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銀匙のブログ一覧

2023年11月26日 イイね!

砂遊びに見る4WDの有効性

砂遊びに見る4WDの有効性











こんばんは、銀匙です。
今日は車で入れるとある砂浜でパジェロミニ君と砂遊びに興じた訳ですが、ふと、過去の苦い経験を思い出しまして、今日は4WDって一口に言っても色々違うんだよという話をしようかと思います。


4WDと言われた時、間違いない事は何らかの駆動力を4輪全てのタイヤを使って地面に伝える「タイミングがある」という所までです。
それで良いじゃないかと思われるでしょうし、私もそう思っていました。

ところが話は簡単ではなくて「タイミングがある」という点が曲者なんです。
何故かというと「4輪全てに全く同じ駆動力を均等配分すると曲がらない車になってしまう」のです。タイトコーナーブレーキング現象ってやつです。
なので、違和感なく走れるように4輪にいつどうやって駆動力を分配するのか、その制御方法は機械式か電子制御か、果ては前輪後輪で駆動力の発生源が違うのか同じなのかなど、まぁ細かい分類がある訳です。
それらをどう選ぶかというと「何の為の4WDか」という設計思想なんです。


ここで、私がやってしまった苦い経験をお話します。
何年も前に北海道へ旅行に行った時にレンタカーを借りたのですが、折角だからと過去乗った事のない、クロカンっぽい車を選んだんですね。
キーを渡されたのはRAV4でした。

型式までは覚えていませんが、フルタイム4WDと書かれていたので、つまりいつでも4駆ってことだよね、M+Sタイヤ履いてるし、格好良いし最強やんかと勝手に思ったわけです。
それで北海道のオホーツク海の海沿い、本当に人も車の気配もない砂浜を見つけ、ちょーっと砂の上を走ってみたいなあと欲を出したわけですね。
折角クロカン借りたのだし(違う)

で、砂浜に入ったわけですが、てんで駆動力が無い。
あれっと思ったら前に進まずタイヤが空転してどんどん砂に埋もれていく。
アクセルを緩めつつ少しでも前というか元の道へ戻ろうともがいたわけです。
本来はヤバいと思った瞬間にそっとブレーキ踏んで止まり、すぐバックに入れてジグザグにハンドル切りつつジリジリ下がる方が良い(そもそも突っ込まないことが最善)なのですが、私は焦ってハンドル目一杯切って車を方向転換させようとしたんですね。

最小回転半径で、砂浜の上で、フルタイム4WDのRAV4で。

お分かりの方ならこれがいかに無謀な事かと苦笑されると思うのですが、当然最後は車の下っ腹が着地して砂に乗っかり、いわゆる亀状態となりまして。
見事大金積んでJAFに助けてもらうハメになったわけです。
助けに来てくれたお兄さんありがとう。
もうちょっとでオホーツクの波に飲まれてました。


まず、とにかく間違えてはいけないのは、クロカン(クロスカントリー・ビークル)という車達と、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)という車達は設計思想からして全然違うんだよ、という事です。

クロカン車は悪路の踏破性を主眼に開発されており、例えばジープ、パジェロ、パジェロミニ、デリカD5、エスクード、ジムニー、ランドクルーザー、ビッグホーン、レンジローバー、ランドローバー、ベンツGクラス等が該当します。
こいつらに積まれた4WDは基本的にデフロック、スーパーローなどという機能が盛り込まれてます。
スーパーローとは、エンジンが砂や泥といったトルクを奪われる条件下でもストールしないよう凄くローギヤードにすることが出来るわけです。
めちゃめちゃエンジン回転上がってタイヤちょびっとしか回らないけど超高トルクで力強く進めるよ、足を取られるような深い砂の中でも負けないよ、という感じです。
最新のランクルなんかもっと凄い電子デバイスで武装してますが、まぁ要するにクロカンは悪路走破性を向上させる為の4WDを積んでます。
ちなみに意外とクロカン的な4WDを積んでるのが軽トラです。
何故かというと畑やあぜ道が泥濘地と化す場合があり、農作物満載で泥濘地を超えねばならないとかいう過酷な状況を日常的に課せられるからです。
ただし致命的な欠点として乗用車に比べると乗り心地が悪いため、軽トラを除けばシェアを落としています。
ジムニーのように超コスパが良くてガチの本格クロカンは熱心なファンが買い支えていますが、最新のジムニーでさえオンロードや高速ではハスラーのターボモデルの方が乗り心地という意味では分があると思います。
少なくとも私は乗り比べてそう感じました。

一方、SUVは街をスマートに駆け抜ける背の高い車という位置づけであり、SUVのSである「スポーツ」の意味は「スポーツに必要な機材を積むことが出来る」とか、「ミニバン並みの高い視界を確保しつつ乗用車のように軽快に動けてスポーティでしょ」とか、意味はメーカーどころか車単位でバラバラです。
今の世ではSUVが主流です。
前述のRAV4のほか、ハリアー、CX30、アウトランダー、ジューク、ハスラー、果てはBMWのX5、ポルシェのカイエン、ボルボのXCなどなど、枚挙にいとまがありません。
これらの見た目は非常にクロカンに似てるのですが、こちらの4WDは基本的にデフロックやウルトラローがありません。たまにSNOWモードとかある車もありますが、あれはミッションに2速発進というかハイギヤード化させるだけです。
先程もあえて書かなかったのですが、デフロックとは何よという話をするとものすごく長くなるので、無いと何が困るかだけ言えば泥濘地や凍結路、ふかふかの砂浜といった悪路で簡単にスタックしてしまうのです。
要は悪路踏破性の為の4WDではないんですね。
強風や雨天の高速でもふらつかせないとか、コーナリングや加減速を快適にするとか、舗装路での快適性支援の為の4WDなわけです。そう設計されています。
特に致命的なのが最小回転半径に近い、ハンドルを目一杯切った状態での悪路走行であり、ほとんど2WDと変わりません。
そしてこの方式の4WDは実に多くの4WD車に採用されてます。
昔は生産コストが安いという理由で採用され、生活4駆なんて蔑称もあったのですが、近年ではこの方式は駆動配分方法と電子デバイスの相性が良い事が解り、普段はFFみたいに振舞わせて要所要所で4WD的にとか、カーブで外に膨らまないように内輪だけ駆動を切るとか高度な制御が出来るようになったのも一因です。

デフロックやウルトラロー付きのクロカン用4WDというのは、クロカンの車体設計もありますが、振動を伝えやすく、構造が重く、高価であり、都市走行にはまるで必要ないというか、むしろ邪魔です。
その上でオンロードも快適にするとなるとマイナス状態からの改善になるので、それこそランクルやレンジローバーのように目が飛び出るお値段になっていきます。

ちなみに前輪はエンジン駆動、後輪は電気モーターで駆動する4WDとか、ランエボのようにラリーで戦う為に高度な制御を入れて2WDより高速のまま旋回出来る4WDとか、本当に4WDには沢山の種類があります。

ただ、普通にカーライフを送るうえで出会うのは、いわゆるSUVライクな4WDか、クロカン的な4WDかだと思います。

と、言いつつ話をややこしくして恐縮なのですが、たとえばデリカミニの4WDはいわゆるSUVライクなやつですが、空転時は空転を抑制する電子デバイスを用いてスタックしにくく脱出しやすくする装置が付加されており、泥濘地はさすがにダメでしょうが凍結路からの脱出くらいはアクセル踏むだけで簡単に出来るよう設計したそうです。
似たような技術はクロカンである最新型のジムニーにも搭載されており、デフロックしなくても軽い対角スタックならそのまま脱出できるとのこと。
更に言うと同じ車種でもグレードによってSUVライクな4WDとクロカン的な4WDがあったり、SUVでも走破性を考慮した車があったりと、線引きも曖昧になっていたりします。

4WDと一口に言ってもその目的は悪路走破性とは限らないので、用途に合ってるかの確認が大事です。

私のようにSUVで砂浜の上を最小回転半径で回ろうとして亀になる人は少ないでしょうが、雪道や凍結路からの脱出は市街地での運転でも起こりうる状況です。
その時、特にレンタカーなど不慣れな車なのに、

 「4WDだから大丈夫!」

なーんて過信したら実際は2WDと変わんなかったって事になりますので、冬道は本当にお気を付けください。
特に2WDだろうが4WDだろうがブレーキ性能は同じというか、むしろ重い分4WDの方が不利まであるので絶対アテにしないでください。
雪道で夏タイヤの4WDに乗るくらいならスタッドレス履いた2WDを選んだほうが遥かに良いです。

電子デバイスでブレーキ制御支援的な事をする4WDってあるのかな?
GTRさんのあれはそうなのかなあ・・・

まぁともかく。

そんなわけで、今日の私はデフロック直結でスーパーローモードにセットしたパジェロミニで砂浜を軽々と走って帰ってきたわけです。
車から降りると靴にザクザク入ってくるような目の細かい砂でしたが、NAながらいっぱしのクロカン4WDを持つパジェロミニ君はスイスイ走れまして。
素晴らしいなあと思いつつ、過去の失敗を一人恥じていました。

皆様は4WD車のハンドルを握る前に、その車の4WDが何の為に設計されたものなのか確認してくださいね。
では、では。
Posted at 2023/11/26 21:42:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | パジェロミニ | 日記
2023年10月29日 イイね!

ヘッドライトレンズの劣化と対応と苦い教訓

ヘッドライトレンズの劣化と対応と苦い教訓こんにちは、銀匙です。

今回はうちの7年目のスイフト君のヘッドライトについて、失敗談と教訓をお話したいと思います。

大体4~5年乗ったあたりから、ヘッドライトの内側にくすみが、外側にはヒビというか甲羅状の線がポツポツ見えるようになってきました。
ディーラーや整備工場に相談したものの、どこに聞いても経年劣化(だから仕方ない)と言われ、また、

「巷で言われてるウレタン再塗装は止めた方が良いよ」

と、異口同音に言われたんですね。以前そうしたサービスを提供していたところも評判が悪くてやめてしまったという話も何件も聞きました。
さりとてうちのヘッドライトレンズの程度はどんどん悪化していき、どうにかならないかなとずっと思ってました。
ただ、思い返すとこの時は黄ばみは出ていなかったんですね。

2年ほど迷ったのですが、今年の春頃にセールをしていたので、いわゆるヘッドライトクリーナー&コート剤というものを使ってみたんです。
薬剤で汚れを落とし、劣化予防の為にUVカットのコート剤を塗布するというやつです。

1回目の施工は、外側のヒビに関しては割と綺麗になりました。
内側のくすみかと思っていたモノも結構取れましたので、手頃な価格で済んだし、これなら定期的にやって誤魔化せるかなと思ったものです。

ただ、コート剤塗布の時にマスキングをサボったのでボディにコート剤がはみ出てしまい、何やっても取れませんでした。
板金屋さんいわく「ボディにアロンアルファ垂らしたようなモノ」で、無理に剥がそうとすると塗装剥がれるよと言われたので諦めてます。

そしてコート剤は最長2年くらい持つと書いてあったので、話半分で1年くらいは持つかなと思っていたんですが・・・

今年の夏が以上に暑かったせいもあるのかもしれませんが、3ヶ月もしないうちにヘッドライトレンズ全体が黄ばんできた。斜め上から見ると白っぽい黄色に濁っているんです。
施工前より明らかに悪化してしまったわけで、大変よろしくない見た目です。

なので涼しくなった頃合いを見計らって2回目の施工をしようとした訳ですが、これが黄ばみが落ちない。
一生懸命やって少しずつ黄ばみがポロポロと、タイルを剥がすかのように細かく剥げてくる。
で、私は1枚目の途中で力尽きまして、結局ヘッドライトレンズを左右とも新品に交換するハメになりました。
ZC72スイフトはヘッドライトの面積が大きいので20万ぐらいかかりました。


そして遥か昔の記憶を辿りますと、似たような事例があったんです。

自動車用のウィンドウフィルムが今ほど手頃では無かったころ、ウインドウガラスに塗布することでUVカットしますよ的な薬剤が売られてたんですね。
当時のガラスは素通しだったので日焼けに困っていたので、安価だし試してみようかと塗ってみたんです。
ところがこれが1週間もしないうちにフォグランプのレンズかというくらい窓ガラス全体が黄色く変色しまして、慌てて落とそうとしたんですがガラスにこびりついてしまい、ウインドウガラス全面から剥がすのに何時間も擦り続けたのです。
朝から晩までやって両腕パンパンになりました。

ここで共通しているのが、「UVをカットする薬剤自体が黄変する」ことです。

常に降り注ぐUVをカットする化学反応というか代償的に黄色くなるのか、それとも薬剤が劣化することで黄色くなるのかは分かりませんが、いずれにしても接着力が落ちる前に黄変する訳です。

また、先ほど出てきた板金屋さんの話ですが、ヘッドライトの材質であるポリカは経年劣化で白濁するとともに表面に凹凸が出来るので、そこに汚れが噛みこむ事で黄色くなるんだそうです。だからこっちは洗えば落ちる。
しかし2回目の施工の時は洗っても全く落ちなかったので、これは薬剤自体が黄変したのだろうと。
また、ウレタンも屋外保管の場合は1年もたないのと、施工するにはヘッドライトユニットを外し、削って磨いてウレタン塗って組付けて光軸調整するプロセスが必要であり、工賃を考えるとコスパが悪いですよ、と。
ちなみにそちらのお店でやってた時は左右両方で6万だったそうです。
新品交換が20万ですから短ければ1年半でほぼ新品と同じ費用。
そりゃ割に合わないですね。

話をまとめると、

・薄く白いくすみ程度でヘッドライトのクリーナーをかけてはいけない。
 (すぐ黄変するから)

・コート剤の寿命は2年持つとうたう製品でも青空駐車なら2~3か月持てば
 いい方である。
 (2年はあくまでも「最長で」らしい。屋内保管かな?)

・クリーナーは1度目は汚れも落ちるし綺麗になるが、2回目以降は
 黄変したコート剤を剥がすのがとても大変。

・ヘッドライトを外してのウレタン塗布はDIYでやるにしても光軸調整は
 依頼しないといけないのと、コート剤とそう変わらないので割に合わない。

ということになります。
だからあと2年くらい乗りたいけど、白濁が酷くて照度不足で車検通らないって言われたから、奥の手として1回だけ試すってのがヘッドライトクリーナーとコート剤という事なんでしょうね。
もうちょっと何回もやって良いものだと勘違いしてて大損こいてしまいました。

なお、冒頭の写真は新品交換した直後のヘッドライトレンズですが、まぁ純正新品だけあって綺麗なもんです。最初はこんなだったのかと驚いたくらいで。

ヘッドライトの黄ばみ問題は、元々ヘッドライトレンズの材質に白濁黄変するポリカを採用してるのが悪いのであって、自動車メーカーが4~5年で買い替えさせたいから相変わらずポリカを採用し続けるのかなと疑いたくもなります。

もちろん表向きに色々な理由を言ってるのは知ってますが、実際、ガラスレンズを使っているパジェロミニ君は27年経った今でも非常にクリアな状態を保ってますし、なにより同じスイフトのテールレンズはアクリル製であり、同じ期間同じ状況で使っても全然曇りも黄ばみもしないわけです。

となると、次に車選びをする際は(ユニット単価が安いであろう)ヘッドライトの面積が小さい物を選び、そして光源がハロゲンだったら速攻でLEDに変えるなど、発熱を下げることを留意しなければならないのかもしれません。
うちのスイフト君の大きいヘッドライト好きなんですけど、こういう時にあだになりますね。

ちなみにうちのスイフト君はわざわざメーカーオプションでHID入れてしまったので、今からLEDに変えたくてもヘッドライトユニット自体がハロゲン仕様と全く異なる為出来なかったです。
まぁHIDからLEDにする製品もあるにはあるのですが、素直にハロゲンからLEDに変えることに比べるとリスクが多いです。
また、メーカーオプション装着を外すのってディーラーが大変嫌がるし、純正状態に戻すにしてもあれこれ部品を変えないといけないのでバカ高いわけです。
素直にハロゲンにしとけば簡単にLEDに出来たんですが、当時は明るいライトが欲しければHIDしか選択肢が無かったんでね・・


蛇足ですが、冒頭の写真はRX10M3で撮影したのですが、こんな真夜中の撮影にもかかわらず手持ちでもブレないし芯のあるシャキッとした絵が出てきます。
三脚使って撮ったものと比べてもはっきりした違いには至らなかったです。
望遠を綺麗に撮る為に手元に置いてるのですが、夜景もRX10で十分ですね。
星系写真にRX100M3を使うと好成績だったのですが、おなじセンサーを使っているのでRX10系も良いのかもしれません。
今となればRX10M4とかα7C2とか気になるんですけど、世界的政情不安・円安政策・半導体不足のトリプル役満でカメラの値段が高いこと高いこと。
中古までつられて跳ね上がってるのでびっくりしました。
廃番になったマニアックなカメラが値上がりするってのは過去にもtvsデジタルとかありましたけど、それにしたってdp2メリルが中古の並程度で11万円というのは異常だと思います。

このまま世界的に冬の時代にならないと良いのですが。
Posted at 2023/10/29 09:47:30 | コメント(1) | トラックバック(0) | スイフト関連 | 日記
2023年08月12日 イイね!

35mm換算値にまつわる誤った知識とフォーカルレデューサー

こんにちは、銀匙です。

全国的に台風が来るか長雨か日照りかという、勘弁して欲しい天気が続いてますが、皆さんご無事でしょうか?


さて、今日は35mm換算値にまつわる誤った知識とフォーカルレデューサーと題しまして(お題解りやすくするために直しました)、デジカメを始める方の多くが直面するも良く分からないままというあれこれをお話していきたいと思います。

まずは今回の対象は、35mmフルサイズカメラとハーフサイズカメラの「受光部とレンズ」の話に絞ります。
受光部というのは銀塩カメラで言えばフィルムの1枚での撮影範囲、デジカメで言えばCMOSとかCCDの大きさを意味します。
誕生の歴史に関しましては数多解説がありますので省きますが、それぞれのカメラをイメージしやすいように幾つか具体的な機種を挙げます。

35mmフルサイズカメラ:
 ・銀塩の一眼レフ(例:PENTAXのSP、ニコンのF、CANONのFTb等)
 ・デジタル一眼(例:ソニーのα7、α7Ⅱ、α7R、α7S、α7C等)

ハーフサイズカメラ:
 ・銀塩ハーフカメラ(例:オリンパスのPEN、京セラのサムライ等)
 ・APS-Cデジタルカメラ(例:ソニーのNEX全て、4桁α(α5000,α6500など)、ニコンのDXフォーマットのカメラ、Canonでは「フルサイズ」とうたってないカメラ(EOS60D等))
 ・スーパー35mm(ソニー製シネマカメラ、F35、SRW-9000PL、PMW-F3など)

なお、デジタルカメラだと1型とかフォーサーズとか、スマホだと1/2.3型とか1/3型とか受光部の規格は色々あるんですが、際限なくなってしまうので、ここでは35mmフルサイズとハーフサイズの2つを取り上げます。

さて、上記でお気づきの通り、現在でいうところのAPS-Cとハーフサイズはレンズが描いたイメージ(イメージサークル)から写真として残せる大きさがほぼ同じという意味で一緒と言えるのです。
ちなみになにがハーフなのかというと受光部です。具体的に言えば35mmフルサイズの規格に対し、写真として残せる受光部面積が半分なのです。

下記の図を見てください。


これは黒四角の面積が35mmフルサイズの受光部だとすると、APS-Cの受光部面積がどのくらいになるかを赤四角で示したものです。
黒四角に対して上下左右それぞれ狭くなっている事が解ります。

面積比を解りやすくするため、赤四角を90度回転して隅に寄せます。


するとAPS-Cの長辺は35mmフルサイズの短辺と同じ長さであり、APS-Cの短辺は35mmフルサイズの長辺のちょうど半分であること、また、面積がちょうど半分であることが解ります。

これは偶然でも何でもなく、ハーフカメラは35mmフィルムの縦横を逆にし、35mmフルサイズのちょうど半分ずつ撮影していく規格だったからです。
銀塩フィルムでは12枚撮り、24枚撮り、36枚撮りなどのフィルムがありましたが、ハーフカメラではこの倍、つまり36枚撮りフィルムで72枚撮影することが出来たのです。
この為ハーフカメラは35mm銀塩カメラが旅行や記念撮影的な使い方を想定したのに対し、スナップショットというか、日常の何気ない1コマを撮り溜める庶民的な使われ方を想定したカメラが多かったように思います。

倍の枚数が撮れる一方で、ハーフカメラには問題点もありました。
最初の図の通り、写真として写せる範囲が狭くなってしまうのです。
実際の写真で見てみましょう。


風景画像そのものが35mmフルサイズで、例えば28mmレンズで撮影した範囲だとします。
しかし、同じ28mmレンズでハーフカメラ(APS-Cカメラ)で撮影すると、画像中央の赤く塗った範囲しか写せないのです。
レンズとしては同じ28mmですので望遠効果などの撮影効果は変わりませんが、焦点距離からイメージする撮影範囲に遠く及ばないのは購入後トラブルになってしまいます。
そしてデジタル一眼レフは登場した当時はAPS-C規格、つまりハーフサイズの受光部がほとんどだったので、この問題が表面化します。

なので本当は35mm換算値とは35mmフルサイズのカメラで何mmのレンズを使った時と「撮影範囲だけが同じで撮影効果は元の焦点距離に準ずる」とメーカーは説明する必要がありました。
しかし、正直に説明すると「じゃあ広角レンズ買っても狭い範囲しか写せないって事?」とか「要はハーフカメラのデジタル一眼って事?ガワだけ一眼レフなのになんか安物っぽいなあ」といったイメージを持たれるのが嫌だったメーカーは、意図的に「撮影効果は焦点距離に準ずること」と「受光部面積がハーフカメラと同じ」という説明を省きました。
当時のカタログには「35mm換算値とは、係数をかけた焦点距離のレンズと同じという意味です」とだけ書かれています。
これにより、我々消費者は「じゃあ望遠レンズと同じ撮影範囲と撮影効果を持ってるんだね」と誤った知識を持つ羽目になったのです。
そしてAPS-Cという規格そのものもハーフカメラと言いたくないから用いた感じがあります。
ハーフカメラと言っておけば銀塩で慣れていた層にはわかりやすかったでしょうにね。

さて、それではハーフカメラと35mmフルサイズカメラの撮影効果上の影響を述べます。

例えば、上記写真において、ハーフカメラで35mmフルサイズと同じ範囲を撮影したい場合、レンズの焦点距離をより広角にする必要があります。
具体的には換算に用いる係数というものがあり、35mmフルサイズとハーフサイズ(APS-C)の間は1.5(CANONだけなぜか1.6)となっています。
つまり35mmフルサイズの28mmと同じ撮影範囲を撮りたければ、28mm÷1.5≒19mm、つまり19mmのレンズを使用する必要があります。

しかし、その2つが同じなのはあくまで撮影範囲です。
じゃあ何が違うのかというと、レンズの効果です。

レンズは非常にシンプルに言えば、

 広角になると遠近感が強調され周囲が歪む、望遠になると遠近感が潰れるが歪みが少なくなる

という特徴があります。
比喩で表現すると広角だとのっぺりする、望遠だと潰れる、とか言います。
例えば下記の写真は、超望遠レンズで遠方を飛ぶ飛行機を撮影したものです。


 
旅客機ですから、翼の端から端までは何十メートルもあります。その割には全長(横方向)に比べ、翼の長さやエンジンとエンジンの間がなんだか狭く見えますよね。
実物を目で見ればもっと広く(長く)見えます。
同じ距離にあるもの(水平側に伸びる胴体)は歪みなく写すが、奥行き方向(この場合は羽とエンジン同士の距離)は縮めて写す、これが望遠レンズの特徴と遠近圧縮効果です。

次に、超広角で風景を撮影した写真を載せます。



旅客機より遥かに狭い幅を撮影しているわけですが、それでも右端にあるトラクタはどことなく歪んでいることがお分かりになると思います。遠近は実際に見るとトラクタはもっと近くにあり、距離感が引き延ばされています。

ですので、例えば人物の顔をアップで撮影する時は望遠レンズで歪みをなるべく排除するとか、集合写真を撮るときは撮影範囲の端の方には人が入らないよう中央に寄ってもらうといった工夫が必要です。
これはレンズ加工技術や画像処理が高度化した今も変わらない原則ですし、裏返しのノウハウで言えば集合写真で満足いく撮られ方をしたければ中央で写してもらうのが良いでしょう。


話を戻しますと、35mmフルサイズカメラに焦点距離28mmレンズで撮影した風景写真に比べると、ハーフ(APS-C)カメラに焦点距離19mmレンズで撮影した風景写真は、遠近感が強まり、周囲が歪みます。
それは単純に焦点距離が28-19=9mm分広角になっているからです。
さらにいうと、1人の人物を撮影するのに35mmフルサイズカメラに焦点距離85mmレンズで撮影するのに比べ、ハーフ(APS-C)カメラに焦点距離57mmのレンズで撮影すると、顔の立体感が不必要に高まり、周囲が歪みます。
これも単純に焦点距離が85-57=28mm分広角になっているからです。

じゃあ広角より望遠の方が影響が大きいのかというとそうでもありません。
一般的な話ですが、焦点距離は28mm未満では1mmの差が非常に強い影響を及ぼすのに対し、50mmから100mmの間では5~8mm程度は差が無いと影響が解りません。さらに望遠となると、たとえば1000mmと1050mmでは差なんて解りません。500mmと550mmもほぼ分かりません。
250mmと300mmで言われると解るかなあ、くらいです。

上の例で言えば、28mmと19mmの差と、57mmと85mmの差は似たようなもの、となるでしょう。

なお、35mmフルサイズカメラと中判カメラでも同じ関係です。
35mmでいう焦点距離50mmレンズが写せる範囲を67判カメラで撮りたければ焦点距離90mmのレンズで良いので、中判の方がより歪み無く、あるいは同じ写し方でより広い範囲を写せます。
これが中判や大判にハマっていく人達を生み出す理由でもあります。
ただ、銀塩でもデジタルでも35mmフルサイズ以上の世界はバカほどカネがかかりますが・・・

話を35mmフルサイズとハーフサイズ(APS-C)に戻しまして、じゃあハーフサイズカメラでは撮影効果の差、言い方を悪くすれば撮影効果が悪化するのは避けられないかというと、奥の手があります。
それがフォーカルレデューサーというモノです。

フォーカルレデューサーは、簡単に言えば縮小コピーをするために、レンズとカメラボディの間に挟むレンズです。
そのため、主にマウントアダプタの付随機能として売られています。
2枚目の図の通り、35mmフルサイズに比べてハーフサイズ(APS-C)は撮影する面積が半分しかありません。
焦点距離28mmのレンズは、3次元の現実を2次元に変換し、さらに一定範囲まで縮小します。
この範囲の事をイメージサークルと言います。
イメージサークルはレンズが対象とする受光部面積より1周り程度広いサイズです。そして35mmフルサイズ用レンズのイメージサークルは35mmフルサイズの受光部より1周り大きく、APS-C用レンズのイメージサークルはAPS-Cの受光部より1周り大きい。受光部の大きさ自体が異なるわけですね。
レンズとカメラボディの間にフォーカルレデューサーレンズを挟むと、例えば35mmフルサイズ用のイメージサークルを縮小し、ハーフサイズ(APS-C)の受光部の1周り大きいサイズまで縮小コピーするのです。

上記のたとえで言えば、焦点距離28mmのレンズをフォーカルレデューサー経由でハーフサイズ(APS-C)のカメラにつなげば、ほぼ35mmフルサイズカメラに焦点距離28mmのレンズを付けた時と同じ撮影効果と撮影範囲で写せるわけです。(正確には何%か撮影範囲が狭くなることが多い)

フォーカルレデューサーの特徴は、イメージサークルが小さくなる(35mmフルサイズ→APS-C)分だけ全体を縮小することです。
広い範囲から一部を切り取る訳ではないので、撮影効果も撮影範囲も35mmフルサイズカメラで撮影した場合と同じになるわけです。
そんな一見素晴らしいように思えるフォーカルレデューサーレンズなのですが、実際の世界では超マイナーな存在です。
それは何故か。

簡単に言えば、フォーカルレデューサーレンズの設計ってとっても難しいのです。
数多あるレンズが受光部に対してどのように光を曲げて受光部に届けるかというのはレンズごとに異なります。
それを途中で縮小コピーしようとするわけですから、簡単に光の色(波長)毎にズレが出来てしまいます。
それはパープルフリンジを生んだり、グリーンゴーストが出来たり、像が歪んだりします。
あとはレンズがピントを合わせる際にカメラボディ側に近いレンズ(後玉と言います)を前後にずらして調整するんですが、それがフォーカルレデューサーレンズに当たってピント調整が出来なくなるなんてこともあるんです。
簡単に言えば相手が多すぎて対策しようがない。手に負えないんですね。
メーカー純正だと、例えば特定の300mmレンズに装着して450mmレンズとして使えるアダプタとして発売するなど、相手を1つに絞って対策していたりします。

そんなわけで、マウントアダプタでも距離差の比較的長いケースなら、サードパーティのフォーカルレデューサーはごく少数売られていますが、手放しで勧められるものは正直ありません。
ただ、現在でという意味で言うのならば、「オールドレンズの広角レンズ」をつける場合のみ、考慮に値すると言えるでしょう。
何故ならまず、そもそもオールドレンズでは20mmを切るような広角レンズは稀有ですし、性能が極端に悪くなります。
しかしAPS-Cではフルサイズに比べて係数1.5がかかってしまうので、例えば35mm換算で言う24mmという、ごく普通の広角を得ようとするなら焦点距離16mmレンズを探さねばなりませんが、そんなオールドレンズはありません。

しかしオールドレンズだって24mmとか28mmなら普通にある訳で、じゃあこの邪魔な係数をどうにかしたいという時はフォーカルレデューサー付きのマウントアダプタを挟むのも1つの手だと思います。
広角レンズに限れば、後玉の前後幅も少ない物が多いので接触する確率も減るのです。

ちなみに私はNEX-6でミノルタの28mmF2レンズをどうしても28mm相当のまま使いたいと思い、ミノルタAマウントをSONYーEに変換し、なおかつ絞り調節とフォーカルレデューサー機能が付いたマウントアダプタを購入しました。
もう5年くらい前になりますが、当時はこんなマニアックなアダプタも1~2万円位で各種豊富に売っていたんです。
今はだいぶ淘汰されてしまって、フォーカルレデューサー付きのアダプタ自体珍しい存在となっていますが、どう使うかという答えは、APS-Cやそれ以下の受光部面積しかないデジタルカメラにて広角のオールドレンズを使いたい時にどうぞ、ということになります。

特に広角で泣かされるのはマイクロフォーサーズかと思います。
係数も2ですからね。
ま、まぁ、係数5.5のPENTAX-Qとかいう規格もあるんですが、さすがに係数5.5をどうにかできるフォーカルレデューサーは見たことがありません。
なお、マイクロフォーサーズ用のフォーカルレデューサーは注意点がありまして、係数0.7の物が多いんです。
要は35mmフルサイズとAPS-Cの間の係数は0.75であり、その近似値の0.7で開発したものを使いまわしてるってことです。
これがマイクロフォーサーズでどう影響するかというと、縮小しきれない。

例えば100mmのレンズをそのままマイクロフォーサーズにつけると、200mm相当の撮影範囲です。
そこに縮小係数0.7のフォーカルレデューサーを経由させても、140mm相当の撮影範囲にしかならないのです。

それでも、例えばOM21mmのレンズで考えれば、そのままマイクロフォーサーズカメラにつけると42mm相当の範囲しか写せないのが29mm相当の範囲まで写せるようになるので意味はあると言えばありますが、留意してください。

後半は文字だけで長々と説明してきたのですが、
 ・35mm換算とは、撮影時のレンズの効果まで換算してくれるわけではない
 ・APS-Cカメラとは、昔で言うハーフカメラ
 ・広角オールドレンズを探すならフォーカルレデューサーを思い出して

という3つをご理解頂けると、レンズシステム構築の際に選択の幅が広がるというか、失敗しないレンズ選びに役立つかと思います。

なお、スマホのカメラの受光部は上の方でも書いたように1/2.3型か1/3型です。
これは1型に比べて2.3分の1とか3分の1という意味らしいのですが、そもそも1型って何かというとソニーのRX100シリーズのコンデジで使っていたり、ニコンのCXフォーマットとして使われている受光部であり、幅×縦は13.2mmx8.8mmです。ちなみに1/2.3型は6.2mmx4.6mmしかありません。

一方でフルサイズは同36x24、APS-Cは(規格上は23.4x16.7ですが)ここでは24x17とします。
つまりフルサイズに比べ、APS-Cは面積比で半分と言いましたが、1型は面積比で7分の1、1/2.3型なら約30分の1という大変小さな面積の受光部しかありません。
ゆえにスマホで広角レンズ並みの撮影範囲を写そうとすると大変焦点距離の短いレンズが必要となるので、特にスマホに顔を近づけて写すとのっぺりと歪みます。
よって自撮りする時は少しでも離して撮りましょうという雑学につながります。

ちなみに受光部が小さい事に益はないのかというと、あります。
まず、メーカーがレンズを作る際、ガラスレンズを作る際のコストが断然安くなり、フルサイズと同じような値段で売れば利益が増えます。
利用者にとってもレンズが小さくなり、軽量化というメリットが出ます。
メーカーが良心的ならフルサイズよりは安価に提供してくれるはずです。
もしスマホにフルサイズの受光部とレンズを持たせたらとんでもない重量とサイズ、そして値段になっていたでしょう。
あと、1/2.3型など極端に小さな受光部にした場合だと、望遠レンズが大変コンパクトに収まるという点も上げられます。
それを生かしたのが、例えばニコンのP1000というカメラです。
ニコンのP1000はレンズ交換の出来ないデジカメであり、受光部は1/2.3型です。そして手持ち出来るサイズであるにもかかわらず、35mm換算で言うと3000mm相当のレンズを持っています。
なお、実際のレンズの焦点距離も539mmあります。
3000mmを35mmフルサイズの受光部用に制作したら数千万円になるでしょうし、家1軒分くらいの据え付け場所が必要になるでしょう。
レンズというよりもはや天文台です。
ちなみに35mm用のニコン製800mmF5.6は230万円以上します。
1/2.3という小さな受光部だからこそレンズもコンパクトにでき、だからこそ普通の人が買える値段に収まった好例だと思います。
P1000ほどでなくても、例えばSONYのWX500やニコンのB700、CanonのPowerShot SX70など、コンパクトで超望遠を達成しているカメラの原理は大体同じです。

こんな小さな受光部で実用に耐える写真を生成出来るようになったのは、受光部とレンズの設計・製造技術レベルが大変進化したからです。
銀塩一眼世代のオールドレンズでさえ20mm以下の広角がほとんどないのは、そんな短い焦点距離で実用に耐えられるレンズを設計するのが技術的に困難だったからです。
スマホが1/2.3型という超コンパクトな受光部でまともな写真を写せるのは、それだけ大変短い焦点距離のレンズが出来るようになったという事なのです。

この話題にどんだけ需要あるのかなあと思いつつ、お盆に暇だったので好きに書かせてもらいました(笑)

※写真はすべて自分が撮ったものです。
※2023/8/15 加筆修正しました。見直すと色々出てくるのですよ・・

では、では。
Posted at 2023/08/12 12:56:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | NEXとオールドレンズ | 日記
2023年04月29日 イイね!

MT用シフトノブあれこれと安価な中国製シフトノブの「ゆるみ」の根治方法

こんにちは、銀匙です。

先日、スパークプラグとオイル交換で大変元気になったうちのパジェロミニ。
もう1つ気になっていたのがシフトレバーです。

元々座高が高い私は純正のシフトレバーでは高さが低すぎて届かない事があったため、自分でトラック用のウッドシフトノブを好みの長さに切断して使っていたのですが、連日浴びる日光に塗料が負けてしまい、みすぼらしくなってしまいました。

そこで汎用の5MTパターンが刻まれた革巻きシフトノブを買ってみたのですが、下記写真をご覧ください。



シフトノブの付け根ですが、穴の外側にはオスネジが切ってありますが、内側にネジが切られてないですよね?
純正ノブでは奥まったところに10x1.25というM10細ピッチのメスネジが切られているのですが、このシフトノブにはどこにも切られていない。

じゃあどうやって固定するのかというと、結論からいえば「固定出来ない」んですね。

説明書にある方法は、
1.車から生えているシフトレバー(オスネジ側)にゴムキャップを被せます。
2.そのゴムキャップごとシフトノブに押し込んでください。
3.ゴムキャップが外れないようにイモネジで固定します。

というもの。
イモネジがシフトレバーを固定するのではなく、あくまでもゴムキャップにかかるだけなので、

シフトレバー → ゴムキャップ → シフトノブ

という、まさにゴムを挟んだグニャグニャした感覚になります。
そして回転方向に固定出来ていないのでシフトするだけで簡単にノブが回ります。
そこまでは想定してたのですが、


 1時間ほど走って、何気なく力をかけたらノブがあっけなく外れた。


えぇ・・

走行中にノブを上方向に引き上げるアクションはしないとは思うのですが、ぐるぐる回るのも情けないし、これはダメだなあと。
そのゴムキャップも装着前に比べて明らかに内径が広がって緩んでます。

で、改めて下記写真をご覧ください。


要は

シフトレバー → ゴムキャップ → シフトノブ

の、ゴムキャップを金属で代替すれば良いんじゃないか。
そう思って色々探したわけです。
金属製のスペーサーとか、ラウンドナットとか、高ナットとか。
しかしいずれも

 M10x1.25ピッチ

というネジ規格での扱いが無いんですね。
こんなん旋盤と鉄の棒があれば1時間もありゃ作れるんですが・・・

まぁ無い物ねだりをしても仕方ありませんし、その為に旋盤買うのも本末転倒です。

あれこれ考えまして測りながら唸ってたのですが、よくよく見るとM10のクロメート六角ナットの最大部の実寸と、シフトノブの穴の部分の直径は、穴の方が0.8mmほど狭いだけなんですね。
最大部ってどこかというと、六角形の角から反対側の角までです。

 角を金やすりで削って叩き込めば入るんじゃね?

というわけで、やってみました。

 入りました。



まぁそこそこ角は削りましたし、ナットを傷めないようにゴムハンマー使って叩きまくりましたが、シフトノブ側が柔らかいアルミ材だったのでどうにかなりました。ステンレスや樹脂だったらこのやり方はダメでしょうねえ・・

注意点は私は高さ1.5cmのナットを2つ埋め込みたかったので、ナット同志の溝の連携を取るために一旦M10のボルトに削ったナットを2連続で嵌め、ボルトにつけたままシフトノブに叩き込んだということと、叩き込んだナットのゆるみ止めとして、念のために元々ついているイモネジを使ってナットを締め上げたことでしょうか。

なお、車に装着する時はダブルナット(実際はトリプルナットですが)のやり方で位置決めをします。
まずはM10ナットを1つ、単独でシフトレバーの一番奥までねじ込みます。
次にM10ナットを埋め込んだシフトノブをシフトレバーにねじ込み、丁度良い高さにします。
続いて先にねじ込んだM10ナットを緩む方向に回していき、シフトノブと当たったらしっかり締めこみます。
これでシフトノブを回転方向に固定し、なおかつ好きな高さに調整できます。

この程度、製品として最初からして欲しいんですけどね。
クロメートのM10ナットなんて1つ数十円ですし。


これでしばらく使ってたのですが、アマゾンで4ランナー、つまり日本でいうRAV4用の5MT用シフトノブを売ってまして、こっちの方が文字がくっきりしていて見やすいなあと。お値段も2000円程度です。



早速入手したんですが、実物を調べると2つ問題がありまして。

1つはシフトノブに切られたネジが12x1.25ピッチで、うちの10x1.25と異なること。
もう1つはシフトノブ内側のシフトレバーを通す穴が12mmボルト用にしても緩いくらい大きいこと。

2つ目の何が問題かというと、このままシフトレバーにM10→M12変換アダプタを噛ませて装着すると、シフトレバーはM10直径であるため、シフトノブと隙間が空いてしまい、ネジの部分だけでシフトノブを支える事になり、シフトノブ内側の樹脂製ネジが早々にダメになってしまう事が予想されるのです。

というわけで追加で購入したものが「同径延長アダプタ」というやつです。
本当はM10メスをM12オスにしてくれるアダプタの方が良かったんですが、アダプタの長さとか諸々の都合がありまして。
ジェットイノウエさんが出している長さ5cmのアダプタを今回は購入。1000円位でした。



結局どうなるかというと

シフトレバー → 同径延長アダプタ → M10M12変換アダプタ → シフトノブ

となります。
M10M12アダプタは金属製で500円位ですね。
しめて3500円位。

で、先ほども書きました通りシフトノブのメスネジだけ樹脂製なので、その負担を軽くするために問題2を解決します。
具体的にはシフトノブの内側にコーキング剤を流し込んでから延長アダプタをねじ込む事で、シフトノブとアダプタの間をしっかり埋めたのです。

延長アダプタがシフトノブの外側に出る部分は2cmも無いことと、黒色のコーキング剤を使ったので、まさに最初からそうだったような仕上がりとなりました(どうせ見えないけど)




今まで加工するなりしたシフトレバーを並べてみます。



※この他にも球形のノブもありますが、あれは無加工なので除外します。

次に、ここでシフトノブの重さの話をしたいと思います。
シフトノブの重さと操作の関係は一般的に下記の通りで、正反対の関係です。

 軽い:無理矢理ギヤを押し込む事がしにくくなるのでギヤボックスには優しい。
    反面シフト操作が弾かれたり、シフトが入りにくくなったり、操作に力が必要になる。

 重い:ギヤボックスの雑味を相殺してくれるのでシフト操作が軽く滑らかになる。
    反面、無理矢理な操作でも通ってしまうのでギヤボックスにキビシイ操作が出来てしまう。

まぁ純正とかけ離れなければさほど変わらないのですが。

さて、パジェロミニの純正シフトノブは重さ76gと、かなり軽量です。
NAロードスターの純正シフトノブは200g位あるようですから、純正でも随分違うわけです。

作ってきたシフトノブはどうかというと、写真の左から順に
 木製のショートノブ:96g
 木製のロングノブ:120g
 革巻きロングノブ:149g
 革巻き+アダプタノブ:176g

となります。
一番重くても100g増えただけと見るか、純正の2倍以上と見るかですが、市販品でヘビーウエイトというと400gとかそれ以上の物もあり、176gというとチタン製の軽量ノブとかが近い訳です。
なので純正に比べれば重めだけど、まぁまだまだ軽量の部類かなと思ってます。
軽自動車用のミッションなのであまり重くするのも良くないでしょうから、上限は200gくらいかなと個人的には思っています。



さて、最後に作ったシフトノブを車に取り付けてみます。



びっくりするくらい違和感がありません。
最初はダブルナットで固定しようと思ったのですが、運よく丁度良い位置だったので余計なナットもなく。
まぁナットはあるのでそのうち緩んできたら使おうかと思います。

その場で動かずにシフトしてみたのですが、木製ショートノブと比べると明らかに滑らかに入ります。
延長したので手が空振りする事もなく、ガングリップ形状なので握りやすい。革巻きなので滑りにくい。
手前味噌ですがなかなか良いんじゃないでしょうか?
次回出かける時が楽しみです。

では、では。
Posted at 2023/04/29 09:01:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | パジェロミニ | 日記
2023年04月19日 イイね!

26年物の軽クロカンに高級オイルと最高峰のプラグを導入した結果。

こんばんは、銀匙です。

さて、1996年製のパジェロミニを手に入れてから7月で2年となります。
クロカンのMT車をどうしても手に入れたかったというのと、古い車ならば出来るだけ装備が少なく、低性能なモデルの方がボディなどが長持ちするという通説を信じた訳ですが、なにせうちの子はノンターボ(NA)モデル。

本来はパジェロミニでは「NA」「4WD」「AT」は揃えてはいけません。
NAは非力であり、4WDは構造が増えて重くなり、初代のATは3ATで壊れやすいうえにギヤ比が悪くて一般道でもぶん回し続ける為エンジンに悪い。

初代パジェロミニが中古で出回り始めた頃、この3つとも揃った車はトリプル厄満(役満ではない)なんて呼ばれてました。

2代目パジェロミニでもこの3つが揃うとやはり評価は低かったのですが、どちらかというとNAの2WDのATの方が「FR仕様?何の為にわざわざパジェロミニ買ったのさ?」という目で見られる事も多かった気がします。
このFR仕様があったが為にますますジムニーに比べてなんちゃって車と呼ばれるようになった気がします。

いずれにせよパジェロミニではNAのATは鬼門です。
実際中古車で安いのはみんなこのタイプ。あるいは事故車水没車。

しかしパワートレーンがターボ仕様ならばATだろうがMTだろうが関係なくなります。ATなら便利ですしMTなら楽しいよねと掌返しです。
パワーは全てを解決するのです。力こそパワー。

で、そんな中ひっそりした存在になったのがうちの子、つまりNAの4WDのMTモデル。

初代のATモデルとは違い、エンジンをそこまで無駄に引っ張りまわしません。
4WDですからそのためにパジェロミニ買ったんだと言えます。
しかしどうしても、ターボが無いので絶対的なパワーがありません。
そしてターボエンジン並みに低回転域のトルクもスカスカです。
3代目VWゴルフのエントリーグレードのようなひっそり加減です。

とはいえ現在製造から26年間。
7月で27年になろうというクルマ。
購入時から整備は続けてきていますが、ここらで2年経過記念という事を兼ね、何かしら性能改善を図ろうと思い立ったわけです。

導入終わり。話長くてごめんなさい。

で、タイトルにどう繋がっていくかなんですが、経年劣化でガタが来ているのは全体的になんですが、少しでもNA、それも発進時に直結する低回転域を改善したい。

考えたアプローチは3つ。

1つはきちんと燃焼させること。ただでさえ性能上限の低いECIマルチの4気筒エンジンです。設計通りに点火させるための策が・・

・スパークプラグを一番いい奴にする。

じゃあ一番良いスパークプラグって何よとなりますが、文句なしにこれでしょう。

NGKプレミアムRXプラグ
https://www.ngk-sparkplugs.jp/ngk/sparkplugs/products/rx/

ルテニウムって何?って私ですが、凄そうな雰囲気は伝わってきます。
世界のNGKってだけでも信用出来ますが、そのNGKがイチオシするなら間違いない(←影響されやすい人)

なにより、片方だけイリジウムの短寿命イリジウムプラグと比べてもそれほどバカ高い訳でもないのに普通車で12万キロ、軽でも6万キロ持つというのです。
多分このプラグが寿命を迎える前に私やパジェロミニが寿命を迎えるでしょう。
というわけで奮発する甲斐があると判断。これに決定。
当然、プラグ性能を完全にするため、コイルとプラグコードも一緒に変えます。
コイルの方がプラグより遥かに高いんですが・・・・


さて2つ目ですが、シフトミスを防ぎたいということです。
具体的には「ギヤの入りの渋さ」をどうにかしたい。
1stで加速して2ndに入れる時、「ガッ」と弾かれる。
あっという間に速度は下がりますし、急坂なら下手すれば下がります。
それが嫌なので既にWAKOSのギヤオイル入れたのですが、効果は今一つ。
なのでレース界隈というか、スイフトや86界隈で人気のビリオンというメーカーのオイルを選んでみました。

買ったオイルはBILLION OILSのMT-520という奴です。
ディファレンシャルギヤとミッションが分かれていて、FRベースのミッションを保護する為の専用オイル。
これをミッションとトランスファそれぞれに投入します。
https://www.billion-inc.co.jp/billion_oils/product/mt-520.html

とはいえ、うちのパジェロミニは軽ですから、合わせても1.7Lほど。
なので2Lパック1つで足りました。


最後の3つ目は、フリクションロスの低減。
具体的には空送時を含むデファレンシャルギアの機械的ロスを下げる事。
今までもカストロールのデフオイルにWAKOSのMAGIC5を添加していたのでそこそこ良くなってはいたのですが、ミッションとオイルメーカーを揃えました。
そう、ここでもビリオンを投入します。

買ったオイルはBILLION OILSのFR-355という奴です。
https://www.billion-inc.co.jp/billion_oils/product/fr-355.html
LSDの無い一般的なオープンディファレンシャルギヤ専用のオイル。
FRでも4WDでも使えます。要はハイポイドオイルですね。

また、パジェロミニはいわゆるハイポイドオイルの使用先として前後デフの他に、フリーホイールクラッチという、4WDーH、4WD-L、FRを切り替えるクラッチにも入れるよう指定されています。
なのでこの3か所に全てFR-355を適用しますが、こちらも2Lで丁度足りました。


さて、お値段ですが・・
NGKプレミアムRX(DCPR7ERX-P):4本で5670円
NGKプラグコード(RC-ME98):1台分3232円
NGKイグニッションコイル(U4032):1台分2個で15130円
BILLION OILSミッションオイル(MT-520):2Lで9726円
BILLION OILSデフオイル(FR-355):2L分で5969円
これに作業工賃とワッシャ等の消耗小物等の費用18000円を足しまして・・

合計約58000円です・・春なのに懐は大寒波です。

じゃあどうだったのか。
散々引っ張ったんだから適当なことは言いませんよ。


体感できます


いやほんと、嘘じゃないです。
どういう時か、具体例を書きます。

まず、アイドリングでNから1に押し込む時、ぬるりと軽く入ります。
ゴキッ、じゃないんです。ぬるりと入るんです。
オールドポルシェの「水飴の中で棒をかき混ぜるような」ぬるぬる感じゃ無く、常に柔らかい支えが金属の間に挟まってるなという統制の取れたぬめり感です。
もちろんスコンと入ります。
クラッチを繋ぎつつ軽くふかします。繋がります。動き出しが滑らかです。
いつもならもう少しアクセル開けないとストールするぞというような回転で繋げても踏ん張ってくれる。
加速し、クラッチを切り、2ndに入れます。スコンと短時間で入ります。
だから加速が自然に続きます。
アクセルを踏み足さなくても軽い坂をスルスル上ります。
エンジンの中に押し出された燃料がしっかり燃えてパワーになってる感覚。
別に大パワーどっかーんというようなモノじゃありません。
あくまで52馬力のNAに過ぎません。
ただ、設計通り、ここで火花をくれてやればそれくらいの力が出るだろうという設計通りに力が出ている。だからこのミッションはこのギヤ比で良いんだ、ストールしないだろう?
そういう風に良い連鎖が起きていきます。
それまでは迷って3rdに下げて加速してたシーンで、4thのまま持ちこたえてくれるようになりました。
信号が赤に変わります。アクセルから足を話して空送となります。
エンブレは効きますが減速の仕方が滑らかかつ穏やかになりました。
今まではアクセルを徐々に離さないとがっくんがっくんだったものが、ただ離せば滑らかに速度を下げていく感じになったわけです。
つまり運転が楽になりました。

そして特に、ミッションやデフからのギヤ音が減りました。明らかに減りました。
4WDモードで普通に市街地走ってもいいかという気になります。
(乾燥舗装路での4WD走行はギヤ痛めるからしませんけど)

パジェロミニにプレミアムRXプラグとか、ビリオンオイルとかを投じた人の情報は探した限りでは無かったので、今回は詳細レポートにしてみました。

NGKプレミアムRXとビリオンオイルのミッション/デフオイル投入によって体感できる改善点をまとめます。
・低回転時のトルク感改善
・MTミッションの入りの渋さ、シフトフィールの改善
・室内に入ってくる駆動系騒音の低減
・空走減速の滑らかさ改善

これに6万突っ込んでも何とかしたいというオーナーには良い選択肢だと思います。作業時間は6時間くらいでしたかね。

注意事項として、不具合は直りません。
あくまで純正だと届かない、細かな痒い所をあちこち良くしてくれて、全体的に良い方向に持ち上げてくれるという話です。
その改善具合が、私は今後車検か2万キロごとにビリオンで入れ替え続けても良いかなと思うくらいには満足しています。オイルだけなら多少安くなりますし。

ネットを彷徨っているなかで、
「車で最も変化を体感できるオイル交換はミッションオイルだ」
というフレーズを何度か目にしてきました。
実際納車直後の泥のようなオイルからWAKOSに変えた時も静粛性等で成果はありましたし、今回ビリオンに入れ替えた事で一層良さを体感出来ました。
ちなみにエンジンオイルはオートバックスさんの一番安い量り売りオイルを使い続けてます。
エンジンオイルって何使っても正直わからんのですよ。
軽ですからどうせ5000kmも走らずに変えてしまいますし。
5W30から10W30に変えれば回りにくくなったなあとかは分かるのですが、同じ5W30でAからBに変えても正直わかんないです。
そんな程度の人間でもミッションオイルの違いは解ります。
エンジンオイルでも違いが分かる方ならよりハッキリわかるんじゃないかな。

そんな風に思いました。

というわけで、(大変高かったですが)改善大成功という事で。
これで夏場の燃費も上がってくれればいう事無しなんですけどね・・・

では、では。
Posted at 2023/04/19 20:49:40 | コメント(0) | トラックバック(0) | パジェロミニ | 日記

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何シテル?   11/26 21:42
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