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《櫻井ジャーナル》

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天下兼相愛則治、交相惡則亂(墨子、巻之四)
順天意者、義政也。反天意者、力政也。(墨子、巻之七)
天下有義則治、無義則亂。(墨子、巻之七)

天下は人々が相愛すれば治まり、互いに憎しみあえば乱れる
天意に従う者は義に従って正す。天意に背く者は強制する
天下に義があれば治まり、義がなければ乱れる

#1
『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』三一書房、2005年

OPC

三一書房創立60周年記念出版。アメリカの権力者が行なってきた戦後の秘密破壊工作(テロ活動)の実態を具体的に検証する。「読書人」「共同通信」など各誌賞賛。自分のいる足場に深淵がひらくような衝撃にみちる一冊。付録としてキューバ侵攻作戦の「機密文書」収録、秘密破壊工作に関する全事項と関係者をインデックス化。人物ダイヤグラムも多数。

#2 『アメリカ帝国はイランで墓穴を掘る』洋泉社、2007年

イランの問題はイスラエルの問題と表裏一体の関係にある。イラン攻撃を狙うアメリカの新保守/神保守(親イスラエル派)は勢いを失ったが、消え去ったわけではない。イスラエルに軍事強硬派政権が存在し、プーチンにロシアから追い出されたエリツィン時代の「富豪」もロンドンとイスラエルを基盤に暗躍する。

2024.04.25
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 イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長は4月21日、NATO加盟国の一部はキエフにある各国大使館に軍服を着た人びとが派遣され、助言していると語った。

 ストルテンベルグが仕える欧米支配層はウクライナ人にロシア人と戦わせてきたが、すでに限界が来ている。武器弾薬や軍事顧問を送り込むだけでは足りず、自国軍の将兵を送り込み始めた。

 軍事顧問の派遣は遅くとも2014年2月にビクトル・ヤヌコビッチ政権がネオ・ナチのクーデターで倒された直後に始まっている。このクーデターを仕掛けたのは言うまでもなくバラク・オバマ政権。​この政権はキエフのクーデター体制を支援するため、CIAやFBIの専門家数十名を顧問として送り込んでいる​。そのほか​傭兵会社「アカデミ(旧社名はブラックウォーター)」の戦闘員約400名もウクライナ東部の作戦に参加​、​2015年からCIAはウクライナ軍の特殊部隊をアメリカの南部で訓練し始めた​ともいう。

 そのほか、フランスのル・フィガロ紙のジョージ・マルブルノはウクライナでアメリカ陸軍の特殊部隊デルタ・フォース(第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊)やイギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)も戦闘に参加しいると伝え、ポーランドやバルト諸国からも戦闘員がウクライナへ入っているとも言われている。2022年の秋頃からアメリカ/NATOの軍事関与は強まった。

 ロシアとの戦争を煽ってきたストルテンベルグがNATO事務総長に就任したのは2014年10月のこと。2005年10月から13年10月までの期間はノルウェーの首相、その前、2002年から2005年までGAVI(ワクチンと予防接種のためのグローバル同盟)の理事をそれぞれ務めている。医薬品メーカーと軍事はここでも結びつく。





 クーデターの前からアメリカ国防総省はウクライナに生物兵器の研究開発、あるいはマネーロンダリングなども続けてきたことも知られているが、ロシア軍のイゴール・キリロフ中将によると、アメリカ国防総省はウクライナで生物兵器の研究開発を行なっていた。ロシア軍がウクライナで回収した文書を分析した結果だ。

 ウクライナの研究施設でロシアやウクライナを含む地域を移動する鳥を利用して病原体を広める研究を実施、2019年からウクライナ兵を被験者としてHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染実験が行われ、覚醒剤やモルヒネなどの薬物も使われていたという。

 こうした研究開発にはジョー・バイデン、バラク・オバマ、ヒラリー・クリントン、ジョージ・ソロス、ハンター・バイデンなどが関係、ビル・アンド・メリンダ・ゲーツ財団、クリントン財団、ハンター・バイデンのロズモント・セネカ・パートナーズ、ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティ財団、ロックフェラー財団、エコヘルス同盟などから資金が出ていた。メタバイオタ、ブラック・アンド・ビーチ、スカイマウント・メディカル、そしてCH2Mヒルなど国防総省の契約企業、ファイザー、モデルナ、メルク、ギリアドを含む医薬品会社も組み込まれていた。生物兵器に関係した研究開発はビジネスとも結びついている。

 西側諸国から支援されたクーデター政権は反クーデター派が拠点にしているドンバスの住民を攻撃、2014年から22年にかけて約1万4000人を殺害した。その大半はロシア語系の人びと。そうした人びとを助け、ネオ・ナチを倒す目的で2022年2月にロシア軍はウクライナに対する攻撃を開始、その際、子どもをはじめとする住民をロシア領内へ避難させたが、そうした行為は西側支配層を怒らせた。

 一方、ウクライナでは戦死した兵士の臓器を取り出して売るというビジネスがクーデターの後、大きくなった。ドンバスで臓器を切り取られた軍人と民間人の遺体数十体を発見したとOSCE(欧州安全保障協力機構)の代表は語っていたが、戦死者から取り出すだけでなく、負傷した兵士も犠牲になったと言われている。

 ここにきて指摘されているのは、子どもが臓器売買の犠牲になっているということ。​昨年6月、生後11ヶ月の子どもを外国に連れて行こうとしてデニス・バロディなる男がウクライナとスロバキアの国境で逮捕された​。子どもの臓器を国外で売ることが目的だったという。バロディは孤児院で教師として働いた経験があり、慈善財団の代表を務め、孤児青少年団体を創設していた。

 警察の発表によると、男は母親に対し、EU内の善良な人物の養子にすると説得、5000ドルを母親へ支払うことになっていたが、養子縁組の計画はなく、2万5000ドルで移植業者に子どもを売る予定だった。バロディは1歳から2歳の子どもを少なくとも3回売っていたというが、彼は逮捕されて間もなく保釈金100万フルブニャ(約2万7000ドル)を積んで釈放されている。彼は密輸業者として逮捕されたのであり、臓器売買業者としてではなかったようだ。そして彼は姿を消した。ウクライナの女性を「代理母」として子どもを産ませ、その子どもを取り上げて売りさばいているとする話も伝わっている。

 ウクライナでは2021年12月、「人体解剖材料の移植問題の規制について」なる法律が成立、生体ドナーとその親族が移植に同意したことを証明する必要ながくなったという。書類があれば、署名の確認や認証は必要なくなり、死体から臓器を摘出する手続きは大幅に簡略化された。

 ​昨年3月22日には、ウクライナで「赤ちゃん工場」を発見したロシア兵の証言とされる映像がアップロードされた​。そこで生まれた赤ん坊は内臓が摘出されたり、別の犯罪に利用されるとされている。西側ではロシアのプロパガンダだとされたが、その根拠は示されていない。そうしたプロパガンダにもかかわらず、その映像は注目されている。

 臓器売買はアメリカ/NATOを後ろ盾として独立したコソボでも盛んだった。旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷で検察官を務めたカーラ・デル・ポンテは自著(Chuck Sudetic, Carla Del Ponte, “La caccia: Io e i criminali di guerra,” Feltrinelli, 2008)の中で、KLA(コソボ解放軍)による臓器の密売に触れている。コソボで戦闘が続いている当時、KLAの指導者らが約300名のセルビア人捕虜から「新鮮」な状態で、つまり生きた人間から臓器を摘出し、売っていたというのだ。

 この話は​欧州評議会のPACE(議員会議)に所属していたスイスの調査官ディック・マーティの報告書​にも書かれている。KLAの幹部はセルビア人を誘拐し、彼らの臓器を闇市場で売っていたという。捕虜の腎臓を摘出し、アルバニア経由で臓器移植のネットワークで売り捌いていたともされている。このコソボの業者がウクライナへ入って商売を始めたとも伝えられている。

 ウクライナでは臓器売買だけでなく、​人身売買も行われているとする報告​がある。30万人とも55万人以上とも言われるウクライナ人が奴隷にされたとも言われているが、ウクライナ西部にあるテルノピリ、ウジゴロド、チェルニフチが奴隷売買の主要な拠点だともいう。

 ウクライナ政府の腐敗は西側からも批判されるほどで、不法就労、女性や子どもの性的な搾取、少年兵、さらには臓器売買などが問題になっている。こうしたネットワークには犯罪組織だけでなく欧米の高官も関与していると言われている。ウクライナでは子どもの「失踪」も問題にされているが、その多くは「ホワイト・エンジェル」によって拉致されたロシア語系住民だという。

 ウクライナでの戦闘でアメリカ/NATOは事実上、ロシアに敗北しているが、降伏することは勿論、停戦も呑めないだろう。戦乱が終われば生物兵器の研究開発や経済犯罪だけでなく、奴隷取引や臓器売買も明るみに出る可能性がある。彼らはロシアに勝たせるわけにいかないのだ。






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最終更新日  2024.04.25 00:51:29


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