2014/08/01

ももクロ夏のバカ騒ぎ2014 日産スタジアム大会~桃神祭~

 ももクロにはすっかり飽きていたし、当分ライヴを見る予定はなかった。ましてや昨年酷い目にあわされたサマーダイブ。金払って不機嫌を買いに行くのか?あり得ない。佐々木敦規の仕事に金を払うなんて選択肢は、おそらく一生無いんじゃないか、くらいに思っていた。

 ただ、Twitterで知り合ったももクロ仲間達は(多分ももクロよりも)好きだし、暫くご無沙汰をしていたし、遠方から来る奴らもいるのが解ってたから、この機会に顔だけでも出して、挨拶できたらいいな、と思っていた。で、帰りは横浜のジャック&ベティで映画でも観て帰ろう、と。

 まあ、そう思った時点でなんかあったんだよね。最近俺はこういう「縁」とか「流れ」みたいなのは信用することにしているし、それで色んなコトがよい方向に進んでいるからそういうものなんだろう。ともあれ、スタジアムに向かう電車の中でTwitterのやりとりをしているうちに、新横浜に着く頃にはライヴを観ることが決まっていた。

 会場に着くと予定通り仲間とだらだら過ごす。まあ、この辺はライヴレポートではないので省略。嬉しい出会いもあったんだけどね。ともあれ、開演の40分ほど前には会場入りする。西日が差し込む会場は異常なくらい暑い。何もしてないのにだらだらと汗が流れる。ライヴ観るつもり無かったからタオルハンカチ2枚持ってるだけだし、不安。

 ステージは定刻、16:30にスタート。とはいえ、いつものメンバー紹介とオープニングフィルムからで、コレはもうワンパターン出しセンスもないし退屈だからやめて欲しい。こっちは暑い中待ってるんだからクソみたいなフィルム流してるヒマあったら歌聴かせろ馬鹿野郎。

 で、まあ、オーバーチュア。からの、なんだか和風の、お祭り風演出はさんでの、ヒダノ修一社中による和楽器をフィーチャーしたアレンジの天手力男からスタート。コレは嬉しい選曲。下馬評ではどどんが節とか言われていたけど、桃神祭というコンセプトにはマッチしている。個人的に好きな曲だしねー。更にワニとシャンプー黒い週末とたたみかける。狭い日産スタジアムのスタンドで踊るのは厳しいがこの流れではテンション上げずにはいられないのだ。食べながら歌うという演出で黒い週末を雑に扱われている気はしたけど、なんとなく「馬鹿騒ぎ」「夏祭り」コンセプトだからいいか、と思えて、あんまり気にならなかった(但し、あとからこのネタは佐々木によるエビ中からのパクリと聞いて、鼻で笑った)。でもまあ、こういった「縁」で軽い気持ちで入った以上、この3曲でそれなりに満足しちゃって、既に「来て良かったな」と思ってる自分がいる。

 一旦満足するとステージそのものに対する視線はシビアになるんだけど、それによってテンションが下がることはない。3曲でとりあえずおっさんの体力は使い果たしたので少し引いて観る。

 気になるのはステージセット。オープニングフィルムの段階で気付いたけど、正面の三分割スクリーンはクソ。フィルムの段階で「字幕が死ぬほど読みづらいな」って言って笑ってたのだけど、本編に入ると、そこにメンバーのアップを映してしまうと酷いことになることが解る。顔の真ん中ぶった切ったりさ、一番笑えるのが、中央のスクリーンに顔が入ると耳あたりくらいが左右のスクリーンに映るから、異常に顔がでかく見えるんだよ。もう、コレ作った奴(佐々木敦規か)センス無さ過ぎる。

 5億円かけたというセットも微妙。とにかく存在感が平板。中央の神社(?)に全く存在感が無くて、何らかの演出に使われたのもせいぜいD'の純情で悪役が走り回ったくらい。ももクロが上に登ることは一切無かったし、窓の部分におざなりなイルミネーションがあるくらいで中途半端にしか見えなかった。

 この建造物、実際には主にバンドの演奏用ブースとして使われているんだけど、ゲスト扱いの筈のヒダノ修一もこの中にいるもんだから全然目立たないし、あと、建物の中のバンドがスクリーンに映ると、全然関係ないスタジオで淡々と演奏しているだけ、って印象に見えて、つまり全然ライヴ感が無いのね。

 で、この建物を含むメインステージから、飾り気のない通路が周囲に張り巡らされてアリーナ後方にサブステージ。通路の途中にはいつものリフト。サブステージの舞台はせり上がり式、と全く普段と代わり映えのない構成で、佐々木の引き出しの無さを露呈。まあ、余計なコトやらない分逆に良かったと言うのも圧倒的にホントだけどね。むしろ佐々木が引き出しを使い果たしたことに感謝、か。

 ちなみに今回は普通にアリーナに客が入れられていて、つまり去年のアリーナの使い方は国立競技場使用に向けたポーズだった、と言う事実も露呈したんだけど、アリーナ中央に花道がないから、メンバーは常に周辺の通路で移動することになる。当然反対側のメンバーは見えないし、スクリーンのカメラワークが悪いから移動を始めるタイミングが、画面観てると解りづらくて、気付くと生のメンバーを見失ってることが多々あった。曲が終わってから「なんだ、サブステージで歌ってたのか」なんてコトさえ。

 まあ、俺が3割近くの時間座ってた(=スクリーンしか見えない)せいもあるとは思うんだけどさ。

 4曲終わって気付いたのは、MCが凄く聞き取りやすかったこと。今まで観た大会場のライヴはどれもMCが反響しまくって、しかも若い女の子のとりとめないキャピキャピ会話だから何言ってるか全然解らなかったんだけど、今回そういう瞬間はなかった。あと、もう少しライヴが進んでから気付くんだけど、トラック使ってる曲とバンドがやってる曲での音圧差も気にならなかったのね。それは何故か、と考えたら、多分全体の音量が低めに抑えてるんだ、と。だから音響的には聴きやすかったけど、コールに全部がかき消される曲も多かった(特に座ってるともうステージの音は殆どきこえない)し、堂々平和宣言とかみたいな踊りたい曲で低音が出てこない。だからこの辺は痛し痒しだったね。客が騒がなければ聴きやすくて、良かったんだけどなー。

 随分長文になったけどまだ5曲目だ。

 Contradictionを久々に聴いたのは良かったけど、次の泣いてもいいんだよはやっぱりどう聴いても退屈。それから休憩タイムに入ったので飲み物補給に出たら、もう長蛇の列。このタイミングでMCって解ってたら曲の途中で出れば良かったよね。しかし並ぶうちに「熱さ対策としてのかき氷」を発案した。天才である。シロップをかけないかき氷は食べて良し、身体にかけて体温を下げるも良し、の万能薬である。真似するように。ただ、ドリンク列に並んでる間に笑顔百景どどんが節が終わってしまった。まあ、この2曲ならいいか。結局客席に帰ったのはココナツの途中。なんか変なテンションで踊りながら客席戻ったなぁ。

 キミとセカイサラバ労働讃歌のパートは非常に盛り上がるんだけど、もはや安定。続いて「アメリカからのメッセージが」と言うんで、このタイミングだし、まさかレディ・ガガ!?と期待したら田中将大。「なんだ野球かよ」って呟き着席。そのままMy Dear Fellowで、なんかこの曲田中に向けて作ったとかそういうのらしいね。ふーん、って感じで盛り上がりもせず。ここから川上アキラ〜ボイストレーナーの登場までの流れが個人的には一番テンションダウンした瞬間。どうもスタッフが前面に出る展開嫌いなんだよな。なんか最近川上アキラ嫌い。
 
 この辺まで観てて、特にこういうインターミッション観て思うんだけど、なんとなくもう納得しちゃったというか、良く言えば安定感、悪く言えばマンネリ。「あ、もうこれ以上の展開はないな」「悪くもならないだろうけど良くもならないな」と思ってしまったのは事実。多分、佐々木敦規に演出させてる以上これが限界で、良くも悪くも新しい展開が必要なら彼をクビにする以外の道はない。

 まあ、メンバーにも非がないと言ったら嘘になるんだけど。雑さは目立ったな。楽しそうで、気楽そうで、しかも安定してる分雑に見えた。行き届いてない感じ(特に玉井)が目立ったな。高城は相変わらず真剣勝負感じたけどね。

 閑話休題。衣装替えしてNeo Stargate。もうイントロ(カルミナ)はいいんじゃないの。なんかだれる。そして相変わらず使い勝手のいいLost ChildでなんとなくEDM的なパート。踊りどころですな。この辺で思ったのかな、ああ、高城ってすごくいい声してるな、って。前から思ってはいたけど、なんか実感した。
 
 ここでMCから新曲紹介コーナー。セーラームーンのOP/EDらしく、俺はここではじめて聴くのだけど、Moon Prideはセーラームーンとももクロの折衷点、という感じの可もなく不可もない、まあ要するに両方のファンが安心する落としどころで作りました良いお仕事ですね、って言う感じ。月虹は、なんかつまんないバラード。5th Dimension収録曲でももクロのバラードのレベルが一気に上がったと思ってたけど、また戻っちゃったなー。そのままコノウタに続くんだけど、まあこのブロック、俺は座ったまま。
 
 まあ、個人的意見としては「セーラームーンを意識した衣装」「美少女戦士になった気分」って言うなら、ちゃんとレオタード系の衣装にして玉井詩織の脚線美をがっつり見せなさい、と。中途半端なんだよ。脚見せろ脚。脚だよ。玉井の脚見せないでどうするんだ。

 MCからの流れで、杏果の加入5周年の話になると、客席は緑のライト一色に染まる。が、ここで杏果はひたすら余裕の表情。コレが俺的には「おおっ!」ってなったね。当然、いつもなら号泣の展開じゃん。それがもうね、「ふーん」って顔なのよ。杏果は終始楽しそうだったし、気楽そうだった。それは凄く良かったと思う。

 で、天竜源一郎登場となるんだけど、個人的には彼のしゃがれ声をいじる展開はどうかって思うんだよねー。ご本人の懐の深さで成立してる演出だよなー。まあそれはともかく、玉井のビンタは破壊力を増してたね。奇しくも黄色のTシャツを着ていた天竜とビンタ共演して欲しかった。清野氏は死ぬだろうけど。眼鏡見つかって良かったねえ。

 ラストはDNA、そしてまたしても新アレンジの走れ!。展開を変えるとついて行けないモノノフに笑ったが。俺の問題点はアレだよね、ももクロ的には終盤で最高に盛り上がる筈の走れ!とかあの空とかコノウタとか、こういう曲があんまり好きじゃないところだよね。尻つぼみになっちゃうんだよな、いつも。

 とは言え、アンコールはアレが来る!と思いながら再登場を待つ。そして、オーバーチュア的なのに導かれつつ、和風新アレンジを施した怪盗少女でアンコールはスタート……なんだけど、このアレンジあんまり良くないよね。グルーヴがなんか纏まらない。バンドと和楽器隊のすりあわせ不足は随所で感じたな。そして終盤をせり上がったサブステージで歌うんだけど、なんか足場悪そうでジャンプが心配だったのと、ラストで遠くに行っちゃわない杏果に物足りなさを覚えたりも。

 次が鋼の意志キミノアトで、退屈。鋼始まる前の煽りのMCで、次の曲が何か気付くにつれテンションが下がる俺がいる。周囲が拳を揚げる中、ひとり着席する。アンコールなのにつまんねー曲やるなよなー、って思いつつ。でも「最後はアレに違いない!」と思いながら立ち上がると。

 あれ?チャイマじゃないの!?猛烈!?……うーん、まあいいや!コレもまあ好きだし。そういえば本編で演ってなかった。しかし猛烈EPからの皆勤率高すぎないか。毎回3曲揃って演ってる印象がある。終盤は例によってメンバー紹介で引き延ばす。でもチャイマや労働ほどガツンと嵌らないんだよなー。悪くないけどねー。

 高城の早変わりについても触れる必要があるだろう。前回の失敗のリベンジがしたい、と同じ衣装で挑み、あえてネタを仕込むもスカートを脱ぐのに失敗しネタは滑り気味。そして、下に履いたトランクス風衣装には突っ込みが入るも、何故かスタッフTシャツ(前の曲の最中既に見えていた)に関してはスルーされるという仕打ち。

 ラストのMCも感動を排除したぐだぐだなもので、去年のツアーの馬鹿っぽさを思い出して良かったな。特に夏菜子の(自己紹介の二十歳コールも酷かったが)客を馬鹿にした態度は磨きがかかっている。多分この子は本当にアイドル界の頂点に立っているな。馬鹿、と言う意味で。

 あ、最後に。触れ忘れてましたけど、結局今回の感想を集約すると「あーりん可愛いな」ってコトでした。

2014/06/09

My Dear Fellow

アイドルファンの立場で見れば一番親しみやすいと思える、シンプルなJ-Pop的メロディとアレンジの曲。

 勿論、俺は苦手のパターンなんだけど、最近の大仰路線が嫌いすぎてコレが妙に収まりが良く感じるのも事実。「ああ、アイドルはこういうコトやってるのが正しいのだなあ」という気分になってきた。

 ただ、収まりがいいのはつまり過去の楽曲を適当に焼き直した感じだから、と言うのも事実。Battle and Romanceのなかで埋もれていた曲、と言ったら信じてしまいそうだ。それが決して悪いことではない、と思えるようになったのがこっちの心境の変化なワケだが。

 要するに3曲通して聴いて言えるのは、現在のももクロが音楽的には完全に行き詰まっている、っていうコトなんだろうな、と思う。きっとコレからは歌手と言うより、お茶の間にお馴染みのタレントとしての活動に力を入れるという宣言なんじゃないかな。

堂々平和宣言

5 the Powerに続く2曲目の本格(?)ラップナンバー。

 チープなエレクトロニックサウンド、ちょっと初期コンセプト回帰を感じる和の香り、そしてラップ、と気を引く要素が悪くないバランスで組み合わされている。

 のだけど、5 the Powerに比べてメンバーそれぞれの個性、っていうか存在感を生かそうという意志が希薄で、どのパートを誰が歌っても一緒でしょ?っていう気分になる。居心地はいいし、聴きやすいんだけどね。一曲目が酷いからなんとなくほっとするんだけど、冷静に聴くとどうにもパッとしない。

 シングルB面曲、っていう捉え方をすればワリといい塩梅なのかも知れない。

泣いてもいいんだよ

中島みゆき作曲による、あくまで個人的見解ではあるが、ももクロ史上最悪のシングルリードトラック。

 レビューするのも嫌なほど酷い。もう「大嫌い」としか言いようがない。いいとか悪いとかじゃなくて、受け付けない。苦しいのは誰ですか、だと?俺だよ。

 とにかく有名人起用による話題性優先パターンと、無駄に大仰なだけで何も感じさせないアレンジが最低の形で出会った作品。良い部分が一個も見つけられなくて、泣いてもいいんだよ、と言われたら確かに泣きそうだ。こんなものに金を払った、と言う意味で。鋼の意志より、もリフより遙かに嫌い。聴いているとイライラしてくる。サックスが嫌。ストリングスが嫌。メロディが嫌。杏果の歌い方が嫌。何が「そーりゃ」だ。エンディングが70年代のアニメ主題歌みたいで、その瞬間だけ救われる。それとも「やっと終わった」って言う喜びかな?

 叩いてもいいんだよ。

2014/06/02

ムーンライト伝説 / タキシード・ミラージュ

セーラームーンのトリビュートアルバムに提供された2曲。

 このアニメに対して思い入れどころかただの一回さえ見たことのない俺でさえ知っている有名なオープニング曲、ムーンライト伝説をストレートカヴァー。ストレートすぎて特筆することが何一つ無いが非常に安心感のある(=可もなく不可もない)カヴァーに仕上がっている。こういう昭和臭いメロディがももクロとの親和性が高いのは今更言うまでもない。

 タキシード・ミラージュの方は全く知らない曲なのだけど、個人的には非常に苦手なタイプのバラード。玉井がこの時期にしては驚くほど不安定な音程でオープニングを飾る。他のメンバーの歌も妙にやっつけ仕事?

 とはいえ、最近の無駄に大仰で、話題性だけを狙ったような作品群と比べると良い意味で力が抜けていて、個人的に「アイドル」という物に求めていた空気感が久々に帰ってきたような、そういう緩い存在感は決して悪くない。

 よりによってももクロ初の7インチシングルが切られた、と言うコトは特筆しておきたい。

2014/02/13

TwinkleWink / Twinkle5


 劇中ではカナエ(夏菜子)加入前、メンバーチェンジ以前の曲として使われているため、飛鳥凛が一部のヴォーカルを担当、夏菜子は不参加となっている。

 冴えない時代の楽曲ということで、意図的に何の変哲もない、ステロタイプなアイドルソングを模して作られている。アイドルには門外漢の俺が聴いても「ああ、アイドル曲っぽいねぇ、しかも絶妙にダサいねえ」と思えるように作られているのが立派。あくまで、そういう機能としての楽曲なのでコレが名曲だったら役に立たない。わざと駄目な曲を作るっていう、作曲家の能力には敬服する(オレンジノートとかの人だから、凡庸な曲しか作れない可能性は否定できないが)。

 それを演じる第一期Twinkle5の面々も、現在のももクロが得た物をあえて捨てて、演技として「冴えないアイドル」として歌っているように聞こえる。駄目であることが正解、という曲もあるのだ。

JUMP!!!!! / Twinkle5

NHKの2013年クリスマスドラマの劇中歌で、配信のみでリリースされたシングル。ももクロ演じるドラマ内のアイドルグループ、Twinkle5名義でのリリース。

 夏菜子(カナエというべきか?)のアカペラソロヴォーカルで始まるのだけど、いつもの夏菜子と全然印象が違って一瞬ドキッとする。こんな上手かったっけ?

 2ビートのノスタルジックな曲調が心地よい。最近のももクロで聴けなかった、シンプルで楽しいポップソングを素直に聴かせる造りは、最近の路線に食傷気味だった耳にはすっきりと気持ちよく響く。俺が今求めている「アイドルポップス」はコレが一番近いのかも知れないなぁ、とまで思ってしまうのはGOUNNとか鋼の意志とか聴いて疲れた後だから、って気もするけど。

 杏果のヴォーカルが、今のスタイルと喉の治療以前のスタイルの中間くらいに収まってきてる感じなのが少し気になる。悪い意味でなく、昔のスタイルをコントロールして出してるようにも聞こえる。それから高城の声の存在感が増してるのが聴き取れるのも重要。逆に、あーりんは比較的存在感が高くなく、玉井はいつもの如く。

 それにしても、この曲を「ももいろクローバーZ」名義でリリースできない(しかもフィジカルリリースも無し!)、というのは、圧倒的に不幸だ。

2014/02/02

鋼の意志

アルフィーの高見沢俊彦作曲の、アルフィーみたいな曲。使い回しという話は多方面から聞いたが、幸か不幸か原曲になっているアルフィーの楽曲を俺は知らない。

 泣いちゃいそう冬が思ったより聴けたので油断していたら地雷はここに潜んでいた。いや、地雷って言うか、ヤバそうとは思ってたんだけど、個人的嫌い度は広瀬の方が遙かに上だからさ、高見沢はまあ、布袋レベルより少し低いくらいのロックナンバーかな、って思ってたわけですよ。

 なんだろうね、この退屈は。コレも最初に聴いたのがLVだったんだけど、動きのない振り付け(スタンドマイク使用)と相まって躍動感もグルーヴも何も感じない、異様につまらない曲に感じた、と言うのが第一印象。

 CDで聴いてもあまり印象は変わらない。サビの聴きづらさが少し緩和されたかな、という程度。曲としてはまあ、ももクロ的には今まで無かったタイプの歌謡ロックなので、なんとなく新鮮味も感じるんだけど、漠然とした押しつけがましさ(体育会系的?)が楽曲全体に漂っていて、Chi-Maxxや労働讃歌のようには乗れないのだ。

 サウンド、特にドラムパートの安っぽさが久々に気になる。最近の作品ではこういうロック的な曲は生バンドを使うことが多かっただけに、高見沢のギター以外基本的に打ち込みなのが妙に貧乏臭さと違和感を持って聞こえてくる。2011年までのももクリシングル同様の「予算不足感」が漂ってしまう、悲しい曲。

泣いちゃいそう冬

クリスチャン・ラッセン先生謹製のありがたいジャケットに包まれ、豪華超大物作曲陣を迎え制作されたももクリ限定盤シングルの2013年版。リードトラックは「冬の女王」こと広瀬香美作曲で……

 ああっ!やめやめっ!!

 今回のシングル、リリース前の「期待できない感」は半端無かった。もう全ての要素が嫌な予感しかしないという恐ろしい人選。発表されたアートワークも「ラッセンライブラリから適当に素材持ってきて切り貼りしました」って感じだし、現物を見たら表は仏教(?)裏はフリーメイソン(笑)という出鱈目具合。もう腰砕けにも程があって逆に名作の予感がしてくると言う……

 ラッセンをこき下ろすのはこの辺にしておこう。このブログはあくまで楽曲のレビューが目的だ。

 広瀬香美は春の西武ドームで我々にトイレに行く時間を提供してくれた恩人である。そんな人がももクロに楽曲を書き下ろすんだから悪い予感しかするわけもなく、実際聴くまでは「例の曲芸」でメンバーに負担を掛けまくる曲になると思っていた。

 えーとね、正直言うと、そんなに悪くない。いや、俺が酷いのをイメージしすぎた、というのはあると思うし、実際かなりキツい曲だとは思う。出だしの「いつの時代だよ!」って言いたくなる「泣いちっち」で聴き続ける結城が挫けそうになるし、サビのどうしようもない歌詞を無駄に詰め込んだパートを聴いているとこっちの方が泣きそうになる(情けなくて)。

 だけど、最初に聴いた環境が良かったのかな。「俺の藤井」のLVでなーんとなく聴いたら、メンバーは可愛く見えるし、そんな悪い印象は持てなかったのだ。まあ、家で音だけ聴いてるとやっぱり、相当しんどいけどな。

2014/01/29

tofubeats Megamix

「輝く地球 繋がる地球 笑う地球」と題された、ファンクラブ継続特典CDに収録されたリミックス作品。tofubeatsはセカンドシングルでももいろパンチのリミックスを手がけて以来二度目の起用。メガミックス作品としても小西康陽によるものに続き二(三?)作品目となる。
 
 走れ→ももいろパンチ→気分はSuper Girl→行くぜっ!怪盗少女(断片)→words of the mind→ツヨクツヨク→行くぜっ!怪盗少女→未来へススメ!→あの空へ向かって→ラフスタイルと続く、27分にわたる長大な作品。ってか各楽曲がほぼフルコーラスで使われてるから長いし聴いていて疲れる、飽きる、うんざりする。
 サウンドをぶつ切りにして組むスタイルのミックスはTofubeatsの芸風のようだけど、30分近く延々コレを聴くのもなかなかしんどいものがあるね。声が震えてるみたいに聞こえるの、気持ち悪いんだよな。少しだけやるならいいけど、延々コレばっかりだと辛い。聴きづらい上に踊れないし。まあ、控えめに言って、最悪の部類。

 まあ、あくまで「特典」でそれ以上でも以下でもない、普通は一回聴いて終わりだろうねえ(俺もコレ書くために初めて聴きました)。いやー、聴いてて苦痛だった。この特典CDの価値は唯一、ジャケットのみであると言って過言ではないだろう。