HiHi Jets 猪狩蒼弥さんの信仰をはじめました

書かなければと思った。昨日更新されたHiHi Jets 猪狩蒼弥さんのブログを見て、書かなければと思った。SixTONESの東京ドーム公演を見てその感想を綴った猪狩くんのブログは、凄まじい熱量で自分の視点から見たSixTONESを余すことなく言語化し表現していた。21歳でこれだけのものが書けるなんて一体何者なんだこの人は…とその才能に驚愕すると共に、私もここ数日で猪狩くんに対して抱いた感情を書かなければならないと強く感じたのだった。

2024年のゴールデンウィーク初日、私は新潟に向かっていた。ゴールデンウィーク後半は高知に帰省する予定にしていたので、前半は家でゆっくり過ごそうと思っていたのに、ここに来てとんだ誤算だ。横浜で初めて見たHiHi Jetsのライブが楽しくて、おかわりしたいと思っていたところ、数日前にチケットぴあで新潟の数百席のチケットが追加販売され、それに飛びついたのだった。慌ててホテルと新幹線を手配し、バタバタと新潟に行く準備を進めた。

横浜公演を見た後に、HiHiファンの知人に譲っていただいた過去のライブDVDを2枚見た。今回のライブが特別良かっただけだとしたら、すっかり冷めてしまう可能性もあると思っていたが、過去のライブの内容も今回見たライブと共通して、事務所のDNAを存分に感じられる内容で、しっかりファンの歩みを進める結果になった。この時点の私はまだちょっと自信がなかった。長くアイドルのファンをやってきたけれど、ここ数年は自分の人生と向き合う時間も多くなり、20代のときのようにのめり込んでファンをするということがもうできないのではないかと思っていた。それはアイドルのキャリアが多様化してきたこの時代、彼らの夢を信じてのめり込むのもまた自分の感情を疲弊させるリスクがあるのではないかと弱気になっているところがあった。先日古くからの友人と「もう私たちもオタクとしての余生を楽しんでいる感じになってきたね」と、熱量が穏やかになってきた自分たちのことをそう形容したりしていた。何となくもう熱量高くハマれない体質になってしまったのかなと思っていた。残念だけどオタクの通過儀礼として、変わりゆくオタクライフバランスを受け入れていた。

ところがどっこい、新潟で私は再び誰かを深く信仰したいと思い始めたのである。それが猪狩くんである。先に書いた通り、猪狩くんは言葉を巧みに操れる人で、その言葉の強さに凄まじい吸引力を感じ、この人と並走していたいと思ったのだ。よくアイドルがライブの最後に「みんな嫌なこと忘れられた?」と聞いてくれたりするが、私はそれには少し違和感があり、まず人は必ず嫌なことに直面しているという前提があってアイドルはそれを忘れさせることができる魔法の力を持っているという構図がどうもしっくり来ない。もちろん過去に嫌なことをライブで発散できたこともあったが、個人的にはアイドルも私もそれぞれの人生の目標に向かって走っていて、私は購買という形でアイドルにエールを送り、アイドルはサービスという形でエールを返してくれて、ライブはお互いの状況を鼓舞し合う接点としてある。そんなポジティブな関係だと思っているので、私は勝手にいつもアイドルと並走している気持ちでいる。その並走相手は、できればより難しい目標に向かって走っていることを明確に言葉にしてくれる人を選んでいる。これまで好きになったアイドルとして、手越さんも、北山さんも、そういう意味でとても素敵な並走相手で、私は彼らが目標を口にする度に鼓舞され、思い悩んだ時は「手越さんならどうするか」「北山さんならどうするか」と考えたりしていた。新しい並走相手を探していたつもりは全くなかったが、猪狩くんがまだデビューしていないJr.ながら東京ドームや国立競技場でのライブを目指していることを明確に口にしてくれたことによって、次はこの人と並走したいと思ってしまったのだ。

新潟で猪狩くんのソロ曲を双眼鏡を覗き込んでじっくり見た。猪狩くんは透明なドームの中に閉じ込められた状態でピアノを弾き、歌い、言葉を紡ぎ、くるくる回る。その猪狩くんの周りには多くの薔薇の花びらが舞い、大きいモニターには歌詞がぎゅうぎゅうと詰め込まれ表示されている。情報が多い。猪狩くんの顔を見ていれば良いのか、歌詞を見ていれば良いのか、全体を見ていれば良いのか、判断が追いつかないままに終わる。並走だなんて烏滸がましい。彼はとっくにもっと先を走っているかもしれない。なので現時点ではまだ並走相手ではなく、教祖と信者くらい遠い関係だと思っている。これから猪狩くんをより深く知り、猪狩イズムをを理解することで、並走することができるようになる。だからまずは信仰からだ。HiHi Jets 猪狩蒼弥さんの信仰をはじめます。