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使命感的な何かが湧き上がってきたら更新するブログ

「譜久村降りといで!」とその時代(ふくちゃん編)

ハロー!プロジェクト発足から20有余年。組織を構成する顔ぶれは移ろいゆき、ステージを織りなす風景もいつしか彩りを変えます。まこと一人を置き去りにして...。

思い起こせば1年前。連日の日本武道館公演において宮崎由加ならびに和田彩花の両名が華々しく「ハロプロ」を卒業していった頃には「25歳定年説」なんて話がにわかに囁かれたりしたものです。それがどうでしょう、このところ25歳を待たずして新天地へ旅立たんとする早期退職メンバーが後を絶たないじゃないですか。あの娘も、あの娘も、あの娘まで!

一介のハロプロエッグから身を起こし、紆余曲折の果てにハロプロリーダー」の頂きまで上り詰めた「あやちょ」でしたが、まるで彼女の卒業が呼び水となって何らかの防波堤が決壊したかの如く「卒業メンバー」輩出ペースが一段ギヤを上げて加速していると感じるわけですね。何だか大きな世代交代の波に足を踏み入れたような、そんな胸騒ぎを禁じえないのです。

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譜久村聖とその時代

ハロプロ岩盤支持層の皆さんにとって釈迦に説法もいいところでしょうが「あやちょ」からハロプロリーダーの座を禅譲されたのが「ふくちゃん」こと譜久村聖ちゃんです。まさに一介のハロプロエッグから身を起こし、紆余曲折の果てにモーニング娘。のリーダー、さらにはハロプロリーダー」の頂きまで上り詰めたという、そんなグラマラスな人物といえましょう。つまりは曲者ぞろいの大所帯を束ねる女の園の総元締にしてハロプロヒエラルキーのトップに君臨する偉大なる指導者であると。いくら本人が「みずき、そういうのじゃないもん…」と否定したところで、これはもう紛れもない事実なのです。

しかしですよ。ハロヲタ勤続20年クラスの部長さん方からは「愚問」と一蹴されるかも知れませんが、あたいたち「ひとそれ新規」のフレッシュヲタにとっては「絶対おかしいよ!」と甚だ疑問に感じる部分も多いわけですよ。そもそも和田彩花宮崎由加の2人が抜けた時点での「ハロプロ」最年長メンバーは「ふくちゃん」ではなく「かなとも」こと金澤朋子ちゃんになりますよね。学年で言えば元℃-ute萩原舞なんかと同世代にあたり「ふくちゃん」よりも一個上になる。言いたかないですけど、全盛期のPL学園やったら大変なことですよこれは。

確かに「かなとも」のほうが事務処理能力や告知コメントの流暢さにおいて「ふくちゃん」を遥かに凌駕しているなんて意見もあるでしょう。押出しの強さも申し分ない。ただ、そういった些末な話ではなく、そもそもハロプロリーダー」がどのようなプロセスを経て選出されたものなのか、このあたり著しく透明性を欠いている点が引っ掛かるのです。伏魔殿じゃあるまいし、どうにも看過できない問題じゃないですか。

ある程度の組織を束ねる領袖ともなれば「大相撲協会にしろプロ野球選手会にしろ構成人員のコンセンサスを得たうえで選出されるのが世の常というものです。これが「権力者の意向」「先代のおかみさんの進言」などによって捻じ曲げられてしまえば組織は分裂し血で血を洗う抗争に発展しないとも限らない。そんな「ハロプロ」は嫌ですよ!

ハロプロリーダーたる者、あくまで民主的ルールに適った公明正大な方法で選出されるべきじゃないですか。じゃあどういった方法で決めるのか、そこが悩ましい問題です。日本古来の様式に則り、よもや相撲で決着つけるわけにも行きません。そもそも誰が行司をするかで揉めてしまう。

結局のところメンバー自らの意思を尊重し「投票」に委ねるのが民意を反映する最善の方策といえるのではないでしょうか。一体誰がハロプロリーダーに相応しいのか?譜久村、生田、竹内、石田あたりの幹部クラスからパンダさんたち義務教育メンバーにいたるまで等しく「一票」を投じさせてみれば良いのです。その結果もっとも多くの支持を集めた者こそがハロプロリーダー」に相応しい人物であると。

大風呂敷を広げておいて知らんぷりは出来ません。ここは一応「票読み」までしておきます。本来なら昨年春頃のラインナップで集計すべきところですが、さして大勢に影響を及ぼすとも考え難いので、アップトゥデイトハロプロメンバーでシュミレートするとしましょう。

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譜久村聖と支持母体

ハロプロ岩盤支持層の皆さんには「みなまで言うな」と叱責されるかも知れませんが、現在のハロー!プロジェクトは総員53名。以下5つのグループによって構成されています。

なおハロプロ傘下にはハロプロ研修生なる研修機関がありますが、彼女たちにとってハロプロリーダーは「雲の上の存在」らしいので投票権は当然ありません。なので情勢をうかがいつつ家でまんじりするのみです。よって有効投票数は「53票」となり過半数「27票」以上を獲得すればハロプロリーダーに就任。過半数に届かなかった場合は上位2名による決選投票となります。時間もないので簡潔に参りましょう。

まず最大派閥であるモーニング娘。基礎票として既に「14票」持っています。あと13人「譜久村派」に引き込めば過半数を取れてしまう圧倒的有利な立場にある。おまけに対抗勢力一番手のアンジュルムは盟友関係にある竹内朱莉がリーダーを務めるわけですから全会一致で「譜久村支持」に回ることは想像に難くない。ざっと思いつくだけでも、譜久村を「みずきちゃん」呼びする謎の勢力*1「旧ハロプロエッグ出身の「カリン」「さゆべえ」。お泊り会にも参加する親モーニング派の急先鋒「りさまる」。そして譜久村の小姓的存在を憧れの先輩と公言してやまない「西田」あたりの票も手堅い。この段階ですでに過半数をクリアしていますから政局は一気に「ふくちゃん支持」に傾くという流れが予想されます。つまりは結局のところ満場一致で譜久村リーダー爆誕といったような、そんな甘い見立てが通用するほど今の「ハロプロ」単純ではありません。

そもそもモーニング娘。とて一枚岩とは言い切れない。誰ちゃんとは言いませんが、中には集団行動にそぐわない奔放な自由人だっているでしょう。また自由といえばアンジュルムなんてまさに古いアイドル像に囚われない自由な気風を信条とするグループのはずです。メイクやスタイル、水着を着る着ないの自由があるように、投票もまたメンバーの自主性に委ねられ党利党略に縛られることなどありません、それが自分らしさであり美しさ「あやちょイズム」の継承者たる所以です。いっぽう「ゆかにゃイズム」の継承者たる「Juice=Juice」ですが、どうにも気になる調査結果がここに来て判明しました。

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稲場愛香とその手練

今年2月に放送されたフジテレビ「 Love music」において当時在籍していたハロプロ総勢58名の投票をもとに「歌が上手いメンバー」並びに「ダンスが上手いメンバー」を格付けランキングしていくハロプロ全員アンケート」なる企画が敢行されたのです。これネットでヲタがやったら戦争になるレベルの危険なテーマですよ。

結果は御存知の通り、歌唱部門において小田さくら高木紗友希の軍門に下り、ダンス部門でも石田亜佑美稲場愛香の後塵を拝するという、これまで顕在化しなかったリアル志向のハロプロ内評価が白日のもとに晒される事となりました。いうなれば、ロッテがまだ川崎球場ダブルヘッダーとかしていた時代のプロ野球界の格言「人気のセ、実力のパ」になぞらえて「人気のモ、実力のJ」とでも言いたくなるような「Juice=Juice」勢の攻守にわたる活躍ぶりが際立ったわけです。

何だかんだハロプロってパフォーマンススキルの高いやつが一目置かれるみたいな所あるじゃないですか。実力者集団たるジュースの首魁金澤朋子の動き如何によっては水面下でうごめくハロプロ内パフォ重視派」の票を根こそぎ掻っさらう可能性だってあながち無いとも言い切れない。BEYOOOOONDSの子たちとNACK5でレギュラーラジオをやっている点も侮れません。生粋のベリヲタ出身「ふくちゃん」と元現場系℃ヲタ出身「かなとも」によるベリキュー代理戦争」的なアングルも見逃せないポイントとなってくる。

しかしどうでしょう。最後まで「浜浦さん」呼びを貫いた金澤朋子の事ですから、たとえ年下といえども「ハロプロ研修システム」の大先輩である「ふくちゃん」に反旗を翻すとは到底思えない。そこで鍵を握るのが稲場愛香の存在だと思うわけです。

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なんか蒸し返すようで悪いですが、かつて稲場はカントリー・ガールズでの活動終了後いったんはハロプロ最前線から姿を消し、*2故郷の北海道に戻って平穏な堅気の生活を送っていたという、今となっては俄に信じがたい過去を持っています。もし、あのまま「ハロプロ」への復帰を断念して、知り合いのツテかなんかで地元の安田生命あたりに就職していたら今頃どうなっていた事でしょう。そらもうルーキーイヤーから年間契約本数で戦後のトップスコアを塗り替えてしまい「とんでもない逸材が現れた!」と業界内が騒然となっていたんじゃないでしょうか。ダンスの才能のみならずオルガナイザーとしても卓越したヲタ撃墜能力を誇る「ばっちょ」のことですから、おそらくは生保レディー界の風雲児として「北の撃墜王」「令和のリヒトホーフェンの名をほしいままに業界の常識を覆していたに違いありません。

まあ、そんな杞憂をよそに、約1年半のブランク期間を経てハロプロに復帰後は「北海道研修生のリーダー的役割」をこなしたり、まだBEYOOOOONDS結成前の「いっちゃん」たちと一緒にハロプロ浪人生活に身をやつしたりしながら急転直下の「Juice=Juice」加入へと至るわけです。数奇なハロプロ人生を歩んできた稲場にとって再び活躍の場を与えてくれた「Juice=Juice」というグループには一宿一飯どころじゃない、それ相応の恩義を感じていたとしても不思議じゃありません。ジュースに賭ける熱き思いやグループに対する愛情だって人一倍強いはず、気絶するほど愛してるといっても過言では無いでしょう。誰あろうリーダー朋子のためならば選挙参謀を自ら買って出てドブ板選挙も厭わない覚悟ですよ。

さて、ここまでの流れから「譜久村」「金澤」の一騎打ちと見る向きもありましょうが、さらに第三極の動きについても検証してみる必要がありそうなのです。

                               (以下続く…)

  ※ 本当は一つのエントリーとしてまとめたかったのですが、どう考えても文字数的に1万の大台を余裕で越えてきそうだったので泣く泣く分割する事にしました。

このように分割した結果そのまま頓挫するというパターンがこのブログでは顕著であり、書いてる本人も一番危惧するところなのですが、しかしもう7分程度すでに書き終えているという慢心と、自分自身が読み返すのも面倒なレベルの長文は如何なものかという根源的な疑問。その狭間で揺れ動く葛藤の結果こんな感じになりました。一旦お開きとなります。

*1:芸能デスクのグラサン中島氏も「みずきちゃん」呼びする人物として知られていますが、残念ながら「ハロプロエッグ」出身ではなく横浜高校野球部出身のようです。

*2:持病の喘息治療に専念する為というのがオフィシャルなアナウンスであり、それ以上でもそれ以下でもありません。

グラストンベリーのMETALな鞘師(歌の中元篇)

金曜夜のお楽しみと洒落こみ、呑気にハロプロYouTube番組tiny tiny「西田汐里」ゲスト回をリアルタイムで堪能していたわけです。ゲストへの当たりが強いことで知られるメインMC加藤紀子さんがいつになく意地悪な感じでも無かったことに妙な胸騒ぎを覚え、不意に「狼」とかいう悪口掲示板をリロードしてみたところ目を疑わんばかりのトピックが飛び込んできました。そらもう思わず「ちょっと里保ちゃん、何やってんすか、あなたー!?」と、往年のデリ君*1口調で驚いてしまいましたもの。

何でも、スーメタル、モアメタル以外にもう一人のメタルが登場してきて、それがどうやら「鞘師」っぽいって話で大騒ぎになっている。これもう完全に乗り遅れました。バカ正直にtiny tinyなんかをフルタイムで見ている場合ではありませんでした。少なくとも「世界の料理コーナー」は飛ばしておくべきだった。大慌てでネットを駆使して事の真偽を確かめようとするも、どうにも情報が錯綜していて何だかわからない事になっている。

199 名前:Anonymous (アウアウカー Sa05-NldL)[sage] 投稿日:2019/06/28(金) 20:31:41.00 ID:5sYUCJrAa
鞘師は腕に大きなホクロあるから会場(いるやつは見てみ
右手の真ん中より手首より

おれは双眼鏡で確認したけど
ばっちり鞘師だった

戦争で生き別れた我が子をホクロや火傷痕で確認するみたいな、まるでドラマや映画のような話になってますけど、本当ならかなり確定的な情報です。 逆に釣りでやってんなら飛んでもない知能犯ですよこれは。しかし頑なに「ガセ」を強調する勢力なんかもあったりして全く予断を許さない状況です。謎の3人目はカメラにあまり抜かれなかったとかで現地組すら意見の分かれるなか、日付が変わる頃ついに謎のサポートダンサーの正体は判明します。

www.nikkansports.com


事情のよく分からない人からすれば「ふーん」てな案件でしょうが、そのバックグラウンドを知る者たちにとっては驚愕のの超展開みたいな話ですよこれ。報じている記者さんの文章からも興奮を隠せない様子がヒシヒシと伝わってきます。

実は、センターでボーカルのSU-METAL(中元すず香=21)と鞘師は同じアクターズスクール広島の出身。同世代であり、「ダンスの鞘師、歌の中元」とも称されたライバルだった。

「ダンスの鞘師、歌の中元」とも称されたってマジかよ!!何だか原作・梶原一騎みたいな逸話じゃないですか!!というか昔「狼」の鞘師がらみのネタスレで、この手の創作ファンタジーのたぐいが山ほど作られていたような…。俺も結構書き込みましたよ、この手の「鞘師伝説」的なやつ。

これ実際、当時を知る古参ASHヲタからすりゃ「言われてねーよそんなの」てな話でしょうし、当事者2人とも親しい関係にあるという「段原姉」からすれば「初めて聞きました ♪」となってしまうのも仕方ありません。しかしフレーズとして妙に収まりが良く、思わず使ってみたくなる秀逸さは如何ともし難い。実際2人より少し下の「マリアル」*2世代からは「里保ちゃんとすずちゃんはずっとトップにいて、ふたりでASHを引っ張ってる感じでした。(石野理子)」「キッズクラスに4歳と6歳で入ってるんですけど、そのときからダンスがめっちゃうまくて、里保ちゃんはASHの中のトップって感じでした。(杉本愛莉鈴)」なんて証言もあり、まんざら嘘とも言いきれない部分もある。

かつて地元広島の同じスクールで同時代を過ごしながら、片やアミューズさくら学院」「BABYMETAL」片やアップフロントモーニング娘。と、それぞれの道が別れてこのかた雑誌等での対談はおろか、テレビやラジオで共演する事も、同じステージに立つ事も、公の場でお互いについて触れる機会すら無かったわけですよ。そりゃアナタ、遠いスクール時代に思いを馳せ、この悶々とした純情な感情を「創作ファンタジー」にぶつける事くらいしか出来やしないじゃないですか。

だからと言って、いくら妄想たくましく夢見がちなヲタですら「あの鞘師がベビメタの衣装を身にまとい、神バンドの演奏をバックに中元すーちゃんの横で踊りまくる」なんてファンタジーは余りにもファンタジーが過ぎるというものです。夢か現か、そんな嘘みたいな事がその日の「横浜アリーナ」で現実のものとなりました。事実は小説より奇なりなのです。籠池さんあなたの言う通りでした。

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「歌の中元」

ネット周辺の書き込みを見ると「歌の中元」に対する疑問点として、そもそも当時の「ASH」内で中元すず香が歌に関してそこまで突出した存在だったのか?なんて意見があります。具体的な名前を上げて当時のスクール生では誰が上手かっただのと「古参ASHヲタ」からすれば言いたい部分もあるのでしょう。今も昔も「ASH」といえば歌自慢の宝庫ともいえるスクールで、その手の歌うまカラオケ番組の常連なんかも多数輩出しており、なかには「我軍の歌姫」*3みたいなやつまでいて枚挙にいとまがない。単純にテクニカルな意味での「歌唱力」を比べてしまえば、そりゃまあ、そうなのかも知れません。

メイトのみなさん。最近では「THE ONE」なんて呼ぶんですかね。世のSU-METAL信奉者からすれば聞き捨てならない話ですよ。現在の世界的成功があるのもメインボーカルたる「すぅちゃん」の高い歌唱能力があればこそ、世界の中元なめんなよと。まあ大筋では間違っちゃいない。しかし幾ら言葉を並び立て、時に専門用語を織り込みつつ彼女のボーカルをテクニカルな側面から賛美しようとも、それだけで説明できない部分がある。「天才的歌唱力」みたいな安易な言葉で単純化するのも何か違う。

よく言われる「少年少女合唱団」のような澄んだ透明感のある歌声。伸びやかでツーンと耳に突き刺さる、時にキンキンと青臭い少女みのある歌声。その特性を幾ら言葉にして並べ立てたところで、それって別に「中元すず香」だけに当て嵌まるわけでも無いし、同様の特性を持つ歌声の持ち主は他にいくらでもいるはずです。結局のところ中元すず香のあの声は「あの声」としか言いようが無い。そして「あの声」だからこそな部分が確実にある。言語や人種の壁を超えて人を魅了する何かがあるはずです。

よく「鳥」とか「虫」なんかが嫌がるような、人間の耳では聞こえないレベルの周波数みたいなやつあるじゃないですか。これって、つまり中元さんの「あの声」にも世界中の「メタル親父」を図らずも呼び寄せてしまう音波的な何かが、人間には聞こえないレベルで何してる可能性だってあるわけですよ。これはもう「アース製薬」さんあたりが介入せざるを得ない案件になってくる。とにかく「BABYMETAL」に関しては、本格的に海外進出する前からすでにゴリゴリの海外メタラー風情がライブ会場を跋扈していたり、楽曲PVのコメント欄が他国の言語で溢れかえっていたりと、かなりの初期段階からワールドワイドな展開を予兆させるものがありました。

BABYMETALの楽曲は基本日本語で歌われており、海外を意識して「全編英語」で作られているわけでも、海外の音楽トレンドを過剰に意識したものでもありません。メタルサウンドを下敷きにしながらも曲調は多岐にわたっており、むしろジャンルに捕らわれないオンリーワンな世界観を構築しています。そして、そこに通底するのは「あの歌声」だけなのです。つまり「歌の中元」の「この歌声」です。


nakamoto suzuka sakurairo no avenue

ご存知さくら学院のナンバー「桜色のアベニュー」です。しかしどうでしょう。見紛う事なき「あの歌声」による良質な楽曲ながら、このフォーマットをそのままの形でお送りしたところでグラストンベリーのステージに立つどころか国内においても一部の好事家から激賞されるのが関の山。海外メタラーからすれば「日本の女学生がキュートな美声を響かせている」としか映らないんじゃないでしょうか。というか、その存在に気づきすらしないでしょう。

つまり何が言いたいのかというと、神田川俊郎先生の「ちょっと工夫でこの美味さ」じゃないですが、コバメタル氏によるアイデア『少女の美声とメタルサウンドの融合」みたいなものを軸として組み上げられた「1ボーカル2スクリーム」なフォーメーション。両サイドに菊地最愛水野由結を配した、あのBABYMETALの様式があればこそ「歌の中元」の歌声もまた七つの海を越えて世界に響かせる事が出来たのだという話がしたかったんですね。

水野由結の離脱

 昨年の「YUIMETAL脱退」の報ではじめて水野由結が体調不良を理由に長期間ベビメタの活動から離れていた事を知ったレベルの「IDZ」から「メギツネ」あたりの時期に概要を少しなめた程度のハロヲタ風情ながら、由結ちゃん不在で行われた、いわゆる「ダークサイド期」の陣容による「BABYMETALの今」を動画サイトなどで確認して正直驚いたわけですよ。何が驚いたって菊地最愛が随分と大人っぽくなっている。いつまでも中学2年生くらいのイメージでしたが、よくよく考えてみりゃ「ゆいもあ世代」ハロプロ換算すると「まぁーどぅー世代」なわけでして森戸知沙希川村文乃とも同世代という事になるというね。光陰矢の如ごとしですよまったく。

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身体的な成長は別にして、ダークサイド感あふれるメイクや衣装。そしてプロダンサーを配した新たな陣容。やはり、どうしても「ベビメタ」の様式として長く刷り込まれたトライアングルなバランス感が失われた事に違和感を感じざるを得ませんでした。

これを「進化」や「飛躍」と捉える事も出来ましょうが、やはり「YUIMETAL」不在による「混沌」や「迷走」を具現化するかのごとく、片翼を失った飛行機がグルグルと旋回しながら落ちてゆくがごとき暗澹たる感情に苛まれたとしても仕方ありません。そういった意味でもメイトの皆さんにとって、この日の「横浜アリーナ」から始まった「メタルレジスタンス第8章」には期するものがあったでしょうし、世界が注目していたと言っても過言ではないでしょう。

そんな事とはつゆ知らずビヨーンズの「西田汐里」なんぞにうつつを抜かしていた私は完全にメイト失格です。でもやはり鞘師里保の名前を聞くにつけ居ても立ってもいられなかったのです。ファンカム動画から切り取られたと思しき不鮮明な検証画像に目をこらし、ユイメタポジに配された謎のサポートダンサーの姿を目を皿のようにして追いかけちまうわけですよ。そのいかにも「わんこそば」をたくさん食いそうなガタイの良さ。シジミのような鋭い眼差し。間違いようもありません。ダンスの里保ちゃんが帰ってきたのです!!!

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※このあと鞘師に関してもアレコレ書いて、最終的に上手くまとめてこのエントリーを軟着陸させようかと思っておりました。しかしながら猛暑の影響もあり「鞘師」部分が遅々として進まないうえに、とにかく書きしろが湯水の如く溢れかえってきて長文が過ぎると、いくぶん気候が涼しくなってきてようやく気づいた次第です。なので一つのエントリーにまとめる事はひとまず断念いたしまして、この後は(ダンスの鞘師篇)に続くという事にして一旦仮眠を取らせていただきます。

それでは、「See You」

新世代の胎動と「娘。'19 LOVEオーディション」

夏草や兵どもが夢の跡。いかがお過ごしでしょうか。

ネット環境を完備されている方なら既にご存知のように、赤羽橋ハロプロ本陣(パシフィックヘブン)よりお届けされたYouTubeライブ配信番組「ようこそ!モーニング娘。'19 新メンバーお披露目特番!」において、ついに「15期メンバー」の全貌が明らかになりました。


ようこそ!モーニング娘。'19 新メンバーお披露目特番!

数々の予想、憶測、偽リーク情報が飛び交うなか、難関を突破して15期メンバーに選ばれたのがこちらの3名。

北川莉央 (きたがわ りお)東京都出身 高校1年生 15才
岡村ほまれ(おかむら ほまれ)東京都出身 中学2年生 14才
山﨑愛生 (やまざき めい)北海道出身 中学2年生 13才

知らない子が2人とハロプロ研修生北海道からの1人。唯一の知ってる子は「北研」最年少メンバー、ザキメイこと「山﨑愛生」ちゃんでした。

発表前日に書いた15期予想エントリーの中で、あれこれ御託を並べつつ最終的に到達したファイナルアンサーがこちらの2人。

清水紗良(ASH)

米村姫良々(ハロプロ研修生

どうでしょうかね。まあ細かい事を抜きにすれば、ほぼ当たりと言っても問題ないでしょう。 

lin2t.hatenablog.com

過ぎたことを悔やんでも一銭の得にもなりません。さっそく上記エントリーを「再検証」がてら読み直してみたところ、まず内容より何より誤字脱字の多さや文法的におかしな部分が目について仕方ありませんでした。これ15期発表までの時間が迫るなかで、ろくに見直しもせず一気に書き上げちゃったもんだから目に余るものがありました。さすがに気になった箇所は編集画面でポチポチと修正することにしたのですが、物はついでとばかり最終結論もこんな感じで修正しちゃおうかしらと妙な考えが頭をもたげ…

一般からの合格者2名

山﨑愛生(ハロプロ研修生北海道

紙一重のところでギリギリ踏みとどまりました。これは危なかった。危うく悪魔に魂を売るところでした。清水健太郎さんの気持ちがようやく分かったような気がします。

冗談はさておき、自分で言うのも何ですが「読み」自体は大筋で間違っちゃいないと思うわけですよ。最終的な答えを導き出す過程において、どこかでボタンの掛け違いが起こってしまったようです。このあたりを再検証していきしょう。

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今回の娘。15期オーディションは12期の尾形春水」「野中美希以来となる約5年ぶりの一般合格者が誕生しました。ここ数年来続いてきたハロプロ研修生からの昇格者偏重の流れを断ち切ってモーニング娘。内の一般合格者比率をわずかながらも押し戻した結果になります。そんな大層なことでも無いように思われるかも知れませんが、割と重要なポイントだと思うわけですね。

かつてのモベキマス時代のハロプロ「娘。オーデ合格者」*1モーニング娘。ハロプロキッズBerryz工房℃-uteハロプロエッグ真野恵里菜スマイレージというように、そもそもの出身母体が異なるグループによって構成されていたわけですね。モーニング娘。と他のハロプログループでは最初から出自が異なっていた。

しかし2010年のハロプロエッグ再編成を経て、つんくによる「譜久村降りといで!」以降その壁は崩され、研修機関であるハロプロ研修生を軸として構築された今に至る「ハロプロ」の流れが出来上がるわけですね。モーニング娘。も「オーディション合格者」と「内部昇格者」が内在するグループへと変貌を遂げる事になる。そして年を追うごとに娘。内「研修生率」は上昇の一途をたどり、13期に至っては一般参加者からの該当者なし、研修生からの昇格者のみという結果に終わります。

ハロプロメンバーが倍増した2014年の「研修生大量昇格期」以降に加入した現役メンバーで純然たる「娘。オーディション合格者」野中美希ただ一人。その大半を研修生出身者が占めているわけですから、メンバー構成上「こぶつば」と大して変わりません。原材料は同じなのにパッケージだけを変えた商品というか「カップヌードル」と「スープヌードル*2の関係というか。これではモーニング娘。と他のハロプログループの違いが単なる「看板」の違いとの誹りもまんざら嘘とは言いきれない。モーニング娘。モーニング娘。たらしめる最大のファクター「オーディション合格者」のグループ内含有率向上は急務であり、もはや「待ったなし」といえる危機的状況にあったわけです。

ここまで長文で力説しておいてアレですが事務所的には「たまたまやで」という可能性もあるのでこれ以上は言及しません。いずれにせよ過去オーデでの度重なる「該当者なし」の影響か、単純に少子化によるものかは分かりませんが、少し寂しいオーディション参加者「約4500人」の中から2人の「一般合格者」が誕生しました。

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岡村ほまれ

久しぶりの義務教育メンバーとなる東京都出身の中学2年生。「ほまちゃん」「ほまほま」「ホマ・オカムラ」どのように呼ばれるのかは分かりませんが、スラリとしたモデル体型で、CMとかに出てきそうな分かりやすい美少女といった風貌。 というか実際に「キッズモデル」やら「テレビCM」やら、並の「ハロプロメンバー」より芸能人らしい活動経歴の持ち主である事が光の速さで判明しました。彼女は「多摩っ子バブルス」なる組織で幼少期より様々なダンスを習得していたようで、グラサンの番組では高いヒールをもろともせず堂に入った「タップダンス」を披露していました。これまでタップといえば小片リサみたいな所がありましたが、これはどうも完膚なきまでに叩きのめされたようです。

しかし当然のことながら、オーディションに参加した4500人の中には彼女のように幼少期から子役的活動を経験してきた、芸能志向の強いタイプの子たちが山ほどやって来たはずです。なのに何故「ほまぴっぴ」にのみ白羽の矢が立ったのか、どうしてアップフロント首脳陣が「ほまちゃんちょうだい!」となってしまったのか。その答えは「モーニング娘。’19コンサートツアー秋(仮)」まで今しばらくお待ち下さい。

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北川莉央

15期メンバー発表直後からホットな話題を提供した東京都出身の高校1年生。何でもSNSで荒ぶっていたとかで「あかねちんが泣かされちゃう!」と素行に対して不安視する向きもありましたが、逆に考えると「芸能活動」からは縁遠い普通の学生生活を送ってきた証左みたいなもんですからね。そういった子をあえて取ったとも解釈できるわけです。年齢的にもこれまで「最年少」だった羽賀朱音と、これから「最年少」になる2人のちょうど中間的なポジション。高校生加入といえど現在の「ハロプロ」でいえば「西田汐里」「江口紗耶」と同級生にあたる年齢で、尾形春水が入った時の鞘師里保」や「宮本佳林なんかと比べたら随分と若手感がありますね。ちなみに西田が13期1回目、江口が13期2回目の娘オーディションを経由して「ハロプロ研修生」に加入した事を考えると、このタイミングで合格を引き当てた「北川」の強運ぶりが窺われるというものです。

「和風うす顔系ハロプロ顔」の系譜にある端正な顔立ちで、あのグラサンが一歩リードしていると謎の太鼓判を押してしまうぐらいヲタ好きするビジュアルの持ち主。しかし「歌が得意」と自称する反面「ダンスの経験が無い」というネックも抱えています。年下の同期2人が経験者なだけに相当な苦戦を強いられる事が予想されますが、その壁を乗り越えて「歌割り」をたくさんゲット出来るのか、はたまた新番組「北川莉央のVSゴルフ」のお知らせがあるのか。その答えは「モーニング娘。’19コンサートツアー秋(仮)」まで今しばらくお待ち下さい。

「娘。'19 LOVEオーディション」合格者、予想と総括。

結果としましては、ヲタの情報網に掛からなかった未知なる一般合格者が2人。それぞれ経歴やタイプの異なる「岡村ほまれ」「北川莉央」の2人が15期メンバーとなりました。いずれも東京都出身であり、アクターズスクール広島の「清水さん」という私の予想とは、その方向性からして全く逆のベクトルを持つものであったわけです。

冷静に分析すると、大きな世代交代の波であった9期加入時の鞘師里保のイメージを同じASH出身の「清水紗良」に重ね合わせてしまった部分が大きかったような気がします。西国から次世代のエースがやって来てグループを新たな時代へと導いてくれる的な「ハロプロ貴種流離譚」のような夢を見てしまったのでしょう。その根底には鞘師卒業以降空席のまま残されたポジションを埋めてくれる「エース待望論」的な思考が少なくとも働いていた事は認めざるをえません。未知なる15期メンバーに鞘師の幻影を見た、夏の日の幻であったと結論づけられるわけですね。Mr.サマータイム的な意味において。

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山﨑愛生

一般合格者が2名となった事で、いわゆる内部昇格者であるハロプロ研修生からの昇格は大変な狭き門となりました。たった1つ用意された「15期メンバー」の椅子に座ったのは「ハロプロ研修生北海道」最年少メンバー「山﨑愛生」ちゃん中学2年生でした。世のハロヲタが夢中になって予想に明け暮れた、その正解が彼女だったというわけです。

予想というのはつまり自身の願望ではなく、いかにアップフロント首脳陣が15期に求めているビジョンを的確に読み切れるかの作業みたいなものといえるわけです。今現在のモーニング娘。’19」は人気的にも興行的にも過不足無く充実しており、数多いる女性アイドルグループの中でも取り分け女性からの支持が厚い事でも知られています。実際、今の良い感じのバランスを崩してまで新メンバーを入れる事に必要性を感じないなんて意見も散見される。

そういった中で、今現在のグループに融合するメンバーというよりも、次の一手を睨んだ次世代を背負うメンバーとして「ザキメイ」が浮上したという事なのでしょう。このあたり事務所サイドも「パンダさんパワー」やら、今でこそ多少マシになりましたが初期「北研ラジオ」で見せた壊れたロボットみたいな喋り方といったトリッキーなキャラクター性に惑わされること無く、冷静にパフォーマンス面での非凡な才を見極めたうえで下された結論だと思われます。

彼女は過去2回の「実力診断テスト」で、いずれも自身の特技をパフォーマンスに取り入れるといった試みを敢行しています。2018年は得意の英語を全面に押し出した「Wonderful World (English Ver.)」で歌唱賞を獲得。今年は習っていたという器械体操をパフォーマンスに取り入れた「夢幻クライマックス」で挑みました。つまりイントロや間奏部分でマイクをいったんステージ上に置いて、ひとしきりマット運動の技を披露してから再びマイクを拾って歌い出すという方式です。これはもう風見慎吾さんの「涙のtake a chance」以来じゃないですかアクロバットと生歌のハーモニーなんて。しかし直線的にベストパフォーマンス賞を狙う上では蛇足のような気がしないでもない。何だけど、そういう所にサービス精神を盛り込んでくる心意気は嬉しかったりするわけですね。

前回のエントリーで昇格メンバーは「遊び要素の少ない直球ストレートな人選をしてくる」と予想していましたが、確かにザキメイが一番速い球投げられるやつでした。これは完全に見逃し三振です。

新たなグループ誕生の可能性について

大きな読み違いとして「15期」が現行メンバーとは年の離れた次世代メンバーであるにも関わらず、完成されたグループに融合するための突破口として「米村姫良々」の重要性を考えていた点にあります。つまり「5期」や「12期」の時のように先輩メンバーにたいして萎縮してしまう事への危惧から「きらら」を最良のチョイスとして有能な調整役と捉えていたわけですね。しかし実際は「同世代の後輩」というわけでもなく「15期」は年の離れた後輩ポジであり猶予期間は十分にあるわけですから、そこまで重要視するポイントではありませんでした。あとやはり願望としてキララが娘。で暴れる姿は見たかったというのが正直な思いです。

さて、 唯一のモーニング娘。15期メンバーの椅子が「北研」に渡った事によりハロプロ研修生はそっくりそのままの形で残されたわけです。一連の昇格人事で3人の昇格メンバーを排出した「北研」もまた15期を有力視されていた「石栗奏美「佐藤光」そして活動休止中ながら「みのりんご」もまだ控えている。

現在のハロプロ「新グループ」を立ち上げるには非常に困難な状況にあると思われます。これは人員的にもグループの数的にもアップフロントの運営能力的にもフルハウスといえる状態にあるからです。しかし、その一方で現行抱えているハロプロ研修生のラインナップを見るにつけ、どう考えても新しい箱の立ち上げは不可避だと考えざるを得ない状況にある。

グラサンの番組で一般合格者の口から「娘。'19 LOVEオーディションでは合宿審査が行われていた事がサラリと明かされていました。当然これ「北川」と「岡村」の2人だけが参加したとは考え難く、あと一歩で「15期」に届かなかった他の合宿参加者の存在を示唆するものと捉える事が出来る。6月の研修生発表会では東名阪各会場で父兄同伴で見学に来たと思しきハロプロ研修生30期」の存在も確認されています。

11期オーディション参加メンバーから本格化した、オーデ参加者の横滑り式ハロプロ研修生加入システム。この時に加入したのが牧野真莉愛」「加賀楓などの17期。別ルートながら17期として加入した金澤朋子を最後のピースとして立ち上げられたのが「Juice=Juice」という事になる。

12期は2回目のオーディションで合格者が生まれ、その合宿メンバーだった浅倉樹々」「谷本安美」「小野田紗栞が研修生に加入します。また同時期に活動を終了していた「NGP」から小片リサら「ナイスガールトレイニー」のメンバーも合流します。彼女たち22期を最後のピースとして立ち上げられたのがつばきファクトリーです。

メジャーデビューを目前に控えた「BEYOOOOONDS」を構成する2つのユニット「雨ノ森 川海」「CHICA#TETSU」それぞれ研修生歴的には「島倉りか」「江口紗耶」「岡村美波」がもっとも後からハロプロ研修生に入ってきたメンバーになります。これが2度目の13期オーディションの後に加入してきた27期。研修生的には最後のピースとなりますねこれ。

今回のオーディションは合格者を生み出しました。そして、おそらく9月の研修生発表会でお披露目されるのが「研修生30期」です。皆までは言いませんよ。いろいろ考える事はあるでしょうが、少なくともこの「30期」の顔ぶれをじっくり見定めてからでも遅くは無いと思うわけですよ。おそらく西口さんも同じ気持ちのはずです。彼はそういう男です。

*1:藤本ミキティーや中国人留学生という特例はあったにせよ

*2:今は「あっさりおいしいカップヌードル」という商品名に変わったらしいです。