金川欣二『脳がほぐれる言語学 発想の極意(ちくま新書) 』



言語学は役に立たないからこそ役に立つ。(p.11)

 人間は言葉を使って活動をする生き物であるからして、その言葉に対する意識を変えることで、考え方そのものを変えることが出来る。
 ……と言うのがたぶん本書の主張だと思うのだが、「思うのだが」と書いてしまうくらいに内容は薄い。
 色んな本からの引用が楽しいし、軽く読んで次に読む本を決めるには向いているんじゃないかな。

蔵前 仁一『シベリア鉄道9300キロ』



 私が読んだのは紙の本だけれど、AmazonでKindle版を今買うと結構お安い。


 ロシアの横に長い国土を悠悠と走るシベリア鉄道。私も一度は乗ってみたいなーと憧れる一人であります。
 そんなシベリア鉄道をウラジオストクからヘルシンキまで途中で何度か下車しつつ、六泊七日かけて乗り切った旅行記。
 ヘルシンキから乗車した『女一匹シベリア鉄道の旅』とはちょうど逆方向。北欧からロシアに入ったら駅員他で笑顔を振りまいている人がいなくなったとの『女一匹~』のコメントに対して、コチラは笑顔の駅員を見てロシアを脱したと実感している。

黒田龍之助『寄り道ふらふら外国語』



 ちまちま読み勧める黒田龍之介作品。
 今回の章タイトルはそれぞれ「ふらふらフランス語」、「いろいろイタリア語」、「どきどきドイツ語」、「すいすいスペイン語、そして言語学へ」で、つまり今回はその4言語。
 章によって他の媒体に書いたものの再録だったり、書き下ろしだったりと色々。そrぞれの言語に対する作者の学習度も色々。

2017年のカレンダーはプーチン……ではなくて


 まだ2017年用のカレンダーを買っていなかったので、先日ロフトに買いに行ったよ。
 目的はコレ。プーチンさんカレンダー。日本ではロフト専売らしい。



 表紙に日本の国旗表記があるが、月や曜日の日本語表記が併記されているだけで、日本の祝日に対応している訳ではない。
 12か月毎月異なるプーチンさんが拝めて結構面白いのだが、しかし私がカレンダーを貼っているのは机の反対側。つまり背後を取られる形に。
 ……一年間ずっと背後にプーチンさんかぁ、と思うとちょっと心が折れて、結局違うカレンダーにした。

はてなブックマークとLINEにワンクリックで送れるアイコンを付けたよ




 ブログ記事末尾のShare This欄に、ワンクリックではてなブックマークページに、またLINEで送れるアイコンを付けたよ。
 LINEで送るアイコンは本家配布版ではPCからのアクセスに対しては隠し、スマホからのアクセスのみ表示する仕様になっているが、面倒なのでこのブログではそんな仕組みにしていないよ。
 また、このブログで利用しているアイコンには、はてブ・LINE用のアイコンが存在していなかったので、なんかテキトーにそれっぽいアイコンにした。

映画『神聖なる一族24人の娘たち』


(画像は公式サイトのスクリーンショット)

 舞台となるのはロシア西部、ヴォルガ川沿いのマリ・エル共和国を舞台に、Oから始まる名を持つ24人の女性達の、おおらかな性を伴った生の、そして幻想と現実のあわいの物語。

 大量生産大量消費とか理路整然さとか、そんな「理屈」に漂白されていないあるがままの人間、と言うと何だか語弊がありそうだが、粗い麻地のような手触りを感じさせる一作。
 人間ってそもそもが理路整然と物事を捉えるのには向いていないんじゃないかと、個人的には思うのだが、しかし現代社会は客観性だとか主旨一貫性だとか最近発明されたものを身につけて行動するのが当然だと定義している。
 この押しつけは言語化されることもなく、まるで空気のように必須なものだと思い込まされる社会に生きている身としては、こうやってポンっと突き放されると目の前の映像をどう受け取って良いのか分からなくなってしまう。が、この狼狽こそが、自分の中に知らぬ間に住まわせてしまった価値観と顔をつきあわせる契機となる。
 いやぁ、良い映画ですね。

アレクサンドラ・マリーニナ『死とほんのすこしの愛 モスクワ市警殺人課分析官アナスタシヤ・シリーズ・3(光文社文庫)』



 邦訳版アナスタシヤシリーズとしては最後の一冊。原作では7作目。
 確認して知ったけれど、この光文社文庫のシリーズ2作目『無限の殺意』は原作では5作目で、『死とほんのすこしの愛』との間に1作品あるのか。


 アレクセイがいかに自分のことを理解しているのかを知ったアナスタシヤは、長い交際期間の末に遂に彼との結婚を決めた。
 アナスタシヤのその決意を知った彼の異母弟サーシャとその婚約者ダリヤ(『孤独な殺人者』ではダーシャ)は一計を案じ、アナスタシヤたちと同じ日に籍を入れるべく画策するのだった。
 そんな目出度い婚姻の日に、事件は起こる。アナスタシヤの部屋に「やめろ。さもないと後悔するぞ」との脅迫手紙が届けられたのだ。
 モスクワの民警で犯罪分析官として働くアナスタシヤには、心当たりがあった。先日、とある事件容疑者の偽のアリバイを暴いたのだ。それを根に持っての犯行だろう。

 そう判断したアナスタシヤだったが、結婚を楽しみにしているダーシャのことを慮り、予定通りに戸籍登録所へと向かう。そしてそこで殺人事件が。しかし殺されたのはアナスタシヤではなく、別の花嫁であった。
 更に別の戸籍登録所でも花嫁が殺され、加えてアナスタシヤに送られたのと同じ脅迫文を他の花嫁も受け取っていたことが分かり、事態は混迷を深めていく。
 結婚に合わせて休暇を取ったアナスタシヤだったが、自身も巻き込まれたこの事件を解明すべく、奔走する。

映画『不思議惑星キン・ザ・ザ(デジタル・リマスター版)』



 カルト的な人気を誇るソ連製SF映画。……ジャンルはSFでいいんだよね、たぶん。


 冬のモスクワ。仕事から帰ってきた建築技師のマシコフ(スタニスラフ・リュブシン)が何気なくテレビを見ると、妙に印象的な曲が歌われていた。見るともなしにテレビを眺めるマシコフに、彼の妻は買い物を頼む。
 街に出かけたマシコフは、青年ゲデバン(レヴァン・ガブリアセ)に話しかけられる。ゲデバンが示す先には、「この星のクロスナンバーか座標を教えてくれ」と頼んでくる謎の男。自称宇宙人。彼曰く、彼が手にしている「空間移動装置」を使えば一瞬で移動できるのだとか。
 そんな訳あるかと装置を奪い取ったマシコフとゲデバンは、一瞬後には砂漠のド真ん中に突っ立っていた。

 あの怪しい男は本当に宇宙人だったんだと騒ぐゲデバンを宥めて、マシコフはここはソ連内の砂漠に過ぎないと主張する。街まで歩くことにした二人だが、所持品は乏しく砂漠は広い。
 へたり込んだ二人の前に現れたのは、奇妙な宇宙船。そこから降りてきた太め(エヴゲーニー・レオノフ)とノッポ(ユーリー・ヤコヴレフ)の二人組は、ゲデバンたちに「クー」と奇妙な挨拶をするのだった……。

ライバルが暴く 真実と秘密「ウラジーミル・プーチン」



 今回もhuluを介してナショナルジオグラフィックチャンネルを見たよ。今回は「ライバルが暴く 真実と秘密」からウラジーミル・プーチン。
 タイトルから勝手に、政敵一人が延々とタイトルの人間のことを話すのかと思っていたが、実際は色んな人が少しずつ登場する作りだった。
 今回メモりながら見たところ、トータルで13人が登場。結構な人数だし、数が不吉だ。

 何だか無駄にロケ地がカッコイイ。
 殆どは図書館らしき重厚な建物内で、これがまた歴史ありそうで素敵。ビル・ブラウダーだけはホワイトハウスを見下ろす見晴らし絶好な高層ビルだけれど、これがまた掃除が大変そうなガラス張り。

黒田龍之助『ことばは変わる ─ はじめての比較言語学』



 大学での講義を元にした一冊。とは言え、いつもの楽しい黒田節で読みやすい。
 この読みやすさについ流されそうだが、言っていることは割とシビアである。

アンドレイ・クルコフ『ウクライナ日記 国民的作家が綴った祖国激動の155日』



 民族としてのロシア人(русский)の分布と、国としてのロシア(российский)とは一致しない。
 この日本人には「はぁ?」としか言いようのないズレを、ロシアとその周囲は共有している。
 『ウクライナ日記』の作者アンドレイ・クルコフがその例だ。

NHK BS1「BS世界のドキュメンタリー」でソビエト・ロシア特集&その他のロシア関連をご紹介




 再放送も含めて集中して放送するよ。と言う訳で、自分のための防備録。公式サイトはコチラ
 私の古いレコーダーではどう考えても全部録画するの無理……。

『不思議惑星キン・ザ・ザ』が昨日で公開30年だったよクー




 と言う訳で、昨日はGoogleロシアさんが特別仕様のDoodleに模様替え。
 記念すべき地球人とチャトル人とパッツ人の初遭遇シーンかな。ああでもそれなら後ろに彼らの乗り物が必要か。
 何にせよとっても可愛いわー。

  と思いつつクリックしたら、検索画面の左上にも

アレクサンドラ・マリーニナ『無限の殺意 モスクワ市警殺人課分析官アナスタシヤ・シリーズ・2(光文社文庫)』




 光文社文庫版アナスタシヤ・シリーズ二作目。
 ずっと気になっていたラルツェフのその後の記述があって、もうそれだけで私は嬉しい!!
 更にアナスタシヤが長年に渡って忠実な恋人だったアレクセイとの結婚をようやっと決めて、驚愕。
 ちなみに光文社文庫版の次作三作目の『死とほんのすこしの愛』ではアナスタシヤの結婚式が描かれるらしい。ちょっと予約してくる!



 物語はとある家族に掛かってきた脅迫電話で幕を開ける。
 幸せなその家族には、一つだけ大きな秘密があった。息子は実子ではなく養子なのだ。そのことを息子にバラされなくなければ金を払え、それが脅迫の内容であった。
 だが夫婦は秘密裏に養子を迎えており、その事実を知るものはいないと彼らは言う。ならばどうして脅迫者は知り得たのか?

 巨大都市モスクワで起こったこの小さな脅迫事件の予審官に選ばれたのは、オリシャンスキー。
 だが夫婦に事件の詳細を聞く内に、彼は同僚が担当する事件の書類を盗まれていたことを知る。盗難に遭った書類は、この脅迫事件を含めて四件。
 予審官の部屋から刑事事件の書類を盗むとなると、かなりのリスクだ。だが書類が盗まれた四件の事件は、重大事件とは呼べないものであった。予審官たちが見落とした何か重要な証拠が、その中にあったのだろうか。

 単なる脅迫事件のはずだったのに事は次第に複雑な様相を帯び、書類盗難に遭った四件の事件の一つを担当していたアナスタシヤたちもまた巻き込まれて行く。
 だがアナスタシヤとオリシャンスキーは、以前の事件のせいで微妙な関係なのであった。