ウクライナの詩人オスタップ・スリヴィンスキー作、ロバート・キャンベル訳著『戦争語彙集』を読みました。岩波書店から2023年12月22日発売の本です。1978年ウクライナ西部の都市リヴィウに生まれたスリヴィンスキーは、詩人として幅広く活動していました。2022年2月のロシアによる侵攻後、まず軍隊に入ろうと志願したそうです。しかし多くの志願者がいたため入隊はかなわず、戦争被災者を支援する活動を続けていました。その中で出会った人々が語る言葉に耳を傾け記憶し、家に帰ってそれを原稿にまとめ、2022年に"СЛОВНИК ВІЙНИ”(ウクライナ語。英語にすると"Dictionary of War")というタイトルで出版しました。本文には21人の語った77の言葉と物語がまとめられています。すでに何か国語にも翻訳されているそうです。