グラカイメガクチート+先送りヤミカラス
すでに劇的な速度でさまざまな構築が考案されているVGC2016。特に最近はレパルダスの活躍を目にすることが非常に多くなったと感じています。
Generation Showdown上位構築でも多用されたレパルダスですが、嘘泣きや電磁波によるゼルネアス+ゲンシグラードン構築のミラーマッチ解決に一役買っているようです。メガゲンガーと並んでも非常に厄介なポケモンであり、非メガシンカの一般枠ですが勝ち抜くためには対策必須のポケモンになりそうです。
さて、圧倒的なパワーの禁止伝説級のポケモンが暴れまわるVGC2016ルールの中でも、ゲンシグラードン+ゲンシカイオーガ+メガシンカポケモンというのは誰もが一度は組んでみたくなる構築の1つだと思います。
ゲンシグラードンとゲンシカイオーガは共に全ポケモン中最強クラスの全体攻撃を持つ、VGC2016の中心となるポケモンたちの一角ではありますが、中途半端な素早さを持ち物でカバーすることができないため、素早さ操作が可能なポケモンと組ませるのが一般的です。
非常に派手な組み合わせとして葉緑素やすいすいとお先をどうぞを使った構築もありますが、今回は単体対象ながらより様々な状況での応用が可能な悪戯心+先送りに注目して、ゲンシグラードン、ゲンシカイオーガ、さらにはメガシンカポケモンを暴れさせる構築を目指してみました。
構築詳細
ヤミカラス@しんかのきせき(いたずらごころ)
ずぶとい:167-*-100-*-66-111
おいかぜ/さきおくり/ちょうはつ/イカサマ
グラードン@べにいろのたま(前:ひでり/後:おわりのだいち)
れいせい:(前)207-171-160-167-110-85/(後)207-201-180-222-110-85
だんがいのつるぎ/ふんか/だいちのちから/まもる
カイオーガ@あいいろのたま(前:あめふらし/後:はじまりのうみ)
れいせい:(前)207-*-111-222-160-85/(後)207-*-111-255-180-85
こんげんのはどう/しおふき/れいとうビーム/まもる
クチート@クチートナイト(前:いかく/後:ちからもち)
いじっぱり:(前)157-136-105-*-75-84/(後)157-158-145-*-115-84
じゃれつく/アイアンヘッド/ふいうち/まもる
クレセリア@オボンのみ(ふゆう)
なまいき:226-*-142-95-200-81
れいとうビーム/トリックルーム/スキルスワップ/てだすけ
ファイアロー@いのちのたま(はやてのつばさ)
ようき:153-133-92-*-89-195
ブレイブバード/ファストガード/おいかぜ/まもる
コンセプトと採用理由
コンセプトは言うまでもなさそうですが、ゲンシカイキ2種とメガクチートを豊富なS操作技を利用して暴れさせること。しかしながら追い風はトリックルームで返されるという弱点があり、この技だけをS操作の軸にするのは気が進みませんでした。
そこで大活躍するのが追い風と先送りを両立し、悪戯心によりトリックルーム時にも先制先送りが使用可能なヤミカラス。また今回の構築ではグラードン、カイオーガをいずれも最遅とし、クレセリアでトリルを狙う選出も用意しましたが、VGC2016のグラードンやカイオーガは、先発の天候の奪取や最遅でも追い風時に最速S102族まで抜ける絶妙な素早さのため、トリパ以外でも最遅同速が多発しがちなポケモンです。先送りはそのような状況でも活躍し、同速が怖いミラーマッチで安全に先制する手段になります。
ゲンシグラードンは先送りと合わせて一撃で相手のD無振りグラードンを葬ることができるC特化大地の力。ただし特殊メガレックウザの命の珠流星群耐えと被る特殊耐久ラインであり、可能であれば多少は削りを入れてから撃ちたいところ。
ゲンシカイオーガはできるだけ潮吹きを使いたいですが、高火力先制技が飛び交うルールなので根源の波動も採用。最近はカイオーガミラーも多く、水技はどちらかに絞り雷の採用を優先したいと感じることが多いです。
ここまでグラードンとカイオーガを特殊軸で採用したために、ゼルネアスへの打点に不安が残るので、メガシンカには耐性有利なメガクチートを選択しました。メガシンカ前限定ではありますが、威嚇でコンセプトのグラカイヤミカラスの物理耐久の補助もできる優秀なポケモンです。
ただメガクチートの配分はかなり悩む部分であり、追い風時にゼルネアス、イベルタル、パルキア、メガガルーラを抜けて、トリル時に最遅S90族を抜けるS84は可能な限り設定したいのですが、特殊耐久を伸ばしゼルネアスに対する安定感を高めたくもあります。アイアンヘッドを採用するなら、意地っ張りD振りで無振りゼルネアスを一発、メガ前メガ後に一発ずつジオコン後のダブルダメージマジカルシャインを耐えることが可能なようです。
最後の枠には、あまりにも猫騙しに無防備過ぎるのが気になりファストガード持ちを優先的に採用したいと考えていました。今回は、追い風・トリルからの攻めを基本としつつ、先送りによる不利なS関係を強引に突破するというコンセプトに高火力先制技のブレイブバードが合うと感じ、ファイアローを採用しました。最低限ではありますが地面・炎・フェアリーに対する後出しも可能であり、単純にグラードン・カイオーガと並べても活躍が期待できる優秀なポケモンです。
技構成のアレンジとしてはカイオーガにミラー対策の意味が強い雷、メガクチートに全体技として岩雪崩辺りが候補になります。また、ヤミカラスに守る、ファイアローに挑発が欲しい場面も少なからずありますが、お互いの特徴に合った技を現状は持たせています。
主な選出方針について
もちろんグラードン+カイオーガ+メガクチートに基本はヤミカラス、悪戯心や猫騙しを防ぎながら攻めるときはファイアロー、スタンダードな追い風軸など明らかにトリルが刺さる場合はクレセリアとなります。
グラードンとカイオーガは出し方によってお互いの攻撃を阻害してしまうことがあるため、ヤミカラスやファイアローが倒されるタイミングには注意が必要です。
いかに自分の展開を通せるかという構築であり、先送りで的確に倒す相手を見極めなければ鈍足ばかり残ってしまい押し負けてしまうことも少なくありません。
相手次第ではトリルの最終ターンに追い風、または追い風の最終ターンにトリルを狙い、グラードン、カイオーガ、メガクチートが先制で動ける状況を作り続けることが大切です。
結び
ゲンシグラードン+ゲンシカイオーガにはメガガルーラやメガボーマンダももちろん相性が良く、今回のヤミカラスのような尖ったサポート以外にも幅広い戦い方が可能だと思います。
現状こそ最遅が主流、比較的多数を占めるゲンシグラードンとゲンシカイオーガですが、WCS2010での高火力ディアルガがそうであったように、最終的にはどこまで素早さを伸ばすかという形になっていくかもしれません。特に特殊グラードンは相手のグラードンとのS関係をはっきりさせておくことで非常に動きやすくなるポケモンだと思うので、今後どのような構成が流行していくかに注目です。メガガルーラをS操作なしで抜くことができないのはやはり辛い部分ではありますが・・・。
またカイオーガもせっかく潮吹きがあるのに命中不安の根源の波動を軸にするのは怖い部分がありますが、圧倒的な特殊耐久を活かしてどんどん繰り出すような使い方もしてみたいと思っています。ゲンシカイオーガミラーに強いのは、やはり素早い雷持ちカイオーガになってくるのではないでしょうか。
悪戯心先送りを使えるポケモンは他にヤミラミがいますが、あちらは重力との両立が可能であり、ダークホールやゲンシグラードンとの相性が非常に良好です。ヤミカラスよりも実戦向きと言えるかもしれませんが、追い風をトリルで切り返されても、さらに先送りで切り返すことができるのはおそらくヤミカラスのみなので、ぜひ使ってみてください。
ガルゲングラ中速トリパ
先日VGC2016のルール概要が告知されました。今年のはじめの方に開催されたGeneration Showdownに近いですが、マーク付きのポケモンのみ使用可能というルールになるようです。
The 2016 Video Game Championship Format Has Been Announced! | Pokemon.com
http://www.pokemon.com/us/pokemon-news/the-2016-video-game-championship-format-has-been-announced/
告知記事にも記述がありますが2010年公式(以下GSルール)を思い出させるルールであり、個人的にはポケモン対戦に踏み出すきっかけだったルールなので、VGC2016がどのような大会になるか今から楽しみで仕方がありません。
過去産不可では実際に参加する余力が無いかもしれませんが、ルールとしては楽しみたいということで、1つ試運転した構築を紹介します。
構築詳細
ドーブル@こだわりスカーフ(マイペース)
ようき:131-40-87-*-65-139
ダークホール/いかりのまえば/このゆびとまれ/てだすけ
ガルーラ@ガルーラナイト(前:せいしんりょく/後:おやこあい)
ゆうかん:(前)212-161-101-*-100-85/(後)212-194-121-*-120-94
すてみタックル/ねこだまし/ふいうち/れいとうパンチ
グラードン@べにいろのたま(前:ひでり/後:おわりのだいち)
ゆうかん:(前)207-203-160-120-128-85/(後)207-236-180-170-128-85
だんがいのつるぎ/オーバーヒート/いわなだれ/まもる
レックウザ@いのちのたま(前:エアロック/後:デルタストリーム)
むじゃき:(前)181-202-110-170-99-161/(後)181-232-120-200-108-183
ガリョウテンセイ/りゅうせいぐん/しんそく/まもる
ゲンガー@きあいのタスキ(ふゆう)
れいせい:167-*-80-200-96-103
シャドーボール/ヘドロばくだん/トリックルーム/まもる
モロバレル@バコウのみ(さいせいりょく)
のんき:221-*-134-105-101-31
キノコのほうし/いかりのこな/ヘドロばくだん/イカサマ
コンセプトと採用理由
スカーフドーブルとガルーラ、ゲンガー、レックウザの高速・高火力ポケモンを軸にしたビートダウン構築。に見せかけたメガガルーラとレックウザの高火力先制技を絡めた中速トリパ。
Generation Showdownでスカーフドーブルのダークホールからメガガルーラと祟り目メガゲンガーを押し付けていく構築を見かけましたが、その並びを見せながらメガガルーラ+タスキゲンガーのトリックルーム展開を必要に応じて押し付けていく。
VGC2015の構築紹介や観戦から、自身のS操作として、そして何より相手のS操作への対策としてトリックルームが非常に有用なことを再認識したため、できるだけ隙の少ないトリル展開を何とか仕込むことができないかと考えていました。
そこで注目したのが奇襲性が高く、比較的高火力なタスキトリルゲンガー。このゲンガーはVGC2014シニア決勝戦で使用された記憶が非常に強烈に残っており、メガガルーラの猫騙しでサポートする構築も少なくないようでした。
VGC2016ルールにおいてメガガルーラ+タスキトリルゲンガーは比較的高火力で幅広い伝説のポケモンに対応し得る先発であり、特にメジャーなグラードン、カイオーガに対しては集中攻撃で一気にHPを削ることができ、ゼルネアスに対してはトリルから有利な展開に持っていきやすいです。レックウザに対してもメガシンカせずにレックウザ側に猫騙しをすることで、隣の猫騙しをガルーラで受けつつトリルを展開できます。
もちろんスカーフドーブル+メガガルーラでダークホールを押し付けながら戦うことも可能。その際はメガガルーラが最遅であることがネックになることもありますが、猫騙しや不意打ちを絡めて十分動くことができます。
トリル時のアタッカーとしてはタイプ・特性的に後出しのしやすいゲンシグラードンを選択。特にゲンシカイオーガから天候を取るのに使っています。レックウザもタイプと特性を活かして後出しできないこともありませんが、隣のポケモンも水技から守れるのはやはり強いですね。
残った枠にはギルガルドや相手のトリル依存度が高そうなとき、また悪戯心威張るや電磁波などに対してレックウザやガルーラをしっかり動かしたいときのためにモロバレルを採用。選出率は決して高くありませんが、単体対象技に偏った構築に対しては圧倒的な強さを誇ります。レックウザミラーで1ターンは残れるようにバコウを持たせていますが、オッカのみも悪くないと思っています。
高火力先制技によるトリルなどのS操作に依存しない詰めがコンセプトであるため、メガガルーラとレックウザの同時選出率が非常に高い構築です。これが構築のパワーを落としていると感じることもありますが、対カイオーガ、ゼルネアス、レックウザ、悪戯心として神速を使えるこれほど強いポケモンも他にあまりいないので、レックウザの採用はやむを得ないと思っています。
主な選出方針について
スカーフドーブルと先制技を軸にするか、ガルーラゲンガーでトリルするか、モロバレルで怒りの粉をするかの3択です。そして前述の通り、いずれの場合もガルーラとレックウザの同時選出になることが多いです。
禁止級伝説なしのダブルバトルにおいてもガルーラ、ゲンガー、モロバレルは大活躍しているポケモンであり、この3体+ゲンシグラードンでも十分戦えるのですが、対グラードンではレックウザの珠流星群で一気に削る方法を取ることが多く、結果的に先発にメガガルーラ、後発にレックウザとなりやすいです。
スカーフドーブルに怒りの前歯・手助けを仕込むことで、メガレックウザと並べて開幕から1体落としにかかるパターンも用意してはある(というかむしろそちらが最初の基本コンセプトだった)のですが、メガガルーラの猫騙しに甘えてしまうことが現状は多いです。
実際は対戦中盤になると両守るで猫騙しが機能しない場面も多く、先発ドーブル+メガレックウザ、後発グラードン+モロバレルorゲンガーの選出はもっと使ってみてもいいと思っています。
トリパの扱い自体慣れてないこともあり、後発ゲンガー+グラードンでトリルという選出はしたことがありませんが、一応タスキを持たせているので挑戦してみてもいいのかも・・・。
結び
禁止級伝説には手間なくパワーを発揮できるレックウザとグラードン、一般枠には伝説なしでも活躍しているドーブル、ガルーラ、ゲンガー、モロバレルという個々のポテンシャルは非常に高い構築だと思いますが、やはりメガシンカ2枠選出になってしまうのが惜しいです。珠レックウザも昔から使われてますし、十分強いんですけどね。
そういう意味ではゲンシグラードン+ゲンシカイオーガ+メガシンカという構築が最も魅力的なわけですが、グラードンもカイオーガも持ち物なしでは素早さが中途半端なこともあり、残りの1枠でどうサポートするかは意外と悩まされます。先送りヤミカラス辺りは面白いと思っているので、上手く組めそうであれば提案したいと思います。
イベルタルというポケモンをよく分かっていないこともあり、現状はダークホールを軸に対処しています。熱風があるとはいえ、イカサマや不意打ちで特定のポケモンを単体で狙う戦術が多いと思うので、モロバレルをもう少し上手く使えれば楽なのかも。バコウはデスウイングに対しても機能するので、案外発動機会に恵まれていると思います。
マニュテラキリザY
8月24日にボストンで開催されたWCS2015、VGC各レギュレーションの対戦を中継で見ましたが、どれも見応えのある対戦でした。各レギュレーション上位8名の使用構築はWCS2015公式サイトに掲載されており、今年度の流行を今一度確認することができます。
マスター部門(優勝構築:ガルーラ/ヒードラン/化身ボルトロス/霊獣ランドロス/クレセリア/モロバレル)
Pokémon VG Masters Division Top-8 Teams | Pokemon.com
http://www.pokemon.com/us/play-pokemon/worlds/2015/teams/masters/
シニア部門(優勝構築:クレセリア/霊獣ランドロス/カイリキー/リザードン/ニンフィア/ヒードラン)
Pokémon VG Senior Division Top-8 Teams | Pokemon.com
http://www.pokemon.com/us/play-pokemon/worlds/2015/teams/seniors/
ジュニア部門(優勝構築:バンギラス/モロバレル/化身ボルトロス/霊獣ランドロス/ヒードラン/サーナイト)
Pokémon VG Junior Division Top-8 Teams | Pokemon.com
http://www.pokemon.com/us/play-pokemon/worlds/2015/teams/juniors/
公式大会に触発されてダブルに触れてみようと思うのはよくあること。私も今年度の大会の流行構築を踏まえて少し遊んでみようと思い、今回の構築を考えました。
構築詳細
特に参考にさせていただいた構築記事等はありませんが、マニューラ+テラキオン+メガリザードンYはよくある組み合わせだと思います。
マニューラ@きあいのタスキ
プレッシャー・ようき:145-172-86-*-105-194
ふくろだたき/れいとうパンチ/けたぐり/ねこだまし
テラキオン@ラムのみ
せいぎのこころ・ようき:166-181-110-*-111-176
いわなだれ/インファイト/じしん/まもる
リザードン@リザードナイトY
(前)もうか/(後)ひでり・おくびょう:(前)153-*-99-161-105-167/(後)153-*-99-211-135-167
ねっぷう/ソーラービーム/きあいだま/まもる
クレセリア@オボンのみ
ふゆう・おだやか:227-*-143-95-198-105
ムーンフォース/れいとうビーム/スキルスワップ/トリックルーム
ヒードラン@シュカのみ
もらいび・おくびょう:171-*-127-164-140-141
ねっぷう/ラスターカノン/だいちのちから/まもる
ギルガルド@じゃくてんほけん
バトルスイッチ・れいせい:(盾)167-70-170-112-171-72/(剣)167-170-70-222-71-72
シャドーボール/ラスターカノン/かげうち/キングシールド
コンセプトと採用理由
まず上位構築を見て目立つのが、メガガルーラ、化身ボルトロス、霊獣ランドロス、ヒードラン、クレセリア。これらに相性的な有利が取れて、最高クラスの火力からダブルバトル最強技の1つである岩雪崩を連打できるマニューラ+テラキオン、いわゆる叩きパを軸に組み始めました。
この先発の致命的な点は先発が2体ともフェアリー技が弱点であり、ハイパーボイスに対して後出しが必要な場面がどうしても出てくること。そこで後発のポケモンはとにかくフェアリー技に対して出せることを念頭に置きつつ、またフェアリー半減の炎・鋼はともに地面技が弱点であり、マニュテラキも地面技が当たるポケモンであるため、浮いてるポケモンも混ぜることも意識しました。
その結果として、浮いているメガリザードンYとクレセリア、タイプ受けかつ鋼技で抜群を取れるヒードランとギルガルドを採用。また、ヒードランとギルガルドは相手の地面技に対して行動回数的なアドバンテージを取れるようにシュカ・弱点保険をそれぞれ持たせました。
ギルガルドの弱点保険とテラキオンの地震は、WCS2015でも見られたように自発的に使うことも考えて採用。出す場面を明確にし、より尖った構成にするのもありかもしれません。
テラキオンの持ち物は化身ボルトロスの電磁波を一度無効にできるラムのみ。あまり撃たれていませんが、鬼火や熱湯による火傷に対しても一度は強気に行動を通せるため非常に便利だと思います。
クレセリアはゴツゴツメットやメンタルハーブを持たせることも考えられますが、霊獣ランドロスにどうしても冷凍ビームを通しておきたい場面などもあり、強引に動かせる場面が増えるオボンのみはやはり強力でした。立ち回りに慣れてくれば不要になるかもしれません。毒々+ゴツゴツメット+月の光といった構成も、メガリザードンYとセットで使えるかもしれませんね。現状は、特殊耐久をオボン込みでメガサーナイトのハイパーボイスを4発耐える程度。クレセリアからの決定打はありませんが、フェアリースキンを奪うなど味方への負担軽減は可能です。スキルスワップは今回のWCS2015で最も感動したシニア優勝者Mark McQuillan氏をリスペクトして採用。実際相手のヒードランのもらいびを奪ったり、味方のヒードランに浮遊を付与したり、なかなか器用な技だと感じました。
ヒードランは多少調整を施してみました。意地っ張り霊獣ランドロスとの対面で1回は動けるようにダブルダメージ地震耐え。またギルガルドと撃ち合って欲しい場面も考え特殊耐久に少々厚めに振りました。シュカヒードランミラーが頻発するため臆病最速にしてみましたが、この辺はダブルでのシュカドランの役割をはっきり捉えられていないため、もう少し火力に割くべきかもしれません。火力は最低限のH振りニンフィアをラスターカノンで2確にできる程度を確保しました。
主な選出方針について
よほど明確にマニュテラキが無理な先発が見えない限りは基本的にマニュテラキ先発をぶつける勢い。ただチョッキ格闘+霊獣ランドロスなどはやはり分が悪く、そういった場合はギルガルドやリザードンを中心に特殊で上手く攻めれられないかを考える方針になります。
今回はリザードンに追い風を採用していませんが、マニュリザと選出すると追い風を警戒する相手も少なくないはず。
構築全体にヒードランやガルーラに対する打点を多めに搭載していますが、リザードンYの気合球をヒードランに外し続けることもあり、やはり見切れる場面では対面マニューラからの相手の霊獣ランドロス→ヒードラン引きにけたぐりをしっかり合わせていきたいです。可能ならばヒードランはミラーで処理して、リザードンYと並べて熱風を連打する展開に運びたいところです。
相手のスカーフやゲッコウガ、追い風、トリックルームに対してはクレセリアのトリックルームを使って上手く切り返したいところ。この辺のクレセリアの扱いがまだまだ未熟で、特に相手のエルフテラキに翻弄されることが多いのが現状です。
結び
WCS上位構築として過去非常に魅力を感じたのは2013年優勝にしたArash Ommati氏のマンムー/化身トルネロス/ラティオス/モロバレル/ヒードラン/ローブシン。当時も世界的に人気なのは化身ボルトロス/霊獣ランドロス/ヒードラン/クレセリアでしたが、負けん気化身トルネロスとスカーフマンムーでボルトランドを強烈に縛っていくこの構築は独創性に溢れており、類似の構築でよく遊んだ記憶があります。結局私はこの構築の対雨が安定する立ち回りがよく分かりませんでしたが、負けん気の強さが身にしみて分かる構築でした。
勝ち筋の分かりやすい構築ということで、今回はマニュテラキ・リザドランといったコンボ軸を使ってみましたが、高種族値ポケモン軸の慎重な立ち回りというのもやはりダブルバトルの面白さだと思うので、WCS2015の上位構築を参考に遊んでみたいと思います。
サナラティアス
the memo accountです。
たまに気になる構築を見かけた時に使ってみた感じを書いていくブログにしたいと思います。
今回はメガラティアスを主軸にした構築が少し前に気になったので、使ってみてた構築の紹介です。
構築詳細
並びと構成の紹介です。ご覧の通りオリジナルは、半年ほど前にみょんさんのブログで紹介されていた、メガアススタンです。公開された後2月ほどからこのサーナイト入りを回してみていました。
S7シングルレート2215達成メガアススタン - ひゃくごじゅういち
http://blog.goo.ne.jp/psparayuki/e/d01eaa172f4ac93475a2647512a7deb0
サーナイト@こだわりスカーフ
トレース・ひかえめ:148-*-86-177-137-138
ふゆう・おくびょう:(前)187-*-111-130-150-178 /(後)187-*-141-160-170-178
サイコショック/めいそう/はねやすめ/みがわり
いかく・ようき:165-197-110-*-100-157
じしん/がんせきふうじ/とんぼがえり/ステルスロック
ロトム(ウォッシュ)@オボンのみ
ふゆう・ずぶとい:156-*-174-125-129-106
ウルガモス@ラムのみ
ほのおのからだ・ひかえめ:161-*-86-204-125-152
だいもんじ/むしのさざめき/めざめるパワー(地面)/ちょうのまい
てつのとげ・のんき:181-114-201-*-137-22
コンセプトと採用理由
まず最初にご了承願いたいことがあります。それは私がこの構築を主に使っていたルールはレーティング準拠のルールではなく、基本的に相手の手持ち3体を殲滅することを勝利条件としたルールであることです。
オリジナルでは羽休めやみがまもを駆使したいわゆるTODを視野に入れた対処も考えてあると思いますが、私自身そういった対戦が苦手なこともあり、多少無理にでも突破することを考えてサーナイトやウルガモスといったポケモンを採用しています。
ただし基本コンセプトは大きく崩していないつもりで、特殊軸のポケモンに対して圧倒的な強さを誇るメガラティアスを、霊獣ランドロス、ゴツメナットレイ、鬼火ロトムでサポートしながら有利なサイクル戦を仕掛けるのが狙いです。ランドロスの構成やメガラティアス、また軸となる選出は最初に引用させていただいたオリジナルの解説に載っています。
この4体で対処に不安が残る特殊ドラゴン(特にサザンドラ)やゲンガー、バシャーモに対してスカーフサーナイト、やや心許ないですがギルガルドやナットドラン、クレセドランに対してウルガモスを採用。サーナイトは調整個体で、194悪の波動を高乱数2耐えできるようにしています。また、ウルガモスも近い特殊耐久を有します。
ヒードラン絡みの組み合わせはメガラティアスで対処可能な場合もありますが、一度この構築の動きを知られると相手のクレセリアやヒードランがナットレイに毒々を連打してくる(メガラティアスに交替際に毒を入れたい)展開になるため、別の対処法も用意しました。
見た目にも特殊に強めなポケモン3体を採用できたために、水ロトムとナットレイを図太いHBの物理耐久特化という配分が可能になっています。実際、ナットレイが生半可な地震で崩されないなど、HB特化にした恩恵はかなり大きいです。役割が不明瞭になりがちな水ロトムも「ゴツメナットレイは接触技軸の物理に出す、鬼火水ロトムは非接触軸の物理に出す」と選出を事前にある程度配分しておくことで、非常に扱いやすく感じました。
具体的にはマンムーやランドロスが想定する非接触軸の物理ポケモンであり、実際これらのポケモンに対して水ロトムは有利が取れており、メガラティアスに打点を持つ意識すべき相手です。
ウルガモスについてはメガリザードンYという選択肢も考えられます。この枠には主にサザンドラ+ギルガルドに安定するとまでは言わずとも対抗できるポケモンが望ましく、メガリザードンYの場合はよく組み合わせられるマリルリに対してもウルガモスよりは強いという利点があります。しかし今回は、マリルリに強めなナットレイとロトムを採用しており、対クレッフィなどウルガモスのラムのみが有効に作用する場面も見られたため、後出しや対面からの状態異常の対処が難しいメガリザードンYの採用は見送りました。その他メガバシャーモもウルガモスと似た強さを持つポケモンであり、採用が考えられるポケモンです。
ヒードランはみがまもと毒・火傷・やどりぎによって詰ませる立ち回りが非常に魅力的でこの構築にもマッチしていましたが、私はナットドランミラーがどうしても苦に感じたのであまり好きになれませんでした。ヒードランを抜くことによる対ファイアローの不安は、水ロトムとランドロスによる対処がある程度可能であり、対面からならばおそらくメガラティアスも勝機はあると思います。ゴツメナットレイでブレイブバードを受けて無理やり削ることも一応可能ですね。
主な選出方針について
選出時はサーナイトとメガラティアスのどちらで勝つのが楽かを考えます。特殊ポケモンとラティアスより遅いポケモンが中心であればメガラティアス、ゲンガーやメガバシャーモ、少し変わったところではムラッ気コピーを狙ってオニゴーリ、トリックと天然返しでピクシー辺りにはサーナイトを出すことが多いです。
ガルーラドラン入りに対してはナットレイをガルーラに当てた後、ヒードランに対してサーナイトをもらい火トレースで出して、気合球を連打する展開を狙うこともあります。ギルガルドに関しては基本的にメガラティアス選出で問題ないそうですが、立ち回りがまだ掴めてないこともあり、ランドロスやウルガモスでの対処を狙うことが現状は多いです。物理か特殊か、それとも毒なのかを見極めるタイミングが重要ですが、難しいところです。珠ガルドに対してはおそらく様子見しているとあっという間に全滅させられる一方で、焦って攻めると地震から弱点保険を起動される可能性も・・・。
軸にする特殊ポケモンを決めた後は、基本的に霊獣ランドロスが先発。ファイアローやリザードンをそれなりに先発で出されやすいため、オリジナルでも解説されている通り初手は岩石封じ、逃げられたらステロで対応。選出自体されやすいので、相手の手持ちにこれらがいた場合、多少強引にでもステロを撒く必要があります。撒ければあとはラティアスかサーナイトが何とかしてくれる。
ガルーラやガブリアスが先発で来た場合はナットレイを受け出しすることになりますが、先発ランドロスの威嚇で後続の負担を軽減できるのも重要。後は上述した通り相手の物理ポケモンの傾向を見てナットレイか水ロトム、特殊2枚で攻めていけそうならサーナイトかウルガモスも一緒に選出していきます。
結び
構築紹介は大体こんな感じです。今まで粘土+壁でローブシンやウルガモスをサポートして強引に積んでいくタイプの構築はよく使ってきましたが、元々が高耐久のポケモンを軸にサイクル戦を積極的に仕掛ける構築はあまり使ってこなかったので非常に新鮮で楽しい構築でした。今後もよく使っていくと思います。
気になる点はナットレイや水ロトムはやはりタイプ受け寄りのポケモンであるため、相手のサブウェポンに怯えることが多いことですね。威嚇によるサポートは可能な限りしてあげるべきです。あとはメガラティアスは火傷はギリギリ勝負になりますが、猛毒が入ればほぼお終いです。麻痺もかなりの痛手なので、後出しする際は状態異常が来ないタイミングをしっかり見極める必要があります。熱湯に出したいことが多々ありますが、大体火傷して追い詰められる展開になりやすいです・・・。
余談ですがこの構築を使い始めてからサーナイトとラティアスの可愛さに気付けた気がします。残念ながらメガラティアスは可愛い系のメガシンカではないので、メガサーナイトをまた別の構築で使いたいと思ってます。