少し長い休みを取った。それ自体はさほど重要な事ではないのだけども、その期間の間に見聞きしたことの一つに「真実を布教する人間ほど危ないものはない」という文言があって、確かにそうだと感じた。
一方で、他人に何かを教えたり報告したりすることと、何かを布教することの間には一応違いがありそうで、でも地続きであるようにも感じられる。その差は何だろうと考えるに、個人の感情や正義を抜きで語れるか、というのがあるかもしれないと思った。
自分が、何かを自信をもって正しいと主張する、それをもって他人を説得しようとする。その主張に根拠があろうがなかろうが、それは布教なのだろうなあと感じる。自分が好きか嫌いかに関わらず、あることが起きていてそれを私情を交えず報告する、そこから他人が何かを感じ取る、それは布教ではないように思える。もちろん、これでもまだ厳密に分離できたわけではないけれど、少し差が見えやすくなった気がする。
何かを断定し、それを大きな声で叫ぶこと、それは布教であって、とても邪悪なものに思える。当然、単なる自分の主観なので、邪悪だ!と決めつけて叫ぶつもりはないけれど、自分の考える邪悪からは距離を取りたいとは思う。