させていただきました

がんばらない敬語 相手をイラッとさせない話し方のコツ

「させていただきました」の乱用に前からずっと違和感があったのだよ。長めの休みから職場に戻ったときに「おかげさまで、のんびりさせていただきました」は良い。自分がいなかったときのフォローをしてもらっていたからね。でも「新曲を出させていただいて」とか「出演させていただいたドラマが」は、誰にいただいたんだよと。少なくともこの話を聞いている人ではない。もちろん楽曲やテレビの関係者のお世話にはなったのだろうが、そこはギブアンドテイクで貸し借り無し。そして視聴者にとってはタレントと同じ向こう側の人でしょ。すると身内に対してへりくだっていることになるよね。ビジネスマンが客と話をしているときに「このたび新しいプロジェクトを任せていただだくことになりました」だと変でしょ。私の疑問に触れている記事(実際は本の紹介)があったよ。

www.lifehacker.jp

例を抜粋すると

1.「田中様でございますね。取り次ぎますので、少々お待ちください」

2.「拝見させていただきます」

3.「このたび、本を出版させていただきました」

1の「ございます」はへりくだって自分に付ける。「いまだ独身でございます」「いまは無職でございます」みたいに。2は前にも書いたような気がするが「拝見」がすでに敬語なので二重敬語になる。正しくは「拝見します」か「確認させていただきます」。3が私の疑問だったが、まちがいではないとしながらも

「とにかくなんでもいいからへりくだっておこう」という、相手に対しての敬意よりも自分の保身のために使われる傾向が多く、そのニュアンスが鼻につく

そうそう、これだよ。鼻につくんだよ。さらに

「させていただく」のサ行が摩擦音によって発音されているため、音として過剰に耳につくという、物理的な側面

これはよくわからなかった。「相模湖を再開発させていただきました」とか最悪だな。この本の著者はテレビに出るマナー講師と違って「間違った敬語を使うくらいなら、むしろ使わないほうがいい」と不必要に堅苦しい表現を避ける方針みたい。現役の人は読んでみて。