●安くなった液晶テレビ
2005年夏あたりから続々と登場しては価格破壊を繰り返す32型液晶テレビ。
元々格安薄型テレビは「バイ・デザイン」のお得意分野であったが、今や海外勢やデバイスメーカーなどから液晶テレビを出すケースが増えている。
液晶パネルさえ入手してしまえば後は比較的小さな会社であっても製品にしてしまう事ができる点から家電メーカー以外から続々発売するようになってきた。
ただし家電メーカーの同サイズでは2011年からのデジタル放送を視聴する為に必要なデジタルチューナーの搭載が当たり前となっているが、このような格安テレビでは搭載されていない。
とはいえ、ハイビジョン対応液晶パネルにインターフェイスも備えているので、チューナーされ購入してしまえばデジタル放送をハイビジョンで楽しむ事がもちろん可能となっている。
アナログ放送もまだまだ現役なので今、あえて高価なデジタルチューナーは必要なかったり、DVDの視聴が主な方にはデジタルチューナーは余分な上、高額な出費となってしまうので基本性能がしっかりしているのであればこういったデジタルチューナー非搭載の格安テレビの方がオススメとなる。
また、最近ではデジタル放送をそのまま録画できるHDDレコーダーが登場しており、中でも「日立 デジタルダブルチューナー搭載レコーダー「DV-DH1000W 1TBモデル」 」などではデジタルダブルチューナーを内蔵しているので2番組同時録画ができるのはもちろん、デジタルチューナー内蔵テレビのシングルチューナーと違い、ハイビジョン録画中であても裏番組がハイビジョン視聴できる点が良い。
そういった点を考えると液晶テレビを購入する際、デジタルチューナー内蔵の液晶テレビと非搭載液晶テレビの差額分を
●デジタルチューナー非搭載であるメリット
デジタルチューナー非搭載のメリットはなんといっても価格であろう。
通常家電メーカーのデジタルチューナー内蔵液晶は実売価格で20万円を軽く超える機種が多く、新製品となるとそれ以上になってしまう。
しかし非搭載の激安モデルであれば10万〜14万あたりで購入ができる。
もちろんデジタルチューナー非搭載なのでデジタル放送は視聴する事はできないが、ほとんどのモデルにはD4端子(コンポーネント)を搭載しているので別途デジタルチューナーを購入すれば高精細なハイビジョン画質でデジタル放送を楽しむ事が可能なのである。
とは言え、デジタルチューナーの価格は少しずつ落ちてはいるものの、非常に高額な商品なのでとりあえずはまだまだ現役であるアナログチューナーで楽しみ、価格が安くなってきてから購入すれば一度に大きな出費を免れる事ができる。
ただ、ここで注意したい点は、激安液晶テレビと、デジタルチューナーを同時に購入を考えているのなら多少はこちらの方が安いかもしれないがはっきり言って家電メーカーのデジタルチューナー内蔵モデルをオススメする。
なぜならテレビとチューナーが別々となってしまうと以下の欠点が出てくる。
▲リモコンが2台になり操作が複雑になる。
▲D入力端子(コンポーネント)を1つ使ってしまうので、テレビ側が1系統しかなければDVDなど接続ができなくなってしまう。
デジタルチューナーの価格が安くなってこれば以上も目をつぶれる点が出てくるが、現段階ではそこまでの差がない為、素直にデジタルチューナー内蔵テレビを購入しよう。
しかしデジタルチューナー内蔵HDD・DVDレコーダーを購入するとなると話が別となる。
デジタルチューナー内蔵HDD・DVDレコーダーとはその名前通りデジタルチューナーを内蔵したレコーダーで、ハイビジョン画質もそのままHDDに録画が可能となっており、秋あたりから続々ニューモデルも登場し、これからの主流となってきている。
容量にもよるが実売デジタルチューナー単体よりプラス3〜5万円程度でデジタルチューナー内蔵HDD・DVDレコーダーが購入できる上、デジタルチューナー内蔵テレビや外部デジタルチューナーでは不可能なハイビジョン画質をそのまま録画できる機能がある。
それだけでデジタルチューナー内蔵液晶テレビを上回る機能を持っており、DVDレコーダーも搭載されているのでたとえ1系統しか入力のないモデルを購入してもさほど不便を感じない。
中でもデジタルチューナーを2基搭載したダブルチューナーの「日立 デジタルダブルチューナー搭載レコーダー「DV-DH1000W 1TBモデル」では、2番組同時にハイビジョン画質で録画できる凄いモデルも登場してきており、しかもシングルチューナーとも価格はそれほど変わらない。
使い方によってはデジタルチューナー内蔵テレビ+デジタルチューナー内蔵レコーダーのように、デジタル録画しつつ、デジタル放送の裏番組が楽しめるように、ダブルチューナー内蔵レコーダーの「woooシリーズ」であれば同様にデジタル録画しながら裏番組を楽しむ事が可能となっているのです。もちろん裏番組を視聴していなければ2番組同時録画ができるのである。
実際デジタル放送を楽しむ人の大半はデジタルチューナー内蔵のレコーダーの購入を検討しており、そういった先の事も考えるのであれば余分出費であるデジタルチューナーを内蔵したテレビを購入するのではなく、あえて非内蔵モデルうを購入し、浮いた金額分デジタルハイビジョンレコーダーを購入する方がスマートだ。
もちろんデジタル放送などテレビは見ず、主にDVD視聴という方はデジタルチューナー非搭載モデルの購入をオススメする。
●安ければ良いってもんじゃない。やっぱり基本は大切です。
さて、デジタルチューナー非搭載のメリットを上げた次に、テレビの基本について考えてみましょう。
液晶テレビに限った事ではないが、テレビはパネル性能の問題だけで画質は決まりません。画質を左右するのは画像を出すエンジンにより大きく左右されます。
実際に同じパネルを使用している液晶であってもそのエンジンによって発色が良かったり悪かったり、動画に強くなったりとそれはメーカーさまざまであり、実際自分の目で確認するのが一番なのであるが、こういった格安液晶テレビの販売方法は主にネットなどのダイレクト販売となっているのでほとんどの場合画質を確認する事はできません。
一部のメーカーでは大型店に置いたり、ショールームのような展示場を設けたりしている所もありますが、大半の場合比較どころか確認ができません。
そういった点から大手家電メーカーの製品が並べて比較ができた量販店の売り方とは違い、中間マージンなどコスト削減で量販店に置かずダイレクト販売によってこの価格が実現しているのです。
各サイトで製品レビューなどと紹介されている記事などを参考にすると良いですが、これもメーカーが掲載した広告の場合もあり、良い事ばかり書いてある場合もあるので参考程度にしましょう。
●唯一の情報であるスペックをしっかり比較しよう。
先ほども言いましたが、激安液晶テレビの画質を実機で確認するのは困難である以上、ユーザーはカタログスペックだけしか情報がありません。
価格やデザインだけでなく、少しでも高性能な液晶テレビがいいと考えるなら必ず目を通しましょう。
エンジンの味付けなどは正直判らない点も多いですが、パネルの基本性能や入力端子などの拡張性・音質スペック・視聴場所にあわせた本体のスイングなど様々な点が確認できます。
それではカタログに良く書かれているスペックの項目について説明しましょう。
とは言え、専門家が使うのではなく、あくまでも一般ユーザーなので専門用語を少なくした簡単な解説をしたいと思います。
■解像度
通常は1366x768ドットのアスペクト比16:9だが、PC用ディスプレイを流用した1280x768(760)ドットの15:9パネルもあるので注意しよう(ここで紹介しているモデルは全て(1366x768ドットのアスペクト比16:9)です。
購入するなら1366x768ドットモデルをオススメする。なおフルスペックハイビジョンである1920x1080ドットは32型では今のところ存在していません。
■画面輝度 (cd/m2)
一定の面積から放射できる明るさの事で、数値が大きいほど画面が明るく暗いシーンでも映像が見える場合が多い。しかし単純に高いだけでは画面に白っぽさが発生し、逆に黒が浮き上がってしまい下げすぎると黒つぶれが発生してしまう。
シーンに合わせて明るさを調整するのが一番だができるだけこの数値が高い方が調整の幅がでてくる。
■コントラスト
高ければ高いほど黒はより黒く、白はより白に表現されはっきりとした発色が得られる。
■応答速度(ms)
液晶の弱点である動画による残像を数値に表した値。この数値が少ない(0に近い)ほど動きのあるシーンで残像が少ない滑らかな描画が行なえ、低いと動画は見づらく、映画のスタッフロールなどまったく読めない。
通常テレビは動画がメインなので家庭用液晶テレビではパソコン用と違い比較的応答速度が速いモデルが多い。12ms以下が望ましいが、一般的に16ms以下であればほぼ問題はないレベル。
■視野角
液晶を左右・上下から見た際はっきり見えるかどうか表す基準値で、170度以上あれば問題ない。ただし左右は広いが上下は狭いモデルもあるので注意したい。
■音声出力
音声出力のワット数を表示します。搭載されるスピーカーにもよるので一概には言えないが、このワット数が大きいほど大音量でも歪が少なく楽しめます。
■入出力端子
●D端子:D端子とはデジタル機器を接続するのに必要な端子で、中でもD4(D3)端子以上でなければハイビジョン画質を表示する事ができないので最低でも1系統。2系統以上あるのが望ましい。
●コンポーネント端子:D端子と同じと思っていただいた方が簡単です。ただコンポーネント端子を備えていない機器が多いのでD端子変換ケーブルによって変換しなければいけない機器が多いです。
●HDMI端子:次世代インターフェイスであるHDMIはデジタル機器よりデジタルで映像と音声を転送するので劣化が少ない。今後の主流になるかまだ分からないが、将来性を考えるとこの端子があるのが望ましい。
●PC接続端子:パソコンを大画面で楽しむ為の端子で、通常はアナログD-Sub15ピンだが機種によってはDVIデジタル端子搭載モデルもある。もちろん接続するPCにこれらの端子(D-subはほとんどの機種にあり)が搭載されていなければ使用できない。デジタル端子接続された場合dot
by dot表示できるので高繊細な画像で楽しめる。
●S端子:輝度と色を別々に転送するのでコンポジットに比べれると大幅な解像度アップが得られる。ただしハイビジョン映像には対応されておらず通常の映像となってしまう。
●コンポジット:いわゆるビデオ端子で、VHSデッキやゲーム機などがメインで使用されているが、今となってはそれほど使う事がなくなってしまった。
どんなモデルでも必ず装備されているが、テレビゲームなど接続や取り外しが多い機械との接続には前面入力があるモデルが使いやすい。しかし液晶テレビは実際前面ではなく側面に装備される場合がほとんですが、装備されていないモデルが多い。
ハイビジョンレコーダーやデジタルチューナーをこの端子に接続してしまうと解像度が落ちるだけでなく、ハイビジョン映像も通常の映像になってしまう。
また、S端子のある機械と接続も解像度が大幅に落ちてしまうので主な使い道はノーマルのVHS程度となる。
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