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今回は株式インデックスへの投資についてです。といっても、今回はインデックスに関する技術的な話を取り上げるつもりはなく、純粋に「株式インデックスに投資する妙味はあるか?」という、個人投資家向けの話です。
株式インデックスといっても様々なものが存在します。例えば、日本の株式インデックスでよく知られているものとして、以下のようなものが挙げられます。 (1)全体インデックス TOPIX、日経平均、東証2部指数、JASDAQ指数 など (2)サブインデックス *業種別:銀行指数、輸送機器指数、電気機器 など *スタイル別:ラッセル野村バリュー/グロース など *規模別:TOPIXコア30 など このように、市場には様々なインデックスが存在するものの、個人投資家が容易にアクセス可能なインデックスはかなり限定的であるのが現状です。 今回は、個人投資家が容易にアクセス可能なインデックスに話を限定します。上記の中ではTOPIX・日経平均・TOPIXコア30あたりがその対象になります。これらのインデックスはETF(上場投信)が存在しますし、ETF以外のオープン型投信についてもインデックスファンドに相応しい低コストで提供されています。 株式インデックスへの投資の本来の趣旨は、「その国に属する代表的な企業に満遍なく投資して、それらの企業がもたらす収益を享受することで、長期的な財産形成を目指す」というものです。そして、「下手なアクティブファンドに任せるよりはパフォーマンスが良いだろう」という期待もここにはあります。 しかし、その国の株式インデックスについての割安度や成長性について懐疑的であれば、そもそもインデックス投資を行わないという選択肢は当然ありだと思います。 インデックスへの投資を見送るべき合理的な理由が2つあります。 (1)常識的観点から考えて話にならないくらい割高なとき 1980年代後半のバブル時の日本は、債券の利回りが約8%ある一方、株式インデックスの益利回りは50倍~100倍でした。 (2)その国の経済成長に対する期待を持てないとき 将来の経済成長を期待できない国へ株式インデックスという形で投資するのはいかがなものかと思います。その国の将来の経済成長を予測することは何人たりとも困難であるのは認めるとしても、少なくともそうした期待が持てない国の株式インデックスに投資したところで、待っているのは失望だけだと思います。 よく、「株式は長期保有すれば報われる」と標準的投資論では言われていますが(ジェレミー・シーゲル著「シーゲル博士の株式長期投資の勧め」などをご参照ください)、私はこれについて非常に懐疑的な立場であり、この手の話は「完全な後付け議論」だと考えています。 2004年9月11日付け日記「株式長期投資の罠に関する私の見解」 少なくとも、価値と価格のギャップという議論なしで無条件に「株式の長期保有が報われる」と考えるのは誤っていると思います。 将来の資産形成として株式インデックスにドルコスト法で投資している方はたくさんいらっしゃるかと思いますが、このあたりをよろしく考えた上で投資したほうが良いということを指摘したいと思います。 すなわち、「日本経済が長期にわたって上向きになることを期待できるか?」「日本の代表的企業が今後も成長すると期待できるか?」「今の日本企業全体は割安であるか?」を良く考えた上でインデックス投資を行うことが大事だと思います。 無条件に「株式インデックスに継続的に投資すれば将来の財産形成は安泰だ」などと考えていると、期待外れの結果に終わる可能性があります。株式のインデックス投資は、いわば「その国の経済成長に依存した投資」です。それが嫌ならば、個別銘柄投資をすべきです。 国内株式のインデックスについての話ばかりでしたので、最後に外国株式のインデックスについても少し取り上げたいと思います。一般的に海外投資を行う場合、「情報の少なさ」「取引コストの高さ」などがネックとなり、個別銘柄の調査は国内株式以上に困難です。 そこで有効な投資方法として、市場全体を買うというインデックス投資が注目されます。ジム・ロジャーズ風なマクロ経済感があり、その国の経済成長に賭けたいという場合、インデックスファンドは非常に有効な手段だと思います。 しかし、外国株式のインデックス投資については、以下の疑問点を整理した上で投資を検討すべきだと思います。 (1)よく分からない国の経済成長に賭けるよりも、自国のよく分かる企業への投資(個別銘柄投資)のほうがいいのではないか? (2)そもそも、自分には海外投資をする意義を見出せるか? 「リスク分散のため」とよく言われるが、そもそも「リスク分散をするだけの資金量があるのか?」「分からない国への投資がリスク分散になるのか?」を良く考えるべきである。 今日の言葉: 「株式インデックスへの投資は最初から敗北宣言をしているようなものである。」 (某スーパーファンドマネージャーの一言) P.S. 海外投資の話題ついででなんですが、ここ2~3年において巷では中国株ブームがありますが、中国株の割安度・中国経済の成長性・中国の政治的リスクなどをよく調べないで「何となく中国は成長しそうだから」という程度で投資しているならば、それは多分、失望で終わるのだろうと思います。 まあ、私には関係ないのですが・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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