The Best Albums of 2022(国内)
36.the hatch『shape of raw to come』
風呂入ってる時も飯食ってる時もオナニーしてる時も常に音楽を流している山田みどりは今の日本で信頼できる数少ないアーティストだと思うわけですよ。とにかく好き勝手やってほしいという思いで新作を待ち続けて良かった。ルールとかマナーに縛られず無茶苦茶やってくれ。最高。
35.春ねむり『春火燎原』
これまでにあまり出会ったことのないタイプの音楽で、いわゆる電気が走るタイプの曲たちが並んでおり、アーティスティックな側面を感じさせつつ、ギリギリのところでポップでもあり、バランス感覚えげつないなという感じ。
34.C.O.S.A『Cool Kids』
ラッパーでもあり、詩人でもある。個人的には詩人っぽいラッパーが好きなのでハマるのは必然だった。
33.TEAM SHACHI『TEAM』
相変わらずアイドルの皆様からは活力を頂いている人生である。TEAM SHACHIからは混じり気のないエネルギーを分けてもらえるので、複雑なつらさに直面した時によく聴いていた。
32.さっきの女の子、『混ざると乱れる』
そろそろフルアルバムを出してほしい。相変わらず1曲1曲のクオリティはめちゃくちゃ高い。
31.柴田聡子『ぼちぼち銀河』
歌詞の良さは今年度ぶっちぎりだと思っている。あとは、曲を聴くときに歌詞カードを見ない人間(音だけを頼りにしている人間)を引き摺り込むような曲がほしい。
30.アルカラ『キミボク』
3人体制になってリリースペースが落ち、大丈夫かなと思っていたらちゃんと良いアルバムをリリースしてくれて安心している。
29.ポルカドットスティングレイ『踊る様に』
いけすかない感じは相変わらずあるんだけど、曲の力で捩じ伏せられるのが悔しいやら喜ばしいやら。
28.Syrup16g『Les Mise Blue」
待ってました。相変わらずの暗さと言葉遊びの軽快さ。この暗さを見せつけてくれるバンドが少なくなった今(見せつけるとメジャーには行けなくなった今)、彼らの本領が発揮させる時だ。
27.BBHF『13』
とにかく「バックファイア」が良すぎて、この曲単体で見たら年間ベスト級まである。ガリレオガリレイ復活の喜ばしい報もあり、来年はさらに飛躍の年となることだろう。
26.ハンブレッダーズ『ヤバすぎるスピード』
まじでずっと初期衝動を保ち続けててすごい。こんなロックバンドを見たことがない。変化がないのではなく、曲を変化させながら初期衝動をずっと表現し続けている。すごすぎる。
25.水樹奈々『DELIGHTED REVIVER』
相変わらず曲のクオリティは高いんだけど、昔みたいなワクワク感が無くなってきた。もうちょっと歌謡路線にしていったら良くなると思うんだけど、声優という職業柄求められる音楽がそういったものではないのかな。
24.ELLEGARDEN『The End of Yesterday』
まず復活してくれたこと自体が有難いのに、まさかアルバムを出してくれるとは思わなかった。色々思う人はいるだろうが、自分は復帰作としてはこれ以上ない名盤だと思う。
23.緑黄色社会『Actor』
「Mela」で売れまくった結果アルバムがそっちに引っ張られると思いきや、意外にもそんなことはなく。ただ全体的にメリハリのないアルバムになってしまった印象。「アラモードにワルツ」とかはめっちゃ良いんだけど。
22.山内総一郎『歌者』
単純に良い曲を並べているのでそりゃ良いアルバムになる。ただもっと、クセのある曲というか、この人でないと歌えない曲を入れてほしかったなという残念さがある。
21.水瀬いのり『glow』
声優がリリースするアルバムとしてこの人が1番真っ当なものを出し続けている気がする。様々なタイプの楽曲を揃えつつ、自身の声で統一感を出すという。ややポップス寄りなところも良い。
20.ghost like girlfriend『ERAM』
こんな良かったか?と思い返すくらい良かった。バンドと電子音楽の良いところ取りみたいな。もっと良さが広まっていって爆売れしてほしい。
19.LUNKHEAD『リノセント』
様々な苦難を乗り越えて3年ぶりのアルバムリリース、というのは本当に素晴らしいんだが、もうちょっと凝っても良かった気がするんだよなー、個人的にはランクヘッドは凝ってる曲の方が好きなので…ただ「ふわり」はめちゃくちゃ良い。次作でこの路線を突き詰めて、また『V0X』『青に染まる白』クラスの名盤を作ってほしい。
18.fhana『Cipher』
4年くらいリリース間隔あけるとやっぱ1曲1曲が粒立ってくるなと再認識。考えすぎてる感もあるけど、この人たちは考えすぎてるくらいがちょうどいいと思うんだよな。ただ長すぎるのが難点。12曲くらいに絞ってほしかった。
17.OMSB『ALONE』
ほとんど客演がないあたりがストイック。内容も7年待っただけあって濃密。内省的な作品が結果として大衆に広くリーチしているのを見るとテンション上がりますね。
16.SANDAL TELEPHONE『REFLEX』
気付いたらアーティスト名が英語表記になっていたんだけど、海外志向になったとかそういうことではなく安心した。海外でちゃんと売れてる人らは寄せなくても勝手に売れていくので。「恋の魔法使いにはなれない」が白眉ですかね。
15.ソウルズ『超常現象』
知った時にはもう解散が決まっていた。なんでだ。日本でポップスをやろうと思った時の最適解がこのアルバムだと思う。札幌の夜道を走っている時にリピートして聴いた。
14.ばってん少女隊『九祭』
今年から温泉とサウナにハマった。サウナにハマったのはやっぱり、精神が限界に近付いている証なんだと思う。札幌にあるフミノサウナという個室サウナは最高で、好きな音楽をBluetoothでサウナ内及び休憩場所に流すことができる。その時にこのアルバムをよく流していた。アルバム自体は、前作の方が好きなんだけど、この人たちのファンをいかに楽しませるかというリスナーに目線を合わせた姿勢はとても好きなので。
13.シナリオアート『Blue Smell』
全然印象になかったバンドの曲を何かの拍子で聴いてめっちゃ良かった時の感情、まだ名前が付けられていないらしい。シナリオアートはいつからこんなポストロックにjpop的メロディーを織り交ぜるのが上手くなったんだ…
12.黒子首『ペンシルロケット』
傑作だった前作をちゃんと超えてきているのが凄い。新人バンドとは思えないほどの引き出しの多さとメロディラインの多彩さ。特にミディアムテンポの曲でしっかり盛り上げどころを作る技術の高さには舌を巻く。
11.NOMELON NOLEMON『POP』『感覚派』
新世代のポップミュージシャンとしてもっと持て囃されて良いとおれは思っているんだけど、何もかにも信じられない世の中なので別に誰に持て囃されなくともおれが好きであればそれでいいのだと思いを新たにした。
10.ハルカミライ『ニューマニア』『Symbol2』
人生がクソなのは31年生きてきて結婚しても何ら変わりない普遍の真理だと感じている。おれでさえそうなんだから、絶対に皆そうだと思っている。このクソな世界に、早くトドメを刺してくれる存在として、彼らは表舞台に立っているのだ。
9.小林太郎『合法』
このキャリアでここにきて「骨伝導」みたいな曲を作れることが既にやばいんだけど、仮面ライダーの主題歌とかゲームのテーマソングとか提供してきたキャリアがあってこそだろう。「Armour Zone」とかめちゃくちゃ良いんだけど、アルバムには入らないんだろうな。
8.フィルフリーク『STORY STORE』
この人たちが爆売れしてない理由が分からないくらい今の若者に向けた音楽をやっているんだけど、みんなもしかして音楽を能動的に聴いていない…?圧倒的ポップセンスと瑞々しい歌詞が織り成す珠玉の8曲。
7.amazarashi『七号線ロストボーイズ』
弾き語りとバンドサウンドの丁度いいとこどり、1stの頃に近い感触の傑作だったので驚いた。しばらくamazarashiから離れていたけど、まだ「1.0」みたいな曲を作ってくれることも感動したね。
6.パスピエ『ukabubaku』
デビューして3作くらいは好きだったんだけどそこからちょっと自分の好みとズレてきてて、2016年くらいからあんまりちゃんと聴かなくなっていた。12月リリースの作品は傑作が多いというジンクスもあったので久し振りにちゃんと聴いたらめちゃくちゃ傑作だった。やっぱアルバムの締めを「もののけだもの」みたいな曲で締めるのが最高だよ。
5.安野希世乃『A PIECE OF CAKE』
この人は毎回めちゃくちゃ良い曲に恵まれていて、それを毎回軽やかに歌いこなしているので、すごいなあと感心しながら一周目を聴き終わり、もう一度ちゃんと聴かねばと思い、またもう一周するのであった。「世紀の祝祭」「波間に消えた夏」とかもうタイトルからして最高。
4.サカナクション『アダプト』
間違いなくサカナクション最高傑作。厳選された8曲34分という絶妙な再生時間。1曲1曲が代表曲クラスの完成度。ここまでやられたらもう何も言えないという感じ。
3.MINAMI NiNE『SOUTH』
遂に戻ってきた。「群青」リリース以降フルアルバムを聴きたくて仕方なかったが、2年待っても音沙汰なく、こりゃ駄目か…?と思っていたら今年ついにリリース。インディーズに戻って原点回帰した結果、群青とはまた違ったテイストの名曲群が立ち並ぶ傑作に。
2.なにわ男子『1st LOVE』
自分がまさかKinKi Kids以外のジャニーズグループにハマるとは思わなかったんだけど、とにかくなにわ男子は楽曲の打率の高さが凄かった。近頃ダンスミュージックをベースにしたアイドルが男女問わず増えていく中で、なにわ男子は単純に歌の力で勝負しているのがとても良い。アルバム全曲一切外さない名盤。
1.明日の叙景『アイランド』
音楽は精神を救ってくれる数少ない存在だとおれは今でも信じていて、自分の人生においてはありがたいことに限界の鬱になった時に、救いの手を差し伸べてくれる音楽がやってきてくれる。今年は5月以降定期的に死にたいタイミングが訪れており、張り詰めた糸が切れてもう駄目だと思った11月の頭に出会ったのがこの作品だった。自分の代わりに叫んでくれているのかと言わんばかりのボーカル、激しいのに美し過ぎるメロディの虜になり、当直室で夜中に聴いたその時からほとんど毎日といっていいくらい聴き込んだ。これがあれば他に何もいらない、墓場に抱いて持って行くんだと誓ったのである。
海外編でも触れたが何でこんなつらいんだというくらい、今年はつらかった。仕事でもプライベートでも、あまり人と関わるのが得意ではないので両方色々な人と関わらざるを得ない状況はつらかった。心の休まる瞬間がほとんどなく、厳しい日々が続いた。時折訪れる自由な1日でカレーを食べに行ったり、サウナに行くことが数少ない安らぎだった。こんな日々ならいっそ死んだ方がましだと何度も考えた。ただ臆病が故、死にきれなかった。ただもう限界である。早く迎えにきてくれ。
The Best Albums of 2022(海外)
36.Gilla Band『Most Normal』
気が触れているようなフォーマットのなかを掻き分けていくとほんの少しのポップミュージックがある、このバランス感覚が凄い。個室サウナで聴いててすげーと思ってしまった。
35.death's dynamic shroud『Darklife』
沖縄に向かう飛行機の中でずっと聴いていた。1時間近くあるんだけど展開が派手でずっと飽きさせない工夫があったり、1曲1曲の中にも仕掛けがあって、インテリジェンスを感じさせる。
34.SZA『SOS』
12月滑り込みセーフ。めちゃくちゃ良い。前作を聴いてなかったおれのような人間にもやさしい、いかにSZAがやばいかということが明朗に示された傑作。
33.Florist『Florist』
嫁が当直勤務で不在の際、小樽に行ってしこたまビールを飲んでいた時に聴いていたアルバム。「Duet for Guitar and Rain」「Spring in Hours」が良くて、ああ音楽というのはこうも生活の中に溶け込んでいるのだなあと改めて感じられた傑作。しかしFloristがここまで化けるなんて思わなかったですよね、まさかBig Thiefの系譜に連なるとは…
32.The Smile『A Light for Attracting Attention』
気付いたらレディオヘッドの方が全然新譜出してなくて、トムの別働隊が動き回っていた。びっくり。良いのは良いし、最近のレディオヘッドには無いバンド感があるのは好きなんだけど、いやレディオヘッドは…?という気持ちが、聴いていて頭をよぎるんだよな。
31.OVENS『OVENS』
1曲の中の1番良いところだけをかき集めたようなショートソング集。ハイライトだけが集まっているのでそりゃ良いに決まってる。ただ途中で胸焼けしそうにもなってくる。
30.Titus Andronicus『The Will to Live』
おれはタイタス・アンドロニカスは12年前の『The Monitor』からずっと推しているが、未だに日本での知名度は低い。この国のリスナーはサブスクリプションの発展により能動的な選択をできるようになったが、結局はヒット曲やおすすめのプレイリストを再生するだけ。本当の意味で能動的に音楽を聴きにいっているリスナーがどれほどいるというのだろう。
29.Dehd『Blue Skies』
形容するのが難しいんだけど、普通のインディ・ロックなのにちょっと普通のインディ・ロックぽくないのが良い。あとフロントマンの圧が強い。フロントマンの圧が強いバンドは良い。
28.Dry Cleaning『Stumpwork』
札幌の夜の街を車で走っていた時、妙に自分の気持ちとシンクロしてしまった。未来に対する圧倒的な、漠然とした不安。1人の時には感じなかったそれが、確実に鎌首をもたげてきている。フローレンス・ショウは楽器の隙間を掻い潜り、おれに何かを伝えようとしている。それが何なのか、未だにわからないのだ…
27.Whitney『SPARK』
声質は100%才能の世界なので、良い声質のボーカリストに出会う度に「すげえな」と「何をやっても勝てない)という気持ちで打ちのめされてしまう。ジュリアン・アーリックもまさしくそうした天才なのだけど、声質が綺麗過ぎて、打ちのめされるというより浄化されてしまう。おれが死ぬまで生きてて歌い続けてくれ。
26.Ty Segall『Hello, Hi』
音楽聴いてて楽しかったのは2006〜2013くらいだったなーと思ってしまい、実生活が荒んでいくと音楽を聴く力とか楽しむ力が失われていくんだなーと再確認できた。本当に外界との接点を限界まで絶って山奥で自給自足の生活を送りたいんだが、この日本では難しいらしい。早くベーシックインカム制度を確立させてくれ。もう限界なんだ。無邪気にAnimal Collective、Dirty Projectors、Grizzly Bearが立て続けに傑作をリリースしていて歓喜していた2009年に戻りたい。コロナと悪い人間に生活をめちゃくちゃにされたおれの人生に、Ty Segallの音楽は何をもたらしてくれるのだろう…
このバンドは評価高かった前作があんまりハマらなくて「世間と評価が違う…」と思っていたんだけど、今作はわりと好きになれて「自分のコンディションの問題だったのでは」と思いを新たにした。しかし1曲目が一番好きなのでそこが自分のピークになってしまうのは寂しいところではある。
24.Sobs『Air Guitar』
妻がSpotify、おれがApple Musicに契約しており、Apple Musicが今年の12月から値上がりするという報を受け、SpotifyのDuo Planにおれが移行する形となった。まあ元々Apple Musicはめっちゃ重かったので別に良い。Spotifyに移行して最初に聴いたのがこのSobsの新譜で、それがめちゃくちゃ良かったのでSpotifyが最高の滑り出しだったという思い出です。そういや海外における「エアギター」とは日本と同じ意味なんだろうか。
23.phoenix『Alpha Zulu』
久々のアルバムでだいぶテンションが上がってしまい、ハードルを上げ過ぎてしまったかもしれないが、それでも良かったのでやっぱりフェニックスは天才。
22.The 1975『Being Funny In A Foreign Language』
おれのような1975をちょっとナメてた人間にこそ聴いてもらいたい。トータルの長さも完璧、1曲1曲の完成度も完璧。世間の大絶賛を受けた3作目とも少し違う路線。逆にこれが駄目ならもう1975は合わないとしか言いようがないくらい受け皿が広い名作。
21.Weird Nightmare『Weird Nightmare 』
METZのボーカリストのソロプロジェクト。本隊の新譜も待ち遠しいが、本隊とはまた違った焦燥感と狂気があって良い。
20.yeule『Glitch Princess』
何を隠そうおれが入籍日の夜に聴いていたのがこのアルバムである。ずっと狂っているのでトータルどこで狂っているかが分からない、ずっと平常に聴こえるという異常すぎるアルバム。人生の大転換期に聴くと正常な気持ちになれるぞ。皆さんも入籍日にはぜひこのアルバムを。
19.Perel『Jesus Was an Alien』
まず胡散臭すぎるジャケットが最高。中身も程良く狂っていて、人間狂っている時に狂った音楽を聴いていると最高なんだなと分かる。まあ、そもそも狂いたくないんだが…
18.Belle and Sebastian『A Bit of Previous』
相変わらず良い。相変わらず良いを達成し続けることの難しさをよく知っているので、もう彼らには足向けて寝られませんわ。
17.Nas『King's Disease Ⅲ』
おれが海外のラッパーで1番好きなの、やっぱりNasだなと再認識させられた。
16.Diamanda Galas『Broken Gargoyles』
こういうのを聴きたくなる日、絶対あるでしょう。え?無い?じゃあ、話すことはないですね。
15.Weyes Blood「And In The Darkness, Hearts Aglow』
個室サウナの中で流して聴いてて落ち着くことができたので良い作品です(?)
音が粒立って聴こえる感覚を与えてくれる曲はたいてい良い曲なんだけど、これを言語として上手く説明することが毎回難しく、もっと適切な表現を誰か生み出してほしい。音楽評論家(?)のみなさん。
14.Bjork『Fossora』
キノコ好きなんで当たりでした。ともかくどんな突飛なテーマの作品でも最高の物に仕上げるあたり、アーティストだなと再確認させられる。
13.Shamir『Heterosexuality』
LGBTとかそういう背景一切関係なく、めちゃくちゃ良い楽曲が揃った名盤である。自分は恵まれた環境の国で生まれ育っているが、これが別の国の別の家庭に生まれていたら、いったいどうなっていたのだろう、という想像力は、常に忘れないようにしたい。
12.White Lung『Premonition』
この化け物クオリティのアルバム出して解散とか、ミュージシャンの理想の解散の仕方だ…と思ってしまった。おれも化け物クオリティの仕事やったあとそのままの仕事を辞めるんだ。
11.Stars『From Capelton Hill』
日本人が入り易いポップソングを作る人たちなので、もっと売れてほしいんだよな。ただメロディが良いだけでなく、各楽器のアンサンブルとかちゃんと練られてるのが良いんだよ。
10.PUP『The Unraveling of PUPTheBand』
ジャケットが酷いことを除けばほぼ満点なのでは。勢い一点突破ではなく、アレンジやメロディの随所に工夫が見られるのが、やっぱセンス良いなと感じさせる。
9.Lambchop『The Bible』
最初に聴いた時はこりゃ今年の各メディアの年間ベストアルバム総なめだ!!!と思ったら意外と出てこなかった。なんでだ。Lambchopはこのキャリアの長さで毎回色んなことに手付けてるのがすごくて、逆にまだやってないのは何なんだ、と考えてしまう。ちなみに今回の路線が1番好き。
8.Melody's Echo Chamber『Emotional Eternal』
全曲良い。泣きそうなくらい良い。この人は2012年のファーストが凄く良くて、次作どうなるんだと思ってたら病気で暫く休止してて最近復帰した苦労の人なので、やっぱ肩入れしてしまう。特に「Personal Message」が良過ぎて、とにかくめっちゃ売れてくれという気持ち。
7.Alex G『God Save The Animals』
各所で絶賛されているので、もう言うことはないんだけど本当にやばい作品なので広く聴かれてほしい。めちゃくちゃ聴きやすいのにずっと歪な感覚があって、ずっとオーバーグラウンドとアンダーグラウンドの境目にいる感じ。
6.Father John Misty『Chloë and the Next 20th Century』
めちゃくちゃ好き。全曲最高。なんだけど評論筋からは絶賛というわけでもなく、やっぱりそういう人たちとは合わんなと思わされた1枚です。この人は毎回良い作品を出すけどおれの好みとは少しだけズレる部分もあって、それが今回はど真ん中直球勝負なので最高だった。「Chroe」「(Everything But) Her Love」「Q4」「Funny Girl」を無限に聴きたい夜があるんだ。
5.MJ Lenderman『Boat Songs』
シンプルにめちゃくちゃ良い曲がずらっと並んでいる、ただそれだけで名盤になり得るのだということを証明したアルバム。色々なアーティストからの参照点を感じさせつつ、この人のギターの力で自分色にしているのは、何気にすごいと思うんだよな。
4.Bloc Party『Alpha Games』
Bloc Partyについてはちょっと思い入れが強過ぎるんだけど、それにしても今作はめちゃくちゃ良くないか?過去の良いところ、最近の良いところを上手い具合に織り交ぜた傑作。批評家連中が推さなくてもおれは推すぞ。
3.Alvvays『Blue Rev』
全曲全く隙がなくて、まさかAlvvaysがこんな風に化けるとは思わなかったこともあり衝撃だった。全ての曲が多少なり切なさの色を孕んでいるのがとても良い。
2.skillet『Dominion』
ここまで毎回毎回名盤を作られると逆にいつ袋小路に入るのか不安になったりもするんだが、まあ常に新作が最高なのは人生の救いになるので、これからも名盤を作り続けてほしい。
1.SAULT『AIR』
ちょっと良過ぎて困るんだよな。これまでSAULTに抱いていたイメージがこれで一気に変わった。荘厳なのに日々の暮らしの中で流せるくらいの軽やかさ。めちゃくちゃ良い音響機器を揃えて聴きたい気持ちもあるので、壊れたサウンドバーを直しに行ってきます。
一般的に入籍した年というのはハッピーだと聞いていたんだがそんなことはなく、結婚生活は楽しいがそれ以外が不幸全振りという感じでトータル2020年並みにつらかった。なんでこんな精神を擦り減らしてまで仕事してるんだという気持ちになり、金もらって苦痛を得ていると考えると仕事が馬鹿馬鹿しくなってきた。こんな思いをするくらいなら別に金はいらねえんだよな。
実の家への逃げ道も絶たれたという点ではまじで近年一番つらかったかもしれない。本当にどうすればいいのかわからなくなり、年末年始もつらいまま過ごすこととなった。
というわけで相変わらず仕事を辞めたい気持ちは変わらないので来年別の仕事の試験を受けて再来年から違う仕事に就きます。宣言しとかないとグダグダになってしまいそうなので。
あと、世の中の結婚した男たちはどうやって嫁の家族とうまくやってるんだ…?おれは1年経ってもまだ全く距離を掴みかねていて、毎回訪れるたび心臓を限界まで痛めながら過ごしているんだが、最適解があれば誰か教えて欲しい…
やっぱあれか、多動と自閉傾向があるやっぱ結婚してはいけないのかな…生きるとは難しい…
The Best Tracks of 2022
30.TK from 凛として時雨「first death」
29.flumpool「A Spring Breath」
28. 藍坊主「プールサイド ヒーローズ」
27.WANDS「愛を叫びたい」
26.YOASOBI「海のまにまに」
25.小林太郎「六速」
24.ハンブレッダーズ「ヤバすぎるスピード」
23.Mega Shinnosuke「永遠の少年」
22.さっきの女の子、「と常識人のお葬式」
21.Syrup16g「Everything With You」
20.RYKEYDADDYDIRTY「ALL GODS BLESS ME」
19.月詠み「アメイセンソウ」
18.パスピエ「微熱」
17.MINAMI NiNE「Addiction」
16.フィルフリーク「ブルーライドレター」
15.サカナクション「ショック!」
14.fhana「where you are」
13.山内総一郎「白」
12.LUNKHEAD「ふわり」
11.緑黄色社会「アラモードにワルツ」
10.Saint Vega,valknee,ORKL「Good Mood Travel」
9.なにわ男子「The Answer」
なにわ男子 - The Answer [Official Music Video] YouTube ver. - YouTube
8.礼賛「take it easy」
7.サカナクション「月の椀」
6.NOMELON NOLEMON「ゴーストキッス」
5.安野希世乃「波間に消えた夏」
4.ソウルズ「超常現象」
3.BBHF「バックファイア」
2.奥野香耶「星のカフェテラス」
星のカフェテラス - song and lyrics by 店長代理(CV.奥野香耶) | Spotify
1.舐達麻「BLUE IN BEATS」
【海外】
30.Destroyer「June」
29.MUSE「Won't Stand Down」
28.Bjork「Sorrowful Soil」
27.Daphni「Always There」
26.Grace Ives「Burn Bridges」
25.Perel「Jesus Was An Alien」
24.Suede「Personality Disorder」
23.Viagra Boys「Baby Criminal」
22.SASAMI「Call Me Home」
21.Kevin Morby「This Is A Photograph」
20.SZA「Kill Bill」
19.Ovans「Everything's the Same」
18.Duke Deuce「DEUCIFER」
17.Cakes da Killa「Sip of My Sip」
16. Sobs「Air Guitar」
15. MJ Lenderman「You Have Bought Yourself A Boat」
14.Jack White「Taking Me Back」
13.Animal Collective「Prester John」
12.Lizzo「About Damn Time」
11.Alex G「Blessing」
10. White Lung「Under Glass」
9.Stars「Palmistry」
8.Falling In Reverse「Voice In My Head」
7.Alvvays「Tile By Tile」
6.Melody's Echo Chamber「Pyramids in the Clouds」
5.skillet「Surviving the Game」
4.Father John Misty「(Everything But)Her Love」
3.Kendrick Lamar「The Heart Part 5」
2.Father John Misty「Chloe」
1.SAULT「Reality」
The Best Albums of 2020(国内)
50.018『Yellow Pierrot』『I KNOW』
もっと知名度あってもいいラッパーだと思うんだけど、week dudus客演の「222」とかあるので、有名になるのも時間の問題という気もする。とにかく全曲ビートが良く(重低音中心のビートも勿論良いんだが「Burn」「Don't」みたいな狂気を感じさせるビートとか最高)、この上に低く重たいラップが乗っかっており、この手のテイストが好きな人間は沼にハマること間違いないので一度聴いてほしい。アルバム1枚聴いても20分以内で収まるあたりも時代を感じさせますね。
49.赤い公園『THE PARK』
おれたちは津野米咲という天才がいた事実を忘れてはいけない。作曲能力も演奏技術も鬼のように高いのに、それを良い意味で一切感じさせず、超ポップに聴かせてしまうというのは、やはり才能のなし得る技だ。自分と同じ歳の天才が、自分よりも早くいなくなってしまうということのつらさが、今年になってようやく分かった気がする。おれも早いところそっちに行くからな。
48.エレファンク庭『Funky Journey』
明確に自分はファンクをやっていると公言している日本のアーティスト、スガシカオ以来では???土台はファンクなんだけどメロ自体はJ-POPのマナーに則っているのでとにかく聴きやすく耳馴染みが良い。それでいて各曲しっかり決め所やコアなリスナーをハメてくるポイントが設けられているので、そりゃ最高になるわけだわという感じです。
47. 武藤彩未『MIRRORS』『あの頃、君に渡したプレイリストを今でも僕はくちずさむ。』
一時期凄い持て囃されていなかったか???凄いソロアイドルの再来みたいな。あれから月日はだいぶ経ったけど、この人の歌唱力表現力は格段に上がっていて、もうベテランの風格さえ感じられる。「雨音」「Flower」とか。
46.さとうもか『GLINTS』
柴田聡子とかカネコアヤノみたいな、もっとフォーク寄りな人だと勝手に思っていたので、アルバムの多彩さには驚かされた。「パーマネント・マジック」以降の異世界に誘われるような流れがたまらなく良い。
45. 佐々木彩夏『A-rin Assort』
なんじゃこりゃ!と思いながら富良野ドライブ旅の最中に聴いていた。富良野ドライブ中に聴くようなアルバムじゃねえなと思いつつ、この訳の分からなさ、味付けの濃さは富良野旅行中だから自分の中で上手く消化できたのかな、とも思う。途中の芦別赤平で大雨降ってたこととかどうでもよくなったもんな。
44.藤川千愛『愛はヘッドフォンから』
「私にもそんな兄貴が」の歌詞を聴いて刺さらない男は人生やり直してほしい。おれはこんなことを思ってミュージシャンを目指す妹がほしい人生だった。
元アイドルという肩書が足枷になるアーティストもいる中で、この人はそういうバックボーン全部引っくるめて作品に昇華している、まじもんのアーティストという感じでとても良い。そういうマインドはヒップホップ界隈のアーティストに近いところがある。
43.TRIPLANE『unanimous』
10年以上この人達の音楽を聴いてきた人間ほどこのアルバムを初めて聴いた時に薄い!!!と思ったのではないだろうか。おれも最初に聴いた時に全然記憶に残らなくて、11月くらいに聴き直した時にあれええやんけとなった次第である。トライプレインがこんな俗に言うスルメみたいなタイプのアルバム出すことが意外過ぎて最初は脳の理解が追いついていないだけだったようだ。
42.YAYYAY『I'm Here』
このキャリアでこれだけ新しいことに挑戦する姿勢は本当に素晴らしいとしか言いようがない。強いて言えば和風エレクトロニカという雰囲気だが、それにしては荒々しい演奏やささくれだった歌詞が、決して小綺麗に収まらないアクの強さを生み出している。もうちょっとボリュームあれば超名盤だった気もするが、このくらいのサイズの方がかえって胸焼けしないで良いのかな。
41.nuance『brownie』
とにかくここは「初恋ペダル」で突き抜けた感がありますが個人的には「悲しみダンス」を推したい。この曲はABメロの音程の上がり下がりがない(メロディの起伏があまり無い)ぶん高音から始まるサビが映える構成なんだけど、それにしても全体的にここまで無機質に整えられているアイドルの曲をあまり聴いたことがなかったので驚いてしまった。エモの対極にあるような曲なんだけど、人間の感情に振り回された2020年だからこそ心に刺さってくる。
40.ircle『こころの℃』
想像した3.5倍くらい良い曲書きまくってて驚いた。ircleって今まで聴こう聴こうと思っていてもあんましっかり聴いたことが無くて、年末の小樽探訪の際にこのアルバムを何となしに流して歩いていたら曲が良くて探訪に集中できなかった。2020年代のロックバンドが作るアルバムの最適解の1つという感じだ。
39.Dear Chambers×コールスロー『LOVE』
2組とも良いバンドだと思うんですよ。別に凝ったアレンジや示唆的な詞を書いてるわけでもなく、思ったことや伝えたいことをストレートな曲に乗せて歌うという点で、ある意味時代に逆行しているのかもしれない。ただこのコロナ禍においては、伝わったもん勝ちというか、手段はどうあれ受け手に刺した者が正義みたいなところもあるので、時代の波にも乗っている感はあるよな。おれが聴きたいロックはこういうのなんだよ。
38.ハンブレッダーズ『ユースレスマシン』
ここほどバンドやってるバンド、中々いないでしょう。バンドを愛しバンドに愛された男たち。必要最小限の音数にシンプルなコード、歌メロ。しかし表題「ユースレスマシン」のような二段階転調する曲に顕著だが、とにかく聴いていて飽きさせない工夫が凄い。自分たちの型を崩さずにここまで凝ったことができるバンド、最近いないんだよな。
37.ukka『恋、いちばんめ』
表題曲が強過ぎてしばらく聴き込まないと他の曲が霞んでしまうという弱点はあるんだけど、何周かしている内に他の曲が染みてくる。「can't go back summer」とか聴けば聴くほど沼にハマっていく感覚を味わえるので最高です。合間のギターソロとか、メンバー歌唱時以外にもいちいち聴かせるポイントを作ってあるのも憎い。
36.緑黄色社会『SINGALONG』
「Mela!」単独首位なのは間違いないんだけど、他の曲もアルバムの構成員としてしっかり機能しており、トータル肩肘張らず割とどんな場面でも聴けるオールラウンダーなアルバムに仕上がっている。好みとしては1曲1曲がシングル曲並みの主張をしつつアルバムとして流れ含み纏まりのある作品なんだけど、そんなものは1年に1枚出ればいいレベルなので…
35.GOTCHAROCKA『POLYCHROME』
日本で10年近く活動していて名前も曲も知らないけどめっちゃ良い曲作るバンドがいるの、当たり前のことなんだけどストリーミング主流の生活になったことで感覚がおかしくなったのか、感動を覚えることがある。ヴィジュアル系バンドとか特にあんまストリーミングで配信されていないので金脈という感じ。「白いDIA」とか完全にかつての歌謡曲寄りのJPOPど真ん中だもんな。
34.Kolokol『WONDERLAND』
ノーマークだったアイドルがクオリティ高いアルバム出してくるとテンション上がるんだけど、今のところ次作も同じか超えるクオリティで出してくれたケースがまだ無いので、Kolokolにはその先駆者となってほしい。この路線でいけば大丈夫です。
33.フィルフリーク『Reverge Youth』
一聴すると限界まで煮込まれた陽キャラがバンドをやっている感じなんだけど、アレンジとか注意して聴くとただの陽キャラじゃないということが何となく分かる。「eisei」の転調の仕方とかエグくて、只者じゃない感じが漏れ出しており良い。
32.BLUE ENCOUNT『Q.E.D』
今までよくある量産型ロックバンドだと思ってスルーしていたんだけど、余市旅行の際に車で流していたら思いの外刺さってしまったのでこの位置です。テクニカルな曲もストレートな曲もそつなくこなすあたりが最近のロックバンドだなーという感じがする。その枠からはみ出すためのヒントが「あなたへ」にあるはずなんだよな。
31.ポルカドットスティングレイ『何者』
小慣れすぎていたりあまりにマーケティングを意識しているその音楽性のため今まで苦手だったんだけど、配信シングルの「JET」を聴いて1発で最高!!!!!となりました。サビでボーカルの声が掠れるあたりがすげえ好きなんですよ、意図していないエモーショナルを感じて。このアルバムに関してはそうした「JET」の流れを汲んでいる、良い意味でマーケティングのど真ん中からちょっと外したような曲が並んでいるので初めて彼女らの作品で良いなと思いました。マーケティングを狙うにしても「さよならイエロー」くらいの狙い方だったら全然好きですよ。
30.saji『花火の詩』
随分とポップになったもんだなーと寂しさを覚えつつ、これをもう少し突き詰めれば絶対化けるぞという手応えもある。Unlimited時代から気付けばだいぶ経ってメンバーも1人脱退し、顔出しもするようになったわけだが、今になってUnlimited時代の曲を聴いてみると今に繋がる要素があって、これは順調な進化なのだと分かります。
29.the peggies『アネモネ ep』
『アルプススタンドのはしの方』を観てどハマりしてしまった。今まで何でちゃんと聴いてこなかったんだという後悔。1曲1曲のキャラクタ立ちが半端じゃない。epじゃなくてミニアルバムという触れ込みで出してほしかった。
28.伊藤美来『Rhythmic Flavor』
路線自体がちょっとずつシティポップから現代音楽の方にズレていっているので、食い足りなさを覚えるのは仕方ないのかもしれない。でもやっぱ1stの衝撃、完成度が凄かったので、次作は是非原点回帰を目指してほしい。
27.宮本浩次『独歩』
下手したらソロの方がいいんじゃね、というくらいの完成度。バンドサウンドという制約から解き放たれたことにより、一層歌謡曲志向が増したうえに尖りも忘れておらず、結果的にエレファントカシマシよりもロックなアルバムに仕上がっている。これは今年のうちに聴けて良かった。カバーアルバムは知らん。
26.POP ART TOWN『Sensation』
迷ったのはこのアルバムをどこの位置に入れるかだった。めちゃくちゃ良いことは言わずもがななんだが、聴くたびにここより良い、ここよりちょっと足りないという鬩ぎ合いが生じ、うまく当てはまる位置が見つからなかったんだけど、最終的にここに。あともう2曲くらいパンチある曲があれば余裕で年間トップいけるんじゃないか。
25.ヤなことそっとミュート『Beyond The Blue』
もうアイドルのリリースした作品という雰囲気が微塵もない。これはもうロックバンドのアルバムです。ポストロック的な、ともすれば無機質に感じさせるような楽曲が揃っているのだけど、これを4人のボーカリストが歌うことで途轍もないエモーショナルを生み出すので、ブクガやsora tob sakanaの最終到達点はここだったのでは、という気持ちになる。
24. 河内REDS『時計じかけのオレたち』
令和2年になってこれだけ昭和歌謡じみた曲を作っても許されるのはボーカルの力でしょう。クサすぎるメロディを伸びやかに歌い上げるボーカル。9mmもこれくらいのボーカルだったらどハマりしてたんだろうな…と思わずにはいられない。
23.a flood of circle『2020』
まさかここが今年になって覚醒するとは思わなかった。いや、田淵プロデュースとかKEBABSの活動とか、予兆はあったんだが、それを見事に見逃してしまった。2007〜2009年頃の、1番良かったフラッドが表現力5倍増しで帰ってきた。2020年の数少ない収穫。「天使の歌が聴こえる」の美しさはどれだけの言葉を尽くしても語れまい。
22.CROWN POP『LIFE』
最初の2〜3曲で舐めてたらエラい目に遭います(自分のことですが)。最初はやけにあっさり目というか普通のアイドルソングっぽくてあんま印象に残らんなーと思っていたら4曲目の「サマータイムルール」から最後の「LIFE」まで怒涛のパンチの応酬です。特に「ホログラフィック・デート」「真っ白片思い」の2曲が続いた時はM-12019のかまいたち和牛の並びを思い出して熱くなりました。〆の「LIFE」もまた良いんですわ。
21.ZORN『新小岩』
客演の豪華さを見ても分かるように完全に成り上がったZORNの新作タイトルが新小岩なの、『生活日和』から続くZORNの信念が感じられて良い。全曲完成度が高く、随所にパンチラインもあり、そら売れるわという感想です。ここまでやられたらお手上げだよ。
20.Terry&Francisco『Galaxy』
実質ベスト盤なんですが、あまりに知名度が低い現状を憂いて入れました。圧倒的なポップセンス、コーラスワーク、歌詞の美しさ。現在一線で戦っているポップスバンドを片手で薙ぎ倒せるほどの実力を有していながら、それが世に広く知られていない現状はどう考えてもおかしいでしょ。
19.透色ドロップ『透色計画』『透色学概論』
ここにどうしても入れたかった。どちらも収録されているのは数曲ながら全曲ホームラン級の威力。たぶん坂道系アイドルを意識していると思う楽曲群なんだけど、その意識を全然隠そうとせずオープンにしているあたりがリスペクトを感じられて良い。今最もフルアルバムを聴きたいアーティストです。バンドサウンド主体なのでミドルテンポのバラードとかシティポップとかチルウェイヴ的な電子音楽も収録した全10〜12曲トータル45分程度のフルアルバムを作ってくれたらもうベスト入り確定です。
18.サンダルテレフォン『Step by Step』
今まで名前も知らなかったアイドルが傑作を出していた時の驚きと知れて良かったという喜び、未だに言語化できないでいる。つりビット、りんご娘、そしてサンダルテレフォン。みんな違ってみんな良い。今年は特にアイドルという存在に救われた年でした。
17.MAGIC OF LiFE『MAGIC』
やっと『bud』『DOORS』に並ぶ傑作を生み出してくれた。ここ数年は毎年アルバム出すというハイペースぶりで、もっと期間空けて楽曲練ってもいいのでは…と思っており、そんな気持ちで今作を聴くとやっぱ制作期間って大事なんだなと改めて感じた。本来ライブやその他諸々に割かれていた時間が制作に充てられた結果、本来のポテンシャルがしっかり引き出されており、全8曲30分というあっさり目の曲数ながら食い足りなさはまるで無い。
16.WANDS『BURN THE SECRET』
ここはもう上原大史という稀代のボーカルを発掘できた段階で勝利でしょう。癖の強いビジュアル系バンドの癖の強いボーカルをやっていた彼をこんなメジャーど真ん中の歴史あるバンドに迎え入れるあたりの柔軟さ、過去の曲をなぞるのではなくアップデートするボーカリゼーション、時代の流れを読みつつバンドとしての矜持を保つ新曲の数々を聴くと、こりゃもう2020年を代表する傑作だと言わざるを得ない。
15.DIALOGUE+『DREAMY-LOGUE』
声優アイドル、卒業期限もないし恋愛自由だし強過ぎるなと思ったけどメディア露出的な意味だと普通のアイドルよりしんどそうな気もする。それはともかく、声優アイドルという肩書の人達が出す曲は本当に様々なアーティストから提供してもらっている分振り幅が大きくて面白い。ここは全曲ユニゾン田淵提供というアクの強さをクセのないボーカリゼーションで中和しており、その塩梅が良かった。
14.Plastic Tree『十色定理』
「メデューサ」を聴いた時点でこりゃ今年トップクラスだと誰もが思ったんじゃないですか(おれだけか???)とにかく1曲1曲のパンチが強い。これはもうアルバムの統一感よりも個々のプレイヤーの個性を活かそうとした結果だと思うし、全員が作曲できるプラにおいてはこの路線が最適解だと思う。
13.Four o'clocks『菫は咲く』
今年1番リピート再生したのはこのアルバムかもしれない。全8曲29分という圧倒的な敷居の低さ。それでいて音楽的には非常に凝ったことをやっているのだけど、リスナーにそれを感じさせない手腕の凄さも随所で発揮されている。コーラスワークの美しさとか、そもそものメロディラインの耳馴染みの良さとか、あらゆる面において隙がなく、こりゃ6年待たされても何も言えんわという感じである。
12.私立恵比寿中学『Playlist』
そりゃこれだけ強い曲揃えたら強くなるやろという感じの横綱相撲でした。しかしこのグループは常にフレッシュさを持ち合わせているのが凄い。もう中堅のポジションで、音楽的にめちゃくちゃ冒険している曲があるわけでもないのに全部新鮮に聴こえるのはメンバーの表現力に拠るところか。一番好みなのは「シングルTONEでお願い」なんだけど、過去を知っていればいるほど「HISTORY」が超名曲として立ち上がってきます。
11.日向坂46『ひなたざか』
『ひなあい』を観ていると今一番アイドルらしくないアイドル番組やっているのに、リリースされる楽曲は1番アイドルらしいという捻れっぷり。欅坂は崩壊して一から出直し、乃木坂は最新アルバムで音楽的な挑戦を果たしている現状、日向坂46がメインストリームど真ん中に勝負を仕掛けてくるのはまあ当然と言えば当然か。しかしどの楽器も強度が高い。何よりこのグループは泥臭さと品の良さが共存しているのが凄い。宝塚と少年ジャンプの魂が融合したような。そりゃハマらないわけがないわという感じです。おれの負け。
10.超ときめき♡宣伝部『ときめきがすべて』
12月末ギリギリに滑り込んできた傑作。大まくりです。去年のM-1でぺこぱがラスト出番で和牛を倒して決勝に行った時の興奮を味わいました。まさか年末ギリで出たアルバムが今までにリリースされた2020年アイドルのアルバムのほぼ全てを薙ぎ倒していくとはさすがのおれも予想できなかった。いやー強い。王道のJPOP、ライブ映え(コール)を意識したアイドルソング、BPM早めのロック…スローテンポのバラードが無かったのが残念だったものの、一曲一曲のパンチ力がめちゃくちゃ強いので果てしない幸福感を得られます。そして何より小泉遥香さんが容姿歌声共に最高に美しいので皆さん是非一度確認してください。それでは。
9.Ms.OOJA『流しのOOJA』
カバーアルバムをこの位置にすることには少し抵抗があったけど、まあでも今年の5本の指にはどう考えても入ってくるでしょう。圧倒的歌唱力と表現力。それらを活かす選曲の良さ。何より溢れんばかりに伝わる原曲へのリスペクト。原曲を崩さずにアーティストの歌を際立たせるアレンジも素晴らしい。
「フライディ・チャイナタウン」「さよならの向う側」「シルエット・ロマンス」みたいな他のアーティストもカバーしているような有名どころから、「真夜中のドア」「Woman」「駅」みたいな隠れた名曲まで余さずカバーしている懐の広さ。いやしかし「Woman」を初めて聴いた時の衝撃は凄かった。薬師丸ひろ子しか歌えないと思っていたこの歌を、初めて薬師丸ひろ子と肩を並べるレベルで歌っているアーティストに出会えた。なんで今まで聴いてこなかったんだという後悔。オリジナル曲も掘っていかないといけない。
8.POLLYANNA『pantomime』
とにかく多彩。様々な曲を様々なアプローチからアレンジし、それをアルバムというパッケージに纏める手腕は新人バンドのそれとは思えない。1発でインパクトを与える曲もあれば、聴けば聴くほど良さが分かってくる曲もある。それでいて伸び代も感じさせる仕上がり。新人アーティストのファーストアルバムはかくあるべき、という理想の作品。
7.川上きらら『16歳のアリス』
2020年最もスルーされた傑作。全曲シングル表題曲クラス、アルバムの尺や構成も完璧、鬼のような表現力。いちいちツボをついてくる各曲に言葉を失い、アルバム終了即もう一回再生という個人的偉業を成し遂げたのは今年このアルバムだけだった。何が良いって1度目に聴いた時と2度目に聴いた時で1番良いと思える曲が変わってくるところで、毎回新鮮に聴くことができる。今のところ12周したんだけど未だに飽きる気配がない。
6.RYKEY『DEMO TAPE』
ミュージシャンの人格とか一切気にしないので勿論SNSなど言わずもがな。良い曲を作るミュージシャンはそれだけで最高なのである。全曲主力級の完成度、加えて客演の豪華さーーとりわけバダサイが客演にいる時点でもう優勝と言ってもいいくらいなんだけどーーしかしそれだけじゃないんだよな。まじで全曲パンチラインがあって1曲聴き終わるたびにめっちゃ喰らってしまう。今年のリリックベストを作るとしたら断トツ1位です。
5.アーバンギャルド『アバンデミック』
今年はなんかこう、例年に比べて決定打に欠けるというか、衝撃でぶちのめされるようなアルバムが無かったな…と思っていたところにこれですよ。もうジャケ写見た瞬間に「これは!!!」と思ったし先行PV観た時点で相当凄いとは思っていたけど、実際に聴いてみるとこりゃもう今年のトップクラスだと納得してしまった。時流を取り入れ、世相を斬りまくりながら問題提起をするミュージシャンらしいアティテュードも素晴らしく、そういう意味で松永天馬の歌詞は過去最大級の切れ味である(随所にリスペクトしているアーティストのリリックを引用しているのも最高ですよね)。おおくぼけいを中心として行われたであろう作曲面でも隙が無い。「映えるな」みたいなボカロ的楽曲をアーバンギャルドが演るとこうなるのかという感動もあり(MV、別にアニメーションじゃなくてもよかったのでは、という気持ちもありつつ)。
おれが高校生の時に聴いて衝撃を受けて速攻買いに走った『少女は二度死ぬ』の頃に比べてメロディは洗練され大衆に受け入れられるようなポップさを手にしたが、それは別にセルアウトしたわけでもなく、時間の流れの中でメンバーの脱退もあり、各々の個人活動もあり、様々な要素を取り入れていった結果の到達点なのだと、全曲聴き終わって納得してしまった。こういう時代になってしまったからこそ、アーバンギャルドが天下を獲りにくるのは必然だったのかもしれない。
4. ストレイテナー『Applause』
ついに『NEXUS』を超える最高傑作が10年以上の時を経て生み出されたことに感動を禁じ得ない。NEXUS以降コンスタントにアルバムをリリースしていたものの、何かこう毎回同じような感じがしてイマイチ突き抜けるものがないなと思っていたところで、コロナ禍によるライブ中止と長い制作期間。結果的にそれがアルバムの一曲一曲のクオリティを上げる最大の要因となった。全曲シングル表題でいけるという過去最高のラインナップ、11曲40分弱という丁度良い尺。「さよならだけがおしえてくれた」の完全無欠の名曲オーラ。これを推さなくて何を推すんだという感じです。他にも「Graffiti」「叫ぶ星」「Death Game」「ガラクタの楽団」「Dry Flower」「Maestro」「No Cut」と最初から最後まで全く隙がない。凄い凄い言ってたらあっという間にアルバムが終わってしまったよ。
3.Moment Joon『Passport & Garcon』
国内と海外でアルバム分けしてるけど本来音楽は国境とか関係なく存在するものなので便宜上、仕方なくというところがある。これを国内のアルバムに入れているのは日本のレーベルからリリースされた日本語メインのヒップホップだからなんだけど、これが海外のレーベルからリリースされた日本人の日本語の曲だったらどうすればよいのだろう。そんな悩みを抱えるくらいなら、もう邦楽洋楽国内海外という分け方自体を無くせばいいのかもしれない。
めちゃくちゃ聴きやすいのにめちゃくちゃ聴き応えがあり、1曲目を気軽に再生するとそのままあっという間にラストの「TENO HIRA」まで連れて行かれる。今年は去年に続き国内の音楽が不作だったという印象なのだけど(おれの耳が衰えているのかもしれない)、このアルバムがリリースされたおかげで日本の音楽シーンは持ち堪えたように思う。このアルバムを聴かずに2020年を語ること勿れ。
2.イヤホンズ『Theory of evolution』
今年1番実験的なことをしているのが声優アーティストなの、インディ界隈で互いの傷を舐め合っているアーティストたちはもっと真剣に受け止めないといけないぞ。1番実験的で1番刺激的、それでありながらどこまでもポップなの、本当に理想的。全8曲35分、食い足りないと思いきや密度があまりにも濃いので体感は1時間程度だったりする。加えて初回限定盤のDISC2を聴くことで、1枚目(ストリーミングでも配信されている方)の楽曲の構造の謎が解けるまさかの仕様。ストリーミング全盛期におけるCDの売り方として1番ワクワクしたかもしれない。いやしかしイヤホンズがこれだけ化けるとは思わなかった。登別に泊まりに行った帰りの車でひたすら流していて、中毒になるくらい聴いた記憶が今でも蘇ってくる。再生すると思い出が蘇ってくるアルバムは名盤だと昔から決まっているのだ。
1.ばってん少女隊『ふぁん』
今年は3月4月6月7月9月10月11月12月が特に死にたかったのだけど、特に9月以降が本当にしんどくて、車で退勤している途中で(このカーブ曲がらなかったら死ねるかな〜)とボーッとした頭で思いながらハンドルを握っていた。今日も明日も明後日も最悪な日々が続くと分かっていながら生き続けることに何の意味があるんだ、こんなのは拷問と同じだと思っていたところで出会ったのが、ばってん少女隊3枚目のアルバム『ふぁん』だった。
メジャーからインディーズへ、メンバーの脱退、コロナ禍による活動の制限など、本人たちの境遇はとにかくつらいものだったはずで、アルバムタイトルにもそれが現れているのに、実際のアルバムの中身はそんな負のイメージを一切感じさせないほど明るい。空元気でも演技でもなく、現状を受け入れて進んでいく芯の強さ。その強さが自分たちだけのものでなく、アルバムタイトル通りファンによって得られ共有されているものだと気付いた瞬間、信じられないくらい救われてしまったのだった。これまで色んなジャンルの楽曲やアルバムを数多く聴いてきたが、これほどまでに押し付けがましくなく人を救ってくれる作品に初めて出会った。癒しでも導きでも共感でも寄り添うでもなく、完全なる共有。景色や感情や進む道の共有。生きているうちにこんな素晴らしい作品やアイドルに出会えるとは思わなかった。
楽曲単体で取り出しても、「OiSa」の異常なまでに楽曲の世界観を突き詰めた映像の中毒性は凄まじく、楽曲単体でなく映像込みで表現を突き詰めるあたりはアイドルの利点を最大限に活かしている。「スウィンギタイ」「でぃすたんす」「Dancer in the night」「ジャン!ジャン!ジャン!」「ありがとーと」「Dear My Blues」とひたすらに良曲の乱れ打ち。締め括りの「Over」は音源はもちろんYouTubeに上がっているライブ映像が死ぬほど良かった(限定盤の最後に収録されている「Happy」がめちゃくちゃ良いので何でこれを通常盤にも入れなかったんだ…という気持ちはあるが)。
この世の中には名盤と謳われる類の作品が数多く溢れているが、実際のところ「こんなもんは名盤じゃない」と感じる頻度の方が高いんじゃないだろうか。名盤と言われる基準は正直よく分からないが、聴いた人間の心を最終的に救ってくれる存在であるとするならば、これ以上の名盤があるだろうか。間違いなく2020年最高傑作であり、長く語り継がれていくべき名盤です。
さて、生まれてから今までの中で最も酷い年だった2020年。芸能人やミュージシャンが次々と命を絶ち、やはりこの世界で生きている意味などないのだと再認識させてくれた2020年。人間の醜さを改めて教えてくれ、山奥の小さな喫茶店に足繁く通っていた2020年。現職を辞めるために仕方なく新たな労働に向けて動いていた2020年。他の人達はどのように過ごしていたのだろうか。どう考えてもこの年のことを「素晴らしかった」という人間はいないだろうし、日本政府や各国首脳の酷さを見て政治というものに何も期待できなくなった人間は多いのではないか。おれは毎月10万給付する国だったら良かったなと思いました。
つらすぎて今年の記憶が全然無いんだけど、強いていうなら今の労働を今年度中に辞めると固く誓ったのは6月くらいだった気がする。今の職場での労働1年目はとにかく周りの人が良かったのでまだ何とかやっていけたのだけど、転勤の多い職場なので良い人からいなくなるんだよな。そしてそもそもおれは団体行動が苦手なのでやっぱ職場でも連携とかすげえ求められるのが全然駄目だった。おれのやっていることはおれ自身が責任をもつし、人がやっていることは人が責任をもってくれという感じなので、組織に属せる人間じゃないし上の肩書きを与えられるような人間でもなかった。あと6歳下の後輩に「人に興味もってくださいよ〜」と冗談っぽく言われたの、今でも刺さっている。
おれは「寝る前に小汚いハードコアを聴いている」とか「特定の食べ物だけを毎日ひたすら食べている」とか「旅行先で地元民も寄り付かないB級スポットを巡っている」とか、良い意味で狂っていたり、訳の分からないことを好んでやっている人に惹かれるので(自分が至って普通の人間なので)普通にテレビやネットでヒットしてる音楽を聴いて普通に食事や旅行して人生を普通に充実させている人と何を話して良いか分からないんだよな。地下芸人とかになってたら楽しい人生だったのかもしれないと、この前のネタパレに出ていたランジャタイを見ていて思いました。ランジャタイめっちゃ面白いのだけど、M-1決勝とかで見ることはないんだろうな…でもそこが良い…
お笑い賞レースよりもおれがブチ上がったのはラップスタア誕生でした。実は今まで観ていなかったのだけど、なんでこれを今まで見逃していたのだと激しく後悔している。Abemaで過去のシーズンも公開してほしい。プレミアム会員になるから。シーズン4がすげえ面白かったのはもちろん(ralphはもちろん2ndを勝ち上がった10人はみんな良かった)、突如公開されたシーズン3のファイナルステージのJosephBlackwellのライブを観て一瞬でハマってしまった。今配信されているのはライブで披露した2曲だけなんだがこれがめちゃくちゃ良いです。通勤時に「Mode in Psycho」を聴いて高まり、退勤時に「Livin' Life」を聴いてこの世に留まるエネルギーを得ている。この最高のラッパーが売れない日本の音楽シーンはやはりどうしようもないので、一回ぶっ壊すしかない。
お笑い賞レースといえば今年のThe Wはダントツに良かった。まさかのキングオブコントR-1M-1合わせた4大お笑い賞レースの中で飛び抜けて一番面白かったという。吉住優勝はまあ予想できなかった。技巧派の人たちがしっかりと評価される土壌がまさかThe Wで整えられるとは…
M-1はリアルタイムで観れなかったのがまじで悔しくて(The Wもリアルタイムで観れなかったんだけど)、絶対にこの仕事辞めてリアルタイムで観れる仕事に就くぞと決意しました。個人的にはおいでやすこがの圧勝たったんだけど、今年のM-1は見る人によって個人的優勝者が全然違うので面白いよな。10位だったけど東京ホテイソンはめっちゃ面白かったと思うんだ…
あとは今年コロナに抗うかのように喫茶店巡りをしていたのだけど、コーヒーってめちゃくちゃ高いのな。安い缶ビール3〜4本くらい買えちゃうぞ。それと煙草を吸い始めたのだけど、煙草吸って酒飲むと悶々とせず早々に眠くなるので不眠防止に役立っています。2021年も特に何の希望もないのだけど、正しく死ぬために頑張りません。さいなら。
The Best Albums of 2020(海外)
50. Majestica『A Christmas Carol』
メリークリスマス!!!!!
49.Moses Sumney『grae』
毎年1枚は「全く分からんけど凄い」というアルバムが出るんですが今年はこれがそうです。全く分からんけど凄い。でもそれって物凄く実現が難しいことなのではないでしょうか。
48.Walter Martin『Common Prayers』
こういう気を衒うことのない全くもってシンプルでほとんど装飾のない素うどんみたいなアルバムを聴きたくなる時、絶対に年に数回はあると思うんだけどどうですか。おれはもうどうしようもなく死にたくなってこのアルバムを聴く時がありました。
47.Ka『Descendants of Cain』
海外のヒップホップは何言ってるか分からんので(歌詞見たら何となくわかるけどおれは歌詞を見ながら曲を聴かない)、ビートが良いか・フロウが良いかの2点のみで判断している。その点でいえばこのアルバムは素晴らしい。ただひとつ、アーティスト名の圧倒的検索のしづらさを除いて。
46.Adrianne Lenker『songs』
10月の終わりの晴れた日の朝に聴いたことでばっちりハマりました。やっぱ聴くタイミングというのは重要なんだな。HUNGERもラップスタアの第一審査で「フラットな状態で聴かないとその時の気分で審査が変わってしまう」と言っていたし、そういう意味でも音楽を聴いてハマるというのは運だよな。
45.Disclosure『Energy』
ファーストアルバムにもセカンドアルバムにもそんなハマれなかった人間が何故だかこのサードアルバムでハマった。今までの無機質な感じから、少し人間味を感じられるような曲が増えたからかもしれない。人間や動物といった生き物を無機物に見せるような今までのジャケットから、今作では風景を生きている人間のように見せるジャケットに変わったこともその象徴でしょう。
44.Thundercat『It Is What It Is』
テクニックを極め過ぎると阿呆になるのは周知の事実だけど、阿呆になってから今度はメロディを極め過ぎるとこうなる。作曲センスのあるテクニカルなミュージシャン、最高では?????
43.Parsonsfield『Happy Hour on the Floor』
アーティスト写真もアルバムタイトルも1曲1曲の仕上がりも全部良いです。海外のアーティストの、知性を感じさせる底抜けの明るさみたいなの(伝われ)が好きで、中途半端にしんどい時とかに聴くととても染みる。
42.Ramirez『THA PLAYA$ MANUAL』
Ramirez - "Brown Eyes" Ft. Rocci (THA PLAYA$ MANUAL)
ヒップホップというよりR&Bに近い感触がある。ガチガチのヒップホップも聴けるようになったんだけど、折に触れて聴きたくなるのは、おれの琴線に触れてくるのは、こういうメロウでシルキーな作品なのである。
41.beabadoobee『Fake It Flowers』
1曲目でちゃんと勝負かけてくるアルバムは好きです。欲を言えば勝負曲が3つ以上あって、最初と真ん中と最後にそれらが配置されているアルバムは神です。まあLampの『ゆめ』なんですけど。baebadoobeeのこのアルバムは新しさは無いんだけど、メロディとボーカルの良さで頭ひとつ抜けている感じ。
40.Metz『Atlas Vending』
ごめんな…おれはMetzのことを嫌いになれないんだわ…
というわけでデビューアルバム以降すっかり評論家のベストアルバム論争の俎上からは退き、マイペースに自分たちの好きな音を好きなように鳴らしている中年のおっさんたちのバンドだが、おれもこうありたいんだよな。増税前に買ったおれの15万円のギターが火を噴くぜ。
39.The Flaming Lips『American Head』
チャンスの時間の「吸いまくり先生」を観て、兼ねてから興味があった煙草を初めて吸うことに決め、吸った後に初めて聴いたのがこれ。吸っていようがいまいがこの美しさに変わりはなく、ベテラン勢がここに来て傑作を出してくるというのは去年のLowみたいでテンションが上がる。ちなみに初めて吸った煙草はアメスピライトでした。
38.Preservation『Eastern Medicine, Western Illness』
Ka繋がりで聴いてみたら凄くハマって、ああ昔はおれもこうやってロックバンドを数珠繋ぎで掘っていったな、と懐かしむのである。海外のヒップホップはまだまだ掘る余地があるので楽しい。こういう煙たさと華やかさを併せ持ったビートを作れる最高のアーティストをおれに教えてくれ。「I-78 Capilla ries」みたいなやつで。
37.HAIM『Women In Music Pt. III』
ついにHAIMの良さがわかっちまった。というより自分の好みにHAIMがついにフィットしたのかもしれない。
36.The Used『Heartwork』
もっと日本で認知されている気がしたんだけどそんなことはなかったらしい。この手のバンドの中でも頭一つ抜けてるし、大手レコード販売店でも新譜出すたびに前面的に売り出されている印象だったんだけど。中身は相変わらず最高です。
35.Stuck『Change Is Bad』
Stuck - Change Is Bad (2020)
おれは生活には変化ではなく安定を求めているので、アルバムタイトルが深く刺さる。変化があってスリルがあるのは音楽だけで充分だ。労働にやりがいなど求めていないので毎日決まった時間に始まって決まった時間に終わり、決まったことだけやってそれなりに生活できる金さえくれればそれでいい。おれの生きがいは労働以外の場所にしか見出せないので…
34.YG『My Life 4Hunnid』
ついにこのアーティストの良さが分かったのでテンション爆上がりです。様々なメディアやTwitter上の知り合いが毎回新作がリリースされるたびに最高だと言っていたので、いつかこいつを聴いて最高と言えるようになりたいと思ってヒップホップ界隈を掘りに掘っていて、今年ついに最高と言えるようになりました。もう思い残すことはありません。
33.Ian Isiah『AUNTIE』
いやーもうめちゃくちゃ良いとしか言いようがないのが悔しいくらいの作品です。こんだけ凄いのにミニアルバムっぽいためか、あんまり年間ベストとかに食い込んでいなくて、クルアンビンとか聴いてるやつらこっちこいよ!と思ってしまいました。
32.Thy Catafalque『Naiv』
小樽の海辺の喫茶店に行った時にエンヤが爆音で流れていて、その発想はなかった!!!といたく衝撃を受けたものである。エンヤ、小さい音で流してこそエンヤみたいな固定観念があったので、Bossの低音倍増しのスピーカーから爆音で流れるエンヤは、おれが今まで聴いてきたエンヤとは明らかに違うエンヤだった。ただその後に戦場のメリークリスマスが爆音で流れた時は笑ってしまったが…
何が言いたいかというと、どんな作品も小音と爆音で聴いてみると最初はそんなでも意外とハマることがあるかもしれない、ということです。
31.Protomartyr『Ultimate Success Today』
アルバムタイトルでも伝わると思うんだけど、今までのどのアルバムよりも音が整理され決め所もハッキリしていて、いよいよ本気で天下を獲りにきたんだなという感じ。インターポールはこういう方向でコンスタントにアルバム出してほしかった。
30.Three Days Grace『Somebody That I Used to Know』
Three Days Grace - Somebody That I Used to Know (Official Video)
EPで僅か4曲だけどめちゃくちゃ良くないか?みんながスルーしてるのかおれの感性がズレてきたのか分からないが、それにしても話題になっていなさ過ぎないか???もはやTDGは過去のアーティストになっちまったのか???そんな訳ねえだろ、とか思う今日この頃であります。
29.Dua Lipa『Future Nostalgia』
このアーティストがもっと日本でも有名になってくれと思っていたところで星野源リミックスの報せ。天はまだおれを見放してはいなかった。この類の音楽が海外でも日本でも受け入れられるあたりに、日本の文化的鎖国を防ぐ鍵があるのかもしれない。
28.The Word Alive『MONOMANIA』
モノマニアといえばディアハンターなんだけど、ディアハンターは最近ちょっと綺麗になり過ぎてるんだよな。もっと意識を天に飛ばせるアルバムを作ってほしい。このアルバムには関係ないけど。
27.Lafawndah『The Fifth Season』
前作、結構色んなメディアのランキングにノミネートされていたのに今作はあまり取り上げられていないのは何でなんだ。全6曲32分という歪なサイズ感も、1曲1曲のスロウで落ち着いているのに確実に急所を狙ってくる鋭さも、年間ベストを席巻するポテンシャルなのに何故話題にならないんだ。時流、ムズ過ぎる。
26.Jockstrap『Wicked City』
ジャケもイカれていれば中身もイカれているイカれたやつのための音楽。コロナでイカれてしまった精神にスーッと染みる…薬で逝かれた俺はHashish Rosin Shatter…
25.Sofie『Cult Survivor』
アートワークの時点で最高だと分かるアルバムは最高なんだけど、2010年代はアートワーク良くても中身あんまりなアルバムが多くて泣いた。2020年代はアートワークが良ければ中身も良いという法則を復活させてくれ。
24.Fleet Foxes『Shore』
さすがにセルフタイトルのアルバムにはまだ及ばないけど、それでも他のアーティストよりは明らかに群を抜いていて、まだまだ現役で強いなーと感心した次第である。「For A Week Or Two」とか超好きです。
23.Aldous RH『Respect 4 Devotion』
もう誰もエジプシャン・ヒップホップの話をしてねえ。EPが出たとき、あれだけ皆盛り上がっていたじゃないですか。それがデビューアルバムがちょっと肩透かしの内容だったからって一気に冷めて、まじで何なんだという感じです。それでもこうしてエジプシャン・ヒップホップのメンバーが音楽活動を続けていることが、数少ない希望です。
22.Myrkur『Folkesange』
メタルやってた人がメタルやらなくなるとこうなるのか、という正当進化をようやく見れた感じ。Alcestとか変わり方に違和感ありすぎてあれを進化とは思えなかったんだよな。
21.Pink Siifu『Negro』
もっと各メディアの年間ベストを席巻する存在になると思っていたんだけど意外にも出てこなくて???となっていたらサインマグで出てきて(お前が出すんかい!)という気持ちになった。ずっとF○ckと叫んでいる「FK」という曲があるんですけどあまりにも最高なので聴いてください。
20.Small Forward『Small Forward』
マイナーもいいところだと思うんだけど、このバンドが海外でどう評価されているのかが気になる。海外でもスルーされているのか、評論筋にはしっかり評価されているのか。いずれにせよ時代に埋もれさせるには惜しい傑作です。
19.galen tipton『ungoliant』
Moses Sumneyの新作でもう「全く分からんけど凄い」枠は終わりかと思ったらこれですよ。まじで全然分からないんだけど、とにかくずっと聴いてしまう。ファンタジーの世界とSFの世界が融合したような、ここでしか味わえない世界観に一度ハマるともう終わりです。
18.Aleph『Private World』
なんとなく日本国内で評価されそうな音楽という気がするんだけど、やっぱりというか何というか、悲しいくらい話題になっていない。音楽が鑑賞するものからコミュニケーションのツールとなって久しい日本で、素晴らしい音楽を作っているアーティストが正当に評価されるのはもう無理なのかもしれない。
17.Jessie Ware『What's Your Pleasure?』
今までちゃんと聴いてこなくて申し訳ない。完璧に好みど真ん中のアルバムでした。ちょっと日本の歌謡曲っぽい歌メロだったり、アルバムの流れであったり、ボーカルの表現力であったり、そういった要素が好きな人にとっては大当たりの作品。
16.The Fall of Troy『Mukiltearth』
ここは毎回毎回85点以上のアルバム出してくるから強い。今回は90点以上ですね。こういう音楽性なのに聴けば聴くほどハマる中毒性もあるし、まじで無敵なのでは???と毎回聴くたびに考えてしまう。
15.Real Estate『The Main Thing』
金太郎飴とか毎回似てると言う奴はちゃんと聴いているのか???前面に出ている歌メロ自体に大きな変革はないが、細かなアレンジや音作りにおいて、彼らのディスコグラフィの中で似ているものは存在しないのである。しかしよくもまあ毎回毎回ピンポイントでツボを突いてくるメロディを生み出せるなと感心してしまう。
14.Whitney『Candid』
個人的にはカバーを出すアーティストは最低限ボーカルに個性がないと駄目だと思うんだけど、これはボーカルの普遍的な美しさがカバー元を圧倒していてすげえすげえと言うしかない、極めて繊細な力業という感じで、あまり経験したことのない感覚に浸ることができます。
13.JARV IS...『Beyond the Pale』
なんか洞窟みたいなところでやったアルバム完全再現ライブの映像を観て1発でハマってしまったマンです。1曲ごとの尺がやや長めということを除けば目立った欠点は無いように思う。「Must I Evolve?」とか酒飲みながら聴くと最高ですよね。
12.The Strokes『The New Abnormal』
このバンドに昔の幻影を見て追い続ける人の多いことよ。ストロークスは今もずっと進化し続けているというのに。圧倒的なアレンジ力とそもそもの歌メロの良さが混ざり合う大傑作。「Ode To The Mets」を聴いて揺さぶられないやつがいるのか???
11.Protest The Hero『Palimpsest』
なんかすげえ久々に聴くなーと思ったら前作が出たの7年前だった。おいおい7年前て。おれが卒論と就職活動で死んでいた頃じゃねーか!いい加減にしろ!!最高のアルバム!!!
10.Dogleg『Melee』
こういう荒削りだけど光るものを感じさせる新人バンドが好きなんですよ。でも最近はそういうバンドが中々出てこなくて寂しい思いをしていたところにこのバンドが現れたわけです。「Fox」を聴いて皆でブチ上がりましょう。
9.Nothing But Thieves『Moral Panic』
実はコンスタントに良作を出しているんだけど何故かあまり話題にならないのがおれは悔しいよ。本当は日本で武道館を満員にできるような数少ない海外アーティストなのに、そもそも認知があまりされていないという切なさ。まじでどうしたらいいんだ。もうTikTokでバズらせるしかねえ。ほら、フリートウッド・マックもTikTokでバズってたから…
8.Juliana Barwick『Healing Is A Miracle』
相変わらずの良き睡眠導入音楽である。最近はロゼレムも全然効かなくなってきて、もうちょい強めの導入剤を処方してもらおうかと思うのだけど、あんま強すぎると当直時の労働に支障をきたすので難しい。アッ、労働しなければ解決するのか!!!辞めるぞ!!!!!
7.Mo Troper『Natural Beauty』
泣きそうなくらい綺麗なメロディ。それを包容力のあるボーカルが歌い上げるものだから、もう身を任せるしかないわけです。春の晴れた日に散歩しながら聴くのが本当に最高でした。願わくばマスクを外して散歩をしたいものです。
6.Loathe『I Let It in and It Took Everything』
こんな革新的なバンドが出てくるんだから世界は広い。デフトーンズあたりがベースにあるんだろうけど、とにかく振り幅が広い。めちゃくちゃ激しい曲もめちゃくちゃ美しい曲もこなしてしまう技術力の高さ。バンドメンバー1人1人のキャラ立ちも良い。ライブとか観たら楽しいんだろうな。
5.YUKIKA『Soul Lady』
日本人が韓国のレーベルから韓国語で曲を出し、それが日本でやってる凡百のシティポップよりシティポップらしいの、色々身に積まされる思いがある。こうなるともう国内とか海外の分け方はもう意味がないのだな、と思うのだけど、おれは国内は歌詞混み、海外は歌詞抜きで評価しているから(リスニングの力が無いだけ)…
4.The Lemon Twigs『Songs for the General Public』
本当は1位くらいの傑作なんだけど、去年1位を決めきれずに3作品同率1位にしてしまったという苦い思い出があるので、今年は頑張って絞りたいんだよな。でも2015年から緩やかに傑作が減っていった日本の音楽に対して、海外の音楽は(あんま表に出てないだけで)掘れば掘るほど傑作が出てくるので、これだから音楽を聴くという行為はやめられないし、掘れば掘るほどうわーこれ1位やんけーという音楽がわんさか出てくる。Lemon Twigsといえばデビュー当初から天才天才と言われ持て囃されてきたバンドだけど、彼らの才能に表現が追いついた感じ。
3.Bring Me The Horizon『POST HUMAN SURVIVAL HORROR』
BMTH is COMEBACK!!!!!!という感じです。全曲捨て曲無し、過去の自分たちのスタイル全てを集約して最高クラスまで昇華した文句なしの名盤です。メタルコアの旗手として期待されていた初期も、売れ線と批判されながらマスに届く音楽を突き詰めていた最近の音楽性も、一切捨てることなく総動員しているのが素晴らしい。BABYMETALとの共作もポップ過ぎずコア過ぎず絶妙な塩梅。まじで全曲今年の年ベストラックNo. 1なのではと思うくらいの完成度。敢えてラストにエイミー・リーを迎えたど真ん中のバラードをもってきたあたりも世間の勝手な期待をぶっ飛ばす反骨精神を感じられて良い。
2. Sean Nicholas Savage『Life Is Crazy』
まずアルバムタイトルで勝利。そして収められた名曲の数々により優勝。おっさんだからこういう剥き出しのエモーショナルな音楽を聴くと泣いちゃうんだよな。「I Believe In Everything」で感動してからの「A Moment」「Life Is Crazy」の流れで鳥肌。このアーティストが日本はおろか海外でもめちゃくちゃ爆発的に売れてるわけではないの、とにかく悔しすぎる。今年のリリースでなければ余裕で年間1位を獲れたであろう化け物級の名盤です。
1.Tame Impala『The Slow Rush』
テーム・インパラはいつだって最高。テーム・インパラ、リアル・エステイト、セイント・ヴィンセントはいつだって裏切らない。路線を大きく変えることはないのに全ての作品が違った色をもっているという凄み。
「Borderline」を聴いて、ああまだこのアーティストはおれに新鮮な驚きを与えてくれるのだという喜びを感じられた。2020年代の幕開けに相応しい大傑作。
去年に引き続き海外の音楽は豊作で、ベテランも若手もコロナ禍をぶっ飛ばす勢いの作品をリリースしてきた。世の中何の希望も救いもないけど、おれは音楽でギリギリ生き延びている感じがする。あとはもうそろそろ旅行を解禁するだけだ。今まで自主的に止めてたけど、もう限界なので旅に出ます。おれの生きがいはやはり貯めた金で旅することなので。2月くらいに行ければよい。
旅といえば海外のレコードショップとか行きたいなーと思うんだけど、とにかくリスニングの能力がカス(日本語すら聞き取れないのに…)なので未だに行けないでいる。昔中国に行った時にパスポート作ったのだけど、もう10年以上前だからパスポートも期限切れちまったしな…
今年の海外の音楽関係の話題だとローリングストーン紙がオールタイムベスト500を更新して、イエローマジックオーケストラの1位陥落辺りがデカかった。あんまり80年代以前の音楽を聴くことがないので偉そうにどうこう言うことはできないんだが、今回90年代以降の作品が結構入ってきたのを見て、今までよりオールタイムベスト感があって良かったと思う。
海外の話題だと最近Amazonプライム限定のドラマ『ザ・ボーイズ』を観ている。めちゃくちゃ好きというわけではないんだけど、気付いたらずっと観ている。事前情報だともっと『スウィンダラーズ』みたいなのを予想して楽しみにしていたんだけどな。まあでも他に観るものもないので観続けている。
しかしいつまで経っても実生活の中でYves TumorやキングクルールやFuture Islandの新作についてあれこれ言ってくれる人がいなくて、あーやっぱ駄目だーと思った2020年でした。さすがにサンダーキャットくらいは知ってる人いると思ったのに誰も聴いたことないどころか知らねえ(NHKの番組にも出てるのに)。もういいよ。おれはWestside Gunnが今年出した2枚の新作(Big Thiefとかそうだけど1年に2枚傑作レベルのアルバム出せるアーティストは基本的に狂っていてよい)を聴きながら車で海沿いの道路をぶっ飛ばして労働に向かうので…
結局今年はテームインパラの一人勝ちだなーと思っていたら10月末にやってきたBMTHの新作にぶっ飛ばされた。テームインパラは海外、BMTHは国内ファンにバカウケしそうな感じなんだけどどうなんですかね。そして同じく10月にやってきたSean Nicholas Savageの歴史的名盤。ギリギリまでこれを同率1位にしようかどうか悩んだんだけど、ほら去年3枚を同率1位にする暴挙に出たから、今年はちゃんと1位を絞らないといけないと思って…
ランキングに載せてないけどOneohtrix Point Neverとか、Phoebe BridgersとかaltopaloとかDeftonesとかも良かった。あんま話題になってないけどエンター・シカリとかはもうちょい日本でウケそうなんだけどな。鎖国日本、早く開国してくれ。いつまでビリーアイリッシュの話をしているんだ。時代はもう、進んでいるんだぞ。
The Best Tracks of 2020 (国内)
50. 藤川千愛「私にもそんな兄貴が」
49.さっきの女の子、「の希望の街」
48.Shohei Takagi Parallela Botanica「モーニング・プレーヤー」
47.立花理香「JUST SIZE LIFE」
46.ハンブレッダーズ「ユースレスマシン」
45.Nao「なんとかなる」
44. MAGIC OF LIFE「Player」
43.UNISON SQUARE GARDEN「夏影テールライト」
42.ACE COLLECTION「ワインレッドのラビリンス」
41.fhana「星をあつめて」
40.Crossfaith「None of Your Business feat. Jin Dogg」
39.フィルフリーク「eisei」
38.カメトレ「イナクナル」
37.超ときめき♡宣伝部「さくら燦々」
36.スターダストレビュー「偶然の再会」
35.河内REDS「ああ御堂筋」
34.YOASOBI「あの夢をなぞって」
33.やなぎなぎ「宝石の生まれるとき」
32. DIALOGUE+「パジャマdeパーティー」
31.WANDS「真っ赤なLip」
30. dodo「era it」
29.ナードマグネット「僕は知らない」
28.Task have Fun「星フルWISH」
27. SUPER GIRLS「忘れ桜」
26.川上きらら「戸惑いのモラトリアム」
25.山出愛子「ピアス」「3月なんて」
24.ポルカドットスティングレイ「JET」
23.the peggies「青すぎる空」
22.Moment Joon「TENO HIRA」
21.坂本真綾「躍動」
20.Koh-Gaku「Midnight Blue」
19.緑黄色社会「Mela!」
18.透色ドロップ「キュンと。」「アンサー」
17.イヤホンズ「渇望のジレンマ」
16.POLLYANNA「運命の人」
15.RYKEY「IF I GO TO JAIL」
14.ukka「恋、いちばんめ」
13.HIGH SPIRITS「Night Walker」
12.a flood of circle「天使の歌が聴こえる」
11.アーバンギャルド「映えるな」
10.ばってん少女隊「Dancer in the night」
9.超ときめき♡宣伝部「SHIBUYA TSUTAYA前で待ち合わせね!」
8.ストレイテナー「さよならだけがおしえてくれた」「Death Game」
7.UVERworld「As One」
6.ANARCHY & BADSAIKUSH「DAYDREAM」
5.私立恵比寿中学「シングルTONEでお願い」
3.ばってん少女隊「でぃすたんす」
2.舐達麻「BUDS MONTAGE」
1. 乃木坂46「I see...」
乃木坂46 『I see...』
振り返ってみると思った以上にアイドルの楽曲を聴いていて、これは2017年に精神が追い詰められていた時に乃木坂に出会って救済された時と同じじゃん、ということに気付いてしまった。これから新社会人になる諸氏にも伝えたいのだが、精神が終わりに近付くと人間はアイドルに救いを求める。そして自分を救済してくれるアイドルはちゃんと存在するので、ギリギリ命を繋ぎ留められるという感じだ。
あとラップスタア誕生もあり、今年はヒップホップの年でもあった。先頭は言うまでもなく舐達麻であり、そのリリックに食らいまくってたら夏が終わっていた。今年の夏の記憶が全然無いんだけど、ただひたすらに舐達麻の曲を聴いていたことだけはめちゃくちゃ覚えている。
第二次世界大戦やオイルショックを経験せず、バブル崩壊した時には物心ついておらず(ただ『バリキン7』が終わった後のニュース番組でひたすらリストラとかの話題が出ていたのは何となく覚えている)、リーマンショックの頃は高校生だったので、自分の生きてきた中で間違いなく最悪の年がこの2020年だったわけだが、問題なのは2021年になったらこれが終わるとか良くなるとか、そういうわけでは無いあたりが(あれもう生きてる意味も必要もないのでは…?)と思う最大の要因なんだよな。おれと同い年の天才ミュージシャンも自死を選んだし、もうすぐそっちへ行けたらよいなという気持ちです。2021年も適当にやっていくぞ。
The Best Tracks of 2020 (海外)
50. Olafur Arnalds「The Bottom Line」
49.redveil「Campbell」
48. NinDjent0「Aquatic Ambiance」
47.Poppy「Concrete」
46.Melkbelly「LCR」
45.YG「Blood Walk」
44.Fleet Foxes「For A Week Or Two」
43.altopalo「honey」
42.BVNDIT「Children」
41.Lady Gaga「Rain On Me feat.Ariana Grande」
40.The Weeknd「Blinding Lights」
39.Aldous RH「Playa 4 Life」
38.Small Forward「Bound」
37.The Districts「Cheap Regrets」
36.Donny Benet「Moving Up」
35.Dua Lipa「Future Nostalgia」
34.FEVER 333「SUPREMACY」
33.Ultraista「Tin King」
32.Dirty Projectors「Bird's Eye」
31.Soccer Mommy「Yellow is the color of her eyes」
30.Within The Ruins「Black Heart」
29.JARV IS...「House Music All Night Long」
28.Lafawndah「Old Prayer」
27.Liturgy「Lonely OIOION」
26.Jockstrap「Acid」
25.Ozzy Ozzbone「Holy For Tonight」
24.Myrkur「Svea」
23.The Fall of Troy「Chain Wallet, Nike Shoes」
22.Ian Isiah「Princess Pouty」
21.Mach-Hommy「Squeaky Hinge」
20.vistas「summer」
19.True Blossom「Serious Boys」
18.Jay Electronica「Memories & Merlot」
Jay Electronica - Memories & Merlot
17.Jerry Paper「Trash Can」
16.Don Blake「The Future Is a Closed Door」
15.Protest The Hero「From the sky」
14.Pink Siifu「SMD」
13.galen tipton「mithril」
12.The Lemon Twigs「The One」
11.CF98「Oh Boy」
10.Eartheater「Faith Consuming Hope」
9.Riches「More Alive Than Ever」
8.BRING ME THE HORIZON「Parasite Eve」
7.Sean Nicholas Savage「Life Is Crazy」
6.Mo Troper「In Love With Everyone」
5.The Strokes「Ode To The Mets」
4.Dogleg「Fox」
3.Annal Nathrakh「Endarkenment」
2.Loathe「Two-Way Mirror」
Loathe - Two-Way Mirror
1.Tame Impala「Borderline」
Tame Impala: Borderline
Tame Impalaはいつ聴いてもTame Impalaで最高。LoatheとかDoglegみたいな新しいバンドがバケモンみたいな作品をいきなり出してくるのも最高。ここ数年は海外のアーティストの方が自分の琴線に触れる曲を出してくるので日本頑張れやという感じです。
ストリーミングがすっかり主流になり、第一線で戦っているアーティストも次々とストリーミング解禁している昨今、Cloud Nothingsの新作がbandcamp限定リリースという珍しい角度で勝負を仕掛けてきて、そういうのに弱いおれは即購入聴き倒していたのだが、年末のベストアルバムに全然リストアップされておらず、改めて「ストリーミング配信されていないものは眼中にない」という姿勢が伝わってきてしまった。でもJay Electronicaの今年2枚目のアルバムはストリーミング配信されていないけど評価めちゃ高いんだよな。難しい。
日本のヒップホップにハマっていくことで海外のヒップホップの聴き方も分かってきたというか、おれは所詮リスニング能力カス野郎なのでリリックにあんま気を配らなくてもよいのだと割り切ってから、楽に聴けるようになった気がする。そうなってくるとトラックが良かったり乗せ方が格好良い曲が自分の好みとして選ばれるわけで、尚更海外メディアで評価されるラッパーと自分の好みがどんどんズレていくことになった。でも前述のJay Electronicaはめちゃくちゃ良かったですね。
もうおれは国内の音楽シーンはアルバムではなく曲単位の世界になっていると思うのだけど、海外はまだアルバムという単位で戦っているアーティストが多くて羨ましい。ロック・パンク畑のアーティストがFucked Upの『David Comes To Life』みたいなアルバム作ってくれたら泣きながら年間ベストに入れるので…