平和安全法制特別委員会、採決の真相(その2)
前回の追記が長くなったので別のエントリーを立てました。
前回のIWJの岩上安身氏の民主党参議の小西議員へのインタビューの中で
25.岩上「もう一つが、委員会のメンバーではない人間が委員会に入ってきた、ということ。これは違法なんじゃないですか?しかも、秘書もいたという。議員には不逮捕特権がありますが、秘書は完全に犯罪なんじゃないですか?」@iwakamiyasumi
https://twitter.com/IWJ_ch1/status/646288583121244160
という部分がわかりにくいかと思いますので、元動画の下記を改めてご紹介します。
現在、無料公開中のようです。
岩上安身による小西洋之議員緊急インタビュー!票決が盗まれた犯行現場・委員会室でパンチを食らいながら目の当たりにした一部始終!「憲法奪還」の戦いがこれから始まる!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/265985
実は、私もまだこちらは全部見ていません。後でじっくり試聴しようと思うのですが、とりあえず、採決の場面で部外者の乱入があったことについてのお話は「前篇」の40分辺りから始まります。
ここで、あの時なだれ込んできた人たちは自民党の国会議員であっても、この特別委員会のメンバーではなかったこと。そしてその中には議員秘書も混じっていたことを小西氏は語られています。
そして、たとえ国会議員であっても正式な手続きなしに勝手に委員会に入ることは出来ないので、あれはあきらかに「国会法違反」だったと述べられています。
岩上氏は岩上氏で、国会議員の身分を持たない、秘書のような「民間人」が委員会に無断侵入して議事の進行を妨げ、それに抗議する委員会メンバーである野党議員を力づくで排除するといというのは刑法にも触れる犯罪ではないかと述べられています。
いずれにしてもこのような法律違反の下での採決が有効であるというのは明らかにおかしいです。
前回も御紹介しましたが、実際のその時の動画がここにあります。
安保法制委員会強行採決の8分間ノーカット
http://www.dailymotion.com/video/x375y4c_%E5%AE%89%E4%BF%9D%E6%B3%95%E5%88%B6%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E5%BC%B7%E8%A1%8C%E6%8E%A1%E6%B1%BA%E3%81%AE8%E5%88%86%E9%96%93%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%8820150917houdoustation_news
委員会外部の人間と思われる人たちの乱入から、混乱の最中に無理やり採決が取られてしまうところまで、時間的にも空間的にも比較的広い範囲が写っています。あの写真で撮られた、小西議員を佐藤議員が拳で押しのけるところも映っています。
小西議員については時間的にも空間的にも、あの部分に特化した別の動画が出回っていて、それで見ると、たしかに小西議員がムキになって彼に背を向けて立っている人物にアタックしているように見え、それを佐藤議員が拳で遮ったということで、小西議員が一方的に乱暴者だったように見えます。たしかに、その数秒間に限って言えばそれは事実でしょう。その時点に限れば小西議員にも非はあったと思います。しかし、その前後関係を無視して、もっと大きな非を見逃すのはとんでもないことです。
前回のIWJの岩上安身氏の民主党参議の小西議員へのインタビューの中で
25.岩上「もう一つが、委員会のメンバーではない人間が委員会に入ってきた、ということ。これは違法なんじゃないですか?しかも、秘書もいたという。議員には不逮捕特権がありますが、秘書は完全に犯罪なんじゃないですか?」@iwakamiyasumi
https://twitter.com/IWJ_ch1/status/646288583121244160
という部分がわかりにくいかと思いますので、元動画の下記を改めてご紹介します。
現在、無料公開中のようです。
岩上安身による小西洋之議員緊急インタビュー!票決が盗まれた犯行現場・委員会室でパンチを食らいながら目の当たりにした一部始終!「憲法奪還」の戦いがこれから始まる!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/265985
実は、私もまだこちらは全部見ていません。後でじっくり試聴しようと思うのですが、とりあえず、採決の場面で部外者の乱入があったことについてのお話は「前篇」の40分辺りから始まります。
ここで、あの時なだれ込んできた人たちは自民党の国会議員であっても、この特別委員会のメンバーではなかったこと。そしてその中には議員秘書も混じっていたことを小西氏は語られています。
そして、たとえ国会議員であっても正式な手続きなしに勝手に委員会に入ることは出来ないので、あれはあきらかに「国会法違反」だったと述べられています。
岩上氏は岩上氏で、国会議員の身分を持たない、秘書のような「民間人」が委員会に無断侵入して議事の進行を妨げ、それに抗議する委員会メンバーである野党議員を力づくで排除するといというのは刑法にも触れる犯罪ではないかと述べられています。
いずれにしてもこのような法律違反の下での採決が有効であるというのは明らかにおかしいです。
前回も御紹介しましたが、実際のその時の動画がここにあります。
安保法制委員会強行採決の8分間ノーカット
http://www.dailymotion.com/video/x375y4c_%E5%AE%89%E4%BF%9D%E6%B3%95%E5%88%B6%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E5%BC%B7%E8%A1%8C%E6%8E%A1%E6%B1%BA%E3%81%AE8%E5%88%86%E9%96%93%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%8820150917houdoustation_news
委員会外部の人間と思われる人たちの乱入から、混乱の最中に無理やり採決が取られてしまうところまで、時間的にも空間的にも比較的広い範囲が写っています。あの写真で撮られた、小西議員を佐藤議員が拳で押しのけるところも映っています。
小西議員については時間的にも空間的にも、あの部分に特化した別の動画が出回っていて、それで見ると、たしかに小西議員がムキになって彼に背を向けて立っている人物にアタックしているように見え、それを佐藤議員が拳で遮ったということで、小西議員が一方的に乱暴者だったように見えます。たしかに、その数秒間に限って言えばそれは事実でしょう。その時点に限れば小西議員にも非はあったと思います。しかし、その前後関係を無視して、もっと大きな非を見逃すのはとんでもないことです。
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平和安全法制特別委員会、採決の真相
この“乱闘場面”の写真は世界に配信されてしまったそうですが、あるブロガーさんは、あのイメージがこれからの日本の暴力性を映したたものだと、世界の人々から受け取られなければよいがと、懸念を述べていらっしゃいました。
たしかにこの法案に反対されていた、紛争地帯で働くNGOのスタッフの方々のお気持ちを思うと胸が痛みます 追記部分 (注1)
ところで、この乱闘の原因ですが、初めは法案に反対する野党議員たちの狼藉のように言われたようですが、その真相はだいぶ違ったものだったようです。
あの時、実際には何が起こっていたのか?
まずは産経新聞が載せた記事から。
“ふくよかな”議員が外側ブロック、自民の「鴻池委員長防衛シフト」 参考にしたのは防衛大学校名物の…
産経ニュース 2015.9.18 19:34
http://www.sankei.com/politics/news/150918/plt1509180085-n1.html
(以下転載)-------------------------------------------------
参院平和安全法制特別委員会で17日に行われた安全保障関連法案の採決では、自民党の若手議員が採決を妨害する野党議員から鴻池祥肇委員長を防御するため、防衛大学校名物の「棒倒し」を参考に、綿密な守備計画を作り上げた。防衛大出身の佐藤正久筆頭理事が指南役となり、開会前の同日早朝、ひそかに集まってシミュレーションもしたという。
関係者によると、佐藤氏はまず、若手議員らを(1)鴻池氏を取り囲んで守る係(2)鴻池氏に詰め寄ろうと近寄ってきた野党議員をはね返す係(3)採決時に起立賛成するため席に戻る係-の3グループに分類。17日午前7時頃には、同委開会前の参院第1委員会室に極秘に議員を集め、委員長席の背後など特に厚くブロックすべき位置を指南した。
鴻池氏のすぐ側には身長の高い議員を、外側には、脇からの侵入を防ぐため、ふくよかな議員を並べるなど緻密に計算したという。
若手議員たちは室内で、それぞれの体格や運動能力に応じた配置を考え、最も早く委員長席にたどり着くルートなどをシミュレーション。それが鉄壁の守備につながったという。
棒倒しは防衛大の伝統競技。毎年11月に開かれる開校記念祭の名物で、4チームが高さ数メートルの棒をめぐり攻守を繰り広げる。
(転載ここまで)------------------------------
ちなみにヒゲの隊長こと、佐藤正久 自民党参院議員は元自衛隊幹部で、2004年のイラク派遣部隊の隊長であり、のちにその当時を語った「駆けつけ警護」発言で問題になった方ですが、最近は安保法案を説明するための自民党製作のアニメ、「教えて!ヒゲの隊長」で、女子高生の「あかりちゃん」を相手に安保法案の解説をしていました。しかし、すぐにパロディの「ヒゲの隊長におしえてあげてみた」で、その「あかりちゃん」に逆襲されていた方です。
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参考
2007年8月17日(金)「しんぶん赤旗」
イラク派兵 「駆けつけ警護」発言 市民ら違憲と質問状
佐藤正久・自民参院議員
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-08-17/2007081714_01_0.html
自民党製作 教えて!ヒゲの隊長
https://youtu.be/CMZKitpe-nk
自民党製作 教えて!ヒゲの隊長 Part2
https://youtu.be/CMZKitpe-nk
パロディ【あかりちゃん】ヒゲの隊長に教えてあげてみた
https://youtu.be/L9WjGyo9AU8
パロディ第二弾 【あかりちゃん#2】HIGE MAX あかりのデス・ロード
https://youtu.be/WVpX-fuN98s
それにしてもあかりちゃんの声は原作とパロディではずいぶん違います。原作はかん高い子供っぽい声ですが、パロディの方は若さは感じられますが、落ち着いた大人の女性に近い声です。だいぶ前のことですが、日本では女性は「子供っぽい方が良い」ように言われるので(つまり男性側がそのような女性を好むので)諸外国に比べると、年齢不相応に高い声の女性が多いと聞いて、人前ではわりとかん高い自分の声を反省したこともありました。(笑)
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委員会が始まる前から、あらかじめ、その佐藤議員の指揮で自民党の議員たちが鴻池委員長を囲みこんで、野党議員の妨害を遮り、強行採決をさせる作戦を立てて、その練習までしていて、それを実行したということだったようです。(「人間かまくら」とか、「スクラム作戦」とか呼ばれているようですが)
これ自体、かなり問題ではないかという気がして、いくら自民寄りの産経新聞相手とはいえ、どうしてその「自民党関係者」はここまであけすけに内幕をしゃべってしまったのか?たぶん「悪いことだ」という自覚は無くて、「戦果」を誇りたいような気分だったのではないかと思われますが、そのこと自体、少しびっくりしました。
しかしさらに問題なのは(産経の記事にはひとこともありませんが)このヒゲ隊長指揮の“作戦”の参加者には、委員会のメンバーではない議員や議員秘書も入っていたらしいということです。
以下はIWJの岩上安身氏による民主党の小西ひろゆき議員(上の写真で、佐藤議員に「顔面パンチ」を食らっている方ですが)へのインタビューをツィート化したものです。
IWJ 実況ch1
https://twitter.com/IWJ_ch1
22.岩上「そして、不信任動議が審議され、否決。そして鴻池委員長が着席して、おかしいことが起こった、と」。小西「ここから鴻池委員長が委員会を再び仕切ることになるんですね。本来ならば、先日の地方公聴会の報告が行われるはずでした」@iwakamiyasumi
23.小西「しかし、それをすっ飛ばして、いきなり強行採決をやってきました。委員会室の入り口から与党側の議員がバーっと入ってきて、それで私はおかしいな、と思いました。与党側の議員は、福山哲郎議員に地方公聴会の報告をする、と言っていました」@iwakamiyasumi
24.岩上「このだまし討ちのトリックプレーには、色々な問題があると思います。地方公聴会も総括質疑も割愛されてしまったということが1点。もうひとつは、開会を宣言していない、ということです」。小西「していないですね。議事録にも残っていません」@iwakamiyasumi
25.岩上「もう一つが、委員会のメンバーではない人間が委員会に入ってきた、ということ。これは違法なんじゃないですか?しかも、秘書もいたという。議員には不逮捕特権がありますが、秘書は完全に犯罪なんじゃないですか?」@iwakamiyasumi
26.小西「国会法違反ですし、完全にクーデターですね」。岩上「議員でない者によって、国会が違法に占拠された、ということですよね」。小西「ナチスの親衛隊が暴力的に占拠するようなものですよね」@iwakamiyasumi
27.岩上「NHKはすぐに、可決した、と報じました。NHKは問い合わせに対し、ラインを通してマイクで委員長の発言を確認した、と言っています。実際のところはどうだったのでしょうか」@iwakamiyasumi
28.小西「議事録は、マイクを通して初めて記録として残ります。委員長の前には4本のマイクがあります。民放とNHKが一本ずつ、そして残りが議事録用のマイクです。強行採決の際、かまくらの横から別のマイクが差し出されるのを私は見ました」@iwakamiyasumi
29.小西「NHKが決定的に間違っているのは、音が録れているかどうかということよりも、議場なのですから、国会議員に聞こえていないと意味がないわけですよ。委員会はまさに乗っ取られたのです。議員の票決権をおかしていると言えます」@iwakamiyasumi
30.小西「言論の府を、違法な暴力で制圧したということです。自民党の秘書さんが、自分自身の判断でこのようなことをするわけがありませんから、確実に国会議員の指示で示し合わせてやっているわけですよね」@iwakamiyasumi
31.岩上「ヒゲ隊長にパンチされていますね」。小西「これ最初、私、気づかなかったんですよ。憲法を守るために必死でやっていたので、最初は何が起きているか分からなかったんです。報道ステーションの映像で初めて知りました」@iwakamiyasumi
32.岩上「私は、NHKは共犯だと思います」。小西「私はかつて総務省で働いていてNHKを担当していたことがあります。NHKはイギリスのBBCをモデルにして法律が作られています。税金ではなく受信料で成り立っているのはNHKが政治権力から独立するため」@iwakamiyasumi
36.小西「国会は死んだんです。議会は死んだんです。安保法制の戦いというのは、常識と非常識、正義と不正義の戦いです。常識と正義は国民の側にある。常識と正義が勝ってきたのが民主主義の歴史なので、この戦いには必ず勝てるのです」@iwakamiyasumi
現在、無料公開されているIWJ動画のはこちら
岩上安身による小西洋之議員緊急インタビュー!票決が盗まれた犯行現場・委員会室でパンチを食らいながら目の当たりにした一部始終!「憲法奪還」の戦いがこれから始まる!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/265985
小西議員はク-デターだといわれていますが、もしそうなら、あの写真は日本の民主主義がクーデターで倒された瞬間ということになってしまうのでしょうか?
最後にこの採決に異議を唱えた東京大学の醍醐名誉教授の東京新聞の記事を御紹介しておきます。
安保法案 どさくさ採決は認めない 東大名誉教授ら賛同呼び掛け
東京新聞 2015年9月22日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015092202000133.html
(以下転載)-------------------------------------------------
与野党議員がもみ合いになる中で安全保障関連法案を可決した十七日の参院特別委員会の議決は「参院規則の表決の要件を満たしていない」などとして、東京大の醍醐聡(だいごさとし)名誉教授(会計学)らは、議決がなかったことの確認と審議続行を参院議長や特別委員長に申し入れようと、市民に賛同を呼び掛けている。二十日午前十時半ごろ集め始めたインターネットの署名への賛同は二十二日午前一時までに六千百筆を超え、政府与党への批判が急速に広がっている。 (西田義洋)
十七日の参院特別委では、民主党が提出した鴻池祥肇(こうのいけよしただ)委員長の不信任動議が与党などの反対多数で否決された直後、鴻池氏が委員長席に着席。野党の議員が採決を阻止しようと、一斉に委員長席を取り囲み、与党議員と押しくらまんじゅう状態になった。
安保法案の質疑打ち切り動議が与党などの賛成多数で可決され、野党議員の「やめろ」「無効だ」の叫び声が上がる中、安保法案は与党などの賛成多数で可決されたという取り扱いになっている。
しかし参院規則では、議長が採決する時は議題を宣告した上で、賛成議員の起立で多数か少数かを認定し、結果を宣告すると規定されている。翌十八日には弁護士有志二百二十五人が「法的にみて議決とは認められない」と、議決がなかったことの確認と審議再開を参院議長らに要請した。
醍醐氏も「参院のインターネット中継やテレビ中継で見る限り、委員長の議事進行の声を委員が聞き取れる状況になかったことは一目瞭然。委員長も動議提出の声を聞き取り各委員の起立を確認できる状況になかった」と指摘。「未定稿の速記録でも『議場騒然、聴取不能』と記されるのみで、議事進行を促す委員長の発言も質疑打ち切り動議の提案も記されていない」と批判している。
醍醐氏が十八日、参院事務局に「鴻池氏は自席で起立した委員を確認できない状況で、どうして賛成多数を認定できたのか」などと問い合わせたところ、事務局の担当者は「委員長は見えたんだと思いますよ」などと回答したという。
醍醐氏は「このようなあまりに理不尽な状況が既成事実としてまかり通るのを見過ごすことはできない」としている。署名活動の賛同者からも、「議事録に記録されていない議事は、存在しない」などの意見が寄せられているという。
申し入れは今国会会期末の二十七日までに提出する。会期末まで時間が切迫していることから、賛同の署名はインターネットのみで受け付ける。締め切りは二十五日午前十時。署名のURLは、http://netsy.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-6f5b.html
(転載終了)------------------------------------------------------------
奥田愛基さんの意見陳述
14日の国会前デモに参加して来ました。その時のことを書こうかと思っていたのですが、SEALDsの大学生、奥田愛基さんの中央公聴会での意見陳述に感動したので、御紹介します。私としても、彼のこの言葉に付け加えることは何もありません。
今の時代に、彼のような若者たちが立ち上がってくれたことが、この国の希望です。
IWJ Independent Web Journal
【緊急アップ!意見陳述全文掲載】「今日は、国会前の巨大な群像の中の一人として、ここにきています」SEALDs奥田愛基さんが参院で堂々意見陳述「安保法案」に反対を表明!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/264668
動画
https://youtu.be/p0fGJhFjgyU
今の時代に、彼のような若者たちが立ち上がってくれたことが、この国の希望です。
IWJ Independent Web Journal
【緊急アップ!意見陳述全文掲載】「今日は、国会前の巨大な群像の中の一人として、ここにきています」SEALDs奥田愛基さんが参院で堂々意見陳述「安保法案」に反対を表明!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/264668
動画
https://youtu.be/p0fGJhFjgyU
戦争法案反対デモ
今日、国会議事堂前の安保法制(戦争法案)反対デモに行ってきました。二時半ごろでしたか、一応、安全保障関連法案に反対する学者の会の(学者ではないので)市民賛同者になっているので、そちらの方たちのいる方へ行こうとして、小雨の降る中、何とか国会正門前まで行こうとしましたが、ものすごい人出でした。そのうちに隣の方で坂本龍一さんのご挨拶が始まったのが聞こえたのでそちらに向かう人たちの流れに加わったのですが、辿りつけそうになく、後でyoutube ででも見ようと諦めて後ろの方に戻って、若い人たちの太鼓のリズムに合わせたシュプレヒコールに加わっていました。
空撮のヘリかと思われるものが往復していたので、「今、一人でも多くここで粘ることが大事」と思って二時間ほどは佇んでおりました。様々なグループの幟旗も見て、なかなかユニークなものもあり、それはそれで頼もしいものでしたが、とくに何かの組織や団体に所属しているわけではなくとも、私のようにやむにやまれぬ気持ちで個人で参加された方々も多いと思います。
帰りに赤旗の号外を配っている方から一部戴き、一面に私が先ほど見たのと同じ、国会前に多くの人たちが写っている写真が載っていたので、いつ撮って刷ったのかとその素早さに驚きました。
帰りの電車の中でスマホで(主催者側発表らしいですが)12万人の参加があったと知ってそのうちの一人として、ねばった甲斐があったかも (^^;) と思うと少し嬉しかったです。他の各地で反対デモに参加された方も多くいらっしゃるかと思います。どなたも、すべての考えが一致するわけではないかもしれませんが、この件に関してだけは、一致して反対して行きたいものです。
この夏はちょっと体調を崩していたこともあって、元々更新の少なかったこのブログも冬からずっと休みっぱなしでしたが、これを機会に再開したいと思います。正直なところ、超マイナーとはいえ、一応、「政治ブログ」に分類されるであろうこのブログを、この大事な時にサボり続けていた後ろめたさもあり、せめて今日のデモには参加したいと自分なりに思っていたので、何とか参加することができたのでホッとしています。もし、まだ見てくださる方があるならば、どうぞよろしくお願い致します。
空撮のヘリかと思われるものが往復していたので、「今、一人でも多くここで粘ることが大事」と思って二時間ほどは佇んでおりました。様々なグループの幟旗も見て、なかなかユニークなものもあり、それはそれで頼もしいものでしたが、とくに何かの組織や団体に所属しているわけではなくとも、私のようにやむにやまれぬ気持ちで個人で参加された方々も多いと思います。
帰りに赤旗の号外を配っている方から一部戴き、一面に私が先ほど見たのと同じ、国会前に多くの人たちが写っている写真が載っていたので、いつ撮って刷ったのかとその素早さに驚きました。
帰りの電車の中でスマホで(主催者側発表らしいですが)12万人の参加があったと知ってそのうちの一人として、ねばった甲斐があったかも (^^;) と思うと少し嬉しかったです。他の各地で反対デモに参加された方も多くいらっしゃるかと思います。どなたも、すべての考えが一致するわけではないかもしれませんが、この件に関してだけは、一致して反対して行きたいものです。
この夏はちょっと体調を崩していたこともあって、元々更新の少なかったこのブログも冬からずっと休みっぱなしでしたが、これを機会に再開したいと思います。正直なところ、超マイナーとはいえ、一応、「政治ブログ」に分類されるであろうこのブログを、この大事な時にサボり続けていた後ろめたさもあり、せめて今日のデモには参加したいと自分なりに思っていたので、何とか参加することができたのでホッとしています。もし、まだ見てくださる方があるならば、どうぞよろしくお願い致します。
フランスの「ショック・ドクトリン」と「茶色の朝」
オランド政権が対イスラム国への空爆(とりあえず、イラクへのということのようですが、いずれはシリアへの?)を強化するそうです。シャルリー エブド襲撃事件を口実にしたものとも言えそうです。
カナダのジャーナリスト、ナオミ・クライン氏は『ショック・ドクトリン -- 惨事便乗型資本主義の正体を暴く 』という著書を書かれていて、衝撃的なテロ事件や津波や大地震、あるいは国家体制の崩壊といったような大惨事を口実に、普段ならけして国民が望まない、承知しないような政策が一気に推し進められてしまうことを書かれています。(この著書の例では主として「新自由主義 -- ネオリベラリズム -- 」と呼ばれる、公共的な規制や社会保障を削減し、資本の自由を広げて、結果として経済格差を広げる「市場原理主義」の政策ですが)
今回のフランスの象徴的な大型空母派遣や、軍隊の人員削減の撤回も含む戦争強化も、一種の「ショック・ドクトリン」と言えるかもしれません。
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フランス:空母、空爆参加へ…対イスラム国、大統領が表明
毎日新聞 2015年01月15日 11時32分
http://mainichi.jp/select/news/20150115k0000e030228000c.html
【パリ宮川裕章】フランスのオランド大統領は14日、仏軍がイラクで実施しているイスラム過激派組織「イスラム国」に対する空爆作戦に、仏海軍の主力空母「シャルル・ドゴール」を参加させる意向を表明した。仏議会が13日に攻撃継続を承認議決したのを受け、同艦上での軍向け新年あいさつで明らかにした。仏政府は週刊紙「シャルリーエブド」襲撃事件後、「テロとの戦争」を改めて宣言しており、空母派遣は象徴的な意味合いを持つが、過激派の反発からテロ再発の可能性が高まるリスクもある。
フランスは昨年9月以降、米軍のイスラム国空爆作戦に参加。仏軍機は、主にアラブ首長国連邦の仏軍基地やヨルダンの基地を拠点に空爆を実施している。仏政府によると、シャルル・ドゴールはペルシャ湾近海に展開する計画で、艦載戦闘機による攻撃や、早期警戒機による偵察、情報収集などが想定されている。またイエメンを拠点とし、シャルリーエブド襲撃事件で犯行声明を出した国際テロ組織アルカイダ系団体「アラビア半島のアルカイダ」(AQAP)をけん制する意図もあるとみられる。
オランド大統領は同空母について「我が国の独立と政治、軍事、外交力の象徴」と位置づけ、「イラクでの作戦をより強力に、効率的に実施することができる」と述べた。大統領はまた、一連のテロが引き起こした「例外的な事態」を受け、フランス軍が当初予定していた人員削減計画を見直す意向も示した。報道によると、仏軍は今後3年間で3万4000人規模の削減を検討していた。
シャルル・ドゴールは全長261メートルの仏海軍唯一の大型空母で、航空機40機を搭載できる。議会がイスラム国への攻撃継続を承認した13日に仏南部トゥーロン港を出港した。
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敵はあくまで「イスラム国」、つまり、名目は「イスラム過激派のテロリストの掃討」ということですが、実際にはピンポイントでテロ組織の要員だけを殺害するのは不可能です。
4年前、リビアのガタフィ大佐は独裁者として悪魔化され、西側先進諸国は、後にアルカイダなどのイスラム原理主義の過激派も多く含んでいたことが判明した「反ガタフィ派」を支持しました。そして内戦を反ガタフィ派の勝利で終結させるため、「ガタフィの悪政からリビア国民を解放」するという名目で行われたフランスを中心とするNATOの大規模な空爆でリビアは国家として崩壊し、リビア国民は国からのすべての保護を失いました。
「イスラム国」退治だと言って、イラクやシリアの国土を空爆すれば、イスラム国のメンバーだけでなく、そこに住んでいる住民や政府機関も被害を受けるのは当然です。その件について十分な説明もなく、また同じことを繰り返すのでしょうか?
参考
私の闇の奥 リビア挽歌(2)
http://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/9cd61d906c0c02b82a34d5b70da709f5
マスコミに載らない海外記事 リビアで二度と見られなくなる16項目
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/16-6517.htm
(リビアでは、ガタフィ派やその軍隊だけでなく、実際にはかなりの数の一般市民がこの空爆で死亡したと思われるのですが、NATOはそれを認めていないようです。そしてその後のリビアは無政府状態に陥り、幾つかのイスラム過激派のグループが跋扈して、彼等の「聖戦士」とするために若者たちを競ってリクルートしていると聞きました。最近は「イスラム国」も入って来ているそうです)
またフランスでは事件を茶化したコメディアンが「テロを擁護した」として身柄を拘束、裁判にかけられる見通しだそうです。
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仏芸人、「テロ擁護」発言で裁判へ
2015年 01月15日 07時29分 提供元:AFPBB News
http://news.so-net.ne.jp/article/detail/1051174/?nv=c_article_latest
【AFP=時事】フランスの男性コメディアンで、その言動がたびたび物議を醸してきたデュードネ(Dieudonne)氏が14日、パリ(Paris)で先週に起きた一連の襲撃事件の実行犯の1人への共感を示唆した発言をめぐり身柄を拘束され、裁判にかけられる見通しとなった。司法筋が明らかにした。
仏当局は、先週の風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社襲撃事件以降、「テロを擁護」したり「テロ実行の脅迫」をしたりしたとされる計54件の事件の捜査を開始しており、デュードネ氏の身柄拘束もこの一環だ。
問題の発言は、デュードネ氏が交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)に投稿した「今夜はシャルリー・クリバリのような気分だ」というもの。シャルリー・エブド紙襲撃事件の犠牲者を追悼するために世界中に広まった「私はシャルリー」とのスローガンと、8~9日にかけて女性警官1人とユダヤ人4人を射殺したアメディ・クリバリ(Amedy Coulibaly)容疑者の名前を組み合わせている。
ソーシャルメディア上では、「デュードネ氏の言動は我慢がならないが、フランスでは表現の自由に二重基準が設けられているようだ」といった批判の声も上がっている。だが、メディア法専門家は、宗教を揶揄(やゆ)することはフランスでは禁じられていない一方で、テロを擁護する行為は他の事件を誘発するという理由で禁じられていると指摘している。
【翻訳編集】AFPBB News
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何度もイスラムの教祖を侮辱するような絵を掲載してイスラム教徒の人々を傷つけて来たシャルリー エブドを「言論の自由の旗手」であり「言論の自由の殉教者」のように持ち上げておいて、この程度の発言をしたというだけで、事件そのものに関わったわけではない人物を拘束、裁判に掛けるというのはバランスを欠くような気がします。もちろん、どちらの「言論」もけして褒められたものではなく、強く批判されれるべきですが、それほど「言論の自由」を尊重するお国柄ならば、デュードネ氏を拘束などせずに、あくまで言論で彼を批判すべきでしょう。
さらに以下の記事の中でフランスの知識人の方が危惧されていることを読むと、しばしば聞いて来た「自他の自由を尊重するフランス社会」というイメージは幻想だったのかと思います。これではかつての軍国主義下の日本やナチスドイツにさえ似て来ているような気がします。
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週刊・新聞レビュー(1・13)「イスラムを侮蔑する風刺画、どこまで許される?」徳山喜雄(新聞記者)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150113-00000010-wordleaf-pol&p=2
(以下、上記記事より一部を引用します)
異論を許さない空気が蔓延
2001年の米国での同時多発テロ「9・11」、2011年の東日本大震災と福島原発事故にも匹敵する衝撃がフランスに走った。多くの移民を抱える欧州社会、とりわけフランスにとっては事件の前と後で、社会をみる目や価値観が一変するような劇的な体験であったのではないか。
9・11のときもそうであったが、善と悪にくっきりと色分けされ、異論をはさむことを許さない空気が社会に蔓延した。社会が単色になり、移民を追い込んでいくといった流れになるのは危険だ。
この点で読売新聞1月12日朝刊の「緊急 論点スペシャル」はすぐれていた。
フランスの歴史人類学者のエマニュエル・トッド氏に電話インタビューし、次のようなコメントを掲載した。
「私も言論の自由が民主主義の柱だと考える。だが、ムハンマドやイエスを愚弄し続ける『シャルリー・エブド』のあり方は、不信の時代では、有効ではないと思う。移民の若者がかろうじて手にしたささやかなものに唾を吐きかけるような行為だ。ところがフランスは今、誰もが『私はシャルリーだ』と名乗り、犠牲者たちと共にある」
「私は感情に流されて理性を失いたくない。今、フランスで発言すれば、『テロリストにくみする』と受けとめられ、袋だたきに遭うだろう。だからフランスでは取材に応じていない。独りぼっちの気分だ」といまの考えと気持ちを吐露した。
中東政治に詳しい千葉大教授の酒井啓子氏も同様な視点から、「『表現の自由を守る』イコール『シャルリーを認める』となってしまうと、表現の自由は尊重するが『シャルリー』の侮辱に耐えられないという人たちが置いていかれる。イスラム社会は『シャルリー』の擁護がイスラムをこきおろしてもいいという話しにつながっていく危険性を感じていると思う」と指摘した。
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エマニュエル・トッド氏といえば、私もお名前だけは聞いたこともあるフランスの高名な学者のようですが、その方が日本向けにはこうしたことが言えても、自国内では同じことが発言できないとしたら、大変なことです。今現在、あれほど称揚されているはずの「言論の自由」はどうなってしまったのか?ということになり、コメディアンのデュードネ氏の件といい、これほど矛盾撞着した話はありません。このまま「異論排除」の空気がエスカレートしていけばどうなるのだろうと思うと恐ろしいです。
以前、『茶色の朝』という本に大変感銘を受けて友人にもプレゼントしたこともあったのですが、あの作者はフランスの方でした。たしか、フランスでベストセラーになり、世界に広まったそうです。その「茶色の朝」が、こんな形であの国に来てしまったとは、まだ思いたくありませんが。
『茶色の朝』 フランク・パヴロフ
http://www.otsukishoten.co.jp/book/b51933.html
著者によって無料公開されたものの邦訳版
http://emuzu-5.music.coocan.jp/zip/140222-matinbrun.pdf
カナダのジャーナリスト、ナオミ・クライン氏は『ショック・ドクトリン -- 惨事便乗型資本主義の正体を暴く 』という著書を書かれていて、衝撃的なテロ事件や津波や大地震、あるいは国家体制の崩壊といったような大惨事を口実に、普段ならけして国民が望まない、承知しないような政策が一気に推し進められてしまうことを書かれています。(この著書の例では主として「新自由主義 -- ネオリベラリズム -- 」と呼ばれる、公共的な規制や社会保障を削減し、資本の自由を広げて、結果として経済格差を広げる「市場原理主義」の政策ですが)
今回のフランスの象徴的な大型空母派遣や、軍隊の人員削減の撤回も含む戦争強化も、一種の「ショック・ドクトリン」と言えるかもしれません。
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フランス:空母、空爆参加へ…対イスラム国、大統領が表明
毎日新聞 2015年01月15日 11時32分
http://mainichi.jp/select/news/20150115k0000e030228000c.html
【パリ宮川裕章】フランスのオランド大統領は14日、仏軍がイラクで実施しているイスラム過激派組織「イスラム国」に対する空爆作戦に、仏海軍の主力空母「シャルル・ドゴール」を参加させる意向を表明した。仏議会が13日に攻撃継続を承認議決したのを受け、同艦上での軍向け新年あいさつで明らかにした。仏政府は週刊紙「シャルリーエブド」襲撃事件後、「テロとの戦争」を改めて宣言しており、空母派遣は象徴的な意味合いを持つが、過激派の反発からテロ再発の可能性が高まるリスクもある。
フランスは昨年9月以降、米軍のイスラム国空爆作戦に参加。仏軍機は、主にアラブ首長国連邦の仏軍基地やヨルダンの基地を拠点に空爆を実施している。仏政府によると、シャルル・ドゴールはペルシャ湾近海に展開する計画で、艦載戦闘機による攻撃や、早期警戒機による偵察、情報収集などが想定されている。またイエメンを拠点とし、シャルリーエブド襲撃事件で犯行声明を出した国際テロ組織アルカイダ系団体「アラビア半島のアルカイダ」(AQAP)をけん制する意図もあるとみられる。
オランド大統領は同空母について「我が国の独立と政治、軍事、外交力の象徴」と位置づけ、「イラクでの作戦をより強力に、効率的に実施することができる」と述べた。大統領はまた、一連のテロが引き起こした「例外的な事態」を受け、フランス軍が当初予定していた人員削減計画を見直す意向も示した。報道によると、仏軍は今後3年間で3万4000人規模の削減を検討していた。
シャルル・ドゴールは全長261メートルの仏海軍唯一の大型空母で、航空機40機を搭載できる。議会がイスラム国への攻撃継続を承認した13日に仏南部トゥーロン港を出港した。
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敵はあくまで「イスラム国」、つまり、名目は「イスラム過激派のテロリストの掃討」ということですが、実際にはピンポイントでテロ組織の要員だけを殺害するのは不可能です。
4年前、リビアのガタフィ大佐は独裁者として悪魔化され、西側先進諸国は、後にアルカイダなどのイスラム原理主義の過激派も多く含んでいたことが判明した「反ガタフィ派」を支持しました。そして内戦を反ガタフィ派の勝利で終結させるため、「ガタフィの悪政からリビア国民を解放」するという名目で行われたフランスを中心とするNATOの大規模な空爆でリビアは国家として崩壊し、リビア国民は国からのすべての保護を失いました。
「イスラム国」退治だと言って、イラクやシリアの国土を空爆すれば、イスラム国のメンバーだけでなく、そこに住んでいる住民や政府機関も被害を受けるのは当然です。その件について十分な説明もなく、また同じことを繰り返すのでしょうか?
参考
私の闇の奥 リビア挽歌(2)
http://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/9cd61d906c0c02b82a34d5b70da709f5
マスコミに載らない海外記事 リビアで二度と見られなくなる16項目
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/16-6517.htm
(リビアでは、ガタフィ派やその軍隊だけでなく、実際にはかなりの数の一般市民がこの空爆で死亡したと思われるのですが、NATOはそれを認めていないようです。そしてその後のリビアは無政府状態に陥り、幾つかのイスラム過激派のグループが跋扈して、彼等の「聖戦士」とするために若者たちを競ってリクルートしていると聞きました。最近は「イスラム国」も入って来ているそうです)
またフランスでは事件を茶化したコメディアンが「テロを擁護した」として身柄を拘束、裁判にかけられる見通しだそうです。
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仏芸人、「テロ擁護」発言で裁判へ
2015年 01月15日 07時29分 提供元:AFPBB News
http://news.so-net.ne.jp/article/detail/1051174/?nv=c_article_latest
【AFP=時事】フランスの男性コメディアンで、その言動がたびたび物議を醸してきたデュードネ(Dieudonne)氏が14日、パリ(Paris)で先週に起きた一連の襲撃事件の実行犯の1人への共感を示唆した発言をめぐり身柄を拘束され、裁判にかけられる見通しとなった。司法筋が明らかにした。
仏当局は、先週の風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社襲撃事件以降、「テロを擁護」したり「テロ実行の脅迫」をしたりしたとされる計54件の事件の捜査を開始しており、デュードネ氏の身柄拘束もこの一環だ。
問題の発言は、デュードネ氏が交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)に投稿した「今夜はシャルリー・クリバリのような気分だ」というもの。シャルリー・エブド紙襲撃事件の犠牲者を追悼するために世界中に広まった「私はシャルリー」とのスローガンと、8~9日にかけて女性警官1人とユダヤ人4人を射殺したアメディ・クリバリ(Amedy Coulibaly)容疑者の名前を組み合わせている。
ソーシャルメディア上では、「デュードネ氏の言動は我慢がならないが、フランスでは表現の自由に二重基準が設けられているようだ」といった批判の声も上がっている。だが、メディア法専門家は、宗教を揶揄(やゆ)することはフランスでは禁じられていない一方で、テロを擁護する行為は他の事件を誘発するという理由で禁じられていると指摘している。
【翻訳編集】AFPBB News
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何度もイスラムの教祖を侮辱するような絵を掲載してイスラム教徒の人々を傷つけて来たシャルリー エブドを「言論の自由の旗手」であり「言論の自由の殉教者」のように持ち上げておいて、この程度の発言をしたというだけで、事件そのものに関わったわけではない人物を拘束、裁判に掛けるというのはバランスを欠くような気がします。もちろん、どちらの「言論」もけして褒められたものではなく、強く批判されれるべきですが、それほど「言論の自由」を尊重するお国柄ならば、デュードネ氏を拘束などせずに、あくまで言論で彼を批判すべきでしょう。
さらに以下の記事の中でフランスの知識人の方が危惧されていることを読むと、しばしば聞いて来た「自他の自由を尊重するフランス社会」というイメージは幻想だったのかと思います。これではかつての軍国主義下の日本やナチスドイツにさえ似て来ているような気がします。
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週刊・新聞レビュー(1・13)「イスラムを侮蔑する風刺画、どこまで許される?」徳山喜雄(新聞記者)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150113-00000010-wordleaf-pol&p=2
(以下、上記記事より一部を引用します)
異論を許さない空気が蔓延
2001年の米国での同時多発テロ「9・11」、2011年の東日本大震災と福島原発事故にも匹敵する衝撃がフランスに走った。多くの移民を抱える欧州社会、とりわけフランスにとっては事件の前と後で、社会をみる目や価値観が一変するような劇的な体験であったのではないか。
9・11のときもそうであったが、善と悪にくっきりと色分けされ、異論をはさむことを許さない空気が社会に蔓延した。社会が単色になり、移民を追い込んでいくといった流れになるのは危険だ。
この点で読売新聞1月12日朝刊の「緊急 論点スペシャル」はすぐれていた。
フランスの歴史人類学者のエマニュエル・トッド氏に電話インタビューし、次のようなコメントを掲載した。
「私も言論の自由が民主主義の柱だと考える。だが、ムハンマドやイエスを愚弄し続ける『シャルリー・エブド』のあり方は、不信の時代では、有効ではないと思う。移民の若者がかろうじて手にしたささやかなものに唾を吐きかけるような行為だ。ところがフランスは今、誰もが『私はシャルリーだ』と名乗り、犠牲者たちと共にある」
「私は感情に流されて理性を失いたくない。今、フランスで発言すれば、『テロリストにくみする』と受けとめられ、袋だたきに遭うだろう。だからフランスでは取材に応じていない。独りぼっちの気分だ」といまの考えと気持ちを吐露した。
中東政治に詳しい千葉大教授の酒井啓子氏も同様な視点から、「『表現の自由を守る』イコール『シャルリーを認める』となってしまうと、表現の自由は尊重するが『シャルリー』の侮辱に耐えられないという人たちが置いていかれる。イスラム社会は『シャルリー』の擁護がイスラムをこきおろしてもいいという話しにつながっていく危険性を感じていると思う」と指摘した。
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エマニュエル・トッド氏といえば、私もお名前だけは聞いたこともあるフランスの高名な学者のようですが、その方が日本向けにはこうしたことが言えても、自国内では同じことが発言できないとしたら、大変なことです。今現在、あれほど称揚されているはずの「言論の自由」はどうなってしまったのか?ということになり、コメディアンのデュードネ氏の件といい、これほど矛盾撞着した話はありません。このまま「異論排除」の空気がエスカレートしていけばどうなるのだろうと思うと恐ろしいです。
以前、『茶色の朝』という本に大変感銘を受けて友人にもプレゼントしたこともあったのですが、あの作者はフランスの方でした。たしか、フランスでベストセラーになり、世界に広まったそうです。その「茶色の朝」が、こんな形であの国に来てしまったとは、まだ思いたくありませんが。
『茶色の朝』 フランク・パヴロフ
http://www.otsukishoten.co.jp/book/b51933.html
著者によって無料公開されたものの邦訳版
http://emuzu-5.music.coocan.jp/zip/140222-matinbrun.pdf