PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

ブログ 10 周年(活動を振り返って)

 

もう一つの10年

このブログ最初の記事は、エーゲ航空 Miles and Bonus でゴールド会員になる報告です。これは連続維持してゴールド会員も10周年。この間数種のプログラム (FFP) を利用しましたが、活動が活発なのは一貫して同じ3つ。直前の記事では環境の変化をテーマにしましたが、ここでは 3つの FFP を通して個人の10年間を振り返ります。

 

 

エーゲ航空

Miles & Bonus への入会は 2013年秋。2010年スターアライアンス (SA) 加盟を果たしたエーゲ航空では、SA 各社の搭乗で 1年間に 20,000 mile 登録したら SA ゴールド (*G) である Miles & Bonus ゴールド会員になれ、この資格は無期限でした。マイル初積算で 1,000 mile の入会ボーナスもありました。この条件は異常に良いので 2012年頃には世界中で話題に。T & C の日本語訳も出現しました。

 

私も踊らされた口。もともとギリシャにもエーゲ航空にも関心がなく、容易な*G という合理性からの選択です。当時エコノミークラスのマイル加算率は一般に高く、上位キャビンの利用なしに 20,000 mile 到達が半年以内。基準突破をネタにブログを開始しました。

 

この会員制度に持続性がないことは明らかで、FFP の改編が 2013年には予想されていました。実際に事が起きたのは 2014年11月。私の無期限*G は 8ヵ月間。それ以後は次年の*Gを意識する搭乗トラックに入ります。

 FFP は Miles+Bonus に改名されました。更新はエーゲ航空オリンピック航空の運航便 4搭乗を含む 12,000 mile/年とイージーモード。年一回のギリシャ巡礼が苦でなければ、相変わらず世界で最も易しい*G。この条件は現在まで不変です。

 

以上がこの FFP との馴れ初めです。ブログ開始の引き金だったのです。未知の航空会社、未知の土地と定期的な付き合いを始めることは良いことで、following -followed になった機内の出会いもありました。

 

もし入会の検討が1年遅ければ、無期限*G はありません。Miles+Bonus では会員資格の獲得は維持に比べると倍ぐらい大変で、入会はなかったはず。そうなるとこのブログは、例えば SFC 修行で開始したかもしれません。すべては運命のいたずら。わずかな時期の差が全く違う年月を生みました。

 

 

ブリティッシュエアウェイズ

入会はエーゲ航空と前後しています。BA のプログラムを選択した理由も同様で、自分の搭乗パターンでは、世界で最も有利なプログラムだったからです。

 2013年当時、Qatar Airways (QR) のビジネスクラスで毎年ベルリンに行っていました。往復17~22万円と廉価なチケットが頻繁に出ており、中東経由は面白そうだと QR を利用してみたら、十分使えることが分かったためです。

 QR の搭乗マイルは ANA Mileage Club に登録していました。ところが 2012年10月 QRoneworld に加盟。ANA との提携は消え、oneworld に登録先を探す羽目になります。当時すでに JAL の会員でしたが、何故か「外航にもっと良い FFP があるはず」と思い、AA, BA, CX, JL, QF, QR を比べました。その結果、最も良さそうだったのが BA Executive Club でした。ベルリン往復に加え、滞在中 BA に 4搭乗の周遊をすれば、シルバー会員。本来の旅行のついでに JGC に並ぶ会員資格を維持するシナリオは面白そうでした。

 その後 QR の料金は高騰、費用-サービスのバランスが悪くなり、利用は減りました。それでも BA Executive Club は CX, MH, JL の利用に有利だったので、継続されます。

 初期には私も冷静。シルバー会員継続を毎年のブログネタにしようと漠然と考えていました。しかしネタは強力な方が良く、ゴールド会員、更に GGL 会員、ライフタイム会員と欲望はエスカレート。足抜けできない事態を経て今日に至ります。

 

今の日本では、Executive Club は極端に有利な FFP には見えません。個人的な線でも UK に大した知人はいないし、滞在歴も微々たるものと BA を選ぶ理由がありません。FFP の検討が 2020年だったら、Executive Club 入会はなかったはずです。

 また 2013年の検討時、QF も十分有利な FFP でした。BA の決め手は海外発券、国際線片道発券、国際線C、フルフラットシート、プレミアムエコノミー、長距離路線間乗継などを全て初めて経験したという因縁。結局のところ不合理な理由で生涯影響する決断を下しています。

 

 

エールフランス

入会したのは Fréquence Plus。2005年 Flying Blue が発足すると、会員番号は引き継がれました。おそらく会員番号で前歴がバレます。会員期間が長いので熱心になることはなく、離れることも考えにくい FFP です。時々シルバー会員という状況が長く続きましたが、ブログ開始後は他の FFP とのバランスを考え、ゴールド会員にランクを上げました。Flying Blue 改悪後、再度シルバー落ちして COVID 中それを継続、2023年ゴールド復帰しました。総じて言うと特筆することがない 10年

 

AF は良いネタを提供するので FFP への関心は維持されます。この観点からシルバーかゴールド会員に留まるのが良い気がします。

 

特典航空券

3FFP 全てで特典航空券を獲得しています。A3 は 1、2回だけでスターアライアンス中距離 Y。AF は AF-KLM の長距離 C を 6回。BA は自社 C と F、JAL長距離 C と PY という感じです。

 

次の10年
前世紀から 2013年頃までは AF と JAL に加え、時に ANAFFP を利用していました。それ以後は A3, BA, AF の 3FFP 体制。AC, CX, SQ の FFP も使ったことがあります。10年は世界が様変わりするのに十分な期間でした。私を例にしても、A3 と BA は現在なら入会する理由が見いだせません。継続しているため、今でも利用価値があるのです。

 

さて今後の10年は、過去10年間以上の変化がもたらされるはずです。具体的な予見はできませんが、過去に学べば多少の知恵は得られます。

 

周囲を見渡すと JALANA で12、3年連続してダイヤモンド会員という方は珍しくありませんが、20年以上は稀です。今世紀の JAL をとっても JAS 統合、ワンワールド加盟、倒産、COVID と JMB を揺さぶる出来事が何度かありました。心変わりなしに高密度な搭乗を続け、大きなマイルをアカウントに維持するのは例外的な顧客です。

 しかし航空会社より個人の変化の方が問題ではありませんか?関心、家族、仕事、居住の状況が 20年以上安定することは滅多にありません。一般に FFP ライフタイム資格は 20年以上の多頻度利用が必要ですが、趣味でやる場合、関心をこの期間保てますか?出張で利用する会員の場合、キャリア・ビジネスの長期停滞ではありませんか?私たちは FFP 改悪により放棄せざるえない事態を心配します。しかし達成を阻む主な原因は、プログラムではなく個人の変化でしょう。

 

私についていえば、来る10年間に過去10年間と同じ関心は維持できそうにありません。