九州のとある町。予防歯科開業医です。
昨今の国による医療費削減という錦の御旗の元に 『医療の崩壊』が推し進められています。 虫歯も歯周病も予防できる病気なのですが 予防という分野は今の医療保険給付制度の中でガンガン削減されています。 だからといって従前の”削り散らす歯科治療”に抱いてしまった疑問を 払拭できず、予防の道に残ろうと高楊枝を銜えるおバカな歯医者です。 御来院の患者さんに、歯科医師の考えているところ、歯科衛生士の思い、アシスタントのふんばり(笑 を分かりやすくお伝えできないものかとブログの開設を思い立ちました。 受付でメールアドレスをお知らせいただいた方に、メルマガとして配信してゆきます。 患者さんの貴重なご意見、是非お寄せ下さい。 また、恐縮ですが当医院、或いは歯の話と全く関係が無い または悪意の書き込みに関しては 管理人の判断で削除させていただくことがあります。ご了承下さい。 楽天市場
テーマ:歯医者さんや歯について~
カテゴリ:今日の2次カリエスシリーズ
40代女性、左上6、ハイブリッドクラウン破折、2次カリエス
このところの世界情勢の緊迫化により歯科用金属の金、銀、パラジウムの高騰が著しい。 そこでハイブリッドセラミックスブロックを機械による削り出しで作るCAD/CAM冠が保険導入されつつある。 折りからの歯科技工士も少子高齢化の煽りを受けまた長時間労働を強いられることもあり激減し、需要を満たせない状況に突入しているのも大きな原因だ。 問題点は脱離しやすい破折しやすいという点にあり特に外傷性咬合のある方は長持ちしない。 その理由は切削機械の最小切削半径は0.5mm要するに直径1mmのダイアモンドバーで切削しているので、薄いワークや角があるワークは加工が難しいので、クラウンのマージンはディープシャンファーにしかできないからだ。機械加工しやすいように支台歯の表面は滑らかで丸くないとならない。これは脱離を招きやすい。セラミックス系はまだマシだが、レジン系は撓むので厳しい。 今後はトラブル続出するだろう。 マージン付近は早期に脱離し隙間から隙間腐食が起こり2次カリエスが進行する。 2次カリエスを除去すると歯肉縁下まで虫歯で健全歯質は失われている。 患者は金属と違って白い歯で嬉しいと思うかもしれないが、残念ながら歯を失うことになる。 この症例も通常治療では保存を諦める歯科医師は多いと思われ、どこでもここと同じ治療は受けられない。 歯肉縁下というだけで抜歯の対象となる。 ここではピンレッジドCRコアを採用しているが、これが抜歯寸前に追い込まれた歯の唯一の長期保存が可能になる方法だ。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/04/26 09:48:47 PM
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