2013年 12月 15日
忘備 |
目的
本報では、ベースとなるPd微粒子担持カーボンについて原材料の受入れ~調合・分散工程の特性目安として粒度分布、粘度に着目する予定であるため、測定技術の情報収集を目的に「英弘精機&マルバーン主催のスラリーの分散と安定化セミナー」を聴講した内容を報告する。
日時:2013/12/13(金)
場所:神戸国際ビジネスセンター 4F
主催(英弘精機株式会社 & スペクトリス(株)マルバーン事業部)
スラリーの分散と安定化セミナー 13:00~17:00
参加者は60名近くと盛況であった。
プログラムと概要
◆英弘精機
・溶液安定性評価装置タービスキャンを用いた濃厚系分散安定性評価の原理と紹介
溶液の静地安定性を透過光、散乱光にて評価が可能(凝集、沈降、粒径変化等の評価)
光学測定であるため黒色サンプルは評価は微妙
・溶液の粘弾性を非接触で評価するレオレーザーマスターの紹介
分散液の拡散波分光の干渉縞の変化速度により粒子の平均拡散距離を捉え粘弾性を評価
◆マルバーン
・スラリーの粒子径・粒度分布測定の各種原理とその特徴について
粒子径・粒度分布測定における各手法とその特徴についての紹介
・高感度ゼータ電位測定と材料評価のご提案
液中における粒子の分散状態を評価する手法としてゼータ電位を用いた評価事例
着目議題
カーボンブラックの分散、および粒度分布計として使用しているゼータサイザーナノSの測定に対するアドバイスを頂いた。
・測定自体は測定液の濃度について測定範囲内であれば希釈の影響は少ない。
ただ分散条件は濃度に依って影響を受けるので沈降を抑えるには適正な分散剤、界面活性剤が必要。一概にカーボンといっても、ものによって違いPHなどを大きく振ってみるのも手だと考えられる。
・カーボンブラックなら代表的分散剤
スルホコハク酸ジオクチルナトリウム
オレイン酸ナトリウムHC16H32COO-Na 不飽和脂肪酸塩
タンニン酸などが一般的。
・動的光散乱法は、大粒子(異物粒子)の影響を受けやすく、
不均一な分布の広いサンプルは低精度であまり適していません
・ゼータサイザーナノSで10μを越える分布を測定した場合
測定が散乱強度の測定であり粗粉側での計測の影響を受けやすい。
0.1μ~10μオーバーであるのならレーザー回折の測定装置等が適しているが
分散度合の判断だけなら計測範囲の粗大側をカットしてみてはどうか
2番目の山の状態変化のみに着目
逆に粘性が変わるものであれば分散性の評価に使ってはどうか
正確な計測とはならない可能性がある。
可能であれば分散剤込みで分散されるのがベター
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by obaqmlb
| 2013-12-15 19:04
| その他