

kisei1-21
さらっと椅子においていた上着を着て、
ブールミッシュの担当の方を座らせるジェントル田村先生。
わずか二口でケーキをぺろり。

kisei1-22
田村七段「うんまい」

kisei1-23
食レポに言葉は必要無かった。がっつけばよかった。
田村七段「豊島勝ちですね」

kisei1-24
限定パック。買わないと詰め将棋が分からない。
田村七段「難易度は5分で1級くらい、3分以内で初段」

kisei1-25
中はこんな感じ。1ヶ月くらいもつとのこと。

kisei1-26
役得の田村七段。二口で行きました。

解説は一旦休憩に。

kisei1-27
山口女流「わー」
田村七段「直接行きましたね」
この後解説通りに急に進みました。

kisei1-28
田村七段「自分で桂捨てて攻めてったのに自陣で銀桂交換されちゃったんですね」
羽生棋聖がうまく切り返したということなのか。
田村七段は普通の手では先手が届かないので、
▲2四歩△同歩に▲4四桂や▲3五桂のような普通ではない手を指さないとと解説。
ぱちっ!

kisei1-29
山口女流「うわー」
田村七段「決めに行きましたねえ」
羽生棋聖は▲2四歩に手抜きで△6九銀。踏み込んでいきました。
しばらく解説した後、変な手と解説していた▲7四桂を豊島七段は選びました。
普通の手じゃまずいと思ったか。

質問メール
以前のニコ生で山口女流は、
野月先生や中村修先生と飛車飛車対角角で対戦していました。
あれから研究しましたか。
山口女流「先生は知ってますか」
田村七段「見た事はあるんですけど、
私飛車飛車なら羽生さん相手でもなんとかなるんじゃないかと思うんですけど」
山口女流「実は飛車飛車で先手の時は9割5分勝てるんじゃないかって。
先日秘密の研究会がありまして、言うなと言われてたんですけど」
先日の名人戦第5局初日で電話出演した中田功七段は、
黒ひげ危機一髪の定跡研究したって言ってましたけど、
凝り性なのは職業病なのでしょうね。

盤上では羽生棋聖が△9二飛と逃げて、
豊島七段の飛車取りに打った▲7四桂が実りました。

アンケートどちらが良いと思いますか。
田村七段「一時7:3くらい羽生さんがいいと思ってたんですが、
今は6:4より近い感じがします」
先手:豊島七段35.9%、後手:羽生棋聖64.1%。
田村七段「羽生人気を考えるとほぼ互角ですか。
千日手でも両者納得するくらいの差だと思いますよ。
なりそうになったら必死にならない順を解説しますけど」

kisei1-30
△3三金左がいい手だと念じる田村七段。
金銀を打ち合って取り合ってとなると千日手コースが見える。
羽生棋聖が△3三金左としたところで豊島七段が残り6分に。
そして▲3三銀成として千日手を避け、勝ちに行きました。

田村七段「ここで△2七歩は勇者ですかねぇ」
ぱしっ。羽生棋聖△2七歩。
豊島七段は飛車を逃げずに羽生棋聖の王様を寄せることができるか。
山口女流「羽生棋聖もこれ勝ちに行ったということですよね」
田村七段「なんか今日の羽生さんは激しいですねえ」
ここで豊島七段に攻めがあるか、飛車を逃げるのがいいのか。
逃げるとまずいという解説で、豊島七段は△4一角と王手。
しかし逃走する羽生玉を捉えることは出来ず、羽生棋聖に手番が回りました。

kisei1-31
田村七段「詰めば勝ち。でも99%詰みますねこれはね」

kisei1-32
詰むと分かっている豊島七段は何を思うか。
田村七段「羽生さんは残り3分まで考えて詰ますと思います」
そして羽生棋聖が△7六香と指し、これ詰むのかなと田村七段が並べていたところで、
豊島七段の投了となりました。
コメントでは今のだと37手詰めだってとか流れましたが、
田村七段「わかった」
長い手順でしたがちゃんと詰みました。流石。

田村七段
おそらく序盤は豊島さんの作戦が失敗したと思います。
終盤追い込んであわやと思ったんですけど、しぶとい人ですね。
追いつかれてからも全然、むしろ突き放した感じで、懐が深いなと思いました。

kisei1-33
感想戦も放送されるということでハイペースで締めには入ってましたが、
対局者が大盤解説会場に行ったということでゆっくり告知タイム。
現地まで行った人への嬉しいサービス。

ということで棋聖戦第1局が終わりました。
豊島七段が矢倉で昭和の時代の将棋を工夫した新趣向を見せましたが、
羽生棋聖が30手目に前例を離れる手を指してから、
急にリードを奪ってしまったのは圧巻でした。
終盤豊島七段が盛り返しましたが、
持ち時間が少ない中での攻め合いはNHK杯優勝10回の羽生棋聖の土俵なのか、
追いつかれたところでさらに突き放すという感じでした。
棋聖戦は持ち時間が4時間ですから終盤はどうしても持ち時間が短くなります。
羽生棋聖は棋聖戦でここ5年で、深浦康市王位、深浦康市九段、
中村太地六段、渡辺明竜王、森内俊之竜王を相手に1敗しかしていません。
豊島七段が後手番でどう挑むのか、第2局に注目です。

棋聖戦第2局は6月16日に対局されます。
ニコニコ生放送では9時から、解説に松尾歩七段、
聞き手に藤田綾女流初段で大盤解説会が放送されます。
松尾七段はA級順位戦の最終局で登場したことがありますが、
タイトル戦のニコ生は初登場だと思います。とても楽しみです。

羽生名人が行方八段を4-1で下し名人位を防衛!

羽生善治名人に行方尚史八段が挑む第73期名人戦七番勝負第5局は、
羽生名人が勝利して名人位を防衛しました。

meijin5-1
本田女流「注目の封じ手は何でしょうか」
阿久津八段「ここは△7三銀か△7五歩の2択ですね。
羽生名人は駒が前に出て行く将棋なので△7五歩ですかね」
本田女流「どきどきしますね」

注目の封じ手は△7三銀。
阿久津八段「こうやって外れるんですね」

ニコニコ生放送では9時から、解説に阿久津主税八段、
聞き手に本田小百合女流三段で大盤解説会が始まりました。

meijin5-2
おはようございます。

△7五歩は先手の馬が後手の攻撃陣を牽制する形になるので、
それを嫌ったのではないかとのこと。
守りの方で手をかけずに攻めに手を加える藤井矢倉なので、
これから行方八段が攻める展開になるらしい。

リレー質問
飯塚七段から阿久津八段へ
居飛車振り飛車両方指されますが、それぞれ作戦を選ぶ時の感覚や、
気持ちの違いを教えてください。
阿久津八段「どちらもやるんですけど、最近居飛車の方が私は多いんですけど、
結構その日で決めます。
先後が決まってない将棋でしたら、
常にやりたい戦型は何個かあるんですけど、その日の気分とか、
先手なら角換わり、相掛かり、後手だったら横歩取りとか、考えていく事が多いです。
振り飛車やるときも、ごきげん中飛車をやったら穴熊が多い相手というように、
戦型がしぼりやすいと思ったらやることが多いですね。
振り飛車をやる時が今日飛車振りたいなあと思う事が多いです。
振り飛車のほうが捌けた時気持ちいいなあとか、
ずっと同じ戦型ばかり指していると飽きるので」
本田女流「居飛車と振り飛車の感覚って全然違うじゃないですか」
阿久津八段「そこまでではないかなと思います。そこまで気にして無いですけど」
本田女流「居飛車だと相手の振り飛車を押さえ込むために手厚くとか」
阿久津八段「私振り飛車やると、
序盤で失敗することが多いから我慢の展開が多いんですけど、
綺麗に捌けると爽快感があるので。
そういう将棋は練習将棋でやればいいという人もいるかもしれないですけど、
公式戦でやってこそ身につくことがあると思います」
本田女流「いいですね。私は練習将棋でやることはあるんですけど、
捌けない振り飛車党になります」
阿久津八段「練習だからじゃないですか?
本番でやったほうが何倍も勉強になることが多いんで、
1回やったほうがいいかなと思うんですけど。
振り飛車でも相手の囲いとか相振り飛車とかあるんで、
やっていかないと覚えないかなと思います。
本田さんは玉型が固い将棋が好きなので、
最近の振り飛車は玉型が固いので合うと思いますよ」

室田女流から本田女流へ
新婚さんということで、お料理をよく作っていらっしゃると思いますが、
新婚生活ぶりを根掘り葉掘りお聞かせください。
本田女流「伊緒ちゃん来ましたね。家でも普通ですね、普通にすごしてます」
阿久津八段「料理はどんなものを作ってるんですか」
本田女流「みなさん作ってるように、納豆料理を中心に、納豆毎日食べさせてます」
阿久津八段「納豆料理ってどういうのか気になりますけどね」
本田女流「和えたりとか、おつまみで油あげに納豆入れて焼くとか、
納豆の玉子焼きも作ります。納豆の天麩羅とか地元にいくとありますよ。
刺身もマグロの赤身とかとまぜるとおいしいです。
納豆サンド結構好きみたいですよ。パンだけだと栄養が不十分なので」
阿久津八段「それあんまり料理って感じしないですけど。
新婚さんの話聞きたいのに納豆だらけで」
本田女流「納豆大丈夫ですか?」
阿久津八段「私あんまり食べる機会が無いですけど好きですよ」
本田女流「納豆にこだわりはありますか」
阿久津八段「たれはあまり好きじゃないですね。しょうゆの方がいいです。
たれちょっと甘いんで」
本田女流「メーカーによって違うみたいですよ。
私はくめ納豆を買って食べてます。
水戸人はくめ納豆の人が多くて、東京だとおかめの方が多いですもんね」
阿久津八段「確かに本田さんの地元にいったときも、くめ納豆食べてましたね」
本田女流「そうですね。おみやげに納豆を贈る時もあります。
船の形のに入れてあるんですけど、阿久津さんにもお渡ししましたよね」
阿久津八段「家であんまりご飯食べないから、
お酒をかってきて納豆だけ食うみたいなね」
本田女流「船の形した納豆はプレゼント用で普段はパックの食べてますよ」
阿久津八段「ちょくちょく新婚生活の話はってコメントが流れますけど」
本田女流「洗濯物の量が増えたとか?買い物の量が増えたとか?
そんなにたいした事はないです」
阿久津八段「幸せだとしてもうちの業界の人は、
あんまりこういうとこでは言わないですよね」
本田女流「まあ阿久津さんもそのうち頑張ってください」
阿久津八段「こういう人多いですよね。切り返されるというか」
本田女流「阿久津さんはどういう人が好みですか?」
阿久津八段「明るい人がいいですかね」
本田女流「棋士ってなんかあるんですか?癒し系がいいとか」
阿久津八段「人によるんじゃないですか?」
本田女流「勝負の世界だから癒されたいみたいな」
阿久津八段「割合多いのかなとも思いますけど」
本田女流「阿久津さんはそうじゃないと」
阿久津八段「癒し系は定義がいろいろありそうなんで」
本田女流「一緒にお酒飲める人のがいいですか?」
阿久津八段「まったく飲めない人よりはいいかなと思いますけど、
逆にすごい飲むとかだと大変じゃないですか。本田さんは家では飲むんですか?」
本田女流「家では飲まないですね。
前回も名人戦の打ち上げで飲むじゃないですか。なので家では飲まないですよ」
阿久津八段「だんなさんお酒飲みますよね」
本田女流「お友達でいつもありがとうございます。仲良くさせていただいて」
阿久津八段「何かそういわれると変な感じですけど、
飲み友達というかよく飲みますよね」
本田女流「電王戦もだんなニコファーレに応援に行きましたから」

といったところで初手から解説に。

meijin5-3
こういう7三桂と8五歩の形はダサい。△8五桂と飛べないと角が狭いから。
先手も角を4六から6八に引き上げることで、後手の角の狭さを利用する。
封じ手候補だった△7五歩は枝分かれの局面で100手くらいはぱっと見えるが、
じゃあその局面はどちらがいいかと言われると難しいとのこと。

本田女流「何手くらい読むんですかとかよく聞かれますよね」
阿久津八段「実戦で中盤で読むのは100手200手だと思いますけど、
同じ局面に戻るときもありますし、違う手順だと相手に変化されてとかもあるので」
本田女流「佐藤先生でしたっけ、1億と3手読むと言われてましたね」
阿久津八段「その3手多いことが大事なんだって事なんですかね。
ただ進んだ先の局面で形勢判断ができないと、
20手先まで読んでましたって言われても、
20手先で自分がダメだったら意味が無いじゃないですか。
控え室でみんなで検討してれば読みは上回りますけど、
対局者の方が形勢判断は辛いということが多いですね」

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本田女流「対局室静かですね」
阿久津八段「進まないと思ってましたけどこんなに進まないとは。
行方さんが△7三銀を見て1時間近く考えたのは意外でした。
前日のうちから考えてたと思うんですけどねえ」

ということで一旦休憩に。
行方八段の▲4一角成に羽生名人は△4二金引。
先手の馬を巡る攻防に入ったようだ。

解説に戻って、先手の馬が取られる前に何か動く展開になるとのこと。

アンケートどちらを持ちたいか
先手:行方八段23.2%、後手:羽生名人43.0%、判断できません33.7%。
阿久津八段「はー意外な感じがしますねえ。
まあ羽生さんのブランドという感じがしますねこれは。
なんとなく後手を持つ方が当分の間受けに回る将棋になるので嫌ですけどね。
逆かなあと思ったんですけど」

解説の後に次の一手アンケート
▲1五銀22.2%、▲3五歩25.7%、▲5五歩12.1%、▲7五歩20.2%、その他19.7%。
阿久津八段「私の感覚だと▲3五歩か▲7五歩だと思いますけどね。
あ、全部出してもらいましたね。これはその他不利じゃないですか」
本田女流「出ましたね。ずいぶん分かれてます。その他健闘してますよ」
阿久津八段「これだけ言ってその他が多いのは悲しいですけど、
▲5五歩は微妙と解説して人気がないのは嬉しいですね」

質問メール
阿久津先生は400勝に王手がかかってますが、通算勝数にこだわりはありますか。
これまでで一番印象深い白星も教えてください。
阿久津八段「自分では知らなかったんですけど、
携帯の中継を見ていて佐藤天彦さんに負けたときの棋譜コメで見ました。
翌週に羽生さんとやってまた逃したんで、
早いうちにね、400勝って緊張するというのはないんですけど、
コメントで何回も見るのはね。早く勝ちたいと思いますけど。
まあ1000勝とかだったらすごいと思いますけどね」
本田女流「これまでで一番印象深い白星は」
阿久津八段「印象深い…白星で印象深いって難しいですね。
負けた方は覚えてるんですけど。
自分のくだらないというか、心の乱れで悪手を指してしまうとか、
そういうのは後々まで考えますね。
勝ったら勝ったでいつまでもそれに喜んでいると痛々しい人というか。
印象に残ってるのは朝日オープンで、
番勝負をやってた頃のなんですけど、鈴木大介さんとやった将棋が印象に残っています。
普段から付き合いのある先輩なんですけど、対局前はすごいぴりぴりしてたなあと」
本田女流「対局中との差が激しい人いますよね。
鈴木先生は普段は気さくな方ですけど」
阿久津八段「普段は研究会とかお酒飲みに行ったり競馬いったりしてるんですけど、
当日は全然しゃべんないで会った時に挨拶したくらいでした。
中には対局相手とお昼食べに行ったとかびっくりしちゃう話も聞きますけど。
対局始まっちゃえば変わらないですけどね」
本田女流「阿久津さんは変わりますか」
阿久津八段「それなりにぴりっとしてるとは思いますけど、
やる前1週間2週間前から鈴木さんとはぴりぴりしてました。
終わったあとの感想戦とかもさらっとでしたけど、
数日後には一緒に競馬にいきまして、その時に感想戦の感想戦をしたり、
後で考えたけどこういう手はどうかなとか。
自分の感じで言ったら、
終わったら終わったで1ヶ月くらいはそっけない感じになっちゃいますけど。
本田さんはどうですか」
本田女流「私は寝たらもう忘れます。
でも女流棋士と遊びに行くとかもないので、あんまり気にしないかもしれないですね」
阿久津八段「本田さんは勝って印象に残ってる将棋あります?」
本田女流「やっぱり負けてるほうが印象に残ってるんですかね。
タイトル戦に負けたのは印象に残ってますね。勝ったのは残ってないですね。
次に切り替えちゃうからなのかなあ」
阿久津八段「負けたときのが自分の悔いが残る一手とかがありますからね」

阿久津先生の本で駒落ちの勉強しています。
ただ、教えてくれる相手がいないのでコンピュータ相手に練習しています。
4枚落ちでやってますが力戦調になり、脅威の終盤力で逆転される事が多いです。
いずれ指導対局を受けたいのですが、その際に心がけておくことがあれば教えてください。
阿久津八段「なかなか近くに将棋を指してくれる人がいないと大変ですね。
結構独創的というか、今までに無い定跡の形を載せてたりするんで」
本田女流「これは全部の駒落ちをかいてあるんですか?」
阿久津八段「8枚落ちから2枚落ちですね。
どの駒落ちでも居飛車党振り飛車党両方ありますね。
定跡といっても昔からのものなので、
昔の定跡ですと駒落ちでしか出てこないものとかもありますから、
2枚落ちは四間飛車美野囲いが一番いいと思いますけどね。
平手でも出てくる形になりますから。
競馬でとったら買います?是非当てて欲しいですね。
なかなか棋士が来られない地方の方ですとそういう機会がないですからね。
いい経験というか、指した事が無いとか、
普段緊張しすぎる人が結構多くて、普段の力を出せなかったと言う事が多いので、
やる前にこういうの初めてなんでとか言った方が、
ちょっと会話でリラックスできるというのがあるんで。
後は自分の実力がわからなくてとかだと、
こちらとしても言ってもらえればやりやすいですね」
本田女流「阿久津先生の本買ってますと言ってもらえればね」
阿久津八段「それは綺麗に負けます。
定跡をやってきた人は勉強してきたんだなと思いますし、
定跡じゃなくてもいい手を指されたら上手く負けましたってなりますから。
定跡を知らなくても固くならずに、駒がぶつかってから強いという人もいますし、
終わったあとの感想戦で疑問に思った事を言ってもらえれば、
直接指導対局受ける時の醍醐味だと思います。
機会があったら固くならずに挑んでもらえれば」
本田女流「この人終盤逆転負けが多いと書いてありますので、
終盤ですと詰め将棋とかでしょうか」
阿久津八段「初段とかになる前の方だと詰め将棋なんですけど、
私が解くのが好きじゃないんですよね。
今解くのは10手後半とか20手とかくらいですね。
短いのを数解いた方が圧倒的に役に立つので、
お勧めしたいのは1手詰めをたくさん、簡単になったら3手、
物足りなくなったら5手7手とするのがいいと思います。
5手詰めがしっかり解けるようになったら初段だと思いますね。
今は森先生とか浦野先生とか短編を出されている方もいますからね」
本田女流「浦野先生は綺麗な詰め将棋ですよね」
阿久津八段「詰め将棋はセンスだなと思いますね。私はセンス無いなと思いました」

行方八段は1番人気の▲7五歩。

去年出演されたときに、メールでA級順位戦について聞いた者です。
もうそろそろ今期順位戦が始まります。
A級復帰にむけての意気込みをお聞かせください。
阿久津八段「そうですね、昨年は応援していただいた方に非常に申し訳ないというか、
情け無い結果になってしまったんですけれども」
本田女流「まあA級復帰に向けての意気込みということで」
阿久津八段「内容がね、スタートから自分らしくないというか、
駒が前に出て行く将棋が指せていなかったというのが悔いが残っているので、
そこを直しながら」
本田女流「A級の雰囲気はどうでしたか?」
阿久津八段「雰囲気はよく言われるんですけど、そんなに変わらないと思うんですけど、
普段から他の棋戦で当たりますからね。
結果が見られる世界なんで、やることとすれば内容を上げながら結果を出せるように。
また今期は12局と局数も増えるんでね、心のぶれだったり、順位戦は長丁場なので」
本田女流「安定感とか大事ですよね生活とかも」
阿久津八段「耳が痛いんですけどね。
人間ですからコンディションいい時と悪い時があると思うんですけど、
悪い時でも80%出せるといいと思います。
いい時に120%で悪い時でも80%だったらね、
いろんな棋戦で活躍できるんじゃないかなあと。
割合行方さんなんかはブレがあると思いますけどね」
本田女流「結婚されて成績が良くなったと」
阿久津八段「そういうのみなさん拾ってきますね」
本田女流「生活が安定してくるんですかね?
飲みに行く時間が減って家で勉強する時間が増えるとか」
阿久津八段「そんな感じなんですか?
そういうのをうまく出来るといいのかもしれないですね。
行方さんもそういう意味じゃ奥様がうまくやってるんですかね」
本田女流「気持ち的なものなのでしょうか。前に行く将棋ができなかったというのは」
阿久津八段「言うのは簡単なんですが、出るタイミングが悪いんですね。
負けが込んだりしてくると、勝負勘で悪い方を選んだり、そういうリズムが悪かったかな。
勝負どころでの嗅覚が良くなかったかなと思いますね。
調子がいいときはもちろん誰でも上手く行ってるように見えるんですけど、
勝っててもリズムが悪いというか、内容が悪いと思うと、
調子を落とした時に反動がきます」
本田女流「是非A級復帰頑張ってください」
※今月将棋大会で4戦4敗をやらかした私にも耳が痛い話でした。
大人がいるクラスに参加する小学生とか強いに決まってるって、
頭では分かってるんですけど、
子供に伸び伸び指されて自分は手が縮んで負けるとかへこむっす。

阿久津先生に質問です。
羽生名人や阿久津先生の棋風は切れ味が鋭いと言われますが、
切れ味が鋭いってどういうことなのでしょうか。
本田女流「将棋用語なんでしょうかね?」
阿久津八段「比べられてるのが羽生名人ということでちょっと困りますよね。
羽生名人は切れ味、全部強いよねということなんですかねフレーズ的には。
でも鋭いだけじゃダメなんですね。
切れ味はよく言うと、勝つときにすぱっと、
流れるような手順で勝つのが切れ味だと思います。
でも自分は切れ味があると思うことがないんですよね。
そういう方たくさんいますから。谷川九段とか。
糸谷さんとか出てますけど糸谷さんは切れ味の将棋じゃないですね。
加藤一二三さんなんかもそうですけど、ずんずん進んでいく感じですかね。
重厚という感じだと思うんですけど」
本田女流「行方さんは?」
阿久津八段「行方さんは粘り強い。囲いじゃない囲いになってから強いというか。
行方さんお酒が好きで夜型というか、将棋も終盤になってからしぶといというか。
結構陣形がばらばらになってから崩れないで相手にくっついていくとか、
そういう技術がすごく高いイメージがありますね」
本田女流「棋風って性格に比例するんですかね」
阿久津八段「性格は普段知らない人がいるんで分からないですけど、
すごい攻める人、ファーストチャンスが見えたら確実に攻めてくる人、
っていう人もいますし、不確定要素があると攻めない人もあります」
本田女流「指導対局でも見た目と将棋が全然違うという方がいますね」
阿久津八段「実際の性格と将棋の性格は違いますよね。
将棋は趣味ですから、将棋くらい好きに攻めさせてくれよとか。
手つきも丁寧な感じの人と豪快な感じの人とか、
棋士でも有利でも手つきに出ない人とすごく出る人と、
北浜さんの名前出てますけど、すっごい攻め将棋ですね」
本田女流「女流結構攻めますよね。
アマチュアの方が疑問に思ってる手を結構指していると思いますので」
阿久津八段「結構やりますよね。そこまでやるのと」
本田女流「私は攻めたいんですけど、攻めが鈍くて受けてることが多いです」
阿久津八段「バランスよくっていうのは難しいですよね」
本田女流「攻めるときと受ける時で悩みますよね」
阿久津八段「そういうところが棋風だと思いますね。
迷ったら攻める手を読みますけど、時間が無かったら好みが出ますね」
本田女流「恵梨子ちゃんも結構せめてますね」
阿久津八段「恵梨子ちゃんは攻めしかないですね」
本田女流「恵梨子ちゃんは攻めが切れてても真顔で攻めてきます」
阿久津八段「最近は受けも勉強してますって言ってますけどね」
本田女流「でも棋風が出るっていいですよね。見て分かるような将棋だと」
阿久津八段「そうなれば一人前って感じですけど、
山口さん結構無理攻めも多いんで、
男性棋士ですと戸辺君なんかは切れそうで切れない攻めを繋いでくるので、
戸辺攻めとも言われていますね。二人とも中飛車が得意ですし。
でも戸辺君のは真似するのは難しいですねえ。これでよく繋がるなと思いますので」

羽生名人は△4一角。
阿久津八段「なるほど。こちらの方が馬が早く消えるんですね」

プロ棋士のLINEスタンプがありますが、私は登場してすぐ購入しました。
阿久津先生の3パターンをどう使えばいいか分かりません。
使用例なんかを教えてください。
阿久津八段「私すぐに買いました。やっぱりね、全然使って無いです。
将棋連盟公認のスタンプなんですけど使いにくいんですよ。
将棋やってない人には絶対使えないと思います。
広瀬さんの冬眠しますとか、穴熊だからなんですけど分からないですよね。
羽生さんでも2つしかないのに自分が3つあってもいいのかな」
本田女流「みなさん使ってらっしゃる方いるんですかね」
阿久津八段「あまりいないんじゃないかな。LINEはされますか?」
本田女流「私今やってないですね
(プリントを見て)あーこれはどんな時に使うんだろう。
加藤先生のうひょーとかかわいいですね」
阿久津八段「糸谷さんの散歩行くかとかね。
広瀬さんの今夜は穴熊とか意味が分かんないですけどね」
本田女流「阿久津さんが知人に送る時に自分ので送ると嬉しいんじゃないですか」
阿久津八段「送るわけ無いじゃないですか。
屋敷さんの禁酒中ですとかは断る時に使うんですかね。
使ってみたいのは岩根さんのさみしーちゃんかな。
自分が一番使うのは佐藤慎一君のがけっぷちですね。
何か追い詰められてる時とか競馬当たらない時とか、
後はなかなか、佐藤しんやさんの毛っとかない…とか、
あ、毛が無いって意味なんですね今気づきました。
将棋の知らない人にも使えるようなね、
おはようとかおっけーとかあるといいんですけど」

本田女流「解説行きますか?メール行きますか?」
阿久津八段「メール行きましょう」

阿久津先生にソフトについてお聞きしたいことがあります。
コンピュータは飛車先の歩の交換を気にしない、
むしろ手損と考えてるそうです。
最近飛車先を切らす作戦をソフトに詳しい若手が指していました。
これが正しいとなると将棋にとてつもないブレイクスルーと起こすと思いますが、
阿久津先生はこの考え方をどう思いますか。
阿久津八段「まあ飛車先の歩をそんな高く評価していないということですね。
手損ということでもなくて、他に価値の高い手を指すということで、
それがなくなれば交換してきます。
でもまあこれは新しい可能性が出てくる事なんで、
確かに矢倉とかで左美濃に囲って飛車先を交換されるけど後手が先攻するとか、
交換するのは得なんですけど、他のところで得を目指すという発想がでてきています。
今後も指されていくとは思いますね。
これだけ強くなってるソフトがやってるわけで、実際は面白そうだなと思います。
ただただ定跡型で受けに回るよりもね」
本田女流「練習とかで何か意表突いた指し方とかありましたか?」
阿久津八段「ponanzaの序盤は結構びっくりするような、
76歩に…せっかくだからやりますか」

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後手がponanza。初手△3二銀から後手が飛車先を交換させて、
代償として先攻するという作戦。

meijin5-6
▲7六歩△3二銀▲2六歩△4四歩。
昔は初手▲7六歩に△4四歩と指すのをパックマンと呼んでいた。
阿久津八段「しまったとか言いながら△4四歩を指すとか書いてありました」

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狙いはこの図。
▲7七飛には△7四歩、▲8六飛だと持久戦になる。
阿久津八段「昔子供の時に流行りましたけどね。
相手が騙されなくても結構不利にならないです」

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阿久津八段「しまったで思い出しましたけど、
昔神吉さんが初手からしまったと言いながら△3四歩指してました」

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喜んで馬を作るとこんな罠がある。6枚落ちなのに無慈悲に勝ちに行く神吉七段。
本田女流「斬新ですね」

昼食アンケート
そば11.6%、カレー8.6%、パスタ13.1%、そこいらのNATTO23.1%、
うなぎ19.1%、ステーキ9.0%、例の味噌汁15.5%。
阿久津八段「やっぱり。そうだよね」
本田女流「まあ裏切って別のとこでも」
阿久津八段「違うの食べたらそこいらの納豆風味の何かを食べましたって」

次の一手アンケート
△7五歩26.8%、△6五歩17.8%、その他55.4%。
阿久津八段「3択くらいだとその他が当たると思うんですよね。
5択6択とかになるとその他当たらないじゃないですか」
何故かその他が当たると嬉しい阿久津八段。

一旦昼食休憩に。

阿久津八段「おなかいっぱいで大変です」

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昼食アンケートの正解は松永

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阿久津八段「蕎麦裏切らないですよね。
対局で海老3本は指しすぎかと思って頼まないんですけど」

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本田女流「まあ同じのを」

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阿久津八段「本田さんと蕎麦の量が違うのは僕は大盛りで」

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阿久津八段「結構しっかり食べられてますね。
飲み物はグレープフルーツジュースって書いてありました」

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本田女流「なんか天麩羅もおしゃれですね」
阿久津八段「見てると食べたばっかりだけどまだ食べたくなるなあ」

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本田女流「おおっすごい」

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本田女流「すごいですね素敵ですこれ、ロマンチックです」
阿久津八段「是非だんなさんに」
本田女流「無理ですよー」

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阿久津八段「一人で入りたいですねえ」
本田女流「豊川先生と一緒じゃだめなんですか?」

昼食休憩明けの羽生名人の手は△7五歩。
阿久津八段「私その他押しにするために2択にしたんですけど、
当たってしまいました」
銀取りに打った▲3五歩がびしっと今日一番の駒音だったとのこと。
羽生名人の△4二金引も舞うような手つきだったらしい。

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ばらばらな後手陣をヒフミンアイで味わってから形勢アンケート。
アンケートどちらを持ってみたいか
先手:行方八段40.3%、後手:羽生名人25.4%、ニャンとも34.2%。
長い戦いなら後手、早い戦いなら先手とのこと。

第5局で応援しているのはどっち?
行方八段38.6%、羽生名人61.4%。
本田女流「羽生名人強いですねぇ」

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詰め将棋の解答の後にプレゼント、駒落ちの教科書

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あっくんの目ヂカラ~
阿久津八段「久しぶりに書くの恥ずかしいなあ」
これは貴重品。

行方八段は▲6一角。
先手からの攻め筋が多いので、後手が先手の攻めを切らすのは相当大変とのこと。

アンケートラーメンといえば?
とんこつ21.9%、醤油28.8%、みそ17.4%、塩12.8%、つけ麺5.2%、坦々麺5.6%、
二郎もしくはインスパイア系3.4%、その他4.9%。
阿久津八段「すっげー広いなこれ」
本田女流「室谷さん一人で行けちゃうんですよ」
おやつの話がこじれてラーメンの話に。

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行方八段はジンジャーエール連投。

ニコ生のおやつは

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本田女流「私ここのケーキ好きなんですよ、HARBSのミルクレープ」
阿久津八段「これだけ大きいと分かってたら蕎麦大盛りしなかったですね。
それじゃ食レポお願いしますよ」
本田女流「ほどよい甘さで間のブルーベリーの食感がアクセントになって、
とても爽やかな味です。こんな感じのがさらっと出るといいんですか?」

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羽生名人はフルーツの盛り合わせ
本田女流「フォークじゃないところがすごいですね」
分かるような分からないような。

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行方八段はバニラアイス
阿久津八段「やっぱりジンジャーエール!」

一旦休憩に。

羽生名人は阿久津八段の解説通り△5三金。
阿久津八段「あんまり当たるイメージ無かったんですけど」
消去法で選んだ手だったのでとのことでした。
▲5五歩で攻め味が増えるのでいいのではないかとのこと。
後手玉が詰む変化もありました。

ヒフミンアイ

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阿久津八段「こんなに便利だと私思ってなかったんですけど。
加藤先生の理にかなった手だったんですね」

質問メール
明後日の日曜日は日本ダービーが開催されます。
阿久津先生の予想をお聞かせください。
阿久津先生の予想にオールインします。
我が家の夏の予定は阿久津先生にかかっています。
阿久津八段「やばいっすね。
あのねー今日の解説に来るに当たって、危険だなと思ってたんですけれども。
私オールインしない方がいいと思いますけどね。
私ニコ生に出て週末G1で予想したこと2回あるんですけど、2回とも外してますね」
本田女流「週末雨の予想ですけど」
阿久津八段「雨が得意な馬だったり苦手な馬だったり。
私が買おうとしてる馬がリアルスティールという馬なんですけど。
乗ってる福永さんがね、まだダービー勝った事ないんですけど、
勝てそうなチャンスで頑張って欲しいです。
調教師の先生も何度かお会いした事が会って、
もちろん知っている方に勝って欲しいというのはありますけど、
新馬戦も強いと思ったことと、
2戦目の共同通信杯も見ていて、G1勝つんじゃないかなこの馬はって思ったので、
応援したいなという気持ちがあります。
穴っぽいところではアダムスブリッジです」

日曜日はいよいよ日本ダービーですが、注目馬を数頭教えてください。
ちなみに自分はサトノクラウンから流す予定です。
阿久津八段「私もサトノクラウン買おうと思ってますけど、
1番人気になりそうなドゥラメンテはちょっとお行儀が悪いんですよ。
ちょっとね、やんちゃなのより、しっかりした馬に勝って欲しいなあと。
後はレーブミストラルとか。青葉賞勝った馬ですけど」
本田女流「渡辺先生とかも競馬好きで有名ですけど」
阿久津八段「渡辺さんと会った時は競馬の話のほうが多いです。
橋本さんに先週会ったときもダービー何買うのかと話しました。
リアルスティールから11番サトノクラウン、12番アダムスブリッジ、
7番レーヴミストラル、ドゥラメンテもG1勝ったから一応、
それとタガノエスプレッソを3着狙いで。
今週8時間くらい研究してるんで、
予想が全然外れたら買われた方は会った時に言って下さい。
私でもね、この番組予想させてもらうとちゃんと買わなくちゃいけないなと思って、
買っちゃうんですけど当たった事ないんですよね。
そろそろ当てたいと思います」
本田女流「棋士仲間と買いに行くんですか?」
阿久津八段「競馬好きの友達とかと行ったりすることが多いですね」
本田女流「棋士は勝負事が好きなんですかね?」
阿久津八段「競馬がすきなんですね。競馬が上手いって人はなかなかいないです」
本田女流「屋敷さんは競艇ですね」
阿久津八段「棋士は時間が自由なので凝り性の人は嵌まりますね」

今日の対局は何時くらいに終わると思いますか。
夕休って6時から6時半くらいでしたっけ。
8時くらいですか?普通かなあ。
この段階で終盤に全然入ってないということは夕休に入ると思うんですよ。
行方さんが勝つなら8時過ぎになるんじゃないかなと思います。
名人が勝つとすれば手数が長くなると思うので、9時過ぎになるんじゃないかなと。
夕方までに、6時までに終わる事は相当無いと思います。

行方八段はばしっと▲2四銀。
阿久津八段「突き捨て入れませんでしたよ。
入れなくても攻めきれるってことですかね」

行方八段は銀損の▲2三銀成を決行し、急に展開が早くなりました。
羽生名人の銀得、行方八段の猛攻といったところ。
先手の攻め筋をいろいろ並べて、
阿久津八段「先手の攻めが細いような気がしてきました」

といったところで一旦休憩に。

meijin5-27
休憩中に羽生ゾーンに銀が放たれました。
本田女流「そして、進みました」
阿久津八段「受けきるか攻めきるかという将棋になりました。
タイトル戦でこれだけ直線的な叩きあいになるのは珍しいですね」

ここでティロフォン豊川七段から
豊川七段「どうもマンモス」
阿久津八段「マンモスよろしくおねがいします」
本田女流「現地の検討とかの様子はいかがですか」
豊川七段「現地はとるいち先生をはじめ熱気が凄いですよ」
阿久津八段「大盤解説はどうでしょうか」
豊川七段「今日は深浦さんと中田功さんが出ています。
さっき内藤九段のトークショーとかあって大盛り上がりでした。
ちからとさゆりもびっくりで」
阿久津八段「局面の方は△2七歩じゃなかったですね」
豊川七段「銀なら歩成りでしょうか?」
その後2人ですらすら符号を言い合って、
豊川七段「あ、痛い!負けマンモス!」
阿久津八段「△2七銀も驚きの手だと思いますけど」
豊川七段「銀を打つということは凌げると見たんだと思うんですけど」
阿久津八段「結構先手も調子よく攻めてるのか攻めさせられてるのか、
現地の見解はどうでしょうか」
豊川七段「青野先生どちら持ちなんですかね」
電話の裏で会話の後、
豊川七段「難解ホークスですー九段の技をしても難解ホークスで。」
今福岡なんでソフトバンクホークスにしといてください」

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豊川七段「いやあんま見ないでください。ちょっと重力に負けて落ちてきてるんで」

本田女流「先生新作のギャグとかないんですか」
豊川七段「ないですよーはい。本田さん私生活はどうですか」
本田女流「もう結婚して2年たつのでそんなに変な事はないです」
豊川七段「阿久津さん私生活は?」
阿久津八段「私はぼちぼちですけど」
豊川七段「困ったときは相手に振り飛車ってね」
阿久津八段「多いですよね将棋界の人は。ちょっと聞くと倍返しで」
豊川七段「福岡はいいですよかとこたいで」
阿久津八段「中田先生もごいっしょなんですよね」
豊川七段「そうそう昨日も2時半まで将棋界の未来について語り合ってましたよ」
本田女流「本当ですか?駄洒落についてじゃないんですか?」
豊川七段「本田さん今日も赤いセーターかわいいですねー」
本田女流「カーディガンです(笑。対局者の様子はいかがでしょうか」
豊川七段「行方さんはすごくリラックスしています」
阿久津八段「ずっとジンジャーエール頼んでると思うんですけど」
豊川七段「あれすごい名物みたいですよ。
お昼中田さんが飲んでうん!おいしい!って言ってました。
彼昔から三つ矢サイダーが好きで、炭酸系いけるみたいですよ」
阿久津八段「楽しそうですね現地ね」
豊川七段「いやいやいや真面目にやってますよ」
本田女流「先生今回副立会いですから、
対局室に入った時は駄洒落は言えないですからね」
豊川七段「いやいやいや何をおっしゃるうさぎさん」
阿久津八段「なんだかコメント見てるとマンモス先生になってますね」
豊川七段「それじゃみなさん失礼しまーすマンモス!」

本田女流「こんなに楽しく現地の様子を知らせてくれて、
それで検討はどうでしたっけ?」
阿久津八段「検討は、難解だって言ってましたかね。
△2七歩だとぼんやりして勝負が長引く展開でしたけど、
△2七銀打としたのでいけると見てるんじゃないかと言ってましたね。
△2七銀打はこれ行ったら喧嘩必死っていう手です。
後手も上部に逃げ出す展開も見えてきて、
ここで押し切らないといけないようになりました。
休憩前にここまで激しくなるとは思えませんでしたね。
△2七銀みたいな手を見ると、△5五歩入れとけばよかったとか考えちゃうんですよね。
入れておけば△5八飛と回るのが絶好なので」

行方八段はすごい手つきで▲同飛。
銀と飛車の交換ながら後手玉に殺到する狙い。攻めが繋がるか。
そして飛車を切ってから▲5五歩。
本田女流「形勢的にはどうでしょうか」
阿久津八段「今は後手の指し手の方が分かりやすい、読みやすい展開になってますね。
この進行で寄せきれるかと言われると少し心配です」

アンケートどちらを持ちたいか
先手:行方八段12.8%、後手:羽生名人44.4%、南海ホークス(ソフトバンク)42.7%。
阿久津八段「これだと正しい数字が出ない気がします」
本田女流「とりあえず3を押してみたくなりますもんね」

18時に休憩なので、45分までいったら指さないと言っていたら、
44分50秒に羽生名人が△同歩。
阿久津八段「いきなりこの振りはびっくりしましたね」
しばし解説の後、
阿久津八段「まあ休憩でしょうね」
先手の攻めが角金銀桂のぎりぎりの攻めで、
羽生名人の方がいいんじゃないか、
△3九飛にいい手がないとはっきり羽生名人がいいとのこと。

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行方八段は定刻に現れず。羽生名人はさっさと△3九飛車。
阿久津八段「ここで先手の行方八段に上手く続く手が見えなかったんで、
次の手に注目ですね」
行方八段は▲3四銀。その後咳き込み退室。

本田女流「それじゃここでアンケートいきましょうか次の一手の」
阿久津八段「え…ここの局面じゃその他無いんですけど」

アンケート次の一手
△同飛成27.7%、△2四玉60.9%、その他11.4%。
阿久津八段「その他11%いるの『えー』って感じですね」

質問メール
棋士の先生のネクタイがおしゃれで毎回ひそかに楽しみにしています。
意識している事がありましたら教えてください。
阿久津八段「最も苦手な分野ですね」
本田女流「メーカーとかそういうのは?」
阿久津八段「全く分かりません。ぱっと見ていいなと思ったら買います。
ネクタイの方が普段の服より見ていて楽しいなと思いますけど」
本田女流「現地には佐藤天彦さんがいますけど、
こだわりのメーカーがあるんですよねなんかすごい長い文字の。
あ、アンドゥムルメステールでてきました。
阿久津さんは験を担ぐとかはありますか?」
阿久津八段「ないですね。負けてると何も着れなくなるんで。
お昼とか前回これ食べて負けたなあとかありますけど、1局分くらいですかね」

羽生名人は△2四玉。
阿久津八段「これは寄らないと見切ったということでしょうかね」
即座に▲3三桂成△3五玉と進み、大盤解説へ。
解説中に行方八段が▲2五銀。
阿久津八段「何か不気味な早さですけど、何かあるんですか?」
羽生名人も△2六玉。
阿久津八段「あれー?どんどんどんどん」
行方八段は後手の飛車を金銀との2枚換えで外す手順を選びました。

質問メール
競馬の趣味で渡辺明先生と仲が良いと聞きました。
お二人そろうと競馬の話が中心になるのでしょうか。将棋の話はされないのでしょうか。
阿久津八段「そうですね、将棋の話も勿論しますけど、
終わった時は競馬の話が多いですかね。
阪神の方とかも旅行に行きながら行った事もあって、
将棋の話を長くした事はないかもしれないですね」
本田女流「研究会は?」
阿久津八段「研究会はないですけど、競馬研はあります。
あ、競馬するだけですよ?
あえて趣味が同じだから将棋をやろうということはないですね」
本田女流「何か渡辺さんの他にも競馬を一緒にする方はいますか」
阿久津八段「橋本さんとか佐藤慎一君とか、歳が近い人は馬が好きな人が多いですから。
あと記者の方や将棋の好きな競馬ファンと」
本田女流「誰が勝ってるんですか?」
阿久津八段「チャラに出来ればいいという考えでやってます。
100円買って75円しか返って来ないんで、勝てる人はそうはいないと思います。
たまに大きいの当たったとかは聞きますけど、
トータルだとだんだんマイナスの方に行く感じですかね。
一応75%返って来れば普通の人ですけど、自分の場合は95~97%くらいなので、
それなりに勝ってるほうだと思います。
最近は大きく負けないようにと心がけてますけど」
本田女流「あとスロットの話とかきてますけど」
阿久津八段「いやーそれはねぇ。ギャンブラーじゃないですか」

今年春になり、新入社員が入ってきましたが、ジェネレーションギャップを感じます。
阿久津先生も年下の棋士に対して感覚の違いを感じることがありますか。
阿久津八段「そうですねやっぱり最近感じる事が多いですね。
いい意味でも悪い意味でもというか。若手が結構入ってきてますからね。
最近の若手はさばさばしてるというか、
よく言えばすっきりしてるというか、微妙な感じで言うと付き合いが悪いというか、
先輩に誘われるのがめんどくさいとかテレビでやってるのを見るとわかるなと。
でも自分達が積極的に声をかければ、好きな子もいますからね」
本田女流「どんな棋士を誘うんですか?」
阿久津八段「自分から後輩で誘った事はあまりないですね。
先輩に声をかけられて感想戦やろうとか言われたり、
そういう意味では自分から誘わないといけないかなと思いますけど」
本田女流「阿久津さん棋士になって何年くらいですか」
阿久津八段「棋士になって15年ちょっとですかね。
でもなかなかそういうのは気にしないで誘って、
一緒にめし行ったり飲み行ったりする方がいいかなと思います」
本田女流「気になる若手の方はいます?」
阿久津八段「面白い子も多いですけどね、佐々木勇気君とか」
本田女流「ほわっとしてますよね」
阿久津八段「マイペースというか。
感想戦で『あーちょっと難しいかー』とか。ため口かもしれないですけど。
若い棋士と将棋対局する機会が増えて、
感想戦でもずばずば言ってくれると嬉しいですね」
本田女流「生意気だとかはないんですか」
阿久津八段「まあ自分より生意気な人はいないというか、
逆転負けした時にこんな将棋の感想戦やる意味無いでしょとか言った事もあります。
10も20も上の先輩にそんな事言ってよく怒られなかったなと思います。
ストレートに言ってる子がいると、昔の自分を思い出すと言うか、
『ああわかるわかる』みたいな。本田さんはどうですか」
本田女流「ここ1年で5人くらい入ってきて、
女流の親睦会が年に1回ありまして、そこでお会いする感じです。
この子があの子かーとかちょっと確認して。私の事とか分かんないと思います」
本田女流「いやいやいやオーラでてますって」
阿久津八段「おばさんオーラとか?
友達とひそひそあの子新人だよとか話して、ちょっと話しかけてみようとか。
最近女流棋士で京大の人とか入ってきてますね」
阿久津八段「新しいほうの山口さんですね。名前も恵まで一緒なんですよね」
本田女流「子供の教室をやってるんですけど、卒業生が女流棋士になったりするので」
阿久津八段「私が教えたの覚えてるよね?とか言うんですか?」
本田女流「多分忘れてるんだろうなと思ってたんですけど、
どこどこで指した事ありましたよねとか言ってくれます」
阿久津八段「やっぱり若い人達の感覚とかね、大分違うなと思いますね。
将棋ももちろん違いますけど、今ネットとかあるんで趣味とかも広がりが大きいです。
将棋連盟の野球部とかサッカー部とかやる人が減って、
いろんな趣味が広くなったと思います」
本田女流「何部に入ってました?」
阿久津八段「野球もサッカーも入ってましたけど今は全然行ってないですね。
バスケも行った事があります。
でもどれも人が少なくなって、おじさんばっかりって感じがしますよね。
若手が入らないと盛り上がらないですからね。
ボーリングも行った事がありますね。
部活じゃないですけど関係者とか棋士とか、でもやってる事は部活みたいな感じでした」
本田女流「あ、書道部はありますね、囲碁部もあります」

盤上では羽生名人の入玉がほぼ確定し、
行方八段が駒を拾って入玉に向かうのを羽生名人がどう寄せるのか、
という勝負になりました。
阿久津八段「先が見えない将棋になりましたね。
終わる時間8時から8時半くらいって言いましたけど全然終わらないです」

ということで一旦休憩に。
休憩中に羽生名人の王様の入玉が確定し、
行方八段は竜を自陣に戻して徹底抗戦という泥試合に。

meijin5-30
本田女流「これはどういう戦いになるんですか?」
阿久津八段「持将棋を巡る戦いになりました」
点数と王様への寄せを両方睨んだカオスな展開に。
本田女流「これは終局は何時くらいになりそうですかね」
阿久津八段「10時くらいですかね?」

羽生名人は盤上に大駒を放ったため、
大駒を取りきれれば行方八段が点数で勝てるのでは?
という持将棋特有の勝負になりました。
阿久津八段「行方さんからするとかなり楽しみが出ましたね。
でも検討といっても検討が盛り上がる展開ではないですね」
本田女流「見守る感じですかね?」

行方八段は羽生名人の飛車の捕獲に成功。
後は王様が詰まされないように上部に脱出すればいいということに。
羽生名人は上部脱出を防ぎつつ、
行方八段の王様を寄せにいく狙いも含みにした手を選びました。
持ち時間はお互い残り10分に。

そして羽生名人は持将棋になったら点数が足りなくなるリスクを恐れずに、
行方八段の王様を寄せにいきました。
行方八段もスルーで銀を拾い、
阿久津八段「いいんですか?いやー誘ってますね」

羽生名人は行方八段の王様を狙いつつ竜にも狙いをつける攻め。
持将棋になっても竜を取れば5点なので引き分け以上と阿久津八段。

本田女流「ここで現地から写真が届いてるようです」
阿久津八段「このタイミングですか?」

meijin5-31
阿久津八段「記者室の様子ですか」

meijin5-32
本田女流「検討しているというよりは見守っているという感じですね」

meijin5-33
本田女流「写真がぶれてるのが多いですね」
阿久津八段「カメラマンの方も疲れてるんじゃないですか?」

羽生名人は行方八段の竜を取り、
持将棋の点数を確保してから寄せの体勢に入りました。

meijin5-34
羽生名人勝勢といったところで水を飲む行方八段。
直後に投了となり、羽生名人の防衛が決まりました。

本田女流「手数は170手ということになります」
阿久津八段「もっと行ってる感じの将棋でしたね」

阿久津八段
本当に凄い将棋でしたね。
行方さんの方も矢倉の先手番で主導権を取りに行く積極的な作戦で、
羽生さんがすごいバラバラの陣形からまとめあげまして、
そこから入玉を巡る攻防になったり、行方八段も巻き返したり、
どう将棋が終わるのかと思ったときに羽生さんが寄せに行って、
厳密に全部の寄せが寄っていたかは分かりませんが、
あそこから寄せに行ってしまうのが羽生名人らしいというか、凄い将棋でした。
見ていてどうなるのか分からなくて、
凄い将棋で一視聴者のように楽しませてもらいました。
この将棋で寄せに行って決着がつくのかと感心しました。

ということで名人戦は4勝1敗で羽生名人の防衛という結果になりました。
行方八段も1局目以外はいい将棋を指せていたと思うんですけど、何で負けたんだろう。
解説の阿久津八段は中盤の難所でずばずば手を当てて流石でした。
170手の大熱戦でしたが、
持将棋ではなくきっちり王様を詰ませに行った羽生名人は流石でした。

6月2日からは豊島将之七段が羽生善治棋聖に挑戦する第85期棋聖戦が始まります。
ニコニコ生放送では9時から、解説に田村康介七段 、
聞き手に山口恵梨子女流初段で大盤解説会が放送されます。
羽生棋聖は7連覇中ということで相当得意にしている棋戦ですが、
豊島七段がどこまで迫れるのか、タイトル奪取なるか注目です。
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