あみもの日記3 時間の経ち方

6月 23rd, 2015 by admin

前回のあみもの日記

娘のベスト、遅々として進まず。

子育て、というか、子どもと過ごす生活というものの時間の流れ方が、今までと違うので不思議な気持ちを味わっている。
たとえば雑誌の編集部に所属していたとき、校了間近だと毎日時間がなくて、まさにあっという間に時間が経っていくという感じだった。
あれほど、「あっというま」ではないし、あれほど忙しい、わけではないのだけど、気づくと、どわーっと時間が経っている。
あれ、娘が急に大きい。なんかハイハイしてるし。つかまり立ちしてるし。
時間の経ち方ともうひとつ違うのは、そのどわーっと経った時間ののち、自分がとくに何もしていない気になること。
あみもの一つでも、あれっ、全然進んでないのにもう来週お教室だ。あれ、あさってだ。あしただ。

今が大切な時間であることはわかる。
何もしないで過ごしているわけでもない。
でもその間にできあがった雑誌が、本があるわけでもない、娘のために編むものさえできていない。
そういう時間の経ち方に慣れない。わがままで勝手なんだな。

4月の教室は娘の風邪で休んでしまった。
5月は夫に娘を預けて、産後初めてひとりであみもの教室へ。
(その日帰ったら「あなた出かけると表情がかわるから、もっと出かけなさいよ」と言われた)
6月は娘と。みなさんが娘をあやしてくれる。

遅々として進まず、と書いたけれど前回の日記から見ればだいぶ進んでいるのだった。

  
うーん、やっぱり、まだまだか。だって2ヵ月経っているんだもんな。
このベスト、2ヵ月あれば編みあがっているはずのものだな。

編んでいるときも、出来上がったときも楽しいけれど、じつは一番好きなのはこれから編むものを考えているとき。
雑誌「毛糸だま」のバックナンバーを見ていたら、自分用に編みたいベストを見つけてしまった……!
さっそく那須さんに連絡をして、糸のことを相談。雑誌で使っているのは、なかなかお値段の張る糸なのだ。
那須さんはその糸をいくつもお持ちで、お教室のときに持ってきてくれた。
オステルヨートランド羊毛紡績。思ったより、やわらかい。
――素敵な糸ですけど、ベストを編むとなると、これ毛糸だけで一万円くらいかかっちゃいますよねえ……
――そうね、かかっちゃうかもねえ。
――ううーん……でもこの糸がいいですよねえ。
――ほかの糸でも悪いわけではないけど。この糸は細いからベストを編むとなるとすごく大変ではあるし。でも、これで編めたらおばあちゃんになっても着られるよ。

おばあちゃんになっても着られるベスト!
今まで編んだものは自己流で、どこかに失敗がある(おおきめの失敗)ものばかりだけど、お教室でじっくり教わりながら編めばそれもきっと最小限にできるはず。

なんとワクワクすることか。
自分のベストを編み始めるためにも、はやく娘の卵焼き色のベストを編みあげなくては。


「風が吹いてきたよ」のこと

5月 15th, 2015 by admin

写真 2015-05-09 18 02 07 (1)大型連休からひといきついた週末、香川県は小豆島へ家族で向かいました。

昨年、ぴゅーっと小豆島に引っ越していってしまった平野甲賀さん、公子さん夫妻。あっというまに島のひとになって、「風が吹いてきたよ」というライブイベントを開催してくれました。
島に行ってすぐだったか、公子さんから「にかさんたち呼んでライブやるよ、いいところあるから」と聞いてはいたのだけど、どこか遠いところの話のように思っていて。そのとき「わー行きたい」なんて言ったと思うけど、ほんとうに(そのときはこどもを産んでいるはずの)自分が行くとイメージできていたかというと、とてもとても。

「いいところ」という会場は肥土山農村歌舞伎舞台。普段は年に一度、住民による歌舞伎が開かれることにしか使われていないのだそう。
実際に運営にあたったのは島の若い人たちだそうだけど、これを「やっちまおう!」と思って動き出し、さらに人を動かしてしまうところに、平野夫妻のすごさがある。

イベントの詳細が出て、甲賀さんのロゴ含めたビジュアルがどーんと出て、一体いつ「よし行こう」と決めたんだったか。
わたしは飛行機も船も苦手、旅行そのものが苦手、しかも開催時7ヶ月の娘を連れての旅に、どうして行けると思ったんだったか。
好きなひとたちがたくさん東京から行くことを知って、久々に島で再会するのを、いつから楽しみにしていたんだったか。

飛行機に乗って高松に着き、フェリーで小豆島へ。送迎バスで宿へ。
宿についてぶらぶらしていたら知った顔にちらほら会えて、平野さん同様移住している内澤旬子さんが迎えに来てくれて、念願かなってヤギのカヨとも対面。

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内澤さんとは、まるで親子か、姉妹のようだった。

金井醸造場の祐子さんたちも合流して、おいしいごはんとワイン(わたしは、がまん)のご相伴にあずかる。最高の島の夜。娘ははじめて夜更かしをした。

翌日、宿からバスで会場へ。

里山のなかにふわっと現れる肥土山農村歌舞伎舞台へ、田んぼのなかを歩く。バスがとまる場所は舞台からすこし離れていたので、向かうひとたちからは「ここで合ってる?」「運転手さんおろす場所間違えた?」という声も聞こえたけど、この道を歩いて舞台に着いてほしかったんだろうな。ひとことでいうと、フライヤーの絵そのまんまのところ。写真、撮ってなかったや……。
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ライブのことはなんだかんだ言いたくないくらいすばらしく、まさに老若男女が思い思いにたのしんでいた。わたしは、「子連れ歓迎!」みたいなライブとかってどうにも馴染めなくて、それは子どもを産んだ今もかわらないのだけど、そんなことを言う必要もなく、子どももじいちゃんばあちゃんも島のひとも東京のひとも集まっていて、ひたすら気楽にたのしかった。

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▲ニカさんのライブ終了後、えねーちけーに取材されるわたしと、マイクを強奪する娘……。


あの規模での初開催であんなにスムーズに感じよくまわることって、めったにないのじゃないか。
伝統的な舞台を、荘厳とかいうのではなくかわいらしくつくりあげて、居心地がよい。座っているのに飽きたら食べるものやおみやげに買うものがいろいろある。長丁場につかれたな、と思った頃にラジオ体操がはじまる。
わたしもイベントごとに関わる身として、どうしたらこんなふうにできるんだろうと考えこんでしまったくらい、すばらしい運営だったと思う。

打ち上げはがまんして宿に戻ってゆっくりする。聞いた話によると打ち上げまですばらしかったんだそうだ。

甲賀さん、公子さんにはまたしばらく会えないけれど、また来よう。来年もきっと開催してほしい。と、簡単に言えないくらいたいへんだとは思うのだけど。
東京育ちである平野家のお子さんたちは、ご両親の移住で「田舎ができた」と言っていた。わたしも勝手にこっそりと、小豆島を田舎のひとつのように思ってしまおう。

ふたりの姿を見ていたら島での生活のよさがそのまま伝わってくるので、聞くまでもないと思ったけれど、甲賀さんに「島の生活、どうですか」と聞いてみた。「まあこんなもんじゃないですか。悪くないでしょ」だって。


あみもの日記2 卵焼き色のチョッキ

4月 10th, 2015 by admin

前回のあみもの日記

さて、糸は決めた。どんなベストを編むかは決まらない。ベストにするというのもぼんやり決めてしまったので明確なイメージもない。

家にある本をいくつか見たけど、どうにもしっくり来ない。というか、赤ちゃんニットの本、いくつもあるのにぜんぜん編んでないじゃない。甥っ子にケープを編んだだけかな? 本を買うだけで満足する、これは軽い病気です。

教室の前に那須さんに相談すると、娘さんに編んだものを見せてくださるとのこと。参考までに、という感じだったのでわたしもいくつか本を持って教室にゆく。娘を連れて2回目の教室。1回目よりは気持ちに余裕もあるけど、声も大きくなってきたし一時間近く電車に乗るのは緊張する。

そして見せてもらったベストがこれだった。

 

輪で編む、かぶりのベスト。どちらかというとチョッキと呼びたい(違いはわかんない)。はー!かわいい。スマートフォンで撮ったこの写真では伝わり切らないかわいさなのだ。ちょっと垢抜けないくらいの、素朴さ。編み地はゴム編みっぽいけれどゴム編みではなく、メリヤス編みとかのこ編みでできている。うん、かわいい上に、そんなに難しくなさそう。輪でひたすら編んでいくので、基本的にはとじ・はぎもない。

あれ? とじ・はぎをちゃんとやってみたいから、ベストを作るんじゃなかったっけ、わたし。でもこんなかわいいの見てしまったらなあ、買ってきた黄色の糸で編んだところをイメージしても、かわいいもんなあ。那須さんは、わたしの選んだ糸を「卵焼きみたいな色!」と言ってくれた。卵焼き色のチョッキ、たまらん。編みたい。

これを編みたいです、というと那須さんはちょっと意外そうだったが(それまでに見ていた本のものと、ぜんぜんちがうからね)、「これなら製図も簡単だよ」とささっと書いてくれて、本来ならちゃんとスウォッチを編んでゲージをとる(編み目の大きさを測ること。糸と自分の手加減にあわせて針の太さを選ぶ)のだけど、娘がわちゃわちゃ動いているのでなかなか編めず、ちょっと簡略化してここもささっとお願いした。このまえ連れてきたときはもっと動かなかったから、案外編めるなと思ったのだった。どんどん動きは激しくなってテーブルの上をごろごろ転がり、こうやって転がしてる間にあみものができるなんて、もしかしてほんの少しの間なのかもしれない。

使うのは3号。細い。輪針で編む。輪針はあまり持っていないので買わなくては。と、教室ではここまで。次の日さっそく針を買いにいく。編むものが増えて、編み針の数がどんどん増えていく。編み針ケースもつくりたいな。つくりたいものもどんどん増えていく。

  

こんな感じで編み始めています。


あみもの日記1 復帰

3月 28th, 2015 by admin

2月から、娘を連れて「屋上あみもの教室」に復帰をした。

復帰と言っても、もともとわたしはイチ生徒だったし、休んでいるあいだ講師の那須さんに任せ切りだったので、ただ生徒としてまた通い始めたというだけ。2月は顔見せ程度に、3月は糸と道具を持って行ってみた。

娘はテーブルの上をごろごろ転がり、足をドタバタさせ、ニコニコしている。みなさんが話しかけてくれると心底うれしそうにしているけど、自分の話をしていないと気づくと「おわーっ!」と絶叫。姫様体質なのかしらん……。

この教室では、みんながそれぞれ編みたいものを決め、糸を選び、サイズを調整して編んでいる。せっかく連れて行くのだし、次に編むのは娘のものにしようと思った。産前にも、教室で那須さんにアドバイスをいただきながらコットン糸でブランケットを編んだ。これが(今のところはわたしの)お気に入り。

  

糸はmooritのオリジナル、ソフトコットン。手触り、たまんない! なんだか、とろっとろなのですよ。そうだ、性別がわからない段階で選んだからふちの色はみどりにした気がする。

次に何を編むべきか迷ったあげく、ベストにしようと思った。なんとなく赤ちゃんぽいし、一度ちゃんとしたベストの編み方を教わりたかったから、大人用のより、気楽に挑戦できるかなという打算のもと。

で、那須さんに糸のことを相談。コットン糸で編みたい。ほんとうはブランケットを編んだ糸がいいんだけど、色数が少なく、何より高い。それで教えてもらったのがDMCのナチュラという糸。こんな色を買いました。

  

娘ね、ピンクとか似合うような顔してないんですよ……

で、えーと、前置きが長くなりましたが、あみもの日記を書こうかなと思っております。どうぞお付き合いください。


編集室屋上 スペースレンタル&シェア利用募集中です

3月 10th, 2015 by admin

西神田のスペース編集室屋上では、スペースレンタルのご利用・シェア利用を募集しています。

築50年ほどのビルの3階、6坪ほどの小さな正方形の部屋です。
JR水道橋、地下鉄神保町、九段下、それぞれの駅から徒歩10分圏内です。
現状、わたしがあまり通うことができなくなっているため、
月のほとんどが空いている状態で、とてももったいなく……。

●毎月定例のワークショップ
●フリーランスの方の打合せスペース
●小作業スペース
●各種展示
等々、いろんな使い方ができると思います。

レンタルについての詳細はこちらのページにもありますが、
中央に180cm×180cm/90cm×180cmのテーブルを出すことも可能です。
簡易なスツールは合計20脚、背もた れのある椅子は3脚用意があります。
レンタル料金 平日 1日4,000円/土日祝日 1日6,000円
単発でなく、これから継続的にシェアしていけるような方も募集しています。
まずはご連絡ください、詳細ご相談させていただきます。

今週末は雨本洋輔さんの野球絵展!
こちらはこんな感じに設営が進んでいます。かわいい!
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展示を見がてら、会場の雰囲気を見ていただけるいい機会でもありますので、ぜひ足をお運びくださいませ。


2015年屋上のスタート / あみもの教室&展示のおしらせなど

2月 13th, 2015 by admin

気づけば今年入ってはじめてのブログ更新!
新年のあいさつというわけにはいきませんが、
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、目下半分休業中の屋上ですが
すこし動きがありますのでお知らせします。

●2月21日(土)13:00~
屋上あみもの教室
こちらはわたしの休み中も開催している毎月恒例、那須早苗さんによる「屋上あみもの教室」。
初心者の方もひさしぶりの方も、なんでも編めちゃう方も参加できるたのしい教室です。とくに編むものは決まっていません。本を持ってきて編みたいものを編んでもいいし、イメージだけ伝えて講師の那須さんと相談しながらオリジナルのものを編むこともできるかも。もちろん那須さんのキットを購入して編むこともできます。
現在は那須さんへ直接お申込みいただいておりますので、詳細は下記をどうぞ。
那須早苗さんのサイト ノートブック

●3月13日(金)~15日(土)
雨本洋輔野球絵展
「野球を球場の外に連れ出して部屋と仕事を探してやること」
編集室屋上での久々の展示は、『屋上野球』Vol.2でコラムイラストを描いてくれた雨本洋輔さんによる初めての野球絵展です。
雨本さんの絵はただ野球を描いているだけでなく、そこにいろんなもの、あらゆるものが混ざりこんでいて面白いなと思っていました。そんななか、最近書かれている日記がべらぼうにおもしろく、その絵だけでなく野球を受け止める度量、わけのわからない言語化、それを展示で見せられないかなと、話はぐんぐん進んだのでした。
詳細はまたお知らせいたします!
「編集室屋上」、休業からの復帰第一弾でもあります。みなさまのご来場をお待ちしています。

***

屋上として次の書籍を2015年内には!と常々言っていましたが、
2016年になってからになりそうです。まあ気が早いこと。
でもそんなことを言うということは、そうです、もう出すものは決まっているんです。
ずっと出したかった本を出します。これからゆっくりゆっくり、準備だ!
こどもを背負ってがんばる一年にします。

日々くだらないことはTwitterに → 編集室屋上(林さやか)

お知らせはFacebookページにも → 編集室屋上のページ

ブログにもくだらないことを書こうかな?


2014年ありがとう

12月 30th, 2014 by admin

前回の記事を読み返すと、堅苦しくていやになりますね。
東京野球ブックフェアは、その後、4月に延期となることが確定したようです。
お伝えしたとおりわたしは関わりませんが、下記サイトで情報が更新されるはずですのでどうぞよろしくお願いいたします。
http://yakyubookfair.com

さて、わたしの近況といえば、お伝えできることは「産後の抜け毛が始まった」くらいです。
(噂には聞いてましたがまじでぎょっとしましたね……)

2014年は、公私ひっくるめてドタバタな日々でした。去年の今頃は姿のなかったムスメを抱いてこれを書いていることを思うと、今はとにかく子育てというか、この一人で何もできないひとといっしょに過ごすことがわたしの仕事なのだと改めて思います。…と、念を入れて思わないとブレるくらいに、本づくりができないもどかしさもあり。つくりたい本のことがたくさん頭に浮かびます。

来年は、子育てと本作りをどう両立させていくか、考えながらの日々になると思います。

編集室屋上としては、少なくとも本を一冊出したいし、『屋上野球』も出したい。イベントや展示もやりたい。そして何より、ちゃんと採算のとれる仕事をしたい! (金銭的な)無茶をしない。31歳にしてようやくそんなことを考えられるようになりました。ハタチのわたしが聞いたら、そんなの全然かっこよくないと言うのだろうな。でもわたしは、今のわたしがかっこいいと思うことをしなくてはいけない。

というわけで、2014年もお世話になりました!
2015年も編集室屋上をよろしくお願いいたします。つまんない〆だ!


東京野球ブックフェア2014中止について

12月 4th, 2014 by admin

東京野球ブックフェアというイベントを、2011年から開催していることは、ここでも何度か書きました。

今年2014年は12月14日に開催予定でしたが、このたび中止の告知を出しました。
ここはブックフェア公式ブログではありませんが、私が代表ですので、個人的な問題として少し書いておこうと思います。

お知らせしているとおりわたしは現在産休・育休中で、妊娠がわかってから一番悩んだのは東京野球ブックフェアを開催するかどうかでした。
わたし個人としては、毎年続けることに意味がある、とはたいして思っていないのが正直なところで、その一方で、3年続けてきたことで毎年楽しみにしてくれている方が増えているのも感じていました。
でも、イベントの企画運営はなかなか大変な仕事で(と、自分でいうのはカッコ悪いですが)オフシーズンの開催と秋の出産予定はどうにも折り合わない。
やるとすれば誰かに頼るしかなく、これまでのイベントで手伝ってくれたスタッフのみんなが、「ぜひやろう」と言ってくれたので開催を決めました。
でも、うまくいかなかった。
スタッフのみんなはとても優秀でこれまでも頼りにしてきたし、そこに問題があったのではなく、やはりこういうイベントごとは、責任を負うべきひとがいて、全体を見渡し、進行できる状態で初めて成り立つのだと思います。その部分の読みが甘かったということです。
出展者のみなさん、ご来場を楽しみにしてくださったみなさんには本当に申し訳ないことです。

こうなったことでわたしは一度、東京野球ブックフェアはわたし個人の活動であるべきなのだな、と思いました。
(それはある意味で今までどおり、ということでもあります)
来年また、満足のいくものをつくろう。
余裕ができたら、春頃に小規模なものを一度やってみよう。
とにかく、わたしが働ける状態になるまでやるべきではない。

しかし、中止の反響は思いのほか大きいものでした。
Twitterでは、全く面識のない方からのたくさんの残念という声。
出展者の方は、わたしの事情を知るからこそ、ほかの関係者に「人手が足りないなら手伝うから、なんとか開催できないのか」と声をかけてくれたそうです。

自分で思っていたよりずっと、このイベントを楽しみにしてくださる方が多いと知りました。
売る側も、買う側も、東京野球ブックフェアは年に一度あるものとして考えていてくれた。
これはつまり、もはや東京野球ブックフェアはわたし個人のものではなく、ある程度パブリックな存在になっているということだと思いました。

今回、予定していた12月14日の開催はやはりかないません。
ただ、春頃の開催に向けて、またスタッフの人員を増やして動いてもらうことになりました。
いつもお世話になっている、古書ビブリオの小野さんが指揮をとってくださり、
わたしが大きく関わることはありません。
(小野さんは「監督代行」と表現してくれました)
責任を負えない状態で中途半端に関わるべきではないと判断したのですが、東京野球ブックフェアの名前も、趣旨も(たいした趣旨もないですが)かわりません。
わたしが声をかけたところからつながったみなさんも、どうかご協力いただけますと幸いです。


『本の雑誌』11月号座談会のお知らせ

10月 23rd, 2014 by admin

遅ればせながら、お知らせです。

現在発売中の『本の雑誌』11月号リトル・マガジン特集にて、座談会に参加させていただきました。

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詳細はこちら 本の雑誌WEB

ご一緒したのは『仕事文脈』宮川真紀さんと『生活考察』辻本力さん。『屋上野球』のわたしとで、はからずも(?)漢字四文字雑誌が集まりました。
制作の裏話など現実的な話をしつつ、なんで雑誌をつくるのか、といった話もさせてもらってます。わたしだけまだ2号しか出してないし、情けない発言も多い……とほほ。

特集の他企画も、古今東西のリトル・マガジン事情が満載で面白いですよー!
発売から時間が経ってのお知らせになってしまってすみません……
まだご覧になっていない方は、お早めに書店へ!!

**********

それから私事になりますが、今月頭に無事、出産してきました。といっても陣痛開始から51時間かかって「無事」といっていいのやら……な気もしますが、母子ともにとても元気です。
ブログで産休・育休のお知らせをしてから気にかけてくださったみなさん、ありがとうございました。
今はまだ里帰り中で諸々ご注文等の対応ができずご迷惑をおかけしています。
『屋上野球』はじめ編集室屋上の本は、取次のJRCを経由してすべての書店さんでお取り扱い可能ですので、お求めはぜひ書店さんでお願いいたします。

上記の座談会は臨月のときに参加し、日程の件などでみなさんにご協力いただきました。一度は無理と思ったのですが、参加できて本当によかったです! みなさんありがとうございました。


屋上より(ちょっとの間)休業のお知らせ

8月 18th, 2014 by admin

突然のお知らせになりますが、このたび
産休及び育休のため、編集室 屋上としての業務を休業いたします。

育休が明けて具体的に仕事をし始めるのがいつになるのかは
まだはっきり決めていませんが(わからないことが多すぎて!)
まずは少なくとも10月いっぱいまで、発送等の業務ができなくなりますので誠に勝手ながら、通販をご希望の方は8月20日(水)までにご連絡をください。

書店さんへの発送等も、できるだけ家族の協力などで対応できるようにはしたいと思いますが、滞ることも多々あると思います。
お早めに想定できる追加や新規のご注文がございましたら
8月20日(水)までにご連絡をいただけますと幸いです。

***

『屋上野球 Vol.2』の作業をいよいよはじめようというときに妊娠がわかり、しかも同時に「自宅安静!」との指示が出て2ヶ月家にこもり……と
仕事と生活のはざまで悩む日々でした。
なんとか体調もよくなった頃に写真家の若杉くんに「世界の野球写真展」とのコラボイベントを提案してもらい、そこで広島野球ブックフェア開催の日程を知り(あ、前回の記事の続きを書いていなかった)、やっちゃえ!という感じで『屋上野球 Vol.2』の作業を始め、なんとか刊行にいたりました。

発売の時点で妊娠7ヶ月、予想していたとはいえ、満足な営業活動はできず。あるときは一日書店をまわっていたら翌日の検診で「運動した? 安静にして!」と怒られ。少しずついただいたプロモーションのお話も断らざるを得ないものも出てしまいました。
協力していただいた著者のみなさんや読者の方に、無責任になるのでは、という懸念は当初からあったのですが、実際こうなってみると、やはりその思いは強く、それでも読んでくださった方の感想の心強さでなんとか「つくってよかった」という気持ちを保っています。

『屋上野球』は雑誌形式とはいえ、長く売り続けていきたい本です。復帰後、また改めて営業をがんばります。
本の企画はほかにもいろいろあります。
もしかしたら産休育休中に資金が途絶えるかもしれないけど(西神田のスペースの家賃は毎月発生するし……)、そうしたらまた働いてなんとかすればいい。
自分の生活をこなしながら、引き続きがんばっていきたいと思います。

***

追記
西神田のスペース「編集室 屋上」については、場合によっては休業中のレンタルも可能です(なにせ、空いている時間が増えますので!)。メールの返信が遅いこともあるかと思いますが、info@oku-jo.comまでご連絡をいただければ詳細をお知らせいたします。