バスには区分を書きトラックは書かない

言われて見ればという話ではあるけど。

「特定」「一般」に「通運」「航空」なんてのもある! トラックで見かける表記はどんな意味? (1/2ページ) (WEB CARTOP)

トラックやバスには制度上の区分を示す記号が書かれていることがある。

現在の制度としてはトラックではこのような表記はほとんど不要になっているが、

バスについては制度面や実態としてほとんどに記載がある。


調べてみると、これは道路運送法の規定によるものである。

第九十五条 自動車(軽自動車たる自家用自動車、乗車定員十人以下の乗用の自家用自動車、特殊自動車たる自家用自動車その他国土交通省令で定めるものを除く。)を使用する者は、その自動車の外側に、使用者の氏名、名称又は記号その他の国土交通省令で定める事項を見やすいように表示しなければならない。

事業用軽自動車、貨物自動車(軽自動車以外)、事業用乗用自動車、11人乗り以上の自家用乗用自動車、事業用特殊自動車 には、

「使用者の氏名、名称又は記号」と省令で定める事項を記載するとなっている。

一般的な家庭で使われる車に使用者の名前を書くことはないはず。

10人乗り以下の乗用車、軽トラックといったところで上記の制度の対象外だから。

しかし、タクシー事業者、バス事業者、運送業者の使う事業用自動車、

それ以外でも軽自動車以外のトラック、バスには使用者の名前を書く必要がある。


で、道路運送法施行規則で 自動車の区分を示す記号 の記載ルールが定められている。

いろいろ複雑なのだが、乗用車についてはこんな感じ。

  • 旅客自動車運送事業 : 限定条件付きの場合は「限定」
    • 一般乗合旅客自動車運送事業
      • 路線定期運行・路線不定期運行 : なし(かつては「乗合」)
      • 区域運行(エリア型のデマンド型交通) : 「区域乗合」
    • 一般貸切旅客自動車運送事業 : 「貸切」
    • 一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー)
      • 下記以外:「タクシー」「TAXI」(指定地域のみ必須)
      • 福祉輸送自動車 : 「福祉輸送車両」(「限定」の場合は併記する)
    • 特定旅客自動車運送事業(特定施設への送迎バスなど) : 「特定」
  • 自家用乗用自動車 : 「自家用」

「乗合」は現在は省略できるのだが、実際には書いているケースが多い。

というのも路線バスを運行するバス会社では、同じ車庫に「貸切」「特定」「自家用」が混在することが多い。

(自家用はスクールバスなどの運行受託や教習車などが該当する)

何も書かなければ乗合の意味にはなるが、書いておいたほうが明確だと。

タクシーについては他の通達で求められている記載事項を書いた。

「タクシー」または「TAXI」の表示が必須な地域は大都市に限られているが、多くは書いているのでは?


一方のトラックはこんな感じである。

  • 貨物自動車運送事業 : 限定条件付きの場合は「限定」
    • 一般貨物自動車運送事業
      • 特別積合せ貨物運送(路線便) : 「運行」
      • その他 : なし(かつては「一般」)
    • 特定貨物自動車運送事業 : 「特定」
    • 貨物軽自動車運送事業 : なし(かつては「軽貨物」)
  • 第二種貨物利用運送事業
    • 鉄道運送事業者の行う運送の集配 : 「通運」
    • 航空運送事業者の行う運送の集配 : 「航空」
    • 船舶運航事業者の行う運送の集配 : 「海上」
  • 自家用貨物自動車 : なし(かつては「自家用」

こちらはほとんどが記載義務のないものに該当する。

「限定」は霊柩車などの特殊な運送に適用されるものである。

一般貨物の路線便だが「運行」と付ける条件を満たさないものが大半らしい。

特定貨物は特定顧客向けの運送を行う場合に適用されるが、

一般貨物で同じことができるので現在は使われることが少ない制度らしい。

第二種貨物利用運送事業は鉄道・飛行機・船とトラックで一貫輸送をする事業だが、

貨物自動車運送事業と兼用の場合はそちらの表記があればよいとか見た。


なのでトラックについては省略されているケースがほとんどである。

「一般」「軽貨物」「自家用」という表記をしているケースもあるが、

書いてあってもこの3つがほとんどというのが省略可能であることをよく表している。

この点はバスとはだいぶ事情が異なるところだ。

なお、これらの場合でも「使用者の氏名、名称又は記号」の記載は必須である。


緑ナンバーの路線タイプのバスで「乗合」と「特定」を区別するのも、

観光タイプのバスで「貸切」と「乗合」(高速路線バス)を区別するのも、

違う用途で使う場合は届出が必要だからなんだろうな。

違う用途で使うこと自体は可能で、多客時に「貸切」のバスを路線バスに投入したり、

イベントの送迎車などで「乗合」の車両を貸切に使ったりというのはある。

ただ、本来のやり方ではないことは確かである。

「自家用」はさすがにナンバープレート見て気付くだろうし、

教習車ならバス会社所有だが、運行受託なら所有者は社外ですからね。

フラッシュドライバを作る

最近、新しいマイコンの開発環境の整備をあれこれとやっている。

メモリのマッピングを定義したり、デバッグの設定を確認したり。

そういう作業をやる中でフラッシュドライバの作成をした。


今までフラッシュドライバというのはデバッガに付属するものと思っていたが、

ワンチップマイコンの内蔵ROMを焼くなら決まり切っているが、

今回は外付けのシリアルフラッシュを使うというのもあるし、

いろいろな事情でツールが充実していないという事情もある。

で、そんなの自作できるんか? と思ったが、思ったよりは楽だった。


今回はフラッシュドライバ用のプログラムをマイコンのRAM上に転送する方法にした。

レジスタ操作をマクロに書いてフラッシュドライバにする方法もあるらしいが。

フラッシュドライバのテンプレートがあって、初期化・イレース・プログラム・ベリファイの操作を穴埋めしていくと完成する仕組みである。

すでにフラッシュ読み書き用のプログラムを作っていたので、これを切り貼りして作ればそこまで大変ではなかった。


しかし、難しかったのがフラッシュドライバのデバッグである。

フラッシュドライバを使ってプログラムをダウンロードして失敗したところで強制終了して、

フラッシュドライバのプロジェクトを開いて、デバッガをアタッチしてブレークすると、

どこでハングアップしたのか判明するとかそんなのである。

そんなのを何度か繰り返して、清々と流れるようになった。


実際、フラッシュドライバがデバッグに必要なのかはよくわからないが、

デバッガが接続できる環境なら、他の方法でプログラムを書き込むよりも楽だろう。

フラッシュへの書き込みができたら、それをRAM上にロードして動かしてデバッグ開始だが、

そこをどうやって繋げるかというのはまた考えないといけない要素があって、

そのあたりの処理を埋めるためのマクロも必要かとか、そんなこともやっていた。


今回のシステムではいろいろなツールを用意しないといけないことはわかっており、

実験的にいろいろ作っているのだが、まだ一本につながるには至っていない。

実際に動かしたり作ってみないとわからない部分がいろいろあるんだよな。

仕様案を作ったはよいものの、前後の仕様が変わってしまい、見直しが必要だとか。

とはいえ、このあたりも固まってきたし、全体像を明らかにしていかないとね。

もうちょっと実験したらそのあたりできるようになるかな。


今回のフラッシュドライバの実験でもいろいろわかったことがあって、

それに合わせて見直すべき点が多々あった。

実際のデバッグで使うかはよくわからないと書いたが、

今、デバッグするならこれが最善であるとは言えるので、それはそれでよいと。

国外転出者のマイナンバーカードの謎

以前、外国に住む日本人がマイナンバーカードを所持・取得できるようになる話を書いた。

戸籍の附票からマイナンバーカード

今月から運用が始まるようだが、いくつか気になることがあったので調べてみた。


マイナンバーカードの裏面に記載されるマイナンバーだが、

「住民票コードを変換して得られる番号」という性質から住民票がある人にしか付与されない。

外国在住だと住民票がないので、裏面に記載されているのは元マイナンバーである。

では、もし転出前のマイナンバーがなければどうなるのか?

この疑問の答えはマイナンバーカードの発行ができないである。

また、現在マイナンバーカードを持っていない国外在住者(2015年10月5日以降に国外転出をしている方に限る。)もマイナンバーカードを申請することが可能になります。

2015年10月5日は番号利用法の施行日、マイナンバーの運用開始日である。

というわけでマイナンバーが存在したことがある人だけが申請できるという意味になる。

当然、これは外国で生まれて日本に住んだことがない日本人は発行できないという意味である。


国外転出者のマイナンバーカードの発行主体は本籍地の市町村である。

しかし、本籍地の市町村の窓口に行くのは容易ではない。

この問題は把握されていて、運用開始時点から在外公館や他市町村を介して手続きできる仕組みが用意された。

国外転出者はマイナンバーカードの受取場所として、本籍地の市町村だけでなく、

在外公館と本籍地以外の市町村(一時滞在先)も選べるようになった。

ただ、カード・電子証明書の発行手続きを本籍地の市町村で行う都合もあり、

交付申請書とともに暗証番号設定依頼書も送付することになっている。

国内在住の場合、交付時に自分で端末に入力する内容である。

在外公館への転送もあるので2ヶ月はかかると書かれている。

なお、国外転出者が新規にマイナンバーカードの申請を行った場合は、

住所欄に「国外転出 2024(令和6)年11月3日」のように記載されるよう。

外国で住んでいる場所が記録されるわけではない。


マイナンバーカードの記載事項変更だが、

国外転出届を提出するときの変更だが、これは転出届を出す窓口でできる。

電子証明書の発行手続きもその場でできるので、本籍地の市町村は絡まない。

転出後に氏名が変更になった場合の手続きだが、本籍地の市町村窓口で行う場合はその場でできる。

国外転出者の場合、住所は「国外転出」と登録され、生年月日・性別は通常不変で、

氏名の変更というのは圧倒的に結婚だろう。養子縁組、離縁、離婚もあるが。

で、いろいろ煩雑なので一時帰国時に手続きをするケースもあるだろう。

そのとき出向いた市町村が新たな本籍地であれば、本籍地市町村でマイナンバーカードの変更手続きもやってしまえばよい。

この場合の手続きは国内在住で住所地の市町村に各種届出をするときと同じフローになる。


一方、在外公館で届出をするケースもあるだろう。

この場合はマイナンバーカードの再発行手続きになるという。

なんで? という気もするが、在外公館では書換ができない事情があるのだろう。

その上で本籍地市町村で書換をするとなればマイナンバーカードがない期間が長くなる。

それなら新たに発行してもよいだろうと。氏の変更だけならわりと稀なケースだし。

そういう判断があったのではないかと思う。


イマイチだなと思ったのは国外転出者のマイナンバーカードの申請は、

本籍地市町村・在外公館・他市町村への郵送・窓口提出に限られていること。

更新手続きも含めてこの方法でしか対応できないんですね。

国内ではマイナンバー付与時あるいは有効期限通知書に記載された申請書IDを使えば、

インターネットからマイナンバーカードの発行申請をすることができる。

記載事項変更なしの更新ぐらいは電子申請に対応してほしいものだが。


国外転出者のマイナンバーカード発行というのは、

帰国時にすぐマイナンバーカードを使えるようにするという意図もあるし、

転出後の税金関係などの手続きをインターネットからできるようにという意図もある。

まだ使い道は少ないかもしれないが、国外転出時にマイナンバーカードを残すだけならば簡単である。

有効期限内に帰国すれば単純にマイナンバーカードの失効・発行の手間がなくなるのだから楽になる。

それだけでも効果は実感出来るんじゃないか。

同じ標識でも大違い

「自動車歩行者専用」の標識のある歩道で走行できるのは普通自転車と特例特定原付だけで、

それ以外の自転車や歩道モードではない特定原付には効果が無いという話をしばしば書いている。

自転車道の場合はそれ以外の自転車のほとんど、特定原付も走行できるのだが。


一方で「自動車歩行者専用」の標識を道路自体に付けた場合、

自転車道を走行できる自転車全てと特定原付も走行可能となる。

「自転車歩道通行可」と同じ標識を使うのだが、その対象は同じではないと。

さらにこの標識には厄介な事情がある。

この命令ではこの標識の意味を3つ規定している。

  1. 道路法第四十八条の十四第二項に規定する自転車歩行者専用道路であること。
  2. 道路交通法第八条第一項の道路標識により、特定小型原動機付自転車及び自転車以外の車両の通行を禁止すること。
  3. 道路交通法第十七条の二第一項及び第六十三条の四第一項第一号の道路標識により、特例特定小型原動機付自転車及び普通自転車が歩道を通行することができることとすること。

(歩行者専用+自転車を除くの意味)

1.の道路法の規定により設置された標識はさらに意味が違うのだ。


道路法の自転車専用道路・自転車歩行者専用道路の規定では、

何人もみだりに自転車専用道路を自転車(自転車以外の軽車両(道路交通法第二条第一項第十一号に規定する軽車両をいう。)その他の車両で国土交通省令で定めるものを含む。以下同じ。)による以外の方法により通行してはならない。

ということで自転車以外の軽車両と省令で定める車両の走行を認めている。

その省令で定める車両とは特定原付と農耕作業用自動車である。

なお、ここでいう自転車は特定原付を含まず、普通自転車以外の自転車も含む。

標識で「軽車両」と言えば 全ての自転車+特定原付+自転車以外の軽車両 であり、

これと農耕作業用自動車が通行可能というのは道路交通法の規定による標識で言えば、

  • 自動車通行止め+「農耕作業用自動車を除く」
  • 自転車歩行者専用+「軽車両・農耕作業用自動車を除く」

というような表記と同等ということになりそうである。


なんで農耕作業用自動車が通行できるのかというと、

農地の中を走るサイクリングロードが多い実情も踏まえたのかもしれない。

とはいえ、一律認めなければならないのか? というのは謎である。

また、道路交通法の標識と差が大きすぎるというのも気になるところ。

河川区域を利用したサイクリングロードの場合、「河川管理用車両を除く」のように書き加えるわけだし、

必要性によって「農耕作業用自動車を除く」と足せばよさそうなものだが。


道路交通法の規定で標識を取り付ける場合、標識の裏に公安委員会のシールが貼られている。

これが目印ではあるのだが、標識の裏面なんて見るかという話である。

それで調べていたらJARTICが交通規制情報オープンデータというのを提供していて、

これを地図上に表示できるサービスが存在するようである。

交通規制情報オープンデータマップ

これは道路交通法の規定による規制が登録されている。

規制データと厳密に整合しているかは疑問はあるが、道路交通法の規制があるかないかという参考にはなりそう。


都道府県によって規制の仕方も違うが、東京都の例をいくつか。

まず、多摩湖自転車歩行者道、ここはデータベース上は何らかの通行止め規制になっている。

実際には「自動車歩行者専用」の標識だが、通行止め標識の一種として付けているということか。

道路交通法の規定による「自動車歩行者専用」の標識なのかな。

東京都にはもう1つ都道の自転車道があり、それが芝川自転車道で、

都道としては足立区都市農業公園付近のわずかな区間が該当するが、ここは規制が見えない。

なのでここは道路法による自転車歩行者専用道路の標識になっているとみられる。


というわけで紛らわしい標識の話だった。

このデータベースは 自転車歩道通行可 の情報も登録されている。

これが登録されていれば見た目が自転車道っぽくても歩道だとわかる。

逆に自転車歩道通行可の登録がなくて、車道と区切られた部分に「自動車歩行者専用」の標識がある場合、

その部分は歩道ではなく、車道とは別の自転車歩行者道の可能性がある。


鳥飼仁和寺大橋は軽車両通行止め・歩行者通行止めの規制は見つかる一方、

自転車歩行者通行可の規制は見つからないので、歩行者・自転車の走行部分は歩道ではない可能性がある。

とすると、本線を通行できない特定原付の走行も可能かもしれない。

同じく淀川にかかる菅原城北大橋(今は無料開放されたが元有料道路)は、

軽車両通行止めと自転車歩道通行可の規制が見つかるので、

これは普通自転車は歩道走行できるが、特定原付は車道も歩道も走行できず、

歩道モードにできなければ歩道の押し歩きしかできないとみられる。

あくまでもデータベースからの推定だが、そんなことも読み取れる。

自転車あるいは特定原付の有料道路の走り方

日本で有料道路といえばほとんどが高速道路であり自動車専用道路である。

しかし、高速道路ネットワークから外れている道路の中には自動車専用道路ではないところもある。

排気量125cc以下のバイク、ミニカー、自転車、歩行者と。

生活道路としての意義からこれらの一部または全てを認める道路はいろいろある。


排気量50cc超125cc以下のバイクとミニカーの通行を認めている例として新神戸トンネルを紹介したことがある。

新神戸トンネルは 歩行者通行止め、自転車・軽車両通行止め、二輪車通行止め+「原付」の3枚の標識が付けられている。

(小型特殊自動車は自動車だが)

あるいは排気量50cc以下のバイクも認める場合もある。

その場合は歩行者通行止め + 自転車・軽車両通行止め の標識でよい。

これは高架橋やアンダーパスによく付けられている組み合わせだが。

と、バイクの場合は車道を通行できるようにするのが通常である。


一方の自転車だが、特段の規制なく車道通行できる有料道路もけっこうある。

ただ、自転車が通行できる有料道路の場合、歩行者も通行可能であり、

その場合は歩道に「自転車歩道通行可」を付けていることがほとんどで、

こうなると普通自転車は車道も歩道も選択可能ということになる。

このような道路としては、さいたま市の新見沼大橋有料道路や、滋賀県の琵琶湖大橋有料道路がある。

新見沼大橋は自転車も原付と同じ通行料(20円)がかかるので、

車道通行ならば料金所ブースに、歩道通行ならば歩道に設けられた料金箱に投入することになる。

琵琶湖大橋は自転車は通行料がかからないので、歩道通行の場合は何もなく、

車道通行の場合は料金所ブースを通るが料金は払わず通れるはず。


とはいえ、安全面の問題もあり、自動車と自転車の走行場所を分けている有料道路もいくつかある。

調べた限りではこんなところが該当しそう。

  • 京奈和自動車道 城陽~田辺北(新木津川橋) : 原付道・自転車道・歩道
  • しまなみ海道の新尾道大橋以外の架橋部※: 原付道・自転車歩行者道など
  • 関門国道トンネル : 歩道(50cc以下の原付・自転車は押し歩き)
  • 猿投グリーンロード(愛知県)※ : 歩道(自転車走行可)
  • 衣浦トンネル(愛知県)※ : 歩道(自転車は押し歩き)
  • 鳥飼仁和寺大橋(大阪府)※ : 自転車歩行者道?
  • 女神大橋(長崎県)※ : 歩道(自転車走行可)
  • 一ツ葉有料道路(宮崎県): 歩道(自転車走行可)

※を付けたのは自転車の通行料が現在無料の道路である。

逆に言うと他は10円とか20円とか徴収する料金箱が置いてあるんだが。


上2つは高速道路ネットワークに組み込まれていることもあり、

排気量125cc以下のバイクは車道とは別のところを走行する。

しまなみ海道は区間によるのだが専用の「原付道」を備えている場合もある。

しまなみ海道では歩行者・自転車混在が多いが、新木津川橋は原付・自転車・歩行者が全部分離されている。

もっとも新木津川橋は2017年の城陽IC改築まではバイクは本線を通行していたのだが。


他はストリートビューで見た限りは自転車の歩道走行ですね。

自転車歩行者専用の標識に「自転車通行可」など付けてあるからね。

鳥飼仁和寺大橋は「自転車歩行者専用」の標識のみなので、

しまなみ海道の自転車歩行者道と同じような扱いかもしれない。

あと、地下トンネルの関門国道トンネルと衣浦トンネルは押し歩きですね。

押し歩きなら直感的には歩行者と同じ扱いで無料になりそうだが、

関門国道トンネルは押し歩きのために20円徴収されるという。


さて、今回、自転車が走行できる有料道路の話を書いたのは、特定原付の扱いが気になったから。

特定原付は通行規制においては自転車と同じ扱いを受ける部分が多い。

自転車・軽車両通行止め とあれば特定原付も走行できないわけである。

ただ、まるっきり同じでない部分があり、それが歩道通行である。

普通自転車の歩道通行が認められていても、特定原付は原則歩道通行できず、

6km/h以下に制限した歩道モード(特例特定原付)でしか走行できない。


その観点でここまで挙げてきた例を考えて見ると。

新見沼大橋や琵琶湖大橋のように車道の自転車通行が可能な道路では、

特定原付は車道通行すればよい。原動機付自転車としての料金になるだろう。

新木津川橋やしまなみ海道については自転車の走行場所を走行することになる。

特定原付は自転車道を走行可能なので、自転車道のある新木津川橋は全く問題ないし、

しまなみ海道は歩行者と自転車が混在する区間が多いが、歩道という扱いではない。

自転車歩行者道 (本四高速)

自転車の走行場所を原付の料金で利用するようにと記載されている。


しかし、歩道の自転車通行を前提として車道の自転車通行を禁止している場合、

特定原付はどこも走行できないことになる。

歩道モードにできるなら6km/hでちんたら走る手はあるが、それもできなければ押し歩きしか手段がない。

そんな歩行者との交錯が問題になるとは思えない道路なのだけど。

元々押し歩きで利用するトンネルなら他の自転車と同じで、これはよいが。


なぜかこの車両は走行できないということはしばしば発生する。

例えば新木津川橋、城陽ICの改築時に車道を自動車専用化する代わりに原付道を整備したが、

元々は車道を通行できていたミニカーが渡れなくなってしまった。

自転車・軽車両以外の車で自動車専用道路を通行できないのは排気量125cc以下のバイクだけではないのだ。

そういう車はあまり多くないので問題にはならないが。


特定原付もそういう話で、従来から普通自転車以外の自転車は網羅できていなかった。

ただ、普通自転車以外の自転車というのは限定的な存在である。

特定原付もまだ稀な存在だが、今後は自転車・一般原付並みに使われる可能性もある。

歩道と自転車道を分けられれば、それが好ましいとは思う。

自転車道は特定原付や普通自転車に該当しない自転車の多くも利用できる。

自転車道を走れる自転車って?

あとは一般原付同様に車道通行でよいとするなら、自転車・軽車両通行止め に「特定原付を除く」とする方法も考えられる。

こういうのも今後増えてくるかもしれない。


ちなみに しまなみ海道 では普通自転車以外を少し意識した標識があり、

  • 原付・自転車・歩行者混在 : 車両通行止め+「125cc以下の二輪・自転車・タンデム車を除く」
  • 原付道 : 通行止 + 「125cc以下の二輪を除く」
  • 自転車歩行者道 : 車両通行止め+「自転車・タンデム車を除く」

「自転車・タンデム車」は普通自転車と特定原付、そして普通自転車に該当しない自転車のうちタンデム車となる。

2010年にタンデム車の走行を認めてから、タンデム車の表記を加えたっぽい。

自転車道を走行できて普通自転車に当てはまらない自転車としては、

タンデム車と幅60cm超のマウンテンバイクがだいたいだと思うが、

このうちタンデム車の方はカバーしている形である。


有料道路を例に出したものの、それ以外でもこういう問題は多々あるんじゃないか。

どういう形になるんだろうな。

自転車道ができれば一番うれしいが、現実には難しいだろう。

下関北九州道路の気になるところ

本州・九州の間を隔てる関門海峡を渡る道路はすでに2つある。

関門国道トンネルと関門橋、どちらも早鞆の瀬戸を通っている。

この2つはお互いの通行止めのときに補完し合う関係にはあるものの、

ルートはほぼ同じだし、関門国道トンネルは1958年開通と古く、片側1車線である。

関門橋が通行止めになると関門国道トンネル周辺は大渋滞となる。

そんなこともあって別ルートで関門海峡を渡る道路構想があり、それが「下関北九州道路」である。

「下関北九州道路」つり橋方式に…国土交通省がルート素案、山口県と北九州市が住民に提示へ (読売新聞)


下関北九州道路の特徴は下関・小倉の市街地の近くを結ぶことである。

早鞆の瀬戸は関門海峡が最も狭くなるところという点で合理性はあるが、

特に小倉からするとぐるっと回り込む形で遠回りである。

広域移動は従来通り関門橋がメインルートになっていて、

現在は主に関門国道トンネルを使っているローカルな移動を分担することが想定されている。

周辺に断層が走っているため架橋により両岸を渡ることになっていて、

このルートは2011年まで存在した関門海峡フェリーのルートに近い。


ただ、この構想について地元の反応は意外にも冷ややかなようだ。

九州側は北九州都市高速に直結する構想である。

現在、北九州都市高速では環状化が進められており、環状ルート上に接続される形になる。

こちらはよいのだが、問題は本州側である。

こちらは彦島という下関市街と少し隔てられた島から架橋されることになる。

彦島は人口25000人ほどと多くの人が住んでいて、大きな工場もいくつかある。

本州~彦島のメインルートの関彦橋は渋滞がひどかったため、

彦島道路(2005年まで有料道路)が存在し、下関北九州道路もそちらに接続する想定だが、

片側1車線のためか、こちらも現状でも渋滞が起きている状況である。

また、関門橋や関門国道トンネルの代替を考えると高速道路や国道2号線との接続が気になるが、

あまり接続がよくなくて、現状でも渋滞を起こしている地点が多々ある。


架橋自体は2km強ということで、そこまで長い感じはしないし、

前後では彦島道路と北九州都市高速という既存の道路を活用できることから、

割と効率が良さそうな気もするのだが、その彦島道路が課題の1つなんですね。

下関北九州道路の事業主体が誰になるかはまだ明らかではない。

ただ、有料道路事業が活用されることはほぼ間違いないところである。

有料道路となれば関門国道トンネルと関門橋の料金を意識せざるを得ないが、

関門国道トンネルは普通車160円、関門橋区間(下関~門司)の高速道路はETCの基本料金が420円である。

いくら、小倉~下関をショートカットできるとはいえどこまで徴収できるものか。


高速道路各社では高速道路料金をターミナルチャージ150円、1kmあたり24.6円を基本に統一している。

架橋部や長大トンネルは割高な料金を徴収していることもあり、

関門橋はかつては割高な料金があったがETC車では基本料率まで下げられている。

本州四国連絡橋などは基本料率とはいかないが108.1円/kmまで下げられた。

下関北九州道路は総延長およそ8km、架橋部が2.5kmほどとして、

全区間が基本料率だと380円、架橋部に割高な料率を適用すると610円ほど。

高速道路と同じ料金体系になるとは限らないが、これぐらいのレンジである。

基本料率だとしても関門国道トンネルの倍以上で、それでいいのかという話はあると思う。


採算性というところは必ずしも気にしなくていいと思う。

なぜならば最近の有料道路は合併施行方式として公共事業と有料道路事業を組み合わせてやることが多いから。

国の公共事業なのか、県・市の公共事業なのかは明らかではないし、

有料道路事業の主体もNEXCOなのか、都市高速なのか、県の有料道路なのか明らかではないが、

有料道路事業として採算が取れる形で税金が投入されることになるはず。

事業の加速という点では有料道路事業の割合が高い方がいいでしょうけど、

上に書いたような事情もあるのであまり高い料金が設定できない。

すると公共事業の割合が高くならざるを得ないのかなとは思う。


事業費2900~3500億円とはいうけど、彦島道路など周辺道路の改良も含めればもっとかかるだろう。

有料道路事業でまかなう部分もあるけど、どうしても税金の投入が多くならざるを得ない。

もちろん関門国道トンネルの老朽化という大きな課題がある中で、

多額の税金を投じてでもやるべきという考えは成り立つのだが、

結局は彦島周辺の渋滞により使い物にならないとなっては困るわけで、果たしてどうするか。


そんなわけでまだほとんど具体化していない構想ではあるのだが、

面白そうな話としては自転車歩行者道を併設してはという提案がある。

関門国道トンネルの人道は歩行者の通行と自転車・原付の押し歩きに対応しているが、

どちらかというとしまなみ海道のイメージで言っているらしい。

生活道路としての意義もないとは言えないところではある。船もなくなったし。

ただ、関門海峡の架橋なのでかなり高いところを通るはずで、実用性はどんなもんかというのはあるが。

でもうまくいけば自転車・原付でも走って本州・九州間を往来できるし、

徒歩でも眺望という点ではかなりいいだろうなと思う。

そこまでする意味があるのかはよくわからないけど。

東西線の不思議な折り返し運転

日本で最も混雑する地下鉄路線として名高い東京メトロ東西線、

いや混雑するのはどちらかというと地上走行区間の多い東側ですが。

その中で南砂町駅の改良工事のために土日で一部区間運休で工事を行うことに。

いろいろ工夫をして完全に運休になるのは南砂町駅の前後1区間、東陽町~西葛西だけに抑えている。


ちなみに工事内容はホームを1つ増やして交互発着できるようにするというもの。

新しくなる東西線 南砂町駅、どう変わる? ホーム拡張+線路増設で乗り降りしやすくなる現場を見てきた (トラベルWatch)

東海道新幹線の品川・新横浜・名古屋・京都は全ての列車が停車するが、

列車を待っていると、右側・左側・右側とホームを交互に使っていることに気づく。

列車の乗降中から、後続の列車が反対ホームに入る準備が出来るので、列車を詰められるという仕組みである。

なぜ南砂町なのか? という理由は一見わからないが、南砂町駅の手前で列車が渋滞するらしい。

ラッシュアワーに撮影された動画を見ると、乗客を押し込むのに時間がかかってるっぽい。


それはそうとして気になったのは期間中の運行形態である。

下記の3区間に分けて運転されるという。

  • (JR中央線各停~)中野~東陽町
    • 中野→茅場町は5分間隔、茅場町→東陽町は10分間隔
    • 東陽町→中野は5分間隔
  • 西葛西~葛西 : 15分間隔で1駅間の折り返し運転
  • 葛西~西船橋(東葉高速鉄道との直通運転はなし)
    • 西船橋→葛西は15分間隔
    • 葛西→西船橋は7~8分間隔

西葛西は折り返しできない駅なので、西葛西~葛西は単線で1編成が往復している。

こうして1駅でも運休区間を狭めようとしてるんですね。


それはそうとして茅場町~東陽町と葛西~西船橋は往復で本数が違うんですよね。

当然、茅場町→東陽町、西船橋→葛西を回送列車として運行しているのだが、

特に回送列車の運行方法が特別なわけではなく、東陽町・葛西まで営業運転する列車と同じ経路で走っているらしい。

一体なぜこんなことをしているのだろうか?

調べてみると2つの意図があるのではないかと指摘があった。

1つは折り返し作業の時間を稼ぐためという指摘である。

東陽町・葛西とも1つのホームだけで折り返しをやるので短時間で折り返さないといけない。

回送列車として入れば折り返しにかかる時間を短縮できる。

1つのホームで5分間隔でやってくる列車の折り返しは間に合わないだろうが、

半分は茅場町で車内点検しておけば、乗務員交代して早々発車できる。


もう1つが運休区間に突っ込んでくる客を減らすためではないかとのこと。

今回の運休区間には代行バスが運行されるが、元々利用者の多い路線、

とてもバスでは間に合わないと考えられており、他路線での広域迂回や、

東陽町~南砂町の徒歩移動(およそ15分)を推奨しているところである。

広域迂回を考えれば茅場町・西船橋から他路線という形になる。

茅場町~東陽町、葛西~西船橋の途中駅では運休区間から遠ざかる方の本数が手厚いので、

運休区間を遠ざかる方向への利用を促せるという考えである。


2日以上運休での工事といえば、JR渋谷駅のホーム移設と銀座線渋谷駅の移設工事が思い浮かぶ。

JR渋谷駅については山手線・埼京線の線路をそれぞれ移設する形で、

埼京線運休時は山手線、山手線運休時は埼京線で補完する形だった。

銀座線渋谷駅については半蔵門線が平行しており、かなり代替できた。

それに比べると今回の東西線の運休はやっぱり大変である。

門前仲町~西船橋の途中駅にとっては他路線への分散が難しいのが実情で、

遠回りになっても茅場町・西船橋まで回り込んで迂回する形にならざるを得ない。

この区間の江東区・江戸川区・浦安市内の利用が旺盛であることが東西線の混雑の大きな要因だから当然ですけどね。


南砂町駅で交互発着を導入しても渋滞の先頭が動くだけでは?

という指摘はあったのだが、隣の東陽町駅には有楽町線支線(豊洲~住吉)の接続予定がある。

これにより東陽町駅の利用者が分散することへの期待はあるのではないか。

うーん……やっぱりどうなんだろ。

一応、交互発着以外にも折り返し運転にも活用できるというメリットはあるんですけどね。

地上走行区間は強風の影響を受けることがあるので、

地下区間の端、南砂町駅での折り返しができるメリットはありうると。

その交番の管轄だったのか

家に帰ってきてポストを見ると交番の警察官が投函した「巡回連絡カード」があった。

交番の業務の1つとして巡回連絡というのがあって、管内の家や事業所を訪問して情報収集していると。

この情報は災害・事件などの緊急連絡に使うとのことである。

で、訪問したときに不在だったのでカードを記入して交番に持って来てねと。


この巡回連絡カードは過去にも記入依頼されたことがあったのだが、

今回気になったのは記入されていた交番の名前である。

え? そこの交番がこのエリアの管轄なの? って。

ただ、交番の位置を確認したら確かに近かった。

というかよく行く店の近所だった。そういや交番ありましたね。


交番の管轄区域は警察のWebサイトに掲載されていたのだが、

町単位で決まっていると思いきや、なんと街区単位で細かく切られていた。

なんでこんなに細かく切られてるんだ? というので考えて見ると、

「地域安全センター」というのが目に入った。これは元交番ですね。

交番を集約した際に地域安全サポーターが詰めるところに改めたものである。

地域安全サポーターというのは警察官OBで、交番相談員みたいなもんだね。


おそらく、この一帯は元々この交番の管轄だったのだと思う。

ただ、他の交番と近接していたり、建物が狭かったりで効果的とは言えなかったのだろう。

空き交番対策で交番の体制を強化する中で廃止されたそうである。

廃止する交番の管轄区域を近接する交番で分け合った結果こうなったのではないか。

単純に○○交番を□□交番に集約しますという話ではなかったらしい。

地図を見てみると等距離分割のように見えなくもない。


交番と地域の関係を考えると管轄区域を細かく割るのはどうなの? とは思う。

というか、この地域には市街地なのに駐在所があるんですよね。

駐在所は基本的には警察官1人が住み込みで勤務する形である。

このような体制だから駐在所の管轄区域はかなり狭くなっている。

その駐在所の管轄区域の外側を複数の交番で分担するという形になっている。

駐在所でなく交番ならばこうはなってなかったかもしれない。


調べてみるとこんな記事が見つかった。

日勤制の交番や通いの駐在所、ブロック制も 24時間体制から転換 (朝日新聞デジタル)

交番は3人以上の警察官が交代で勤務するのが基本だという。

空き交番対策というのは1つの交番の勤務人数を増やすことに主眼を置いていた。

細々と交番を置いては交番ごとの体制が手薄になってしまうからである。

駐在所の警察官は基本的には昼間のみの勤務である。

さらに1人の警察官がパトロールに出れば、駐在所の警察官は不在となる。

(この穴を同居する警察官の家族が埋めていることもあるようだ)

複数の駐在所を集約して交番にすることが行われた地域もあるし、

あるいは駐在所を集約して2人勤務の駐在所にすることも行われた。


とはいえ、全ての交番・駐在所がこのような体制を維持する必要はないじゃないかと、こういう試行が行われたらしい。

24時間でなく日中だけ開く日勤制交番▽警察官が住み込まずに通勤する駐在所▽複数の交番を一つのブロックとして全体運用――などの取り組みだ。また、オフィス街や繁華街、観光地など、時間帯や曜日によって取り扱い状況が異なる交番で時間帯などを限定した運用も試した。

日勤制の交番って、それ以外の時間帯は空き交番になるということだし、

通勤制の駐在所って、緊急対応が必要でも駐在所から警察官が出せないということだ。

ただ、そこは隣接する交番であったり、警察署からのパトロールで対応すると。

複数交番のブロック制を前提とした考えだろう。

元々駐在所はそういうカバー体制がなければ回らなかったとは思いますがね。


巡回訪問というのは交番の活動をアピールする意味もあるんだろう。

今どき昼間に訪問しても不在ってのが多いとは思うけどね。

原付でも高齢者講習は必要だが

連休の関西滞在中に祖母の家を訪問した。

元気に暮らしているようでなによりなのだが、

その中で話題に上がったのが運転免許の話である。


祖母は原付の運転免許を持っている。バイクを買い物などに使っているようだ。

話を聞く限りは普段の行動範囲は狭いものである。

70歳以上で運転免許を更新する場合には高齢者講習を受けなければならない。

これは原付だけの免許でも例外では無く、かなりの手間だという。


高齢者講習がきっかけで運転免許の更新をやめて返納してしまう人も少なくないと思う。

幸いなことに祖母の家の近所、普段の行動範囲の中に自動車学校があり、

普段使っているバイクを持ち込んで講習を受けられるので、なんとかなっているという。

(原付だけの免許の場合は実車講習はないって出てくるけど)

ただ、認知機能検査と講習の2回、自動車学校に行かないといけない。

これとは別に免許の更新手続きで警察署に1~2回行かないといけないのだから、

近所でもなければようやらんというのも確かなことである。


そこで思ったのは特定小型原動機付自転車のことである。

フル電動で速度が20km/hに厳密に制限されるかわり、

運転免許なしで運転できるので、高齢者講習を受ける必要もない。

そもそも運転に適する健康状態かというのは自己判断ということにはなるが、

それは自転車と同じということになる。20km/h制限だしねと。

実際、高齢者の足として特定原付を活用していきたい話もあるようだ。

ただ、今はまだスクーター型の特定原付のラインナップが少ないのが実情。

キックボード型ではとてもじゃないが高齢者の足には使いにくい。


元がバイクならこういう選択は受け入れられやすいかもしれない。

いや、バイクといっても元が30km/h制限の原付だからというのはあるか。

距離があると特定原付で20km/hでちんたら走っては大変というのはあるが。

元々四輪だとかなり行動範囲が広い人はいるだろうからな。

ある程度の距離があるところはバスや列車、あるいはタクシーと使いわけて、

自分で運転するのは特定原付でも困らない狭いところに留めると。

こういう作戦が成り立てば、特定原付で代替して運転免許を返納するのも手かもしれない。


特定原付というのは制度上はかなりいろいろなものを作れるので、

今後ラインナップも増えてくることは期待できると思う。

実際使いやすいのかというのはまだ試したことがないのでなんとも。

自転車並みのスピードなので車と考えると遅いことは確かだが、

時間に余裕があればそれはなんとでもとは思う。

行動範囲も狭いだろうからフル電動もさほど不利な話ではないだろう。

国民年金保険料を払わない永住者

永住許可が出た後、義務不履行の外国人の永住許可を取り消せるようにする法改正の話が出ていたが、

永住者、税金など未納は1割 厳格化めぐり国が初公表 (毎日新聞)

ある期間に永住許可の出た外国人のサンプル調査で公租公課の未納が1割強あったと。

ただし、そのほとんどは国民年金だったというので、うーんという感じはある。


国民年金保険料の未納率ってどんなもんかご存じですかね?

何を分母、何を分子に取るかによっても大きく変わる数字なのだが、いろいろ計算できる資料があった。

国民年金保険料の納付状況等 (pdf) (日本年金機構)

公的年金加入者6725万人に対し、未加入者が9万人、未納者が106万人、

(未納者+未加入者)/(加入者+未加入者)=1.7%となる。純粋に未納なのはこんなもの。

ただ、納付者713万人のうち年度内の納付率は74%だから、部分的な未納者もけっこういる。

期日通り納めていない人は3割以上いるんじゃないか。それを加えれば4.8%となる。

また、納付猶予230万人いるが、この中には納付しないままの人もいる。

納付猶予だけならば未納とは言わないが、後で納めなければ未納である。

これを加えると8.3%が未納ということになる。


未納の範囲の取り方次第では1割程度というのは平均的なレベルよりやや高い程度である。

ただ、永住許可が出るのは日本で10年以上住んでいて、少なくとも5年は働いて生計維持に問題ない人のはず。

そこまでの人が国民年金保険料の納付率が悪いのは不思議である。

永住許可を出す段階では各種義務の履行状況を確認しているわけだし。

そこで思い出したのが、同一生計の家族のことだった。

永住許可というのは通常、同一生計の配偶者・子に対して一括して出る。

そして、その配偶者・子の生計維持能力は必ずしも問われない。


従来、家族滞在だった配偶者・子にとっては永住者となることで就労などの制約を受けなくなる。

このことは子にとっては親から独立する上で有用だし、

配偶者にとっても活躍の場が広がり、離婚・死別などあっても在留資格の心配はなくなる。

これにより一人前に稼ぐようになる人もいる一方、国民年金保険料を納める余裕もない人も発生しうると。

なぜならば永住許可を受けるときに独立して生計を維持する能力を問われていないからである。


永住許可を取り消されると日本から追い出されるかというと、

その可能性もないとは言えないが、実際には考えにくい。

というのも永住許可が出るということは日本との地縁は相当あるからである。

家族滞在で滞在する子の場合、日本で小学校・中学校・高校と卒業して就職先が決まっていると定住者の在留資格が付与される。

外国人も意外と自由に働けるが……

小学6年~高校3年だと7年、永住者の子ってそれぐらいはあるだろう。

家族滞在で滞在する配偶者の場合、離婚・死別などあれば家族滞在の在留資格は取り消されるが、

日本に住んで5年以上あるような人は定住者の在留資格が与えられることが多いようである。

もちろんこれらの在留資格は犯罪や義務不履行などがある場合は認められにくいが、

日本との地縁が深い場合は認めざるを得ないのが実情ではないかと思う。


このことを考えると永住許可を取り消されたとしても、

よっぽどでなければ定住者の在留資格は認めざるを得ないのではないか。

有期限である以外は永住者とあまり変わらないし、

事情からすればよっぽどでなければ更新を認めざるを得ない。

実効的な効果は乏しく、嫌がらせにしかならないのではないか。

これが僕の読みである。


永住許可の基準を見てみると「素行が善良であること」「日常生活において公共の負担にならず」というのがあり、

これは永住許可に限らず、在留資格を与える上ではたびたび出てくる話である。

これらを満たさなくなれば日本に滞在できなくなるのが基本ではあるが、

元々これらの要件を満たして日本に長期間滞在していた場合は、この部分を緩和せざるを得ないのが実情である。

永住許可が認められるというのは基本的にはそういうレベルの人である。


全体にしては永住者になって社会参加が進むことによるメリットの方が多いとは思う。

こういうメリットをうまく得られるように制度面でも工夫するべきところはあるのかもしれない。

そのためには永住許可が出る以前からの対策も必要なのではないかと思う。

なかなか難しい部分もあるが、うまくやっている人も多いわけですから、