【ファンキー通信】なぜ「オープン価格」があるか知ってます?

写真拡大

 家電製品をカタログで調べていると、値段のところに「オープン価格」って書いてあるコトありません? これって一体どんな価格かご存じですか?

 辞書で調べてみると、「製造業者が希望小売価格を設定せずに、小売業者が市場実勢に応じて設定する商品価格」とのコト。簡単に言うと、例えば、A社というパソコンメーカーが、B社という販売店に自社製のパソコンを卸す時に、「お客さんには20万円で販売して欲しい」などの販売希望価格は伝えず、B社独自で決めた店頭販売価格のコトを指すんだそう。

 でも、これってメーカーにとってメリットってあるんですかね? なんだか売ってほしい値段を言えたほうがいいような気がするんですけど・・・。

 「各メーカーがオープン価格を導入した背景には、小売業者間の競争が激化し、希望小売価格に対する販売価格が予想以上に低下してしまったことが挙げられると思います。というのも、希望小売価格と実際の販売価格がかけ離れてしまうと、消費者に、“○○の商品は安売りされている”という誤認をおこさせ、結果的にブランドイメージを低下させてしまう恐れがあるのです」(某メーカー関係者)

 つまり、メーカー希望小売価格を設定している場合、例えば、パソコンメーカーのA社が「20万円」という価格を提示したのにも関わらず、電気屋であるB社が「メーカー希望小売価格20万円のところ“10万円”」という値段で販売した場合に、B社に買いにくるお客さんが、「A社のパソコンは安売りされている=性能がよくないかもしれない」というイメージを抱いてしまうというワケ。

 ちなみに、オープン価格が導入されるパターンは2通りあり、発売時よりメーカー側が希望小売価格を設定していない場合と、商品の型が古くなって値崩れが始まってから、メーカー自らが希望小売価格を撤廃する場合があるそう。基本的にはメーカー側が独自で決定するものであって、公正取引委員会などで法的な規制などはされていないんだとか。

 「景品表示法や独占禁止法などに触れる恐れがある場合には規制を行いますが、例えば“この商品にはオープン価格を導入しなさい”などの法的規制は一切ありません」(公正取引委員会)

 ん〜、なるほど。ひとつ賢くなりました!(清川睦子/verb)