あの夏はもう戻らない・・・・

 

↑私と彼

 

中学三年の私はいつも彼を見ていた。夢中だった。

彼は三年生の五月に広島から静岡から転校してきて

十月にはまた引っ越してしまった。

そんな彼との唯一の接点とも言うべき思い出「運動会」

午後の演技「カモメのダンス」の私の相手はなんと彼だった。

私は嬉しくてしょうがなかった。

なぜならこの演技は女子が四つん這いになり、その腰に男子が

手を当てて持久力を競う競技だからだ。

つまり彼が私の体に、腰に触れるのだ。

競技の始まる前に彼は言った。

「俺、この運動会が終わったらまた引っ越すんだ。だから絶対に優勝する!」

それを聞いた私はショックでもあったが、彼に優勝をささげたくて何があっても勝つと心に誓った。

だがそんな私に魔の手が差し向けられた。

そう・・・・

初潮だった。

結果は見るも無残なものだった。

当時、生理を知らなかった彼は私の陰部から血が出てるのを見て

ケツから血が出たと思い、競技の最中にもかかわらず

「×××ちゃんのケツから血が出てます!誰か!救急車を!」

と叫び、救急車がホントウに来てしまい、運動会はストップ。

救急車で運ばれる私に救急隊員は冷たく言った。

「遅すぎた初潮も困り者だね」と・・・

その後、愛しくも憎らしい彼がネットをやってると風の噂で聞き

探し回る事、早五年。

今では私もネットの片隅に身を寄せてます。

「過去は戻らない・・・でも私には居場所がある!そう!インターネットが!」