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今回は「私的インデックスファンド論」です。インデックスファンドのファンドマネージャーという職業柄、この手の話は一度は取り上げておきたかったので、今回のシリーズにしたいと思います。
詳細は次回以降で説明しますが、今回のシリーズでインデックスファンドの利点・問題点を自分なりに整理できればという意味で書いていきたいと思います。ただ、ここは個人投資家が集まるブログですので、機関投資家の論理ではなくて個人投資家の論理で書こうと思います。 最初に申し上げておきますと、私自身は基本的にインデックスファンドに投資することに非常に否定的な立場であります。それは当然のことで、私が目指すバリュー投資という概念と真っ向から対立するものだからです。そこからくる意見の偏りも考慮した上で、このシリーズをご覧になっていただければと思います。 私的インデックスファンド論を展開する前に、まずインデックスファンドとは何かについて簡単に説明します。 ここで言うインデックスとは、国全体や資産クラス全体の値動きを示す指標です。すなわち、インデックスファンドは国全体や資産クラス全体の値動きと連動するようにポートフォリオ(構成銘柄とその比率)を組成するものです。 ほんの一例ですが、インデックスの代表例を挙げます。個人投資家になじみのあるものから機関投資家しか知らないようなものまでさまざまです。しかも、その気になれば独自のインデックスを作ることも可能で、最近では業界全体にそのような動きもあります。 *国内株式:TOPIX、日経平均 *国内債券:NOMURA-BPI総合指数 *外国株式:MSCI-KOKUSAI指数、S&P指数(米国) *外国債券:シティグループ世界国債インデックス インデックスファンドの本来の趣旨は「その国全体もしくはその資産クラス全体から得られる平均的な収益を享受する」というものです。 国内株式を例に説明します。例えば、「TOPIX連動のインデックスファンドに投資する」ということは、「日本を代表する企業から得られる収益を長期的に享受することによって日本経済の成長とともに自らの財産を増やす」というのが本来の趣旨だということです。 証券投資は、途中のプロセスはもちろん重要ですが、最終的には利益を得てなんぼですので、この前提が怪しいと感じるならばインデックスファンドに投資しないという選択肢は当然ありだと思います。 このシリーズでは、 1.学術編 2.業界事情編 3.株式編 4.債券編 の順に取り上げておきます。 「学術編」では、インデックスファンドが誕生した歴史的背景とインデックス投資を正当化する論客が背後に持っている理論についての説明をします。 「業界事情編」では、今の年金運用業界を取り巻くインデックスファンドについて述べたいと思います。 「株式編」と「債券編」では、株式インデックスおよび債券インデックスに関して私が思うことを説明します。 インデックス投資も意外と悪くないと思うか、インデックス投資では話にならないと思うかは、各人自由だと思います。運用スキル・目標収益・マクロ的相場観などと照らし合わせて考えれば良いのだと思います。 今日の言葉: 「インデックス投資とは平均収益を享受する手段であり、それ以上でもそれ以下でもない。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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