「アジアン・ライブズ・マター」のようなBLMからの派生標語を「避けるべき」理由

2020年6月23日 - 3:25 PM by admin

ふたたびブラック・ライブズ・マター(BLM)運動に関連して、わたしがとても大切だと思うけど、ツイッターで説明しようとしたところ、あまりうまく伝わらなかったと思うことがあるので、もう少し丁寧に説明してみようと思う。なお、BLMの日本語訳としては、人類学者の竹沢泰子さんの案「黒人の命を粗末にするな」が良いと思うので、ここではそれを採用する。竹沢さんについては、「『慰安婦』問題と未来への責任 日韓「合意」に抗して」(2017年、大月書店)に寄稿した文章において、「慰安婦」問題に関連して彼女が米国でおこなったことをわたしは批判しているが、それは別としてBLMの訳はこれまで見てきたものの中で一番語弊がなく、本質を表していると思う。 Read the rest of this entry »

メモ:日本の主要政党の規約を読んで、日本国籍がなくても党員になれる政党はどこなのか調べてみた。

- 2:57 AM by admin

ちょっと気になったので、日本の主要政党で党員資格を日本国籍を持つ人だけに限っている政党と、在日外国人などに党員資格を開いている政党がどこなのか、軽く調べてみた。対象としたのは原則的に、ウィキペディアの「日本の政党一覧」のページに載っている、日本の国会に議席を持っている政党。 Read the rest of this entry »

メモ:ジョージ・フロイド氏殺害事件を契機とした全国の抗議行動による現在までの成果リスト

2020年6月11日 - 9:05 AM by admin

しばらく放置しているブログですが、2020年5月に起きた白人警察官によるジョージ・フロイド氏殺害事件およびそれを契機に全国に広がった抗議行動の結果生み出された成果をシカゴの活動家グループRampantがリストにしていたので紹介します。元記事は「蜂起は結果をもたらす--これまでのリスト」。 Read the rest of this entry »

「歴史の真実を求める世界連合会」(GAHT)による連邦控訴審判決への不誠実極まりない 「抗議声明」

2016年8月5日 - 12:27 PM by admin

八月四日、産経新聞や日本の右派が支援する団体「歴史の真実を求める世界連合会」(GAHT)がカリフォルニア州グレンデール市の「慰安婦」像の撤去を求めていた裁判で、連邦控訴審による判決が出た(判決文PDF)。

内容的には、過去に報告してきた連邦裁判所及び州裁判所の第一審判決と似たり寄ったりであり、とくに解説する必要もないかと思ったのだけれど、GAHTが発表した「米国連邦裁判所第9巡回区控訴裁判所8月4日に判決への抗議文」があまりにデタラメで、いくらなんでもGAHTの裁判費用を支援している日本の支持者たちがかわいそうなので、説明したいと思う。 Read the rest of this entry »

『中国人慰安婦』には「捏造された記述」がある、という高橋史朗氏の指摘が捏造じみている件

2016年7月22日 - 3:31 AM by admin

ここのところ日本の「慰安婦」否定派のあいだで(てゆーか、その中でもとくにテキサス親父とか幸福の科学みたいなフリンジではなく、日本会議に関係するような有力な人たちのあいだで)、二年前にオックスフォード大学出版から出された『Chinese Comfort Women(中国人慰安婦)』という本が批判的に取り上げられることが多くなっている。

たとえば櫻井よしこ氏が自身のサイトに掲載した(初出は『週刊新潮』2016年7月21日号らしい)コラム「中国人慰安婦問題も日本発か」では、この本について「西岡氏ら5人の研究者で構成する『中国人慰安婦問題研究会』が分析し、『中国人慰安婦問題に関する基礎調査』として、6月17日に発表した」と書かれている。わたしもちょうどこの本を読んでいるので、参考のためにできたらこの「基礎調査」をどこに行けば読めるのか誰かに教えて欲しいのだけれど、とりあえずかれらが『中国人慰安婦』という本に相当の関心を寄せている、警戒している様子がうかがえる。(8/17追記:この記事を発表した後に、日本会議と関係の深い団体日本政策研究センターのサイトで公開された。) Read the rest of this entry »

HIV/AIDSの検査を呼びかける啓蒙活動が「暴力」になるとき

2016年4月18日 - 8:58 PM by admin

今日4月18日は、シアトルで、National Transgender HIV Testing Dayというのに関連したパネルがあったので参加してきた。これはカリフォルニア大学サンフランシスコ校のCenter of Excellence for Transgender Healthというところが提唱したもので、トランスジェンダーの人たちがもっとHIV検査を受けられるような環境を整えよう、みたいな話。今年が初めての開催で、各地でイベントが開かれたが、来年以降も毎年行われるらしい。

トランスジェンダーの人たち、なかでもとくに白人でないトランスジェンダーの女性たちの多くが、無職であったり、ホームレスだったり、性労働をしていたり、日常の辛さに耐えるためにドラッグをしていたりして、HIV感染のリスクがとても高いとされている。だからもっと検査や予防や治療を呼びかけよう、みたいな日だ。 Read the rest of this entry »

「慰安婦」否定論・ホロコースト否定論と、しょーもない現実改竄/家族の絆を守る会&日本近現代史研究会・細谷清氏へのお応え

2016年4月8日 - 9:24 PM by admin

先日、ニューヨークで開催された国連女性の地位位委員会に関連して開かれたNGOフォーラムで、歴史の真実を求める世界連合(GAHT)代表の目良浩一さん、元衆議院議員の杉田水脈さん、家族の絆を守る会(FAVS)と日本近現代史研究会の細谷清さんが「慰安婦」否定論を宣伝するパネルを開催した。わたしは現地にてパネルに参加した仲間から録音をその日のうちに入手して、その内容をツイッターで紹介したのだが、その内容について発表者の一人である細谷清さんからブログにおいての「反論」があったので、今回はそれにお応えする。

この数年間、米国に進出してきた「慰安婦」否定論者についての記事を自分のブログやその他の媒体に書いてきたけれども、それに対する否定派からのリアクションは、セクシズム(外見やセクシュアリティに対する攻撃)やレイシズム(なんの根拠もなくわたしを韓国人や中国人だと決めつけ攻撃)を丸出しにした人格攻撃・個人攻撃がほとんどだったのに対し、細谷さんは初めて議論の内容についてきちんと反論をしてきた。この点については、細谷さんに感謝したい。もっとも議論に対して議論で応えるというのは当たり前のことであり、そんな当たり前のことをしただけでこちらが感謝したくなるほど、細谷さんのお仲間の言動はこれまで酷かったという意味でもある。 Read the rest of this entry »

メモ:『日之丸街宣女子』作者の富田安紀子氏が「日本人いじめはフィクション」と明言

2015年9月3日 - 1:28 AM by admin

数日前、ツイッターでヘイト漫画『日之丸街宣女子』の作者・富田安紀子氏と少しだけやり取りをする機会があった。その詳細は別の方によってTogetterにまとめられているが、今後のための資料としてブログにも記録を残しておく。 Read the rest of this entry »

古森義久氏「歴史学者187人の声明は反日勢力の『白旗』だった」を検証する

2015年5月12日 - 10:02 PM by admin

先週発表された、北米をはじめとする各国の日本研究者ら187人による「日本の歴史家を支持する声明」について、産経新聞ワシントン特派員の古森義久氏がアクロバティックな解釈を公言している。かれによると、あの声明は米国の歴史家たちが三月に公開した声明文に比べて「反日的」な主張が大幅に後退させられており、実質的に「反日勢力の『白旗』」なのだ、というのだ。 Read the rest of this entry »

世界の日本研究者ら187名による「日本の歴史家を支持する声明」の背景と狙い

2015年5月9日 - 1:04 AM by admin

米国をはじめとする海外の日本研究者ら187名が、連名で「日本の歴史家を支持する声明」を発表した。

内容よりもまず注目すべきは、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』のエズラ・ヴォーゲル氏、『敗北を抱きしめて』のジョン・ダワー氏、『歴史としての戦後日本』のアンドリュー・ゴードン氏、『歴史で考える』のキャロル・グラック氏、『国民の天皇』のケネス・ルオフ氏、『天皇の逝く国で』のノーマ・フィールド氏ら、学問的にトップクラスであるばかりか米国のアジア政策にまで影響を与えるような名を知られた大物が、ほぼ全員名を連ねていること。わたし自身も署名したが、あとになってリストを見ると、わたしなんかが入って本当にすみません、と謝りたくなる気分だ。権威主義的だと言われるかも知れないが、これだけ有名人が揃うと壮観。そして、この声明が発表されたことが、尋常ならぬ事態だということが分かる。

声明は、安倍首相が日本の総理としては史上初となる米国議会の両議院総会での演説を行った一週間後に発表された。その中で表明されているのは、首相がこれまで日本軍「慰安婦」問題の解決を求める声を無視してきたばかりか、その史実を覆そうとする歴史修正主義的な動きを明白に後押しするような一連の行動への失望だ。 Read the rest of this entry »