2024年05月25日
2024年5月25日（土）は萬年筆研究会【WAGNER】 北海道地区大会＠札幌 *** 将来日付でのご案内 ***
日時：5月25日(土) 11:00〜16:00 （開場は11:00） ペンクリは会員限定（開催日当日に会員登録された方も調整は受けられます）
場所：北海道立道民活動センター【かでる２.７】8階 810B会議室 住所：札幌市中央区北２条西７丁目 道民活動センタービル
2024年の予定 → ここ を押して！ 名札をお持ちの方はお忘れなく！
新規入会希望の方は左記の記入用紙に会員番号以外を書き入れて持参して頂くと、受付時間が短くなります。
会場へ入るには、萬年筆研究会【WAGNER】への会員登録が必須条件となりますが退会も再入会も自由です。
入会資格は〔万年筆が好き！〕ということだけで、年齢制限も入会審査もありません。
記入例は ここ にあります！ 携帯メールアドレスを記入される方はPCからのメール拒否を外して下さいね。
18歳未満の方は参加費無料です。友人を誘って・・・勇気を持って覗いてみてね！
今回の札幌大会では、ペンクリやペントレと並行して歓談万談タイムを設けました。
ペンクリやペントレのニーズは無くとも、友人達と思いっきり万談（万年筆談義）がしたい人たちの向けのスペースの提供が目的です。
またこの歓談万談コーナーに積極的に参加することによって、万友（万年筆関係の友人）を増やしていただければ幸いです。
会場の かでる２・７ の会議室にはゴミ箱が設置されているので、食料品やお菓子類の持込みが可能です。お菓子を食べながらの万談もできま〜す。
当日、萬年筆研究会【WAGNER】限定 都市シリーズ（北海道）の新作〔札幌農学校〕万年筆が発売開始となります。
2024年05月04日
2024年5月4日（土）は 第15回 y.y Day＠神戸・元町 *** 将来日付でのご案内 ***
日時：5月4日（土） 10:00〜16:30
会場：兵庫県民会館 10階 福 住所：兵庫県神戸市中央区下山手通4-16-3
入場料：1,000円 入場券に1枚に抽選券 入場料の数倍のお土産付き！
【現状で決定している出展者】 赤字は現WAGNER会員
★古山画伯
★Laurett’ｓ（ローレッツ）
★ショーン・デザイン
★Tono＆Lims
★SHINARI
★N御大(penport)
★萬年筆研究会【WAGNER】
★北晋商事
★ギフショナリー・デルタ
★y.ypenclub（主催）
【ワークショップ】
★古山浩一画伯 【万年筆で絵を描いてみよう】
★ y.y penclub 【15周年記念オリジナル扇子作り】
今後さらに増加予定
2024年04月20日
2024年04月18日
〔 Sunnyさん作 No.149漆塗軸【曼荼羅】〕アーカイブ
記事にあるNo.149は握りごこちが良く、長期間利用した記憶がある。
おそらくは拙者が使用したNo.149の中では、2位に大きな差を付けた使用期間だったはず。
書き味が良くなると、すぐに当該万年筆に興味を無くしてしまう拙者が4年以上も、ほぼ毎日使ったのは異例だった。
それだけ胴軸へのキャップの嵌まり具合が良かったのだろう。
万年筆談話室があったころには、部品箱にこの胴軸とキャップが入っていたのだが、現在では手元に無い。
再アセンブルして、どなたかの元へお嫁に行ったのか？ あるいは引越の際紛失したのかも？
おそらくは拙者が使用したNo.149の中では、2位に大きな差を付けた使用期間だったはず。
書き味が良くなると、すぐに当該万年筆に興味を無くしてしまう拙者が4年以上も、ほぼ毎日使ったのは異例だった。
それだけ胴軸へのキャップの嵌まり具合が良かったのだろう。
万年筆談話室があったころには、部品箱にこの胴軸とキャップが入っていたのだが、現在では手元に無い。
再アセンブルして、どなたかの元へお嫁に行ったのか？ あるいは引越の際紛失したのかも？
さて昨日予告した【EFのニブはもっと派手なNo.149に装填し、軸にばかり目が行くような状態でないとバランスが取れない。
ふふふ・・・そちらは近日中に画像をお目にかけよう。すごいですぞ！】をさっそく紹介しよう。
上の画像はSunnyさんの元へ旅立つ前の姿。多少小太りの地味〜な彼女は、Sunnyさんの手によって【超派手な良い女】に変身したのじゃ。
まずはSunnyさんを紹介しておこう。事実を話すのではなく、彼との会話の中から単語を拾って作った拙者の妄想が生み出した人物像だが、当たらずといえども遠からずであろう。
敬虔なクリスチャンであるSunnyさんは、定例会/裏定例会の日にも、必ず教会に寄ってから参加しておる。
キリスト教とは後悔を引きずらない宗教で【主よお許しください・・・また万年筆を買ってしまいました・・・アーメン】
と懺悔すれば神は必ず許してくださり、後悔する心は消え、新たな希望とともに万年筆を探し回れることが出来る。
しかし妻は許してはくれないらしい。万年筆を好きになり始めたころは、寛容な笑顔で受け入れてくれた。
【浮気するよりずっと良いわ・・・安い物ね、ふふふ】
しかし狂ったように買っていたある日、ついに妻の怒りが爆発した。主と違って妻は厳しい。｢右の頬を打たれたら、左の頬を・・・｣なんてことは言わない。
｢右か左か！どっちの頬を打たれたいの！｣と来る。
恐れおののいたSunnyさんは、妻に対して【八枚の反省文】を書き、万年筆を購入するのを止めた。そして・・・
【万年筆を買うのではなく、材料を買ってきて自分で作るのなら妻の逆鱗には触れまい・・】
と勝手に判断したSunnyさんは、知人の外人に旋盤を借り、万年筆を制作するためのキットを買ってきて、日夜万年筆作りに精を出していた。
しかし、ただ単に木製の万年筆を作っているだけでは飽きてしまう。そこで漆塗りに挑戦した。
漆を乾燥させるための【ムロ】を買い、過去に購入した安価な万年筆に漆を塗りまくっていた。
１年ほど前までは、傍目に見ても【素人の手慰み】だったが、3ヶ月ほど前にはプロはだしの腕前になっていた。
そこで、さらなる向上の為に、拙者のNo.149を提供することにし、練習用の胴軸１本と、漆を塗るべきキャップ＋胴軸をお渡しした。
分解して渡したのはクリップ部分を塗りやすくするのと、No.149であることを強くは意識させない為じゃ。
単なる部品に塗る感覚で肩の力を抜いて塗ってもらいたくてな・・・
調整の世界でも、他人の万年筆を調整して初めて腕が上がっていく。自分の万年筆をいかにうまく調整出来ても、それだけでは自信が持てない。
他人の大切な万年筆を調整して初めて得られる満足感、高揚感、そして挫折・・・そういう経験してこそ、一段高い調整のレベルに到達出来る。塗りの世界も同じだろう。
自分用の調整と、他人用の調整とではアドレナリンの出方が違う。他人用の方がはるかに仕上がりが良いのじゃ。
従って拙者は新しい調整を試す時には、必ず他人の万年筆を使う。成功したら初めて自分用の万年筆の調整に適用するのじゃ。
今回のSunnyさんもそのノリ。【それじゃ私のNo.149にも塗りますんで、金具を外してくださいな・・・】とか。
仕上がりを皆に絶賛されて、低アドレナリンでも成功する自信がついたらしい。
2007年8月12日（日）に持ち込まれたSunny製漆塗りを【曼荼羅】と名付けた。派手なのに落ち着いている。キリスト教徒のSunnyさんが到達した【密教】の世界！
約3ヶ月間【塗って、乾燥させて、研いで】を何度も繰り返してここまでたどり着いたとか。ルーペで観察していると別の世界に引き込まれる錯覚を覚えてしまう。
解脱した世界ではなく、欲望に満ちあふれた世界・・・まるで【WAGNER】の象徴じゃ！
西の奇人が開発した【万華鏡万年筆】に負けない【倒錯の世界】へと導いてくれる【鍵】のよう。
そういえばビッグXに変身する際に使う【マグネットペンシル】にも似ている・・・相当古い話だが・・・
細部を拡大しても破綻がない。これは相当気を遣ってマスキングした上で塗らなければ出来ない技。
しかも通常のエアーブラシ用のマスキングテープでは滲んでしまうのでボンドやセロテープなどでマスキングするらしい。今度【メッキマスク液】を紹介することにした。
一見するとわからないが、金粉も塗り込まれている。そんじょそこらの蒔絵よりもはるかに多くの時間と情熱と闘志が入っている。やはりアマチュアに妥協はない！
筆記時はこういう雰囲気になる。特筆すべきは、表面に漆が塗ってある為、きちんと押し込めば、キャップのぐらつきが解消される。
No.149やNo.146の欠点は書いているとキャップがぐらついてしまうこと。
それを嫌ってキャップを強く押し込むと、胴軸にねじ部分で醜い擦り傷がついてしまうため、しょっちゅうプラスティック磨き布で磨いていなければならなかった。
ところがこの漆塗りのNo.149では、キャップをぐっと押し込めば、ピタっと胴体と一体化し、一本の棒のような感じで、まったくぐらつかない。
しかもキャップを引き抜いた後に、傷も残らない。硬いようで弾力があり復元性も高い漆厚塗りならではの特徴であろう。
今までのNo.149に対する漆塗りでは、漆の厚さ分だけ軸を削ってから塗るのがプロの世界の常識だった。
しかし今回のSunnyさんの塗りで【削らないで直接塗った方がキャップの具合が良い】事がわかった！これも理屈と実用の違い。先日のルーペの話と同様じゃな。
こちらはペン先の状況。この万年筆につければ、誰もが胴体に気をとられてペンポイントの貧弱さに気づかないだろう。
書いてみて、さらに驚いた。漆塗りの軸は手の中で滑らないので、持っていて軽く感じる。
従って非常に取り回しが楽で、EFで書いていてもまったくストレスが無い。
萬年筆界に新たな潮流が生まれるかもしれない。単なる装飾でしかなかった塗りに、実用としての大きな価値が出てくる・・・No.146とNo.149のキャップ脱落防止として！
2024年04月17日
〔 【 Montblanc 70年代No.149 14C-EF → B 】 調整報告 〕アーカイブ
最近調整にあまり持ち込まれなくなったNo.149の14C-M/B の角研ぎモデルだが、写真で見ると綺麗だなぁ！
また、当時はさほど好きでは無かった開高健モデルの14C-EFも見事な鉈研ぎ。まるで鉈研ぎのお手本のような形状だ。
Montblancの形状や書き味に飽きてしまったので、現在持っているMontblancは限定品のみ。しかも一本だけ。
今後はどうなるかわからないが、現在は胴軸がストレートな寸胴型が気にいっている。しかもさほど太くないモデル。
実は角研ぎは、ペンを捻って持つ人にとっては鬼門。書き出しが必ず掠れる。それを防ぐ研ぎを施すとストレスは減るが、万年筆の価値も減る。
特殊な研磨になるので、（正直に説明すれば）売りにくくなってしまう。
記事を改めて読むと、ロットリング洗浄液での洗浄を優先させているようだが・・・
カーボンインクにはロットリング洗浄液
古典インクにはアスコルビン酸水溶液
その他には激落ちくん
というのが、現在のやり方。間違っても超音波洗浄機は使わない。
古い万年筆だと鍍金が剥がれてしまう事があるのが、その理由。
ペンクリの場で超音波洗浄液を使う場合は、プレジデントやペリカンの首軸先端部のような金鍍金部分があるものには使わないのが原則。
もし、そこを超音波洗浄につけるような調整師がいたら、その方は避けるべきだろう。物理・化学の知識は調整師の基本じゃ。
昨日の第20回目WAGNER定例会は40人というこれまでで最大の参加人数となった。
（一人は小学校受験準備中の幼稚園児：父上の不良行動防止用に母親から派遣されたらしい）。
昨年度もお盆での開催日に、それまでで最大の参加人数だった・・・。
拙者は参加人数が少ないだろうと予測し【ペンクリも楽そうなので今日は久しぶりに自分の万年筆の調整でもやろう】と前日から徹夜で自分用の万年筆調整を行った。
結局は予想が外れ、大盛況となり、そのままほぼ８時間（参加者の万年筆）調整を続けるはめになった。やはり過去データを参考にすることは重要じゃ！
前日から調整した中の一本がこれ！ 14Cペン先、二段式ペン芯、ラッパ型でない首軸先端、なで肩とイカリ肩の中間時代のクリップのモデル。
【趣味の文具箱No.1の時代分類】はかなりアバウトでNo.149に関しては、まだまだ変化点や移行期モデルが存在する。拙者も全て把握しているわけではない・・・
実は、ある野望を持っており、このEFのペン先を必要としている胴体が存在する。
その胴体が３ヶ月の熟成期間を経て12日の定例会に到着するとの情報を得ていたので、急いでペン先を外す必要があったのじゃ。
このペン先は左画像でわかるように、中白で開高健型。ただし黒軸のNo.149に装填しても貧者なペン先に見えるだけ。
No.149は胴体が地味でペン先が派手。従ってEF付では頼りなく細いニブばかりが目立ってしまう。
EFのニブはもっと派手なNo.149に装填し、軸にばかり目が行くような状態でないとバランスが取れない。
ふふふ・・・そちらは近日中に画像をお目にかけよう。すごいですぞ！
このNo.149は入手してから半年あまり調整する時間が無かった。ごらんのように、ペン芯とペン先がずれている。
これが目立つのはペン芯が前に来すぎているから。
開高健モデルはペン先先端までの斜面が非常に急になっている。従ってそれ以前のモデルと同じ位置関係だとペン芯がペン先からはみ出して見えそうになっている。
これに左右の力が加われば、この画像のように実際にはみ出してしまう。醜さの極致・・・
横顔を見てもペン芯が前進しすぎているのがわかる。
ペン芯とペン先が出来るだけ広範囲で密着している方がインク切れが無いと信じられている為に、こうしたペン芯の前進が行われるのであろう。
しかしちゃんと設計されたペン先であれば、筆記によるペン先のポンプ運動によってインクがどんどん出てくるので・・・
よほどの高筆圧ででもない限り、ペン先とペン芯が離れることによるインク切れを心配する必要はない。これは1920年代の【萬年筆と科學】にも掲載されている。
軸から外したペン先の状態。恐ろしいほど汚れている。ごめんな・・・こんな状態で半年も放置して・・・
開高健モデルのペン先の美しさは群を抜いている。その別嬪さんを何ヶ月も風呂に入れないで監禁していたわけじゃ。
すぐに綺麗にしてもっと美しい胴体をあてがってやるからな！
裏側もインクカスとエボ焼けで真っ黒。明るめにScanしているので、案外綺麗に見えるが、実際は真っ黒ドロドロ！
裏も表もロットリング洗浄液、金磨き布で綺麗に洗浄して、新しい胴体に装着した。超派手なナイスバディにな！
そして残った胴体には、新しいペン先を取り付けねばならない。そこで選ばれたのが開高健モデルのB。
角形Mと、このBが開高健モデルの（拙者が選んだ）最高峰じゃ。書き味云々以前に、シルエットの美しさがすばらしい！
文字を萬年筆で書かない拙者にとってはそれが一番大事！多少スリットが詰まっていたので微調整して胴体に装着。
これが装着が完了した画像じゃ。開高健モデルはペン先が薄いので、首軸のかなり奥まではいる。
ペン芯を後退させて、首軸内部でのペン先とペン芯の接着面積を増加させておけば、ペン先のぐらつきも多少軽減される。
ペン先のスリットが徐々に狭まっていく様子、エラの張り方、刻印文字の書体、首軸先端の形状とのバランス、そして角張ったペン先・・・眺めているだけで幸せになれる。
横顔も美しい。あとはこの美しい娘をどこに嫁がせるかじゃな。
シャラシャラ娘にするか、ぬらぬら娘にするか、スラスラ娘にするかは、嫁ぎ先次第じゃ。
より時代をわかりやすくする為に、クリップをなで肩にしておこうかな・・・ちょうど海を渡っているNo.149がなで肩だし・・・
それに現行品いかり肩クリップと形状が違う、この時代の貴重な【移行期いかり肩クリップ】はラッパ型首軸のモデルに装着した方が似合う！
さて今度はその軸を探さねば・・・こうして無限地獄に堕ちるのじゃ・・・
また、当時はさほど好きでは無かった開高健モデルの14C-EFも見事な鉈研ぎ。まるで鉈研ぎのお手本のような形状だ。
Montblancの形状や書き味に飽きてしまったので、現在持っているMontblancは限定品のみ。しかも一本だけ。
今後はどうなるかわからないが、現在は胴軸がストレートな寸胴型が気にいっている。しかもさほど太くないモデル。
実は角研ぎは、ペンを捻って持つ人にとっては鬼門。書き出しが必ず掠れる。それを防ぐ研ぎを施すとストレスは減るが、万年筆の価値も減る。
特殊な研磨になるので、（正直に説明すれば）売りにくくなってしまう。
記事を改めて読むと、ロットリング洗浄液での洗浄を優先させているようだが・・・
カーボンインクにはロットリング洗浄液
古典インクにはアスコルビン酸水溶液
その他には激落ちくん
というのが、現在のやり方。間違っても超音波洗浄機は使わない。
古い万年筆だと鍍金が剥がれてしまう事があるのが、その理由。
ペンクリの場で超音波洗浄液を使う場合は、プレジデントやペリカンの首軸先端部のような金鍍金部分があるものには使わないのが原則。
もし、そこを超音波洗浄につけるような調整師がいたら、その方は避けるべきだろう。物理・化学の知識は調整師の基本じゃ。
昨日の第20回目WAGNER定例会は40人というこれまでで最大の参加人数となった。（一人は小学校受験準備中の幼稚園児：父上の不良行動防止用に母親から派遣されたらしい）。
昨年度もお盆での開催日に、それまでで最大の参加人数だった・・・。
拙者は参加人数が少ないだろうと予測し【ペンクリも楽そうなので今日は久しぶりに自分の万年筆の調整でもやろう】と前日から徹夜で自分用の万年筆調整を行った。
結局は予想が外れ、大盛況となり、そのままほぼ８時間（参加者の万年筆）調整を続けるはめになった。やはり過去データを参考にすることは重要じゃ！
前日から調整した中の一本がこれ！ 14Cペン先、二段式ペン芯、ラッパ型でない首軸先端、なで肩とイカリ肩の中間時代のクリップのモデル。
【趣味の文具箱No.1の時代分類】はかなりアバウトでNo.149に関しては、まだまだ変化点や移行期モデルが存在する。拙者も全て把握しているわけではない・・・
実は、ある野望を持っており、このEFのペン先を必要としている胴体が存在する。
その胴体が３ヶ月の熟成期間を経て12日の定例会に到着するとの情報を得ていたので、急いでペン先を外す必要があったのじゃ。
このペン先は左画像でわかるように、中白で開高健型。ただし黒軸のNo.149に装填しても貧者なペン先に見えるだけ。No.149は胴体が地味でペン先が派手。従ってEF付では頼りなく細いニブばかりが目立ってしまう。
EFのニブはもっと派手なNo.149に装填し、軸にばかり目が行くような状態でないとバランスが取れない。
ふふふ・・・そちらは近日中に画像をお目にかけよう。すごいですぞ！
このNo.149は入手してから半年あまり調整する時間が無かった。ごらんのように、ペン芯とペン先がずれている。これが目立つのはペン芯が前に来すぎているから。
開高健モデルはペン先先端までの斜面が非常に急になっている。従ってそれ以前のモデルと同じ位置関係だとペン芯がペン先からはみ出して見えそうになっている。
これに左右の力が加われば、この画像のように実際にはみ出してしまう。醜さの極致・・・
横顔を見てもペン芯が前進しすぎているのがわかる。ペン芯とペン先が出来るだけ広範囲で密着している方がインク切れが無いと信じられている為に、こうしたペン芯の前進が行われるのであろう。
しかしちゃんと設計されたペン先であれば、筆記によるペン先のポンプ運動によってインクがどんどん出てくるので・・・
よほどの高筆圧ででもない限り、ペン先とペン芯が離れることによるインク切れを心配する必要はない。これは1920年代の【萬年筆と科學】にも掲載されている。
軸から外したペン先の状態。恐ろしいほど汚れている。ごめんな・・・こんな状態で半年も放置して・・・開高健モデルのペン先の美しさは群を抜いている。その別嬪さんを何ヶ月も風呂に入れないで監禁していたわけじゃ。
すぐに綺麗にしてもっと美しい胴体をあてがってやるからな！
裏側もインクカスとエボ焼けで真っ黒。明るめにScanしているので、案外綺麗に見えるが、実際は真っ黒ドロドロ！裏も表もロットリング洗浄液、金磨き布で綺麗に洗浄して、新しい胴体に装着した。超派手なナイスバディにな！
そして残った胴体には、新しいペン先を取り付けねばならない。そこで選ばれたのが開高健モデルのB。角形Mと、このBが開高健モデルの（拙者が選んだ）最高峰じゃ。書き味云々以前に、シルエットの美しさがすばらしい！
文字を萬年筆で書かない拙者にとってはそれが一番大事！多少スリットが詰まっていたので微調整して胴体に装着。
これが装着が完了した画像じゃ。開高健モデルはペン先が薄いので、首軸のかなり奥まではいる。ペン芯を後退させて、首軸内部でのペン先とペン芯の接着面積を増加させておけば、ペン先のぐらつきも多少軽減される。
ペン先のスリットが徐々に狭まっていく様子、エラの張り方、刻印文字の書体、首軸先端の形状とのバランス、そして角張ったペン先・・・眺めているだけで幸せになれる。
横顔も美しい。あとはこの美しい娘をどこに嫁がせるかじゃな。シャラシャラ娘にするか、ぬらぬら娘にするか、スラスラ娘にするかは、嫁ぎ先次第じゃ。
より時代をわかりやすくする為に、クリップをなで肩にしておこうかな・・・ちょうど海を渡っているNo.149がなで肩だし・・・
それに現行品いかり肩クリップと形状が違う、この時代の貴重な【移行期いかり肩クリップ】はラッパ型首軸のモデルに装着した方が似合う！
さて今度はその軸を探さねば・・・こうして無限地獄に堕ちるのじゃ・・・
2024年04月16日
〔 使ってみて初めてわかる事もある・・・ 〕アーカイブ
最初の写真に出てくる正体不明のルーペは京葉光器 リーフ 高級フォーカスルーペ の20Xか15Xだろう。価格はいずれも税込み23,100円。
国産としては最高峰の・・・値段だ。3群5枚構成のアクロマティック。
このルーペを使っていたなんてすっかり忘れていた。すぐに使うのを止めたところをみると、感性に合わなかったようだ。
46gと重い！と文句たれているが、拙者が日常的に使っているピークのスケールルーペ（スケール外し）は36ｇあるので、さほど重量差があるわけでは無い。
ルーペはメーカー、ランク、倍率など、合計すると50モデル以上使ってみて、現在のルーペに行き着いたので、今後変えることは無いだろう。
なんせ、同じモデルを未使用含めて6個持っている。老い先短いのでこれ以上はいらない。
今まで使った最も高価なルーペは6万円（10X）だったが、見やすさでは今のが一番肌に合う。
往年のカメラレンズがそうであったように、解像力が高いだけではいいレンズとは言えない。
SMC TAKUMAR 35mm F3.5は、平均解像度は当時の全レンズ中で最高だったのに、レンズとしては評価されなかった。
拙者はネオパンFとかパナトミックXとかを減感処理（ASA 6程度）していたので、このレンズは各時代2本ずつ持っていた。
このレンズのためにメイン機種をニコンF2からペンタックス SPFに変えたほど。
でも、それ（SMC TAKUMAR 35mm F3.5）でコンテストに入選したことは無かった。自分の好きと他人のウケは違うと思い知らされたものだ。
ルーペも同様で用途によって、また必要な倍率によって、さらには個々人の好みによって使いやすいモデルは違う。
先代の金ペン堂さんや、フルハルターの森山さん、久保工業所の久保さんなどは、7倍のキズミ（折りたたみ）を使われていた。
倍率を上げてペンポイントをみるのではなく、全体像を眺めて形を整え、最期は指の感覚で確認しながら研ぎ上げたのだろう。
それに対してメーカーの方は、割と高倍率のルーペをお使いだ。Pilotでは25倍が与えられるようだ。
拙者には倍率が高すぎて使いこなせない。ペンポイント全体にピントが合うのは14Xか15Xが良い。
ペンポイントの一部だけ拡大するのは18X〜25Xくらいだろう。
ルーペは調整師にとっては、料理人の包丁みたいなもの。
究極のルーペを見つけるのも楽しみの一つ。見えれば良いのではなく、ストレス無く見え、見ていて楽しくなるのが、貴方にとっての最高のルーペ。
それを使えば、ペンポイントに惚れてしまう・・・そんなルーペに出会えることをお祈りしま〜す。
カタログや試乗会で【すばらしい】と感激しても、日常的に乗っていると不満が出てくる車も多いと聞く。
同じようなことが今回ルーペで発生した。左図の右側は拙者が20年以上使っているピークの15Xのルーペ。
ピークというのは、引伸機のピント合わせをするフォーカスコープを作っていた会社というイメージが強い。その中でも【ピーク式ピントルーペ】というのが最高峰で、高校の写真部ごときでは購入出来なかった・・・。
反射させる為の鏡の部分に蓋がついていたのが高級感を醸し出していた。社会人になって自分用の道具をそろえた時、カタログでの比較無しに買ったのは【ピーク式ピントルーペ】だけだった。
実はその当時は【ピーク式ピントルーペ��】というのも発売されていて�儀燭茲蠅眞傭覆楼造い�性能は高い！ということが各種テストの結果で示されていた。
しかし拙者はあえて【ピーク式ピントルーペ】を購入した。憧れってのは価格や性能では変えることは出来ない。
万年筆のペンポイントを確認するにも、当然のようにピーク製を使っていた。しかし前回の裏定例会で左側の高級ルーペを見て、あまりのコントラストの良さに感激し、その夜通販で申し込んで、翌々日には使っていた・・・
しかし、昨日からピーク製にもどした。理由は・・・重すぎるから。実は８月の最初に大量の調整を終えており、しばらくは平日に調整する事が無かった。せいぜいコレクションのペンポイントや模様を見る程度。このくらいなら新しいルーペは実によい。
ところが大量の調整をやった昨日は、午前中で重いルーペを使う気がしなくなった。頻繁に使おうとすると、ルーペの重さがじゃまになる。軽い方は19.4グラムで、重い方は46グラム・・・たいていの万年筆よりも重いルーペというのは・・・使えない。
それと画像コントラストが良すぎて暗部がよく見えない。安いピークのルーペは光が滲むせいか、光が当たらないところもうっすらと見える。ところが色収差補正してある高級ルーペでは暗部は潰れる。暗黒になってしまうのじゃ。
最新の非球面＋多層幕コーティングのレンズと、【タンバール：有名なソフトフォーカスレンズ】の差のようなものかもしれない。調整を前提とすれば安くて性能の悪いレンズのほうがよく見えるし使いやすいのじゃ。
物心ついてから50年あまり、常に最高性能の物に憧れてきた。特にレンズ系にはこだわったものじゃ。ところが日常使用するルーペを通じて、それが根底から覆されてしまった。安くて性能の悪い物の方が、実はよく見える・・・これからはカタログ性能重視は改めねばな・・・・
次は、本日最大の話題になるであろうポリエチレングリコール。試薬業界では【PG（ピージー）】と呼ぶ。
これを使えばパイロットの５０型コンバーターの棚吊り現象を押さえられるに違いないと思った。とりあえず実験してみた。いままで何度も使っているコンバーター５０に一回水を入れてから振って水分を切る。
ＰＧの30%水溶液をコンバーターに入れてよく振ったあとで、綿棒で擦りつける。これでＰＧはコンバーター内に行き渡ったはず。でインクを吸わせて見ると・・・・
相変わらず棚吊り現象は解消しない。アレアレ？
しかし、トントンと軸を指ではじけば空気は上に上がって、左図のようになる。棚吊り現象は解消したが、空気が前にあっては棚吊りよりさらに具合が悪い。空気とインクの入れ替えには指ではじくしかない。これじゃ使えないよ。
次に新品のコンバーター５０にＰＧをつけないでインクを吸入すると、当然棚吊り現象は発生する。しかし指でコンバーターをはじけば同じように空気は上に移動する。ＰＧを使っている場合より、空気の動きは若干悪いのは確かじゃが・・・
棚吊りを解消するには、コンバーター内側ではなく、インク自体に表面張力を減らす薬品を入れる必要がある。白黒フィルム現像の場合には【ドライウェル】という薬品を使っていた。たしか富士写真フイルムの製品だったはず。
ドライウェルの希釈液にフィルムを浸してから干せば、水滴が一切発生しないで下に流れていく。非常に重宝したものじゃ。こういう薬品をインクに混ぜれば表面張力は減り、棚吊りは発生しないかもしれない。
しかし、大問題がある。表面張力を発生しにくいということは、異常に滲みやすいはず。これでは紙に書くインクには使えない・・・
同じインクをセーラーのコンバーターに入れると棚吊りは発生しないのに、コンバーター５０に入れると発生する・・・あきらかに素材の選定ミスじゃな。
世の中は理屈ではないな・・・やはり実験してみないと真実はわからない。メダカ語録に入れておこう！
それにしてもコンバーター５０が不良品であるということはパイロットでは把握しているのだろうか？
日常的にで困っている多くのパイロットファンの為にも、是非改良してほしいな。そしてその際には改良する事を公表してほしい。急いで全てを買い直すから。それほど困っているのじゃよ!!!!!
国産としては最高峰の・・・値段だ。3群5枚構成のアクロマティック。
このルーペを使っていたなんてすっかり忘れていた。すぐに使うのを止めたところをみると、感性に合わなかったようだ。
46gと重い！と文句たれているが、拙者が日常的に使っているピークのスケールルーペ（スケール外し）は36ｇあるので、さほど重量差があるわけでは無い。
ルーペはメーカー、ランク、倍率など、合計すると50モデル以上使ってみて、現在のルーペに行き着いたので、今後変えることは無いだろう。
なんせ、同じモデルを未使用含めて6個持っている。老い先短いのでこれ以上はいらない。
今まで使った最も高価なルーペは6万円（10X）だったが、見やすさでは今のが一番肌に合う。
往年のカメラレンズがそうであったように、解像力が高いだけではいいレンズとは言えない。
SMC TAKUMAR 35mm F3.5は、平均解像度は当時の全レンズ中で最高だったのに、レンズとしては評価されなかった。
拙者はネオパンFとかパナトミックXとかを減感処理（ASA 6程度）していたので、このレンズは各時代2本ずつ持っていた。
このレンズのためにメイン機種をニコンF2からペンタックス SPFに変えたほど。
でも、それ（SMC TAKUMAR 35mm F3.5）でコンテストに入選したことは無かった。自分の好きと他人のウケは違うと思い知らされたものだ。
ルーペも同様で用途によって、また必要な倍率によって、さらには個々人の好みによって使いやすいモデルは違う。
先代の金ペン堂さんや、フルハルターの森山さん、久保工業所の久保さんなどは、7倍のキズミ（折りたたみ）を使われていた。
倍率を上げてペンポイントをみるのではなく、全体像を眺めて形を整え、最期は指の感覚で確認しながら研ぎ上げたのだろう。
それに対してメーカーの方は、割と高倍率のルーペをお使いだ。Pilotでは25倍が与えられるようだ。
拙者には倍率が高すぎて使いこなせない。ペンポイント全体にピントが合うのは14Xか15Xが良い。
ペンポイントの一部だけ拡大するのは18X〜25Xくらいだろう。
ルーペは調整師にとっては、料理人の包丁みたいなもの。
究極のルーペを見つけるのも楽しみの一つ。見えれば良いのではなく、ストレス無く見え、見ていて楽しくなるのが、貴方にとっての最高のルーペ。
それを使えば、ペンポイントに惚れてしまう・・・そんなルーペに出会えることをお祈りしま〜す。
カタログや試乗会で【すばらしい】と感激しても、日常的に乗っていると不満が出てくる車も多いと聞く。同じようなことが今回ルーペで発生した。左図の右側は拙者が20年以上使っているピークの15Xのルーペ。
ピークというのは、引伸機のピント合わせをするフォーカスコープを作っていた会社というイメージが強い。その中でも【ピーク式ピントルーペ】というのが最高峰で、高校の写真部ごときでは購入出来なかった・・・。
反射させる為の鏡の部分に蓋がついていたのが高級感を醸し出していた。社会人になって自分用の道具をそろえた時、カタログでの比較無しに買ったのは【ピーク式ピントルーペ】だけだった。
実はその当時は【ピーク式ピントルーペ��】というのも発売されていて�儀燭茲蠅眞傭覆楼造い�性能は高い！ということが各種テストの結果で示されていた。
しかし拙者はあえて【ピーク式ピントルーペ】を購入した。憧れってのは価格や性能では変えることは出来ない。
万年筆のペンポイントを確認するにも、当然のようにピーク製を使っていた。しかし前回の裏定例会で左側の高級ルーペを見て、あまりのコントラストの良さに感激し、その夜通販で申し込んで、翌々日には使っていた・・・
しかし、昨日からピーク製にもどした。理由は・・・重すぎるから。実は８月の最初に大量の調整を終えており、しばらくは平日に調整する事が無かった。せいぜいコレクションのペンポイントや模様を見る程度。このくらいなら新しいルーペは実によい。
ところが大量の調整をやった昨日は、午前中で重いルーペを使う気がしなくなった。頻繁に使おうとすると、ルーペの重さがじゃまになる。軽い方は19.4グラムで、重い方は46グラム・・・たいていの万年筆よりも重いルーペというのは・・・使えない。
それと画像コントラストが良すぎて暗部がよく見えない。安いピークのルーペは光が滲むせいか、光が当たらないところもうっすらと見える。ところが色収差補正してある高級ルーペでは暗部は潰れる。暗黒になってしまうのじゃ。
最新の非球面＋多層幕コーティングのレンズと、【タンバール：有名なソフトフォーカスレンズ】の差のようなものかもしれない。調整を前提とすれば安くて性能の悪いレンズのほうがよく見えるし使いやすいのじゃ。
物心ついてから50年あまり、常に最高性能の物に憧れてきた。特にレンズ系にはこだわったものじゃ。ところが日常使用するルーペを通じて、それが根底から覆されてしまった。安くて性能の悪い物の方が、実はよく見える・・・これからはカタログ性能重視は改めねばな・・・・
次は、本日最大の話題になるであろうポリエチレングリコール。試薬業界では【PG（ピージー）】と呼ぶ。これを使えばパイロットの５０型コンバーターの棚吊り現象を押さえられるに違いないと思った。とりあえず実験してみた。いままで何度も使っているコンバーター５０に一回水を入れてから振って水分を切る。
ＰＧの30%水溶液をコンバーターに入れてよく振ったあとで、綿棒で擦りつける。これでＰＧはコンバーター内に行き渡ったはず。でインクを吸わせて見ると・・・・
相変わらず棚吊り現象は解消しない。アレアレ？
しかし、トントンと軸を指ではじけば空気は上に上がって、左図のようになる。棚吊り現象は解消したが、空気が前にあっては棚吊りよりさらに具合が悪い。空気とインクの入れ替えには指ではじくしかない。これじゃ使えないよ。
次に新品のコンバーター５０にＰＧをつけないでインクを吸入すると、当然棚吊り現象は発生する。しかし指でコンバーターをはじけば同じように空気は上に移動する。ＰＧを使っている場合より、空気の動きは若干悪いのは確かじゃが・・・棚吊りを解消するには、コンバーター内側ではなく、インク自体に表面張力を減らす薬品を入れる必要がある。白黒フィルム現像の場合には【ドライウェル】という薬品を使っていた。たしか富士写真フイルムの製品だったはず。
ドライウェルの希釈液にフィルムを浸してから干せば、水滴が一切発生しないで下に流れていく。非常に重宝したものじゃ。こういう薬品をインクに混ぜれば表面張力は減り、棚吊りは発生しないかもしれない。
しかし、大問題がある。表面張力を発生しにくいということは、異常に滲みやすいはず。これでは紙に書くインクには使えない・・・
同じインクをセーラーのコンバーターに入れると棚吊りは発生しないのに、コンバーター５０に入れると発生する・・・あきらかに素材の選定ミスじゃな。
世の中は理屈ではないな・・・やはり実験してみないと真実はわからない。メダカ語録に入れておこう！
それにしてもコンバーター５０が不良品であるということはパイロットでは把握しているのだろうか？
日常的にで困っている多くのパイロットファンの為にも、是非改良してほしいな。そしてその際には改良する事を公表してほしい。急いで全てを買い直すから。それほど困っているのじゃよ!!!!!
2024年04月15日
〔 【 Montblanc 70年代No.146 14C-EF from 岡山 】 調整報告 〕アーカイブ
この記事は興味深い。当時と今とでは、拙者の遠隔調整に対するスタンスはだいぶ違うなぁ〜。
今ならペンポイントの斜面を平ベたくする事は断じてない。
元々がEFなので、より細い字のひっかかりが少ないように調整する。
そして、平坦なペンポイントではなく、小さくて鋭いペンポイントにするだろう。それによって細字を実現する・・・
どう削るかは、（程度の差はあるが）数ヶ月で誰でもマスター出来る。
難しいのは、何を目標に削るかだ。使う人を想像しながら削っても、それは現状よりも少しマシになるだけ。
対面調整こそが、本当にCustomizeと呼べる調整なのだ。相手に期待以上の満足感を与える調整じゃな。
本格的な対面調整の場合は。1枚の紙の5箇所で、縦書きと横書きをしてもらう。
しかも筆記スピードや文字の大きさを変えてもらいながら。
ただ、これをやると1本に1時間くらいかかるので、相当高価な万年筆の購入/持込の場合にのみ行っているし、調整料金も異なっているがな。
まぁ、むやみに実現不可能な希望を持つ人には、際しに釘はさしておく。UEFでぬるぬるぬらぬらでインクフロー少なめとか出来るかい！
今回の依頼品は1970年代後半から80年代前半にかけて販売されたNo.146じゃ。拙者の一番好きな首軸先端形状が特徴。【ヘミングウェイと酷似】。
まずは依頼者からのメールを紹介しよう。原文ではなく、多少表現を変えてあるのであしからず。
クランケの名は『Montblanc 146』。ペン先は装飾もシンプルな14Cで、70年代後半のモノと思われます。
このクランケは知り合いの女性のお父様が30年ほど前に知人から頂いたモノだそうで、当時少しだけ使われて、これまで引き出しの肥やしになっていたそうです。
その女性は使えるかどうか判らないそのクランケを、まずは地元百貨店の万年筆売場で見てもらいましたが・・・
「修理するには新品が買えるくらいかかるので新しく買われたらいかがですか」と言われてしまい、そのまま退散したそうです。
その話を聞いて私メは、洗浄くらいなら出来るからどんなものか一度見せて、とお預かりした次第です。
インクが固まっていて尻軸も回らない状態でしたが、ロットリング洗浄液や超音波洗浄機を使いながら、どうにかピストンも動くようになり内部の汚れも綺麗になりました。
ボディには細かいスレこそあるものの、外見は非常に綺麗な個体だと思われます。
しかし、ペン先が斜めに首軸に挿し込まれているように見えます。素人目にはよく分かりませんが、ペン芯も心なしか収まる位置がズレているようにです。
この状態で腕も道具もない私メがむやみに触るわけにはいかず、そこで師匠にご相談と相成ったわけであります。
私メはなんとかこのクランケを気持ち良く使えるように復活させてやり、その女性に・・・
「これはものすごくいいモノなのでこれからも大事に使い続けて下さい。いい万万年筆は手入れや調整を繰り返してやればずっと使えますよ」
と、伝えたいと思うのです。
ということで、既にかなりきれいな状態で拙者の手元に届いたものじゃ。
最終的に、その女性が使うのか？はたまた父上が使うのか？書き癖はどうか？などの細かい情報が無しでやる調整は、難しい場合もあり、気が楽な場合もある。
今回は拙者は最終利用者を知らない。従って【気が楽】じゃ。最終利用者から悩みを告げられると、どうしても深刻に考えてしまう。
今回は最終利用者が非常に曖昧なので今回はペンの状態を正しくする！ということに集中した。
ペン先はEFでスリットはガチガチに詰まっているが非常にきれいなニブ！おそらくはドロドロに汚れていたのであろうが、一次洗浄のおかげで新品同様。
もしこの状態でデパートの万年筆売り場に持って行ったら何と答えたのか知りたいものじゃ。
これでは【新しいのを買え】とは言えまい。どういう対応になるのかなぁ。それが一番知りたい！
ペン芯は拙者の趣味よりも多少前に出ている。それにしてもきれいな研ぎじゃ。
この時代のMontblancの細字は【鉈型研ぎ】といわれているが、これは鉈よりも【長刀】に近い。
縦書きには長刀研ぎが重宝するが、横書きではシャラシャラという摩擦音が気になる。
この【鉈長刀研ぎ】は線の細さをペンポイントの小型化ではなく、大型のペンポイントのまま、紙との接面積を少なくするような設計。調整が難しいので昔は大嫌いだった。
プロとアマチュアとの力量の差は【鉈長刀研ぎ】が一番如実に出るのじゃ。拙者も最近やっと満足に調整できるようになってきた。
これが依頼者が書いていた【ペン先とペン芯のズレ】。万年筆をどこかに引っかけたときなどに発生しやすい症状じゃ。
画像でみる限りは、ペンポイント部分を下から上に押せばよいように見えるが、それほど単純ではない。
こちらはペンポイントを正面から見た画像。最近この画像を多用しているが・・・
【ペン先はペン芯の上に左右対称に乗せるもの】という事を理解してもらうには一番わかりやすいので、これからもどんどん使っていく。
この撮影で怖いのは硬度の高いペンポイントをスキャナーのガラスの上に密着させているので、もし何かの拍子にギギギ〜！
と万年筆がノックアウトブロック毎ズレたら・・・・スキャナー表面が傷だらけになってしまうこと。良い子はあまり真似をせんようにな。
こちらがソケットから外したペン先の清掃・調整前の画像じゃ。多少のエボ焼けはあるが、いわゆるインク汚れは95%以上取り除かれている。
ペン先を外さないまま実施したロットリング洗浄液による洗浄効果が証明された！これはすごい！
やはりペン先のスリットは詰まりすぎ。エラを張らせるようにスリットを開く作業をしてみると・・・
ちゃんとスリットが通った！ついでに全体を金磨き布で清掃したのがこの状態。
コストカット穴のないペン先は惚れ惚れするほど美しい。この美しき物体を無粋なペン芯とつっくけて首軸に挿し込むのがもったいないと思ったのだが・・・
首軸にセットしてもやはり美しい！良かった！
ここからペンポイントの調整に入るわけだが・・・利用者を知らないので、自分の手に合わせることにした。
拙者が一番気持ちよく書ける状態に！ということは万年筆に最もストレスがかからない状態じゃ。
調整の終了したペン先の横顔。ペン芯はやや後退し、ペンポイントのカーブはややなだらかになったのがわかろう。
カーブがなだらかと言うことは、紙に接する面積が増え、字巾は太くなり、書き味は柔らかくなる。
いくらなんでも万年筆を使って米粒に文字は書かないであろうから、字巾が細いことよりも、書き味が柔らかいこと重視した。
さて最終利用者の意見はどうだったのかな？
今ならペンポイントの斜面を平ベたくする事は断じてない。
元々がEFなので、より細い字のひっかかりが少ないように調整する。
そして、平坦なペンポイントではなく、小さくて鋭いペンポイントにするだろう。それによって細字を実現する・・・
どう削るかは、（程度の差はあるが）数ヶ月で誰でもマスター出来る。
難しいのは、何を目標に削るかだ。使う人を想像しながら削っても、それは現状よりも少しマシになるだけ。
対面調整こそが、本当にCustomizeと呼べる調整なのだ。相手に期待以上の満足感を与える調整じゃな。
本格的な対面調整の場合は。1枚の紙の5箇所で、縦書きと横書きをしてもらう。
しかも筆記スピードや文字の大きさを変えてもらいながら。
ただ、これをやると1本に1時間くらいかかるので、相当高価な万年筆の購入/持込の場合にのみ行っているし、調整料金も異なっているがな。
まぁ、むやみに実現不可能な希望を持つ人には、際しに釘はさしておく。UEFでぬるぬるぬらぬらでインクフロー少なめとか出来るかい！
今回の依頼品は1970年代後半から80年代前半にかけて販売されたNo.146じゃ。拙者の一番好きな首軸先端形状が特徴。【ヘミングウェイと酷似】。まずは依頼者からのメールを紹介しよう。原文ではなく、多少表現を変えてあるのであしからず。
クランケの名は『Montblanc 146』。ペン先は装飾もシンプルな14Cで、70年代後半のモノと思われます。
このクランケは知り合いの女性のお父様が30年ほど前に知人から頂いたモノだそうで、当時少しだけ使われて、これまで引き出しの肥やしになっていたそうです。
その女性は使えるかどうか判らないそのクランケを、まずは地元百貨店の万年筆売場で見てもらいましたが・・・
「修理するには新品が買えるくらいかかるので新しく買われたらいかがですか」と言われてしまい、そのまま退散したそうです。
その話を聞いて私メは、洗浄くらいなら出来るからどんなものか一度見せて、とお預かりした次第です。
インクが固まっていて尻軸も回らない状態でしたが、ロットリング洗浄液や超音波洗浄機を使いながら、どうにかピストンも動くようになり内部の汚れも綺麗になりました。
ボディには細かいスレこそあるものの、外見は非常に綺麗な個体だと思われます。
しかし、ペン先が斜めに首軸に挿し込まれているように見えます。素人目にはよく分かりませんが、ペン芯も心なしか収まる位置がズレているようにです。
この状態で腕も道具もない私メがむやみに触るわけにはいかず、そこで師匠にご相談と相成ったわけであります。
私メはなんとかこのクランケを気持ち良く使えるように復活させてやり、その女性に・・・
「これはものすごくいいモノなのでこれからも大事に使い続けて下さい。いい万万年筆は手入れや調整を繰り返してやればずっと使えますよ」
と、伝えたいと思うのです。
ということで、既にかなりきれいな状態で拙者の手元に届いたものじゃ。
最終的に、その女性が使うのか？はたまた父上が使うのか？書き癖はどうか？などの細かい情報が無しでやる調整は、難しい場合もあり、気が楽な場合もある。
今回は拙者は最終利用者を知らない。従って【気が楽】じゃ。最終利用者から悩みを告げられると、どうしても深刻に考えてしまう。
今回は最終利用者が非常に曖昧なので今回はペンの状態を正しくする！ということに集中した。
ペン先はEFでスリットはガチガチに詰まっているが非常にきれいなニブ！おそらくはドロドロに汚れていたのであろうが、一次洗浄のおかげで新品同様。もしこの状態でデパートの万年筆売り場に持って行ったら何と答えたのか知りたいものじゃ。
これでは【新しいのを買え】とは言えまい。どういう対応になるのかなぁ。それが一番知りたい！
ペン芯は拙者の趣味よりも多少前に出ている。それにしてもきれいな研ぎじゃ。この時代のMontblancの細字は【鉈型研ぎ】といわれているが、これは鉈よりも【長刀】に近い。
縦書きには長刀研ぎが重宝するが、横書きではシャラシャラという摩擦音が気になる。
この【鉈長刀研ぎ】は線の細さをペンポイントの小型化ではなく、大型のペンポイントのまま、紙との接面積を少なくするような設計。調整が難しいので昔は大嫌いだった。
プロとアマチュアとの力量の差は【鉈長刀研ぎ】が一番如実に出るのじゃ。拙者も最近やっと満足に調整できるようになってきた。
これが依頼者が書いていた【ペン先とペン芯のズレ】。万年筆をどこかに引っかけたときなどに発生しやすい症状じゃ。画像でみる限りは、ペンポイント部分を下から上に押せばよいように見えるが、それほど単純ではない。
こちらはペンポイントを正面から見た画像。最近この画像を多用しているが・・・【ペン先はペン芯の上に左右対称に乗せるもの】という事を理解してもらうには一番わかりやすいので、これからもどんどん使っていく。
この撮影で怖いのは硬度の高いペンポイントをスキャナーのガラスの上に密着させているので、もし何かの拍子にギギギ〜！
と万年筆がノックアウトブロック毎ズレたら・・・・スキャナー表面が傷だらけになってしまうこと。良い子はあまり真似をせんようにな。
こちらがソケットから外したペン先の清掃・調整前の画像じゃ。多少のエボ焼けはあるが、いわゆるインク汚れは95%以上取り除かれている。ペン先を外さないまま実施したロットリング洗浄液による洗浄効果が証明された！これはすごい！
やはりペン先のスリットは詰まりすぎ。エラを張らせるようにスリットを開く作業をしてみると・・・
ちゃんとスリットが通った！ついでに全体を金磨き布で清掃したのがこの状態。コストカット穴のないペン先は惚れ惚れするほど美しい。この美しき物体を無粋なペン芯とつっくけて首軸に挿し込むのがもったいないと思ったのだが・・・
首軸にセットしてもやはり美しい！良かった！ここからペンポイントの調整に入るわけだが・・・利用者を知らないので、自分の手に合わせることにした。
拙者が一番気持ちよく書ける状態に！ということは万年筆に最もストレスがかからない状態じゃ。
調整の終了したペン先の横顔。ペン芯はやや後退し、ペンポイントのカーブはややなだらかになったのがわかろう。カーブがなだらかと言うことは、紙に接する面積が増え、字巾は太くなり、書き味は柔らかくなる。
いくらなんでも万年筆を使って米粒に文字は書かないであろうから、字巾が細いことよりも、書き味が柔らかいこと重視した。
さて最終利用者の意見はどうだったのかな？
2024年04月14日
2024年04月13日
2024年4月13日（土）は萬年筆研究会【WAGNER】 表定例会＠浜松町 *** 将来日付でのご案内 ***
日時：4月13日（土） 10:30〜16:45 （開場 10:30） ペンクリは会員限定（ 開催日当日に会員登録された方も調整を受けられます ）
場所：東京都立産業貿易センター 浜松町館 4F 第2会議室 A 住所：東京都港区海岸1-7-1
2024年の予定 → ここ を押して！ 名札をお持ちの方はお忘れなく！
新規入会希望の方は左記の記入用紙に会員番号以外を書き入れて持参して頂くと、受付時間が短くなります。
会場へ入るには、萬年筆研究会【WAGNER】への会員登録が必須条件となりますが退会も再入会も自由です。
入会資格は〔万年筆が好き！〕ということだけで、年齢制限も入会審査もありません。
記入例は ここ にあります！ 携帯メールアドレスを記入される方はPCからのメール拒否を外して下さいね。
18歳未満の方は参加費無料です。友人を誘って・・・勇気を持って覗いてみてね！
勉強会や新製品発表などを企画されている方はお知らせ下さい。当欄で紹介しま〜す。
16時以降は萬年筆研究会【WAGNER】らしい濃い時間となります。
ここで業界情報、裏情報や意外なノウハウなどが語られるはず。
体験すれば晴れて〔萬年筆の高みに堕ちる〕入口に足を踏み出せま〜す。知らんけど・・・
2024年04月12日
〔 解説【萬年筆と科學】 その44 〕アーカイブ
この記事を書いた時点と現在とでは、拙者の認識は変わっているようだ。
万年筆愛好家は太字＆軟筆を好むというのは、理論上は正しくない。
太字にするには、大きなペンポイントが必要。それをささえる為には、金ペンの先端部は厚くしないとペンポイントの固定が難しい。
先端部が太くなると、弾力は減り、硬質な書き味になる。
従って軟らかい太字というのは・・・
（1）インクフローを良くして低筆圧で書けることによって、ぬらぬら感を出し、軟らかい書き味と錯覚させた。
（2）既に大きなペンポイントを固定した後で、ペンポイントに根元からハートまでの金をそぎ落とし、ペニャペニャの軟らかいペン先に改造した。
場合だけだろう。拙者は上記の（1）の事を言っていたのだと思われる。
簿記に記帳するのなら、アカウンタンツ（紫色バンド）が良いだろうし、速記するならステノグラフ（桃色バンド）だろうが・・・
最近では経理システムによって記帳は不要となり、音声認識によって速記も不要になりつつある。
参議院会議の議事録は10年以上前から音声認識を使っているらしい。認識ソフトを作った人から聞いたので間違いは無いだろう。
それでも、アカウンタンツとステノグラフは一度は筆記してみたいなと思う。
13日に浜松町で開催される定例会に誰か持って来てくれないかな？
特殊ペン先の台頭と軸型の変化を語った・・・【第四十四章】
ParkerやSheafferをはじめとするセルロイド製色軸攻勢にかなり苦戦していたWatermanであるが、苦し紛れにすばらしい万年筆も世に送り出している。
1928年（Pelikanが第一号の万年筆を発売する前年）のクリスマス号の雑誌で以下のような宣言と共に【Waterman No.7】の発売を開始した。
【万年筆の選定にあたって、軸の色、軸の装飾、軸の形などに幻惑されるのは無意味なことである。
万年筆としてどこまでも主眼としなければならぬのは実にその金ペンが各自の書体に適合するか否かである。
軸の色合い、軸の体裁を全然無視せよというのではないが、何よりも金ペンの選定が一番肝要なのである】
そして【Waterman No.7】が世に出したペン先の種類は1928年に6本、翌年に一本の計7本。7色の7種類のペン先を$7で出したのでNo.7と呼ぶらしい。
�．好織鵐澄璽鼻�赤色バンド） 弾力のある中字。家庭用・一般用。
�▲察璽襯好泪鵝Ε侫譽鵐鼻�緑色バンド） 弾力硬き中字。強筆圧対応だがマニフォールドではない。
��アカウンタンツ（紫色バンド） 弾力硬き細字。軽く書けば繊細優美な線を描く。
�ぅ好謄離哀薀奸�桃色バンド） 弾力が特に柔らかい細字。速筆に適する。
�ゥ屮薀鵐函�青色バンド） 弾力硬き太字。スタブを改良したもの。強筆圧に適す。
�Ε薀Ε鵐妊奪鼻�黄色バンド） 弾力硬き中太字。先を玉型に研いである。
�Д�ブリーク（灰色バンド） 斜めにカットしたペン先。レタリングや左利き用。
しかしながら、せっかくの力作も色軸の流行に竿を指す【我田引水】と思われ市場では受け入れられなかったらしい。
その後、Watermanは＄５で5色で5種類のペン先のNo.5も発売したが、こちらもあまり成功はしなかったらしい。
しかしWaterman No.7は現在では非常に高い評価をされている。拙者も散々捜して桃色バンドを入手したが、$500以上した記憶がある。
同時代のパイロットのぺん先は、ポスティング、ステノグラフ、フォルカン、マニフォールド、コース、オブリーク。
渡部氏によれば、日本市場では外国製よりも一段細い物、一段柔らかい物が好まれていたらしい。
現在では、ドラエモン持ちする若者は細字＆硬筆を好み、万年筆愛好家は太字＆軟筆を好む。
ParkerやSheafferは色軸攻勢で特異性を打ち出したが、それもすぐに真似され、たちまちにして色調的特異性を失っていった。
おまけにけばけばしい色では、多少の軸の形状違いは打ち消されてしまい、どのメーカーの物か見分けが極めて困難になるほど互いに似てしまっていた。
そこで生き馬の目を抜くヤンキーども（渡部氏の表現）は、ベストタイプやオーバーサイズなどを出していったが、これもすぐに真似され差別化は一時的なものだった。
そこに出てきたのがSheafferのバランス型じゃ。1928年にバランス型を市場投入して万年筆界に一大反響を引き起こした！
鞘の部分と後部とを思いっきり尖らせた奇抜な形状をしていたが、バランス型はそれだけではなかった！
形状的にはキャップを締めた際にキャップの長さが全体の半分ほど。また筆記時にはキャップの口あたりに重心がくるという設計になっていた！
単に長さだけではなく、重心も考えていたあたりがSheafferのすばらしいところじゃ。
ここでもWatermanは一歩出遅れてしまった・・・色軸対策でNo.7を出した年には、万年筆界は既に先の時代に行きつつあったわけじゃからな。
万年筆愛好家は太字＆軟筆を好むというのは、理論上は正しくない。
太字にするには、大きなペンポイントが必要。それをささえる為には、金ペンの先端部は厚くしないとペンポイントの固定が難しい。
先端部が太くなると、弾力は減り、硬質な書き味になる。
従って軟らかい太字というのは・・・
（1）インクフローを良くして低筆圧で書けることによって、ぬらぬら感を出し、軟らかい書き味と錯覚させた。
（2）既に大きなペンポイントを固定した後で、ペンポイントに根元からハートまでの金をそぎ落とし、ペニャペニャの軟らかいペン先に改造した。
場合だけだろう。拙者は上記の（1）の事を言っていたのだと思われる。
簿記に記帳するのなら、アカウンタンツ（紫色バンド）が良いだろうし、速記するならステノグラフ（桃色バンド）だろうが・・・
最近では経理システムによって記帳は不要となり、音声認識によって速記も不要になりつつある。
参議院会議の議事録は10年以上前から音声認識を使っているらしい。認識ソフトを作った人から聞いたので間違いは無いだろう。
それでも、アカウンタンツとステノグラフは一度は筆記してみたいなと思う。
13日に浜松町で開催される定例会に誰か持って来てくれないかな？
特殊ペン先の台頭と軸型の変化を語った・・・【第四十四章】
ParkerやSheafferをはじめとするセルロイド製色軸攻勢にかなり苦戦していたWatermanであるが、苦し紛れにすばらしい万年筆も世に送り出している。
1928年（Pelikanが第一号の万年筆を発売する前年）のクリスマス号の雑誌で以下のような宣言と共に【Waterman No.7】の発売を開始した。
【万年筆の選定にあたって、軸の色、軸の装飾、軸の形などに幻惑されるのは無意味なことである。
万年筆としてどこまでも主眼としなければならぬのは実にその金ペンが各自の書体に適合するか否かである。
軸の色合い、軸の体裁を全然無視せよというのではないが、何よりも金ペンの選定が一番肝要なのである】
そして【Waterman No.7】が世に出したペン先の種類は1928年に6本、翌年に一本の計7本。7色の7種類のペン先を$7で出したのでNo.7と呼ぶらしい。
�．好織鵐澄璽鼻�赤色バンド） 弾力のある中字。家庭用・一般用。
�▲察璽襯好泪鵝Ε侫譽鵐鼻�緑色バンド） 弾力硬き中字。強筆圧対応だがマニフォールドではない。
��アカウンタンツ（紫色バンド） 弾力硬き細字。軽く書けば繊細優美な線を描く。
�ぅ好謄離哀薀奸�桃色バンド） 弾力が特に柔らかい細字。速筆に適する。
�ゥ屮薀鵐函�青色バンド） 弾力硬き太字。スタブを改良したもの。強筆圧に適す。
�Ε薀Ε鵐妊奪鼻�黄色バンド） 弾力硬き中太字。先を玉型に研いである。
�Д�ブリーク（灰色バンド） 斜めにカットしたペン先。レタリングや左利き用。
しかしながら、せっかくの力作も色軸の流行に竿を指す【我田引水】と思われ市場では受け入れられなかったらしい。
その後、Watermanは＄５で5色で5種類のペン先のNo.5も発売したが、こちらもあまり成功はしなかったらしい。
しかしWaterman No.7は現在では非常に高い評価をされている。拙者も散々捜して桃色バンドを入手したが、$500以上した記憶がある。
同時代のパイロットのぺん先は、ポスティング、ステノグラフ、フォルカン、マニフォールド、コース、オブリーク。
渡部氏によれば、日本市場では外国製よりも一段細い物、一段柔らかい物が好まれていたらしい。
現在では、ドラエモン持ちする若者は細字＆硬筆を好み、万年筆愛好家は太字＆軟筆を好む。
ParkerやSheafferは色軸攻勢で特異性を打ち出したが、それもすぐに真似され、たちまちにして色調的特異性を失っていった。
おまけにけばけばしい色では、多少の軸の形状違いは打ち消されてしまい、どのメーカーの物か見分けが極めて困難になるほど互いに似てしまっていた。
そこで生き馬の目を抜くヤンキーども（渡部氏の表現）は、ベストタイプやオーバーサイズなどを出していったが、これもすぐに真似され差別化は一時的なものだった。
そこに出てきたのがSheafferのバランス型じゃ。1928年にバランス型を市場投入して万年筆界に一大反響を引き起こした！
鞘の部分と後部とを思いっきり尖らせた奇抜な形状をしていたが、バランス型はそれだけではなかった！
形状的にはキャップを締めた際にキャップの長さが全体の半分ほど。また筆記時にはキャップの口あたりに重心がくるという設計になっていた！
単に長さだけではなく、重心も考えていたあたりがSheafferのすばらしいところじゃ。
ここでもWatermanは一歩出遅れてしまった・・・色軸対策でNo.7を出した年には、万年筆界は既に先の時代に行きつつあったわけじゃからな。
2024年04月11日
〔 【 Montblanc 80年代No.146 14K-OB お好きに！ 】調整報告 〕アーカイブ
今回の記事には、〔ああ、そうだったな！〕と再認識する部分も多いし、とんでもない誤解もある。
最大の誤解は最期の部分。インクにインク誘導液（PEG400水溶液）を混ぜたら紙に滲んで文字が読めなくなる。実験しないで書いていたようだ。
当時のライカ使いの方々の中で、いまでも萬年筆研究会【WAGNER】会員なのはkugel_149氏のみ。
そして当時ライカに全く興味が無かった拙者がライカを持っているが、1枚も写真を撮影したことは無い。いわゆる持ち腐れ状態。
なるほどな・・・と思ったのは、ペン先のスリットが上下並行になっていると、がさつな書き味になるということ。
最近は、スリットを閉じたり、上下並行に直そうとする調整師が多いが、少し癖がある人の場合は、それではがさつな書き味になる。
がさつのかけらもないヌメヌメの書き味にするには、腹開きの方がはるかに良い。
最期は書き出し掠れと書き味のせめぎ合い。そこがクリア出来れば最高の書き味になる。
極限まで攻めた調整では、ペンポイントと筆記者の書き癖の折り合いが付く範囲は意外と狭い。
範囲が超狭いのがコテ研ぎだが、最高の書き味を演出できる範囲も結構狭い。
従ってペンをこねくり回す癖のある人が、ひっかかりが無い書き味を希望しても却下している。
ペン先側にも都合がある。いくら身を削って調整してもらっても絶対に満足出来ない角度で筆記する人の下僕にはなりたくないはずだ。
持ち方が悪いと金ペン堂さん（先代）から怒られたという先輩を何人も知っているが、やはり万年筆の気持ちを考えれば当然だろうな。
調整とは、ペン先とペン芯の結婚。あとか使い手が万年筆に合った角度を見つけて慣れろ！というのはある意味大正解だろう。
出荷したばかりのペン先は、まだまだ不具合が多い。それを完璧に調整するので、あとは使い手が変な書き癖を万年筆に教えてもらえ！ いいねぇ！
とはいえ、くせ者の書き癖に合わせて研磨調整をするのも楽しい物じゃ。拙者は対面の場合は後者、販売の場合は前者の調整を施している。
インク自体に混ぜる手もあろう。いよいよ面白くなってきそうじゃな！
最大の誤解は最期の部分。インクにインク誘導液（PEG400水溶液）を混ぜたら紙に滲んで文字が読めなくなる。実験しないで書いていたようだ。
当時のライカ使いの方々の中で、いまでも萬年筆研究会【WAGNER】会員なのはkugel_149氏のみ。
そして当時ライカに全く興味が無かった拙者がライカを持っているが、1枚も写真を撮影したことは無い。いわゆる持ち腐れ状態。
なるほどな・・・と思ったのは、ペン先のスリットが上下並行になっていると、がさつな書き味になるということ。
最近は、スリットを閉じたり、上下並行に直そうとする調整師が多いが、少し癖がある人の場合は、それではがさつな書き味になる。
がさつのかけらもないヌメヌメの書き味にするには、腹開きの方がはるかに良い。
最期は書き出し掠れと書き味のせめぎ合い。そこがクリア出来れば最高の書き味になる。
極限まで攻めた調整では、ペンポイントと筆記者の書き癖の折り合いが付く範囲は意外と狭い。
範囲が超狭いのがコテ研ぎだが、最高の書き味を演出できる範囲も結構狭い。
従ってペンをこねくり回す癖のある人が、ひっかかりが無い書き味を希望しても却下している。
ペン先側にも都合がある。いくら身を削って調整してもらっても絶対に満足出来ない角度で筆記する人の下僕にはなりたくないはずだ。
持ち方が悪いと金ペン堂さん（先代）から怒られたという先輩を何人も知っているが、やはり万年筆の気持ちを考えれば当然だろうな。
調整とは、ペン先とペン芯の結婚。あとか使い手が万年筆に合った角度を見つけて慣れろ！というのはある意味大正解だろう。
出荷したばかりのペン先は、まだまだ不具合が多い。それを完璧に調整するので、あとは使い手が変な書き癖を万年筆に教えてもらえ！ いいねぇ！
とはいえ、くせ者の書き癖に合わせて研磨調整をするのも楽しい物じゃ。拙者は対面の場合は後者、販売の場合は前者の調整を施している。
今回の依頼はWAGNER会員番号【01188】のズミルクス氏からのもの。最近、彼は拙者と同じ高校の写真部の後輩だと判明した。
ライカ使いの名手として有名なズミルクスさんの影響で、centenaire26さん、たかたかさん、よっちゃんなどが続々とライカを入手しはじめた。
ライカ使いはその他にも判明しているだけで、ARI435さん、辺里缶さん、kugel_149さん、M764さん、salty_7さん、つよしさん、stylustipさん、ペトロさん、INDENさん・・・
隠し持つ人は他にもいる筈。WAGNER会員へのライカウィルス浸透度はかなりのものじゃな。
万年筆のほかにカメラや時計やオーディオ、自転車を趣味としている会員も多い。全て！と豪語してはばからない会員もいる。
ズミルクスさんとARI435さん、映像関係の仕事をしている２人は、新しい万年筆を入手すると必ず、生贄として拙者にささげてくれる。ありがたいことじゃ。
今回の依頼品は1980年代後半のNo.146。素通しインク窓で二段式ペン芯の14Kペン先付。No.146史上、最もペン先が厚いと思われる。材料的には贅沢な時代の物！
実はペン先的にはこれが一番好き！ただ、クリップをネジで止めてあるという一点でこれを【最高のNo.146】とは認めていない。
これが調整前のペン先。どうやらOBらしい。ズミルクスさんはまったく捻らないで字を書くので、これをBに改造することにした。
通常の調整であれば、ペン先先端を丸く削り、いかにも【調整しました！】という形にするのだが、今回は【元々Bだった】と思わせるように調整することにした。
スリットは拡がっておりインクフローもなかなか良い。にもかかわらず書き味がガサツで、インクフローも多少ムラがある。
これはスリットが背開きでも腹開きでもなく上下均等で、かつ、ペンポイントの斜面が筆記角度と合っていない場合の症状。
ペン芯は二段式。上半分と下半分の間に切れ目がある。これによってペン先とペン芯とを合わせる調整時間を短縮することが出来る。
昔は【ペン先の反りに追随させる為の秘策】といわれていたが、実験の結果その効果が無いことが判明。
【調整の生産性向上策】という情報はアメ横の販売店から教えてもらった。
その店では、当時よくNo.146のペン芯を単体で購入したが、全て上半分が海老反り状態なので【不良品じゃないの？】と聞いたら正しい使い方を伝授してくれた。
今では部品単体で購入することなど全てのメーカーで不可能になった・・・市井の調整師を目指す人にとっては完全な逆風状態じゃな。
これはある調整をして軸に取り付けた状態。一見何も調整していないように見えるであろう。ペン先はオブリークのままだし・・・
しかし書いてみると、ガサツな感じは姿を消している・・・はたして・・・・
ペン先の拡大画像を見ても何も変わっていない。スリットなどはかえって詰まったのでは？と思えるほど。
横から見てもわかるまいな。一番最初と比べてもペン芯の位置を多少後ろにすらしただけだし、そもそも最初の画像を載せてないからな。
正解はこちら。そう大変な苦労をして腹開きに改造したのじゃ。厚いペン先を腹開きに改造しつつ、お辞儀の具合も多少強めるというのは困難極まりない！
今回も非常に時間を要した調整であった。苦労がほとんどわからない調整というのはなかなか粋！
裏地を派手にした江戸時代の粋人の衣装みたい！ と自画自賛するが誰も気付かないだろうな・・・
腹開きをやりすぎるとペン先が前から見て【かもめの翼】のように波打ってしまう。
そうすると書いている時に、スリットに沿ってインク溜まりのようなものが出来て見苦しい。要するに腹開きも【ほどほどに】ということじゃ。
こちらはOBをBに研ぎなおす途中の画像。背中側にも斜めの平面を入れた。これはオリジナルのBと同じ傾斜面じゃ。
ただしそのままでは背面書きの書き味が悪いので、多少研磨してある。肉眼では見えないがな。
こうしておけば、表で書けばB、裏で書けばイタリックの線になる。見栄えだけではなく実用もかねているところがこだわりじゃ。
Vintage物よりも現行品に近いペン先の方が大胆に調整出来ておもしろい。
最近らすちるむしゃんが得意な【フォルカン・スペシャル：らすとフォルカン】も新しいペン先ほど冒険しやすいはずじゃ。
イザという時に代替品が入手しやすいというのは何より大事だからな。
さてこちらが上記画像の拡大図。拡大してみるとオリジナルのペン先のすごさが良くわかる。
Pelikan 400NNなどはペン先の設計で弾力を出している：素材をケチって設計で書き味をカバーしている。ある意味メーカーのあるべき姿じゃ。
それに対して、この時代のMontblankは惜しみない素材を投入して豪胆さを演出している。
高筆圧化に対して曲げの設計で対抗するのではなく、ペン先の厚みで対抗しようとしたのか・・・拙者が最も好きなニブというのはケチくささが無いからじゃ。
それに引き換えヘミングウェイ以降のNo.149やNo.146系のコストカットニブはどうも寂しい感じがする。書き味には感心する部分も多いが・・・
こちらは横顔。依頼主の筆記角度にあわせて斜面を削った。これで非常に滑らかな筆記が可能なはずじゃ。
ここまで出来てから仕上げをする。拙者の仕上げというのは、仕上げ＆戻しというべきかも知れない。高倍率のルーペで見ながら形状を微調整する（表も裏も）。
書き味には関係ない所のこだわりじゃ。アマチュアに妥協は無い！
次に書き味の仕上げ。例によって金磨き布で８の字旋回を上下方向、横方向とも右回り、左回りで各100回ずつ計400回実施。この作業はバフ掛けであって、研磨ではない。
このあとで、スリット内部をラッピングフィルムで清掃し、インクを付けて書き味の確認。
書き出しが掠れるようなら5000番の耐水ペーパーの上で書き出し角度に合わせて２ミリほど線を書けば見事に直る。極太なら2500番で良いじゃろう。
やたら細かいラッピングフィルムを仕上げに使いたがる人がいるが、出来るだけ荒いペーパーで書き味を出すのがコツであり技じゃ。
15000番のラッピングフィルムはエッジの丸めには有効じゃが、曲面の仕上げには向いていない。
細かければ良いと言うのではない、荒いもので書き味を演出出来ればそれに越した事は無い。
インク自体に混ぜる手もあろう。いよいよ面白くなってきそうじゃな！
2024年04月10日
〔 【本当に欲しい万年筆はどんなもの？】アンケートサマリー 〕アーカイブ
このアンケートは2007年のものなので、現在の拙者の好みはこの時とは少し違っている。
当時はエボナイト製ペン芯が最大にリスペクトされていたが、現在ではむしろ樹脂製ペン芯の方が評価が高い。
エボナイト製ペン芯の弱さや、インクを変えた時の不具合期間が長いことから、敬遠され始めている。
貴金属の驚異的な値上がりを受けて、純銀製も昔ほどの評価は得られていないはずだ。貴金属製にしてはお手頃価格・・・ではなくなったのが原因。
当時は回転吸入式に人気が集中していたが、現在は多様な吸入方式がある。CONID方式の応用式や、バキュマティック変形式もあるが・・・
現在ではカートリッジ式も人気が出てきた。シリンジでカートリッジに好きなインクを入れることが流行しているのが原因。
実はコンバーターの口よりもカートリッジの口の方が耐久性があるという衝撃報告があって以降に流行が始まった。
漆塗りに関しては、蒔絵よりも塗り（螺鈿含む）の方が人気が高いのは昔と一緒。模様は良いが（軸に）絵を描くな！という潜在意識は万年筆愛好家には残っている。
蒔絵を筆記具として日常使いしている人も少なからずいるのだが、なんとなく冷たい目で見てしまう。
なんちゅうか、ランボルギーニのトラクターで首都高に乗り入れた人を見るような感じで・・・
当時と一番変わってきたのは、スチール製ペン先に対する差別意識が少なくなってきたこと。
4万円を超えるスチール製ペン先付きモデルも現れるようになった事も原因だが、実はスチール製ペン先の方が手に合う人が半数以上いることも原因だろう。
ニブのバリエーションについてはずいぶんと選択肢が拡がってきた。
各メーカーが金の量を減らすためにソフト・ニブを作り始めたので、柔らかニブを求める人の要望にはある程度応えられるようになってきた。
拙者など、筆圧が低くて安定し、筆記速度がある程度早い人には、実はスチール製ペン先の方が書きやすいということもだんだんわかってきている。
手で握る宝飾品としてなら金ペン先付きの方が良いが、筆記具としてはスチール製ペン先の方が使いやすかったりする。
ということで、拙者は必ず両方のペン先がアル万年筆は両方購入してみてから選ぶようにしている。
当時はエボナイト製ペン芯が最大にリスペクトされていたが、現在ではむしろ樹脂製ペン芯の方が評価が高い。
エボナイト製ペン芯の弱さや、インクを変えた時の不具合期間が長いことから、敬遠され始めている。
貴金属の驚異的な値上がりを受けて、純銀製も昔ほどの評価は得られていないはずだ。貴金属製にしてはお手頃価格・・・ではなくなったのが原因。
当時は回転吸入式に人気が集中していたが、現在は多様な吸入方式がある。CONID方式の応用式や、バキュマティック変形式もあるが・・・
現在ではカートリッジ式も人気が出てきた。シリンジでカートリッジに好きなインクを入れることが流行しているのが原因。
実はコンバーターの口よりもカートリッジの口の方が耐久性があるという衝撃報告があって以降に流行が始まった。
漆塗りに関しては、蒔絵よりも塗り（螺鈿含む）の方が人気が高いのは昔と一緒。模様は良いが（軸に）絵を描くな！という潜在意識は万年筆愛好家には残っている。
蒔絵を筆記具として日常使いしている人も少なからずいるのだが、なんとなく冷たい目で見てしまう。
なんちゅうか、ランボルギーニのトラクターで首都高に乗り入れた人を見るような感じで・・・
当時と一番変わってきたのは、スチール製ペン先に対する差別意識が少なくなってきたこと。
4万円を超えるスチール製ペン先付きモデルも現れるようになった事も原因だが、実はスチール製ペン先の方が手に合う人が半数以上いることも原因だろう。
ニブのバリエーションについてはずいぶんと選択肢が拡がってきた。
各メーカーが金の量を減らすためにソフト・ニブを作り始めたので、柔らかニブを求める人の要望にはある程度応えられるようになってきた。
拙者など、筆圧が低くて安定し、筆記速度がある程度早い人には、実はスチール製ペン先の方が書きやすいということもだんだんわかってきている。
手で握る宝飾品としてなら金ペン先付きの方が良いが、筆記具としてはスチール製ペン先の方が使いやすかったりする。
ということで、拙者は必ず両方のペン先がアル万年筆は両方購入してみてから選ぶようにしている。
７月２４日に実施したアンケート結果がまとまったので報告しよう。アンケートには全部で１７件の回答があった。（mixiアンケートも含む）
これをサマリーしてしまっては意味がなくなるのだが、傾向を知る上であえて集計してみた。
アンケート結果には重複も含まれている。たとえば純銀も漆も良いというのであれば、純銀、漆にそれぞれ一票。
ただしエボナイト軸に漆塗りという場合は、漆だけに一票という具合。
それでは、結果発表！
��ボディの素材【革、純銀、金無垢、スネークウッド、ブライヤー、エボナイト、セルロイド、樹脂、漆塗、蒔絵など】
純銀：６票 漆：６票 エボナイト：４票 セルロイド：４票 その他：２票
��吸入機構【テレスコープ、回転吸入、スノーケル、タッチダウン、レバーフィラー、ツイストフィラーなど】
回転吸入：１２票 プランジャー：３票 その他：８票
��ペン先の素材【14金、１８金、２０金、２１金、チタン、プラチナなど】
１４金：９票 １８金：５票 その他：３票
��ペン芯の素材【エボナイト＋漆、エボナイト、エボナイトもどきの樹脂、樹脂】
エボナイト：１１票 樹脂：２票 その他：４票
��どうしても欲しいニブのバリエーション【ステノグラフ、ミュージック、６Ｂ、可変、超軟、超極細、ダブルキングイーグルなど】
ほぼ全て違う要望 ：強いて傾向を上げれば、柔らかい弾力があるニブ
��キャップの締め方【嵌合（かんごう）式、回転式、差込式、キャップレス（回転、ノック）など】
回転式：１５票 その他：６票
��キャップの尻軸への挿し方【ねじ込み式、かぶせ式、ポルトプリューム式、挿さないなど】
かぶせ式：１３票 挿さず：２票 その他：２票
��ペン先の形状【イカペン、オープンニブ（通常）、フーデッド、一体型など】
オープンニブ：１４票 イカペン：３票 その他：１票
��清掃容易性【クリップにいたるまで特殊工具無しで全て分解、ペン先ユニットだけ分解、分解不要など】
全て分解：１４票 その他：３票
上記をまとめてしまうと・・・
��軸は純銀か漆塗り（蒔絵ではない）
��回転吸入式
��１４金ペン先（表は金一色、うらはインクフローを良くする為にロジウム鍍金）
��エボナイト製ペン芯
��ニブは柔らかくて弾力があるもの（Pelikan 400NN似）
��回転式キャップ（ただし２回転くらい回すもの）
��キャップの尻軸への挿し方はかぶせ式（ただしぐらつかないこと）
��オープンニブ
��部品レベルまで分解できること（ただし分解しても緩まないこと、部品レベルで購入出来ること）
となった！ なんと拙者が欲しい万年筆とまったく一緒じゃ！
みなさんの意見の総和が拙者の要望だった。拙者って変わり者だと思っていたが、萬年筆界では極めてふつ〜の人間であった！
そして軸の素材以外は・・・Pelikan 400NNといっしょではないか！
そしてPelikan 400NNで唯一不満なのがキャップが外れやすいこと。それに対して２回転くらい回さないと外れない！との注釈がある。
2024年04月09日
〔 【 Montblanc 50年代No.144-G 14C-EF 】 調整報告 〕アーカイブ
下の記事に書いた印象はいまだに変わっていない。
1950年代のNo.14Xシリーズの中で市場書き味が好きなのはNo.144だ。Oリングの径がJIS企画には無いので修理が大変なのが唯一の欠点。
では、好きな順で並べて見ろと言われれば・・・
No.144、No.142、No.149、No.146かな？No.149はすぐに軸に不具合が出るのが弱点。
No.146は、つい1970年代以降のNo.146と比べてしまう。そちらの出来が良いだけに、どうしても相対的に評価が下がってしまう。
万年筆としてみればNo.142が精巧で一番好きなのだが、書き味でNo.144に負けてしまう。
ペン先の大きさの好みは人それぞれ。ボディとのバランス（持った感触）で決めるしか無い。
もっとも、拙者はVintage万年筆からは卒業してしまったので、現在1999年以前の万年筆は、Pelikanの限定品（新品未使用）以外は持っていない。
自分がVintage万年筆を使えば、未来の万年筆愛好家へ引き継げる万年筆が減ってしまうのが残念なのでそうしている。
特にメーカーが消えて無くなってしまった独逸のマイナーブランドの万年筆なんかは、ぜひ未来へ連れて行ってほしいものじゃ。
今回は万年筆倶楽部【フェンテ】会長からの依頼品。でべそ会長は４本のヘミングウェイを日常的に愛用している事で有名。
古山画伯が【４本のヘミングウェイ】を執筆したのもでべそ会長との出会いがあったから。
拙者が【Pen Collectors of Japan】を立ち上げ【ペン・トレーディング in 東京】を開催し続けているのもでべそ会長の示唆によるもの。
その流れで萬年筆研究会【WAGNER】も始まった。
古山画伯曰くの【萬年筆界のイエス・キリスト】がでべそ会長なのである。
そのでべそ会長が最も好きなのはヘミングウェイではなく、VintageのMontblancとPelikan。特に1950年代のMontblancをこよなく愛しているようじゃ。
各所で修理不能！と宣告されたNo.14Xを直して差し上げた事が何度かある。【壊れた物ほど愛しい！】という感覚は拙者にも良くわかる。
もっとも拙者の場合は【書き味の悪い万年筆ほど欲しくなる】と表現すべきだろうがな。
今回のは1950年代初期のMontblanc No.144じゃ。
1950年代ではNo.146にばかり人気が集まっているが、大きさと重さのバランスではNo.144が最も高級感を感じさせてくれるかもしれない。
最近の拙者はNo.144に惹かれている。
ペン先の調整具合を見て、拙者が過去に調整したものではないかと感じた。
VintageのNo.144でスリットが詰まっていない物は無いはずだが、このNo.144では、ごくわずかにスリットが開いている。
こうすれば書いたときに少しインクが紙の上に盛り上がるような感じになり、でべそ会長の趣味に合致するのじゃ。
横顔を見ると、ペン先とペン芯が離れている。これは長期間の使用で調整戻りが出たのであろう。
もう少しペン先をお辞儀させた方が弾力が楽しめるので、多少いじってみよう。
ただしお辞儀をさせるとスリットは詰まってしまう。スリット間隔を維持しつつ、ペン先をお辞儀させるには根気と指力と細心の注意が必要じゃ。
さらには調整戻りのチェックも必要・・・けっこう時間がかかる。
今回の依頼内容はペン先調整よりも吸入機構の修理。
左の画像のように、収縮したコルクからシリンダー内にインクが逆流し、吸入機構に錆を発生させている。
さらには、長期間の使用によって、吸入機構の一部が割れ、吸入機構がほとんど機能しない状態になっている。
こういう状態であればプロの方は修理しようとは思わない。なぜなら再発の確率が高いから！
それでは手間ばかりかかって商売にはならない。というか安請け合いすると信用失墜になる可能性もある！
拙者の場合【生贄】と呼ぶくらいで（依頼者の期待はともかくとして）修理とは面白い実験程度に考えている。
従ってこういう直せる可能性が不確かな物は大歓迎じゃ。工夫する余地がいっぱいあるからな。
まずはロットリング洗浄液に２日ほど漬物にした後で、超音波洗浄機にかけ、さらには耐水ペーパーで磨いたら左図の状態になった。
画像ではわからないが、中央金具の接合部分が裂けている。これではピストンを最後まで押す力が出せない・・・・
ただ、その状態でも現行のNo.146程度の吸入量は確保できる。
以前ハンダ付けしてめちゃめちゃになったピストンを見ているので、これ以上の加工は止めて、グリースをつけ、コルク交換をするだけにした。
こちらが苦労してお辞儀させつつスリットを拡げたペン先じゃ。上の画像と比べて多少エラも張っているのがわかるかな？
実際にインクを入れて使ってみたが、実に繊細な書き味じゃ。
N0.146派とNo.144派がいるが、ぐわんぐわんという大きな振幅の弾力を求めるならNo.146、ピクンピクンという小さくて小刻みな弾力が好みならNo.144が良かろう。
ただしどちらもEF〜Mくらいまでの字巾じゃよ。B以上になるとどのモデルでも似たようなものだし、Kugelが頭につけば、多少心許ない書き味になる。
その心許なさに惹かれる人も多いようじゃが・・・
こちらが調整後の横顔。ペン芯を多少下げてお辞儀を強くした状態。
これがNo.144のニブでは最も美しい状態だと信じている。書き味は調整でなんとでも出来るが、姿かたちのスイートスポットは厳然としてある。
往々にして書き味重視のポイントと、姿かたち重視のポイントは違うが、拙者の調整では姿かたちの美しさを第一とし、その位置で書き味が最良になるように調整している。
いくら書き味が良くても惚れ惚れするほど美しくないと使う気がしないからな。
1950年代のNo.14Xシリーズの中で市場書き味が好きなのはNo.144だ。Oリングの径がJIS企画には無いので修理が大変なのが唯一の欠点。
では、好きな順で並べて見ろと言われれば・・・
No.144、No.142、No.149、No.146かな？No.149はすぐに軸に不具合が出るのが弱点。
No.146は、つい1970年代以降のNo.146と比べてしまう。そちらの出来が良いだけに、どうしても相対的に評価が下がってしまう。
万年筆としてみればNo.142が精巧で一番好きなのだが、書き味でNo.144に負けてしまう。
ペン先の大きさの好みは人それぞれ。ボディとのバランス（持った感触）で決めるしか無い。
もっとも、拙者はVintage万年筆からは卒業してしまったので、現在1999年以前の万年筆は、Pelikanの限定品（新品未使用）以外は持っていない。
自分がVintage万年筆を使えば、未来の万年筆愛好家へ引き継げる万年筆が減ってしまうのが残念なのでそうしている。
特にメーカーが消えて無くなってしまった独逸のマイナーブランドの万年筆なんかは、ぜひ未来へ連れて行ってほしいものじゃ。
今回は万年筆倶楽部【フェンテ】会長からの依頼品。でべそ会長は４本のヘミングウェイを日常的に愛用している事で有名。古山画伯が【４本のヘミングウェイ】を執筆したのもでべそ会長との出会いがあったから。
拙者が【Pen Collectors of Japan】を立ち上げ【ペン・トレーディング in 東京】を開催し続けているのもでべそ会長の示唆によるもの。
その流れで萬年筆研究会【WAGNER】も始まった。
古山画伯曰くの【萬年筆界のイエス・キリスト】がでべそ会長なのである。
そのでべそ会長が最も好きなのはヘミングウェイではなく、VintageのMontblancとPelikan。特に1950年代のMontblancをこよなく愛しているようじゃ。
各所で修理不能！と宣告されたNo.14Xを直して差し上げた事が何度かある。【壊れた物ほど愛しい！】という感覚は拙者にも良くわかる。
もっとも拙者の場合は【書き味の悪い万年筆ほど欲しくなる】と表現すべきだろうがな。
今回のは1950年代初期のMontblanc No.144じゃ。1950年代ではNo.146にばかり人気が集まっているが、大きさと重さのバランスではNo.144が最も高級感を感じさせてくれるかもしれない。
最近の拙者はNo.144に惹かれている。
ペン先の調整具合を見て、拙者が過去に調整したものではないかと感じた。
VintageのNo.144でスリットが詰まっていない物は無いはずだが、このNo.144では、ごくわずかにスリットが開いている。
こうすれば書いたときに少しインクが紙の上に盛り上がるような感じになり、でべそ会長の趣味に合致するのじゃ。
横顔を見ると、ペン先とペン芯が離れている。これは長期間の使用で調整戻りが出たのであろう。もう少しペン先をお辞儀させた方が弾力が楽しめるので、多少いじってみよう。
ただしお辞儀をさせるとスリットは詰まってしまう。スリット間隔を維持しつつ、ペン先をお辞儀させるには根気と指力と細心の注意が必要じゃ。
さらには調整戻りのチェックも必要・・・けっこう時間がかかる。
今回の依頼内容はペン先調整よりも吸入機構の修理。左の画像のように、収縮したコルクからシリンダー内にインクが逆流し、吸入機構に錆を発生させている。
さらには、長期間の使用によって、吸入機構の一部が割れ、吸入機構がほとんど機能しない状態になっている。
こういう状態であればプロの方は修理しようとは思わない。なぜなら再発の確率が高いから！
それでは手間ばかりかかって商売にはならない。というか安請け合いすると信用失墜になる可能性もある！
拙者の場合【生贄】と呼ぶくらいで（依頼者の期待はともかくとして）修理とは面白い実験程度に考えている。
従ってこういう直せる可能性が不確かな物は大歓迎じゃ。工夫する余地がいっぱいあるからな。
まずはロットリング洗浄液に２日ほど漬物にした後で、超音波洗浄機にかけ、さらには耐水ペーパーで磨いたら左図の状態になった。画像ではわからないが、中央金具の接合部分が裂けている。これではピストンを最後まで押す力が出せない・・・・
ただ、その状態でも現行のNo.146程度の吸入量は確保できる。
以前ハンダ付けしてめちゃめちゃになったピストンを見ているので、これ以上の加工は止めて、グリースをつけ、コルク交換をするだけにした。
こちらが苦労してお辞儀させつつスリットを拡げたペン先じゃ。上の画像と比べて多少エラも張っているのがわかるかな？実際にインクを入れて使ってみたが、実に繊細な書き味じゃ。
N0.146派とNo.144派がいるが、ぐわんぐわんという大きな振幅の弾力を求めるならNo.146、ピクンピクンという小さくて小刻みな弾力が好みならNo.144が良かろう。
ただしどちらもEF〜Mくらいまでの字巾じゃよ。B以上になるとどのモデルでも似たようなものだし、Kugelが頭につけば、多少心許ない書き味になる。
その心許なさに惹かれる人も多いようじゃが・・・
こちらが調整後の横顔。ペン芯を多少下げてお辞儀を強くした状態。これがNo.144のニブでは最も美しい状態だと信じている。書き味は調整でなんとでも出来るが、姿かたちのスイートスポットは厳然としてある。
往々にして書き味重視のポイントと、姿かたち重視のポイントは違うが、拙者の調整では姿かたちの美しさを第一とし、その位置で書き味が最良になるように調整している。
いくら書き味が良くても惚れ惚れするほど美しくないと使う気がしないからな。
2024年04月08日
〔 【 姫の虎退治 】から一週間後の岡山市 ： PTA ＆ LA VIE EN 〕アーカイブ
この記事に出ている姫井由美子氏の当選は、その時に選挙の指揮を執った小沢一郎氏と、当時の最先端の選挙結果予想シミュレーションシステムの勝利。
全国各地での状況を入力すると、姫井由美子氏の選挙区の端の方のXX町で選挙運動を始め、あの〔姫の虎退治〕のフレーズを使えば・・・
姫井由美子氏のみならず、民主党の大勝利と出たらしい。
そのシステムを開発した人は知り合いだったので、興味深く聞いたが、まぁデータマイニングのはしりだったのかな？
選挙に負けた片山虎之助氏は、後に復活し、次男の片山大介氏もNHK記者を経て日本維新の会・教育無償化を実現する会所属の参議院議員（選挙区は兵庫県）。
負けた挨拶をしていた虎之助氏の隣に立っていた長身の男性が大介氏だったかどうかは定かではない。
ちなみに姫井氏は、その後〔文春砲〕？にやられてか、一期6年だけの参議院議員だったはず。違ったかな？
フィルムカメラは、まだたくさん持っているが、B&Wのフィルムが高いのと、現像キットを全て移転時に捨ててきたので、もはや撮影することは無い。
ただ、たまにカメラを弄ぶだけ。万年筆も同じかな？文字を書くのには使わないから・・・
本日8月5日が母と叔母の初盆で、その準備の為に木曜日から帰省している。2日の朝10:30ごろに実家に到着。
入り口から庭を通って玄関の方へ歩いていると、突如【ギャ〜】というような音を立てて100匹以上の蝉が木から飛び立った。
それだけいて一匹も鳴いていなかったのが奇跡かも・・・
中学生のころ、受験勉強をしていて朝の蝉の声が異常にうるさくて閉口していた記憶がよみがえってきた。
あのころはクーラーが無かったんだよなぁ。窓を開けているので鳴き声が頭を直撃して・・・・【うるせぇ〜】と蝉を怒鳴りつけていた。
高校1年生の時、赴任して間もない23才の担任の先生が【クーラーを買って東大へ行こう】と生徒に話したのがPTAに伝わって謝罪させられていた・・・
高校2年生の夏にクーラーを勉強部屋につけてもらったが、これ幸いと暗室にして写真ばかり焼いていた・・・秋の文化祭の写真を8月から準備していたわけじゃ。
掲載日当日の朝にBlogを執筆している今とは大違い！
ふと用水路の方を見ると、赤とんぼが無数に飛んでいる・・・赤とんぼってのは秋に飛ぶものと思っていたが、夏から湧いているのか！
やばいな、田舎の記憶を無くしはじめている。妹に聞いたら当然のように【赤とんぼは夏から飛んどるよ】とか。
【姫】こと姫井由美子参議員議員のご主人は拙者の妹と高校の同級生で隣の席だったこともあるそうな。
【虎】こと片山虎之助元参議院議員は拙者の高校の大先輩。
片山氏と拙者と姫井氏のご主人と拙者の妹（年の順）は同じ高校の出身。姫井女史はとなりの高校出身。
地元選挙では出身高校が大きく物を言うのだが、今回はそのあたりの優位差がなかったのか、かなりの接戦だったようじゃ。
早々と敗戦の挨拶をした片山氏の後ろに、似た容貌で長身の男性が立っていた。ひょっとすると地盤看板を引継ぐのかな？
2日に自宅に到着して2時間もするとすごい風が吹き、雨が網戸から中に吹き込んできた。台風らしい！またかよ・・・！
拙者は晴れ男なので、移動している時にはほとんど晴れる。が家に入ったとたんに雨が降るのじゃ。
先日の台風でも拙者にはなんの被害も出なかったが、友人4人は5時間も三島駅で軟禁状態。
岡山県は昔から台風の通り道になることがほとんど無い。今回も何の被害も無く通り過ぎてくれた。
台風一過秋の空！ならすがすがしくて良いのだが、真夏の台風通過後はムシムシして気持ち悪いものじゃな・・・
4日の午後には修理の終わったNo.146を持って【LA VIE EN】へ。Mattyさんは写真展を控えて気合が入っておった。
相変わらず珈琲はうまい。今回はレギュラー、クラシックとカレー味サンドをいただいた。
ズミルクスさんに譲ってもらった【幻のコニカミノルタフィルムスキャナー】にかける為の【30年前のネガ】を探すのも今回の帰省の目的。
脂が乗っていたころのネガがデジタルでどこまで輝くのか早く見てみたいものじゃ。
引伸機＋印画紙よりもフィルムスキャナー＋プロ用インクジェットプリンターの方がはるかにトーンの再現性が高いと聞いた。
写真は引き算の芸術だが、引く前の状態を一度把握しておくのは無駄ではなかろう。それにしても、拙者の30年前のネガ。
フィルム現像は天才的に上手だが、写しているものがつまらない・・・がっかり！
何故かフィッシュアイで撮影したものが多い・・・明らかにレンズの画角に振り回されている。
ただフィッシュアイは対象にくっついて撮れ！という原則だけは守っていたようじゃ。
PTAではモールスキンとエルバン・インクを２瓶購入。今回は岡山にインクを持って帰るのを忘れていた。
書かせてもらったスティピュラ・イ・カストーニの書き味が良いのにびっくり！社長は最近調整の腕を上げたようじゃな。
4日は結局フィルム2本を撮影。昔の勘を取り戻すには、あと3年ほどはかかるな・・・。昔は光景が平面＆白黒で見えた。今は動画でしか見えない。
一ヶ月前と今とでは参議院議員は変わった。しかし、岡山の景色も、空気も、人の心も変わってはいない。
ただ、変えてほしい！という人の願望を一心に担うことになった【姫】には活躍して欲しいものじゃ。
4日には、2日と3日に手配したものが届いたので、（妹が）丸一日かけて初盆供養の飾りつけ。
かなり大掛かりになってしまったが、派手好きの母と叔母にはぴったりじゃ。あとはお坊さんが来るのを待つばかり！
全国各地での状況を入力すると、姫井由美子氏の選挙区の端の方のXX町で選挙運動を始め、あの〔姫の虎退治〕のフレーズを使えば・・・
姫井由美子氏のみならず、民主党の大勝利と出たらしい。
そのシステムを開発した人は知り合いだったので、興味深く聞いたが、まぁデータマイニングのはしりだったのかな？
選挙に負けた片山虎之助氏は、後に復活し、次男の片山大介氏もNHK記者を経て日本維新の会・教育無償化を実現する会所属の参議院議員（選挙区は兵庫県）。
負けた挨拶をしていた虎之助氏の隣に立っていた長身の男性が大介氏だったかどうかは定かではない。
ちなみに姫井氏は、その後〔文春砲〕？にやられてか、一期6年だけの参議院議員だったはず。違ったかな？
フィルムカメラは、まだたくさん持っているが、B&Wのフィルムが高いのと、現像キットを全て移転時に捨ててきたので、もはや撮影することは無い。
ただ、たまにカメラを弄ぶだけ。万年筆も同じかな？文字を書くのには使わないから・・・
本日8月5日が母と叔母の初盆で、その準備の為に木曜日から帰省している。2日の朝10:30ごろに実家に到着。入り口から庭を通って玄関の方へ歩いていると、突如【ギャ〜】というような音を立てて100匹以上の蝉が木から飛び立った。
それだけいて一匹も鳴いていなかったのが奇跡かも・・・
中学生のころ、受験勉強をしていて朝の蝉の声が異常にうるさくて閉口していた記憶がよみがえってきた。
あのころはクーラーが無かったんだよなぁ。窓を開けているので鳴き声が頭を直撃して・・・・【うるせぇ〜】と蝉を怒鳴りつけていた。
高校1年生の時、赴任して間もない23才の担任の先生が【クーラーを買って東大へ行こう】と生徒に話したのがPTAに伝わって謝罪させられていた・・・
高校2年生の夏にクーラーを勉強部屋につけてもらったが、これ幸いと暗室にして写真ばかり焼いていた・・・秋の文化祭の写真を8月から準備していたわけじゃ。
掲載日当日の朝にBlogを執筆している今とは大違い！
ふと用水路の方を見ると、赤とんぼが無数に飛んでいる・・・赤とんぼってのは秋に飛ぶものと思っていたが、夏から湧いているのか！
やばいな、田舎の記憶を無くしはじめている。妹に聞いたら当然のように【赤とんぼは夏から飛んどるよ】とか。【姫】こと姫井由美子参議員議員のご主人は拙者の妹と高校の同級生で隣の席だったこともあるそうな。
【虎】こと片山虎之助元参議院議員は拙者の高校の大先輩。
片山氏と拙者と姫井氏のご主人と拙者の妹（年の順）は同じ高校の出身。姫井女史はとなりの高校出身。
地元選挙では出身高校が大きく物を言うのだが、今回はそのあたりの優位差がなかったのか、かなりの接戦だったようじゃ。
早々と敗戦の挨拶をした片山氏の後ろに、似た容貌で長身の男性が立っていた。ひょっとすると地盤看板を引継ぐのかな？
2日に自宅に到着して2時間もするとすごい風が吹き、雨が網戸から中に吹き込んできた。台風らしい！またかよ・・・！
拙者は晴れ男なので、移動している時にはほとんど晴れる。が家に入ったとたんに雨が降るのじゃ。
先日の台風でも拙者にはなんの被害も出なかったが、友人4人は5時間も三島駅で軟禁状態。
岡山県は昔から台風の通り道になることがほとんど無い。今回も何の被害も無く通り過ぎてくれた。
台風一過秋の空！ならすがすがしくて良いのだが、真夏の台風通過後はムシムシして気持ち悪いものじゃな・・・
4日の午後には修理の終わったNo.146を持って【LA VIE EN】へ。Mattyさんは写真展を控えて気合が入っておった。
相変わらず珈琲はうまい。今回はレギュラー、クラシックとカレー味サンドをいただいた。
ズミルクスさんに譲ってもらった【幻のコニカミノルタフィルムスキャナー】にかける為の【30年前のネガ】を探すのも今回の帰省の目的。
脂が乗っていたころのネガがデジタルでどこまで輝くのか早く見てみたいものじゃ。
引伸機＋印画紙よりもフィルムスキャナー＋プロ用インクジェットプリンターの方がはるかにトーンの再現性が高いと聞いた。
写真は引き算の芸術だが、引く前の状態を一度把握しておくのは無駄ではなかろう。それにしても、拙者の30年前のネガ。
フィルム現像は天才的に上手だが、写しているものがつまらない・・・がっかり！
何故かフィッシュアイで撮影したものが多い・・・明らかにレンズの画角に振り回されている。
ただフィッシュアイは対象にくっついて撮れ！という原則だけは守っていたようじゃ。
PTAではモールスキンとエルバン・インクを２瓶購入。今回は岡山にインクを持って帰るのを忘れていた。
書かせてもらったスティピュラ・イ・カストーニの書き味が良いのにびっくり！社長は最近調整の腕を上げたようじゃな。
4日は結局フィルム2本を撮影。昔の勘を取り戻すには、あと3年ほどはかかるな・・・。昔は光景が平面＆白黒で見えた。今は動画でしか見えない。
一ヶ月前と今とでは参議院議員は変わった。しかし、岡山の景色も、空気も、人の心も変わってはいない。
ただ、変えてほしい！という人の願望を一心に担うことになった【姫】には活躍して欲しいものじゃ。
4日には、2日と3日に手配したものが届いたので、（妹が）丸一日かけて初盆供養の飾りつけ。
かなり大掛かりになってしまったが、派手好きの母と叔母にはぴったりじゃ。あとはお坊さんが来るのを待つばかり！
2024年04月07日
2024年4月7日（日）は萬年筆研究会【WAGNER】 東北地区大会＠仙台 *** 将来日付でのご案内 ***
日時：4月7日（日） 11:00〜16:00 （開場 11:00） ペンクリは会員限定（ 開催日当日に会員登録された方も調整を受けられます ）
場所：仙台市戦災復興記念館 4F 第4会議室 住所：仙台市青葉区大町二丁目12番1号
2024年の予定 → ここ を押して！ 名札をお持ちの方はお忘れなく！
新規入会希望の方は左記の記入用紙に会員番号以外を書き入れて持参して頂くと、受付時間が短くなります。
会場へ入るには、萬年筆研究会【WAGNER】への会員登録が必須条件となりますが退会も再入会も自由です。
入会資格は〔万年筆が好き！〕ということだけで、年齢制限も入会審査もありません。
記入例は ここ にあります！ 携帯メールアドレスを記入される方はPCからのメール拒否を外して下さいね。
18歳未満の方は参加費無料です。友人を誘って・・・勇気を持って覗いてみてね！
★ペンクリを依頼する万年筆は、インクを抜き清掃してからお持ち下さい。インクが入ったままだと清掃料（500円）が追加でかかります。
当会場の前回利用は2018年。その後大幅リニュアルされたそうですが・・・体感できるのは温水便座対応くらい？
2024年04月06日
〔 【 Montblanc 50年代No.146 14C-M 】 調整報告 〕アーカイブ
この記事執筆時から17年が経過した。
WAGNER会員番号【00000】で日本の万年筆コレクターの草分け：中園宏さんは鬼籍に入り【00000】は永久欠番となっている。
現在までに永久欠番になっている会員番号は、この【00000】だけ。
国産万年筆もペン先のスリットを開いて出荷して欲しいとの希望を書いたが、プラチナとパイロットは既にスリットを少しだけ開いて出荷を開始している。
あとはセーラーが開けば、書き出しでインクが出ないという現象は激減するだろう。
新潟県三条市といえば、ジャイアント馬場さんの出身地として有名。
TVのプロレス中継では【新潟県三条市が生んだ世界の巨人ジャイアント馬場】と紹介されていた。
従って三条市は長嶋茂雄さんの実家である千葉県佐倉市よりも耳に入る機会が多かった。
また我々万年筆愛好家の間では佐倉市はWAGNER会員番号【00000】で日本の万年筆コレクターの草分け：中園宏さんの実家としての方が有名じゃな。
実は中園さんのお宅は長嶋宅の近所。長嶋茂雄と瓜二つの兄弟が農作業をされているとお話されていた。
今回の依頼品は新潟県三条市からやってきた。
お預かりした後に大地震があり心配していたのだが、依頼主から【心配ご無用！】との便りが届いたので一安心。
依頼内容はペン先先端がズレているので直して欲しいというもの。
やっとの思い出手に入れたVintage No.146の姿が見苦しいと心が痛むものだ。ご本人がWAGNER裏定例会に持参されたほど。
そのほかにも左図のように多少スリットは詰まっているので、通常の1950年代 No.146よりはインクフローが悪い。
たまに切り割りが左右にズレているものを見かけるが、そこは問題ない。ペン先にも傷はなく非常に良い状態じゃ。
ペンポイントはMだが、上から見るとやや丸みを帯びている。これはこの当時好まれた調整かもしれない。
拙者の好みからすれば、開高健モデルのNo.149-Mのようなエッジの立った【M】の調整にしたいが、依頼者の趣味とは違う感じがしたので止めておいた。
こちらは横顔。1950年代後半の厚いペン芯。
こちらの方が丈夫でインクのボタ落ちも少ないが、ペン先のカーブに合わせてペン芯を曲げる作業は極端に難しい。
作業性から言えば、初期のフラットフィーダーの方が断然良い。
メーカーもそれを知った上でモデルチェンジしたのであろうから、フラットフィードにはよほど大きな問題が潜んでいたのであろう。
ただそれは未だに拙者の知るところでは無い・・・
こちらがペン先をペンポイント側から見た画像。
ペン先がペン芯の上に左右対称に載っている必要があるのだが、かなり左に傾いているのがわかろう。
この状態では、書くに際して書き出しで掠れたり、斜め線がガリガリと引っ掛かったりするはずじゃ。
なをこれはスキャナー画像。ノックアウトブロックの穴にペンを反対に立て、それを下からScanしたもの。これは非常に生産性が高い撮影技法。お試しあれ。
この位置調整をするには、一度ペン先とペン芯を抜く必要がある。
厚いペン芯の場合にはゴム板で両方を挟んで引っ張っても抜ける。
が、薄いペン芯の場合には、安全を考えれば首軸を左に回してはずし、ノックアウトブロックを使ってペン先とペン芯を後ろから叩き出すのがBetter。
まれに首軸を接着剤で固めてあったり、セルロイドが脆くなっているケースもあるので、力を入れすぎないようにな。
一度抜いたペン先とペン芯は、ちゃんとした状態になるように指ではさんで状態を見る。段差があるようなら指で曲げて位置調整をする。
ただし力ずくで曲げたものには、調整戻りが発生することがあるので、時間をかけて作業するべき。
365歩のマーチのように、三歩進んで二歩下がるを繰り返して目標の位置に持ってくるのじゃ。約２週間かけてやれば問題無いだろう。
少し押し込んで位置関係を確認したら、目標の位置までグッと一気に押し込むのが良い。もちろんゴム板で挟んで押すことをお忘れなく。
上から見ると若干ではあるがスリットが開いている事がわかろう。
このほんの少しのスリットによって書き出しの掠れが激減する。また書いている途中のインクの濃淡の差が少なくなる。
なぜ出荷時からこのスリットを拡げないのかな？イタリア・メーカーの中にはスリットを少し拡げて供給するメーカーも出てきた。あとは国産がやってくれれば・・・
耐久性やインクボタ落ち防止を中心に考えれば寄りは強い方が良いが、筆記者の気持ち良さを考えるならスリットを開いて出荷して欲しい・・・
あるいは販売店を教育して欲しいものじゃ。
そもそもヘビーユーザの声を取り入れる仕組みを社内に持っているのだろうか？
クレーマーの意見ではなく、愛好家の意見を取り入れてこそ製品はグレードアップするのにな・・・
こちらは調整後の横顔。ペン芯を少し後退させた。この方が弾力が多少とも増大する。
お辞儀したペン先は、弾力を楽しむもの！見ているだけで気持ちよくなりそうなカーブ！すばらしい！
WAGNER会員番号【00000】で日本の万年筆コレクターの草分け：中園宏さんは鬼籍に入り【00000】は永久欠番となっている。
現在までに永久欠番になっている会員番号は、この【00000】だけ。
国産万年筆もペン先のスリットを開いて出荷して欲しいとの希望を書いたが、プラチナとパイロットは既にスリットを少しだけ開いて出荷を開始している。
あとはセーラーが開けば、書き出しでインクが出ないという現象は激減するだろう。
新潟県三条市といえば、ジャイアント馬場さんの出身地として有名。TVのプロレス中継では【新潟県三条市が生んだ世界の巨人ジャイアント馬場】と紹介されていた。
従って三条市は長嶋茂雄さんの実家である千葉県佐倉市よりも耳に入る機会が多かった。
また我々万年筆愛好家の間では佐倉市はWAGNER会員番号【00000】で日本の万年筆コレクターの草分け：中園宏さんの実家としての方が有名じゃな。
実は中園さんのお宅は長嶋宅の近所。長嶋茂雄と瓜二つの兄弟が農作業をされているとお話されていた。
今回の依頼品は新潟県三条市からやってきた。
お預かりした後に大地震があり心配していたのだが、依頼主から【心配ご無用！】との便りが届いたので一安心。
依頼内容はペン先先端がズレているので直して欲しいというもの。
やっとの思い出手に入れたVintage No.146の姿が見苦しいと心が痛むものだ。ご本人がWAGNER裏定例会に持参されたほど。
そのほかにも左図のように多少スリットは詰まっているので、通常の1950年代 No.146よりはインクフローが悪い。たまに切り割りが左右にズレているものを見かけるが、そこは問題ない。ペン先にも傷はなく非常に良い状態じゃ。
ペンポイントはMだが、上から見るとやや丸みを帯びている。これはこの当時好まれた調整かもしれない。
拙者の好みからすれば、開高健モデルのNo.149-Mのようなエッジの立った【M】の調整にしたいが、依頼者の趣味とは違う感じがしたので止めておいた。
こちらは横顔。1950年代後半の厚いペン芯。こちらの方が丈夫でインクのボタ落ちも少ないが、ペン先のカーブに合わせてペン芯を曲げる作業は極端に難しい。
作業性から言えば、初期のフラットフィーダーの方が断然良い。
メーカーもそれを知った上でモデルチェンジしたのであろうから、フラットフィードにはよほど大きな問題が潜んでいたのであろう。
ただそれは未だに拙者の知るところでは無い・・・
こちらがペン先をペンポイント側から見た画像。ペン先がペン芯の上に左右対称に載っている必要があるのだが、かなり左に傾いているのがわかろう。
この状態では、書くに際して書き出しで掠れたり、斜め線がガリガリと引っ掛かったりするはずじゃ。
なをこれはスキャナー画像。ノックアウトブロックの穴にペンを反対に立て、それを下からScanしたもの。これは非常に生産性が高い撮影技法。お試しあれ。
この位置調整をするには、一度ペン先とペン芯を抜く必要がある。
厚いペン芯の場合にはゴム板で両方を挟んで引っ張っても抜ける。
が、薄いペン芯の場合には、安全を考えれば首軸を左に回してはずし、ノックアウトブロックを使ってペン先とペン芯を後ろから叩き出すのがBetter。
まれに首軸を接着剤で固めてあったり、セルロイドが脆くなっているケースもあるので、力を入れすぎないようにな。
一度抜いたペン先とペン芯は、ちゃんとした状態になるように指ではさんで状態を見る。段差があるようなら指で曲げて位置調整をする。ただし力ずくで曲げたものには、調整戻りが発生することがあるので、時間をかけて作業するべき。
365歩のマーチのように、三歩進んで二歩下がるを繰り返して目標の位置に持ってくるのじゃ。約２週間かけてやれば問題無いだろう。
少し押し込んで位置関係を確認したら、目標の位置までグッと一気に押し込むのが良い。もちろんゴム板で挟んで押すことをお忘れなく。
上から見ると若干ではあるがスリットが開いている事がわかろう。このほんの少しのスリットによって書き出しの掠れが激減する。また書いている途中のインクの濃淡の差が少なくなる。
なぜ出荷時からこのスリットを拡げないのかな？イタリア・メーカーの中にはスリットを少し拡げて供給するメーカーも出てきた。あとは国産がやってくれれば・・・
耐久性やインクボタ落ち防止を中心に考えれば寄りは強い方が良いが、筆記者の気持ち良さを考えるならスリットを開いて出荷して欲しい・・・
あるいは販売店を教育して欲しいものじゃ。
そもそもヘビーユーザの声を取り入れる仕組みを社内に持っているのだろうか？
クレーマーの意見ではなく、愛好家の意見を取り入れてこそ製品はグレードアップするのにな・・・
こちらは調整後の横顔。ペン芯を少し後退させた。この方が弾力が多少とも増大する。お辞儀したペン先は、弾力を楽しむもの！見ているだけで気持ちよくなりそうなカーブ！すばらしい！
2024年04月05日
〔 WAGNER会員番号【00256】：めだか しゃんの研究報告 【最終回】〕 アーカイブ
この研究結果を踏まえて、萬年筆研究会【WAGNER】での〔インク誘導液〕としては、PEG（ポリエチレングリコール）400の25%水溶液を推奨している。
当時はPEG400の原液と小分け瓶などの セット を頒布した。
また仙台の伊達ペン倶楽部では、既に 25％水溶液（画像右側）にした物を頒布したこともある。
そして実験段階では4〜5分間ほどPEG400水溶液に4〜5分つけていたが、約2秒で十分と言うこともわかった。
ある種の界面活性剤なので、リンスと同じ。少し頭部に滲ませれば、水で散々髪を流してもブラシがスルスルと滑ってくれる。
ちなみに、もっとインクフローを良くしようと、インクにインク誘導液を混ぜた方もいらっしゃったが、結果は想像通り。
紙にインクが壮大に滲んで使い物にならなかったそうだ。お気をつけあそばせ！
『ポリエチレングリコールのインク誘導液としての可能性について』 続き
当時はPEG400の原液と小分け瓶などの セット を頒布した。
また仙台の伊達ペン倶楽部では、既に 25％水溶液（画像右側）にした物を頒布したこともある。
そして実験段階では4〜5分間ほどPEG400水溶液に4〜5分つけていたが、約2秒で十分と言うこともわかった。
ある種の界面活性剤なので、リンスと同じ。少し頭部に滲ませれば、水で散々髪を流してもブラシがスルスルと滑ってくれる。
ちなみに、もっとインクフローを良くしようと、インクにインク誘導液を混ぜた方もいらっしゃったが、結果は想像通り。
紙にインクが壮大に滲んで使い物にならなかったそうだ。お気をつけあそばせ！
『ポリエチレングリコールのインク誘導液としての可能性について』 続き
さて、次は20000である。一度湯に溶かしたものを冷やし、別の新品の赤と黒のペン芯につけてみる。もう、プラスチックに塗るなんて事はしない。いきなりペン芯につける。
しかし、正直に書くが、効果はほとんど無い。濃度を濃くしても、全く効果がない。ちぇっ、せっかく赤と黒をおろしたのにぃ。
頭に来たので、400の30％水溶液を新たに作ってしまったほどである。（こーゆーとき、めだかは短気なんである。）
頭に来たので、400の30％水溶液を新たに作ってしまったほどである。（こーゆーとき、めだかは短気なんである。）
ここまでお読みいただいたアナタ、そう、そこのアナタです。
ふつーにインクが出るペンでは、もっと出るようになるんではなかろうかと、考えませんでしたか？そう、めだかも考えました。
ふつーにインクが出るペンでは、もっと出るようになるんではなかろうかと、考えませんでしたか？そう、めだかも考えました。
じゃあ、どのペンにしようか。どうせなら、セーラーにしてやれ！これ、ふつーの発想ですね。だって、インク誘導液はセーラーの品物なんですから。
う〜ん、残念ながら、ご期待通りです。そこで、入れたのは、セーラーマイカルタ。
そう、川口さんから「最後の1本攻撃」をモロにくらい、買ってしまったマイカルタ。
インクの出にものすごいこだわる川口さんの手によるモノです。これで一丁やってやろうじゃぁありませんか。
で、やってみた。どうせやるなら、誘導液の使い方も考えちゃおうと、今度はペンを分解せず・・・
乾いた状態のペン先をポリエチレングリコール30％水溶液に５〜10分ほどつけて、ペン芯の隅々に行き渡らせてから、インクを挿してみた。
結果は…。そうです、期待通りです。試しにキャップをとって一晩おいてみました。
でも翌朝ヌルヌルと出てきます。こりゃすごいです。手持ちのペンに全部やってみたくなりました。
もちろん他社のモノでも効果がありました。ただし、エボ芯ではやはり効果があまりありません。
エボは元々濡れやすい表面をしているため、インクの流れがスムーズなんですね。これ、今までの経験でわかっていただけに、やっぱりねという感じ。
さて、長々と書いてきましたが、もうおしまいです。
それにしても、ちょっと、ずるいでしょう？一人で楽しんでいるなんて。でも、まだ問題点もいくつかあるんです。列記しておきます。
�� 誘導液の効果の持続性はどのくらいか
そう、川口さんから「最後の1本攻撃」をモロにくらい、買ってしまったマイカルタ。
インクの出にものすごいこだわる川口さんの手によるモノです。これで一丁やってやろうじゃぁありませんか。
で、やってみた。どうせやるなら、誘導液の使い方も考えちゃおうと、今度はペンを分解せず・・・
乾いた状態のペン先をポリエチレングリコール30％水溶液に５〜10分ほどつけて、ペン芯の隅々に行き渡らせてから、インクを挿してみた。
結果は…。そうです、期待通りです。試しにキャップをとって一晩おいてみました。
でも翌朝ヌルヌルと出てきます。こりゃすごいです。手持ちのペンに全部やってみたくなりました。
もちろん他社のモノでも効果がありました。ただし、エボ芯ではやはり効果があまりありません。
エボは元々濡れやすい表面をしているため、インクの流れがスムーズなんですね。これ、今までの経験でわかっていただけに、やっぱりねという感じ。
さて、長々と書いてきましたが、もうおしまいです。
それにしても、ちょっと、ずるいでしょう？一人で楽しんでいるなんて。でも、まだ問題点もいくつかあるんです。列記しておきます。
�� 誘導液の効果の持続性はどのくらいか
�� 長期使用によるペン芯への悪影響はないのか
�� ニブへの腐食などの影響はないのか
�� 保存時の悪影響はないか （使用しない状態で長期間保存した際、糊化による部品同士の接着の可能性）
まだまだ、これ以外にも考えられる問題点があると思われます。
これらの検証は、個人では限界がありますから、WAGNERの会員で時間をかけて検証する必要があると思います。
これらの検証は、個人では限界がありますから、WAGNERの会員で時間をかけて検証する必要があると思います。
他にも、何かあったらどうぞご指摘下さい。
ともあれ、効果は絶大でした。
以上
2024年04月04日
〔 WAGNER会員番号【00256】：めだか さんの研究報告 その5 〕アーカイブ
今回の実験でめだかさんが試しているのは、（文中には書いていないが）ポリエチレングリコール400の水溶液だ。
それが赤と黒という（当時は）原価100円にも満たない（雑誌の付録の）中国製万年筆のペン芯でも効果が出たということ。
そのペン芯に最適かどうかは別にして、とりあえずプラスティック製ペン芯には一定の効果があるとわかった。
実は、拙者はこの一連の記事を受け取って通読した直後に神田の試薬問屋にダッシュしたのであった。
それほど強烈なインパクトのある研究報告書！
幸い、萬年筆研究会【WAGNER】には化学の専門家も何人かいらっしゃるので、やはり特命係に加えて、科化捜研も組織すべきじゃな。
そして明日はいよいよ最終回！
それが赤と黒という（当時は）原価100円にも満たない（雑誌の付録の）中国製万年筆のペン芯でも効果が出たということ。
そのペン芯に最適かどうかは別にして、とりあえずプラスティック製ペン芯には一定の効果があるとわかった。
実は、拙者はこの一連の記事を受け取って通読した直後に神田の試薬問屋にダッシュしたのであった。
それほど強烈なインパクトのある研究報告書！
幸い、萬年筆研究会【WAGNER】には化学の専門家も何人かいらっしゃるので、やはり特命係に加えて、
そして明日はいよいよ最終回！
『ポリエチレングリコールのインク誘導液としての可能性について』 続き
私のデスク横の棚の最上段に、まだラピタの付録「赤と黒」が未開封で残っている。１つをとりだして、まずペリカンのブルーを入れる。もちろん、調整は何も施さない。
山田の原稿用紙にどんどん書いてみる。期待通りに1枚も書かないうちに、インクが切れる。もう一度インクが出るようにしてから書いても同じである。
山田の原稿用紙にどんどん書いてみる。期待通りに1枚も書かないうちに、インクが切れる。もう一度インクが出るようにしてから書いても同じである。
よし、よし。
この赤と黒のペン芯をはずして洗い、先ほど確認した、30％のポリエチレングリコール水溶液につけてみる。すぐにとりだして、ティッシュで表面の液を拭き取る。
これで、ペン芯の溝にはポリエチレングリコール水溶液は付いているはずだ。
これで、ペン芯の溝にはポリエチレングリコール水溶液は付いているはずだ。
再度、ペンとペン芯をボディーに取り付けて、ペリカンブルーのカートリッジを挿す。
山田の原稿用紙にどんどん書く…。どんどん書く…。ず〜っと書く…。２枚目に入る。３枚目。手が疲れてきた。
わかりますね。そう、いくら書いても、インクが切れない。「!!!!!!!!!!!!!!!」である。やった！
私の仮説が立証された。常に濡れている状態を作り出して、インクを誘導する。これが誘導液の正体だ。
ペン芯を何かでコーティングして、流れをスムーズにするのではなかったのである。
ペン芯を何かでコーティングして、流れをスムーズにするのではなかったのである。
さて、次にふつーに考えてしまうのは、耐性である。つまり、どれくらいもつモノなのか。
だいいち、ポリエチレングリコール自体が水溶性であり、インクも水溶性なのだから・・・
インクが通るたびにポリエチレングリコールがインクに溶け込んで、効果はすぐに無くなるのではないか。
だいいち、ポリエチレングリコール自体が水溶性であり、インクも水溶性なのだから・・・
インクが通るたびにポリエチレングリコールがインクに溶け込んで、効果はすぐに無くなるのではないか。
これを確かめるには、インクの代わりに、水を強制的に出し入れして、効果を確認すればよい。こうすれば洗浄に対する耐性も一緒に確認できるはずだ。
早速、駒込ピペットのゴム球をはめて、ブシュブシュと洗浄する。洗浄している水が青く染まらなくなったのを確認して、再度ペリカンブルーを挿す。
今度も、インクは切れない。どうやら、効果の持続性はかなり高いようである。しかも、洗浄にも強い。こうなってくると、面白い。
「ダメじゃん！」と決めつけていたポリエチレングリコールが、「こりゃ、すげえ！」になってしまっている。インク誘導の力は、持続性もあるのだ。
「ダメじゃん！」と決めつけていたポリエチレングリコールが、「こりゃ、すげえ！」になってしまっている。インク誘導の力は、持続性もあるのだ。
洗浄については、さらにもう一度行ってみた。
しかも、２度目は同様のゴム球をつけて、無水エタノールで強制ブシュブシュを繰り返し、さらに、ドライヤーの温風中で暖かい空気を出し入れして乾かすことまでやってみた。
しかも、２度目は同様のゴム球をつけて、無水エタノールで強制ブシュブシュを繰り返し、さらに、ドライヤーの温風中で暖かい空気を出し入れして乾かすことまでやってみた。
ここまで乾燥させれば、フツー効果はなくなるはずである。しかし、カートリッジインクを挿すと、インクはしっかり出てくる。
効果が持続しているんである。ここまで来ると、「う〜ん、すっごいですねえ」と唸ってしまう。
効果が持続しているんである。ここまで来ると、「う〜ん、すっごいですねえ」と唸ってしまう。
明日へ続く
2024年04月03日
〔 WAGNER会員番号【00256】：めだか さんの研究報告 その４ 〕アーカイブ
左画像は、ポリエチレングリコールの分子量による分類だ。用途は、歯磨き、ソーセージ。化粧品、洗剤など多種にわたる。
珍しいところでは、粉の化粧品に加えられているそうだ。理由は粉が飛び散るのを防ぐ為に使われるらしい。
まさに乾燥しにくいという性質を利用した物だろう。
ソーセージに加えられるのは、乳化剤かな？
便秘薬に使われているというのはよく理解できる。常に保湿するという性質があるならピッタリだ。
はたして、インク誘導液に使われているポリエチレングリコールの分子量はいかほど？
『ポリエチレングリコールのインク誘導液としての可能性について』 続き
で、今度は20000を試す。20000は固体である。しかし、同じ物質なら水の温度を上げれば溶けるはず。
約60度くらいにしたら見事に溶けた。そして、それの濃度も色々作って、同様に確かめてみる。でも、やっぱり「あ！」なんである。
約60度くらいにしたら見事に溶けた。そして、それの濃度も色々作って、同様に確かめてみる。でも、やっぱり「あ！」なんである。
「ダメじゃん！」
次の瞬間、私は実験を投げ出していた。セーラーに問い合わせたとき、「…それだけではありません」と言っていたことを思いだした。
ポリエチレングリコールだけではダメなんだ、と勝手に決めつけていた。万年筆に入れてみもせずである。ちょうど、仕事も忙しさのピークを迎えていた。
実験を投げ出して５日が経った。投げ出したプラスティック板が机の上に残っていた。
頭に来ていた私は、そのプラスティック板を捨てるために、塗ったポリエチレングリコールを拭き取り始めた。
拭き取り始めて、ハッとした。「乾いてねえ！」
ふつー、プラスティックの表面についた液体なら、１日もしないうちに乾いてしまうはずである。
それが、塗った時と全く同じ状態で濡れているんである。これはどういう事だ。
コーティングはできない、しかし、塗った部分は明らかに濡れている。ひょっとして…。
すぐに次の実験に取りかかる。半分やけくそでもある。
まず、プラスティックの板の表面を、もっと濡れやすくするために、800番の耐水ペーパーで、縦・横にこすって細かな傷を入れる。
これに、400を薄めた各濃度の水溶液を綿棒でヌリヌリ。やはり、プラスティックが水溶液をはじいてしまうことに変わりはない。
しかし、傷をつけたおかげで、濡れる部分が確実に大きくなっている。
そして今度はどのくらい乾燥に耐えるのか、ドライヤーの熱風を当ててみるのである。
まず、10％水溶液。少しずつだが乾いていく。次に、20％水溶液。これもかなりゆっくりではあるが乾いていく。
そして30％水溶液。ほとんど乾かない。ずっと濡れたままである。40％以上も同様である。
ドライヤーの熱風を当てながら、考え込んでしまっていた。コーティングされるというのは、じつは全くの思いこみであったのではないか。
もし、ポリエチレングリコールが本当にインク誘導液として活用できるなら・・・
この“濡れる”という現象こそ重要なのであって、濡れているからインクがペン芯を通りやすくなるのではないか。
そう考えたら、あとはその仮説を検証するだけである（うわ、科学みたい！）
明日に続く
2024年04月02日
〔 WAGNER会員番号【00256】：めだか さんの研究報告 その３ 〕アーカイブ
今回は実験が危機的状況になってきている。はたして次回はどうなるのか？
ちなみに、このポリエチレングリコールを会員に頒布するにあたり、この界隈にあった試薬問屋で8本購入した。
口の部分を紐で縛って8本をつなげて固定し、それを蓋のないダンボールに入れて手渡してくれた。
瓶の上半分はむき出しの背の低いダンボール箱を、太った男が、スーツにネクタイして持っていたら不気味だ。サングラスもしてたな、夕方の日差しがまぶしかったから。
この怪しい姿で、電車を2本乗り継いで家まで帰ったのだが、まだ地下鉄サリン事件の記憶が消えていなかったらしく、そっと車両を変える人もいた。
自宅に戻って真っ先にやったことは、小分け瓶と小さな漏斗とポリ袋の準備だった。それも大量に！
なんせ80セット作るわけだから・・・
『ポリエチレングリコールのインク誘導液としての可能性について』 続き
こちらは卸価格なんである。1890円で買えた。400も同じくらいの値段ではないだろうか。クソ！ソンした。
この日もやっぱり同じで、ビールを片手に400の薬品ビンを前にしてどう実験するか、プランを練っただけで、グースカ寝てしまった。
明日へ続く
ちなみに、このポリエチレングリコールを会員に頒布するにあたり、この界隈にあった試薬問屋で8本購入した。
口の部分を紐で縛って8本をつなげて固定し、それを蓋のないダンボールに入れて手渡してくれた。
瓶の上半分はむき出しの背の低いダンボール箱を、太った男が、スーツにネクタイして持っていたら不気味だ。サングラスもしてたな、夕方の日差しがまぶしかったから。
この怪しい姿で、電車を2本乗り継いで家まで帰ったのだが、まだ地下鉄サリン事件の記憶が消えていなかったらしく、そっと車両を変える人もいた。
自宅に戻って真っ先にやったことは、小分け瓶と小さな漏斗とポリ袋の準備だった。それも大量に！
なんせ80セット作るわけだから・・・
『ポリエチレングリコールのインク誘導液としての可能性について』 続き
この○○化学、ひょっとして個人販売してくれるんじゃないか？すぐに元に来た道を戻り始める。
夕方であったためか、窓口を閉め始めている。残念。後日また来ればいいやとその日は帰った。
夕方であったためか、窓口を閉め始めている。残念。後日また来ればいいやとその日は帰った。
後日、電話で訊いてみると、個人でも大丈夫らしい。「じゃあ、ポリエチレングリコールの20000（重合度の最高）を下さい。」と注文する。
こちらは卸価格なんである。1890円で買えた。400も同じくらいの値段ではないだろうか。クソ！ソンした。
さて、20000の画像は左である。懐かしのNaOHもこーゆービンに入っている。ここで、アレッ？と思ったアナタ。あなたの感覚は正しい。
400は液体であるから茶色の小瓶に入っている。だが、20000の方は、見てすぐわかるように、固体である。
そう、重合度が高いと、固体になっちゃうんである。こーゆー事は化学の世界では良くある。
同じ物質なのに、ちょっと構造が違うと全く違う物になっちゃう。炭とダイヤモンドがいい例である。
そう、重合度が高いと、固体になっちゃうんである。こーゆー事は化学の世界では良くある。
同じ物質なのに、ちょっと構造が違うと全く違う物になっちゃう。炭とダイヤモンドがいい例である。
さて、400の方を買ったその日である。いそいそと真っ直ぐに家に帰る。家に帰って、すぐに実験したいんである。
電車の車中で、実験についてあれこれと思いを巡らす。これもまた楽しい。
ところが、都心から離れたわが家につく頃にはもう暗くなりはじめている。ビ、ビールが…。わかりますね。このユーワクは手強い。ワタシ、勝てたことがない。
電車の車中で、実験についてあれこれと思いを巡らす。これもまた楽しい。
ところが、都心から離れたわが家につく頃にはもう暗くなりはじめている。ビ、ビールが…。わかりますね。このユーワクは手強い。ワタシ、勝てたことがない。
この日もやっぱり同じで、ビールを片手に400の薬品ビンを前にしてどう実験するか、プランを練っただけで、グースカ寝てしまった。
で、後日の日曜日である。一通り用事を済ませたあと、かねてから用意してあった器具で、まず400の方の実験を開始した。
400の方は液体だからすぐに水に溶かせる。だから、濃度の調整もしやすい。まずは、10％・20％・30％…と濃度を変えて90％まで用意する。
これらの液をそれぞれ白い塩ビのプラスティックに綿棒で塗っていくのである。いきなり、ペンに入れるなんて事は、もうしないんである。
何せ、相手はポリエチレングリコールである。よく知っているグリセリンとはわけが違う。それに、濃度によってどのようなコーティング効果があるか、目で確かめたい。
だから、プラスチックの板に塗るんである。塗って表面にコーティングするのである。
以前、ガラスコーティングの「ブリス」という液体を知ったときも、いったんは別のプラスティックに塗っている。いきなり、ペンには使わない。
400の方は液体だからすぐに水に溶かせる。だから、濃度の調整もしやすい。まずは、10％・20％・30％…と濃度を変えて90％まで用意する。
これらの液をそれぞれ白い塩ビのプラスティックに綿棒で塗っていくのである。いきなり、ペンに入れるなんて事は、もうしないんである。
何せ、相手はポリエチレングリコールである。よく知っているグリセリンとはわけが違う。それに、濃度によってどのようなコーティング効果があるか、目で確かめたい。
だから、プラスチックの板に塗るんである。塗って表面にコーティングするのである。
以前、ガラスコーティングの「ブリス」という液体を知ったときも、いったんは別のプラスティックに塗っている。いきなり、ペンには使わない。
さて、１０％をまずヌリヌリと…。「あ！」である。
次に、２０％をヌリヌリと…。これも「あ！」である。
そして、３０％をヌリヌリと…。これもまた、「あ！」である。
しつこいでしょう。これ、そのあとの９０％まで、全部同じ感想なんです。はじいちゃうんですわ！つまり、プラスティックに塗れない。
コーティングどころの話じゃない。プラスティックにはじかれて、つるつるの表面に水滴が乗っかっているだけの状態。
わかります？だから、はじめから「あ！」がずっと続いちゃったんですな。
本当は、ワックスみたいにポリエチレングリコールでコーティングした表面に、インクを1滴ずつ垂らしてみて、どのように濡れるのか、
濃度による違いを観察しようと目論んでいたのだが、全くの見当違い。濡れないのでは、こらぁ効果は期待できない。
高ぇ金払って買ってきたが、無駄だった。う〜ん。原因はなんだ、重合度の違いかも知れない。
しつこいでしょう。これ、そのあとの９０％まで、全部同じ感想なんです。はじいちゃうんですわ！つまり、プラスティックに塗れない。
コーティングどころの話じゃない。プラスティックにはじかれて、つるつるの表面に水滴が乗っかっているだけの状態。
わかります？だから、はじめから「あ！」がずっと続いちゃったんですな。
本当は、ワックスみたいにポリエチレングリコールでコーティングした表面に、インクを1滴ずつ垂らしてみて、どのように濡れるのか、
濃度による違いを観察しようと目論んでいたのだが、全くの見当違い。濡れないのでは、こらぁ効果は期待できない。
高ぇ金払って買ってきたが、無駄だった。う〜ん。原因はなんだ、重合度の違いかも知れない。
2024年4月2日（水）〔開運！なんでも鑑定団〕に 藤井さん登場！
2024年4月2日（水）〔開運！なんでも鑑定団〕に eurobox の 藤井さん 登場?
万年筆の鑑定かどうかは不明です
・・・ わくわく ・・・
第1回のペントレの初日は〔開運！なんでも鑑定団〕の出張鑑定の収録付き
鑑定士は すなみまさみ ち さん
MC は バカルディ（今の さまーず ）
若手芸人なのに やたら上手いなぁ〜！ と感心したけど・・・さまーず だもんね
ボケもツッコミも最高だった！
開催日は2001年2月10日（土）〜12日（日）
ちなみに、下はその時の拙者の展示品カタログ。今なら全部自分で買うな・・・
2024年04月01日
〔 WAGNER会員番号【00256】：めだか しゃんの研究報告 その２〕アーカイブ
なぜインク誘導液が必要なのか？を店頭に立っていたことがある人の経験談から割り出してみた。
もし、中華萬のようにインク誘導液に出荷前に浸さないでおくと、店頭に来た際にはペン先もペン芯もカラカラに乾いている。
その状態でインクに浸けてもインクはペン芯に馴染まずはじかれてしまう。
すなわちインクがなかなか出ない。ここで試筆をしていた人は二種類の行動をとる。
（1）この万年筆はインクもろくに出ないと買わないで帰る。
（2）インクを出そうと力一杯筆圧をかけてペン先を曲げる。
専門店では、試筆の前に店員さんがインク瓶にペン先を浸し、インクが十分に出ることを確認してから試筆してもらうのだが・・・
ペン芯が乾いていた場合、インクがドバっと出たり、出にくかったりで、はやり試筆者をイラっとさせる。
そう、出荷時にインク誘導液に浸してから出荷するというのはメーカーに取っては必須の行為なのだ。
それを販売店に教えないのはどういう事なのかなぁ〜？
販売店だって最近は通販の売上の方が多い店もある。念のため、最期にインク誘導液に浸して送るというサービスもあると思うのだが・・・
明日へ続く
もし、中華萬のようにインク誘導液に出荷前に浸さないでおくと、店頭に来た際にはペン先もペン芯もカラカラに乾いている。
その状態でインクに浸けてもインクはペン芯に馴染まずはじかれてしまう。
すなわちインクがなかなか出ない。ここで試筆をしていた人は二種類の行動をとる。
（1）この万年筆はインクもろくに出ないと買わないで帰る。
（2）インクを出そうと力一杯筆圧をかけてペン先を曲げる。
専門店では、試筆の前に店員さんがインク瓶にペン先を浸し、インクが十分に出ることを確認してから試筆してもらうのだが・・・
ペン芯が乾いていた場合、インクがドバっと出たり、出にくかったりで、はやり試筆者をイラっとさせる。
そう、出荷時にインク誘導液に浸してから出荷するというのはメーカーに取っては必須の行為なのだ。
それを販売店に教えないのはどういう事なのかなぁ〜？
販売店だって最近は通販の売上の方が多い店もある。念のため、最期にインク誘導液に浸して送るというサービスもあると思うのだが・・・
『ポリエチレングリコールのインク誘導液としての可能性について』 続き
しかし、ちょっと考えて思いだした。そうか。重合度ね。
そこで、無駄だとは思いながらも使用目的を言ってみる。店主が何か知っているかも知れないと考えたからである。
しかし、店主も聞いたことがない使い方で、見当がつかないという。こりゃ、ちょっと自分で調べる必要がある。重合度で、性質がどう違うんだ？
しかし、店主も聞いたことがない使い方で、見当がつかないという。こりゃ、ちょっと自分で調べる必要がある。重合度で、性質がどう違うんだ？
よく行く図書館で、資料を探す。検索システムも利用してみる。う〜む、無い。
理系の人ならよくわかるだろうが、特定の物質について調べようとしても、資料や文献はなかなか見つからないのがふつーである。
理系の人ならよくわかるだろうが、特定の物質について調べようとしても、資料や文献はなかなか見つからないのがふつーである。
一般的な性質ならいくらでも出てくるが、重合度による性質の違いまで書いてある本なんてない。他の図書館にも行ってみたが、やはり、ない。
ただ、色々調べるうち、ある程度の重合度は必要らしいということはわかってきた。なんせ、表面をコーティングするんである。
重合度が低ければ、プラスティック樹脂との結合は期待できないということらしい。
ただ、色々調べるうち、ある程度の重合度は必要らしいということはわかってきた。なんせ、表面をコーティングするんである。
重合度が低ければ、プラスティック樹脂との結合は期待できないということらしい。
しかし、それ以上のことはなかなかわからない。ちょっと壁に当たってしまった。
「まあ、気長に調べるさ」と悠長なことを言いながら、セーラー社にも問い合わせをしてみた。もちろん、そんなに期待しているわけではない。
「まあ、気長に調べるさ」と悠長なことを言いながら、セーラー社にも問い合わせをしてみた。もちろん、そんなに期待しているわけではない。
電話での問い合わせくらいで詳しく教えてくれるはずはない。もちろん重合度についてなんて教えてもらえるはずがない。
案の定、「ポリエチレングリコールの水溶液ではありますが、それだけではありません。これ以上は企業秘密です。」との返事。期待通りの答えであった。
ここで、完全に暗礁に乗り上げた感じである。どうしようか色々考えながら、仕事で多忙な日々が過ぎていく。その間にも資料を探したが、なかなか見つからない。
しかし、師匠のアドバイスもあって、取りあえず何か買ってみることにした。前に進めなければいけない。
再度神田の業者へ電話する。色々訊いていくうち、重合度の400が一番よく売れるという。ふ〜む、400番ねえ。ワタシ、好きな番号である。
「そのうしろに、NNなんて付いてませんよね」とマジメに訊いてしまった。今度は向こうの方が「え？」である。まあ、いいや、とにかく買ってみよう。
ところが、この業者、とてもアバウトなんである。指定日にわざわざ購入に行ったのだが、まだ取り寄せてないんである。
店主は「うぁ、参った。」と頭をかいている。参っちゃったのはこちらである。
店主は「うぁ、参った。」と頭をかいている。参っちゃったのはこちらである。
で、「すぐに取り寄せられるとおっしゃってましたね。」とイヤミを言うと、平気な顔で「そーです」とのたまっている。
そして、「じゃあ、10分お待ち下さい」と言う。せっかく来たんである。10分くらいなんでもない。
そして、「じゃあ、10分お待ち下さい」と言う。せっかく来たんである。10分くらいなんでもない。
果たして、10分後にホントに手に薬品ビンを持ってゼイゼイ言いながら戻ってきた。
それが、左の薬品である。ドロ〜っとした液体が入っている。振るとタッポン・タッポンと音がする。
値段は、2,604円もした。WAGNERの参加費より高い。まあ、仕方ねえ。
値段は、2,604円もした。WAGNERの参加費より高い。まあ、仕方ねえ。
さて、このビン、よく見ると、○○○○○と書いてある。「あ！」である。これ、近所じゃん！
じつは、この店に行く前に近所の地図をネットで検索してあったんである。この辺りは化学薬品を扱う店が集まっている。
○○化学もその中にあった。あ、だから「すぐに取り寄せられる」ってことか…。と変に納得しながら神田の駅に向かって歩き始めた。
「ちょっと待てよ！」
2024年03月31日
〔 WAGNER会員番号【00256】：めだか さんの研究報告 その１〕アーカイブ
この記事の再掲は2回目になるはずだ。
内容もさることながら、真実をどうやって突き止めていくかのアプローチに対しての示唆が多いことが再掲の理由。
こちらは特命係というより〔科捜研〕かな？
記事中に出てくるポリエチレングリコールは、人体には無害だが・・・
刷毛付きの小分け瓶に入れて1年が経過すると、刷毛の軸の樹脂が綺麗に溶けてしまっている。
従って万年筆をポリエチレングリコールに付けておくのは危険。
インク誘導液を使う理由は２回目以降で述べるが、早い話がペン芯が乾いてしまわない状態に保つための物だ。
セーラーではプリエチレングリコールを用いているが、他のメーカーでは別の液体を使っているらしい。
ペン芯の素材に適した薬品を使っているようだ。
非イオン性高分子であるため、材料表面をコートすると物質表面の親水性が向上し、同時に表面電荷も抑えられるという物質。
要するに「濡れやすくする」ということで、化粧品やトイレタリー製品の基材や粘度調整剤のほか、プリンタヘッドのノズルの目詰まり防止など、日用品の中に多く使われている。
この親水性を向上させる性質を利用して、セーラーからインク誘導液が出ている。師匠からのメールによれば、そのラベルに「ポリエチレングリコール水溶液」と書いてあるらしい。
そこで、私宛にポリエチレングリコールを何とか入手できないかという問い合わせが舞い込んだ。
正直、薬品を扱うのは基本的に尻込みしてしまう。私の持っている資格は「ユーキ○○○○作業主任者」という怪しい資格くらいで、この資格は試験監督が・・・
「書きにくかったら、テキストを下敷きにしてください」と試験前に言うようなふざけた資格試験である。カンニングを推奨しているようなもので、怪しいことこの上ない。
ましてや、危険物取扱…などのような、リッパな資格は持ち合わせていない。
つまり、本格的な薬品の取扱は勉強していない。だから、少しだけかじったことのある化学の知識が、私の中で危険への警鐘を鳴らしている。
そこで、まず考えたのが代替品である。「よーするに濡れやすくすりゃいいんだろ…」。ブツブツつぶやきながら、少ない知識を総動員して考え込んだ。
長いこと考え込んで、3秒後に思いついたのが「グリセリン」である。
グリセリンは保湿剤としてよく使われる。だから、確実に濡れやすくなるはずである。化粧品などの基材にもなっており、表面をコーティングして乾燥を防ぐ。
これなら薬店でかんたんに入手できる。で、試してみた。
Ｐ社のプラスチックペン芯のニブを外し、水で２倍に希釈したグリセリン液につけ込み、その後自然乾燥させてから、再度軸にセット。
コンバーターでインクを吸い込んで、さて…。山田の原稿用紙に書きまくってみた。
確かにインクはスムーズに出てきた。でも、初めだけである。そのあとは、インクの掠れが出てきて、ついには書けなくなった。まるで、ミニ檸檬である。
グリセリンではインクを保持しすぎて、流れを滞らせるのかも知れない。因みにこのＰ社のペンは、グリセリン処理をする前はインクがヌラヌラと出ていた。
このグリセリンの実験は、濃度を変えて何度かチャレンジした。しかし、全く効果は認められなかった。むしろ逆の効果ばかりが目立った。
仕方ない。こうなったら、ポリエチレングリコールとやらをちゃんと入手して試してみる必要がある。いや、試さないといけない。
まず、インターネットでポリエチレングリコールについてしっかり調べてみる。
無資格で扱える薬品かどうかは重大な問題であるからだ（正直、まだ、尻込みしている）。扱えなかったら、購入さえ出来ない。
幸い（なんということか）、無資格でも大丈夫のようである（ああ…）。
まあ、セーラーではニブのセットと一緒に販売しているくらいだから、資格なんていらないのも当然であるが。
さて、仕事の関係で理科の実験器具を扱っている業者は知っている。まず、そこへ問い合わせをしてみた。しかし、その業者では薬品の個人販売は出来ないという。
じゃ、どこか個人販売してくれるところを紹介してくれと頼むと、神田にある薬品専門の業者を教えてくれた。
さっそく、翌日電話して、ポリエチレングリコールがあるか訊いてみると、「ああ、すぐに取り寄せられますが、何番ですか？」との返事。
こちらの方が「え？」である。「何番ですか？」ときた。
明日へ続く
内容もさることながら、真実をどうやって突き止めていくかのアプローチに対しての示唆が多いことが再掲の理由。
こちらは特命係というより〔科捜研〕かな？
記事中に出てくるポリエチレングリコールは、人体には無害だが・・・
刷毛付きの小分け瓶に入れて1年が経過すると、刷毛の軸の樹脂が綺麗に溶けてしまっている。
従って万年筆をポリエチレングリコールに付けておくのは危険。
インク誘導液を使う理由は２回目以降で述べるが、早い話がペン芯が乾いてしまわない状態に保つための物だ。
セーラーではプリエチレングリコールを用いているが、他のメーカーでは別の液体を使っているらしい。
ペン芯の素材に適した薬品を使っているようだ。
本日より６回にわたってめだかさんによる【インク誘導液に関する研究報告】を連載する。
自称学究肌・・・・この２年間、その片鱗さえ見せなかっためだかさんがついに爆発！
お楽しみください！
『ポリエチレングリコールのインク誘導液としての可能性について』
WAGNER会員番号【00256】 めだか
ポリエチレングリコールという物質がある。これは、“ポリ”という名前からもわかるとおり、ケーサツ関係…違った、高分子の重合体であり・・・
ポリエチレングリコールという物質がある。これは、“ポリ”という名前からもわかるとおり、ケーサツ関係…違った、高分子の重合体であり・・・
非イオン性高分子であるため、材料表面をコートすると物質表面の親水性が向上し、同時に表面電荷も抑えられるという物質。
要するに「濡れやすくする」ということで、化粧品やトイレタリー製品の基材や粘度調整剤のほか、プリンタヘッドのノズルの目詰まり防止など、日用品の中に多く使われている。
この親水性を向上させる性質を利用して、セーラーからインク誘導液が出ている。師匠からのメールによれば、そのラベルに「ポリエチレングリコール水溶液」と書いてあるらしい。
そこで、私宛にポリエチレングリコールを何とか入手できないかという問い合わせが舞い込んだ。
正直、薬品を扱うのは基本的に尻込みしてしまう。私の持っている資格は「ユーキ○○○○作業主任者」という怪しい資格くらいで、この資格は試験監督が・・・
「書きにくかったら、テキストを下敷きにしてください」と試験前に言うようなふざけた資格試験である。カンニングを推奨しているようなもので、怪しいことこの上ない。
ましてや、危険物取扱…などのような、リッパな資格は持ち合わせていない。
つまり、本格的な薬品の取扱は勉強していない。だから、少しだけかじったことのある化学の知識が、私の中で危険への警鐘を鳴らしている。
そこで、まず考えたのが代替品である。「よーするに濡れやすくすりゃいいんだろ…」。ブツブツつぶやきながら、少ない知識を総動員して考え込んだ。
長いこと考え込んで、3秒後に思いついたのが「グリセリン」である。
グリセリンは保湿剤としてよく使われる。だから、確実に濡れやすくなるはずである。化粧品などの基材にもなっており、表面をコーティングして乾燥を防ぐ。
これなら薬店でかんたんに入手できる。で、試してみた。
Ｐ社のプラスチックペン芯のニブを外し、水で２倍に希釈したグリセリン液につけ込み、その後自然乾燥させてから、再度軸にセット。
コンバーターでインクを吸い込んで、さて…。山田の原稿用紙に書きまくってみた。
確かにインクはスムーズに出てきた。でも、初めだけである。そのあとは、インクの掠れが出てきて、ついには書けなくなった。まるで、ミニ檸檬である。
グリセリンではインクを保持しすぎて、流れを滞らせるのかも知れない。因みにこのＰ社のペンは、グリセリン処理をする前はインクがヌラヌラと出ていた。
このグリセリンの実験は、濃度を変えて何度かチャレンジした。しかし、全く効果は認められなかった。むしろ逆の効果ばかりが目立った。
仕方ない。こうなったら、ポリエチレングリコールとやらをちゃんと入手して試してみる必要がある。いや、試さないといけない。
まず、インターネットでポリエチレングリコールについてしっかり調べてみる。
無資格で扱える薬品かどうかは重大な問題であるからだ（正直、まだ、尻込みしている）。扱えなかったら、購入さえ出来ない。
幸い（なんということか）、無資格でも大丈夫のようである（ああ…）。
まあ、セーラーではニブのセットと一緒に販売しているくらいだから、資格なんていらないのも当然であるが。
さて、仕事の関係で理科の実験器具を扱っている業者は知っている。まず、そこへ問い合わせをしてみた。しかし、その業者では薬品の個人販売は出来ないという。
じゃ、どこか個人販売してくれるところを紹介してくれと頼むと、神田にある薬品専門の業者を教えてくれた。
さっそく、翌日電話して、ポリエチレングリコールがあるか訊いてみると、「ああ、すぐに取り寄せられますが、何番ですか？」との返事。
こちらの方が「え？」である。「何番ですか？」ときた。
明日へ続く
2024年03月30日
DGC は しばらく延期！
春の泉筆五宝展2024のお楽しみとして新たに〔DGC〕を企画していた。
〔Delayed Get Chance〕と命名され、3月31日（日）午前６時の一発勝負！ということで・・・
対象物は；
１）今回のフライングゲットで読者が値下げ期待していたし、出品者にも値下げの意向があったが、拙者が忙しくて反映できなかったもの（２〜３本）
２）今回の泉筆五宝展で参加者の方からDGC出品依頼のあったもの
３）まだ完成していないが、完成したら購入する権利を担保するもの（予約金必要：完成後購入費用に充当）
というはずだったのだが、肝心の 1）が本番までの間に完売となってしまった
また 2）も 3）も特に申込が無かった。どうやらペントレのフライングゲットにターゲットを絞っている様子
ということで、今回の〔Delayed Get Chance〕は延期とするが、実は 3）に関しては拙者に候補がある
ただし萬年筆研究会【WAGNER】会員/会友優先なので、そちらが一段落してからの連絡となる予定
今しばらくお待ち下さ〜い！ 第一弾は4色展開で各色10本で、革製の専用ペンケース付き（軸色とマッチ）
でも仕様は第二弾の方が豪華です。そのぶんお値段も張るけど・・・ぶっちゃけペン先の違い
第二弾は恐ろしいほどのバリエーションがあります。もちろん萬年筆研究会【WAGNER】史上初！
研ぎのバリエーションを入れないで最大108種類。入れると200種類は軽く超えます。これ製造本数の3倍以上！
お楽しみに！
〔Delayed Get Chance〕と命名され、3月31日（日）午前６時の一発勝負！ということで・・・
対象物は；
１）今回のフライングゲットで読者が値下げ期待していたし、出品者にも値下げの意向があったが、拙者が忙しくて反映できなかったもの（２〜３本）
２）今回の泉筆五宝展で参加者の方からDGC出品依頼のあったもの
３）まだ完成していないが、完成したら購入する権利を担保するもの（予約金必要：完成後購入費用に充当）
というはずだったのだが、肝心の 1）が本番までの間に完売となってしまった
また 2）も 3）も特に申込が無かった。どうやらペントレのフライングゲットにターゲットを絞っている様子
ということで、今回の〔Delayed Get Chance〕は延期とするが、実は 3）に関しては拙者に候補がある
ただし萬年筆研究会【WAGNER】会員/会友優先なので、そちらが一段落してからの連絡となる予定
今しばらくお待ち下さ〜い！ 第一弾は4色展開で各色10本で、革製の専用ペンケース付き（軸色とマッチ）
でも仕様は第二弾の方が豪華です。そのぶんお値段も張るけど・・・ぶっちゃけペン先の違い
第二弾は恐ろしいほどのバリエーションがあります。もちろん萬年筆研究会【WAGNER】史上初！
研ぎのバリエーションを入れないで最大108種類。入れると200種類は軽く超えます。これ製造本数の3倍以上！
お楽しみに！
2024年03月29日
〔 【 Platinum #3776 金魚 14K-太 】調整報告〕アーカイブ
このBlog執筆時代は、万年筆に関する儲けではカートリッジインクの比率が高かったことがわかる。
当時の拙者は、あきらかにカートリッジインクの普及が、万年筆文化をダメにしたように書いてあるが・・・暴論じゃな。
ただ、メンテナンスできる店長さんが少なくなったのは事実。すなわちコミュニケーションも減った。その分万年筆の売り上げは落ちる。
万年筆は、Spec買いする人もいれば、Price買いする人もいる。
しかし、誰から購入するかを重視する人も少なくない。蘊蓄を聞きに行って歓談するだけではなく、その人から購入する安心感が大事。
そういう店主は、大抵が修理や調整が出来た人だった。万年筆はそういうお店で買う物ではないかな？
お店に納品された段階では、半製品で、店頭で購入者の書き癖に合わせて調整して初めて完璧な製品になる・・・ものだから。
今回の依頼品は久々の国産物。国産はカートリッジ式がほとんどで、可動部分が少ない分、修理依頼はほとんど無い。ペン先調整が大半。
その昔、万年筆メーカーの儲けは【インク】と言われていた。六本木ロアビルに【ｄｉｄｉ】という筆記具専門店があった。
万年筆はほとんど定価販売していたが、そこの社長も【儲かるのはインクです】とか・・・
カートリッジ・インクは、そのインクを売る商売としては大成功を収めた。
しかし修理が出来る万年筆店の職人さんを不要にし、修理出来る人がメーカーにしかいなくなった。
しかもVintageに関してはメーカーにも修理人がいなくなり、万年筆文化が消えかかってしまった。
現在、万年筆文化は再興しつつあるが、今の調整の品質で市場に出し続けて長続きするだろうか？
万年筆は【半製品の販売であり、自分で使いやすいように改造して使う】という文化を醸成するには、もう少し時間がかかりそう。
しかし、万年筆とはそういう筆記具。これだけペンの握り方が多様化する中、万人に合う万年筆を出荷するのは、その構造上困難だから・・・・
さて今回の【金魚】であるが、一見すると完璧な形状を持つ万年筆に見える。
唯一の弱点は、セルロイドの継ぎ目（首軸部分）が真上にきていることくらいかな？
#3776の14金ペン先の形は惚れ惚れするくらい美しい。定番品のニブとしては国産No.1だと考えている。
富士山をあしらったデザインも秀逸。戦前の地球印のニブよりもはるかに垢抜けている。
この二ブ先端部分の拡大図。太字のペン先の先端はちゃんとスリットが開いている。
最近は国産、海外物ともおしなべて先端のペンポイントを密着させる傾向があるが、実際にはこれくらい離れていた方がインクフローが良く、気持ちよく書ける。
万年筆の設計者は科学に基づいてペン先の設計をするが、まだまだ【科学では解明されていないが調整者にとってはあたりまえ】という事はたくさんある。
ぜひペン先をデザインする技術者には職人教育も施して欲しい。もし設計者が職人のわざと知識を得たら、最高の万年筆が生まれるだろう。
万年筆を愛し、万年筆に対し理想を持っている人の意見を吸収しなければ魅力的な万年筆は作れない。
今では【万年筆に対するクレーマー】の意見を反映して無難で面白くない万年筆が多い。万年筆文化を潰すのは品質管理部門じゃ。負けるな営業部門！
真横から見た画像。これでオヤっと感じた。もう少しお辞儀させた方が良くないか？しかもペン先がペン芯よりも若干浮いている。
プラチナのペン先の素材は極端に弾力が少ないのでしならない。
そこで少しでもしなりやすいようにフラットなペン先（下にお辞儀してない）が特徴。しかしこの状態ではなぁ・・・・
確認の為にペンポイントの正面画像を苦労して撮った。
これはスキャナーの上にノックアウトブロックを置き、その穴に軸を突っ込んで直立させた状態をＰＣに取り込んだ画像。今回の一番の収穫じゃ！
これで見ると・・・やはり背開きになっている！平たいペン先素材を曲げてからスリットを入れると、必ず背開きになる。
そこから多少お辞儀させる事によって背開きが解消される。そうなれば、今回の依頼内容の【ヒッカカリを取って！】は解決されたも同然じゃ。
話は脱線するが、何故プラチナのニブがグラつかず、首軸から抜けにくいかをお見せしよう。
下はパイロットの10号ニブ。比べてみると上の#3776のニブの方がはるかに長いのがわかろう。
これだけの長さが首軸内の隠されているからこそ、グラつかないし、抜く時大変力が要るわけじゃ・・・
一方ぐらつく！と不満が多いモデルは、殆どの場合、首軸内に入る部分の面積が狭い。代表はパイロットの15号ニブ。
これにはほとほと手を焼いている。書き味は良いのにすぐずれる・・・・
ガリガリ感を背開きが原因と判断し、多少お辞儀させて背開きを取った。またそれに合わせて筆記角度調整を施した。
では試しに・・・いい感じじゃ。依頼者は適度なインクフローが好きなのであまりにドバドバインクが出るような調整はやめておいた。
いつもドバドバ調整をしているので、節度あるインクフローに調整するのは目先が変わって楽しいものじゃな。
当時の拙者は、あきらかにカートリッジインクの普及が、万年筆文化をダメにしたように書いてあるが・・・暴論じゃな。
ただ、メンテナンスできる店長さんが少なくなったのは事実。すなわちコミュニケーションも減った。その分万年筆の売り上げは落ちる。
万年筆は、Spec買いする人もいれば、Price買いする人もいる。
しかし、誰から購入するかを重視する人も少なくない。蘊蓄を聞きに行って歓談するだけではなく、その人から購入する安心感が大事。
そういう店主は、大抵が修理や調整が出来た人だった。万年筆はそういうお店で買う物ではないかな？
お店に納品された段階では、半製品で、店頭で購入者の書き癖に合わせて調整して初めて完璧な製品になる・・・ものだから。
今回の依頼品は久々の国産物。国産はカートリッジ式がほとんどで、可動部分が少ない分、修理依頼はほとんど無い。ペン先調整が大半。その昔、万年筆メーカーの儲けは【インク】と言われていた。六本木ロアビルに【ｄｉｄｉ】という筆記具専門店があった。
万年筆はほとんど定価販売していたが、そこの社長も【儲かるのはインクです】とか・・・
カートリッジ・インクは、そのインクを売る商売としては大成功を収めた。
しかし修理が出来る万年筆店の職人さんを不要にし、修理出来る人がメーカーにしかいなくなった。
しかもVintageに関してはメーカーにも修理人がいなくなり、万年筆文化が消えかかってしまった。
現在、万年筆文化は再興しつつあるが、今の調整の品質で市場に出し続けて長続きするだろうか？
万年筆は【半製品の販売であり、自分で使いやすいように改造して使う】という文化を醸成するには、もう少し時間がかかりそう。
しかし、万年筆とはそういう筆記具。これだけペンの握り方が多様化する中、万人に合う万年筆を出荷するのは、その構造上困難だから・・・・
さて今回の【金魚】であるが、一見すると完璧な形状を持つ万年筆に見える。唯一の弱点は、セルロイドの継ぎ目（首軸部分）が真上にきていることくらいかな？
#3776の14金ペン先の形は惚れ惚れするくらい美しい。定番品のニブとしては国産No.1だと考えている。
富士山をあしらったデザインも秀逸。戦前の地球印のニブよりもはるかに垢抜けている。
この二ブ先端部分の拡大図。太字のペン先の先端はちゃんとスリットが開いている。最近は国産、海外物ともおしなべて先端のペンポイントを密着させる傾向があるが、実際にはこれくらい離れていた方がインクフローが良く、気持ちよく書ける。
万年筆の設計者は科学に基づいてペン先の設計をするが、まだまだ【科学では解明されていないが調整者にとってはあたりまえ】という事はたくさんある。
ぜひペン先をデザインする技術者には職人教育も施して欲しい。もし設計者が職人のわざと知識を得たら、最高の万年筆が生まれるだろう。
万年筆を愛し、万年筆に対し理想を持っている人の意見を吸収しなければ魅力的な万年筆は作れない。
今では【万年筆に対するクレーマー】の意見を反映して無難で面白くない万年筆が多い。万年筆文化を潰すのは品質管理部門じゃ。負けるな営業部門！
真横から見た画像。これでオヤっと感じた。もう少しお辞儀させた方が良くないか？しかもペン先がペン芯よりも若干浮いている。プラチナのペン先の素材は極端に弾力が少ないのでしならない。
そこで少しでもしなりやすいようにフラットなペン先（下にお辞儀してない）が特徴。しかしこの状態ではなぁ・・・・
確認の為にペンポイントの正面画像を苦労して撮った。これはスキャナーの上にノックアウトブロックを置き、その穴に軸を突っ込んで直立させた状態をＰＣに取り込んだ画像。今回の一番の収穫じゃ！
これで見ると・・・やはり背開きになっている！平たいペン先素材を曲げてからスリットを入れると、必ず背開きになる。
そこから多少お辞儀させる事によって背開きが解消される。そうなれば、今回の依頼内容の【ヒッカカリを取って！】は解決されたも同然じゃ。
話は脱線するが、何故プラチナのニブがグラつかず、首軸から抜けにくいかをお見せしよう。下はパイロットの10号ニブ。比べてみると上の#3776のニブの方がはるかに長いのがわかろう。
これだけの長さが首軸内の隠されているからこそ、グラつかないし、抜く時大変力が要るわけじゃ・・・
一方ぐらつく！と不満が多いモデルは、殆どの場合、首軸内に入る部分の面積が狭い。代表はパイロットの15号ニブ。
これにはほとほと手を焼いている。書き味は良いのにすぐずれる・・・・
ガリガリ感を背開きが原因と判断し、多少お辞儀させて背開きを取った。またそれに合わせて筆記角度調整を施した。では試しに・・・いい感じじゃ。依頼者は適度なインクフローが好きなのであまりにドバドバインクが出るような調整はやめておいた。
いつもドバドバ調整をしているので、節度あるインクフローに調整するのは目先が変わって楽しいものじゃな。
2024年03月28日
〔 【 Montblanc 70年代 No.146 18C-EF ペン先交換 】調整報告〕アーカイブ
下の記事に出てくる〔もったいないで知事になった女性〕の名前が知りたくなったので調べてみた。
嘉田由紀子（かだゆきこ）さんで、滋賀県知事を2期勤められたのち、大学教授を経て、現在は参議院議員のようだ。
今なら、生きている1950年代No.146の軸から1970年代のNo.146にペン先移植などしない。ほんとに勿体ない！
実は大事なことも書かれている。それは・・・
ペン先調整の妙味は、削りや研ぎだけではなく、依頼者が万年筆を使うシーンを想定した上での弾力調整にこそある！
ということ。ほんの少しのウェバリー化で軟らかくなるし、少しだけポスティング気味にお辞儀させれば、硬くなる。
その調整とインクフローを調整すれば、何も削らなくても、たいていに人は満足させられる。
無料ペンクリなら、これでいいのだが、有料ペンクリでは、なんとなく満足感を持っていただけないそうだ。
ペーパーを使わない調整の方は実は時間がかかるんだよなぁ・・・調整戻り対策がいるので。
今回の依頼品は1970年代のNo.146。なで肩クリップ、素通しインク窓、金一色の18Cニブ、ヘミングウェイ型首軸先端・・・・
プラスティック製ピストンガイド（金属製ではないという意味）など、拙者が最も好きな組み合わせのNo.146。
No.146は丈夫でバランスも非常に良い。体積当たりの重さはNo.149よりも重いと思われる。どこか精巧感のある珠玉の逸品！
精巧感では50年代のNo.142が最高だと思うが、さすがに年をとった・・・という感じ。
セルロイド製ということもあるが、リュウマチのように関節のアチコチが変形している感がある。
若いころは華やかだったセルロイド軸は、歳を取ると痛々しくなってしまう。そういうところが好き！という人も多いが、拙者は見ていられない・・・
依頼者は極端に寝かせて文字を書く。また非常に筆圧が低い。それにもかかわらずフェザータッチで柔らかい書き味を求めている。
一見、当たり前の要求のように見えるが、非常に無理な要求なのじゃ。そもそもふわふわの弾力は、ある程度の筆圧をかけて楽しむもの。
また筆を考えればわかるが、柔らかなハネやハライを出すにはペンを直立させた方が有利。
1970年代にNo.146が復活してから、最も柔らかいペン先を持つ70年代No.146といえども、依頼者の筆圧では柔らかな書き味は楽しめない・・・
依頼者が過去に驚嘆したのは全て1950年代のNo.146。まだボールペン使いによる強筆圧者が登場する前のもの。
そこで70年代の軸に50年代のペン先を移植しようという暴挙に出たわけじゃ。
無駄な公共事業に対して【もったいない！】と言って女性知事になった方と同じ言葉が出そうになった。
両者のペン芯を比べてみると70年代物の方が長い。一般的には長いほうがインクフローは安定している。
ペン先の長さはどちらも同じようなもの。若干70年代のニブの方が長い。こちらは長いほど首軸の中でホールドされる面積が広いのでぐらつきにくい。
いずれにせよ形状からすれば誤差の範囲なのでなんとかなろう。
問題はニブの厚さ。50年代のニブの方が薄い。従ってそのままでは首軸にセットした段階でユルユルになり、少し力をかけると左右にずれてしまう危険がある。
そういう場合にはペン芯とペン先の根元を太らせるという業を使う。
エボナイトにはいかなる接着剤も効かないという性質を生かして・ペン芯のインクや空気の通路以外で、ペン先と接する部分にポツポツと瞬間接着剤を極細ノズルで付け・・・
そのまま乾燥させる。またニブの方にもペン芯と接する部分にポツポツと極細ノズルで点のように落として乾燥させる。
十分乾燥したらペン芯とペン先を合わせて首軸に押し込む・・・のだが、今回はこの業は使わなかった。
依頼者の筆圧が極端に低いので、横ズレするような力はかからないと判断した。
もう一つの問題は50年代ペン先がやや鳩胸気味で、70年代ペン芯をそのまま用いると、ペン先とペン芯の間に隙間が出来てしまう事。
それならペン先をお辞儀させては・・・と考えがちだが、そもそも柔らかい書き味を求めて交換するのに、お辞儀させたら弾力が強くなってしまう。
そこで、さらにペン先の鳩胸を強化するとともに、ペン芯を反らせてペン先との間にスペースが出来ないようにした。
スリット付きの二段式ペン芯ならすぐに曲がるのだが、上下に切れ目の入っていないペン芯の場合は苦労する。熱湯に一分ほど入れて力ずくで曲げる。指を多少火傷するがガマンじゃ！
そしてペン先をセットしたあとで、再度熱湯に入れ、ペン先とペン芯との間に再度隙間が出来る直前に冷水に入れて曲がりを止める！
最初ペン芯を反らせすぎの状態でペン先をセットすると、ペン先先端が左右に大きく開いている。
熱湯に入れるとそれが戻ろうとする力でペン芯が鳩胸を矯正しだす。それを見ながらペン先先端がピッタリ引っ付く0.5秒前あたりで冷水につけるのじゃ。
まさに勘だけが勝負！でも３回もやれば要領はわかる。ガンガン実験されたし！
こちらが70年代の軸に50年代のペン先を取り付けたもの。
50年代のペン先はバイカラーなので、なんとなく違和感はあるが、全体のシルエットには問題は無い。握った感じも上々！
ここから書き味調整に入る。依頼者の好みの書き味を熟知しているので、調整に迷うことは無い。
柔らかい書き味にするため、多少弾力を弱めてたので、逆に多少でも力を入れるとペンポイントが紙に接する位置が変わる。
従って調整作業は依頼者の筆圧の変化をどの程度見込むかにかかっている。
ペン先調整の妙味は、削りや研ぎだけではなく、依頼者が万年筆を使うシーンを想定した上での弾力調整にこそある。
そして最も重要なのは、依頼者が自分の好みを調整者に正確に伝えられる表現力にかかっているということ。
表現力が卓越していれば、卓越した書き味になる。それなりの表現力では、それなりの書き味で終わってしまうこともある。
要するに万年筆を使いこなしている人ほど的確な表現で望みを伝えられるのじゃ。
拙者の場合、依頼者が卓越した表現力を持ち、万年筆を使いこなしていれば、依頼者の予測を超える書き味に挑戦する。
それなりの表現力しか持たない場合には、その言葉は無視して、拙者がやってみたいと考える調整を施す。往々にして後者の場合に傑作調整が生まれる事が多い。
嘉田由紀子（かだゆきこ）さんで、滋賀県知事を2期勤められたのち、大学教授を経て、現在は参議院議員のようだ。
今なら、生きている1950年代No.146の軸から1970年代のNo.146にペン先移植などしない。ほんとに勿体ない！
実は大事なことも書かれている。それは・・・
ペン先調整の妙味は、削りや研ぎだけではなく、依頼者が万年筆を使うシーンを想定した上での弾力調整にこそある！
ということ。ほんの少しのウェバリー化で軟らかくなるし、少しだけポスティング気味にお辞儀させれば、硬くなる。
その調整とインクフローを調整すれば、何も削らなくても、たいていに人は満足させられる。
無料ペンクリなら、これでいいのだが、有料ペンクリでは、なんとなく満足感を持っていただけないそうだ。
ペーパーを使わない調整の方は実は時間がかかるんだよなぁ・・・調整戻り対策がいるので。
今回の依頼品は1970年代のNo.146。なで肩クリップ、素通しインク窓、金一色の18Cニブ、ヘミングウェイ型首軸先端・・・・プラスティック製ピストンガイド（金属製ではないという意味）など、拙者が最も好きな組み合わせのNo.146。
No.146は丈夫でバランスも非常に良い。体積当たりの重さはNo.149よりも重いと思われる。どこか精巧感のある珠玉の逸品！
精巧感では50年代のNo.142が最高だと思うが、さすがに年をとった・・・という感じ。
セルロイド製ということもあるが、リュウマチのように関節のアチコチが変形している感がある。
若いころは華やかだったセルロイド軸は、歳を取ると痛々しくなってしまう。そういうところが好き！という人も多いが、拙者は見ていられない・・・
依頼者は極端に寝かせて文字を書く。また非常に筆圧が低い。それにもかかわらずフェザータッチで柔らかい書き味を求めている。一見、当たり前の要求のように見えるが、非常に無理な要求なのじゃ。そもそもふわふわの弾力は、ある程度の筆圧をかけて楽しむもの。
また筆を考えればわかるが、柔らかなハネやハライを出すにはペンを直立させた方が有利。
1970年代にNo.146が復活してから、最も柔らかいペン先を持つ70年代No.146といえども、依頼者の筆圧では柔らかな書き味は楽しめない・・・
依頼者が過去に驚嘆したのは全て1950年代のNo.146。まだボールペン使いによる強筆圧者が登場する前のもの。
そこで70年代の軸に50年代のペン先を移植しようという暴挙に出たわけじゃ。無駄な公共事業に対して【もったいない！】と言って女性知事になった方と同じ言葉が出そうになった。
両者のペン芯を比べてみると70年代物の方が長い。一般的には長いほうがインクフローは安定している。
ペン先の長さはどちらも同じようなもの。若干70年代のニブの方が長い。こちらは長いほど首軸の中でホールドされる面積が広いのでぐらつきにくい。
いずれにせよ形状からすれば誤差の範囲なのでなんとかなろう。
問題はニブの厚さ。50年代のニブの方が薄い。従ってそのままでは首軸にセットした段階でユルユルになり、少し力をかけると左右にずれてしまう危険がある。
そういう場合にはペン芯とペン先の根元を太らせるという業を使う。
エボナイトにはいかなる接着剤も効かないという性質を生かして・ペン芯のインクや空気の通路以外で、ペン先と接する部分にポツポツと瞬間接着剤を極細ノズルで付け・・・
そのまま乾燥させる。またニブの方にもペン芯と接する部分にポツポツと極細ノズルで点のように落として乾燥させる。
十分乾燥したらペン芯とペン先を合わせて首軸に押し込む・・・のだが、今回はこの業は使わなかった。
依頼者の筆圧が極端に低いので、横ズレするような力はかからないと判断した。
もう一つの問題は50年代ペン先がやや鳩胸気味で、70年代ペン芯をそのまま用いると、ペン先とペン芯の間に隙間が出来てしまう事。それならペン先をお辞儀させては・・・と考えがちだが、そもそも柔らかい書き味を求めて交換するのに、お辞儀させたら弾力が強くなってしまう。
そこで、さらにペン先の鳩胸を強化するとともに、ペン芯を反らせてペン先との間にスペースが出来ないようにした。
スリット付きの二段式ペン芯ならすぐに曲がるのだが、上下に切れ目の入っていないペン芯の場合は苦労する。熱湯に一分ほど入れて力ずくで曲げる。指を多少火傷するがガマンじゃ！
そしてペン先をセットしたあとで、再度熱湯に入れ、ペン先とペン芯との間に再度隙間が出来る直前に冷水に入れて曲がりを止める！最初ペン芯を反らせすぎの状態でペン先をセットすると、ペン先先端が左右に大きく開いている。
熱湯に入れるとそれが戻ろうとする力でペン芯が鳩胸を矯正しだす。それを見ながらペン先先端がピッタリ引っ付く0.5秒前あたりで冷水につけるのじゃ。
まさに勘だけが勝負！でも３回もやれば要領はわかる。ガンガン実験されたし！
こちらが70年代の軸に50年代のペン先を取り付けたもの。50年代のペン先はバイカラーなので、なんとなく違和感はあるが、全体のシルエットには問題は無い。握った感じも上々！
ここから書き味調整に入る。依頼者の好みの書き味を熟知しているので、調整に迷うことは無い。柔らかい書き味にするため、多少弾力を弱めてたので、逆に多少でも力を入れるとペンポイントが紙に接する位置が変わる。
従って調整作業は依頼者の筆圧の変化をどの程度見込むかにかかっている。
ペン先調整の妙味は、削りや研ぎだけではなく、依頼者が万年筆を使うシーンを想定した上での弾力調整にこそある。
そして最も重要なのは、依頼者が自分の好みを調整者に正確に伝えられる表現力にかかっているということ。
表現力が卓越していれば、卓越した書き味になる。それなりの表現力では、それなりの書き味で終わってしまうこともある。
要するに万年筆を使いこなしている人ほど的確な表現で望みを伝えられるのじゃ。
拙者の場合、依頼者が卓越した表現力を持ち、万年筆を使いこなしていれば、依頼者の予測を超える書き味に挑戦する。
それなりの表現力しか持たない場合には、その言葉は無視して、拙者がやってみたいと考える調整を施す。往々にして後者の場合に傑作調整が生まれる事が多い。
2024年03月27日
〔 本当に欲しい万年筆はどんなもの？ 〕アーカイブ
このアンケートが実施されたのは2007年だったが、ゆるーいアンケートだったので、さほど多くの意見が出てきたわけではなかったはず。
また、当時とはメーカーの情報の集め方も変わってきている。
データマイニングすれば、消費者が好む万年筆の姿もすぐにわかってしまう。
ただし、それは、マニアが欲しがるような魅力があるものではないだろう。マニアは本心を情報発信しないのだ。
それを出させようとしたのが、2010年以降に実施したシビアなアンケート。その時の結果は定例会でも配付したはず。
実は、その時のアンケートには、国産大手のITメーカーが裏でからんでいた。
いわばデーターマイニングやクラウドコンピューティングの先駆けとなるようなソリューションを、その中に盛り込むようにしていた。
地方TV局に枠を確保し、新たなアンケート調査（回答しないとWAGNERクビ？）の結果を踏まえて関係各所を行脚。
そして、軸としてはエボナイトを望む人が多いということになり、笑暮屋さんを訪問し、エボナイト軸の生産工程、万年筆への加工工程を見学。
そして、理想の万年筆を作るまでに行った分析やインフラを、中小企業展でコンサル会社ブースとして行い、その場面をTV製作会社が撮影。
おまけは、その際のレポーターが堤信子さんだった。ご本人は毎日行っている仕事の1本に過ぎないので全くご記憶に無かったそうだが。
この番組は、しばらく笑暮屋さんが出展される際には、設置されたモニターで流されていたので、ご覧になった方もいらっしゃるかも？
拙者も、この時や、その後のアンケートを参考にし、木軸やエボ軸も多く作っている。
またWAGNERの限定品に独自刻印が入っているのも、この時のアンケート結果から導き出された答え。
4月中旬から続々とWAGNER 限定万年筆が出てくるが、高級ラインは木軸とエボ軸。10年以上前のアンケート結果はいまでも十分に参考になるのじゃ！
各25本限定となる八犬伝シリーズはエボナイト製、100本限定となる定例会限定万年筆〔Viva Paris〕は木材製。いずれも存在感アリアリ！お楽しみに！
昨日、拙者が勤務する会社の新規事業開発チームから取材を受けた。
それぞれの分野の【コア】な部分に生息する【同好の士】がどういう情報に反応し、どう動くか？またその購買動向は？ というような内容。
種々の【コア】を分析することによって【同好の士】の消費動向を分析し、そのパターンにフィットする商品開発を、そのプロセスから変革する事を狙っているのだと思われた。
拙者は名誉なことにヲタクの代表として取材を受けたわけじゃ。万年筆界の宅八郎？
その過程で、万年筆業界について考えた事もある。
万年筆業界の特徴は・・・誤解を恐れずに言えば・・・
�ヾ袷瓦淵廛蹈瀬�トアウトで商品開発がされている
�△�客様相談室に入る１人の苦情を元に99人が喜ぶ性能が改悪される
�Ｍ０譴虜能�顧客情報収集手段であるペンクリには満足している人は来ない
�ぅ撻鵐�リにメーカーの役員がいるのを見たことが無い。営業さんはたまに・・・
要するに業界として不足しているのは、万年筆愛好家の声を入手する手段じゃ。
作る人、売る人、買う人が全て幸せになるべきじゃが、万年筆愛好家という買う人は泣く泣く万年筆を使っている・・・昔は良かった！と嘆きながら・・・
不思議なことに万年筆くらぶ【フェンテ】に、万年筆メーカーの人はほとんど参加していない。萬年筆研究会【WAGNER】にいたっては皆無。
この状態では【無難な万年筆】が増えるばかりで【魅力的な萬年筆】は出ないな・・・と絶望に近い感覚を持ってしまった。
拙者も皆がどんな万年筆が欲しいのかはよくわからない。
しかし自分にとって完璧な万年筆が出来たら金に糸目を付けずに買うであろうことは想像に難くない。
万年筆業界の活性化は、
�＾貮瑤凌諭垢貿�狂的に支持される【完全無欠の萬年筆】を作る（フラッグシップ）
��中古市場を確立する事（カメラのように気軽、中古車のように整備者要）
に尽きると以前から考えている。
�△魯�ークションなどで流通が始まったし、修理できるショップも増えてきた。
問題は�，犬磧�そこで久しぶりに読者の皆さんに�，亡悗靴峠颪い討發蕕い燭ぁ�
ただし今回は機能についてだけアンケートに答える形式で書いて欲しい。
前回は【純銀のM300】なんて素材の話が中心になった・・・これでは国産万年筆メーカーの参考にはならない。
そのまま作ってくれなくても良い。が、作れば非常に付加価値の高い商品になるだろう。
そしてその商品はメンテナンスが出来る小売店でしか取り扱わない・・・というくらいの覚悟でお願いしたいものじゃ。
我々は差別化された商品を求めている。安価である必要はない！時計にたとえるならグランドセイコーかな？
☆以下の質問に対する答え（一部でもけっこう）と、一言をコメント欄に書いて欲しい
��ボディの素材【革、純銀、金無垢、スネークウッド、ブライヤー、エボナイト、セルロイド、樹脂、漆塗、蒔絵など】
��吸入機構【テレスコープ、回転吸入、スノーケル、タッチダウン、レバーフィラー、ツイストフィラーなど】
��ペン先の素材【14金、18金、20金、21金、チタン、プラチナなど】
��ペン芯の素材【エボナイト＋漆、エボナイト、エボナイトもどきの樹脂、樹脂】
��どうしても欲しいニブのバリエーション【ステノグラフ、ミュージック、6B、可変、超軟、超極細、ダブルキングイーグルなど】
��キャップの締め方【嵌合（かんごう）式、回転式、差込式、キャップレス（回転、ノック）など】
��キャップの尻軸への挿し方【ねじ込み式、かぶせ式、ポルトプリューム式、挿さないなど】
��ペン先の形状【イカペン、オープンニブ（通常）、フーデッド、一体型など】
��清掃容易性【クリップにいたるまで特殊工具無しで全て分解、ペン先ユニットだけ分解、分解不要など】
ではよろしく！
また、当時とはメーカーの情報の集め方も変わってきている。
データマイニングすれば、消費者が好む万年筆の姿もすぐにわかってしまう。
ただし、それは、マニアが欲しがるような魅力があるものではないだろう。マニアは本心を情報発信しないのだ。
それを出させようとしたのが、2010年以降に実施したシビアなアンケート。その時の結果は定例会でも配付したはず。
実は、その時のアンケートには、国産大手のITメーカーが裏でからんでいた。
いわばデーターマイニングやクラウドコンピューティングの先駆けとなるようなソリューションを、その中に盛り込むようにしていた。
地方TV局に枠を確保し、新たなアンケート調査（回答しないとWAGNERクビ？）の結果を踏まえて関係各所を行脚。
そして、軸としてはエボナイトを望む人が多いということになり、笑暮屋さんを訪問し、エボナイト軸の生産工程、万年筆への加工工程を見学。
そして、理想の万年筆を作るまでに行った分析やインフラを、中小企業展でコンサル会社ブースとして行い、その場面をTV製作会社が撮影。
おまけは、その際のレポーターが堤信子さんだった。ご本人は毎日行っている仕事の1本に過ぎないので全くご記憶に無かったそうだが。
この番組は、しばらく笑暮屋さんが出展される際には、設置されたモニターで流されていたので、ご覧になった方もいらっしゃるかも？
拙者も、この時や、その後のアンケートを参考にし、木軸やエボ軸も多く作っている。
またWAGNERの限定品に独自刻印が入っているのも、この時のアンケート結果から導き出された答え。
4月中旬から続々とWAGNER 限定万年筆が出てくるが、高級ラインは木軸とエボ軸。10年以上前のアンケート結果はいまでも十分に参考になるのじゃ！
各25本限定となる八犬伝シリーズはエボナイト製、100本限定となる定例会限定万年筆〔Viva Paris〕は木材製。いずれも存在感アリアリ！お楽しみに！
昨日、拙者が勤務する会社の新規事業開発チームから取材を受けた。
それぞれの分野の【コア】な部分に生息する【同好の士】がどういう情報に反応し、どう動くか？またその購買動向は？ というような内容。
種々の【コア】を分析することによって【同好の士】の消費動向を分析し、そのパターンにフィットする商品開発を、そのプロセスから変革する事を狙っているのだと思われた。
拙者は名誉なことにヲタクの代表として取材を受けたわけじゃ。万年筆界の宅八郎？
その過程で、万年筆業界について考えた事もある。
万年筆業界の特徴は・・・誤解を恐れずに言えば・・・
�ヾ袷瓦淵廛蹈瀬�トアウトで商品開発がされている
�△�客様相談室に入る１人の苦情を元に99人が喜ぶ性能が改悪される
�Ｍ０譴虜能�顧客情報収集手段であるペンクリには満足している人は来ない
�ぅ撻鵐�リにメーカーの役員がいるのを見たことが無い。営業さんはたまに・・・
要するに業界として不足しているのは、万年筆愛好家の声を入手する手段じゃ。
作る人、売る人、買う人が全て幸せになるべきじゃが、万年筆愛好家という買う人は泣く泣く万年筆を使っている・・・昔は良かった！と嘆きながら・・・
不思議なことに万年筆くらぶ【フェンテ】に、万年筆メーカーの人はほとんど参加していない。萬年筆研究会【WAGNER】にいたっては皆無。
この状態では【無難な万年筆】が増えるばかりで【魅力的な萬年筆】は出ないな・・・と絶望に近い感覚を持ってしまった。
拙者も皆がどんな万年筆が欲しいのかはよくわからない。
しかし自分にとって完璧な万年筆が出来たら金に糸目を付けずに買うであろうことは想像に難くない。
万年筆業界の活性化は、
�＾貮瑤凌諭垢貿�狂的に支持される【完全無欠の萬年筆】を作る（フラッグシップ）
��中古市場を確立する事（カメラのように気軽、中古車のように整備者要）
に尽きると以前から考えている。
�△魯�ークションなどで流通が始まったし、修理できるショップも増えてきた。
問題は�，犬磧�そこで久しぶりに読者の皆さんに�，亡悗靴峠颪い討發蕕い燭ぁ�
ただし今回は機能についてだけアンケートに答える形式で書いて欲しい。
前回は【純銀のM300】なんて素材の話が中心になった・・・これでは国産万年筆メーカーの参考にはならない。
そのまま作ってくれなくても良い。が、作れば非常に付加価値の高い商品になるだろう。
そしてその商品はメンテナンスが出来る小売店でしか取り扱わない・・・というくらいの覚悟でお願いしたいものじゃ。
我々は差別化された商品を求めている。安価である必要はない！時計にたとえるならグランドセイコーかな？
☆以下の質問に対する答え（一部でもけっこう）と、一言をコメント欄に書いて欲しい
��ボディの素材【革、純銀、金無垢、スネークウッド、ブライヤー、エボナイト、セルロイド、樹脂、漆塗、蒔絵など】
��吸入機構【テレスコープ、回転吸入、スノーケル、タッチダウン、レバーフィラー、ツイストフィラーなど】
��ペン先の素材【14金、18金、20金、21金、チタン、プラチナなど】
��ペン芯の素材【エボナイト＋漆、エボナイト、エボナイトもどきの樹脂、樹脂】
��どうしても欲しいニブのバリエーション【ステノグラフ、ミュージック、6B、可変、超軟、超極細、ダブルキングイーグルなど】
��キャップの締め方【嵌合（かんごう）式、回転式、差込式、キャップレス（回転、ノック）など】
��キャップの尻軸への挿し方【ねじ込み式、かぶせ式、ポルトプリューム式、挿さないなど】
��ペン先の形状【イカペン、オープンニブ（通常）、フーデッド、一体型など】
��清掃容易性【クリップにいたるまで特殊工具無しで全て分解、ペン先ユニットだけ分解、分解不要など】
ではよろしく！
2024年03月26日
〔 【 Pelikan 100 14C-F 2本から一本を作る！ 】 調整報告 〕アーカイブ
万年筆の機構に問題があるわけではなく、万年筆の持ち主と万年筆との折り合いが悪いときには、まずは、書き癖とペンポイントの状態を把握する必要がある。
ペンポイントの状態は、だいたい30秒から60秒くらいで把握できる。
では、書き癖の把握にはどれくらい時間がかかるのか？
実は調整の場面によって時間は変わる。
たとえば、調整付き1000円の万年筆を販売する場合には、書き癖の把握は、紙にペン先を置いた瞬間に終了する。
もし非常に高価な万年筆をなんとか使いこなそうというのであれば、書き癖の把握には5分〜10分ほどかかるが、この事例のように60分かかったのは、他に記憶が無い。
持ち主の要求レベルが高ければ、書き癖の把握に時間を要する。
A4の紙の9箇所で、縦書きと横書きで字を3文字ずつ書いてもらう。
そして、それぞれの位置での筆記角度と捻りと筆圧の強弱を記録しておく。
その記録紙があれば、ご本人がいなくても完璧な調整は可能。もちろん追い込み調整になるので、値段も高い。
一方で1000円万年筆の場合は、書き出し字の筆記角度しか見ていない。意識しての手抜き。
過剰品質の調整は、手に何本か1000円万年筆を握って待ってられる方に失礼。
値段相応の調整しかしないのがイベントでの流儀。
たまに持ち帰りで良いので、1000円万年筆を追い込み調整して欲しいとの要望もある。
たとえば、一ヶ月間の追い込み調整をすれば、調整料は1万円をこえるが、1000円万年筆が、定価10,000円の書き味を超えるはずが無い・・・わけではありませ〜ん。
その書き味が長持ちするかどうかは別にして、小さなペンポイントを持つスチール製ペン先の書き味は、侮れません。
追い込み調整された1000円ペンと、購入したばかりの金ペン付き万年筆の書き味を比較したら、ほとんどの場合は、1000円ペンの圧勝でしょう。100%かも？
ただね、調整の醍醐味は、全く手に合わない万年筆を手に合うようにすること。
その瞬間の依頼者の笑顔を見るのだけが楽しみで調整しているようなもの。
そして相手を見れば、どれくらいで書き味に満足してくれるかも想像が付く。
この蓄積こそが調整師の宝なのだが、これを伝承するすべを持っていないのが歯がゆい・・・
通常、依頼主の書き癖を把握するには、５秒も書いてもらえば判る。
もちろん個人の書き癖にピッタリフィットするような高度な調整の場合には、もっと時間が必要。
ドバドバのインクフローで何行も縦書きで一気に書く人がいる。こういう場合は２行目に入ってもインクは乾いていない。
従って手の位置はそのままで、ペンを１行分押し出すようにして書く。これを４行目くらいまで押し出しながら書く・・・行ごとに、どんどん後ろの方を持って書くわけじゃ。
また縦書きで手の腹を紙に固定したまま、行の上の方を書く時にはペンを寝かせ後ろの方を持ち、だんだんとペンを起こしながら首軸側を持つようにして下の方を書く人もいる。
こういう人にとっては、鉛筆が最高の筆記具であり、油性ボールペンが最悪の筆記具じゃろうな。
上記２例のような事例（いずれも縦書き）があるので、縦書きの人の調整には注意しておる。
元来万年筆が発明された時点では、縦書きなど想定外。それを日本のメーカーが苦労して縦書きも出来るように研ぎを工夫して来た・・・
従って独逸製万年筆の調整では、通常横書きを前提としている。その場合、左利きでも無ければ、握る位置、筆記角度、筆圧、指の位置（握り方）が判ればOK!
その把握には５秒もあれば十分（じゅうぶん）というわけじゃ。
ところが今回は、書き癖の把握に１時間ほどかかった。縦書きだったこともあるが、持ち方も書き方も特殊！
まずは机の上に羅紗布を敷く。
その上に原稿用紙を１枚だけ乗せる。おもむろに万年筆のキャップを外して尻軸に嵌め、キャップ部分を手で挟み、ペンを垂直に立てて、筆圧ゼロで紙に当てて書き始める・・・
そう、依頼者は書家なのじゃ。
羅紗布というクッションの上にそっと載った原稿用紙に筆圧ゼロで筆を当てる・・・やってみると面白いが、極細以外のペン先ではほとんどインクが付かない。
しかも依頼者は、書き出しは細く、ハネやハライの際にはぐわっと太くなるような字幅をご所望。
拙者は小学校卒業後、筆ペンすら握った事はない。従ってどれが良い書き方かわからないが、１時間ほどお付き合いしているうちに、おぼろげながら判ってきた。
依頼者にはオノト両ベロの超長い軸が最もおすすめ。柔らかくてもブルドックのような太い軸では書きにくいが、筆よりは太くないと万年筆を使う意味が無い。
M1000あたりを日常的には使っているということじゃった。
依頼品はPelikan 100。拙者も昔は良く調整したものだが、最近は遭遇する事が少なくなったなぁ・・・
と調べてみたら、拙者の調整報告の中ではPelikan 100は初登場！Pelikan 100Nも過去に一本しか報告していない。
100や100Nシリーズは自分で特殊器具無しで分解できる為、軸内部でインクが固まった場合の対処が簡単とか、ペン先がソケット毎外れるので問題が発生しにくいのかもしれないな。
当初付いていたのが上のペン先。悪くは無いのだが、書家からみれば今一歩ということらしい。
ペン芯の位置、スリットの具合ともパーフェクトなので、ペン先の素質が要件を満たしていないと言える。
一応全て分解して不具合が無いかどうか確認してみたが、コルクの不具合も無く、パーフェクト。特にインク窓の綺麗さには驚かされる。
ペン先が２本あるが、これは必要ならペン先を交換して欲しいと持ち込まれたものじゃ。
万年筆には素人の書家がスペアのペン先を用意して持ち込むはずはなく、WAGNER会員が同行しての依頼。
上が元々付いていたペン先で、下が交換用に持ち込まれたもの。
交換用として持ち込まれた方のイリジウムは激しく磨耗しているが、書家の筆圧なら今後100年くらいは問題なく使えそうじゃな。
刻印がまったく違うが、これは製造の年代が違うのか、付いていたモデルが違うのか、製造した工場が違うのか・・・拙者は知らんので知っている人がいたら教えて欲しい。
試してみると、たしかに代替品の方が柔らかい。どうやらペン先自体が薄いようじゃ。戦前の物なので、ある程度は個体差があったのかもしれない。
ソケットに取り付ける際も、専用の工具を使った。ペン先が薄いので指で捻ればその段階で調整が狂う可能性もある。
絶対にソケットを外してはならないという事を申し添えて渡さねばならないと考えておる。
万年筆なんてのは多少粗雑な扱いをしても、そうそう壊れるものではない。現代の物は！
しかし軸やペン芯が劣化したり痩せたりしているようなVntage万年筆の場合はその限りではない。1930年生まれといえば77歳じゃ。足腰や内臓に不具合が出てくるのが当然！
年取った老人を扱うがごとくにVintage万年筆に接する必要がある。
強筆圧でゴリゴリ書く際には現行品を用い、Vintage品で書く際にはフェザータッチで！・・・これが出来るだけ長くVintage万年筆を後世の人にまで利用していただける策の一つじゃ。
書き出しは細く！ということで書き出しの調整は掠れが少ない事の一点に絞った。エッジがある書き出しでないと依頼者は満足しないだろう。
従ってスリットは通常調整よりも詰めてある。詰めても書き出しで掠れないというのは神業調整。
しかも通常の筆圧ゼロではなく、羅紗布の上に置いた一枚の原稿用紙の上での筆圧ゼロ！
【羽毛で押しても凹む】のが羅紗布上原稿用紙の感触・・・イリジウムをラッピング・フィルムなんぞで舐めたら一切インクは紙に付かない。
こちらが横顔。ハネやハライの際の、極限まで強い筆圧をかけた際にもインクが追随するよう、ペン芯を下げた。
逆のように感じるかもしれないが、ペン先のポンプ運動でちゃんとインクは送り出されてくる。
あまり首軸に突っ込むとペン先がしならないので、さらに筆圧をかけ、ペン先がペン芯から極端に浮き上がってしまう。
そうするとインクが途切れる！ペン先が横に開く分にはインクはポンプ運動で供給されるのじゃ。
インクを入れて書いてみる・・・多少筆圧をかけて、ものすごい速さの横線を書いてみる。キュイーン！という筆記音とともにインクの飛沫が紙に飛び散る。
思わずにっこり！このペン先に対して出来ることは全てやった。あとは依頼者がこれを気に入るかどうかじゃ。
もし気に入らないとしたら、それは拙者の調整能力の限界ではなく、このペン先の持つ能力の限界！引き出せる力は全て引き出せてあげたはず。
近々、この書家用の更なる【驚き調整】をお目にかけよう！
ペンポイントの状態は、だいたい30秒から60秒くらいで把握できる。
では、書き癖の把握にはどれくらい時間がかかるのか？
実は調整の場面によって時間は変わる。
たとえば、調整付き1000円の万年筆を販売する場合には、書き癖の把握は、紙にペン先を置いた瞬間に終了する。
もし非常に高価な万年筆をなんとか使いこなそうというのであれば、書き癖の把握には5分〜10分ほどかかるが、この事例のように60分かかったのは、他に記憶が無い。
持ち主の要求レベルが高ければ、書き癖の把握に時間を要する。
A4の紙の9箇所で、縦書きと横書きで字を3文字ずつ書いてもらう。
そして、それぞれの位置での筆記角度と捻りと筆圧の強弱を記録しておく。
その記録紙があれば、ご本人がいなくても完璧な調整は可能。もちろん追い込み調整になるので、値段も高い。
一方で1000円万年筆の場合は、書き出し字の筆記角度しか見ていない。意識しての手抜き。
過剰品質の調整は、手に何本か1000円万年筆を握って待ってられる方に失礼。
値段相応の調整しかしないのがイベントでの流儀。
たまに持ち帰りで良いので、1000円万年筆を追い込み調整して欲しいとの要望もある。
たとえば、一ヶ月間の追い込み調整をすれば、調整料は1万円をこえるが、1000円万年筆が、定価10,000円の書き味を超えるはずが無い・・・わけではありませ〜ん。
その書き味が長持ちするかどうかは別にして、小さなペンポイントを持つスチール製ペン先の書き味は、侮れません。
追い込み調整された1000円ペンと、購入したばかりの金ペン付き万年筆の書き味を比較したら、ほとんどの場合は、1000円ペンの圧勝でしょう。100%かも？
ただね、調整の醍醐味は、全く手に合わない万年筆を手に合うようにすること。
その瞬間の依頼者の笑顔を見るのだけが楽しみで調整しているようなもの。
そして相手を見れば、どれくらいで書き味に満足してくれるかも想像が付く。
この蓄積こそが調整師の宝なのだが、これを伝承するすべを持っていないのが歯がゆい・・・
通常、依頼主の書き癖を把握するには、５秒も書いてもらえば判る。もちろん個人の書き癖にピッタリフィットするような高度な調整の場合には、もっと時間が必要。
ドバドバのインクフローで何行も縦書きで一気に書く人がいる。こういう場合は２行目に入ってもインクは乾いていない。
従って手の位置はそのままで、ペンを１行分押し出すようにして書く。これを４行目くらいまで押し出しながら書く・・・行ごとに、どんどん後ろの方を持って書くわけじゃ。
また縦書きで手の腹を紙に固定したまま、行の上の方を書く時にはペンを寝かせ後ろの方を持ち、だんだんとペンを起こしながら首軸側を持つようにして下の方を書く人もいる。
こういう人にとっては、鉛筆が最高の筆記具であり、油性ボールペンが最悪の筆記具じゃろうな。
上記２例のような事例（いずれも縦書き）があるので、縦書きの人の調整には注意しておる。
元来万年筆が発明された時点では、縦書きなど想定外。それを日本のメーカーが苦労して縦書きも出来るように研ぎを工夫して来た・・・
従って独逸製万年筆の調整では、通常横書きを前提としている。その場合、左利きでも無ければ、握る位置、筆記角度、筆圧、指の位置（握り方）が判ればOK!
その把握には５秒もあれば十分（じゅうぶん）というわけじゃ。
ところが今回は、書き癖の把握に１時間ほどかかった。縦書きだったこともあるが、持ち方も書き方も特殊！
まずは机の上に羅紗布を敷く。
その上に原稿用紙を１枚だけ乗せる。おもむろに万年筆のキャップを外して尻軸に嵌め、キャップ部分を手で挟み、ペンを垂直に立てて、筆圧ゼロで紙に当てて書き始める・・・
そう、依頼者は書家なのじゃ。
羅紗布というクッションの上にそっと載った原稿用紙に筆圧ゼロで筆を当てる・・・やってみると面白いが、極細以外のペン先ではほとんどインクが付かない。
しかも依頼者は、書き出しは細く、ハネやハライの際にはぐわっと太くなるような字幅をご所望。
拙者は小学校卒業後、筆ペンすら握った事はない。従ってどれが良い書き方かわからないが、１時間ほどお付き合いしているうちに、おぼろげながら判ってきた。
依頼者にはオノト両ベロの超長い軸が最もおすすめ。柔らかくてもブルドックのような太い軸では書きにくいが、筆よりは太くないと万年筆を使う意味が無い。
M1000あたりを日常的には使っているということじゃった。
依頼品はPelikan 100。拙者も昔は良く調整したものだが、最近は遭遇する事が少なくなったなぁ・・・と調べてみたら、拙者の調整報告の中ではPelikan 100は初登場！Pelikan 100Nも過去に一本しか報告していない。
100や100Nシリーズは自分で特殊器具無しで分解できる為、軸内部でインクが固まった場合の対処が簡単とか、ペン先がソケット毎外れるので問題が発生しにくいのかもしれないな。
当初付いていたのが上のペン先。悪くは無いのだが、書家からみれば今一歩ということらしい。
ペン芯の位置、スリットの具合ともパーフェクトなので、ペン先の素質が要件を満たしていないと言える。
一応全て分解して不具合が無いかどうか確認してみたが、コルクの不具合も無く、パーフェクト。特にインク窓の綺麗さには驚かされる。ペン先が２本あるが、これは必要ならペン先を交換して欲しいと持ち込まれたものじゃ。
万年筆には素人の書家がスペアのペン先を用意して持ち込むはずはなく、WAGNER会員が同行しての依頼。
上が元々付いていたペン先で、下が交換用に持ち込まれたもの。交換用として持ち込まれた方のイリジウムは激しく磨耗しているが、書家の筆圧なら今後100年くらいは問題なく使えそうじゃな。
刻印がまったく違うが、これは製造の年代が違うのか、付いていたモデルが違うのか、製造した工場が違うのか・・・拙者は知らんので知っている人がいたら教えて欲しい。
試してみると、たしかに代替品の方が柔らかい。どうやらペン先自体が薄いようじゃ。戦前の物なので、ある程度は個体差があったのかもしれない。
ソケットに取り付ける際も、専用の工具を使った。ペン先が薄いので指で捻ればその段階で調整が狂う可能性もある。絶対にソケットを外してはならないという事を申し添えて渡さねばならないと考えておる。
万年筆なんてのは多少粗雑な扱いをしても、そうそう壊れるものではない。現代の物は！
しかし軸やペン芯が劣化したり痩せたりしているようなVntage万年筆の場合はその限りではない。1930年生まれといえば77歳じゃ。足腰や内臓に不具合が出てくるのが当然！
年取った老人を扱うがごとくにVintage万年筆に接する必要がある。
強筆圧でゴリゴリ書く際には現行品を用い、Vintage品で書く際にはフェザータッチで！・・・これが出来るだけ長くVintage万年筆を後世の人にまで利用していただける策の一つじゃ。
書き出しは細く！ということで書き出しの調整は掠れが少ない事の一点に絞った。エッジがある書き出しでないと依頼者は満足しないだろう。従ってスリットは通常調整よりも詰めてある。詰めても書き出しで掠れないというのは神業調整。
しかも通常の筆圧ゼロではなく、羅紗布の上に置いた一枚の原稿用紙の上での筆圧ゼロ！
【羽毛で押しても凹む】のが羅紗布上原稿用紙の感触・・・イリジウムをラッピング・フィルムなんぞで舐めたら一切インクは紙に付かない。
こちらが横顔。ハネやハライの際の、極限まで強い筆圧をかけた際にもインクが追随するよう、ペン芯を下げた。逆のように感じるかもしれないが、ペン先のポンプ運動でちゃんとインクは送り出されてくる。
あまり首軸に突っ込むとペン先がしならないので、さらに筆圧をかけ、ペン先がペン芯から極端に浮き上がってしまう。
そうするとインクが途切れる！ペン先が横に開く分にはインクはポンプ運動で供給されるのじゃ。
インクを入れて書いてみる・・・多少筆圧をかけて、ものすごい速さの横線を書いてみる。キュイーン！という筆記音とともにインクの飛沫が紙に飛び散る。
思わずにっこり！このペン先に対して出来ることは全てやった。あとは依頼者がこれを気に入るかどうかじゃ。
もし気に入らないとしたら、それは拙者の調整能力の限界ではなく、このペン先の持つ能力の限界！引き出せる力は全て引き出せてあげたはず。
近々、この書家用の更なる【驚き調整】をお目にかけよう！
2024年03月25日
〔 ゴルフ･ペンシルに関する疑問 〕アーカイブ
この記事をUpした時のコメントで、写真のOMASのペンシルは、ゴルフペンシルではなく、レディ用ペンシルだとわかった。
ただ、当時コメントして下さった方で、ゴルフをやっていた方が一人だけなので、どうもモヤモヤが晴れない。
このゴルフペンシルは、現代でも便利なのか？現代では普通はボールペンじゃない？
スコア書く時に消しゴム使う事ある？たとえばスコアを清書する際に？
昔は皆さんチョコレートとか言って賭けゴルフとかしてたけど、今でもしてるのかな？
以前の会社で、賭けゴルフでクビになった役員がいた。
社長と役員数人とでゴルフしてて、その役員が大負けして、悔しくて社長の真向かいのテーブルに座って、数万円を机にたたきつけた。
その瞬間、社長が〔ハイ、これ無し！〕といってお金を受け取らず、翌週からその役員は出勤しなくなった。
賭けるから熱くなる。大谷さんの通訳とは規模が違うけど、賭け事の本質は、自分を見失うこと。
クビになった役員も、普段はすごく親身になって相談に乗ってくれる・・・人事担当役員だったのにな。
ただ、当時コメントして下さった方で、ゴルフをやっていた方が一人だけなので、どうもモヤモヤが晴れない。
このゴルフペンシルは、現代でも便利なのか？現代では普通はボールペンじゃない？
スコア書く時に消しゴム使う事ある？たとえばスコアを清書する際に？
昔は皆さんチョコレートとか言って賭けゴルフとかしてたけど、今でもしてるのかな？
以前の会社で、賭けゴルフでクビになった役員がいた。
社長と役員数人とでゴルフしてて、その役員が大負けして、悔しくて社長の真向かいのテーブルに座って、数万円を机にたたきつけた。
その瞬間、社長が〔ハイ、これ無し！〕といってお金を受け取らず、翌週からその役員は出勤しなくなった。
賭けるから熱くなる。大谷さんの通訳とは規模が違うけど、賭け事の本質は、自分を見失うこと。
クビになった役員も、普段はすごく親身になって相談に乗ってくれる・・・人事担当役員だったのにな。
ずっと以前から疑問に思っていた事がある。人に聞くのもはばかられてずっと聞いていなかった。
今回ペンを整理していたら、ゴルフペンシルがゴロゴロと出てきたので、これを機会に皆さんに聞いてみたい。
拙者はゴルフをやった事がない。小学生のころ、父親のドライバーでゴルフボールを思いっきり打ったら、それがブロック塀に当たって跳ね返り、鎖骨を骨折した・・・。
左利きの拙者が右利きの父親のドライバーでスイングしたので、体が不安定でよけ切れなかったのじゃ。
社会人になってから、同期の社員と一緒に軽井沢に行った。
ほとんどがテニスをしていたが、拙者らはラグビー！人数が少ないので、疲れ果てたが、誰かが打ちっぱなしに行こうと言いだした。
いやな予感はしたのだが・・・ついていった。
さすがに左利き用のクラブも用意されていた。思いっきり打ったら、真横で打っていた友人の鼻先をボールが掠めた・・・
それ以来クラブは握っていない。従って、ゴルフペンシルをどういう状況で使うのかを理解していない。
ゴルフペンシルに何故、チェーンのリング付いているのか？首からぶら下げてはプレー出来まいに・・・
ゴルフ・ペンシルの後ろを開けると、消しゴムが入っている。紳士のスポーツであるゴルフでスコアが改竄出来るようなペンシルを使うのか？はたまた消しゴムが必要なのか？
むかし【ゴルフ万年筆】を入手した記憶があるが、あれこそ本道ではないか？Pelikan Golf じゃありませんよ・・・
改竄が出来やすい消しゴムを付けておいて、それでも改竄しない者こそ紳士なのですよとの踏み絵なのか？
たとえ改竄はしなくとも、チョコレートとか言って賭けゴルフをしている者が紳士なのか？
車で来ていても、ランチといっしょにビールを飲んで、午後プレーすれば抜けるから・・・と言っている者が紳士なのか？
単に、紳士じゃない人がゴルフをしているだけなのか？
最後に、写真の黒いのはOMAS製、残りの２本はSheaffer製じゃが、
OMAS製の長いのはゴルフペンシルなのか、
レディ用ペンシルなのか・・・
2024年03月24日
〔 【 Pelikan M800用 14C O3B → 3B ＆ 鍍金 】調整報告 〕アーカイブ
最近はペン先の全面鍍金は、まずやらない。やったところで鍍金の耐久性はさほど強くない。
これは脱脂という作業を青酸カリ？を使ってやっていないからかな？
山村美紗の小説には、よく鍍金工場から盗んだ青酸カリで殺害するというエピソードが出てくるが、青酸カリは脱脂に使われていたらしい。
最近拙者がやる鍍金は、ほとんどが部分鍍金。ロジウム鍍金ペン先の研出しをやると鍍金が剥がれて金が出てくるが、そこにロジウム鍍金を施す。
金の上に施したロジウムの（部分）鍍金は強いので、まず気付かれない。
ロジウム鍍金のペン先研出し後に、ロジウム鍍金をかけている調整師は、実は拙者以外はいないはず。もちろん趣味でやっている方は別ね。
ただ、ロジウム鍍金を施しても、いつかは剥がれてしまう。
従って〔研出しするとロジウム鍍金が剥がれてしまいますが、よろしいですか？〕と研出し前にちゃんと聞いてくれる調整師が一流！
最期が面白い。
細字調整は、ある意味【賭け事】に似ている。
ついもう少しだけ削るともっと書き味が良くなるかも？とペンポイントを削ってドツボに嵌まる。
大谷さんの通訳の人の行動はアマチュアが調整を楽しむときに陥りやすい失敗。
終わり時を判断出来るのがプロの調整師。だからプロの調整は100%ではないのだ。99.9%くらいで止めている。
ただし、プロも自分用は100％を追求し、ごく稀にはドボンする・・・と聞いた。
今回の依頼内容は【Pelikan M800用の14C-O3Bのニブを研磨し、14C-3Bのニブをつくり、バイカラーをピンクゴールドに鍍金する事】というもの。
拙者は同じ鍍金を施したニブをPelikan Nord/LBに取り付けていた。
それを試した依頼主から【同じ物を作って欲しい、ただし新品のO3Bニブで！】との切なる願い！
幸いM800用O3Bニブはいくつかストックがあるので、その中から一個を選んだ。
この14Cニブは現行の18Cニブより柔らかいといわれている。たしかに現行のニブよりは柔らかいが、p.f.マーク入りの18Cニブとの比較では個体差でしかない。
14Cが柔らかいという人もいれば、18C p.f.が柔らかいという人もいる。拙者はどちらもいっしょと考えている・・・というか、その差を検知出来るほど指先が鋭敏ではない。
3Bの14Cと18C p.f.ニブとの一番大きな差はペンポイントの厚さ。18C p.f.のぺンポイントは厚い。従って斜めに削った斜面の面積を大きく出来る。
ペンタッチの感触はペンポイントの単位面積あたりの筆圧に反比例する。すなわち面積が広いほどタッチは柔らかい事になる。
従って素質は18C p.f.の方があるのだが、残念ながら研ぎだして売られる事は一部万年筆店を除いては無い。
ちなみに現行の18Cニブのペンポイントの厚さは14Cとほぼ同じ。
当初はその事実だけから14Cニブと現行18Cニブは同じ製造場所で作られ、18C p.f.は別のOEM生産先に委託していた！ との仮説をたてていたが・・・
ペン先の形状は14Cと18C p.f.が同じで、現行ニブは内側への丸まったような形状をしている・・・
とまぁ、３個のペン先を見比べるだけでも十分に楽しめるのじゃ！
改造の第一歩はO3Bの右肩上がりのペンポイントを平坦な状態に削りだす。これはNo.320番の耐水ペーパーの上でゴリゴリとペン先を動かして削る。
出来れば軸にセットした状態の方が無難。最初は大体の形で良い。
次にそのペン先を軸にセットし、依頼者の筆記角度で力いっぱい20文字ほど320番の耐水ペーパーの上で書く。
この段階ではペンポイントの腹の削りはO3Bのままなので、それを3Bの形状に直す気持ちで字を書くのじゃ。
そこから先は、ペンクリで見ている人にしかわからない残酷シーンが始まる。
耐水ペーパーの上で、ゴリゴリと大音響をたてながら８の字旋回や、前進後退を繰り返す。
これがペンポイントの対角線を削り切ってしまう二歩手前くらいまで続く・・・
この段階でほとんどの人は目をそむけるか、後ずさりしてしまう。
心臓が悪い人には危険なので、出来るだけ医師には立ち会っていていただいておる。ご専門は司法解剖・・・
その後は順次番手の細かい耐水ペーパーで形状を整えていく。
これはペン先を右手にしっかりとホールドし、左手で理想の形状になるように削るのじゃ。（ちなみに拙者左利きなので左手にペーパーを持って作業する）
要するに理想の形状がわかっていないと削れない。そこでヒントとなるのが削った画像。
今回は一番重要な横顔は掲載していない・・・というか撮り忘れた。が、過去の調整映像にあるかもしれないので、過去記事も確認してみなされ。
こちらは研ぎが終わったあとで、金磨き布で擦ってバイカラーのプラチナ鍍金部分を落とした段階での画像。
ほとんど金一色にはなっているが、刻印の溝には銀色が残っている。これを彫りながら削るのは不可能なので、金鍍金を施す。
18金鍍金、20金鍍金、24金鍍金など試してみたが、一番クリップの色合いとの調和が良いのがピンクゴールドだったので、それで鍍金した。それが左の状態。
刻印の溝内まで全て金色になっているのがわかろう。なをペン先の裏側にロジウム鍍金を施せばインクフローはさらに上がる。（今回は省いた）
上のニブをペン芯と合わせてソケットに押し込んだ状態が左画像。ここから先は軸にペン先を取り付けての書き味調整じゃ。
ペンポイントが大きいほど時間はかかるが、作業自体は楽。細字の調整は太字調整に慣れていると相当イライラするものじゃ。
細字でヌラヌラは不可能とわかっていても、ついもう少し・・・と時間ばかりかけてしまう・・・とペンポイントは磨耗するだけ。
打ち切り時の見極めが重要になる。ある意味【賭け事】に似ているかも・・・
それにしても綺麗に仕上がった！スリット間隔、ペン芯との位置関係、ペンポイントの形状も美しい！
ビジュアル的には大成功じゃ！
これは脱脂という作業を青酸カリ？を使ってやっていないからかな？
山村美紗の小説には、よく鍍金工場から盗んだ青酸カリで殺害するというエピソードが出てくるが、青酸カリは脱脂に使われていたらしい。
最近拙者がやる鍍金は、ほとんどが部分鍍金。ロジウム鍍金ペン先の研出しをやると鍍金が剥がれて金が出てくるが、そこにロジウム鍍金を施す。
金の上に施したロジウムの（部分）鍍金は強いので、まず気付かれない。
ロジウム鍍金のペン先研出し後に、ロジウム鍍金をかけている調整師は、実は拙者以外はいないはず。もちろん趣味でやっている方は別ね。
ただ、ロジウム鍍金を施しても、いつかは剥がれてしまう。
従って〔研出しするとロジウム鍍金が剥がれてしまいますが、よろしいですか？〕と研出し前にちゃんと聞いてくれる調整師が一流！
最期が面白い。
細字調整は、ある意味【賭け事】に似ている。
ついもう少しだけ削るともっと書き味が良くなるかも？とペンポイントを削ってドツボに嵌まる。
大谷さんの通訳の人の行動はアマチュアが調整を楽しむときに陥りやすい失敗。
終わり時を判断出来るのがプロの調整師。だからプロの調整は100%ではないのだ。99.9%くらいで止めている。
ただし、プロも自分用は100％を追求し、ごく稀にはドボンする・・・と聞いた。
今回の依頼内容は【Pelikan M800用の14C-O3Bのニブを研磨し、14C-3Bのニブをつくり、バイカラーをピンクゴールドに鍍金する事】というもの。拙者は同じ鍍金を施したニブをPelikan Nord/LBに取り付けていた。
それを試した依頼主から【同じ物を作って欲しい、ただし新品のO3Bニブで！】との切なる願い！
幸いM800用O3Bニブはいくつかストックがあるので、その中から一個を選んだ。
この14Cニブは現行の18Cニブより柔らかいといわれている。たしかに現行のニブよりは柔らかいが、p.f.マーク入りの18Cニブとの比較では個体差でしかない。
14Cが柔らかいという人もいれば、18C p.f.が柔らかいという人もいる。拙者はどちらもいっしょと考えている・・・というか、その差を検知出来るほど指先が鋭敏ではない。
3Bの14Cと18C p.f.ニブとの一番大きな差はペンポイントの厚さ。18C p.f.のぺンポイントは厚い。従って斜めに削った斜面の面積を大きく出来る。
ペンタッチの感触はペンポイントの単位面積あたりの筆圧に反比例する。すなわち面積が広いほどタッチは柔らかい事になる。
従って素質は18C p.f.の方があるのだが、残念ながら研ぎだして売られる事は一部万年筆店を除いては無い。
ちなみに現行の18Cニブのペンポイントの厚さは14Cとほぼ同じ。
当初はその事実だけから14Cニブと現行18Cニブは同じ製造場所で作られ、18C p.f.は別のOEM生産先に委託していた！ との仮説をたてていたが・・・
ペン先の形状は14Cと18C p.f.が同じで、現行ニブは内側への丸まったような形状をしている・・・
とまぁ、３個のペン先を見比べるだけでも十分に楽しめるのじゃ！
改造の第一歩はO3Bの右肩上がりのペンポイントを平坦な状態に削りだす。これはNo.320番の耐水ペーパーの上でゴリゴリとペン先を動かして削る。出来れば軸にセットした状態の方が無難。最初は大体の形で良い。
次にそのペン先を軸にセットし、依頼者の筆記角度で力いっぱい20文字ほど320番の耐水ペーパーの上で書く。
この段階ではペンポイントの腹の削りはO3Bのままなので、それを3Bの形状に直す気持ちで字を書くのじゃ。
そこから先は、ペンクリで見ている人にしかわからない残酷シーンが始まる。
耐水ペーパーの上で、ゴリゴリと大音響をたてながら８の字旋回や、前進後退を繰り返す。
これがペンポイントの対角線を削り切ってしまう二歩手前くらいまで続く・・・
この段階でほとんどの人は目をそむけるか、後ずさりしてしまう。
心臓が悪い人には危険なので、出来るだけ医師には立ち会っていていただいておる。ご専門は司法解剖・・・
その後は順次番手の細かい耐水ペーパーで形状を整えていく。
これはペン先を右手にしっかりとホールドし、左手で理想の形状になるように削るのじゃ。（ちなみに拙者左利きなので左手にペーパーを持って作業する）
要するに理想の形状がわかっていないと削れない。そこでヒントとなるのが削った画像。
今回は一番重要な横顔は掲載していない・・・というか撮り忘れた。が、過去の調整映像にあるかもしれないので、過去記事も確認してみなされ。
こちらは研ぎが終わったあとで、金磨き布で擦ってバイカラーのプラチナ鍍金部分を落とした段階での画像。ほとんど金一色にはなっているが、刻印の溝には銀色が残っている。これを彫りながら削るのは不可能なので、金鍍金を施す。
18金鍍金、20金鍍金、24金鍍金など試してみたが、一番クリップの色合いとの調和が良いのがピンクゴールドだったので、それで鍍金した。それが左の状態。刻印の溝内まで全て金色になっているのがわかろう。なをペン先の裏側にロジウム鍍金を施せばインクフローはさらに上がる。（今回は省いた）
上のニブをペン芯と合わせてソケットに押し込んだ状態が左画像。ここから先は軸にペン先を取り付けての書き味調整じゃ。ペンポイントが大きいほど時間はかかるが、作業自体は楽。細字の調整は太字調整に慣れていると相当イライラするものじゃ。
細字でヌラヌラは不可能とわかっていても、ついもう少し・・・と時間ばかりかけてしまう・・・とペンポイントは磨耗するだけ。
打ち切り時の見極めが重要になる。ある意味【賭け事】に似ているかも・・・
それにしても綺麗に仕上がった！スリット間隔、ペン芯との位置関係、ペンポイントの形状も美しい！
ビジュアル的には大成功じゃ！
2024年03月23日
2024年3月23日（土）と3月24日（日）は 春の泉筆五宝展2024＠浜松町 ***
＊＊＊春の泉筆五宝展2024＠浜松町＊＊＊
泉筆五宝の定義：
Pen：万年筆、ガラスペン、ペンシル、ボールペン、鉛筆etc. の筆記が出来る物
Paper：原稿用紙、一筆箋、手帳、ヌルリフィル etc.の文字を書く対象物 及び それらを 組立/加工 するワークショップ
Case：ペンケース、ペンシース etc.のPenを内部に保管/運搬する物 及び それらを 組立/加工 するワークショップ
Ink：各種 限定インク、幻のインク etc.のPenからPaperに流れ出て文字を可視化する液体 及び それを保存する為の容器（カートリッジ/コンバータ/タミヤ瓶）
さらには Inkを混合したりラメを入れたりして新しいInkを製造するワークショップ
Maintenance：ペン先調整/研出し/修理作業、各種修理パーツ/調整工具 及び 筆記補助/強化の為の器具（味変軸/鉛筆延長ホルダー）
さらにはそれらを駆使したPenを製造/修理、ペン先調整工具の組立、ペン先調整等のワークショップ
日時：
3月23日(土) 14:00〜19:00 （ 搬入は13:00〜17:00 ）
3月24日(日) 10:30〜16:30 （ 搬入は09:00〜10:30 ）（ 搬出は16:30〜17:00 ）
場所：
東京都立産業貿易センター 浜松町館 4F 第3会議室A 住所：東京都港区海岸1-7-1
入場料：
3月23日(土) 16歳以上（1,000円）を支払えばどなたでも参加出来ます〔16歳未満の方は入場無料〕
3月24日(日) 16歳以上（2,000円）を支払えばどなたでも参加出来ます〔16歳未満の方は入場無料〕
出展料：
3月23日(土) 無料 Penは展示するだけで販売は出来ませんが、Paper/Case/Ink/Maintenanceは展示も販売も可能
3月24日(日) 2,000円/テーブル1枚（幅180�� 奥行60�儿發�72��）テーブルは最大3枚/小間 まで利用可能 24日にはPenの販売も解禁！
泉筆五宝〔Pen、Paper、Case、Ink、Maintenance〕に関係のあるGoodsがたくさん販売されますが・・・・
筆記具の愛好家同士の交流というのが泉筆五宝展を開催する主旨
ぜひ年齢/性別を問わず多くの方と歓談し、交流を深めて下さい
さすればお主も近い将来、万年筆の高みに堕ちるであろう
128��の正方形に近い会場です。出品者は壁側でまん中に歓談スペースを設けます。譲り合ってお使い下さい。
出展される方は入場料 + 出展料をお支払い下さい。
3月23日(土)はテーブル枚数にかかわらず1,000円/人 出展料不要 23日は搬入日なのでPenの販売は禁止（展示はOK） 裏技として翌日支払う約束でのお取り置きは可能
3月24日(日)は2,000円/人 + テーブル台数×1,000円 3月24日(日)は10:30よりPenの販売があります。
出店をご希望の方は 事前に pelikan @ hotmail.co.jp （@前後の は排除）まで連絡下されば場所を優先的に確保しておきます
予約無しでの出展も出来ますが、場所が全部塞がっていることもあります。その場合は出展をお断りしますので、出来るだけ予約して下さい
★会場は 初日は13:00 に解錠します。会場のセットアップは、その時点で出席されている出展者で行います。その方々は会場内の好きな位置を2日間にわたって確保出来ます
商品・資材を宅配便で送られた方は到着までしばらくお待ち下さい。宅配便が到着次第ゆるゆるとセットアップを始めて下さい
★二日目は9:00 に解錠します。二日目だけ参加の出展者の方は開始時刻（10:30）までに出展準備を終えて下さい
★初日は14:00より入場者の受付を始めます。入場者の方は受付が終わりましたら、受け取った名札をつけて、会場内にお入り下さい
★二日目は10:15より入場者の受付を始めます。入場者の方は受付が終わりましたら、受け取った名札をつけて、会場外の廊下にお並び10:30から入場して下さい
注意事項；
★会場宛てに荷物をお送りいただく場合は、3月23日(土) 14:00〜18:00到着指定でお送りください（例：14時-16時）
★会場からの宅配便での荷物送付は1階のローソンに持ち込めば可能ですが土日は19時に締まります。近隣のコンビニまで持参すれが24時間発送可能です
新規にWAGNERへの入会希望の方は左記の記入用紙に会員番号以外を書き入れて持参して下さい
記入例は ここ にあります！ 携帯メールアドレスを記入される方はPCからのメール拒否を外して下さいね
新規にWAGNERへの入会希望の方は受付に申込書を提示し、会員番号を入手して下さい
会場からのインスタライブ（参加者の顔はNG）も自由です
販売者側でも見せるだけのつもりで展示しているものも少なくありません
でも熱心に〔欲しい！欲しい！〕と力説すれば、意外とお安く譲っていただけることもあります。これこそがこのイベントの醍醐味です
今回は初日に歴代キャップレスの展示、Montblanc No.149の全モデルの展示などの特定万年筆の全部展示が何種類か3月23日(土)に行われます
また高校生が開発した〔調整師も絶賛する研磨器具：Pythagoras〕のお披露目と実演、組立実習もあります。お楽しみ下さい！
今回は初日に歴代キャップレスの展示、Montblanc No.149の全モデルの展示などの特定万年筆の全部展示が何種類か3月23日(土)に行われます
また高校生が開発した〔調整師も絶賛する研磨器具：Pythagoras〕のお披露目と実演、組立実習もあります。お楽しみ下さい！
