「黒柳テスト」をつくって思い出した、手段を楽しむことの大切さ
黒柳テスト
トレンドの #黒柳テスト 、同僚が黒柳徹子さんになっててジワる。 pic.twitter.com/3axXuqWXsP
— キングジム (@kingjim) 2017年4月28日
わたしは 2問正解 でしたので「青柳徹子」でした。#黒柳テストhttps://t.co/FMXeMrQa9dpic.twitter.com/n0TWxksKit
— 小島慶子 (@account_kkojima) 2017年5月1日
利害関係のないサービスは楽しい
新しいことにチャレンジ
黒柳テストの結果
黒柳テストの解答
「アイデア」は形にしないと意味がない
「アイデアは形にしないと意味がない」ということを実感し「完結的な人間」になろうと決めたのが大学3年生のとき。
完結的な人間とは?
そもそも僕が定義する「完結的な人間」とは、Webプロダクトを制作する際に「企画→デザイン→フロントエンド→サーバーサイド→マーケティング→プロモーション」までをひとりで行える人間のことを指します。
全てにおいて決して完璧だということではなく、全てのスキルにおいて平均的に能力がある人間のこと。
完結的な人間になろうと決めたその日から、さまざまなスキルを身につけるため、勉強しながら複数のサービスを開発してきました。
企画
当時大学生だった僕は、人を驚かせるようなことを考えるのが大好きで、その思いついたアイデアを披露するビジネスコンテスト的なイベントに定期的に参加していました。
何回か出場している間に、賞金などをいただくようになったのですが、次第にある種の空虚感を感じる様になりました。
「結局は、アイデアを形にしないと、社会に対してなんのインパクトも与えていない」
アイデアは形にして、その価値を享受する人がいて初めて意味があります。
だったら少しずつでもいいから、自分の手を動かして実装しようと考え、まずは自分で考えたアイデアをデザインに起こしてみることにしました。
アイデア&デザイン
そこで最初に思いついたアイデアが「寄付ランキング」というサービスです。(2011年3月にリリースし、現在は非公開にしています。)
2011年はちょうど震災があったタイミングで、
「あの企業がどこに寄付した」
「あの有名人がいくら寄付した」
という情報が定期的に話題になっていました。
そこで「もっと寄付の総額を増やすためにはどうしたらいいか?」を考え、デザインしたのが「寄付ランキング」というサービスでした。
コンセプトは「寄付をした人を可視化する」というシンプルなサービスで、たまさんというエンジニアの友達と制作しました。
そのサイトは、偶然にもYahoo!ニュースに掲載され「弊社も掲載してください」という企業からの依頼が殺到しました。
ただ、まさかそんなにアクセスが殺到するとは予想もせず、安いレンタルサーバーを借りていたこともあり、サイトはアクセス数が制限された状態に。
当時、Webについて知識がほぼ皆無だった僕は、インターネットの可能性を思い知らされました。
アイデア&デザイン&フロントエンド
デザインとして形に起こすことはできたので、次はブラウザ上で動くものをつくってみたいと考え、フロントエンドの開発に挑戦することにしました。
SPAM MUSEUM
これは、ガチ丸さん(@shoya140)というエンジニアの友達と製作したサービスです。
「メイワクを、ワクワクに。」というコンセプトの元、世の中ではびこる迷惑メールを面白いという基準でランキング化。
面白い迷惑メールを、友達に送信できるというサービスです。
世の中の迷惑とされているメールが、面白いものばかりになればそれは迷惑ではなくアートになるのではないかと。
SPAM MUSEUMは「アッコにおまかせ」「笑っていいとも!」という番組でも紹介され、Webから始まったものが、リアルの世界に影響を与える感覚を味わうことができました。
本の書き出し
続いて、たかし(@tak0303)というエンジニアの友達と制作した「本の書き出し」というサービスです。
キャッチコピーは「出だしよければ、全てよし」
書き出しは、筆者が全力で考えた命の断片。そんな本気の一文から本を探せても面白いなと。
本の書き出しから、欲しい本を探すことができるWebサービスです。
こちらのサービスはWebフォントアワード一般部門でグランプリを受賞することができました。
サーバーサイド
フロントエンドまでは独学である程度何とかなったのですが、根っからの文系(大学も経済学部)だった僕には、サーバー周りやデータベース関連の知識習得に限界を感じていました。
片手間でサーバーサイドの勉強をしていたらいつまでも完結的な人間になれないと悟りました。まずは、社会人として一人前のエンジニアになり、世の中に価値を出せる人間になろうと決めました。
大学を卒業した僕は、新卒で面白法人KAYACという会社でサーバーサイドエンジニアとして2年間働くことになります。
この会社の文化や制度、そこに働いている方々が本当に素晴らしく、2年の間に上場まで経験するという非常に密度の濃い時間を過ごさせていただきました。
また、
「アイデアいっぱいの人は深刻化しない」
「まずは、自分たちが面白がろう」
など、素晴らしい言葉を体感する場をいただきました。
最初はPerlという言語を使用してサービス開発に携わり、その後はRubyを書いていました。
配属されたクライアントワークでは、キャンペーンサイトの実装から、アプリの裏側まで数十以上のサイトやサービスに携わらせていただきました。
FINDOG
迷子犬発見アプリではサーバー構築や、APIを作成などを担当しました。
このアプリを使った人から、実際に「迷子犬が見つかった」という報告を聞いたときは嬉しかったです。
LIFEKU
未来への学び|復旧・復興支援に携わった企業、団体、個人の学びを、未来へ。
個人でも実際に福島に訪れて、観光アプリを製作しました。
この企画では、バズらせるのも楽しいけれど誰かのために何かをつくることも、ものすごく楽しいということ。
「目の前の人を大切にすることの大切さ」を学びました。
このように、サーバーサイドエンジニアとして誰かのためになれたことで、社会に少しでも価値を生み出せたのではないかと感じました。
プロモーション
また、広告費用をかけずにプロモーションすることの大切さは感じていたので、いくつかのメディア開発と運営にも挑戦しました。
上記と同時並行で、空いた時間にcreive(クリーブ)というクリエイター向けのWebメディアを製作&運営していました(現在は譲渡済み)。
クリエイターの友達に記事を執筆いただいたりしながら、さまざまな情報を発信していました。
その流れで「bikkuri」という役立つ企画書が見つかるサービスも制作しました(現在は閉鎖済み)。
こちらのサービスはソーシャルメディア上で話題になり、はてなブックマークは2200ほどつきました。
FEELY
また「心が動く、瞬間」「世の中にある"いいな"」を届けるというコンセプトで運営していた、Webメディア FEELY(フィーリー)は、2016年にトレンダーズ株式会社に譲渡しました。当時このメディアは1000万pv/月を達成したこともありました。
(PR TIMESより)
というような形で、これまで完結的な人間になるために行動してきました。
1つ1つのスキルは本当に未熟ですが、まんべんなく広く知識が身についたのではないかと思っています。
完結的な人間になろうと思った理由
そもそも、完結的な人間になろうと思った理由は大きく2つあります。
1. 友達の本気にのっかれる
たとえば営業が得意な友達が「こんなサービスをつくりたい!」いったときはコンセプトメイキングやSEO周りから実装までをできるように。
エンジニアの友達がこんなサービスをつくりたい!といったときには、自分がデザインやフロントエンドで。
デザイナーの友達がこういったものを作りたい!といったときには裏側を実装でする。
友達がしたいことに、自分が何かしらの役割で協力できたらいいなと思ったのが大きな理由です。
2. リスクを減らすことができる
例えば、少人数で開発していた時に、リリース直前になってエンジニアの友達が大失恋をしたとします。そしてそれが原因で本番環境に反映できなかったとします(これに近いことは実際に起こりました。笑)
そういった時に、最低限のところ(サーバーサイドでいえばdeployやキャッシュ周りの調整、人のコードが読めるくらい)は自分でカバーできるようになりたいなと思ったからです。
誰かとつくる楽しさ
これまでご紹介したサービスは、どれをとってもひとりで創ったものはありません。
その理由は単純で、ひとりでやってもそれを分かち合う相手がいなければ全然楽しくないからです。
僕の好きな映画に、「Into the Wild」という作品があります。
物に溢れ、キャリア志向の社会に反旗を翻した青年が、ヒッチハイクでアラスカに向かうという実話です。
クライマックスで主人公が、とある言葉を口にします。
「幸福が現実となるのは 、それを誰かと分かち合った時だ。」
あぁ、これが人生。
長野県富士見町、八ヶ岳の麓で会社をつくりました(現在は解散済み)。