「魅惑の人」 第16話
2024年 03月 04日
大妃の部屋に入ってきた王は、女人の衣を着せられそうになった棋待令を放すように命じる。子を作ろうとしない王に業を煮やしている大妃は、モンウを後宮にでもしろと迫る。王は、モンウを人質にして自分を繰ろうとするなと怒りをあらわにして出ていく。意のままにならない身を嘆く大妃。
王は、大妃の後宮にという言葉に一瞬心が揺らいだとヒスに話す。しかし、王はヒスを王宮に閉じ込めておくことはできないとわかっていた。ヒスもそういわれたら二度と会わないといい、自分が清の皇帝に呼ばれた話をしない訳を尋ねる。王はヒスを犠牲にできないと答える。ヒスは、国の安定のためにもまた父と会いたい気持ちもあって、ジェナムの諫言が王には効果があると考え、ジェナムから自分の北京行きをすすめてもらうことに。ジェナムは、ヒスが王のそばにいることはよくないと考え、また朝廷の刷新のためにも清の要求をのむように伝える。
ヒスの北京行きを認めた王は、3年たった今もヒスを守れないことを嘆くのだった。そんな王に後ろから抱きつき信頼を裏切らないようにしますというヒス。
ヒスの北京行きにはチャグンニョンと、護衛としてチュ・ダラもついていくことに。赦免されたチュ・ダラは、ヒスのもとに行く前に、復讐を果たすことにする。流刑地でヒョンボを見つけたチュ・ダラは、ヒョンボが待遇の悪さに腹を立てて監視人をけり倒して死なせ逃げ出すのを目撃する。逃げる途中のヒョンボを短刀で刺して復讐したチュ・ダラ。久しぶりにチュ・ダラと会ったヒスは、晴れやかな彼の顔を見て、逃げたヒョンボが山賊に襲われて死んだというミョンハの話を思い出し納得したのだった。
北京に行く前に、ヒスのもとへサンファが迎えにやってくる。ヒスは王が下賜した衣を着て王が待つ場所へ。美しい女人姿のヒスに見とれる王。二人は平凡な男女として、あし原を歩き川で水切り遊びし、楽しいひとときを過ごす。そしていろいろな約束事を交わす。自分がいなくとも悲しまないで、王妃を迎えてというヒスに口づけする王。ヒスの名を聞かない王は勝って聞くといい、ヒスは無事に戻って雪辱の機会をもつという。
王は棋待令が戻るまで、映翆亭を閉じた。
9か月後、サンヒョはモンウに手紙を書いている。朝廷の綱紀粛正を図るために王が役職の配置転換やいろいろな政策を実行していることを伝えているが、ミョンハには返事がこないのにとからかわれている。そして、清では睿親王が急死し、公主が戻ってくることになった。
無事に戻った公主の身代わりプニョンは王に挨拶する。王は見事に役目を果たしたプニョンにほうびを贈ろうとするが、プニョンは故郷に帰れたことが何よりで何もいらないという。そして、睿親王が領府事を罰した王を民心を得た王こそ強いものはなく、不当に扱えない国になったと語っていたと話す。
王は、公主を送ってきた清の使臣に会う。公主を無事に戻してくれた皇帝に感謝を伝えると、使臣は、皇帝に罪を犯した者を引き渡すようにという。今まで睿親王を後ろ盾にして、利を貪っていたジェピョはついに捕らわれの身に。ジェピョは王に朝鮮の民だと泣きつくが、ジェピョの過去の言動をしっかり覚えていた王は、相手にしなかった。
ミョンハはヒスを見かけた気がしてセドンの家へ。ヒスは戻っていた。父はまだ北京にいるといい、王の身を案じて王に挨拶に行かないというヒス。後日、ヒスに会ったミョンハは、ヒスが草庵先生の所に行ってとどまるつもりだと聞く。ミョンハは、王に告げずに旅立とうとしているヒスの気持ちを思いやり、王に知らせることにする。
ヒスは、王宮の前でただ眺め旅立っていく。途中、休息していると碁石を打つ音がする。音がする方へ歩いていくと、大木の下で王が碁を打っていた。ヒスの行き先をミョンハに教えてもらった王は、ヒスを待っていたのだ。どうしていまだに独りなのかと問うヒスに、ずっと心にヒスがいたという王。そこで二人は対局する。本当は会いたかったヒスは、勝負がつく前に自分はカン・ヒスだと名乗るのだった。王は、愛しそうにその名を口にする。そして王は、生涯を共にしようという。ほほえみ返すヒス。見つめあう二人の間を風が吹き抜けていった。
想像していたように碁の対局シーンで終わり、ハッピーエンドでよかった。碁は全然わからないけれど、奥が深いよね。その先を読み続けるのってかなり頭を使うと思う。王が次から次へと起こる難題を片付けていく過程も、この先を読むという考えがヒントになっているのかな。
ドラマに通底していたのは、国を守る、民を守る、利他の精神。王もヒスもこの考えは一緒だった。だから自己の利益ばかり求める人間を許せなかった。悪人を除くと、みな一貫性があるキャラで裏切りとかなかったのも、見ていて気持ちがよかった。亡くなった王妃(世子を守った)、トン尚宮(王を守った)、ヒスを守ったチャグンニョンやセドン一家。王の護衛サンファなど。
ヒスの生き方も女性とか関係なく、ものすごくヒーローっぽい。王を愛しながらも、王に依存しないで己を貫いていて、あの時代では難しいと思うけれど、そういう凛とした女性像は見ているだけでも気持ちがいい。そして、最後までぶれない王も格好よかった。出演者の皆さん、本当に演技が上手くてどっぷりドラマの世界に浸れた面白い作品だった。
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by mint-de
| 2024-03-04 16:40
| 韓国ドラマ